JP6702232B2 - 保守計画作成装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、保守計画を作成する技術に関する。
従来から、電力設備等の設備において保守管理(設備等の更新を含む)する為に、保守計画を立て管理することが一般的である。この保守計画の作成方法には、定期的に保守するものや、設備の状態を監視して設備の状態により保守時期を決めるもの等がある。
また、複数の設備を保守する場合には、複数の設備の保守を同時期に実行すると、保守費用が同時期に掛ることになり同時期に多額の費用が必要となる。その為、各設備の保守時期を時期が重ならないようにずらしたい要望がある。そういった場合、故障リスクを基にどの設備をどれだけ保守時期をずらせるか判断して保守計画を調整することが一般的である。
保守優先値のようなリスクを評価する仕組みとして、引用文献1では、電力流通設備用の故障のおこりやすさと、故障が起きた場合の影響の大きさを考慮してリスクを評価することが開示されている。
特開2006−343974号公報
従来の設備のリスク評価は、ある特定の設備のリスク評価をするものであり、他の接続関係にある設備の状態を考慮しておらず、必ずしも適切な保守計画を作成することができるとはいえない。本発明は接続関係のある設備の状態も考慮することで、リスク評価をより正確にして、より適切な保守計画を作成することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、需要家設備に接続される複数の供給設備のうちのそれぞれの供給設備の状態を表す状態情報を取得する状態情報取得部と、需要家設備とそれぞれの供給設備との接続関係とを表す接続情報とそれぞれの供給設備の保守優先値とを記憶する設備情報記憶部と、故障率からそれぞれの供給設備保守優先値を算出し、複数の供給設備のうちの第一の供給設備の状態情報が第一の供給設備の劣化を示す劣化情報の場合に、需要家設備を通じて第一の供給設備と接続関係にある第二の供給設備を接続情報から特定し、第二の供給設備が需要家設備の代替供給設備となる場合に、第二の供給設備の保守優先値を増加させる保守優先値算出部と、代替供給設備が停止したときの供給支障度、供給余裕度、供給設備が供給すべき供給先への代替ルートの数、代替ルートの信頼度、供給設備の過去の故障履歴の少なくともいずれか1つに基づいて、当該代替供給設備の重要度を算出する重要度算出部と、供給設備ごとの重要度と保守優先値から重要保守優先値を算出し、重要保守優先値に基づいて、どの供給設備をどの時期で保守するかを決める保守計画を作成する保守計画作成部とを備えることを特徴とする。
本発明により、接続関係にある設備の影響を考慮した、より正確な保守計画を作成できる。
本発明の実施の形態1における保守計画作成装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における故障モデル取得部が取得する故障モデルの例である。 本発明の実施の形態1における故障率の補正の例である。 本発明の実施の形態1における代替電力設備の保守優先値の再評価方法の例を説明するための電力系統図の例である。 保守計画作成部による保守計画作成方法の例の更新見直し前を表した図である。 保守計画作成部による保守計画作成方法の例の更新見直し後を表した図である。 保守計画作成部による保守計画作成方法の例の更新繰り延べによるリスクを表した図である。 本発明の実施の形態1における保守優先値算出部による代替電力設備の保守優先値の再評価方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における変圧器B2の保守時期が遅れる場合の変圧器A1の保守優先値増加を示す例である。 本発明の実施の形態1における変圧器B2の保守時期が遅れる場合の変圧器A1の保守優先値増加を示す例である。 本発明の実施の形態1による保守計画作成装置を示すハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態2における保守計画作成装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2における設備の重要度の算出方法の例を説明するための電力系統図の例である。 本発明の実施の形態3における保守計画作成装置のブロック図である。 本発明の実施の形態3における劣化度シミュレーション部によるシミュレーション結果であるセンサ出力の予測例である。 本発明の実施の形態3における保守優先値算出部による保守優先値算出方法の例である。
以下、本発明の保守計画作成装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る保守計画作成装置1を示すブロック図である。保守計画作成装置1は、費用情報記憶部2と、設備情報記憶部3と、故障モデル取得部4と、状態情報取得部5と、保守優先値算出部6と、保守計画作成部7と、入出力部8とを備えている。
まず、各構成要素の概略について説明する。状態情報取得部5は、保守対象物である電力設備に取り付けたセンサなどから得られる設備の稼働状況や運転状態を示すセンシング情報、電力設備の状態を表す情報等の状態情報を取得する。電力設備の稼働状況や運転状態を示すセンシング情報とは、運転時間、動作回数、温度、圧力、電気機器の絶縁状態を表す部分放電やガス圧などがある。
状態情報は前述したセンシング情報や設備の状態を表す情報等で、センシング情報の閾値がある一定以上や以下の場合や、設備の状態を表す情報が、劣化状態を表す情報の場合に、設備が劣化していると判断する。このような設備の劣化を表す情報をまとめて、劣化情報と呼ぶ。状態情報が劣化情報である場合に、設備は劣化していると判断する。劣化情報とは電力設備の保守時期が過ぎたことを示す情報をも含む概念である。保守時期が過ぎているかどうかは、予め定められた当初の保守時期を過ぎていることから特定してもよいし、保守時期が過ぎていることを示すフラグ情報から特定するようにしてもよく、特定の仕方は限定されない。
保守時期が過ぎただけではなく、保守時期を過ぎ、軽微な異常の頻度が高くなる、センサ値が異常範囲に近くなっている、異常範囲を超える頻度が高くなっている、亀裂やサビなど、機器の機能を低下させる可能性のある外観の変化が大きい等の情報を合わせて考慮して劣化を示す状態を判定するようにしてもよい。
保守時期が遅れるとは予め計画されていた保守する時期から遅れて保守することをいい、例えば電力設備のメーカーから推奨される時期や、事業者や団体が定めた保守基準の保守時期から遅れて保守することをいう。ここで保守時期とは予め定められた当初の保守時期を言っており、保守時期が遅れるとはこの保守時期から遅れた時期に実際の保守を実施することをいう。ここで電力設備とは送変電設備や電力流通設備のような需要家設備への送電に関する設備をいう。
例えば発電所や変電所の変圧器や遮断器のような設備をいってもよいし、発電所や変電所そのものを言ってもよく、保守対象の設備であれば規模や設備の種類は限定されない。本実施の形態では電力設備としているが、水道設備のようなものでもよく、需要家への供給に関わる、他の設備と接続関係があり代替供給設備となるもがある設備なら特定されない。設備は限定されず単に供給設備としてもよい。またここで言う需要家設備とは需要家が送電された電力を受けとる設備をいい、保守とは電力設備そのものを入れ替える更新をも含む概念である。
また本実施の形態では電力設備の例で説明しているが、これに限定されるものではなく、水道設備のようなものでもよく、設備間と需要家で接続されており、需要家から見て代替設備となるものがあればどのような設備であってもよい。ここでいう設備は、電力や水等のリソースを需要家へ供給する為、電力設備として説明するが前述した限定されない供給設備として読み替えてもよいし、単に設備としてもよい。
費用情報記憶部2は、電力設備の維持管理に必要な費用に関する情報を記憶する。維持管理に必要な費用とは、電力設備費用、点検費用、修理費用、運転費用、交換費用、工事費用、これら費用を含んだ保守費用などである。また、故障で停止した際などに発生する費用、例えば、補償費用、代替品のレンタル費用などを含んでいてもよい。
設備情報記憶部3は、少なくとも電力設備仕様と電力設備間及び需要家設備の接続関係とを含む電力設備情報を記憶する。電力設備仕様とは、保守優先値を求める為のモデルに使用する属性情報であり、設置または製造からの経過年数、電力設備の種類、型式などである。保守優先値とは、電力設備が保守を必要としている程度を表す指標であり、故障率に係数をかけた故障しやすさを表したものや、故障しやすさと故障した場合の周囲への影響度合いを掛けたもの等が考えられるが詳細については後述する。それぞれの電力設備の保守優先値も設備情報記憶部に記憶される。保守優先値の算出の仕方については後述する。
故障モデル取得部4は、電力設備仕様ごとの基本的な故障モデルを取得する。保守優先値算出部6は、状態情報取得部5で取得したセンシング情報を用いて故障モデルから故障率を算出し、さらに、設備情報記憶部3に記憶されている電力設備間及び需要家設備の接続情報を用いて、電力設備の機能が停止するリスクである保守優先値を算出する。算出した保守優先値を設備情報記憶部に記憶させる。本実施の形態では、保守優先値を故障モデルから算出される故障率からそれぞれの前記供給設備の前記保守優先値を算出し、設備の劣化情報や設備間の接続情報を考慮して保守優先値を再評価する。保守優先値の算出のされ方は、これに限定されるものではなく、予め保守優先値を記憶させておいてもよい。保守優先値はどの設備から保守をするべきかの優先値を表す。故障率が高いほど優先して保守する必要のある設備となる。
図2は故障モデル取得部4が取得する故障モデルから算出された故障率の例である。例えば、電力設備が設置されてからの経過年数tに対する変圧器の故障モデルが数1のようなワイブル分布にしたがう故障率であるとする。mはワイブル分布の形状パラメータ、ηはワイブル分布の尺度パラメータ、γはワイブル分布の位置パラメータである。この変圧器のワイブルパラメータがm=2.8931、η=40.12、γ=0とすると、経過年数に対する故障率は図2のようになる。
Figure 0006702232
このとき、例えばセンサがセンシング情報としてガス発生量をセンシングしており、センサがガスの発生量を「異常なし」、「要注意1」、「要注意2」、「異常」の4段階で判定しているとする。図2の故障率は「異常なし」の場合の故障率である場合、例えば、判定結果に応じて係数a(a≧1)を定義して、a×F(t)をこの変圧器の保守優先値として算出する。また、経過年数に対するガス発生量の増加傾向がわかっており、故障モデル上での経過年数に対する現状の経過年数(ガス発生量に対応して求められる実質の経過年数)が5年進んでいるとすれば、γ=5として、数2で求めた値をこの変圧器の故障率としてもよい。
Figure 0006702232
図3は、本発明の実施の形態1における故障率の補正の例である。図3は、取得した故障モデルと、前述のセンサ情報とにより5年分劣化状態が進んでいると判定された場合の故障モデルを表す。図3のように電力設備が劣化を示す状態にある場合に、保守計画作成装置は、故障モデルを修正して電力設備の保守優先値を再評価するとともに、特定の需要家設備を通じて接続可能な代替電力設備の保守優先値も再評価する。ここでは修正された故障モデルにより再評価するとしたが、これに限定されるものではなく、保守優先値を直接補正してもよく保守優先値を増加させるものであれば何でもよい。保守優先値の補正についての詳細は後述する。
またここで、代替電力設備とは需要家設備に接続された他の電力設備で電力の供給が当該需要家にできなくなった場合に、代替して送電する電力設備をいうが、これに限定されるわけではなく、ある特定の設備から需要家に供給不能となった場合に代替して供給する設備ならなんでもよく、単に代替供給設備や供給設備としてもよい。以降、代替電力設備を代替供給設備もしくは代替設備と読み替えても良い。
劣化状態が進んでいるかの判定は、前述のようにセンサ情報を用いて判定してもよいし、電力設備の予め定められた当初の保守時期が遅れている場合に劣化状態が進んでいると判定してもよく、判定の仕方は限定されない。ここで、劣化を示す状態とは電力設備の元の故障モデルによる故障率よりも故障率が高くなる場合や、電力設備の保守時期が遅れてしまった場合をいう。この劣化を示す状態を表す情報を劣化情報という。保守時期が遅れるとは、前述したとおり、例えばメーカー推奨の保守時期や事業者や団体が定めた保守基準の保守計画時期が遅れることや、電力設備の入れかえの時期が遅れていることをいう。
図4は、代替電力設備の保守優先値の再評価方法の例を説明するための電力系統図の例である。保守時期が遅れて劣化の進んだ電力設備の保守優先値を補正すると共に、電力設備が特定の需要家設備を通じて接続関係にあり、この特定の需要家設備に代替送電可能な代替電力設備となる場合に、代替電力設備の保守優先値も補正する。図4では変電所が送変電設備である変圧器、遮断器を通じて、各需要家の設備である需要家設備と接続され、各需要家設備へ送電を行う。需要家設備3はA変電所、B変電所の両方の変電所と接続される。ここで接続関係にあるとは、需要家設備が遮断器等を有して電力設備と接続可能な状態を含み、通電状態である必要はなくスイッチ等で物理的につながっていないものも含む。
図4のような電力系統において、変圧器B1が故障すると、需要家設備3はA変電所にも接続関係があるので、例えば送電システムは遮断器a、bを切り替えてA変電所から電力を供給することが可能である。需要家設備1、2への電力供給は変圧器B2の60kVAからのみとなりB変電所の供給可能電力量が需要家設備1,2の必要とする電力量70kVAを下回り供給不足を起こしてしまう。一方、変圧器B2が故障すると、需要家設備3は遮断器a、bを切り替えてA変電所から電力を供給し、変圧器B1は80kVAあるのでB変電所の供給可能容量が、需要家設備1、2の必要とする電力量70kVAを上回り電力供給は継続される。電力供給は継続されるが、変圧器B1の負荷が増加したり、さらに変圧器B1も故障して(N−2故障)需要家設備1、2への供給も停止する可能性がある。
このように、電力設備が故障したときの電力供給の継続可能性を評価して、例えば、供給が停止される需要家設備の数や供給が不足する量、復旧にかかる時間やコストに応じた影響度を定義して、故障率に影響度を掛けた値を保守優先値として算出する。保守優先値算出部6はこのようにして、故障モデルと状態情報を用いて、将来のリスクを含めた経過年数に対する保守優先値を算出する。保守計画作成部7は、保守優先値、費用を考慮して保守計画を作成する。
本実施の形態では電力設備の為、供給可能電力量や必要とする電力量としているが、これに限定される訳ではなく、水道設備の場合は供給可能水量や必要とする水量となる。供給可能電力量や必要とする電力量はそれぞれ、供給可能量や需要量のことをいう。供給可能電力量を供給可能量、必要とする電力量を需要量と読み替えてもよい。
図5は保守計画作成部7による保守計画作成方法の例の更新見直し前を表した図である。例えば、メーカーの推奨する保守時期の通りに保守計画を策定すると更新費用と更新年次の関係は図5のようになったとする。この通りに機器保守を行うと、6年目、9年目、10年目に巨額のコストが発生する。このような特定の年度にコストが集中することは、予算確保が困難であるため、望ましくない。
図6は保守計画作成部7による保守計画作成方法の例の更新見直し後を表した図である。図5のような場合は望ましくないので、そこで、年度ごとの保守費用の平準化を目的として、保守計画作成部7は、電力設備保守時期の繰り延べを行い、図6のように、設備1を3年、設備2を2年、設備3を1年、それぞれ保守時期を遅らせる。各電力設備をどの時期に保守するかは各電力設備の保守費用、保守優先値に基づいて決定する。
図7は保守計画作成部7による保守計画作成方法の例の更新繰り延べによるリスクを表した図である。保守時期を遅らせることにより、図2のように経過年数が増えると故障率があがり保守優先値が増加するので、例えば図7のように保守優先値が予め決められた上限を超えないような制約を設けて保守計画を策定する。図7では保守優先値の上限をこえないように保守計画を策定している。次に、年度ごとの保守費用の平準化を目的とした保守計画作成部7の保守計画作成方法について説明する。以下の数3から数9で表される最適化問題の解を求めることで保守計画は得られる。
本実施の形態では以下のように年間保守費用の最大値と最小値の差の最小化を目的変数とした最適化問題を解くことによって平準化を行っているが、これに限定されるものではなく、年間保守費用の分散(年間保守費用の平均との二乗誤差)や標準偏差の最小化としてもよい。また、このような最適化問題でなく、制約充足問題を解くことによる最適化も可能である。さらに、制約を見直し前の更新時期と元の更新計画の更新時期をなるべく大きくするという制約条件を付けることで、設備の延命化を考慮した更新計画も可能である。
Figure 0006702232
Figure 0006702232
Figure 0006702232
Figure 0006702232
Figure 0006702232
Figure 0006702232
Figure 0006702232
数3から数9で表される最適化問題はen1年目からen2年目の間の期間で電力設備eをいつ保守するかを求めるもので、保守優先値を許容範囲内に抑えつつ、年間の保守費用のばらつき、すなわち年間保守費用の最大値と最小値の差を最小化するものである。Nは保守計画の計画年数である。ここで、最適化とは、電力設備の保守が一定時期に集中しすぎると多額の費用が一度にかかるので、それを防止する為に保守の時期を一か所に集中しないように最適化することをいう。
Mは、電力設備の数を表す。Lは、年間の保守費用の上限を表す設定値であり、予算制約に基づいて利用者が設定する。Kは、保守優先値の上限を表す設定値であり、許容される保守優先値を利用者が設定する。U(e,y)は、y年目に電力設備eを保守するかどうかを表す0または1の値をとる変数で、0なら保守しない、1なら保守することを表す。C(e,y)は、y年目に電力設備eを保守した場合の保守費用を表す変数で、利用者が予め入力する。R(e,y)は、電力設備eのy年目の保守優先値を表す変数で、保守優先値算出部6で求められた保守優先値である。uは、期間中の年度ごとの保守費用の最大値で、vは、期間中の年度ごとの保守費用の最小値である(u、vは正値)。
数3は最適化問題の目的関数であり、年間保守費用の最大値と最小値の差を最小化する。数4は、1〜N年目の各年の保守費用はL以下であるという制約条件である。数5は、すべての電力設備について、en1〜en2年の期間中に一度だけ保守を行うことを表す。en1およびen2は1〜Nの値をとる。数6は、U(e,y)は0または1の値をとることを表す。数7は、年間保守費用の最大値がuであることを表す。数8は、年間保守費用の最小値がvであることを表す。数9は、各電力設備の保守優先値がK以下であることを表す制約条件である。
保守計画作成部7が出力した結果、元の保守計画よりも大幅に保守時期が遅くなる電力設備があった場合に、この保守時期が遅くなる電力設備に関する保守優先値が増加することになる。保守時期が遅くなった電力設備が故障した場合に、その電力設備を代替して稼働する他の電力設備の負荷が増加することになるため、保守優先値算出部6は、代替電力設備の保守優先値を再評価する。
図8は、保守優先値算出部6による代替電力設備の保守優先値の再評価方法を示すフローチャートである。このフローチャートに沿って、代替電力設備の保守優先値の再評価方法を説明する。まず、第一の電力設備の劣化状況を判定して、第一の電力設備の保守優先値を再評価する必要があるかどうかを判定する(ステップS70)。ここで第一の電力設備はある特定の電力設備をいっており、逐次劣化状況を判定していき、劣化状態が進んだ状態である電力設備を第一の電力設備とする。
劣化が進んだ状態とは前述したとおり、劣化が進行しており、保守優先値の再評価の必要のある場合をいう。劣化状態が進んでいるかの判定は、前述のようにセンサ情報を用いて判定してもよいし、電力設備の保守時期が遅くなっている場合に劣化状態が進んでいると判定してもよく、判定の仕方は限定されない。例えば、保守計画の変更により、元の保守計画よりも、保守時期が遅くなる電力設備がある場合、つまり取得した状態情報が電力設備の保守時期が遅くなっている情報を示す場合を保守優先値の再評価の必要性ありと判定する。
劣化状態が進んでいる場合、つまり状態情報が劣化情報である場合に、第一の電力設備の保守優先値を再評価する(ステップS71)。ここで再評価とは、保守優先値を補正することをいう。劣化状態が進んでいる場合、例えば保守時期が遅くなった場合等に再評価する。電力設備の劣化がより進むと、より故障する確率が上がる為、保守優先値をより大きく見積もる必要がある。また、元の保守計画よりも保守時期が遅くなる場合も劣化が進み、より故障する確率が上がる。
また、劣化状態が進んでいるだけでなく、劣化状態が進んでおり、より影響度が大きい場合にも再評価必要ありと判定される。例えば、第一の電力設備の保守優先値が高く、許容される保守優先値との差が一定値以下となる電力設備がある場合、電力設備の供給先である需要家設備の契約電力が大きい、上下水道や病院など社会的に重要な需要家設備であるなど、電力設備の故障リスクが高まっている場合や、電力設備が故障した際に需要家設備に与える影響が大きいと想定される場合に、保守優先値算出部6は、第一の電力設備の保守優先値再評価の必要ありと判定する。許容される保守優先値との差が一定値以下となる電力設備は、保守優先値の余裕が少なく、その電力設備を代替して稼働する他の電力設備の負荷が増加する可能性が高いため、再評価の必要ありと判定される。
次に、保守優先値算出部6は、保守優先値の再評価が必要となった電力設備について、設備情報記憶部3に蓄積されている電力設備間及び需要家設備の接続情報を用いて、第一の電力設備を代替する電力設備を検索する(ステップS72)。具体的には、保守優先値算出部6は、第一の電力設備がある特定の需要家設備を通じて接続可能かどうか接続情報から特定し、特定された第二の電力設備がこの特定の需要家設備に代替送電可能な代替電力設備となる電力設備かどうかを更に特定する。
電力設備が故障した場合に、需要家設備への供給可能量が需要家設備の必要とする需要量を下回らない場合には、需要家設備と接続関係にある故障した電力設備以外の電力設備を代替電力設備として特定しない。例えば、電力設備を変電所の中の複数の変圧器の一つとすると、当該変圧器が故障することで変電所の供給可能な電力量である供給可能量が下がり、変電所の供給可能量が需要量を下回る場合が考えられる。変電所の供給可能量が下がったとしても需要量を下回らない場合もあり、そういった場合には当該電力設備が故障したとしても、接続関係にある電力設備の負担を増加させることにならないので、代替電力設備として特定しない。
そして、保守優先値算出部6は代替電力設備の増加負荷を算出する(ステップS73)。増加負荷は、例えば、保守時期の延長期間中に第一の電力設備が故障した場合に、代替電力設備の運転時間の増加、動作回数の増加、処理量の増加などを見積もることにより増加負荷を算出する。それから、保守優先値算出部6は、代替電力設備の増加負荷に基づいて、代替電力設備の保守優先値を増加させる(ステップS74)。保守優先値を増加させる方法は、数10のように故障率を定数倍(a倍)させる方法や、数11のように劣化がb年分進んだものとして故障率を算出し、それに基づいて保守優先値を評価する方法がある。
Figure 0006702232
Figure 0006702232
例えば、図4の電力系統を例として、代替電力設備の保守優先値の再評価の方法について具体的に述べる。A変電所には変圧器A1とA2があり、需要家設備4と需要家設備5に電力を供給しており、B変電所には変圧器B1とB2があり、需要家設備1と需要家設備2と需要家設備3に電力を供給している。遮断器aを開、遮断器bを閉、あるいは遮断器a、bとも閉とすることにより、需要家設備3は変電所Aから電力を供給することが可能となっている。このような変電所、変圧器および遮断器などの電力設備情報と需要家設備への供給情報などを含む電力設備間及び需要家設備の接続情報は設備情報記憶部3から得られる。
図9は、変圧器B2の保守時期が過ぎた場合の変圧器A1の保守優先値増加を示す例である。 このような電力系統において、保守計画作成部7が、元の保守計画では2021年に保守する予定だった変圧器B2の保守時期を2024年にするような計画を出力したとする。このとき、2021年から2023年の3年間について、変圧器B2の保守優先値が高くなり、遮断器aと遮断器bを切り替えて、A変電所から需要家設備3に電力を供給しなければならなくなる可能性が高くなる。
更に需要家設備3の契約容量は60kWと、他の需要家設備と比較して契約電力が大きく、変圧器B2が故障した場合に需要家設備に与える影響が大きいため、保守優先値を再評価する必要がある。ここでは需要家設備の影響度も考慮したが、これに限定されるものではなく、保守時期が遅くなる場合だけに保守優先値を再評価するようにしてもよい。また、保守時期が遅くなる場合だけでなく、電力設備に故障リスクを高める要因があれば保守優先値を再評価する。
このとき、A変電所の変圧器A1の増加負荷は、2021年から2023年の間で60kWである。次に、60kW分の増加負荷に基づいて、2021年から2023年の保守優先値を再評価し、図9のように保守優先値81から保守優先値82に増加させる。この期間に変圧器B2の故障がなく、保守を行い、B変電所から需要家設備3への電力供給を行うことができるようになれば、保守優先値算出部6は、2024年以降の変圧器A1の保守優先値82を元の保守優先値81に戻す。つまり、保守優先値算出部6は、送電設備の変圧器B2の保守時期を過ぎている間の代替送電設備であるA1の保守優先値を増加させる。ここでは保守時期を過ぎている間としたが、これに限定されるものではなく、劣化を示す状態の間に保守優先値を増加させるとしてもよい。
図10は、変圧器B2の保守時期が遅れた場合の変圧器A1の保守優先値の増加を示す別の例である。一旦動作させてしまうと、保守優先値が増加したまま元に戻らないような電力設備においては、図10のように、元の保守計画における保守優先値91から2021年以降、保守優先値92に増加させて、変圧器B2の保守が完了した後も、保守優先値92となるようにする。
ここでは、変圧器B2の代替電力設備として、変圧器A1の保守優先値を増加させる例について説明したが、変圧器A2の保守優先値も同様に増加させたり、変圧器B1の代替電力設備として変圧器A1およびA2の保守優先値を増加させたりすることも考えられる。
入出力部8は、数4から数9のL、K、C(e,y)などのように保守計画作成部に対して利用者が入力すべき情報の入力を受け付けたり、保守計画に関する情報を出力したりする。また、利用者からの保守計画の変更を受け付ける。利用者が保守計画の変更を要求した場合は、再度、保守計画を立案し、その結果に基づいて、さらに保守優先値再評価が必要であれば、ステップS71〜ステップS74を繰り返し実行する。
このような構成を持つ保守計画作成装置は、電力設備が故障したときに、故障した電力設備が供給すべき供給先への供給を代替する他の電力設備の負荷が増加することによる代替電力設備の保守優先値の変化を考慮した適切な保全計画を立案できる。
図11は保守計画作成装置の構成を示すハードウェア構成図である。本保守計画作成装置は入力インターフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、記憶装置23、出力インターフェース24とからなる。インターフェースは以降IFと表記する。費用情報記憶部2や設備情報記憶部3の機能は図11の記憶装置23によって実現され、保守優先値算出部6、状態情報取得部5、故障モデル取得部4、保守計画作成部7の機能は、CPU22がプログラムを実行することによって実現される。なお、IFはケーブル用ポートなどの有線ポート、USBポート、直接接続のポート、無線ネットワークのポートである。記憶装置23はHDDやSSD、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2に係る保守計画作成装置100を示すブロック図である。保守計画作成装置100は、費用情報記憶部2と、設備情報記憶部3と、故障モデル取得部4と、状態情報取得部5と、保守優先値算出部6と、入出力部8と、重要度算出部101と、保守計画作成部102とを備えている。
まず、各構成要素の概略について説明する。図1と同じ番号を付した構成要素は、実施の形態1と同じであるので、詳細な説明を省略する。本実施の形態は重要度を算出することが実施の形態1と異なる。重要度算出部101は、設備情報記憶部3に蓄積された電力設備間及び需要家設備の接続情報や、設備の供給貢献度、設備が停止したときの供給支障度、設備が停止したときの供給余裕度、設備が供給すべき供給先への代替ルートの数、代替ルートの信頼度、もしくは設備の過去の故障履歴などで設備の重要度を算出する。
図13は、本実施の形態における設備の重要度の算出方法の例を説明するための電力系統図の例である。例えば、B変電所が供給する需要家の契約電力の合計は30+40+60=130kWであり、変圧器B1の定格容量は50kVAであるので、変圧器B1の供給貢献度である50/130を変圧器B1の重要度とする。
供給余裕度とは送電設備が故障等により停止した場合に、他の送電設備による供給に余裕があるかどうか及び余裕の程度を表したものである。例えば、変圧器B1が停止したときの他の設備による供給余裕度は、需要家の契約電力の合計130kWに対する変圧器B2〜B4の定格容量の合計110kVAの不足量、つまり、130−110=20kVと計算できる。この供給余裕度を変圧器B1の重要度としてもよい。
ここで、供給支障度とは送電設備が故障等により停止した場合に需要家設備への供給に支障をきたすかどうか及び支障の程度を表したものである。例えば、変圧器B1が停止した場合、需要家設備3はA変電所から供給するようにすれば、A変電所とB変電所によりすべての需要家設備への供給が可能となるので、変圧器B1の停止による供給支障度は0である。この供給支障度を重要度としてもよい。また、それらの最大値あるいは最小値を変圧器B1の重要度としてもよい。
変圧器B1が停止したときの供給余裕度は、A変電所の変圧器A1〜A2とB変電所の変圧器B2〜B4の定格容量の合計60+60+50+30+30=230kVAに対する需要家設備の契約電力の合計30+40+60+20+10=160の割合、すなわち160/230で計算され、変圧器B1の重要度を1−160/230として計算してもよい。
代替ルートの数で重要度を判定する場合は、変圧器B1が停止したときの代替ルートは遮断器a、bを操作してA変電所から需要家設備3へ供給する1ルート、変圧器B4が停止したときの代替ルートは、遮断器a、bを操作してA変電所から需要家設備3へ供給するルートと、遮断器を操作せず変圧器B2〜B4により需要家設備1〜3への供給を行うルートの2ルートがあるので、ルート数の逆数で重要度を定義し、変圧器B1の重要度を1/1=1、変圧器B4の重要度を1/2=0.5とする。代替ルートの信頼度は、代替ルート上の遮断器、送電線における過去の故障回数などで計算し、故障回数の多いルートの重要度を高くしてもよい。
ここで、様々な方法で重要度を算出したが、重要度とは設備がどれぐらい重要な設備かを表す指標である。重要な設備とは、言い換えるとより積極的に保守する必要のある設備のことをいい、供給貢献度が大きいものを重要と考えても良いし、当該設備が停止したときの供給支障度が大きいものを重要と考えてもよく、上述したような指標を使って重要度を設定する。重要度の定義が変わるということは、何を「リスク」と捉えるかが変わることである。
保守計画作成部102は、保守優先値、費用、重要度を考慮して保守計画を作成する。図5、図6は保守計画作成部7による保守計画作成方法の例である。例えば、メーカーの推奨する保守時期の通りに保守計画を策定すると図5のようになったとする。この通りに機器保守を行うと、6年目、9年目、10年目に巨額のコストが発生する。このような特定の年度にコストが集中することは、予算確保が困難であるため、望ましくない。そこで、年度ごとの保守費用の平準化を目的として、設備保守時期の繰り延べを行うと、図6のように、設備1を3年、設備2を2年、設備3を1年、それぞれ保守時期を遅らせる。
ここで、保守計画作成部102は、保守優先値に重要度を掛けて重要保守優先値を求め、重要度の高い設備について重要保守優先値が高くなる前に保守が行われるように、重要保守優先値が予め決められた重要保守優先値上限を超えないような制約を設けて保守計画を策定する。ここでは区別を容易にする為に、保守優先値に重要度を掛けたものを重要保守優先値といっているが、これに限定されるものではなく、保守優先値に重要度を掛けたものを新たな保守優先値とするようにしてもよい。また、重要保守優先値は重要度と保守優先値を考慮できる値ならなんでもよく、計算方法は限定されない。
次に、本実施の形態における年度ごとの保守費用の平準化を目的とした保守計画作成部102の保守計画作成方法について説明する。このような保守計画は、前述した数3〜8と以下の数12の最適化問題の解を求めることで得られる。数3〜数8の説明は既にした説明と同じであるので省略する。K’は保守優先値×重要度で求められる重要保守優先値の上限であり、利用者が予め設定する。I(e)は設備eの重要度である。数12は、保守優先値R(e,y)にI(e)を掛けて求められる設備eの重要保守優先値をK’以下に抑えるという制約条件である。
Figure 0006702232
保守計画作成部102が出力した結果、元の保守計画よりも大幅に保守時期が遅れる設備があった場合に、保守時期が遅くなる設備に関する保守優先値が増加することになる。保守時期が遅くなった設備が故障した場合に、その設備を代替して稼働する他の設備の負荷が増加することになるため、保守優先値算出部6は、代替電力設備の保守優先値を再評価する。
このような構成を持つ保守計画作成装置は、重要度が高く、代替供給ルートが少ない、あるいは代替供給ルートの信頼度の低い設備ほど早期に保守が行われるような保守計画を立案することができ、代替供給と設備の重要度を考慮した適切な保全計画を立案できる。前述では、より重要な設備の重要度を大きくする旨について説明したがこれに限定されるものではなく、より重要でない設備について重要度を小さくするようにしてもよい。
保守優先値算出部6は、重要でない設備ほど重要度が小さくなるように修正する例について説明する。例えば、ルート数の逆数で重要度を定義した場合、変圧器B1の重要度が1、保守優先値がR(B1,y)、変圧器B4の重要度が0.5、保守優先値がR(B4,y)となるので、例えば、変圧器B1の重要保守優先値を1×R(B1,y)、変圧器B4の重要保守優先値を0.5×R(B4,y)のように修正する。
具体的には、AからBに電気を送るときに,Cを経由するルートとDを経由するルートがある場合,C,Dはいずれか一方が故障しても,AからBへの電力伝送が可能なので,重要度をルート数の逆数で定義すれば,C,Dの重要度は1/2になる。ルートが3つあれば,重要度は1/3になる。この場合,重要保守優先値は保守優先値×1/2,保守優先値×1/3となる。
保守計画作成部7は、保守優先値を利用者が予め設定した所定の保守優先値以下に抑えるように保守計画を作成する。このような構成を持つ保守計画作成装置は、重要度が高く、代替供給ルートが少ない、あるいは代替供給ルートの信頼度の低い設備ほど早期に保守が行われるような保守計画を立案することができ、代替供給と設備の重要度を考慮した適切な保全計画を立案できる。なお、本実施の形態では実施の形態1と異なる部分を説明した。それ以外の部分については実施の形態1と同様であるとする。
実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3に係る保守計画作成装置140を示すブロック図である。まず、各構成要素の概略について説明する。図1と同じ番号を付した構成要素は実施の形態1と同じであるので、詳細な説明を省略する。本実施の形態と他の実施の形態との違いは、過去に予測した現在の(過去から見ると将来の)劣化度である予測劣化度と,センサから取得する実際の劣化度である現在の(前記と同時点の)センサ劣化度のずれで,故障モデルを修正することである。
遮断器などは動作回数が増えると故障率が高くなるので,過去の予測よりも頻繁に遮断器を操作した場合は故障モデルが変わってしまうことがあるので,それをセンサ劣化度(センサ値)の実績で補正する。保守計画作成部141は、劣化度に基づいて算出した保守優先値、費用を考慮して保守計画を作成する。作成した保守計画は入出力部8により利用者に提示されるとともに、劣化度シミュレーション部142に送られる。
劣化度シミュレーション部142は、保守計画作成部141から保守計画を、故障モデル取得部144から故障モデルを受け取って、保守計画作成部141が作成した通りに保守計画を実施した場合の、設備ごとの将来の予測劣化度を予測する。ここで、将来の予測劣化度とは、将来の年ごとの故障回数、故障率、運転時間、動作回数、温度、圧力、電気機器の絶縁状態を表す部分放電やガス圧などである。なお、本実施の形態では劣化度の予測を故障モデルからしているが、これに限定されず他の方法を用いて劣化度を予測してもよい。劣化度は故障率を含む概念であり、故障モデルは故障率を表すものに限定されず、劣化度を表すものであってもよい。保守優先値は実施の形態1で説明したように故障率から算出してもよいし、本実施の形態のように劣化度から算出してもよく、その算出の仕方は限定されない。
図15は、劣化度としてセンサ出力を用いる場合における劣化度シミュレーション部142のシミュレーション結果であるセンサ出力の予測劣化度の例である。0〜3年目のセンサ出力が図の丸印のように計測されていたとする。このセンサ出力の値を外挿すると、図15の実線151のように、将来のセンサ出力を予測することができる。外挿の方法はワイブル曲線やロジスティクス曲線などを用いて回帰分析を行なって、過去のセンサ出力の計測値の経過をうまく表す関数をフィッティングさせる方法がある。
実線151のセンサ出力は、保守を行わなかったときの10年目のセンサ出力の予測値である。保守計画作成部141によって、8年目に簡易な保全である調整や修理を行う計画が出力されたとすると、シミュレーション結果は、図の点線152のように8年目でセンサ出力が不連続に減少するような結果となる。また、保守計画作成部141によって、9年目に設備の保守を行う計画が出力されたとすると、シミュレーション結果は、図の破線153のように、9年目に0年目と同程度までセンサ出力が減少するような結果となる。
あるいは、保全作業が計画された時期と保全作業の内容に応じて、数10、数11のように故障モデルを補正してもよい。調整、修理、保守などの保全作業によるセンサ出力の減少の程度は、過去の実績値や設計値、あるいはFMEA(故障モード影響解析:Failure Mode and Effect Analysis)などの解析手法によって推定することができる。
劣化度シミュレーション部142の出力結果として、将来の所定期間ごと(例えば、年ごと)の劣化度の予測値を予測劣化度として劣化度予測記憶部143に記憶しておく。あるいは、予測値でなくて、予測結果を関数で表し、数10、数11のa、bのような関数のパラメータを記憶しておいてもよい。
保守優先値算出部145は、劣化度予測記憶部143から過去に予測した現在の予想劣化度を受け取って、センサから取得する現在の実際の劣化度であるセンサ劣化度と比較し、乖離が大きい場合はセンサ劣化度に基づいて劣化度予測結果を補正して故障モデルを補正する。
図16は保守優先値算出部145による保守優先値算出方法の例である。保守優先値算出部145は、劣化度予測記憶部143から、前回計画時に劣化度シミュレーション部142が将来の劣化度をシミュレーションした結果である予想劣化度161を受信する。また、保守優先値算出部145は、状態情報取得部5から現在のセンサ劣化度162を取得する。予想劣化度161の現在時点の予測値と現在のセンサ劣化度162には乖離があるので、現在のセンサ劣化度162に基づいて予想劣化度161を補正する。
補正方法は、数10、数11のa、bのような関数のパラメータの値を変更するなどの方法がある。補正結果163は、予想劣化度161の前回計画時点の点と現在のセンサ劣化度162の点を通る曲線となる。保全計画を初めて立案する場合などで、劣化度予測記憶部143に記憶されている過去の予想劣化度がない場合は、故障モデル取得部144が取得する基本となる故障モデルを予想劣化度として用いることができる。保守優先度算出部145は、補正されたモデルから保守優先値を算出する。
このような構成を持つ保守計画作成装置は、現状の保守優先値と将来の保守優先値をより正確に推定した適切な保全計画を立案できる。なお、本実施の形態では実施の形態1と異なる部分を説明した。それ以外の部分については実施の形態1と同様であるとする。
1 保守計画作成装置、2 費用情報記憶部、3 設備情報記憶部、4 故障モデル取得部、5 状態情報取得部、6 保守優先値算出部、7 保守計画作成部、8 入出力部、142 劣化度シミュレーション部、143 劣化度予測記憶部、144 故障モデル取得部、145 保守優先値算出部。

Claims (6)

  1. 需要家設備に接続される複数の供給設備のうちのそれぞれの前記供給設備の状態を表す状態情報を取得する状態情報取得部と、
    前記需要家設備とそれぞれの前記供給設備との接続関係とを表す接続情報とそれぞれの前記供給設備の保守優先値とを記憶する設備情報記憶部と、
    故障率からそれぞれの前記供給設備の前記保守優先値を算出し、複数の前記供給設備のうちの第一の供給設備の前記状態情報が前記第一の供給設備の劣化を示す劣化情報の場合に、前記需要家設備を通じて前記第一の供給設備と接続関係にある第二の供給設備を前記接続情報から特定し、前記第二の供給設備が前記需要家設備の代替供給設備となる場合に、前記第二の供給設備の前記保守優先値を増加させる保守優先値算出部と、
    前記代替供給設備が停止したときの供給支障度、供給余裕度、前記供給設備が供給すべき供給先への代替ルートの数、代替ルートの信頼度、前記供給設備の過去の故障履歴の少なくともいずれか1つに基づいて、当該代替供給設備の重要度を算出する重要度算出部と、
    前記供給設備ごとの前記重要度と前記保守優先値から重要保守優先値を算出し、前記重要保守優先値に基づいて、どの前記供給設備をどの時期で保守するかを決める保守計画を作成する保守計画作成部と、
    を備える保守計画作成装置。
  2. 前記劣化情報が、保守時期を過ぎたことを示す情報である
    ことを特徴とする請求項1に記載の保守計画作成装置。
  3. 前記保守優先値算出部が、
    前記供給設備が故障し、前記需要家設備への供給可能量が前記需要家設備の必要とする需要量を下回る場合に、前記需要家設備と接続関係にある故障した前記供給設備以外の前記供給設備を前記代替供給設備として特定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の保守計画作成装置。
  4. 前記保守優先値算出部が、
    前記状態情報が前記劣化を示す状態の間のみ前記第二の供給設備の前記保守優先値を増加させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の保守計画作成装置。
  5. 故障モデルから前記供給設備ごとに予想した劣化度である予想劣化度を算出する劣化度シミュレーション部を備え、
    前記保守優先値算出部が、
    前記予想劣化度とセンサから取得する実際の前記劣化度であるセンサ劣化度とに基づいて前記故障モデルを修正し、修正された前記故障モデルから算出された前記予想劣化度に基づいて前記保守優先値を算出し、前記設備情報記憶部に記憶する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の保守計画作成装置。
  6. 需要家設備に接続される複数の供給設備のうちのそれぞれの前記供給設備の状態を表す状態情報を取得するステップと、
    前記需要家設備とそれぞれの前記供給設備との接続関係とを表す接続情報とそれぞれの前記供給設備の保守優先値とを設備情報記憶部に記憶するステップと、
    前記供給設備の故障率から前記保守優先値を算出し、複数の前記供給設備のうちの第一の供給設備の前記状態情報が前記第一の供給設備の劣化を示す劣化情報の場合に、前記需要家設備を通じて前記第一の供給設備と接続関係にある第二の供給設備を前記接続情報から特定し、前記第二の供給設備が前記需要家設備の代替供給設備となる場合に、前記第二の供給設備の前記保守優先値を増加させるステップと
    前記代替供給設備が停止したときの供給支障度、供給余裕度、前記供給設備が供給すべき供給先への代替ルートの数、代替ルートの信頼度、前記供給設備の過去の故障履歴の少なくともいずれか1つに基づいて、当該代替供給設備の重要度を算出するステップと、
    前記供給設備ごとの前記重要度と前記保守優先値から重要保守優先値を算出し、前記重要保守優先値に基づいて、どの前記供給設備をどの時期で保守するかを決める保守計画を作成するステップと、
    を備える保守計画作成方法。
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