JP6703564B2 - メルティングピーク分析を利用したターゲット核酸配列の定量 - Google Patents

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Description

本特許出願は、2013年3月13日に大韓民国特許庁に提出された大韓民国特許出願第2013−0026837号に対して優先権を主張し、前記特許出願の開示事項は、本明細書に参照として挿入される。
本発明は、メルティング分析を用いてターゲット核酸配列を定量する方法に関する。
核酸増幅は、分子生物学分野で利用される必須的な過程であって、ターゲット核酸配列を検出するためのほとんどの技術は、核酸増幅過程を含んでいる。これにより、多様な増幅方法が提示された。
代表的な核酸増幅方法である重合酵素連鎖反応(polymerase chain reaction、PCR)は、二本鎖DNAの変性、DNA鋳型へのオリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング及びDNA重合酵素によるプライマー延長の反復されたサイクル過程を含む(Mullis et al.,米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,800,159号;Saiki et al.,(1985)Science 230,1350−1354)。
核酸を増幅するための他の方法で、LCR(ligase chain reaction)、SDA(Strand Displacement Amplification)、NASBA(nucleic acid sequence−based amplification)、TMA(Transcription Mediated Amplification)、及びRCA(Rolling−Circle Amplification)のような多様な方法が提示された。
核酸増幅を通じてターゲット核酸を検出するための方法で、核酸の増幅をリアルタイムで測定しながらターゲット核酸を検出することができるリアルタイム(real−time)検出方法が広く利用されている。
リアルタイム検出方法は、一般的にターゲット配列に特異的にハイブリダイズする標識されたプローブを利用する。標識されたプローブとターゲット配列との間のハイブリダイゼーションを利用する方法の例として、ヘアピン構造を形成する二重標識されたプローブを利用する分子ビーコン(Molecular beacon)方法(Tyagi et al,Nature Biotechnology v.14 MARCH 1996)、供与体(donor)または受容体(acceptor)で単一標識された2つのプローブを利用するハイブリダイゼーションプローブ(Hybridization probe)方法(Bernad et al,147−148 Clin Chem 2000;46)、及び単一標識されたオリゴヌクレオチドを利用するLux方法(米国特許第7,537,886号)が開発された。また、二重標識されたプローブのハイブリダイゼーションだけではなく、DNA重合酵素の5’−ヌクレアーゼ活性による二重標識されたプローブの切断反応を利用するTaqMan方法(米国特許第5,210,015号、及び第5,538,848号)が多く利用されている。
ホモジニアス(Homogeneous)分析方式としてリアルタイム検出方法は、1つのチューブ内で増幅反応及び検出分析がいずれもなされるので、その実施が相対的に便利である。また、リアルタイム検出方法は、汚染から自由である。但し、リアルタイム方式で複数のターゲット配列を同時に検出する場合、1つのターゲット当たり1タイプの蛍光物質を使わなければならないので、蛍光物質の利用が制限され、蛍光物質間のスペクトル干渉(spectrum interference)現象のために、1つのサンプル当たり検出可能なターゲット数が制限される限界がある。
ホモジニアス分析方式でターゲットを検出することができる他の方法で、ターゲット増幅後、一定区間で温度を上げるか、下げながら蛍光強度をモニタリングした後、メルティングプロファイル(melting profile)によって増幅産物を検出するpost−PCRメルティング分析(melting assay)がある。
特許文献1及び特許文献2は、二本鎖のターゲット配列またはターゲット配列とプローブとの間の二量体のメルティング分析を通じてターゲットを検出する方法を開示している。特許文献3は、ターゲット配列の存在に依存的に生成される延長二量体のメルティング分析を開示している。メルティング分析のために、ターゲット配列を利用しない前記方法は、ターゲット配列が存在する場合、あらかじめ選別された配列を有する延長二量体を形成させ、これは、より効率的にメルティング分析を実施可能にする。
メルティング分析を利用する前記方法は、二量体の固有なメルティング温度(melting temperature)を利用するために、1タイプの蛍光標識を使って複数のターゲット配列を同時に検出できるという長所がある(参照:米国特許第8,039,215号)。
一方、診断分野では、予後診断や薬剤反応性(drug responsiveness)分析のために、ターゲットの検出だけではなく、ターゲット配列の定量を要求している。
標準定量曲線及びC(threshold cycle)値を用いてターゲット配列を定量するために、リアルタイムPCR分析が利用されている。濃度を知っているターゲット配列を順次に希釈させて、準備した標準物質に対する増幅曲線を得た後、標準物質の初期量のlog値とC値とを用いて標準定量曲線を求める。未知試料のC値をリアルタイムPCRによって得た後、標準定量曲線を用いて定量する。前記定量方法は、相対的に簡便であるが、試料抽出過程での損失やPCR阻害(inhibition)によった深刻な問題を有する。このような問題を解決するために、内部対照群(internal control)を利用する定量方法が提案された。
メルティングピーク(melting peak)の高さや面積を利用することによって、post−PCRメルティング分析を定量に応用する方法もある。
例えば、特許文献4は、ターゲット配列と濃度を知っている核酸分子(基準鋳型;reference template)を核酸−結合蛍光染料(nucleic−acid−binding fluorescent dye)の存在下で増幅させて、増幅産物に対するメルティングピークを得て、それを積分してターゲット配列と基準鋳型の相対的な量を決定することによって、ターゲット配列の濃度を計算する方法を記載している。この際、ターゲット配列と基準鋳型は、互いに異なるT値を有するので、互いに区別されて検出されうる。特許文献5は、ハイブリダイゼーションプローブ及びメルティングピークを利用した定量方法を開示している。前記方法は、ターゲット増幅後にメルティング分析を実施するので、増幅終了サイクル及びメルティング分析を実施したサイクルによって定量結果が変わりうるという短所がある。
特許文献6は、ターゲット増幅でメルティング分析を実施して、それぞれの増幅サイクルに対するメルティングピークの最大値を求め、閾値(threshold)以上の最大値に到逹するサイクルを決定することによって、ターゲット配列を定量する方法を開示している。前記方法は、閾値以上の最大値に到逹するサイクルを決定するために、ほとんどの増幅サイクルでメルティング分析を実施しなければならないために、さらに長い分析時間を要求する。
このような従来技術の状況下で、本発明者らは、単一検出チャネルで複数のターゲット配列を検出するために、メルティング分析を利用し、より迅速に向上した定量結果を提供することができる定量方法を開発するならば、複数のターゲット配列をより効率的に同時に検出し、定量することができることを認識した。
本明細書の全般に亘って多数の特許及び文献が参照され、その引用がカッコで囲まれている。このような特許及び文献の開示内容は、本発明及び本発明が属する技術レベルをより明確に説明するために、その全体として本明細書に参照して含まれている。
米国特許第5,871,908号 米国特許第6,174,670号 WO2012/096523号 米国特許第6,245,514号 米国特許第6,174,670号 米国特許第8,039,215号
本発明者らは、より便利かつ効率的な方式でターゲット核酸配列を定量する方法を開発するために努力した。その結果、本発明者らは、少なくとも2つの既定の増幅サイクルから得られる増幅産物を直接または間接にメルティング分析に利用することによって、ターゲット核酸配列を定量する新たな方法を確立した。本発明のターゲット核酸配列定量方法は、従来の定量方法と関連した問題点を克服することができる。
したがって、本発明の目的は、メルティングピークカーブを用いて核酸試料内のターゲット核酸配列を定量する方法を提供することである。
本発明の他の目的及び利点は、添付した特許請求の範囲と共に下記の詳細な説明によってより明確になる。
本発明の一様態で、本発明は、次の段階を含むメルティングピークカーブ(melting peak curve)を用いて核酸試料内のターゲット核酸配列を定量する方法を提供する:
(a)一連の反応を繰り返すサイクルを通じて核酸試料内のターゲット核酸配列を増幅させて、ラベリングモイエティ(labeling moiety)を含む二量体(duplex)を形成させる段階であって;前記二量体は、二本鎖形態の前記増幅されたターゲット核酸配列、前記ターゲット核酸配列とプローブとの間のハイブリダイゼーションによって形成された二量体、または前記ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成された二量体を含み;前記二量体の形成は、前記ターゲット核酸配列の増幅に比例して増加し;前記ラベリングモイエティは、前記二量体の結合(association)または解離(dissociation)過程の間に検出可能なシグナルを発生させ;
(b)前記段階(a)の繰り返し過程の間に、前記二量体から検出可能なシグナルが検出される温度範囲でのメルティング分析を既定の(predetermined)サイクルで実施することによって、少なくとも2つの既定のサイクルに対するメルティングピークカーブを得る段階;及び
(c)前記メルティングピークカーブを用いて、前記ターゲット核酸配列を定量する段階。
本発明者らは、より便利かつ効率的な方式でターゲット核酸配列を定量する方法を開発するために努力した。その結果、本発明者らは、少なくとも2つの既定の増幅サイクルから得られる増幅産物を直接または間接にメルティングピーク分析に利用することによって、ターゲット核酸配列を定量する新たな方法を確立した。本発明のターゲット核酸配列定量方法は、従来の定量方法と関連した問題点を克服することができる。
本発明の特徴及び利点を要約すれば、次の通りである:
(a)本発明は、核酸増幅前にメルティングピーク分析を実施する核酸増幅内の少なくとも2つのサイクルをあらかじめ決定し、少なくとも2つの既定のサイクルでメルティングピーク分析を実施し、引き続き、メルティングピークカーブからのデータ値(例えば、存在または不存在、高さ及び面積)を用いてターゲット核酸配列を定量する方法で実施される。
従来技術のうち、ターゲット増幅後、一回のメルティング分析を実施する定量方法は、定量結果がターゲット増幅のサイクルによって変わりうるという深刻な問題を有している。本発明は、ターゲット増幅過程の間に少なくとも2つの既定のサイクルでメルティングピーク分析を実施するために、従来の方法よりもさらに正確かつ意味のある定量結果を提供することができる。
米国特許第8,039,215号に開示された方法の場合、閾値メルティングピーク最大値が出たサイクルを確認するために、ターゲット増幅の各サイクルごとにメルティング分析を実施し、これは、遥かに長い分析時間を招く。本発明は、既定のサイクルでのみメルティングピーク分析を実施するために、さらに迅速かつ便利にターゲット核酸配列を定量することができる。
(b)米国特許第8,039,215号に開示された方法の場合、特定サイクルでメルティングピーク最大値が閾値よりも大きい場合、これら間の差をターゲット核酸配列の定量に利用しない。一方、既定のサイクルでのメルティングピークのあらゆる高さまたは面積値をターゲット核酸配列の定量に利用できる。
(c)本発明は、二量体のT値を利用するメルティングピーク分析を基盤とするので、一種の標識を利用する場合にも、複数のターゲット核酸配列を同時に検出及び定量することができる。
(d)本発明は、ターゲット核酸配列の相対的定量を可能にする。また、本発明は、既知濃度を有する対照群を用いて絶対的方式でターゲット核酸配列を定量することができる。
本発明をより詳細に説明すれば、次の通りである:
段階(a):ラベリングモイエティを含む二量体の形成
本発明によれば、ターゲット核酸配列は、増幅されてラベリングモイエティを含む二量体を形成する。
本明細書で使われた用語“ターゲット核酸”、“ターゲット核酸配列”、または“ターゲット配列”は、定量しようとする核酸配列を意味する。ターゲット核酸配列は、二本鎖だけではなく、一本鎖の配列を含む。ターゲット核酸配列は、核酸試料内に初めから存在する配列だけではなく、反応過程で新たに生成される配列を含む。
本発明の具現例によれば、前記ターゲット核酸配列は、特定の増幅及びハイブリダイゼーション条件下でプライマーまたはプローブとアニーリングまたはハイブリダイズされる。
本発明の具現例によれば、前記ターゲット核酸配列は、一連の反応を繰り返すサイクルによって増幅される。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列の増幅は、PCR(polymerase chain reaction)、LCR(ligase chain reaction、参照:Wiedmann M,et al.,“Ligase chain reaction(LCR)−overview and applications.”PCR Methods and Applications 1994 Feb;3(4):S51−64),Barany F.“Genetic disease detection and DNA amplification using cloned thermostable ligase.”Proc Natl Acad Sci USA.,88(1):189−93(1991))、GLCR(gap filling LCR、参照:WO 90/01069,EP 439182、及びWO 93/00447)、Q−beta(Q−beta replicase amplification、参照:Cahill P,et al.,“Polymerase chain reaction and Q beta replicase amplification”Clin Chem.,37(9):1482−5(1991),米国特許第5556751号)、SDA(strand displacement amplification、参照:G T Walker et al.,“Strand displacement amplification−an isothermal,in vitro DNA amplification technique”Nucleic Acids Res.20(7):1691−1696(1992),EP 497272)、3SR(self−sustained sequence replication、参照:Mueller JD et al.,“Self−sustained sequence replication(3SR):an alternative to PCR”Histochem Cell Biol.108(4−5):431−7(1997)、NASBA(nucleic acid sequence−based amplification、参照:Compton,J.“Nucleic acid sequence−based amplification”.Nature 350(6313):91−2(1991);Keightley,MC et al.,“Real−time NASBA detection of SARS−associated coronavirus and comparison with real−time reverse transcription−PCR”.Journal of medical virology 77(4):602−8(2005))、TMA(Transcription−Mediated Amplification、参照:Hofmann WP et al.,“Comparison of transcription mediated amplification(TMA) and reverse transcription polymerase chain reaction(RT−PCR)for detection of hepatitis C virus RNA in liver tissue”J Clin Virol.32(4):289−93(2005);米国特許第5888779号))、またはRCA(Rolling Circle Amplification、参照:Hutchison C.A.et al.,“Cell−free cloning using phi29 DNA polymerase”Proc.Natl Acad.Sci.USA.102:17332−17336(2005);Dean F.B.,et al.,Nelson J.R.et al.,“Rapid amplification of plasmid and phage DNA using Phi 29 DNA polymerase and multiply−primed rolling circle amplification.Genome Res.11:1095−1099(2001))によって実施される。
前記記述された増幅方法は、温度変化を随伴または随伴せず、一連の反応を繰り返して増幅することができる。一連の反応の繰り返しを含む増幅の単位を“サイクル”で表現する。サイクルの単位は、増幅方法によって繰り返しの回数または時間で表わすことができる。
本明細書で使われる用語“サイクル”は、一連の反応の1回繰り返しを1つの単位とし、または一定時間間隔で実施される一連の反応の繰り返しを1つの単位とすることができる。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列の増幅は、温度が変化する条件下で増幅用プライマーとターゲット核酸配列との間のハイブリダイゼーション、プライマーの延長及び延長鎖の解離を含む一連の反応を繰り返すことで達成され、前記サイクルは、一連の反応の1回繰り返しを1つの単位として有する。一連の反応の1回繰り返しを1サイクルで、2回繰り返しを2サイクルで表現する。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列の増幅は、等温条件(isothermal condition)下で一連の反応を繰り返すことで達成され、前記サイクルは、一定時間間隔で実施される一連の反応の繰り返しを1つの単位として有する。例えば、1分間に実施される一連の反応の繰り返しをサイクルの単位で定義するならば、1分間実施される一連の反応の繰り返しを1分サイクル(または、1サイクル)で表現し、2分間実施される一連の反応の繰り返しを2分サイクル(または、2サイクル)で表現する。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列の増幅は、PCRによって実施される。PCRは、核酸分子を増幅するために、当該技術分野で幅広く使われており、ターゲット配列の変性、ターゲット配列へのアニーリング(ハイブリダイゼーション)及びプライマー延長からなるサイクルの繰り返しを含む(米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,800,159号;Saiki et al.,(1985)Science 230,1350−1354)。
増幅されるターゲット核酸配列は、あらゆるDNA(gDNAまたはcDNA)、RNA分子またはそれらのハイブリッド(キメラ核酸)を含みうる。前記配列は、二本鎖または一本鎖の形態であり得る。出発物質である核酸が二本鎖である場合、二本鎖を一本鎖または部分的な一本鎖の形態に作ることが望ましい。鎖を分離する方法には、加熱、アルカリ、ホルムアミド、ウレア、及びグリコール酸処理、酵素的方法(例えば、ヘリカーゼ作用)、及び結合タンパク質などが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、鎖の分離は、80℃〜105℃の範囲の温度で加熱することで達成される。このような処理を果たすための一般的な方法は、Joseph Sambrook,et.al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001)によって提供される。
mRNAが出発物質として使われる場合には、アニーリング段階を実施する以前に逆転写の段階が必要であり、逆転写の段階の詳細な内容は、Joseph Sambrook,et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001)、及びNoonan,K.F.et al.,Nucleic Acids Res.16:10366(1988)に開示されている。逆転写のために、mRNAのポリAテールにハイブリダイズされるオリゴヌクレオチドdTプライマー、ランダムプライマーまたはターゲット−特異的なプライマーを利用できる。
本発明の方法は、鋳型核酸分子がある特定の配列や長さを有していることを要しない。具体的に、前記分子は、如何なる天然(naturally occurring)原核細胞核酸、真核細胞(例えば、原生動物と寄生動物、菌類、酵母、高等植物、下等動物、及び哺乳動物とヒトとを含む高等動物)核酸、ウイルス(例えば、ヘルペスウイルス、HIV、インフルエンザウイルス、エプスタイン−バーウイルス、肝炎ウイルス、ポリオウイルスなど)核酸、またはウイロイド核酸を含む。また、前記核酸分子は、組換えによって生産または生産される如何なる核酸分子または化学的に合成または合成される如何なる核酸分子も含みうる。したがって、前記核酸配列は、天然から発見または発見されないこともある。
プライマーは、ターゲット配列(鋳型)の一部位にハイブリダイズまたはアニーリングされて二本鎖構造を形成する。
本明細書で使われる用語“プライマー”は、オリゴヌクレオチドを意味するものであって、核酸鎖(鋳型)に相補的なプライマー延長産物の合成が誘導される条件下で、すなわち、ヌクレオチド及びDNA重合酵素のような重合剤の存在、そして、適した温度及びpH条件下で、合成の開始点として作用する。
前記プライマーは、重合剤の存在下で延長産物の合成をプライミングすることができる程度に十分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、例えば、温度、応用分野及びプライマーのソース(source)を含む多くの因子によって左右される。本明細書で使われる用語“アニーリング”または“プライミング”は、鋳型核酸にオリゴデオキシヌクレオチドまたは核酸が並置(apposition)されることを意味し、前記並置は、重合酵素がヌクレオチドを重合させて、鋳型核酸またはその一部に相補的な核酸分子を形成させる。
本発明の具現例によれば、本発明に使われるプライマーは、本発明の発明者によって開発された二重プライミング(DPO)構造を有する。前記DPO構造を有するオリゴヌクレオチドは、従来のプライマー及びプローブに比べて、遥かに高いターゲット特異性を示す(参照:WO 2006/095981;Chun et.al.,Dual priming oligonucleotide system for the multiplex detection of respiratory viruses and SNP genotyping of CYP2C19 gene,Nucleic Acid Research,35:6e40(2007))。
本明細書で使われる用語“プローブ”は、ターゲット核酸配列に実質的に相補的な1つの部位または部位を含む一本鎖核酸分子を意味する。
本発明の具現例によれば、プライマー及びプローブは、一本鎖のオリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマー及びプローブは、天然的に発生する(naturally occurring)dNMP(すなわち、dAMP、dGMP、dCMP、及びdTMP)、変形ヌクレオチドまたは非天然ヌクレオチドを含みうる。例えば、プライマー及びプローブは、PNA(Peptide Nucleic Acid、参照:PCT出願 WO 92/20702)またはLNA(Locked Nucleic Acid、参照:PCT出願 WO 98/22489、WO 98/39352、及びWO 99/14226)を含みうる。また、プライマー及びプローブは、リボヌクレオチドを含みうる。
本明細書に使われた用語“アニーリング(annealing)”または“ハイブリダイゼーション(hybridization)”は、相補的な一本鎖核酸から二本鎖核酸が形成されることを意味する。ハイブリダイゼーションは、2つの核酸鎖間の相補性が完全である場合(perfect match)に起こるか、または一部のミスマッチ(mismatch)塩基が存在する場合にも起こりうる。ハイブリダイゼーションに必要な相補性の程度は、ハイブリダイゼーション条件によって変わり、特に、温度によって変わりうる。
増幅のためのプライマーとターゲット配列のアニーリングは、最適化手続きによって一般的に決定される適したハイブリダイゼーション条件下で実施される。温度、成分の濃度、ハイブリダイゼーションと洗浄回数、バッファ成分、及びこれらのpHとイオン強度のような条件は、オリゴヌクレオチド(プライマー)とターゲットヌクレオチド配列の長さ、及びGC含量を含む多様な因子によって変わりうる。例えば、相対的に短いオリゴヌクレオチドを利用する場合、低い厳格条件(stringent condition)を採択することが望ましい。ハイブリダイゼーションのための詳細な条件は、Joseph Sambrook et.al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001);及びM.L.M. Anderson,Nucleic Acid Hybridization,Springer−Verlag New York Inc.N.Y.(1999)で確認することができる。
用語“アニーリング”と“ハイブリダイジング”との間に差はなく、2つの用語は混用される。
本発明で利用されるプライマーは、ターゲット核酸配列に相補的なハイブリダイジング(hybridizing)ヌクレオチド配列を有する。本明細書で使われた用語“相補的”は、指定されたアニーリング条件または厳格条件下でプライマーまたはプローブがターゲット核酸配列に選択的にハイブリダイズする程度に十分に相補的であることを意味し、用語“実質的に相補的(substantially complementary)”及び“完全に相補的(perfectly complementary)”であることをいずれも包括する。本発明の具現例で、用語“相補的”は、“完全に相補的”であることを意味する。
ターゲット配列にアニーリングされたプライマーは、鋳型−依存的重合酵素によって延び、これは、E.coli DNA重合酵素Iの“クレノウ”断片、熱安定性DNA重合酵素、及びバクテリオファージT7DNA重合酵素を含む。本発明の具現例で、鋳型−依存的重合酵素は、多様なバクテリア種から収得された熱安定性DNA重合酵素であり、バクテリア種には、Thermus aquaticus(Taq)、Thermus thermophilus(Tth)、Thermus filiformis、Thermis flavus、Thermococcus literalis、Thermus antranikianii、Thermus caldophilus、Thermus chliarophilus、Thermus flavus、Thermus igniterrae、Thermus lacteus、Thermus oshimai、Thermus ruber、Thermus rubens、Thermus scotoductus、Thermus silvanus、Thermus species Z05、Thermus species sps 17、Thermus thermophilus、Thermotoga maritima、Thermotoga neapolitana、Thermosipho africanus、Thermococcus litoralis、Thermococcus barossi、Thermococcus gorgonarius、Thermotoga maritima、Thermotoga neapolitana、Thermosiphoafricanus、Pyrococcus woesei、Pyrococcus horikoshii、Pyrococcus abyssi、Pyrodictium occultum、Aquifex pyrophilus、及びAquifex aeolieusが含まれる。
重合反応を実施する時、反応に必要な成分は、反応容器に過量で提供されうる。延長反応の成分と関連して過量は、期待する延長を果たす能力が前記成分の濃度によって実質的に制限されない程度の各成分の量を意味する。所望の反応を起こせるために、Mg2+のような必要な補助因子、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTPを十分な量で反応混合物に提供することが望ましい。
検出シグナルを提供することができる二量体は、増幅反応によって形成される。
用語“検出シグナル”は、ターゲット核酸配列の存在を立証する二量体の形成を示すあらゆるシグナルを意味する。二量体は、ターゲット核酸配列の存在を立証し、これは、検出シグナルを検出して決定される。
本発明の具現例によれば、本発明で利用される二量体は、増幅反応によって形成された二本鎖の増幅産物(amplicon)、ターゲット核酸配列とプローブとの間のハイブリダイゼーションによって形成された二量体、またはターゲット核酸配列の存在に依存的に形成された二量体である。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列とプローブとの間のハイブリダイゼーションによって形成される前記二量体の場合、前記プローブは、増幅反応によって形成される二本鎖の増幅産物の内部配列にハイブリダイズされるプローブである。前記プローブは、メルティング分析でシグナルを提供することができるあらゆるプローブ、例えば、分子ビーコン(Molecular beaconTM;米国特許第5,925,517号)、ハイビーコン(HybeaconsTM;D.J.French,et al.,Molecular and Cellular Probes(2001)13,363−374、及び米国特許第7,348,141号)、二重標識された、自己−クエンチングされたプローブ(Dual−labeled、self−quenched probe;米国特許第5,876,930号)、ルクス(LUXTM;I.A.Nazarenko,et al.Nucleic Acids Res 2002,30:2089−2095.及びUS 7,537,886)、ハイブリダイゼーションプローブ(Bernard PS,etal.,Clin Chem 2000,46,147−148、及び米国特許第6,174,670号)を含む。
ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成される二量体は、増幅反応によって形成されるターゲット配列の増幅産物それ自体はなく、ターゲット核酸配列の増幅に比例して、その量が増加する二量体である。ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成される二量体は、多様な方法によって得られる。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成される二量体は、本発明者によって開発されたPTOCE(PTO Cleavage and Extension)方法によって得られ(参照:WO 2012/096523)、これは、本明細書に参考文献として挿入されている。
簡略に、PTOCEは、次の段階を含む:(a)ターゲット核酸配列をアップストリームオリゴヌクレオチド及びPTO(Probing and Tagging Oligonucleotide)とハイブリダイズさせる段階であって;前記アップストリームオリゴヌクレオチドは、前記ターゲット核酸配列に相補的なハイブリダイジングヌクレオチド配列を含み;前記PTOは、(i)前記ターゲット核酸配列に相補的なハイブリダイジングヌクレオチド配列を含む3’−ターゲティング部位、及び(ii)前記ターゲット核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む5’−タギング部位を含み;前記3’−ターゲティング部位は、前記ターゲット核酸配列にハイブリダイズされ、前記5’−タギング部位は、前記ターゲット核酸配列にハイブリダイズされず;前記アップストリームオリゴヌクレオチドは、前記PTOのアップストリームに位置し;(b)前記PTOの切断のための条件下で5’−ヌクレアーゼ活性を有する酵素に前記段階(a)の結果物を接触させる段階であって;前記アップストリームオリゴヌクレオチドまたはその延長鎖は、前記5’−ヌクレアーゼ活性を有する酵素による前記PTOの切断を誘導し、このような前記切断は、前記PTOの5’−タギング部位または5’−タギング部位の一部を含む断片を放出し;(c)前記PTOから放出された前記断片をCTO(Capturing and Templating Oligonucleotide)とハイブリダイズさせる段階であって;前記CTOは、3’→5’方向に(i)前記PTOの5’−タギング部位または5’−タギング部位の一部に相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部位、及び(ii)前記PTOの5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位に非相補的なヌクレオチド配列を含むテンプレーティング部位を含み;前記PTOから放出された前記断片は、前記CTOのキャプチャリング部位にハイブリダイズされ;及び(d)前記段階(c)の結果物及び鋳型−依存的核酸重合酵素を用いて延長反応を実施する段階であって;前記CTOのキャプチャリング部位にハイブリダイズされた前記断片は、延びて延長二量体を形成し、前記延長二量体は、(i)前記断片の配列及び/または長さ、(ii)前記CTOの配列及び/または長さ、または(iii)前記断片の配列及び/または長さと前記CTOの配列及び/または長さとによって調節可能なT値を有する。
前記PTOCEの段階(d)から形成された延長二量体が、本発明で利用される二量体の一例である。
前記PTOCE方法を本発明に適用する場合、本発明は、次の段階を含む:(a)前記PTO、前記プライマー及び5’−ヌクレアーゼ活性を有する鋳型−依存的核酸重合酵素を用いて、ターゲット核酸配列を増幅させ、前記PTOを切断させて断片を放出させる段階;及び(b)前記PTOから放出された前記断片をCTOとハイブリダイズさせ、鋳型−依存的核酸重合酵素を用いて延長二量体を形成させる段階。
前記PTOの5’−タギング部位は、ターゲット核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む。前記CTOのテンプレーティング部位は、前記PTOの5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位に非相補的なヌクレオチド配列を含む。
本明細書で使われる用語“PTO”は、(i)プローブの役割を行う3’−ターゲティング部位、及び(ii)ターゲット核酸配列とのハイブリダイゼーション以後に切断されてPTOから放出され、ターゲット核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を有する5’−タギング部位を含むオリゴヌクレオチドを意味する。前記PTOの5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位は、5’→3’の順序で位置しなければならない。
前記PTOは、ある特定の長さを要しない。例えば、PTOの長さは、15−150ヌクレオチド、15−100ヌクレオチド、15−80ヌクレオチド、15−60ヌクレオチド、15−40ヌクレオチド、20−150ヌクレオチド、20−100ヌクレオチド、20−80ヌクレオチド、20−60ヌクレオチド、20−50ヌクレオチド、30−150ヌクレオチド、30−100ヌクレオチド、30−80ヌクレオチド、30−60ヌクレオチド、30−50ヌクレオチド、35−100ヌクレオチド、35−80ヌクレオチド、35−60ヌクレオチド、または35−50ヌクレオチドであり得る。前記PTOの3’−ターゲティング部位は、その部位がターゲット核酸配列に特異的にハイブリダイズされる限り、如何なる長さも可能である。例えば、前記PTOの3’−ターゲティング部位は、10−100ヌクレオチド、10−80ヌクレオチド、10−50ヌクレオチド、10−40ヌクレオチド、10−30ヌクレオチド、15−100ヌクレオチド、15−80ヌクレオチド、15−50ヌクレオチド、15−40ヌクレオチド、15−30ヌクレオチド、20−100ヌクレオチド、20−80ヌクレオチド、20−50ヌクレオチド、20−40ヌクレオチド、または20−30ヌクレオチドであり得る。前記5’−タギング部位は、その部位が前記CTOのテンプレーティング部位に特異的にハイブリダイズされて延びる限り、如何なる長さも可能である。例えば、前記PTOの5’−タギング部位は、5−50ヌクレオチド、5−40ヌクレオチド、5−30ヌクレオチド、5−20ヌクレオチド、10−50ヌクレオチド、10−40ヌクレオチド、10−30ヌクレオチド、10−20ヌクレオチド、15−50ヌクレオチド、15−40ヌクレオチド、15−30ヌクレオチド、または15−20ヌクレオチドであり得る。
前記PTOの3’−末端は、3’−OHターミナルを有することもある。本発明の具現例で、前記PTOの3’−末端は、その延長が防止されるように“ブロッキング”される。
前記CTOは、前記PTOから放出された断片の延長のための鋳型の役割を果たす。プライマーの役割を行う前記断片は、前記CTOにハイブリダイズされ、延びて延長二量体を形成する。
テンプレーティング部位は、その部位が前記PTOの5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位に非相補的な限り、如何なる配列も含みうる。また、前記テンプレーティング部位は、その部位が前記PTOから放出された前記断片の延長のための鋳型の役割ができる限り、如何なる配列も含みうる。
上述したように、前記PTOの5’−タギング部位を有する断片が放出される場合、前記CTOのキャプチャリング部位は、5’−タギング部位に相補的なヌクレオチド配列を含むようにデザインすることが望ましい。前記5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位の5’−末端一部を有する断片が放出される場合、前記CTOのキャプチャリング部位は、前記5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位の5’−末端一部に相補的なヌクレオチド配列を含むようにデザインすることが望ましい。前記PTOの5’−タギング部位の一部を有する断片が放出される場合、前記CTOのキャプチャリング部位は、前記5’−タギング部位の一部に相補的なヌクレオチド配列を含むようにデザインすることが望ましい。
さらに、前記PTOの切断位置を予想することによって、前記CTOのキャプチャリング部位をデザインすることができる。例えば、前記CTOのキャプチャリング部位が、前記5’−タギング部位に相補的なヌクレオチド配列を含むようにデザインする場合、前記5’−タギング部位の一部を有する断片または前記5’−タギング部位を有する断片は、前記キャプチャリング部位とハイブリダイズされ、引き続き延びる。前記5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位の5’−末端一部を含む断片が放出される場合、前記断片は、前記5’−タギング部位に相補的なヌクレオチド配列を含むようにデザインされた前記CTOのキャプチャリング部位にハイブリダイズされ、前記断片の3’−末端部位にミスマッチヌクレオチドが存在する場合にも成功的に延びる。これは、プライマーの3’−末端が一部のミスマッチヌクレオチド(例えば、1−3ミスマッチヌクレオチド)を含む場合にも、プライマーが反応条件によって延びるためである。
前記5’−タギング部位及び3’−ターゲティング部位の5’−末端一部を含む断片が放出される場合、前記CTOのキャプチャリング部位の5’−末端一部は、前記切断された3’−ターゲティング部位の5’−末端一部に相補的なヌクレオチド配列を有するようにデザインすることによって、ミスマッチヌクレオチドと関連した問題を解決することができる。
前記CTOの長さは、幅広く多様になる。例えば、前記CTOの長さは、7−1000ヌクレオチド、7−500ヌクレオチド、7−300ヌクレオチド、7−100ヌクレオチド、7−80ヌクレオチド、7−60ヌクレオチド、7−40ヌクレオチド、15−1000ヌクレオチド、15−500ヌクレオチド、15−300ヌクレオチド、15−100ヌクレオチド、15−80ヌクレオチド、15−60ヌクレオチド、15−40ヌクレオチド、20−1000ヌクレオチド、20−500ヌクレオチド、20−300ヌクレオチド、20−100ヌクレオチド、20−80ヌクレオチド、20−60ヌクレオチド、20−40ヌクレオチド、30−1000ヌクレオチド、30−500ヌクレオチド、30−300ヌクレオチド、30−100ヌクレオチド、30−80ヌクレオチド、30−60ヌクレオチド、または30−40ヌクレオチドの長さであり得る。前記CTOのキャプチャリング部位は、その部位が前記PTOから放出された断片に特異的にハイブリダイズされる限り、如何なる長さも有しうる。例えば、前記CTOのキャプチャリング部位は、5−100ヌクレオチド、5−60ヌクレオチド、5−40ヌクレオチド、5−30ヌクレオチド、5−20ヌクレオチド、10−100ヌクレオチド、10−60ヌクレオチド、10−40ヌクレオチド、10−30ヌクレオチド、10−20ヌクレオチド、15−100ヌクレオチド、15−60ヌクレオチド、15−40ヌクレオチド、15−30ヌクレオチド、または15−20ヌクレオチドの長さであり得る。前記CTOのテンプレーティング部位は、その部位が前記PTOから放出された断片の延長反応で鋳型の役割ができる限り、如何なる長さも有しうる。例えば、前記CTOのテンプレーティング部位は、2−900ヌクレオチド、2−400ヌクレオチド、2−300ヌクレオチド、2−100ヌクレオチド、2−80ヌクレオチド、2−60ヌクレオチド、2−40ヌクレオチド、2−20ヌクレオチド、5−900ヌクレオチド、5−400ヌクレオチド、5−300ヌクレオチド、5−100ヌクレオチド、5−80ヌクレオチド、5−60ヌクレオチド、5−40ヌクレオチド、5−30ヌクレオチド、10−900ヌクレオチド、10−400ヌクレオチド、10−300ヌクレオチド、15−900ヌクレオチド、15−100ヌクレオチド、15−80ヌクレオチド、15−60ヌクレオチド、15−40ヌクレオチド、または15−20ヌクレオチドの長さであり得る。
前記CTOの3’−末端は、3’−OHターミナルを有しうる。本発明の具現例で、前記CTOの3’−末端は、その延長が防止されるようにブロッキングされる。
前記PTOCE方法によって形成された二量体は、ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成される二量体の一例である。
ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成される二量体の他の例には、前記PTOCE方法によって形成された二量体の鎖とその鎖に特異的にハイブリダイズされたプローブとの間の二量体が含まれる。
メルティング分析のための二量体は、他の方法によってターゲット−依存的な方式で形成され、本発明の定量方法に利用されうる。
ラベリングモイエティ(標識)は、二量体の結合または解離過程で検出可能なシグナルを発生させる。
本発明の具現例によれば、標識は、増幅反応で形成される二本鎖増幅産物に連結されうる。増幅用プライマーは、標識を含みうる。本発明のさらに他の具現例で、ターゲット核酸配列とプローブとの間の二量体を利用する場合、標識は、プローブに連結されるか、ターゲット核酸配列及びプローブいずれもに連結されうる。本発明の具現例で、ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成される二量体を利用する場合、二量体を形成するオリゴヌクレオチドが標識を含んでいる。例えば、PTOCE方法を適用する場合、標識は、前記PTOから放出される断片及び/またはCTOに連結されうる。
本発明の具現例によれば、二量体のラベリングモイエティは、前記二量体のうち何れか一方の鎖に連結された単一標識、前記二量体のうち何れか一方の鎖にいずれも連結されたレポーター分子及びクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識(鎖内の相互作用的二重標識)、二量体の一方の鎖に連結されたレポーター分子及び他方の鎖に連結されたクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識(鎖間の相互作用的二重標識)、または前記二量体に挿入されるインターカレーティング染料(intercalating dye)である。
単一標識は、例えば、蛍光標識、発光標識、化学発光標識または電気化学的標識、及び金属標識を含む。
本発明の具現例によれば、前記単一標識は、二本鎖または一本鎖上に存在するかによって互いに異なるシグナル(例えば、他のシグナル強度)を提供する。
本発明の具現例によれば、単一標識は、蛍光標識である。本発明で使われる単一蛍光標識の望ましい種類及び結合位置は、米国特許第7,537,886号及び第7,348,141号に開示されており、これらは、その全体として本明細書に参照して含まれている。例えば、単一蛍光標識は、JOE、FAM、TAMRA、ROX、及びフルオレセイン−ベース標識を含む。
前記単一標識は、多様な方法によってオリゴヌクレオチドに連結されうる。例えば、標識は、炭素原子を含むスペーサ(spacer)を通じてプローブに連結される(例えば、3−carbon spacer、6−carbon spacer、または12−carbon spacer)。
相互作用的標識システムの代表的な例として、FRET(fluorescence resonance energy transfer)標識システムは、蛍光レポーター分子(供与体分子)及びクエンチャー分子(受容体分子)を含む。FRETで、エネルギー供与体は、蛍光性であるが、エネルギー受容体は、蛍光性または非蛍光性であり得る。相互作用的標識システムの他の形態で、エネルギー供与体は、非蛍光性、例えば、発色団(chromophore)であり、エネルギー受容体は、蛍光性である。相互作用的標識システムのさらに他の形態で、エネルギー供与体は、発光性(luminescent)、例えば、生物発光性、化学発光性または電気発光性であり、エネルギー受容体は、蛍光性である。相互作用的標識システムは、“接触−媒介クエンチング(on contact−mediated quenching)”を基にする二重標識を含む(Salvatore et al.,Nucleic Acids Research,2002(30)no.21 e122、及びJohansson et al.,J.AM.CHEM.SOC2002(124)pp 6950−6956)。相互作用的標識システムは、シグナル変化が少なくとも2つの分子(例えば、染料)間の相互作用によって誘導される如何なる標識システムも含む。
本発明で有用なレポーター分子及びクエンチャー分子は、当該技術分野で知られた如何なる分子も含みうる。その例は、次の通りである:Cy2TM(506)、YO−PROTM−1(509)、YOYOTM−1(509)、Calcein(517)、FITC(518)、FluorXTM(519)、AlexaTM(520)、Rhodamine 110(520)、Oregon GreenTM 500(522)、Oregon GreenTM 488(524)、RiboGreenTM(525)、Rhodamine GreenTM(527)、Rhodamine 123(529)、Magnesium GreenTM(531)、Calcium GreenTM(533)、TO−PROTM−1(533)、TOTO1(533)、JOE(548)、BODIPY530/550(550)、Dil(565)、BODIPY TMR(568)、BODIPY558/568(568)、BODIPY564/570(570)、Cy3TM(570)、AlexaTM 546(570)、TRITC(572)、Magnesium OrangeTM(575)、Phycoerythrin R&B(575)、Rhodamine Phalloidin(575)、Calcium OrangeTM(576)、Pyronin Y(580)、Rhodamine B(580)、TAMRA(582)、Rhodamine RedTM(590)、Cy3.5TM(596)、ROX(608)、Calcium CrimsonTM(615)、AlexaTM 594(615)、Texas Red(615)、Nile Red(628)、YO−PROTM−3(631)、YOYOTM−3(631)、R−phycocyanin(642)、C−Phycocyanin(648)、TO−PROTM−3(660)、TOTO3(660)、DiD DilC(5)(665)、Cy5TM(670)、Thiadicarbocyanine(671)、Cy5.5(694)、HEX(556)、TET(536)、Biosearch Blue(447)、CAL Fluor Gold 540(544)、CAL Fluor Orange 560(559)、CAL Fluor Red 590(591)、CAL Fluor Red 610(610)、CAL Fluor Red 635(637)、FAM(520)、Fluorescein(520)、Fluorescein−C3(520)、Pulsar 650(566)、Quasar 570(667)、Quasar 670(705)、及びQuasar 705(610)。カッコの数字は、nm単位で表示した最大発光波長である。望ましくは、レポーター分子及びクエンチャー分子は、JOE、FAM、TAMRA、ROX、及びフルオレセイン−ベース標識を含む。
適した蛍光分子及び適したレポーター−クエンチャー対は、次のような多様な文献に開示されている:Pesce et al.,editors,Fluorescence Spectroscopy(Marcel Dekker,New York,1971);White et al.,Fluorescence Aalysis:A Pracrical Approach(Marcel Dekker,New York,1970);Berlman,Handbook of Fluorescence Spectra of Aromatic Molecules,2nd EDITION(Academic Press,New York,1971);Griffiths,Color AND Constitution OF Organic Molecules(Academic Press,New York,1976);Bishop,editor,Indicators(Pergamon Press,Oxford,1972);Haugland,Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(Molecular Probes,Eugene,1992);Pringsheim,Fluorescence and Phosphorescence(Interscience Publishers,New York,1949);Haugland,R.P.,Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals,6th Edition(Molecular Probes,Eugene,Oreg.,1996);米国特許第3,996,345号及び第4,351,760号。
本発明で幅広い波長または特定波長の蛍光をクエンチングすることができる非蛍光クエンチャー分子(例えば、ブラッククエンチャーまたはダーククエンチャー)を利用できるということは注目すべきことである。これらの例としては、BHQ及びDABCYLがある。
レポーター及びクエンチャー分子を含むシグナリングシステムで、レポーターは、FRETの供与体を含み、クエンチャーは、FRETの他のパートナー(受容体)を含む。例えば、フルオレセイン染料は、レポーターとして、ローダミン染料は、クエンチャーとして利用される。
本発明で有用なインターカレーティング染料の例には、SYBRTM Green I、PO−PROTM−1、BO−PROTM−1、SYTOTM43、SYTOTM44、SYTOTM45、SYTOXTMBlue、POPOTM−1、POPOTM−3、BOBOTM−1、BOBOTM−3、LO−PROTM−1、JO−PROTM−1、YO−PROTM1、TO−PROTM1、SYTOTM11、SYTOTM13、SYTOTM15、SYTOTM16、SYTOTM20、SYTOTM23、TOTOTM−3、YOYOTM3、GelStarTM、及びチアゾールオレンジ(thiazole orange)が含まれる。インターカレーティング染料は、二本鎖核酸分子内に特異的に割り込んでシグナルを発生させる。
本発明に適用することができるPTOCE方法の標識及びシグナル発生は、WO 2012/096523に記載されている。本発明にPTOCE方法が適用される場合、標識及びシグナル発生を、次のような例として説明することができる:
二量体のうち、単一鎖にいずれも連結されたレポーター分子及びクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識(すなわち、鎖内の二重標識)を利用する場合、前記PTOから放出された断片または前記CTOは、レポーター分子及びクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識を含み;前記段階(b)で二量体のメルティングは、前記相互作用的二重標識からのシグナル提供を誘導する。本発明の具現例で、前記レポーター分子及び前記クエンチャー分子は、前記CTOの5’−末端及び3’−末端に連結される。例えば、前記CTO上のレポーター分子及びクエンチャー分子のうち1つは、その5’−末端または5’−末端から0−5ヌクレオチド離隔した位置に位置し、他の1つは、CTOの形態(conformation)によって、前記レポーター分子からのシグナルをクエンチング(quenching)またはアンクエンチング(unquenching)することができる所に位置する。さらに他の例として、前記CTO上のレポーター分子及びクエンチャー分子のうちの1つは、その3’−末端または3’−末端から0−5ヌクレオチド離隔した位置に位置し、他の1つは、CTOの形態によってレポーター分子からのシグナルをクエンチングまたはアンクエンチングすることができる所に位置する。
前記二量体の二本鎖の各鎖にそれぞれ連結されたレポーター分子及びクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識(すなわち、鎖間の二重標識)を利用する場合、前記PTO断片は、レポーター分子及びクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識のうち1つを有し、前記CTOは、相互作用的二重標識のうち残りの1つを有し、前記段階(b)での前記二量体のメルティングは、前記相互作用的二重標識からのシグナル提供を誘導する。前記二量体のクエンチャー分子によって、前記レポーター分子からのシグナルがクエンチングされる限り、前記レポーター分子及びクエンチャー分子は、前記PTO断片及び前記CTOの如何なる位置にも位置しうる。例えば、PTO断片上のレポーター分子またはクエンチャー分子は、5’−タギング部位の5’−末端に位置する。例えば、CTO上のレポーター分子またはクエンチャー分子は、その3’−末端に位置する。
二量体のうち、1本の鎖に連結されている単一標識を利用する場合、前記PTO断片または前記CTOは、単一標識を有し、前記段階(b)での前記二量体のメルティングは、前記単一標識からのシグナル提供を誘導する。前記二量体のメルティングによって、前記単一標識からのシグナルレベルに変化がある限り、単一標識は、CTO上の如何なる位置にも位置しうる。例えば、単一標識は、CTOのテンプレーティング部位またはキャプチャリング部位に連結される。前記二量体のメルティングによって、前記単一標識からのシグナルレベルに変化がある限り、単一標識は、PTO断片上の如何なる位置にも位置しうる。
段階(b):二量体のメルティング及びメルティングピークカーブ
引き続き、ターゲット核酸配列の増幅の間に、少なくとも2つの既定のサイクルで二量体からのシグナルを一定範囲の温度で検出する(メルティング分析)。シグナル検出は、一定範囲の温度で段階(a)から形成された二量体のメルティングによって発生するシグナル検出、及び一定範囲の温度で段階(a)から形成された二量体のメルティング後、ハイブリダイズによって発生するシグナル検出を含む。
本発明の特徴は、ターゲット核酸配列の増幅過程の間に少なくとも2つ以上の既定のサイクルから得たそれぞれの増幅産物(または、増幅産物を示す二量体)に対してメルティング分析を実施するところにある。
従来のメルティング分析またはメルティングピーク分析は、ターゲット増幅を完了した後、一回実施する。そうでなければ、他の従来の方法は、既定の閾値(threshold value)のメルティングピーク高さを示すサイクルを探すために、ターゲット増幅過程の間にほとんどのサイクルでメルティング分析を実施する(参照:米国特許第8,039,215号)。
従来の方法と異なって、本発明は、ターゲット核酸配列の増幅過程の間に少なくとも2つの既定のサイクルから得られた増幅産物(または、増幅産物を示す二量体)に対してメルティング分析を実施した後、メルティング分析の結果を定量に利用することによって、定量分析の正確性、迅速性及び便利性の側面で従来の方法の問題点を完全に克服する。
段階(b)は、当該技術分野で知られた多様なメルティング分析過程によって実施される。使われた用語“メルティング分析”は、取り立てて明示しない限り、狭い意味のメルティング分析だけではなく、ハイブリダイゼーション分析を包括する意味として使われる。狭い意味のメルティング分析は、温度調節によって増加する厳格条件下で二量体の解離を測定する方法を意味する。狭い意味のハイブリダイゼーション分析は、温度調節によって減少する厳格条件下で二量体の会合(association)を測定する方法を意味する。
本明細書に使われた用語“メルティングカーブ”または“メルティングピークカーブ”は、取り立てて明示しない限り、狭い意味のメルティング分析から得たメルティングカーブやメルティングピークカーブだけではなく、ハイブリダイゼーション分析から得たハイブリダイゼーションカーブやハイブリダイゼーションピークカーブを包括する意味として使われる。
メルティングカーブまたはハイブリダイゼーションカーブは、従来技術、例えば、米国特許第6,174,670号及び第5,789,167号、Drobyshev et al.,Gene 188:45(1997);Kochinsky and Mirzabekov Human Mutation 19:343(2002);Livehits et al.,J.Biomol.Structure Dynam.11:783(1994);及びHowell et al.,Nature Biotechnology 17:87(1999)に記述された方法によって得られうる。例えば、メルティングカーブまたはハイブリダイゼーションカーブは、ハイブリダイゼーション厳格度(stringency)のパラメータを利用したアウトプットシグナル(output signal)変化のグラフィックプロット(graphic plot)またはディスプレイ(display)で構成することができる。アウトプットシグナルは、ハイブリダイゼーションパラメータに対して直接にプロッティングすることができる。典型的に、メルティングカーブまたはハイブリダイゼーションカーブは、Y軸にプロッティングされた二量体構造の程度(すなわち、ハイブリダイゼーション程度)を示すアウトプットシグナル、例えば、蛍光、及びX軸にプロッティングされたハイブリダイゼーションパラメータを有する。
メルティング(ハイブリダイゼーション)カーブ分析及びメルティング(ハイブリダイゼーション)ピーク分析は、米国特許第8,039,215号に開示されたものを参照して記述されうる。
本発明の方法の実施前、メルティングカーブ分析を実施する少なくとも2つサイクルをあらかじめ定め、引き続きターゲット増幅過程の間に既定のサイクルでメルティングカーブ分析を実施する。
メルティングカーブ分析は、既定のサイクル以前に、サイクルの間に、またはサイクル以後に実施される。
メルティングカーブ分析を実施するサイクルは、増幅方法の特徴を考慮してあらかじめ決定することができる。例えば、PCR増幅方法を使う場合、初期増幅段階、指数的増幅段階、及び増幅の飽和段階を考慮してメルティングカーブ分析を実施するサイクルを選択することができる。一般的に、メルティングカーブ分析を実施するサイクル及び数は、試料内のターゲット核酸配列の量を考慮して選択することができる。
本発明の具現例によれば、メルティングカーブ分析を実施するサイクルの数は、少なくとも2、3、4、5、または6つであり、最大40、30、20、15、10、または8つである。
本発明の具体的な具現例の場合、メルティングカーブ分析を実施するサイクル数は、2−40、2−30、2−20、2−15、2−10、2−7、2−5、3−40、3−30、3−20、3−15、3−10、3−7、または3−5つのサイクルである。
本発明の具現例によれば、メルティングカーブ分析を実施するサイクル間の間隔は、少なくとも2、5、10、15、または20サイクルであり、最大40、30、または20サイクルである。
本発明の具体的な具現例の場合、メルティングカーブ分析を実施するサイクル間の間隔は、2−40、5−20、5−15、または10−15サイクルである。
例えば、メルティング分析を実施するサイクルを20番目、30番目、及び40番目に選択した場合、メルティングカーブ分析を実施するサイクル数は、3であり、このような場合でサイクル間の間隔は、10サイクルである。
段階(c):メルティングピークカーブを利用した定量分析
次いで、メルティングピークカーブを用いてターゲット核酸配列の定量を実施する。
本発明の特徴は、メルティングピークカーブから定量数値を計算した後、前記定量数値を用いてターゲット核酸配列を定量することである。
本発明の具現例によれば、既定のサイクルでのメルティングピークカーブの存否を用いてターゲット核酸配列を定量する。
本発明の他の具現例によれば、既定のサイクルでのメルティングピークカーブの高さまたは面積を用いてターゲット核酸配列を定量する。
メルティングカーブは、少なくとも2つの既定のサイクルからのシグナル検出を通じて得られ、次いで、メルティングピークが得られる。引き続き、メルティングピークカーブの最大高さ値または面積値が得られる。ターゲット核酸配列の量が多くなるほど、より早いサイクルでメルティングピークカーブが得られ、それをターゲット核酸配列の定量に利用する。メルティングピークカーブの最大高さ値または面積値は、シグナルを発生させる二量体の量を反映することができる。二量体の量は、ターゲット核酸配列の量に比例する。したがって、メルティングピークカーブの最大高さ値または面積値は、ターゲット核酸配列の初期量を反映することができる。
ターゲット核酸配列の定量は、少なくとも2つの既定の増幅サイクルから得られたメルティングピークの存在(または、不在)、及び/またはメルティングピークの高さまたは面積を用いて多様な方法で実施される。
メルティングピークカーブによって提供されたメルティングピークの高さまたは面積は、特定の規則での誘導(または、変形)なしに、または誘導(または、変形)を経てターゲット核酸配列の定量に利用されうる。
メルティングピークカーブ値(例えば、高さ及び面積)をメルティングピークカーブが出た既定のサイクルに付与された基準数値と共に使う場合、前記基準数値は、メルティングピークカーブ値の大きさを考慮してあらかじめ選択することができる。
本発明の具現例によれば、メルティングピークの高さ及び面積は、最大高さ及び面積である。
最初の方法の場合、少なくとも2つの既定のサイクルから得られたあらゆるメルティングピークカーブを用いてターゲット核酸配列の初期量を定量する。
本発明の具現例によれば、定量数値を得るために、メルティングピークカーブが出た既定のサイクルのあらゆる基準数値及び/またはメルティングピークカーブのあらゆる値(例えば、高さ及び面積)を用いて演算過程(例えば、加算、減算、乗算または除算)を行った後、ターゲット核酸配列の初期量を決定する。
本発明の具現例によれば、定量数値を得るために、メルティングピークカーブが出た既定のサイクルのあらゆる基準数値及び/またはメルティングピークカーブの一部値(例えば、高さ及び面積)を用いて演算過程(例えば、加算、減算、乗算または除算)を行った後、ターゲット核酸配列の初期量を決定する。
本発明の具現例によれば、定量数値を得るために、メルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値の一部及び/またはメルティングピークカーブのあらゆる値(例えば、高さ及び面積)を用いて演算過程(例えば、加算、減算、乗算または除算)を行った後、ターゲット核酸配列の初期量を決定する。
本発明の具体的な具現例によれば、既定のサイクルから得られるメルティングピークカーブのあらゆる最大高さ値または面積値を加えて、ターゲット核酸配列の初期量を定量する。例えば、メルティング分析を実施する3つのサイクル(30、40、及び50サイクル)をあらかじめ選択し、引き続き増幅反応を進行した後、メルティング分析を実施してメルティングピークを得る。メルティングピークカーブの最大高さ値または面積値を合わせた後、合算した値を定量のために比較する。例えば、合算した値が大きくなるほど、ターゲット核酸配列の初期量がさらに大きいと決定される。
本発明のさらに他の具体的な具現例によれば、少なくとも2つの既定のサイクルに基準数値を付与し、メルティングピークカーブが出た少なくとも2つの既定のサイクルに付与された基準数値を合わせてターゲット核酸配列の初期量を定量する。例えば、メルティング分析を実施する3つのサイクル(30、40、及び50サイクル)をあらかじめ選択し、基準数値である30、40、及び50を既定のサイクルにそれぞれ付与する。40及び50サイクルでメルティングピークが観察される場合、基準数値である40と50とを合わせ、合算した値である“90”を使ってターゲット核酸配列の初期量を定量する。既定の各サイクルに同じ数値の基準数値(例えば、100、100、100)を付与することもできる。代案として、既定のサイクルに昇順(例えば、100、200、300)または降順(例えば、300、200、100)で基準数値を付与することもできる。基準数値は、次の事項を考慮して付与しなければならない:例えば、30、40、及び50サイクルに付与された基準数値を合算した値が、40及び50サイクルに付与された基準数値を合算した値よりも大きくなければならず、40及び50サイクルに付与された基準数値を合算した値は、50サイクルに付与された基準数値よりも大きくなければならない。
本発明の具現例によれば、既定のサイクルでメルティングピークカーブが出たか否かを決定するに当たって、メルティングピークカーブの最大高さ値または最大面積値があらかじめ定めた値(すなわち、閾値)よりもさらに高い場合に、定量のためのメルティングピークカーブが表われたと決定されなければならない(すなわち、閾値をもって決定)。
本発明のさらに他の具体的な具現例によれば、最初に観察されるメルティングピークの最大高さ値または最大面積値を考慮して追加的な値(supplementary value)を合算する。このような具体的な具現例は、同じサイクルで最初に観察されるメルティングピークが出た試料での含量差の測定に利用されうる。最初に観察されたメルティングピークの最大高さ値または最大面積値を考慮して追加的な値を計算する方法として、ターゲット増幅の飽和段階から得られるメルティングピークの最大高さ値または最大面積値を基準にして、実際に得られるメルティングピークの最大高さ値または最大面積値の相対的な比率を利用する。
二番目の方法の場合、少なくとも2つの既定のサイクルから得られたメルティングピークカーブのうち、最初のメルティングピークカーブを用いてターゲット核酸配列の初期量を定量する。
本発明の具現例によれば、最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値及び/または最初のメルティングピークカーブの値(例えば、高さ及び面積)を用いて定量数値を得て、引き続き、前記定量数値を用いてターゲット核酸配列の初期量を定量する。定量数値を得るために、演算過程(加算、減算、乗算または除算)を行うことができる。
本発明の具体的な具現例によれば、前記段階(c)は、少なくとも2つの既定のサイクル別に基準数値を付与し、最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値を用いて定量数値を計算することで実施され、これにより、ターゲット核酸配列の初期量を定量する。例えば、基準数値それ自体が定量数値として利用されうる。
本発明のさらに他の具体的な具現例によれば、前記段階(c)は、少なくとも2つの既定のサイクル別に基準数値を付与し、(i)最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値、及び(ii)最初のメルティングピークカーブの最大高さ値または面積値を用いて定量数値を計算することで実施され、これにより、ターゲット核酸配列の初期量を定量する。
本発明のさらに具体的な具現例によれば、段階(c)は、少なくとも2つの既定のサイクル別に基準数値を付与し、最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値を最初のメルティングカーブの最大高さ値または面積値を有し、変形(誘導)して定量数値を計算することで実施され、これにより、ターゲット核酸配列の初期量を定量する。例えば、基準数値の変形(誘導)は、最初のメルティングピークカーブの基準数値と最大高さ値(または、最大面積値)とを合算するものである。択一的に、変形(誘導)は、特定規則(例えば、比例適用)によって最初のメルティングピークカーブの最大高さ値(または、最大面積値)を基準数値に適用するものである。最初のメルティングピークカーブの最大高さ値(または、最大面積値)を基準数値に適用する方法として、ターゲット増幅の飽和段階から得られるメルティングピークの最大高さ値または最大面積値を基準にして、実際に得られるメルティングピークの最大高さ値または最大面積値の相対的な比率を利用する。
例えば、メルティング分析を実施する3つのサイクル(20、30、及び40サイクル)をあらかじめ決定し、それぞれのサイクルに基準数値で100、1、及び0.01を付与する。次いで、ターゲット増幅の飽和段階から得られるメルティングピークの最大高さ値を基準にして、実際に得られるメルティングピークの最大高さ値の相対的な比率を計算する。例えば、実際に得られたメルティングピークの最大高さ値が120であり、ターゲット増幅の飽和段階から得られたメルティングピークの最大高さ値が500である場合、相対的な比率は0.24(120/500)である。計算される相対的な比率値は、小数点二番目の位置で四捨五入するか、一定の区間値を用いて得られる。例えば、区間を0.25、0.5、0.75、1に4等分し、観察された値が0.24である場合、前記観察された値は、0.25に処理される。
試料Aで0.2の最大高さ値の比率を有する最初のメルティングピークカーブが、20サイクルから観察され、試料Bで0.3の最大高さ値の比率を有する最初のメルティングピークカーブが、20サイクルから観察されると仮定すれば、試料Aの定量数値は、20(100×0.2)であり、試料Bの定量数値は、30(100×0.3)である。したがって、試料Bが試料Aよりもターゲット核酸配列の初期量を高く含有していると評価することができる。試料Cで0.3の最大高さ値の比率を有する最初のメルティングピークカーブが、30サイクルから観察されると仮定すれば、試料Cの定量数値は、0.3(1×0.3)である。したがって、試料Cは、試料A及びBよりもターゲット核酸配列の初期量をさらに低く含有していると評価することができる。このような例は、相対的な定量に該当する。
本発明の具現例によれば、二番目の方法において、最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルから計算された定量数値の最小値が、既定のサイクル直後のサイクルで最初のメルティングピークカーブが観察される場合に計算された定量数値の最大値よりも大きいか、同じ数値になるように基準数値及び定量数値の計算方法を決定する。
択一的に、既定のサイクルに昇順で基準数値(例えば、0.01、1、100)を付与し、メルティングピークの最大値が大きくなるほど、さらに低い比率値が得られる。
例えば、ターゲット増幅の飽和状態から得られるメルティングピークの最大高さ値を既定のサイクルで実際に得られるメルティングピークの最大高さ値で割ることによって、比率の計算ができる。定量数値がさらに低く計算される場合、ターゲット核酸配列の初期量は、さらに高いと評価することができる。このような計算において、最初のメルティングピークカーブが出る既定のサイクルから計算された定量数値の最大値が、最初のメルティングピークカーブが既定のサイクルの直後のサイクルから出る場合、計算された定量数値の最小値よりも低いか、同一であるように基準数値及び定量数値の計算方法を決定する。
前述した数字値は、単に例である。既定のサイクル、基準数値の間隔、特定数値の付与、定量数値の計算のためのメルティングピークの最大高さ値または面積値の変形(誘導)方法、基準数値の計算、及びメルティングピークの最大高さまたは面積値、またはその変形値を定量数値に導入する方法は、多様な方式で実施することができる。
前述した本発明を具現するための方法は、個別的または複合的に実施される。択一的に、既定の範囲のサイクルでのメルティング分析を通じてメルティングピークを得て、引き続き、多様な方法でメルティングピークを用いてターゲット核酸配列の初期量を定量するような方式で多様な方法を実施することができる。
本発明の具現例によれば、他の核酸試料または既知(known)核酸濃度を有する対照群試料を段階(a)〜(c)に適用して得た定量数値と比較することによって、ターゲット核酸配列の相対的または絶対的定量を実施する。対照群試料の濃度を細密に区分(例えば、1pg、10pg、20pg、30pgなど)した後、対照群試料の定量数値を得た場合、より正確にターゲット核酸配列の絶対的定量を求めうる。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列の定量は、特定の数値の結果を提供する(例えば、100pg)。
本発明の具現例によれば、前記ターゲット核酸配列の定量は、一定範囲の値を提供する(例えば、1000pg以下、及び10pg以上、または10〜1000pg)。
他の核酸試料または対照群試料の定量をターゲット核酸配列の反応容器と同じ容器または異なる容器で実施することができる。
本発明の長所は、少なくとも2つのターゲット核酸配列の同時(マルチプレクス)定量であるという点から強調されうる。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸から生成された二量体は、それぞれ他のT値を有する。
本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列は、少なくとも2つのターゲット核酸配列を含む。少なくとも2つのターゲット核酸配列の定量を1つの反応容器で実施する場合、各ターゲット核酸配列を絶対的に定量し、ターゲット核酸配列間の相対的定量も可能である。
本発明は、またヌクレオチド変異を含む核酸配列の定量にも有用である。本発明の具現例によれば、ターゲット核酸配列は、ヌクレオチド変異を含む。本明細書で使われた用語“ヌクレオチド変異(nucleotide variation)”は、配列が類似した連続的DNAセグメントのうち、特定位置のDNA配列でのあらゆる単一または複数のヌクレオチドの置換、欠失または挿入を意味する。このような連続的DNA断片は、1つの遺伝子または1つの染色体の如何なる他の部位を含む。このようなヌクレオチド変異は、突然変異(mutant)または多形成対立遺伝子変異(polymorphic allele variations)であり得る。例えば、本発明から検出されるヌクレオチド変異は、SNP(single nucleotide polymorphism)、突然変異(mutation)、欠失、挿入、置換、及び転座を含む。ヌクレオチド変異の例は、ヒトゲノムにある多様な変異(例えば、MTHFR(methylenetetrahydrofolate reductase)遺伝子の変異)、病原体の薬剤耐性と関連した変異及び癌発生−関連変異を含む。本明細書で使われる用語“ヌクレオチド変異”は、核酸配列の特定位置でのあらゆる変異を含む。すなわち、用語“ヌクレオチド変異”は、核酸配列の特定位置での野生型及びそのあらゆる突然変異型を含む。
本発明は、液相及び固相のいずれでも実施される。
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明する。これら実施例は、単に本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨によって、本発明の範囲が、これら実施例によって制限されないということは、当業者にとって自明である。
実施例1:得られたあらゆるメルティングピークを利用するサイクリックメルティングカーブ分析によるターゲット核酸配列の定量
本発明者らは、得られたあらゆるメルティングピークを用いてサイクリックメルティングカーブ(cyclic melting curve)分析を行う場合、ターゲット核酸配列の定量が可能であるか否かを確認しようとした。ターゲット核酸配列の定量のために、メルティング分析を含むPTOCE分析を利用した。
アップストリームプライマーとダウンストリームプライマーとの延長、PTOの切断及びPTO断片の延長のために、5’−ヌクレアーゼ活性を有するTaq DNA重合酵素を利用した。Neisseria gonorrhoeae(NG)のゲノムDNAを標準物質及びターゲット核酸配列として利用した。
本実施例のPTOCE分析の場合、延長鎖及びCTOを用いて形成された延長二量体をメルティング分析して、ターゲット核酸配列の存在に依存的に生成された延長鎖の存在を検出した。前記延長二量体の量は、ターゲット核酸配列の初期量に比例する。メルティングカーブピークの高さまたは面積は、延長二量体の量を反映することができる。本実施例では、メルティングカーブ分析を3つの既定のサイクルで実施した。サイクリックメルティングカーブ分析から得られたメルティングピーク高さの和を用いてターゲット核酸配列の初期量を測定した。
PTO及びCTOは、その延長を防止するために、3’−末端をカーボンスぺーサ(carbon spacer)でブロッキングした。CTOの鋳型部位(配列番号4)をクエンチャー分子(BHQ−1)及び蛍光レポーター分子(FAM)で標識した。
本実施例で利用されたアップストリームプライマー、ダウンストリームプライマー、PTO及びCTOの配列は、次の通りである:
NG−F 5’−TACGCCTGCTACTTTCACGCTIIIIIGTAATCAGATG−3’(配列番号1)
NG−R 5’−CAATGGATCGGTATCACTCGCIIIIICGAGCAAGAAC−3’(配列番号2)
NG−PTO 5’−ACGACGGCTTGGCCCCTCATTGGCGTGTTTCG[C3 spacer]−3’(配列番号3)
NG−CTO 5’−[BHQ−1]TTTTTTTTTTTTTTTCCTCC[T(FAM)]CCTCCTCTGCCAAGCCGTCGT[C3 Spacer]−3’(配列番号4)
(I:デオキシイノシン(Deoxyinosine))
(下線を引いた文字は、PTOの5’−タギング部位を示す)
一連の量のNGゲノムDNA(1ng、100pg、10pg、1pg、または100fg)、10pmoleのアップストリームプライマー(配列番号1)、10pmoleのダウンストリームプライマー(配列番号2)、5pmoleのPTO(配列番号3)、3pmoleのCTO(配列番号4)、及び10μlの2Xマスターミックス[2.5mM MgCl、200μMのdNTPs、1.6unit Taq DNA重合酵素(Solgent,Korea)]を含有した20μlの最終体積で標準反応を実施した。各標準量別に3つの反応チューブを準備した。特定量のNGゲノムDNA(1ng、10pg、または100fg)、10pmoleのアップストリームプライマー(配列番号1)、10pmoleのダウンストリームプライマー(配列番号2)、5pmoleのPTO(配列番号3)、3pmoleのCTO(配列番号4)、及び10μlの2Xマスターミックス[2.5mM MgCl、200μMのdNTPs、1.6unit Taq DNA重合酵素(Solgent,Korea)]を含有した20μlの最終体積でサンプル反応を実施した。
前記反応混合物を含有しているチューブをリアルタイム熱循環器(real−time thermocycler、CFX96、Bio−Rad)に位置させた;反応混合物を95℃で15分間変性させた後、95℃で30秒、60℃で60秒、72℃で30秒のサイクルを50回繰り返した。反応過程の間に、30番目、40番目、及び50番目のサイクル後、それぞれのメルティングカーブを得て、メルティングカーブは、反応物を55℃に冷却させ、55℃で5分間保持させた後、55℃から85℃に徐々に加熱させることで得ることができた。二本鎖DNAの解離をモニタリングするために、温度が上昇する間に蛍光を連続して測定した。メルティングピークは、メルティングカーブデータから由来された。30番目、40番目、及び50番目のサイクルから得られたメルティングピークの高さを定量のために合算した。実験結果を、表1及び表2に要約した。
表1の各標準量に対する標準値は、標準反応から得た。3つの複製チューブから得られた高さの和のうち、最小値を相応する標準量に対する標準値で選択する。
標準値を用いて、試料の初期量を表2のように範囲レベル(range level)で測定した。実験結果は、各試料に対して測定された量の範囲が試料内の実際量をほぼ正確に含んでいることを示す。
ターゲット核酸が存在しない場合には、ピークが検出されていない。
このような結果は、あらゆるメルティングピークを利用するサイクリックメルティングカーブ分析がターゲット核酸配列の定量を可能にすることを示す。
実施例2:最初のメルティングピークを利用するサイクリックメルティングカーブ分析によるターゲット核酸配列の定量
本発明者らは、最初のメルティングピークを用いてサイクリックメルティングカーブ分析を行う場合、ターゲット核酸配列の定量が可能であるか否かを確認しようとした。ターゲット核酸配列の定量のために、メルティング分析を含むPTOCE分析を利用した。
実施例1から得られた反応結果を最初のメルティングピークを利用するサイクリックメルティングカーブ分析による定量に利用した。
本実施例で、“3000”、“2000”、及び“1000”は、予想される最大メルティングピーク高さを考慮して人為的に選択したものであり、それぞれ30番目、40番目、及び50番目のサイクルから得られるメルティングピークに付与した。最初のメルティングピークが観察されるサイクルを反応過程で決定した。定量数値は、サイクルに付与された値、及び当該サイクルでのメルティングピーク高さの値を合わせて計算した。実験結果を、表3及び表4に要約した。
表3の各標準量に対する標準値は、標準反応から得た。3つの複製チューブから得られる最初のメルティングピークの高さのうち、最小値をサイクルに付与された値と合算し、相応する標準量に対する標準値を計算した。
標準値を用いて、試料の初期量を表4のように範囲レベルで測定した。実験結果は、各試料に対して測定された量の範囲が試料内の実際量をほぼ正確に含んでいることを示す。
ターゲット核酸が存在しない場合には、ピークが検出されていない。
このような結果は、最初のメルティングピークを利用するサイクリックメルティングカーブ分析がターゲット核酸配列の定量を可能にすることを示す。
本発明の望ましい具現例を詳しく記述したところ、本発明の原理による変形及び修正が可能であるということは、当業者に明らかであり、したがって、本発明の範囲は、添付の請求項とその均等物によって定義される。

Claims (5)

  1. 次の段階を含むメルティングピークカーブを用いて核酸試料内のターゲット核酸配列を定量する方法であって、:
    (a)一連の反応を繰り返すサイクルを通じて核酸試料内のターゲット核酸配列を増幅させて、標識を含む二量体を形成させる段階であって;前記二量体は、二本鎖形態の前記増幅されたターゲット核酸配列、前記ターゲット核酸配列とプローブとの間のハイブリダイゼーションによって形成された二量体、または前記ターゲット核酸配列の存在に依存的に形成された二量体を含み;前記二量体の形成は、前記ターゲット核酸配列の増幅に比例して増加し;前記標識は、前記二量体の結合または解離過程の間に検出可能なシグナルを発生させ;
    (b)前記段階(a)の繰り返し過程の間に、前記二量体から検出可能なシグナルが検出される温度範囲でのメルティング分析を既定のサイクルで実施することによって、2−5つの既定のサイクルに対するメルティングピークカーブを得る段階であって;前記既定のサイクル間の間隔は少なくとも5サイクルであり;及び
    (c)前記メルティングピークカーブを用いて、前記ターゲット核酸配列を定量する段階であって;前記段階(c)が、下記(c−1)、(c−2)及び(c−3)のいずれかの工程により行われ、:
    (c−1)前記既定のサイクル別に基準数値を付与し、前記メルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値を合算することにより定量数値を計算して、初期ターゲット核酸配列の量を定量する工程であって、前記基準数値は、規定のサイクルに昇順または降順で付与されるか、または各サイクルに同じ数値の基準数値が付与される工程、
    (c−2)前記既定のサイクル別に基準数値を付与し、最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値を用いて定量数値を計算して、初期ターゲット核酸配列の量を定量する工程であって、前記基準数値は、規定のサイクルに昇順または降順で付与され、ターゲット核酸配列の量が多くなるほど、より早いサイクルでメルティングピークカーブが得られる工程、
    (c−3)既定のサイクル別に基準数値を付与し、(i)前記最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルの基準数値、及び(ii)最初のメルティングピークカーブの高さの最大値または最大面積値を用いて定量数値を計算して、初期ターゲット核酸配列の量を定量する工程であって、前記基準数値は、規定のサイクルに昇順または降順で付与され、ターゲット核酸配列の量が多くなるほど、より早いサイクルでメルティングピークカーブが得られ、最初のメルティングピークカーブが出た既定のサイクルから計算された前記定量数値の最小値が、前記既定のサイクル直後のサイクルで最初のメルティングピークカーブが出る場合に、計算された定量数値の最大値よりも大きいか、同じ数値である工程、
    前記ターゲット核酸配列の定量は、他の核酸試料または既知核酸濃度を有する対照群(control)試料を前記段階(a)〜(c)に適用して得た定量数値と比較することで実施される方法。
  2. 前記二量体の標識は、前記二量体のうち何れか一方の鎖に連結された単一標識、前記二量体のうち何れか一方の鎖にいずれも連結されたレポーター分子及びクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識、前記二量体の一方の鎖に連結されたレポーター分子及び他方の鎖に連結されたクエンチャー分子を含む相互作用的二重標識、または前記二量体に挿入されるインターカレーティング染料であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ターゲット核酸配列の増幅は、温度が変化する条件下で、増幅用プライマーと前記ターゲット核酸配列との間のハイブリダイゼーション、前記プライマーの延長及び延長鎖の解離を含む一連の反応を繰り返すことで達成され、前記サイクルは、前記一連の反応の1回繰り返しを1つの単位として有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記ターゲット核酸配列の増幅は、等温条件下に一連の反応を繰り返すことで達成され、前記サイクルは、一定時間間隔で実施される前記一連の反応の繰り返しを1つの単位として有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記ターゲット核酸配列の増幅は、PCR(polymerase chain reaction)、LCR(ligase chain reaction)、GLCR(gap filling LCR)、Q−beta(Q−beta replicase amplification)、SDA(stand displacement amplification)、3SR(self−sustained sequence replication)、NASBA(nucleic acid sequence−based amplification)、TMA(Transcription−Mediated Amplification)、またはRCA(Rolling Circle Amplification)によって実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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