JP6703118B2 - シリコーン相溶性化合物 - Google Patents

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Description

背景
分野
本発明は、シリコーンに化学的に結合したα−ヒドロキシ−アルキルフェノン部分構造に基づく新規のシリコーン相溶性化合物、簡単な反応スキームによるその製造、及びそれらの光開始剤としての使用に関する。本発明の化合物は、光学透明ディスプレイ用途においてカバー層によって吸収されない、より長波長の紫外光領域(UVV)(すなわち、約390ナノメートル以上の波長)の光を吸収する。本発明の化合物はまた、透明(clear)で、かつシリコーンへの可溶性が高い。したがって、本発明の化合物は、不飽和フリーラジカル硬化性官能基を有するシリコーンを含む組成物の光硬化を開始させるのに特に有用である。その優れた安定性のために、本発明の化合物は、曇化や黄変を起こさず、かつ、例えば、光学透明シリコーンシーラント及びコーティング、並びに光学透明ディスプレイの製造に使用され得る。
関連技術の簡単な説明
ラジカル反応を起こし易い官能基を含むモノマー又はオリゴマーの光誘導重合は、ポリマーの製造において広く使用されている技術である。反応を開始するために、通常、光開始剤をモノマー又はオリゴマーに添加して、次いで混合物を電磁放射線にばく露する。不飽和有機樹脂に易溶性で、これらを効果的に硬化させる多くの光開始剤が入手可能である。しかしながら、これらの光開始剤の多くは、シリコーン中では、溶解性に乏しく、そのため硬化効率は満足できるものではない。このような光開始剤は、貯蔵中にシリコーンマトリックスから分離して、製造されるいずれの硬化生成物にも重度の曇りを生じさせる。このことは、生成物を光学透明ディスプレイ用途に使用することが意図されている場合には許容できない。シリコーンへの溶解性、ひいてはシリコーンとの相溶性を向上させるために、光開始剤をオルガノポリシロキサン又はシランと化学的に結合させることが提案されている。
米国特許第4,273,907号は、オルガノポリシロキサン分子のケイ素原子に化学的に結合した少なくとも1つのベンゾイン基を含む新しい種類のオルガノポリシロキサン化合物を開示している。このような化合物は、ケイ素結合ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル基、又はアルコキシ基を有する対応するオルガノポリシロキサンと、ベンゾイン化合物との間の、好適な反応促進剤又は縮合触媒の存在下での脱ハロゲン化水素、脱水素、脱水、又は脱アルコール縮合反応によって調製され得る。これらはシリコーン組成物に可溶性であり、光硬化性オルガノポリシロキサン組成物における光増感剤(photosensitizer)として有用である。しかしながら、該化合物の安定性は十分でなく、長期間にわたり熱及び/又はUV放射線にばく露されると黄変を引き起こす傾向がある。したがって、これらは、高性能透明コーティング、封入剤、又はシーラントに使用するのに適していない。
米国特許第4,391,963号はまた、少なくとも1つの化学的に結合したベンゾイン基を有するオルガノポリシロキサン化合物である新規の光増感剤を開示している。しかしながら、ここでは、化合物は、アルケニル置換ベンゾインと少なくとも1つのケイ素結合水素原子を含むケイ素化合物とのヒドロシリル化によって調製される。したがって、オルガノポリシロキサン部分構造とベンゾイン基とは、2価の炭化水素基を介して結合している。これは、加水分解に対する安定性の向上をもたらすが、しかし、アルケニル置換ベンゾインの入手は容易でなく、別の反応工程で合成しなければならないため、相当複雑な調製プロセスが必要である。
また米国特許第4,536,265号もオルガノポリシロキサン光開始剤を開示している。分子当たり少なくとも1つのシロキサン単位が、2〜10個の炭素原子を有する二価の炭化水素基を介してシロキサン単位のケイ素原子に結合しているアセトフェノン光官能部分(photomoiety)を含む。このような結合基は加水分解に対して高い安定性を示す。しかしながら、アルケニル置換アセトフェノンは容易に入手することができず、別の反応工程で合成しなければならず、そのため、オルガノポリシロキサン光開始剤を製造するプロセス全体が複雑になる。さらに、アセトフェノン部分構造は、熱及び/又はUV放射線に長期間にわたってばく露されると黄変を引き起こす傾向がある。
米国特許第5,776,658号には、光開始剤又は光増感剤の活性のうちの1又は複数を有し、かつ芳香核上に位置する少なくとも1つのカルボニル基を有する化合物の化学的に結合した基を有するシラン又はオルガノポリシロキサン残基を含むシリコーン相溶性光開始剤が記載されている。ここでも、シラン又はオルガノポリシロキサン残基と光官能部分との結合は、二価の炭化水素基を介して行われる。この二価の炭化水素基は、光官能部分のカルボニル基に対してオルト位に位置する芳香族炭素原子に結合している。光開始剤は加水分解に対して良好な安定性を示す。実施例では、ワンポット反応による光開始剤の調製が開示されている。しかしながら、得られた生成物の混合物は、濃縮して、クロマトグラフィーにより完成させる必要がある。したがって、プロセス全体は複雑で時間がかかる。さらに、光開始剤の収率はやや低く、例えば、実施例5ではわずか17%である。
EP1072326A2は、配合物の表面上に濃縮したシロキサン含有表面活性光開始剤を提供する。これらの光開始剤は、エチレン系化合物を含有する配合物から耐スクラッチ性コーティングを製造する方法において使用される。光官能部分は、シロキサン残基のケイ素原子に架橋単位(Y)を介して結合している芳香環を含む。これらの光開始剤は、その表面活性特性のために、配合物全体に均一に分布せず、このため、高性能透明コーティング、封入剤、又はシーラントには適していない。
米国特許出願公開第2015/0266907号は、容易に入手可能な出発物質から簡単なワンステップ反応によって製造されるシリコーン相溶性光開始剤を提供する。これらの光開始剤は、光硬化性シリコーンへの溶解性が高く、熱ストレス、UV照射、及び加水分解に対して安定であり、どのような硬化生成物の黄変も回避する。しかしながら、これらの光開始剤は、より短波長の紫外光範囲(すなわち、390ナノメートル未満の波長)の光を吸収する。光学透明ディスプレイのカバー層は、カバー層の間に位置している光硬化性シリコーンへのこれらのより短波長の波長の透過を妨げ得る。したがって、これらの光開始剤は、光学透明ディスプレイ用途で使用される場合、光硬化性シリコーンの硬化を促進する効果がより低い場合がある。
澄明で、光硬化性シリコーンへの溶解性が高く、熱ストレス、UV照射、及び加水分解に対して安定で、硬化生成物の曇化及び黄変を回避し、かつ約390ナノメートル以上の紫外線波長が光硬化性シリコーンの硬化の開始に有効である化合物を製造及び使用することが有利であろう。
本発明は、容易に入手可能な出発物質から簡単な反応スキームを介して入手可能な、シリコーン相溶性光開始剤として作用し得る新規化合物を提供する。これらは、透明(clear)で、光硬化性シリコーンへの溶解性が高く、熱ストレス、UV照射、及び加水分解に対して安定で、かかる光開始剤を含むいずれの硬化生成物の曇化及び黄変も回避する。さらに、本発明の化合物は、シリコーン側鎖の組み込みにより、硬化中に小分子副生成物を生成しない。したがって、本発明の化合物は、硬化生成物の曇化及び黄変の原因とならない。このような化合物は、例えば、光学透明ディスプレイの製造における光開始剤として特に有用である。
光学透明ディスプレイのカバー層は、しばしば、より短波長の紫外光(すなわち、390ナノメートル未満の波長)を吸収する。しかしながら、本発明の新規のシリコーン相溶性化合物は、より長波長の紫外光(UVV)(すなわち、約390ナノメートル以上の波長)を吸収する。その結果、この追加の特性により、本発明の化合物は、光学透明ディスプレイの製造における光開始剤として特に有用なものとなる。
本発明者らは、シリコーン側鎖にフェニル基で結合しているα−ヒドロキシ−アルキルフェノンの光官能部分に基づく特定の化合物が所望の特性をもたらすことを見出した。
本発明の一態様では、以下の式Iで表される化合物が提供される:
Figure 0006703118
[式中:
、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
Xは、任意であり、存在する場合、C〜C12アルキルであり;
SILは、一般式:
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2
(式中:
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、アルコキシル、フェニル、及びフェニルC〜Cアルキルからなる群より選択され;
aは、正の数であり、
bは、0又は正の数であり、
cは、0又は正の数であり、
b/aは、0〜100であり、そして
c/aは、0〜10である。)
を有し
式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。]
本発明の別の態様では、以下の式Iにより表される化合物を合成する方法が提供され:
Figure 0006703118
[式中:
、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
Xは、任意であり、存在する場合、C〜C12アルキルであり;
SILは、一般式:
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2
(式中:
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、アルコキシル、及びフェニルC〜Cアルキルからなる群より選択され;
aは、正の数であり、
bは、0又は正の数であり、
cは、0又は正の数であり、
b/aは、0〜100であり、そして
c/aは、0〜10である。)
を有し
式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。]
該方法は、以下の工程を含む:
1)式A:
Figure 0006703118
(式中、R、R、R、R、及びRは上記のとおりであるが、いずれもSIL−Xでなくてよい。)
の化合物を活性化して、式B:
Figure 0006703118
の化合物を生成する工程;
2)式Bの化合物を、求核アセテート置換(nucleophilic acetate substitution)反応に供して、式C:
Figure 0006703118

の化合物を生成する工程;
3)式Cの化合物を加水分解反応に供して、式D:
Figure 0006703118

の化合物を生成する工程;及び
4)式Dの化合物を、式SIL−X−Cl又はSIL−X−Hを有する化合物との縮合反応に供して、式Iの化合物を生成する工程。
本発明のさらなる態様では、以下を含む組成物が提供される:
a)約70〜約99.9重量%の光硬化性シリコーン;及び
b)約0.1〜約10.0重量%の以下の式Iにより表される化合物:
Figure 0006703118
[式中:
、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
Xは、任意であり、存在する場合、C〜C12アルキルであり;
SILは、一般式:
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2
(式中:
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、アルコキシル、フェニル、及びフェニルC〜Cアルキルからなる群より選択され;
aは、正の数であり、
bは、0又は正の数であり、
cは、0又は正の数であり、
b/aは、0〜100であり、そして
c/aは、0〜10である。)
を有し
式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。]
本発明の別の態様では、シリコーンポリマー生成物の製造方法であって、以下の工程
を含む方法が提供される:
A)以下:
i)約70〜約99.9重量%の光硬化性シリコーン;及び
ii)約0.1〜約10.0重量%の以下の式Iによって表される化合物:
Figure 0006703118
[式中:
、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
Xは、任意であり、存在する場合、C〜C12アルキルであり;
SILは、一般式:
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2
(式中:
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、アルコキシル、フェニル、及びフェニルC〜Cアルキルからなる群より選択され;
aは、正の数であり、
bは、0又は正の数であり、
cは、0又は正の数であり、
b/aは、0〜100であり、そして
c/aは、0〜10である。)
を有し、
式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。)
を含む光硬化性シリコーン組成物を提供する工程;及び
B)光硬化性シリコーン組成物を紫外放射線又は可視光にばく露して、光硬化性シリコーン組成物の光硬化を開始させて、シリコーンポリマー生成物を生成する工程。
詳細な説明
本発明に係る化合物は、光開始剤として使用され得、光硬化性シリコーンに基づく組成物において使用した場合に特に有効である。
本発明の化合物中のSIL−X基は、式:
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2
(式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、アルコキシル、フェニル、及びフェニルC〜Cアルキルからなる群より選択される。さらに、aは、正の数であり、bは、0又は正の数であり、cは、0又は正の数であり、b/aは、0〜100であり、そして、c/aは、0〜10である。Xは任意であり、存在する場合、C〜C12アルキル基である。)
により表される。
好ましくは、Xは存在せず、Rはメチル基又はメトキシ基であり、aは1であり、bは0であり、そしてcは2又は3である。
本発明の化合物は、RからRに各々1つ、5個までのSIL−X基を含み得る。好ましくは、本発明の化合物は、R、R、又はRのうちの1又は複数に、1、2、又は3個のSIL−X基を含む。一実施形態では、本発明の化合物は、Rに単一のSIL−X基を含む。好ましくは、SIL−X基によって占められていない場合、R及びRはメチル基であり、R及びRは水素である。
本発明に係る化合物は、RがSIL−Xであり、SIL−Xが:
Figure 0006703118
であり、R及びRがメチル基であり、そしてR及びRが水素である場合に有利な特性を示す。
は、C〜C20アルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cシクロアルキ基ル、フェニル基、フェニルC〜Cアルキル基、トリメチルフェノール基、又はフッ素である。好ましくは、Rは、フェニル基、CHCHO−、又はトリメチルフェノール基である。
本発明の化合物は、RがSIL−Xであり、SIL−Xが:
Figure 0006703118
であり、R及びRがメチル基であり、R及びRが水素であり、そしてRがフェニル基、CHCHO−、又はトリメチルフェノール基である場合に特に有利な特性を示す。
好ましくは、本発明の化合物は、以下のうちの1つである:
Figure 0006703118
これらの化合物は、本発明の組成物及び方法において、単独で、又は組み合わせて使用してよい。
本発明の化合物は、製造され得るシリコーン相溶性光開始剤の多様性を可能にするためのカスタマイズ可能な4工程プロセスによって合成することができる。合成の4工程は、一般に、以下のように記載され得る:
工程1)α−ヒドロキシ−アルキルフェノン開始物質のフェニル基を、臭素の添加により、フェニル気から求電子ハロゲン化によるフェニル基への臭素の付加によって活性化する;
工程2)次いで臭素を、求核アセテート置換反応によりアセテートで置換する;
工程3)次いでアセテートを、加水分解反応によりヒドロキシ基に加水分解する;そして
工程4)次いで、シリコーン側鎖を、縮合反応によりα−ヒドロキシ−アルキルフェノンのフェニル基に結合させて、本発明の化合物を生成する。
本発明の化合物の合成のための反応スキームは、一般に以下のように表され得る:
Figure 0006703118
本発明の化合物の合成のための好ましい一般的なパラメータを表1に示す。
Figure 0006703118
望ましくは、本発明の化合物の合成のための出発物質は、α−ヒドロキシ−アルキルフェノンであり、その例は、式Aの化合物によって表され得る:
Figure 0006703118

(R、R、R、R、及びRは、(上記のとおりの)本発明の化合物におけるものと同じであるが、いずれもSIL−Xでなくてよく、そしてRは、本発明の化合物におけるものと同じである。)
好ましくは、R、R、R、R、及びRは、独立して、水素又はメチル基である。好ましい出発物質において、R、R、及びRはメチル基であり、R及びRは水素である。好ましくは、Rは、出発物質中のフェニル基、CHCHO−、又はトリメチルフェノール基である。
好ましい出発物質としては以下の化合物が挙げられる:
Figure 0006703118
本発明のさらなる態様は、これらの化合物の光開始剤としての使用である。本発明の特定の態様は、本発明に係る化合物を光開始剤として使用する方法であり、化合物を光重合性オルガノポリシロキサン又はシリコーン樹脂などの光硬化性シリコーンと混合する工程、及び得られた混合物を電磁放射線にばく露する工程を含む。
光硬化性シリコーンに関して特に制限はないが、本発明に係る化合物を、(メタ)アクリロキシシロキサン(例えば、(メタ)アクリルエンドキャップシラノール末端ポリジメチルシロキサン)のみに基づくか、又はこれに主に基づく組成物に添加することが好ましいが、これは、このような混合物の光硬化により、ヘイズ度が約2未満、好ましくは約1未満、黄色度が約2未満、好ましくは約1未満であり、かつ非常に良好な熱、加水分解、及びUV安定性を有する生成物が得られるためである。好ましくは、光硬化性シリコーンは、オルガノポリシロキサン又はシリコーン樹脂、(メタ)アクリルエンドキャップシリコーン、(メタ)アクリロキシシロキサン、又は(メタ)アクリルエンドキャップシラノール末端ポリジメチルシロキサンである。
有用な電磁放射線は、ラジカルの形成を引き起こし、それにより、光硬化性シリコーンのフリーラジカル重合を開始させるであろう任意の放射線である。そのような電磁放射線の一例は、UVV放射線(約390ナノメートル以上の波長の紫外光)である。
本発明のさらなる態様は、a)少なくとも1種の光硬化性シリコーン、及びb)本発明に係る化合物を含む組成物である。好ましくは、光硬化性シリコーンは、オルガノポリシロキサン又はシリコーン樹脂、(メタ)アクリルエンドキャップシリコーン、(メタ)アクリロキシシロキサン、又は(メタ)アクリルエンドキャップシラノール末端ポリジメチルシロキサンである。好ましい光硬化性シリコーンとしては、紫外線硬化性オルガノシリコーン、並びに紫外線及び湿気二重硬化シリコーンが挙げられる。
そのような組成物中の本発明に係る化合物の量は、広い範囲内で変えてよい。好ましくは、本発明の組成物は、本発明に係る化合物又は本発明に係るいくつかの化合物の混合物を、組成物の重量を基準として、0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の合計量で含む。残りの部分は、一般に、光硬化性シリコーンのみから、又は主に光硬化性シリコーンから構成される。
本発明のさらに別の態様は、a)少なくとも1種の光硬化性シリコーンと、b)本発明に係る化合物と、を含む組成物を、電磁放射線にばく露して、光硬化を開始させ、シリコーンポリマー生成物を生成することにより製造する方法である。好ましくは、電磁放射線は、UVV放射線(約390ナノメートル以上の波長の紫外光)、より好ましくは約405ナノメートルの波長の紫外放射線である。
好ましい実施形態では、シリコーンポリマー生成物の製造方法は、光硬化性シリコーン組成物を、光硬化開始前に、少なくとも1層の光学的に透明な組成物と接触させて配置するさらなる工程を含む。したがって、光硬化性シリコーン組成物が硬化すると、シリコーンポリマー生成物は、光学透明ディスプレイにおける使用に好適である。好ましくは、本発明のシリコーンポリマー生成物の製造方法は、光硬化性シリコーン組成物を、光硬化開始前に、光学的に透明な組成物の2つの層の間に配置する工程を含む。
本発明の方法における使用のための光学的に透明な組成物としては、約95%超、好ましくは約98%超、さらにより好ましくは約99%超の可視光透過率をもたらす任意の材料が挙げられる。好ましくは、光学的に透明な組成物はガラスである。
好ましくは、本発明のポリマー生成物は、優れた透明性(clarity)を示し、長期間の老化に直面してもかかる透明性を維持する。好ましくは、本発明のシリコーンポリマー生成物は、QUV試験機で500時間老化させたとき、又は85℃及び相対湿度85%のオーブン中で500時間老化させたときに、光学的に透明な組成物の層の間の750マイクロメートルのギャップで、約2未満、より好ましくは約1以下のヘイズ値、及び約2未満、より好ましくは約1以下の黄色度を有する。好ましくは、本発明のシリコーンポリマー生成物は、約95%超、好ましくは約98%超、さらにより好ましくは約99%超の可視光透過率をもたらす。
下記に、一連の実施例を使用して本発明の特定の態様を説明するが、本発明は下記に示した実施例になんら限定されるものではない。
合成例1
Figure 0006703118
Darocur TPO(17.5g、50.3mmol)、N−ブロモスクシンイミド(12.5g、70.4mmol)、AIBN(201mg)、及びテトラクロロメタン(100ml)の混合物を250mlの3つ口フラスコ中に仕込み、アルゴン下80℃で5時間還流した。反応混合物を冷却後ろ過した。ろ液を蒸発させて粗生成物を得た。
Figure 0006703118
工程1の粗生成物(それ以上精製せず)、酢酸銀(10.07g、60.35mmol)、及び氷酢酸150mlの混合物を500mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下100℃で3時間還流した。混合物をろ過し、ろ液に水500mlを添加した。得られた混合物をCHCl(50ml)で3回抽出した。合わせた有機層を水50mlで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、50%EtOAc)により精製して7.4gの中間体化合物を得た(工程1及び2を合わせて、収率36%)。
Figure 0006703118
工程2の精製中間体(7.4g、18.2mmol)、THF(44ml)、HCl(10.5ml)、及び水(52ml)の混合物を250mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下80℃で一晩還流した。THFを減圧下で除去し、水15mlを添加した。得られた混合物をCHCl(30ml)で3回抽出した。合わせた有機層を水10mlで洗浄した。次いで、有機層を無水NaSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。この粗生成物(9.1g、黄色固体)をさらに精製することなく次の工程で使用した。
Figure 0006703118
工程3の粗生成物(9g、24.7mmol)、イミダゾール(3.36g、49.4mmol)、及びDMAP(40mg)のCHCl(100ml)中の溶液を250mlの3つ口フラスコに仕込み、ClSi(CHSiO)(9.82g、29.63mmol)を添加した。混合物をアルゴン下室温で一晩撹拌した。水の添加により反応を停止させた。水相をCHCl(20ml)で3回抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄した。有機相を無水MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、10.98gの本発明の化合物を得た(収率67%、淡黄色固体)。
合成例2
Figure 0006703118
化合物A2(上記)(12.65g、40.0mmol)、N−ブロモスクシンイミド(8.54g、48.0mmol)、AIBN(160.0mg)、及びテトラクロロメタン(80ml)の混合物を250mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下80℃で5時間還流した。反応混合物を冷却後ろ過した。ろ液を蒸発させて粗生成物を得た。
Figure 0006703118
工程1の粗生成物(それ以上精製せず)、酢酸銀(8.01g、48.0mmol)、及び氷酢酸100mlの混合物を250mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下120℃で3時間還流した。混合物をろ過し、ろ液に水500mlを添加した。得られた混合物をCHCl(50ml)で3回抽出した。合わせた有機層を水50mlで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、50%EtOAc)で精製して6.18gの中間体化合物を得た(工程1及び2を合わせて、収率41%)。
Figure 0006703118
工程2の精製中間体(6.18g、16.5mmol)、THF(40ml)、HCl(9.5ml)、及び水(47ml)の混合物を250mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下80℃で一晩還流した。THFを減圧下で除去し、水15mlを添加した。得られた混合物をCHCl(30ml)で3回抽出した。合わせた有機層を水10mlで洗浄した。次いで、有機層を無水NaSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。この粗生成物(4.8g、黄色液体)をさらに精製することなく次の工程で使用した。
Figure 0006703118
工程3の粗生成物、イミダゾール(2.24g、33.5mmol)、DMAP(25mg)のCHCl(60ml)中の溶液を250mlの3つ口フラスコに仕込み、ClSi(CHSiO)(8.2g、27.4mmol)を添加した。混合物をアルゴン下室温で一晩撹拌した。水の添加により反応を停止させた。水相をCHCl(20ml)で3回抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄した。有機相を無水MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、20%EtOAc)により精製して、4.76gの本発明の化合物を得た(収率45%、淡黄色液体)。
合成例3
Figure 0006703118
化合物A2(上記)(12.65g、40.0mmol)、N−ブロモスクシンイミド(8.54g、48.0mmol)、AIBN(160.0mg)、及びテトラクロロメタン(80ml)の混合物を250mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下80℃で5時間還流した。反応混合物を冷却後ろ過した。ろ液を蒸発させて粗生成物を得た。
Figure 0006703118
工程1の粗生成物(それ以上精製せず)、酢酸銀(8.01g、48.0mmol)、及び氷酢酸100mlの混合物を250mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下120℃で3時間還流した。混合物をろ過し、水500mlをろ液に添加した。得られた混合物をCHCl(50ml)で3回抽出した。合わせた有機層を水50mlで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、50%EtOAc)で精製して6.18gの中間体化合物を得た(工程1及び2を合わせて、収率41%)。
Figure 0006703118
工程2の精製中間体(6.18g、16.5mmol)、THF(40ml)、HCl(9.5ml)、及び水(47ml)の混合物を250mlの3つ口フラスコに仕込み、アルゴン下80℃で一晩還流した。THFを減圧下で除去し、水15mlを添加した。得られた混合物をCHCl(30ml)で3回抽出した。合わせた有機層を水10mlで洗浄した。次いで、有機層を無水NaSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。この粗生成物(4.8g、黄色液体)をさらに精製することなく次の工程で使用した。
Figure 0006703118
工程3の粗生成物(3.0g、9.0mmol)、イミダゾール(1.36g、20.0mmol)、及びDMAP(20mg)のトルエン(40ml)中の溶液を250mlの3つ口フラスコに仕込み、(CHSiO)SiCHH(18.0mmol)を添加した。混合物をアルゴン下室温で一晩撹拌した。水(30ml)の添加により反応を停止させた。水相をCHCl(30ml)で3回抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄した。有機相を無水MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)により精製して3.55gの本発明の化合物を得た(収率71%、淡黄色液体)。
実施例4
光開始剤の評価
上記実施例2及び3の化合物並びに比較用の光開始剤Darocur TPO及びSPI−7を、適用可能な硬化開始源、UV耐性、耐黄変性、及び防曇特性について評価した。Darocur TPOは、硬化のためにUVV放射線と共に使用することが知られている光開始剤である。SPI−7はシリコーン置換UVA光開始剤である。化合物の各々の構造を下記に示す。
Figure 0006703118
Figure 0006703118
Figure 0006703118
Figure 0006703118
使用した基材はアクリレートシリコーンマトリックス(15MDMA:60DMA=6.4)であった。光開始剤は各々別々に基材と混合した。次いでこれらの混合物を、750マイクロメートル隔てた2枚のガラス層の間に配置し、そして紫外光にばく露した。硬化の開始は、中圧水銀アーク(MPMA)システムUVチャンバーを使用し、75mW/cmで30秒間2回のUV照射で硬化させて評価した。またこれとは別に、405ナノメートルのLED光源を使用して硬化の開始を評価した。
硬化後、試料をQUV試験機で500時間老化させた。老化後、ASTM D1003標準試験法に準拠して、Datacolor Corporationから入手可能なDatacolor650装置を使用して各試料の曇化及び黄変を測定した。
硬化を開始させることができる光源、並びに及び曇化及び黄変の結果を表2に報告する。
Figure 0006703118
ヘイズ値及び黄色度は、750マイクロメートルのギャップで測定した。約2以下のヘイズ値及び黄色度を許容可能であるとみなし、約1以下の値を優れているとみなした。
表2に報告した結果に基づくと、本発明の化合物のみが許容可能なヘイズ値及び黄色度をもたらし、405nmの紫外光を使用して硬化を開始することができた。実施例2の化合物は、曇化と黄変の両方について優れた値を示した。シリコーン側鎖を含まないDarocur TPOでは、老化により許容できない曇りが生じ、またSPI−7では405nmの紫外光を使用した場合硬化を開始できなかった。

Claims (31)

  1. 一般式Iの化合物:
    Figure 0006703118
    [式中:
    、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
    SIL −Xは:
    Figure 0006703118
    からなる群より選択され、
    式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
    は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。]
  2. がSIL−Xである、請求項1に記載の化合物
  3. 、R 、R 、及びR が、同一であるか、又は異なっており、水素、C 〜C 20 アルキル、C 〜C アルケニル、C 〜C シクロアルキル、フェニルC 〜C アルキル、及びフッ素からなる群より選択される、請求項2に記載の化合物。
  4. 及びRがメチル基であり、R及びRが水素である、請求項2または3に記載の化合物
  5. が、フェニル基、CHCHO−、及びトリメチルフェノール基からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物
  6. が、フェニル基、CHCHO−、及びトリメチルフェノール基からなる群より選択される、請求項2または3に記載の化合物
  7. が、フェニル基、CHCHO−、及びトリメチルフェノール基からなる群より選択される、請求項に記載の化合物
  8. 以下:
    Figure 0006703118
    らなる群より選択される化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を1種類以上含む光開始剤。
  10. 一般式I:
    Figure 0006703118
    [式中:
    、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
    SIL −Xは:
    Figure 0006703118
    からなる群より選択され、
    式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
    は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。]
    の化合物を合成する方法であって、以下の工程:
    1)式A:
    Figure 0006703118
    (式中、R、R、R、R、及びRは上記のとおりであるが、いずれもSIL−Xでなくてもよい。)
    の化合物を活性化して、式B:
    Figure 0006703118
    の化合物を生成する工程;
    2)式Bの化合物を、求核アセテート置換反応に供して、式C:
    Figure 0006703118
    の化合物を生成する工程;
    3)式Cの化合物を加水分解反応に供して、式D:
    Figure 0006703118
    の化合物を生成する工程;及び
    4)式Dの化合物を、式SIL−X−Cl又はSIL−X−Hを有する化合物との縮合反応に供して、式Iの化合物を生成する工程
    を含む、方法。
  11. )7〜99.9重量%の光硬化性シリコーン;及び
    )0.1〜10.0重量%の一般式Iの化合物:
    Figure 0006703118
    [式中:
    、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
    SIL −Xは:
    Figure 0006703118
    からなる群より選択され、
    式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
    は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。]
    を含む、組成物。
  12. がSIL−Xである、請求項11に記載の組成物。
  13. 及びRがメチル基であり、R及びRが水素である、請求項12に記載の組成物。
  14. が、フェニル基、CHCHO−、及びトリメチルフェノール基からなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
  15. が、フェニル基、CHCHO−、及びトリメチルフェノール基からなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。
  16. が、フェニル基、CHCHO−、及びトリメチルフェノール基からなる群より選択される、請求項13に記載の組成物。
  17. 一般式Iの化合物が、以下:
    Figure 0006703118
    及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
  18. 光硬化性シリコーンが、UV硬化性オルガノシリコーン、又はUV及び湿気二重硬化シリコーンである、請求項11〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 光硬化性シリコーンが、(メタ)アクリルエンドキャップシリコーンである、請求項11〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 光硬化性シリコーンが、(メタ)アクリルエンドキャップシラノール末端ポリジメチルシロキサンである、請求項11〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  21. シリコーンポリマー生成物の製造方法であって、以下の工程:
    A)以下:
    )7〜99.9重量%の光硬化性シリコーン;及び
    ii0.1〜10.0重量%の一般式Iの化合物:
    Figure 0006703118
    [式中:
    、R、R、R、及びRは、同一であるか、又は異なっており、SIL−X、水素、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニルC〜Cアルキル、及びフッ素からなる群より選択され;
    SIL −Xは:
    Figure 0006703118
    からなる群より選択され、
    式中、R、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはSIL−Xであり;かつ
    は、C〜C20アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、フェニルC〜Cアルキル、トリメチルフェノール、及びフッ素からなる群より選択される。]
    を含む光硬化性シリコーン組成物を提供する工程;並びに
    B)光硬化性シリコーン組成物を紫外放射線又は可視光にばく露して、光硬化性シリコーン組成物の光硬化を開始させて、シリコーンポリマー生成物を生成する工程
    を含む、方法。
  22. 光硬化性シリコーンが、UV硬化性オルガノシリコーン又はUV及び湿気二重硬化シリコーンである、請求項21に記載の方法。
  23. 光硬化性シリコーンが、(メタ)アクリルエンドキャップシリコーンである、請求項21に記載の方法。
  24. 光硬化性シリコーンが(メタ)アクリルエンドキャップシラノール末端ポリジメチルシロキサンである、請求項21に記載の方法。
  25. 紫外放射線が、390ナノメートル以上の波長を有する、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 紫外放射線が、405ナノメートルの波長を有する、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
  27. 光硬化性シリコーン組成物を、光硬化開始前に、少なくとも1層の光学的に透明な組成物と接触させて配置する工程をさらに含み、光硬化性シリコーン組成物が硬化すると、シリコーンポリマー生成物は、光学透明ディスプレイにおいて使用するのに適している、請求項21〜26のいずれか1項に記載のシリコーンポリマー生成物の製造方法。
  28. 光学的に透明な組成物がガラスである、請求項27に記載のシリコーンポリマー生成物の製造方法。
  29. 光硬化性シリコーン組成物を、光硬化開始前に、光学的に透明な組成物の2つの層の間に配置する工程をさらに含み、光硬化性シリコーン組成物が硬化すると、シリコーンポリマー生成物は、光学透明ディスプレイにおいて使用するのに適している、請求項27に記載のシリコーンポリマー生成物の製造方法。
  30. 光学的に透明な組成物がガラスである、請求項29に記載のシリコーンポリマー生成物の製造方法。
  31. シリコーンポリマー生成物が、QUV試験機で500時間老化させたとき、又は85℃及び相対湿度85%のオーブン中で500時間老化させたときに、2層の光学的に透明な組成物の間の750マイクロメートルのギャップで、1以下のヘイズ値及び1以下の黄色度を有する、請求項29または30に記載のシリコーンポリマー生成物の製造方法。
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