JP6704277B2 - 医療用長尺体 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用長尺体に関する。
例えば、血管壁に形成された血栓や、動脈硬化や、動脈硬化巣に存在する内膜の斑状肥厚性病変であるプラークや、中膜型石灰化等により、血管の内側に向かって、血管壁が隆起することで、血管壁に凹凸が生じることがある。凹凸の程度によっては、凹凸の窪みにおいて血流に滞りや乱流が生じ、血栓が形成されたりすることがある。このような凹凸を平滑化する手段として、特許文献1に示すようなカテーテルを用いた治療が知られている。
特許文献1に記載されているカテーテルは、プラークを治療する医療器具であり、カテーテル本体と、カテーテル本体の先端部に設けられた拡張・収縮自在なバルーンアンセンブリとを有している。また、バルーンアンセンブリは、プラーク除去剤を噴出する噴出部を有している。このカテーテルによって、以下のような治療が行われる。
まず、プラークにバルーンアンセンブリが位置するまで、カテーテルを血管にて押し進める。次いで、バルーンアンセンブリを拡張させて噴出部からプラーク除去剤を噴出し、プラークを除去する。そして、血管のプラークが除去された部分にステントを留置する。これにより、プラークが除去され、血管の内径を十分に確保することができる。
しかしながら、血管内に生じた凹凸の種類や程度によっては、上述したようなカテーテルを用いた治療法では、治すのが困難な場合がある。例えば、上記治療法では、血管壁に生じた凹凸の大きさや形状といった特徴が多様化する血栓や、中膜型石灰化に起因する凹凸を平滑化することができない。
特表2011−509158号公報
本発明の目的は、血管の病変部位における血管壁から隆起して形成される凹凸の窪みの種類や程度に関わらず、当該窪みにおける血流の滞りや乱流の発生を確実かつ容易に防止することができる医療用長尺体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
) 先端側から血管に挿入される長尺なカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の先端部に設けられた拡張・収縮自在なバルーン部と、
前記バルーン部に設けられ、前記バルーン部の拡張限界を規制する規制部と、を備え、
前記バルーン部は、拡張・収縮自在な先端側バルーン部と、前記先端側バルーン部よりも基端側に配置され、拡張・収縮自在な基端側バルーン部と、前記先端側バルーン部と前記基端側バルーン部との間に配置され、拡張・収縮自在な噴出バルーン部とを有し、
前記噴出バルーン部は、ゲルを噴出する噴出口が形成された噴出口形成部を有し、
前記規制部は、前記噴出バルーン部のうちの少なくとも前記噴出口形成部の外周側に設けられ、前記噴出口形成部での前記拡張限界を規制することを特徴とする医療用長尺体。
) 前記規制部は、拡張・収縮自在に構成されている上記()に記載の医療用長尺体。
) 前記規制部は、網状体で構成されている上記(1)または(2)に記載の医療用長尺体。
(4) 前記カテーテル本体は、第1カテーテルと、前記第1カテーテルの外側に配置されている第2カテーテルと、前記第2カテーテルの外側に配置されている第3カテーテルと、前記第3カテーテルの外側に配置されている第4カテーテルとを有し、
前記第2カテーテルの内周部と前記第1カテーテルの外周部との間に形成され、前記先端側バルーン部に連通し、前記先端側バルーン部の作動流体が流れる流路と、
前記第3カテーテルの内周部と前記第2カテーテルの外周部との間に形成され、前記噴出バルーン部に連通し、前記噴出バルーン部の作動流体を兼ねる前記ゲルが流れる流路と、
前記第4カテーテルの内周部と前記第3カテーテルの外周部との間に形成され、前記基端側バルーン部に連通し、前記基端側バルーン部の作動流体が流れる流路と、を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用長尺体。
本発明によれば、血管壁に生じた窪み内にゲルを充填することにより、血流が窪みにおいて滞ったり、乱流が生じたりすることを防止することができる。その結果、窪みの近傍の血流を正常化させることができるため、血管壁に生じた凹凸において、血管を塞いだり血流を阻害する血栓が形成されることを防止することができる。特に、凹凸の程度や種類によらず、すなわち、血栓、プラーク、中膜型石灰化等のいずれに起因する凹凸であっても、凹凸を容易に平滑化することができる。
図1は、本発明の医療用長尺体の第1実施形態を示す縦断面図である。 図2は、充填方法の第1実施形態を説明するための、窪みが形成された血管内を示す断面図であって、(a)が、未だ医療用長尺体が血管内に挿入されていない状態を示す図、(b)が、ガイドワイヤに沿わせて医療用長尺体を挿入した状態を示す図、(c)が、先端側バルーン部を拡張させた状態を示す図である。 図3は、充填方法の第1実施形態を説明するための、窪みが形成された血管内を示す断面図であって、(a)が、噴出バルーンおよび基端側バルーン部を露出させた状態を示す図、(b)が、基端側バルーン部を拡張させた状態を示す図、(c)が、窪みにゲルを充填した状態を示す図である。 図4は、充填方法の第1実施形態を説明するための、窪みが形成された血管内を示す断面図であって、(a)が、バルーン部を収縮させた状態を示す図、(b)が、医療用長尺体を外管内に退避させた状態を示す図、(c)が、血管内から医療用長尺体を抜去した状態を示す図である。 図5は、本発明の医療用長尺体の第2実施形態を示す縦断面図である。 図6は、図5に示す医療用長尺体において、先端側バルーンを拡張させている状態を示す図であって、(a)が、図5中A−A線断面図、(b)が、図5中B−B線断面図、(c)が、図5中C−C線断面図である。 図7は、図5に示す医療用長尺体において、噴出バルーン部を拡張させている状態を示す図であって、(a)が、図5中A−A線断面図、(b)が、図5中B−B線断面図、(c)が、図5中C−C線断面図である。 図8は、図5に示す医療用長尺体において、基端側バルーン部を拡張させている状態を示す図であって、(a)が、図5中A−A線断面図、(b)が、図5中B−B線断面図、(c)が、図5中C−C線断面図である。 図9は、本発明の医療用長尺体の第3実施形態を示す縦断面図である。 図10は、図9に示す医療用長尺体のカテーテル本体の先端部の拡大縦断面図であって、(a)が、第1の連通状態を示す図、(b)が、第2の連通状態を示す図、(c)が、第3の連通状態を示す図である。 図11は、本発明の医療用長尺体の第4実施形態を示す部分縦断面図である。 図12は、本発明の医療用長尺体の第5実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明の医療用長尺体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の医療用長尺体の第1実施形態を示す縦断面図である。図2は、充填方法の第1実施形態を説明するための、窪みが形成された血管内を示す断面図であって、(a)が、未だ医療用長尺体が血管内に挿入されていない状態を示す図、(b)が、ガイドワイヤに沿わせて医療用長尺体を挿入した状態を示す図、(c)が、先端側バルーン部を拡張させた状態を示す図である。図3は、充填方法の第1実施形態を説明するための、窪みが形成された血管内を示す断面図であって、(a)が、噴出バルーンおよび基端側バルーン部を露出させた状態を示す図、(b)が、基端側バルーン部を拡張させた状態を示す図、(c)が、窪みにゲルを充填した状態を示す図である。図4は、充填方法の第1実施形態を説明するための、窪みが形成された血管内を示す断面図であって、(a)が、バルーン部を収縮させた状態を示す図、(b)が、医療用長尺体を外管内に退避させた状態を示す図、(c)が、血管内から医療用長尺体を抜去した状態を示す図である。
なお、以下では、説明の都合上、図1〜図4中(図5〜図12についても同様)の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。また、図1〜図4(図5〜図12についても同様)では、理解を容易にするため、医療用長尺体の長手方向の寸法を縮小して図示し、径方向の寸法を拡大して図示している。このため、医療用長尺体、特にバルーンの寸法は、実際のものとは大きく異なる。
図1に示すように、医療用長尺体1は、長尺なカテーテル本体2と、カテーテル本体2の先端部に設けられたバルーン部3と、規制部4と、を有している。
カテーテル本体2は、第1カテーテル21と、第2カテーテル22と、第3カテーテル23と、第4カテーテル24とを有する4重管構造をなしている。第1カテーテル21、第2カテーテル22、第3カテーテル23および第4カテーテル24は、内側からこの順に同心的に配置されている。
図1に示すように、第1カテーテル21は、内側にルーメン210を有する。ルーメン210には、例えばガイドワイヤ等が挿通される。第1カテーテル21の長さは、本実施形態では、第2カテーテル22、第3カテーテル23および第4カテーテル24の長さよりも長い。第1カテーテル21の先端部は、第2カテーテル22の先端から露出しており、第1カテーテル21の基端部は、第2カテーテル22の基端から露出している。
第2カテーテル22は、ルーメン220を有している。このルーメン220には、第1カテーテル21が挿入されている。また、第2カテーテル22の内周部は、第1カテーテル21の外周部と離間している。このため、第2カテーテル22の内周部と第1カテーテル21の外周部との間には、空間が形成されており、該空間が、流路R2として機能する。
また、第2カテーテル22は、基端部、すなわち、第3カテーテル23の基端部から露出した部分にサイドポート221が形成されている。サイドポート221は、流路R2と連通している。これにより、サイドポート221から流路R2に流体を供給することができる。
なお、第2カテーテル22の先端内周部は、フランジ状に内側に突出形成されたフランジ222によって、第1カテーテル21との間の空間が塞がれている。これにより、流路R2内の流体が、第2カテーテル22の先端部から流出することを防いでいる。また、第2カテーテル22の基端内周部は、内側にフランジ状に突出形成されたフランジ223によって、第1カテーテル21との間の空間が塞がれている。これにより、流路R2内の流体が、第2カテーテル22の基端部から流出することを防いでいる。
また、第2カテーテル22の先端部近傍には、その管壁を厚さ方向に貫通する貫通孔224が設けられている。本実施形態では、貫通孔224は、2つ設けられている。この貫通孔224は、流路R2内の流体を、後述の先端側バルーン31に供給する供給口として機能する。
第3カテーテル23は、ルーメン230を有している。このルーメン230には、第2カテーテル22が挿入されている。また、第3カテーテル23の内周部は、第2カテーテル22の外周部と離間している。このため、第3カテーテル23の内周部と第2カテーテル22の外周部との間には、空間が形成されており、該空間が、流路R3として機能する。
また、第3カテーテル23は、基端部、すなわち、第4カテーテル24の基端部から露出した部分にサイドポート231が形成されている。サイドポート231は、流路R3と連通している。これにより、サイドポート231から流路R3に流体を供給することができる。
なお、第3カテーテル23の先端内周部は、フランジ状に内側に突出形成されたフランジ232によって、第2カテーテル22との間の空間が塞がれている。これにより、流路R3内の流体が、第3カテーテル23の先端部から流出することを防いでいる。また、第3カテーテル23の基端内周部は、内側にフランジ状に突出形成されたフランジ233によって、第2カテーテル22との間の空間が塞がれている。これにより、流路R3内の流体が、第3カテーテル23の基端部から流出することを防いでいる。
また、第3カテーテル23の先端部近傍には、その管壁を厚さ方向に貫通する貫通孔234が設けられている。本実施形態では、貫通孔234は、2つ設けられている。この貫通孔234は、流路R3内の流体を、後述の噴出バルーン32に供給する供給口として機能する。
第4カテーテル24は、ルーメン240を有している。このルーメン240には、第3カテーテル23が挿入されている。また、第4カテーテル24の内周部は、第3カテーテル23の外周部と離間している。このため、第4カテーテル24の内周部と第3カテーテル23の外周部との間には、空間が形成されており、該空間が、流路R4として機能する。
また、第4カテーテル24は、基端部、すなわち、第3カテーテル23のサイドポート231よりも先端側に位置する部分にサイドポート241が形成されている。サイドポート241は、流路R4と連通している。これにより、サイドポート241から流路R4に流体を供給することができる。
なお、第4カテーテル24の先端内周部は、フランジ状に内側に突出形成されたフランジ242によって、第3カテーテル23との間の空間が塞がれている。これにより、流路R4内の流体が、第4カテーテル24の先端部から流出することを防いでいる。また、第4カテーテル24の基端内周部は、内側にフランジ状に突出形成されたフランジ243によって、第3カテーテル23との間の空間が塞がれている。これにより、流路R4内の流体が、第4カテーテル24の基端部から流出することを防いでいる。
また、第4カテーテル24の先端部近傍には、その管壁を厚さ方向に貫通する貫通孔244が設けられている。本実施形態では、貫通孔244は、2つ設けられている。この貫通孔244は、流路R4内の流体を、後述の基端側バルーン33に供給する供給口として機能する。
このような、第1カテーテル21、第2カテーテル22、第3カテーテル23および第4カテーテル24の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂等の各種熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、フッ素ゴム系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。また、第1カテーテル21、第2カテーテル22、第3カテーテル23および第4カテーテル24は、複数種の材料よりなる多層積層構造であってもよい。
なお、第1カテーテル21、第2カテーテル22、第3カテーテル23および第4カテーテル24は、互いに長手方向に移動可能に構成されていてもよく、互いに回転可能に構成されていてもよい。
次に、バルーン部3について説明する。
図1に示すように、バルーン部3は、先端側バルーン部としての先端側バルーン31と、噴出バルーン部としての噴出バルーン32と、基端側バルーン部としての基端側バルーン33とを有している。先端側バルーン31、噴出バルーン32および基端側バルーン33は、先端側からこの順で並んで配置されている。
先端側バルーン31は、第2カテーテル22の先端外周部に設けられている。すなわち、先端側バルーン31は、第2カテーテル22の、第3カテーテル23の先端から露出している部分に設けられている。
この先端側バルーン31は、可撓性を有する膜部材により構成されている。先端側バルーン31の両端部は、例えば熱融着等により第2カテーテル22の先端部に接合されている。
先端側バルーン31は、サイドポート221から流路R2および貫通孔224を介して作動流体が内側に供給されることにより拡張する。そして、先端側バルーン31は、この拡張状態から作動流体を吸引することにより収縮する。
本実施形態では、先端側バルーン31に供給する作動流体は、造影剤100である。これにより、X線透視下で、血管内における先端側バルーン31の位置を把握することができる。
噴出バルーン32は、第3カテーテル23の先端外周部に設けられている。すなわち、噴出バルーン32は、第3カテーテル23の、第4カテーテル24の先端から露出している部分に設けられている。
この噴出バルーン32は、可撓性を有する膜部材により構成されている。噴出バルーン32の両端部は、例えば熱融着等により第3カテーテル23の先端部に接合されている。
噴出バルーン32は、サイドポート231から流路R3および貫通孔234を介して作動流体が内側に供給されることにより拡張する。そして、噴出バルーン32は、この拡張状態から作動流体を吸引することにより収縮する。
また、噴出バルーン32は、その膜厚方向に貫通する貫通孔で構成された複数の噴出口321を有している。これにより、噴出バルーン32の内側の作動流体を、噴出口321を介して噴出することができる。
本実施形態では、噴出バルーン32に供給する作動流体は、ゲル200である。これにより、噴出口321からゲル200を噴出することができ、後述するような治療を行うことができる。
なお、図1に示すように、噴出バルーン32において、噴出口321が形成されている領域を噴出口形成部322と言う。
ゲル200としては、生体適合性を有する材料で構成されているのが好ましく、例えば、ポリウレタン、ポリエチレングリコール、リン脂質極性基を有するMPCポリマー、コラーゲン、アガロース、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、アクリル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリ2ヒドロキシメタクリレートなどのメタクリル系ポリマーやコポリマー等を用いることができる。
また、ゲル200には、抗血栓剤等の薬剤が混入されていてもよい。
このようなゲル200の粘度は、1Pa・s以上、150Pa・s以下であるのがより好ましい。これにより、後述するように、窪み302にゲル200が充填された後に、血液によって流されてしまうのを防止することができる(図4(c)参照)。
基端側バルーン33は、第4カテーテル24の先端外周部に設けられている。この基端側バルーン33は、可撓性を有する膜部材により構成されている。基端側バルーン33は、その両端部が、例えば熱融着等により第4カテーテル24の先端部に接合されている。
基端側バルーン33は、サイドポート241から流路R4および貫通孔244を介して作動流体が内側に供給されることにより拡張する。そして、基端側バルーン33は、この拡張状態から作動流体を吸引することにより収縮する。
本実施形態では、基端側バルーン33に供給する作動流体は、造影剤100である。これにより、X線透視下で、血管内における基端側バルーン33の位置を把握することができる。
このような先端側バルーン31、噴出バルーン32および基端側バルーン33の構成材料は、同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。上記構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂またはポリエステルエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれらに電子線照射により架橋処理を施したもの、塩化ビニル樹脂、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610等のポリアミド系樹脂またはポリアミドエラストマー、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはこれらに電子線照射により架橋処理を施したもの、または、これらのうちの少なくとも一種を含むポリマーブレンド、ポリマーアロイ等の材料が挙げられる。
図1に示すように、噴出バルーン32の外周部には、規制部4としての網状体41が設けられている。本実施形態では、網状体41は、噴出口形成部322を覆うように設けられている。なお、本実施形態では、網状体41は噴出バルーン32の外周部に固定されている。
網状体41は、全体形状が円筒状をなしている。この網状体41は、線材が編み込まれた編組体や、リング状の線材を一方向に同心的に配列して連結した連結体や、線材が螺旋状に巻回されたものや、これらを組み合わせたものとすることができる。本明細書中では、これらの形態を総称して「網状体」という。このような構成によれば、網状体41が各噴出口321を塞ぐのを防止することができる。すなわち、網の目の部分が噴出口321と連通する連通孔として機能する。よって、噴出口321からゲル200を噴出することができる。
網状体41は、その径方向に拡張・収縮自在に構成されている。また、網状体41は、自己拡張性を有し、収縮した状態から規制を解除すると拡張する。この拡張状態では、網状体41は、円筒状をなしている。
次に、図2〜図4を用いて、上記で説明した医療用長尺体の使用方法、すなわち、充填方法を説明する。
填方法は、[1]挿入工程と、[2]仕切り工程と、[3]充填工程と、[4]抜去工程とを有している。
まず、医療用長尺体1を挿入する血管300について説明する。
図2(a)に示すように、血管300の血管壁301には凹凸304が形成されている。凹凸304は、血管300の内側に向かって、血管壁301が隆起して形成される。以下では、凹凸304は、例えば、血管300の中膜が石灰化して肥大するメンケベルグ型中膜石灰化によって形成される病変部位である。
この場合、血液400は、凹凸304において流れが乱れ、特に、窪み302にて滞る。この滞りによって、血栓が形成され、その程度によっては、血管300が塞がれてしまったりすることがある。
なお、図2〜図4では、左側が血流の上流側とし、右側が血流の下流側とする。従って、血液400では、図2〜図4中左側から右側に向って血液400が流れる。
[1]挿入工程
図2(b)に示すように、医療用長尺体1を外管5に挿入した状態で、予め血管300内に挿入したガイドワイヤ6に合わせて挿通していく。これにより、医療用長尺体1および外管5は、ガイドワイヤ6に案内されつつ、血管300内に挿入され、その挿入操作を円滑に行うことができる。
また、この挿入工程では、外管5内の噴出バルーン32を窪み302に対応する位置まで挿入する。例えば、医療用長尺体1の先端部の任意の位置にX線不透過性を有する造影マーカを設け、X線透視下で前記挿入操作を行うことにより、噴出バルーン32の位置決めを容易に行うことができる。
なお、医療用長尺体1が外管5内に挿入された状態では、先端側バルーン31、噴出バルーン32および基端側バルーン33は、収縮した状態となっている。
この位置決めがなされた後に、ガイドワイヤ6を血管300内から抜去してもよく、ガイドワイヤ6をそのまま血管300内に留置した状態で以下の工程を行ってもよい。
[2]仕切り工程
次いで、図2(c)に示すように、医療用長尺体1に対して外管5を基端側に退避させて、先端側バルーン31を露出させる。このとき、噴出バルーン32および基端側バルーン33は、外管5内に収納されたままとする。
そして、図2(c)中破線で示す収縮状態から先端側バルーン31に作動流体として造影剤100を供給し、図2(c)中実線で示すように拡張状態とする。これにより、血管300の窪み302よりも上流側の部分は先端側バルーン31によって仕切られる。よって、先端側バルーン31によって、血液400が塞き止められる。
次いで、図3(a)に示すように、医療用長尺体1に対して外管5をさらに基端側に退避させて、噴出バルーン32および基端側バルーン33を露出させる。そして、図3(b)中破線で示す収縮状態から基端側バルーン33に作動流体として造影剤100を供給し、図3(b)中実線で示すように拡張状態とする。これにより、血管300は、窪み302の前後、すなわち、先端側および基端側がそれぞれ仕切られた仕切り状態となる。この仕切り状態では、血管300内の先端側バルーン31と基端側バルーン33との間の空間Sは、密閉され、血液400が流入するのが防止されている。すなわち、仕切り状態では、空間Sにおいて血流が遮断された状態となっている。
なお、図3(a)および図3(b)に示すように、仕切り工程において、噴出バルーン32は、網状体41の拡張によって拡張状態となる。この際、噴出バルーン32は、網状体41の形状に合わせて、略円柱状に維持されたまま拡張する。また、拡張状態では、噴出バルーン32または網状体41は、凹凸304の頂部303に当接しており、それ以上拡張するのが規制されている。
また、先端側バルーン31および基端側バルーン33の作動流体として造影剤100を用いているため、仕切り工程をX線透視下で行うことができ、術者は、先端側バルーン31および基端側バルーン33が拡張して仕切り状態になったことを確実に把握することができる。
[3]充填工程
この当接した状態で、噴出バルーン32内にゲル200を供給し、噴出バルーン32の内圧が所定値を上回ったとき、噴出口321からゲル200が噴出する(図3(c)参照)。これにより、窪み302がゲル200により埋められる。
ここで、網状体41が省略されていた場合、すなわち、噴出バルーン32の拡張限界が規制されていなかった場合、軟質な噴出バルーン32は、拡張状態において、外径が凹凸304に倣うように窪み302内に入り込む。この入り込んだ状態では、窪み302内にゲル200を噴出して窪み302にゲル200を充填するのは困難である。
これに対し、医療用長尺体1では、網状体41によって噴出バルーン32の拡張限界を規制するため、拡張状態では、噴出口形成部322と窪み302の内面との間に間隙が形成され、この間隙内にゲル200を噴出して窪み302にゲル200を充填することができる。
また、噴出バルーン32は、網状体41によって、縦断面形状における外周部が、医療用長尺体1の長手方向に沿った直線状になるように規制される。これにより、充填されたゲル200の表面を平滑化することができる。
[4]抜去工程
次いで、図4(a)に示すように、先端側バルーン31および基端側バルーン33を収縮させる。これにより、仕切り状態が解除される。このとき、ゲル200は、窪み302内に充填されたままの状態となっている。そして、噴出バルーン32を収縮させる。
また、本工程での収縮は、先端側バルーン31、噴出バルーン32および基端側バルーン33内の作動流体を吸引することにより行われる。
そして、図4(b)に示すように、外管5に対して医療用長尺体1を基端側に退避させて、外管5内に先端側バルーン31、噴出バルーン32および基端側バルーン33を収納する。
最後に、医療用長尺体1および外管5を基端側に引張って血管300から抜去し、所定の処置を施す。
なお、本抜去工程では、先端側バルーン31、噴出バルーン32および基端側バルーン33を同時に収縮させてもよく、それぞれ異なるタイミングで収縮させてもよい。
以上説明したような充填方法によれば、図4(c)に示すように、血管300内の窪み302に選択的にゲル200を充填することができ、凹凸304を平滑にすることができる。これにより、図2(a)に示すような窪み302内での血液400の滞りを防止することができ、円滑な血流を確保することができる。よって、血液400の滞りによって、血栓が形成されて血管300が塞がれてしまったり、血管300の血液400が通過する部分の断面積が過剰に小さくなったりするのを防止することができる。
また、前記では、中膜型石灰化に起因する凹凸を例に挙げて説明したが、本発明では、血管壁に生じた血栓による凹凸や、動脈硬化によるや凹凸、動脈硬化巣に存在する内膜の斑状肥厚性病変であるプラークによる凹凸等に関しても、同様に平滑化することができる。
また、本充填方法では、ゲル200の噴出を、血管300の窪み302が形成された部分の血流を止めた状態で行う。これにより、噴出されたゲル200が血液400によって流されてしまうのを防止することができる。よって、窪み302にゲル200を確実に充填することができる。
さらに、本充填方法は、下肢領域での治療に有効である。下肢領域は、中膜型石灰化によって血管壁に凹凸が生じやすい。その凹凸によって血栓が形成されることを防止することにより、器質化、炎症、内膜肥厚のカスケードを止めることができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の医療用長尺体の第2実施形態を示す縦断面図である。図6は、図5に示す医療用長尺体において、先端側バルーン部を拡張させている状態を示す図であって、(a)が、図5中A−A線断面図、(b)が、図5中B−B線断面図、(c)が、図5中C−C線断面図である。図7は、図5に示す医療用長尺体において、噴出バルーン部を拡張させている状態を示す図であって、(a)が、図5中A−A線断面図、(b)が、図5中B−B線断面図、(c)が、図5中C−C線断面図である。図8は、図5に示す医療用長尺体において、基端側バルーン部を拡張させている状態を示す図であって、(a)が、図5中A−A線断面図、(b)が、図5中B−B線断面図、(c)が、図5中C−C線断面図である。
なお、図6〜図8では、第1カテーテル21の図示を省略し、第2カテーテル22および第3カテーテル23のみを図示している。
以下、この図を参照して充填方法および本発明の医療用長尺体の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、カテーテル本体の構成が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
図5に示すように、医療用長尺体1Aでは、カテーテル本体2は、第1カテーテル21と、第2カテーテル22と、第3カテーテル23とを有する3重管構造をなしている。第1カテーテル21、第2カテーテル22および第3カテーテル23は、内側からこの順に同心的に配置されている。
第1実施形態と同様に、医療用長尺体1Aでは、第1カテーテル21と第2カテーテル22との間の空間が流路R2として機能する。
また、第2カテーテル22の外周部と、第3カテーテル23の内周部とは密着している。第2カテーテル22は、第1カテーテル21および第3カテーテル23に対して、医療用長尺体1Aの中心軸回りに回転可能に構成されている。
また、第2カテーテル22は、その管壁の厚さ方向に貫通形成された貫通孔225、貫通孔226および貫通孔227を有している。貫通孔225、貫通孔226および貫通孔227は、医療用長尺体1Aの長手方向に互いにずれた位置に形成されている。
貫通孔225の医療用長尺体1Aの長手方向における位置は、先端側バルーン31と同じである。貫通孔226の医療用長尺体1Aの長手方向における位置は、噴出バルーン32と同じである。貫通孔227の医療用長尺体1Aの長手方向における位置は、基端側バルーン33と同じである。
また、貫通孔225、貫通孔226および貫通孔227は、医療用長尺体1Aの周方向での位置が互いにずれている。本実施形態では、貫通孔225、貫通孔226および貫通孔227は、それぞれ医療用長尺体1Aの周方向に略90°ずつずれている。
第3カテーテル23は、第2カテーテル22よりも短く、先端の位置が第2カテーテル22と同じである。この第3カテーテル23には、医療用長尺体1Aの長手方向に沿って先端側バルーン31および基端側バルーン33が互いに離間して設けられている。なお、噴出バルーン32は、本実施形態では、先端部が先端側バルーン31に接合され、基端部が基端側バルーン33に接合されている。
また、第3カテーテル23は、その管壁の厚さ方向に貫通形成された貫通孔235、貫通孔236および貫通孔237を有している。貫通孔235、貫通孔236および貫通孔237は、医療用長尺体1Aの長手方向にずれて形成されている。
貫通孔235は、医療用長尺体1Aの長手方向における位置が貫通孔225と同じである。貫通孔236は、医療用長尺体1Aの長手方向における位置が貫通孔226と同じである。貫通孔237は、医療用長尺体1Aの長手方向における位置が貫通孔227と同じである。
また、貫通孔235、貫通孔236および貫通孔237は、医療用長尺体1Aの周方向での位置が互いに同じである。
このような医療用長尺体1Aでは、第2カテーテル22を回転させることにより、貫通孔225と貫通孔235とが連通する第1連通状態と、貫通孔226と貫通孔236とが連通する第2連通状態と、貫通孔227と貫通孔237とが連通する第3連通状態と、を切り替えることができる。第1連通状態では、作動流体を先端側バルーン31に供給することができる。第2連通状態では、作動流体を噴出バルーン32に供給することができる。第3連通状態では、作動流体を基端側バルーン33に供給することができる。
図6は、第1連通状態を示す図である。図6(a)に示すように、第1連通状態では、貫通孔225および貫通孔235が連通している。これにより、流路R2と先端側バルーン31とが連通して、先端側バルーン31に作動流体を供給することができる。
また、図6(b)に示すように、第1連通状態では、貫通孔226と貫通孔236とは、医療用長尺体1Aの周方向に互いにずれており、連通していない。これにより、第1連通状態において、作動流体が噴出バルーン32に供給されることを防止することができる。
また、図6(c)に示すように、第1連通状態では、貫通孔227と貫通孔237とは、医療用長尺体1Aの周方向に互いにずれており、連通していない。これにより、第1連通状態において、作動流体が基端側バルーン33に供給されることを防止することができる。
図7は、第2連通状態を示す図である。図7(a)に示すように、第2連通状態では、貫通孔225と貫通孔235とは、医療用長尺体1Aの周方向に互いにずれており、連通していない。これにより、第2連通状態において、作動流体が先端側バルーン31に供給されることを防止することができる。
図7(b)に示すように、第2連通状態では、貫通孔226および貫通孔236が連通している。これにより、流路R2と噴出バルーン32とが連通して、噴出バルーン32に作動流体、すなわち、ゲル200を供給することができる。
また、図7(c)に示すように、第2連通状態では、貫通孔227と貫通孔237とは、医療用長尺体1Aの周方向に互いにずれており、連通していない。これにより、第2連通状態において、作動流体が基端側バルーン33に供給されることを防止することができる。
図8は、第3連通状態を示す図である。図8(a)に示すように、第3連通状態では、貫通孔225と貫通孔235とは、医療用長尺体1Aの周方向に互いにずれており、連通していない。これにより、第3連通状態において、作動流体が先端側バルーン31に供給されることを防止することができる。
また、図8(b)に示すように、第3連通状態では、貫通孔226と貫通孔236とは、医療用長尺体1Aの周方向に互いにずれており、連通していない。これにより、第3連通状態において、作動流体が噴出バルーン32に供給されることを防止することができる。
図8(c)に示すように、第3連通状態では、貫通孔227および貫通孔237が連通している。これにより、流路R2と基端側バルーン33とが連通して、基端側バルーン33に作動流体を供給することができる。
このように、医療用長尺体1Aは、第1連通状態、第2連通状態および第3連通状態を回転操作によって切り替える切替機構を有していると言える。本実施形態では、このような第1連通状態、第2連通状態および第3連通状態の切り替えを、第2カテーテル22を回転させるという簡単な方法によって行うことができる。
さらに、医療用長尺体1Aによれば、第4カテーテル24を省略することができ、その分、医療用長尺体1Aの細径化を図ることができる。
なお、第2カテーテル22の基端部や第3カテーテル23の基端部には、第2カテーテル22の回転量、すなわち、回転角度を示すマーカが付されていてもよい。これにより、前記切替作業を容易かつ迅速に行うことができる。
さらに、上記切替作業を、流路R2内に例えば作動流体を供給して、流路R2の内圧を高めた状態で行ってもよい。この場合、第1連通状態、第2連通状態および第3連通状態のいずれかになったとき、作動流体が、先端側バルーン31、噴出バルーン32および基端側バルーン33のいずれかに供給されて内圧が低下する。この内圧の低下により、所望の貫通孔同士が連通していることを把握することができる。
このような医療用長尺体1Aの使用方法、すなわち、充填方法は、第1実施形態と略同様であるため詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態では、[2]仕切り工程において、前述した切替作業を行うが、前記第1実施形態と同様に、先端側バルーン31、基端側バルーン33および噴出バルーン32の順に拡張させる。すなわち、第1連通状態、第3連通状態および第2連通状態の順に切り替える。
また、第3連通状態から第2連通状態とする際、すなわち、作動流体を造影剤100からゲル200に切り替える際、流路R2の内側を洗浄してもよい。また、流路R2内を洗浄してからゲル200を供給するのに先立ち、例えば生理食塩水により噴出バルーン32を拡張させ、噴出バルーン32から生理食塩水を噴出してもよい。これにより、ゲル200を充填する以前に、血管内を洗浄することができる。
なお、貫通孔225、貫通孔226、貫通孔227、貫通孔235、貫通孔236、貫通孔237は、それぞれ複数ずつ設けられていてもよい。
<第3実施形態>
図9は、本発明の医療用長尺体の第3実施形態を示す縦断面図である。図10は、図9に示す医療用長尺体のカテーテル本体の先端部の拡大縦断面図であって、(a)が、第1の連通状態を示す図、(b)が、第2の連通状態を示す図、(c)が、第3の連通状態を示す図である。
以下、この図を参照して充填方法および本発明の医療用長尺体の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、切替機構の構成が異なること以外は、前記第2実施形態と同様である。
図9に示すように、医療用長尺体1Bでは、第2カテーテル22は、先端部に設けられ、その管壁の厚さ方向に貫通形成された貫通孔225a、貫通孔226aおよび貫通孔227aを有している。貫通孔225a、貫通孔226aおよび貫通孔227aは、それぞれ、第2カテーテル22の長手方向にずれて配置されている。そして、貫通孔225a、貫通孔226aおよび貫通孔227aは、カテーテル本体2の周方向の位置が同じである。
また、貫通孔225aおよび貫通孔226aの離間距離と、貫通孔226aおよび貫通孔227aの離間距離とは、同じである。貫通孔225aおよび貫通孔226aの離間距離は、第3カテーテル23の貫通孔235および貫通孔236の離間距離よりも大きい。貫通孔226aおよび貫通孔227aの離間距離は、第3カテーテル23の貫通孔236および貫通孔237の離間距離よりも大きい。
また、本実施形態では、第2カテーテル22は、第3カテーテル23に対して、その長手方向にスライド可能、すなわち、移動可能に構成されている。
このような医療用長尺体1Bでは、前記第2実施形態と同様に、第2カテーテル22をスライドさせることにより、貫通孔225aと貫通孔235とが連通する第1連通状態と(図10(a)参照)、貫通孔226aと貫通孔236とが連通する第2連通状態と(図10(b)参照)、貫通孔227aと貫通孔237とが連通する第3連通状態と(図10(c)参照)を切り替えることができる。
このように、医療用長尺体1Bは、第1連通状態、第2連通状態および第3連通状態をスライド操作により切り替える切替機構を有している。また、医療用長尺体1Bでは、このような第1連通状態、第2連通状態および第3連通状態の切り替えを、第2カテーテル22を第3カテーテル23に対してスライドさせるという簡単な方法によって行うことができる。
なお、本実施形態では、第2カテーテル22は、第3カテーテル23に対して回転操作可能に構成されていてもよい。例えば、図10(a)に示す第1連通状態から図10(c)に示す第3連通状態とする過程において、第2カテーテル22をスライドさせていくと、一時的に貫通孔226aおよび貫通孔236が連通する。このとき、回転操作を行い、第2カテーテル22を回転させて貫通孔236に対する貫通孔226aの周方向の位置を換えることにより、一時的な連通を防止することができる。
<第4実施形態>
図11は、本発明の医療用長尺体の第4実施形態を示す部分縦断面図である。
以下、この図を参照して充填方法および本発明の医療用長尺体の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、バルーン部および規制部の構成が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
図11に示すように、医療用長尺体1Cは、第1実施形態での第3カテーテル23および第4カテーテル24が省略され、さらに外管5を有している。
また、第2カテーテル22は、先端部に設けられ、その管壁の厚さ方向に貫通する貫通孔228を有している。この貫通孔228は、流路R2から後述のバルーン34にゲル200を供給する供給口として機能する。
図11に示すように、医療用長尺体1Cは、第2カテーテル22の先端部に設けられたバルーン34を有している。バルーン34は、長尺状をなしている。また、バルーン34は、その長手方向の途中に設けられた複数の噴出口321を有している。
また、本実施形態では、規制部4は、網状体42を有している。網状体42は、自己拡張性を有している。すなわち、網状体42は、収縮状態では、拡張する方向に付勢する付勢力を有している。この網状体42は、基端部が外管5内に挿入されており、先端部がバルーン34の先端部付近に位置している。すなわち、網状体42は、バルーン34の先端部の一部を除いてバルーン34を基端まで覆っている。また、本実施形態では、網状体42はバルーン34の外周部に固定されている。
また、網状体42は、拡張状態では、長手方向の途中の部分が内側に緩やかに窪んだ形状をなしている。このため、図11に示すように、拡張状態のバルーン34は、先端側に位置する先端領域341と、基端側に位置する基端領域343と、それらの間に位置する中間領域342とに分けられる。先端領域341および基端領域343は、外径が略同じ大きさであり、かつ、中間領域342よりも大きい。なお、中間領域342は、噴出口321が形成された噴出口形成部である。
本実施形態では、外管5にバルーン34および網状体42を収納し、網状体42の拡張を規制した状態から、先端領域341を露出させると、先端領域341は、網状体42に引張られて拡張する。このことは、基端領域343についても同様である。これにより、バルーン34を外管5から露出させると、作動流体を供給しなくても仕切り状態となる。よって、[2]仕切り工程の簡略化を図ることができる。
また、仕切り状態では、すでに、図11に示すように中間領域342も拡張している。そして、拡張状態における中間領域342は、外形形状が略円柱状に規制されている。これにより、ゲル200をバルーン34内に供給して、噴出口321からゲル200を噴出し、窪み302にゲル200を充填することができる。
なお、本実施形態では、[2]仕切り工程において、先端領域341を露出させて拡張し、次いで基端領域343を露出させて拡張してもよく、先端領域341および基端領域343をほぼ同時に露出させて拡張してもよい。
後者の場合、先端領域341の方が基端領域343よりも先に拡張する構成とすることにより、上流側から仕切ることができる。例えば、この構成は、バルーン34において、先端領域341よりも基端領域343の膜厚を厚くしたりして網状体42に追従して拡張しにくくすることにより、実現することができる。
なお、本実施形態では、先端領域341によって先端側バルーン部が構成され、中間領域342によって噴出バルーン部が構成され、基端領域343によって基端側バルーン部が構成されている。すなわち、本実施形態では、先端側バルーン部と噴出バルーン部と基端側バルーン部とが一体的に形成されていると言える。
<第5実施形態>
図12は、本発明の医療用長尺体の第5実施形態を示す縦断面図である。
以下、この図を参照して充填方法および本発明の医療用長尺体の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図12に示すように、医療用長尺体1Dでは、カテーテル本体2は、第1カテーテル21と、第2カテーテル22と、第3カテーテル23とを有する3重管構造をなしている。
第2カテーテル22と第3カテーテル23との間の流路R3は、本実施形態では、ゲル200が通過する流路として機能する。
図12に示すように、医療用長尺体1Dでは、バルーン部3は、内バルーンとしてのバルーン34と、バルーン34の外周側に設けられた外バルーン35とを有する2重バルーンである。
外バルーン35は、長尺状をなし、その基端部が、第3カテーテル23の先端外周部に固定されている。また、外バルーン35の先端部は、バルーン34の先端領域341に固定されている。すなわち、外バルーン35は、バルーン34を、先端領域341の途中から基端まで覆った構成となっている。
外バルーン35は、拡張状態における全体形状が、バルーン34の形状に倣うように拡張する。すなわち、外バルーン35は、その長手方向の途中の部分が内側に窪んだ形状となっており、窪んだ部分が中間領域342の外側に位置している。
また、外バルーン35の中間領域342に対応する部分には、その膜厚方向に貫通形成された複数の噴出口351が設けられている。これにより、流路R3を流下してきたゲル200は、バルーン34と外バルーン35との間を流下し、噴出口351を介して外側に噴出される。
なお、本実施形態では、網状体42は、本実施形態では、バルーン34と外バルーン35の間に位置しており、バルーン34の拡張限界を規制している。また、網状体42は外バルーン34の外周部に固定されている。
このような医療用長尺体1Dは、以下の利点を有する。
バルーン34は、中間領域342において網状体42によって拡張限界が規制されているため、バルーン34が外バルーン35の内側に窪んだ部分を外側に押し広げることを防ぐことができる。よって、外バルーン35は、中間領域342において、拡径限界が規制されることとなり、窪み302にゲル200を充填することができる。
また、[3]充填工程では、バルーン部3の拡張状態において、バルーン34は、網状体42によって内側に収縮する方向、すなわち、図12中矢印方向に付勢されている。このため、バルーン34と外バルーン35との間をゲル200が流下する際、バルーン34がゲル200を圧迫してゲル200の流下を阻害することを防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、第4実施形態で用いた外管5を省略して、[1]挿入工程において、サイドポート221およびサイドポート231から吸引を行い、バルーン34および外バルーン35の内側にそれぞれ陰圧を付与することにより、バルーン34および外バルーン35の収縮状態を確実に維持したまま搬送することができる。その結果、外管5が省略された分、比較的細い血管内を円滑に搬送することができる。
以上、充填方法および本発明の医療用長尺体を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成や工程は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
なお、本発明は、例えば、動脈瘤の治療にも適用することができる。この場合、血管の外側に向かって血管壁が窪んで形成される動脈瘤に対して、ゲルを充填することで、動脈瘤をゲルで閉塞させながら、動脈瘤により形成された血管壁の凹凸を平滑化させることができる。
また、前記各実施形態では、規制部としての網状体は、バルーンの外側に設けられていたが、本発明ではこれに限定されず、例えば、内側に設けられていてもよく、その膜厚方向の途中に埋設されていてもよい。
また、前記実施形態の充填工程で、血流の下流から上流の方向に向かって、医療用長尺体を送達した後、上流側、下流側の順に血流を止めることで、窪みにゲルを充填する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、血管壁に生じた窪みに対して、血流の下流側から上流側に向かって医療用長尺体を送達するだけでなく、その逆の血流方向に沿って、医療用長尺体を送達しても良い。この場合、下流側の血流を止めた後、上流側の血流を止めることで、窪みにゲルを充填しても良い。
また、前記実施形態では、真っ直ぐな血管に血栓が生じた場合について説明したが、本発明では、これに限定されず、例えば、湾曲した血管内に血栓が生じた場合においても適応することができる。
1、1A、1B、1C、1D 医療用長尺体
2 カテーテル本体
21 第1カテーテル
210 ルーメン
22 第2カテーテル
220 ルーメン
221 サイドポート
222 フランジ
223 フランジ
224、225、226、227、228 貫通孔
225a、226a、227a 貫通孔
23 第3カテーテル
230 ルーメン
231 サイドポート
232、233 フランジ
234、235、236、237 貫通孔
24 第4カテーテル
240 ルーメン
241 サイドポート
242、243 フランジ
244 貫通孔
3 バルーン部
31 先端側バルーン
32 噴出バルーン
321 噴出口
322 噴出口形成部
33 基端側バルーン
34 バルーン
341 先端領域
342 中間領域
343 基端領域
35 外バルーン
351 噴出口
4 規制部
41 網状体
42 網状体
5 外管
6 ガイドワイヤ
100 造影剤
200 ゲル
300 血管
301 血管壁
302 窪み
303 頂部
304 凹凸
400 血液
R2、R3、R4 流路
S 空間

Claims (4)

  1. 先端側から血管に挿入される長尺なカテーテル本体と、
    前記カテーテル本体の先端部に設けられた拡張・収縮自在なバルーン部と、
    前記バルーン部に設けられ、前記バルーン部の拡張限界を規制する規制部と、を備え、
    前記バルーン部は、拡張・収縮自在な先端側バルーン部と、前記先端側バルーン部よりも基端側に配置され、拡張・収縮自在な基端側バルーン部と、前記先端側バルーン部と前記基端側バルーン部との間に配置され、拡張・収縮自在な噴出バルーン部とを有し、
    前記噴出バルーン部は、ゲルを噴出する噴出口が形成された噴出口形成部を有し、
    前記規制部は、前記噴出バルーン部のうちの少なくとも前記噴出口形成部の外周側に設けられ、前記噴出口形成部での前記拡張限界を規制することを特徴とする医療用長尺体。
  2. 前記規制部は、拡張・収縮自在に構成されている請求項に記載の医療用長尺体。
  3. 前記規制部は、網状体で構成されている請求項1または2に記載の医療用長尺体。
  4. 前記カテーテル本体は、第1カテーテルと、前記第1カテーテルの外側に配置されている第2カテーテルと、前記第2カテーテルの外側に配置されている第3カテーテルと、前記第3カテーテルの外側に配置されている第4カテーテルとを有し、
    前記第2カテーテルの内周部と前記第1カテーテルの外周部との間に形成され、前記先端側バルーン部に連通し、前記先端側バルーン部の作動流体が流れる流路と、
    前記第3カテーテルの内周部と前記第2カテーテルの外周部との間に形成され、前記噴出バルーン部に連通し、前記噴出バルーン部の作動流体を兼ねる前記ゲルが流れる流路と、
    前記第4カテーテルの内周部と前記第3カテーテルの外周部との間に形成され、前記基端側バルーン部に連通し、前記基端側バルーン部の作動流体が流れる流路と、を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載の医療用長尺体
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