JP6703409B2 - 光湿気硬化型樹脂組成物及び熱伝導性接着剤 - Google Patents

光湿気硬化型樹脂組成物及び熱伝導性接着剤 Download PDF

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本発明は、形状保持性、接着性、柔軟性、及び、熱伝導性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物に関する。また、本発明は、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる熱伝導性接着剤に関する。
電子部品の放熱方法としては、一般的に、電子部品から発生した熱を他の部材に伝えて電子部品に蓄積させないようにするため、電子部品と金属製の伝熱板との間に放熱材を導入する方法が用いられている。このような放熱材としては、放熱グリースや、熱伝導性シートや、熱伝導性接着剤等が用いられている。
上記放熱グリースとしては、例えば、特許文献1には、オルガノポリシロキサンと増稠剤とを含有する放熱用グリース組成物が開示されている。しかしながら、このような放熱グリースを用いた場合、高温でグリースが蒸発したり、グリースと熱伝導性フィラーとか分離したりすることがあるという問題があった。
上記熱伝導性シートとしては、例えば、特許文献2には、少なくとも片面にシリコーン粘着組成物からなる粘着層を有する熱伝導性シートが開示されている。しかしながら、このような熱伝導性シートは、電子部品との接着性が充分に得られにくいという問題があった。
上記熱伝導性接着剤としては、例えば、特許文献3には、反磁性充填材と接着性高分子とを含有する熱伝導性接着剤が開示されている。しかしながら、このような熱伝導性接着剤を用いた場合、高温で蒸発したり、液状成分が流れ出して電子部品を汚染したりするおそれがあった。また、該接着剤の硬化時に加わる応力により電子部品にズレが生じるという問題があった。硬化時に加わる応力を緩和させることができる熱伝導性接着剤として、特許文献4には、電子部品と伝熱板との間の表面部分のみが硬化し、内部は未硬化の状態となる熱伝導性接着剤が開示されているが、未硬化成分が存在することで信頼性に問題があった。
特開平3−162493号公報 特開2005−60594号公報 特開2000−273426号公報 特開2002−363429号公報
本発明は、形状保持性、接着性、柔軟性、及び、熱伝導性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる熱伝導性接着剤を提供することを目的とする。
本発明は、ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱伝導性フィラーとを含有する光湿気硬化型樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、驚くべきことに、ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱伝導性フィラーとを含有する光湿気硬化型樹脂組成物は、形状保持性、接着性、柔軟性、及び、熱伝導性の全てに優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、塗布時には被塗布表面の微細な凹凸に追従した形状を保持して放熱性能を向上させることができ、塗布後は光照射によってすぐに硬化させる(Bステージ化させる)ことができるため、仮固定するための治具を必要とせずに液ダレ等を抑制でき、硬化に加熱を必要としないため、加熱による基材等へのダメージや、揮発成分による電子部品の汚染を防止しつつ、充分な接着性を発揮することができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物を含有する。
上記ラジカル重合性化合物としては、光重合性を有するラジカル重合性化合物であればよく、分子中にラジカル反応性官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、ラジカル反応性官能基として不飽和二重結合を有する化合物が好適であり、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリル化合物」ともいう)が好適である。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られる(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートのイソシアネート基は、全てウレタン結合の形成に用いられ、上記ウレタン(メタ)アクリレートは、残存イソシアネート基を有さない。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のフタルイミドアクリレート類、各種イミドアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER828EL、jER1001、jER1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182(いずれもダイセル・オルネクス社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアネート基を有する化合物に対して、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8411、EBECRYL8412、EBECRYL8413、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、EBECRYL2220、KRM7735、KRM−8295(いずれもダイセル・オルネクス社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6LPA、U−6HA、U−10H、U−15HA、U−122A、U−122P、U−108、U−108A、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4100、UA−4000、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AI−600、AH−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
また、上述した以外のその他のラジカル重合性化合物も適宜使用することができる。
上記その他のラジカル重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等のビニル化合物等が挙げられる。
上記ラジカル重合性化合物は、硬化性を調整する等の観点から、単官能ラジカル重合性化合物と多官能ラジカル重合性化合物とを含有することが好ましい。上記単官能ラジカル重合性化合物と上記多官能ラジカル重合性化合物とを含有することにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が硬化性及びタック性により優れるものとなる。なかでも、上記単官能ラジカル重合性化合物として分子中に窒素原子を有する化合物と、上記多官能ラジカル重合性化合物としてウレタン(メタ)アクリレートとを組み合わせて用いることがより好ましい。また、上記多官能ラジカル重合性化合物は、2官能又は3官能であることが好ましく、2官能であることがより好ましい。
上記ラジカル重合性化合物が、上記単官能ラジカル重合性化合物と上記多官能ラジカル重合性化合物とを含有する場合、上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量は、上記単官能ラジカル重合性化合物と上記多官能ラジカル重合性化合物との合計100重量部に対して、好ましい下限が2重量部、好ましい上限が45重量部である。上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が硬化性及びタック性により優れるものとなる。上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は35重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、湿気硬化型ウレタン樹脂を含有する。上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、分子内のイソシアネート基が空気中又は被着体中の水分と反応して硬化する。また、湿気硬化成分として架橋性シリル基を有する化合物等を用いる場合と比べ、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が速硬化性に優れるものとなる。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、1分子中にイソシアネート基を1個のみ有していてもよいし、2個以上有していてもよい。なかでも、両末端にイソシアネート基を有することが好ましい。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、得ることができる。
上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応は、通常、ポリオール化合物中の水酸基(OH)とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(NCO)のモル比で[NCO]/[OH]=2.0〜2.5の範囲で行われる。
上記ポリオール化合物としては、ポリウレタンの製造に通常用いられている公知のポリオール化合物を使用することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらのポリオール化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの原料となる上記多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの原料となる上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフランの開環重合物、3−メチルテトラヒドロフランの開環重合物、及び、これら若しくはその誘導体のランダム共重合体又はブロック共重合体、ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体等が挙げられる。
上記ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体は、ビスフェノール型分子骨格の活性水素部分にアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等)を付加反応させて得られるポリエーテルポリオールであり、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。上記ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体は、ビスフェノール型分子骨格の両末端に、1種又は2種以上のアルキレンオキシドが付加されていることが好ましい。ビスフェノール型としては特に限定されず、A型、F型、S型等が挙げられ、好ましくはビスフェノールA型である。
上記ポリアルキレンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの液状変性物、ポリメリックMDI(メタンジイソシアネート)、トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。なかでも、蒸気圧及び毒性の低い点、扱いやすさの点からジフェニルメタンジイソシアネート及びその変性物が好ましい。上記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
また、上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、下記式(1)で表される構造を有するポリオール化合物を用いて得られたものであることが好ましい。下記式(1)で表される構造を有するポリオール化合物を用いることにより、接着性に優れる組成物、及び、柔軟で伸びがよい硬化物を得ることができ、上記ラジカル重合性化合物との相溶性に優れるものとなる。
なかでも、プロピレングリコールや、テトラヒドロフラン(THF)化合物の開環重合化合物、又は、メチル基等の置換基を有するテトラヒドロフラン化合物の開環重合化合物からなるポリエーテルポリオールを用いたものが好ましい。
Figure 0006703409
式(1)中、Rは、水素、メチル基、又は、エチル基を表し、nは、1〜10の整数、Lは、0〜5の整数、mは、1〜500の整数である。nは、1〜5であることが好ましく、Lは0〜4であることが好ましく、mは、50〜200であることが好ましい。
なお、Lが0の場合とは、Rと結合した炭素が直接酸素と結合している場合を意味する。
更に、上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、ラジカル重合性官能基を有していてもよい。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂が有していてもよいラジカル重合性官能基としては、不飽和二重結合を有する基が好ましく、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
なお、ラジカル重合性官能基を有する湿気硬化型ウレタン樹脂は、ラジカル重合性化合物には含まず、湿気硬化型ウレタン樹脂として扱う。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は800、好ましい上限は1万である。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の重量平均分子量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が硬化時に架橋密度が高くなり過ぎずに柔軟性により優れるものとなり、かつ、塗布性により優れるものとなる。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の重量平均分子量のより好ましい下限は2000、より好ましい上限は8000、更に好ましい下限は2500、更に好ましい上限は6000である。
なお、本明細書において上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。また、GPCで用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂の含有量は、上記ラジカル重合性化合物と上記湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、好ましい下限が20重量部、好ましい上限が90重量部である。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の含有量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が湿気硬化性及び光硬化性により優れるものとなる。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は75重量部、更に好ましい下限は41重量部、更に好ましい上限は70重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、光ラジカル重合開始剤を含有する。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE784、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF社製)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の含有量は、上記ラジカル重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が光硬化性及び保存安定性により優れるものとなる。上記光ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、熱伝導性フィラーを含有する。上記熱伝導性フィラーを含有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、熱伝導性接着剤として用いた場合に優れた熱伝導性を示すものとなる。
なお、本明細書において上記「熱伝導性フィラー」とは、熱伝導率が10W/m・K以上であるフィラーを意味する。
上記熱伝導性フィラーとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンファイバー、グラフェン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、銀、銅等が挙げられる。なかでも、熱伝導性の観点から、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンファイバー、炭化ケイ素、及び、グラフェンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記熱伝導性フィラーは、平均粒子径の好ましい下限が0.1μm、好ましい上限が50μmである。上記熱伝導性フィラーの平均粒子径がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布性及び塗布後の形状保持性により優れるものとなる。上記熱伝導性フィラーの平均粒子径のより好ましい下限は0.2μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、上記熱伝導性フィラーの平均粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)等の粒度分布測定装置を用いて、上記熱伝導性フィラーを溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
上記熱伝導性フィラーの含有量は、上記ラジカル重合性化合物と上記湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、好ましい下限が80重量部、好ましい上限が400重量部である。上記熱伝導性フィラーの含有量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が優れた塗布性及び接着性を維持したまま、熱伝導性により優れるものとなる。上記熱伝導性フィラーの含有量のより好ましい下限は100重量部、より好ましい上限は300重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、チクソ性や塗布後の形状保持性等の観点から、上記熱伝導性フィラーに加えて、熱伝導率が10W/m・K未満であるその他のフィラーを含有してもよい。
上記その他のフィラーとしては、無機フィラーが好ましく、例えば、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。上記その他のフィラーは、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記その他のフィラーは、疎水性表面処理がなされていることが好ましい。上記疎水性表面処理により、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布後の形状保持性により優れるものとなる。
上記疎水性表面処理としては、シリル化処理、アルキル化処理、エポキシ化処理等が挙げられる。なかでも、形状保持性を向上させる効果に優れることから、シリル化処理が好ましく、トリメチルシリル化処理がより好ましい。
上記その他のフィラーを疎水性表面処理する方法としては、例えば、シランカップリング剤等の表面処理剤を用いて、上記その他のフィラーの表面を処理する方法等が挙げられる。
具体的には例えば、上記トリメチルシリル化処理は、例えば、未処理のその他のフィラーをゾルゲル法等の方法で合成し、該その他のフィラーを流動させた状態でヘキサメチルジシラザンを噴霧する方法や、アルコール、トルエン等の有機溶媒中に未処理のその他のフィラーを加え、更に、ヘキサメチルジシラザンと水とを加えた後、水と有機溶媒とをエバポレーターで蒸発乾燥させる方法等により作製することができる。
上記その他のフィラーは、平均粒子径の好ましい下限が0.1μm、好ましい上限が50μmである。上記その他のフィラーの平均粒子径がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布性及び塗布後の形状保持性により優れるものとなる。上記その他のフィラーの平均粒子径のより好ましい下限は0.2μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、上記その他のフィラーの平均粒子径は、上記熱伝導性フィラーと同様にして測定することができる。
上記その他のフィラーを含有する場合、上記ラジカル重合性化合物と上記湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、上記熱伝導性フィラーと上記その他のフィラーとの合計の含有量の好ましい下限は80重量部、好ましい上限は400重量部である。上記熱伝導性フィラーと上記その他のフィラーとの合計の含有量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布性及び塗布後の形状保持性により優れるものとなる。上記熱伝導性フィラーと上記その他のフィラーとの合計の含有量のより好ましい下限は100重量部、より好ましい上限は300重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物を含有することが好ましい。上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物は、水分との反応性が高く、保存時における湿気硬化型ウレタン樹脂と水分との反応を防止する役割を有する。なお、ウレタン結合とイソシアネート基とを有する化合物は、上記湿気硬化型ウレタン樹脂として扱う。
上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物は、系中を移動して水分と迅速に反応させる必要があるため、分子量が小さいことが好ましく、特に、イソシアネート基やイソチオシアネート基を有する化合物の場合、分子量の好ましい上限は500、より好ましい上限は300である。また、水分との反応速度を速くして効果的に水分を除去する観点から、芳香族環を有するイソシアネート基や、芳香族環を有するイソチオシアネート基を有する化合物が好適である。なお、カルボジイミド基を有する化合物には、特に制限はない。また、水分と反応しなかったイソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物は、湿気硬化型ウレタン樹脂の硬化に寄与し、架橋密度が向上することで、得られる光湿気硬化型樹脂組成物の硬化物が接着性に優れるものとなる。
上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物は、単官能であってもよいし、多官能であってもよいが、水分に対して適度な反応性を有することから2官能であることが好ましい。
なお、上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物は、化学的に水分を除去するものであるが、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に使用する各材料を配合する前に、予め、必要に応じて、各材料に物理的な処理(ゼオライトのような水分吸着剤による水分の除去)を行っておいてもよい。
上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物のなかでも、架橋密度を向上させ、得られる光湿気硬化型樹脂組成物の硬化物を接着性に優れるものとする効果に優れることから、イソシアネート基を有する化合物が好ましい。
上記イソシアネート基を有する化合物は、上記湿気硬化型ウレタン樹脂の原料となるポリイソシアネート化合物と同様の化合物であってもよいし、異なっていてもよい。
上記イソシアネート基を有する化合物としては、具体的には例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、イソチオシアネート基を有する化合物としては、具体的には例えば、ベンジルイソチオシアネート、フェニルイソチオシアネート、4−フェニルブチルイソチオシアネート、3−フェニルプロピルイソチオシアネート等が挙げられる。
また、カルボジイミド基を有する化合物としては、具体的には例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、カルボジライトLA−1(日清紡社製)等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物の含有量は、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物全体100重量部中において、好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が10重量部である。上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が硬化時に架橋密度が高くなり過ぎずに柔軟性により優れるものとなり、かつ、保存安定性及び接着性により優れるものとなる。上記イソシアネート基、イソチオシアネート基、及び、カルボジイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する化合物の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3.0重量部、更に好ましい下限は0.2重量部、更に好ましい上限は1.5重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、遮光性に優れるものとなって表示素子等に用いた場合に光漏れを防止することができる。
なお、本明細書において、上記「遮光剤」は、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料を意味する。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。また、上記遮光剤は、黒色を呈するものでなくてもよく、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料であればよい。更に、アルミナ、タルク等、上記熱伝導性フィラーや上記その他のフィラーとして挙げた材料等も上記遮光剤として用いることができる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、光ラジカル重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また、上記チタンブラックは、黒色度(L値)が9以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほど良く、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特に無いが、通常は5以下となる。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているもの、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を用いて製造した表示素子は、光湿気硬化型樹脂組成物が充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有するものとなる。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は5m/g、好ましい上限は40m/gであり、より好ましい下限は10m/g、より好ましい上限は25m/gである。また、上記チタンブラックのシート抵抗の好ましい下限は、樹脂と混合された場合(70%配合)において、10Ω/□であり、より好ましい下限は1011Ω/□である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物において、上記遮光剤の一次粒子径は、用途に応じて適宜選択されるが、好ましい下限は30nm、好ましい上限は500nmである。この範囲であることにより、粘度及びチクソ性が大きく増大することなく、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が基板への塗布性及び作業性により優れるものとなる。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は200nmである。
なお、上記遮光剤の粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物全体における上記遮光剤の含有量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は10重量%である。上記遮光剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が、描画性、基板等に対する接着性、硬化後の強度、及び、遮光性により優れるものとなる。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は2重量%、更に好ましい上限は1重量%である。
なお、熱伝導率が10W/m・K以上である遮光剤を用いる場合、即ち、上記熱伝導性フィラーとなる材料を上記遮光剤として用いる場合、該熱伝導率が10W/m・K以上である遮光剤と上記熱伝導性フィラーとの合計の含有量が、上述した上記熱伝導性フィラーの含有量の好ましい範囲内となることが好ましい。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、カップリング剤を含有してもよい。
上記カップリング剤を含有することにより、接着性、及び、高温環境下における信頼性により優れる光湿気硬化型樹脂組成物を得ることができる。
上記カップリング剤は、ラジカル重合性化合物及び/又は湿気硬化型ウレタン樹脂と反応し得る反応性官能基を有することが好ましい。上記反応性官能基を有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物中に上記カップリング剤が取り込まれ、その結果、接着性や耐クリープ性が更に向上する。
上記反応性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基等の不飽和二重結合を有する基、エポキシ基、イソシアネート基、チオール基、アミノ基等が挙げられる。なかでも、接着性や耐クリープ性を向上させる効果に優れることから、不飽和二重結合を有する基、エポキシ基、イソシアネート基が好ましい。
上記カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤等が挙げられる。なかでも、接着性や耐クリープ性を向上させる効果に特に優れることから、シランカップリング剤が好ましい。上記カップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、テジルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、トリエトキシシリルチオプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記チタネート系カップリング剤としては、例えば、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
上記ジルコネート系カップリング剤としては、例えば、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、シルコニウムテトラノルマルブトキシド等が挙げられる。
上記カップリング剤の含有量は、ラジカル重合性化合物と湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、好ましい上限が5重量部である。上記カップリング剤の含有量が5重量部以下であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が保存安定性により優れるものとなる。上記カップリング剤の含有量のより好ましい上限は1.5重量部である。
また、上記カップリング剤の含有量は、ラジカル重合性化合物と湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、好ましい下限が0.05重量部である。上記カップリング剤の含有量が0.05重量部以上であることにより、接着性や耐クリープ性を向上させる効果により優れるものとなる。上記カップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、更に、必要に応じて、着色剤、イオン液体、溶剤、金属含有粒子、反応性希釈剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱伝導性フィラーと、必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、含有する水分量が100ppm以下であることが好ましい。上記水分量が100ppmを超えると、保存中に上記湿気硬化型ウレタン樹脂と水分が反応しやすくなり、光湿気硬化型樹脂組成物が保存安定性に劣るものとなる。上記水分量は80ppm以下であることがより好ましい。
なお、上記水分量は、カールフィッシャー水分測定装置により測定することができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物における、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限は50Pa・s、好ましい上限は1000Pa・sである。上記粘度がこの範囲であることにより、光湿気硬化型樹脂組成物を電子部品用接着剤又は表示素子用接着剤に用いる場合に基板等の被着体に塗布する際の作業性により優れるものとなる。上記粘度のより好ましい下限は80Pa・s、より好ましい上限は500Pa・s、更に好ましい上限は400Pa・sである。
なお、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物の粘度が高すぎる場合は、塗布時に加温することで塗布性を向上させることができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物のチクソトロピックインデックスの好ましい下限は1.3、好ましい上限は5.0である。上記チクソトロピックインデックスがこの範囲であることにより、光湿気硬化型樹脂組成物を電子部品用接着剤又は表示素子用接着剤に用いる場合に基板等の被着体に塗布する際の作業性により優れるものとなる。上記チクソトロピックインデックスのより好ましい下限は1.5、より好ましい上限は4.0である。
なお、本明細書において上記チクソトロピックインデックスとは、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度を、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した粘度で除した値を意味する。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、硬化後の1mm厚みの硬化物の光学濃度(OD値)が1以上であることが好ましい。上記OD値が1以上であることにより、遮光性に優れ、表示素子に用いた場合に光の漏れ出しを防止し、高いコントラストを得ることができる。上記OD値は1.5以上であることがより好ましい。
上記OD値は高いほど良いが、上記OD値を高くするために遮光剤を多く配合しすぎると、増粘による作業性の低下等が生じることから、遮光剤の配合量とのバランスをとるため、上記硬化体のOD値の好ましい上限は4である。
なお、上記光湿気硬化型樹脂組成物の硬化後のOD値は、光学濃度計を用いて測定することができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、硬化後の熱伝導率が1W/m・K以上であることが好ましい。上記熱伝導率が1W/m・K以上であることにより、電子部品から発生した熱を効率よく放熱させることができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を用いて接着することが可能な被着体としては、金属、ガラス、プラスチック等の各種の被着体が挙げられる。
上記被着体の形状としては、例えば、フィルム状、シート状、板状、パネル状、トレイ状、ロッド(棒状体)状、箱体状、筐体状等が挙げられる。
上記金属としては、例えば、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム又はその合金等が挙げられる。
上記ガラスとしては、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。
上記プラスチックとしては、例えば、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体等のポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体等のポリニトリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル等のポリメタクリレート系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等のポリビニル系樹脂等が挙げられる。
また、上記被着体としては、表面に金属メッキ層を有する複合材料も挙げられ、該複合材料のメッキの下地材としては、例えば、上述した、金属、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
更に、上記被着体としては、金属表面を不動態化処理することにより不動態皮膜を形成した材料も挙げられ、該不動態化処理としては、例えば、加熱処理、陽極酸化処理等が挙げられる。特に、国際アルミニウム合金名が6000番台の材質であるアルミニウム合金等の場合は、上記不動態化処理として硫酸アルマイト処理又はリン酸アルマイト処理を行うことで、接着性を向上させることができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を用いて被着体を接着する方法としては、例えば、第1の部材に本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を塗布する工程と、上記第1の部材に塗布された本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に光を照射し、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物中のラジカル重合性モノマーを硬化させる工程(第1硬化工程)と、上記第1硬化工程後の光湿気硬化型樹脂組成物を介して上記第1の部材と第2の部材とを貼り合せる工程(貼り合せ工程)と、上記貼り合せ工程後、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物中の湿気硬化型ウレタンプレポリマーの湿気硬化により上記第1の部材と上記第2の部材とが接着される工程(第2硬化工程)とを含む方法等が挙げられ、上記貼り合せ工程後に光を照射する工程を含むことが好ましい。上記貼り合わせ工程後に光を照射する工程を含むことで、被着体との接着直後の接着性(初期接着性)を向上させることができる。上記第1の部材及び/又は上記第2の部材が光を透過する材質である場合は、光を透過する上記第1の部材及び/又は上記第2の部材越しに光を照射することが好ましく、上記第1の部材及び/又は上記第2の部材が光を透過しにくい材質である場合は、上記第1の部材と上記第2の部材とが上記光湿気硬化型樹脂組成物を介して接着された構造体の側面、即ち、光湿気硬化型樹脂組成物が露出された部分に光を照射することが好ましい。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、熱伝導性接着剤として好適に用いることができる。本発明の光湿気硬化型樹脂組成物からなる熱伝導性接着剤もまた、それぞれ本発明の1つである。
また、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、熱伝導性だけでなく、電磁波シールド性も有するものであるため、電磁波シールド用途にも好適に用いられる。
本発明によれば、形状保持性、接着性、柔軟性、及び、熱伝導性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる熱伝導性接着剤を提供することができる。
(a)は、接着性評価用サンプルを上から見た場合を示す模式図であり、(b)は、接着性評価用サンプルを横から見た場合を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1(湿気硬化型ウレタン樹脂Aの作製))
ポリオールとして100重量部のポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製、「PTMG−2000」)と、0.01重量部のジブチル錫ジラウレートとを500mL容のセパラブルフラスコに入れ、真空下(20mmHg以下)、100℃で30分間撹拌し、混合した。その後常圧とし、ジイソシアネートとして26.5重量部のPure MDI(日曹商事社製)を入れ、80℃で3時間撹拌し、反応させ、湿気硬化型ウレタン樹脂A(重量平均分子量2700)を得た。
(実施例1〜8、比較例1、2)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合して実施例1〜8、比較例1、2の光湿気硬化型樹脂組成物を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(形状保持性)
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板上に約1mmの幅で30mmの長さとなるように塗布した。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を3000mJ/cm照射することによって、光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させ、線幅(t)、高さ(t)を測定した。t/tが0.3以上であった場合を「○」、t/tが0.3未満であった場合を「×」として、光湿気硬化型樹脂組成物の形状保持性を評価した。
(接着性)
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板上に約2mmの幅で塗布した。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を3000mJ/cm照射することによって、光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させた後、別のアルミ基板を重ね、20gの重りを置き、一晩放置することにより湿気硬化させて、接着性評価用サンプルを得た。
図1に接着性評価用サンプルを上から見た場合を示す模式図(図1(a))、及び、接着性評価用サンプルを横から見た場合を示す模式図(図1(b))を示した。
得られた接着性評価用サンプルを85℃、85RH%の恒温恒湿オーブンに入れ、地面に対して50gの重りを垂直につるし、24時間静置した。24時間静置後のズレが1mm以下であった場合を「○」、1mmを超え3mm以下であった場合を「△」、3mmを超えた場合を「×」として、光湿気硬化型樹脂組成物の接着性を評価した。
(柔軟性)
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物について、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を3000mJ/cm照射することによって光硬化させ、その後、一晩放置することにより湿気硬化させた。得られた硬化物について、A型硬度計(アスカー高分子計器社製)により、硬度の測定を行った。硬度が40以下であった場合を「○」、40を超えた場合を「×」として、光湿気硬化型樹脂組成物の柔軟性を評価した。
(熱伝導性)
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物について、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を3000mJ/cm照射することによって光硬化させ、その後、一晩放置することにより湿気硬化させた。得られた硬化物を50mm×50mmのフィルム状にカットし、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(アルバック理工社製、「TC−9000」)を用いて熱伝導率を測定した。熱伝導率が1W/m・K以上であった場合を「○」、1W/m・K未満0.3W/m・K以上であった場合を「△」、0.3W/m・K未満であった場合を「×」として熱伝導性を評価した。
Figure 0006703409
本発明によれば、形状保持性、接着性、柔軟性、及び、熱伝導性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる熱伝導性接着剤を提供することができる。
1 アルミ基板
2 光湿気硬化型樹脂組成物

Claims (8)

  1. ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱伝導性フィラーとを含有し、
    前記湿気硬化型ウレタン樹脂は、イソシアネート基を有するウレタン樹脂(ただし、ビニル基を有する場合を除く)であり、かつ、重量平均分子量が800以上であり、
    前記熱伝導性フィラーは、熱伝導率が10W/m・K以上である
    ことを特徴とする光湿気硬化型樹脂組成物。
  2. イソシアネート基を有するウレタン樹脂(ただし、ビニル基を有する場合を除く)は、両末端にイソシアネート基を有することを特徴とする請求項1記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
  3. 熱伝導性フィラーは、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンファイバー、炭化ケイ素、及び、グラフェンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
  4. 熱伝導性フィラーの含有量が、ラジカル重合性化合物と湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、80〜400重量部であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
  5. 熱伝導性フィラーに加えて、その他のフィラーを含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
  6. 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
  7. カップリング剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の光湿気硬化型樹脂組成物からなることを特徴とする熱伝導性接着剤。
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