JP6702130B2 - 円筒状部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒状部材の製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、断面略円弧状を呈する2つの金属部材を摩擦攪拌で接合する接合方法が開示されている。当該従来の接合方法では、図11に示すように、金属部材52,52同士を突き合わせる突合せ工程と、回転ツール61で接合する摩擦攪拌工程とを行う。突合せ工程では、金属部材52,52の端面同士を突き合わせて突合せ部54を形成する。また、突合せ部54の裏側には裏当て治具60を配置する。摩擦攪拌工程では、回転する回転ツール61の攪拌ピン61aを突合せ部54に挿入しつつ、ショルダ部61bを突合せ部54に数ミリ程度押し込みながら摩擦攪拌を行う。
金属部材52,52の内周面のうち、突合せ部54に対応する部位には、平端部56,56がそれぞれ形成されている。突合せ工程において、金属部材52,52が突き合わされると内周面の一部に一の平坦部(平坦面)が形成されるとともに、端面同士が隙間なく突き合わされる。これにより、塑性流動化する金属を回転ツール61のショルダ部61bで確実に押えることができるとともに、接合部が金属不足になるのを防ぐことができる。
特開平11−267858号公報
ここで、例えば、前記した従来技術を参考にして、一の板状の金属部材を丸めて円筒状部材を製造することが考えられる。この場合、板状の金属部材の内周面の端部側に平坦部を設け、端面同士を突き合わさせる際に、内周面に一の平坦部(平坦面)を形成することが考えられる。しかし、当該製造方法では、接合された円筒状部材の内周面が円形にならないという問題がある。
一方、内周面に平坦部を形成せずに、金属板を円筒状に丸めて端面同士を突き合わせ、この突合せ部を摩擦攪拌接合することが考えられる。しかし、この場合、突合せ部において、外周面側に向けて次第に離間するV字状の隙間が不可避的に形成されてしまう。これにより、摩擦攪拌工程を行う際に接合部が金属不足になるという問題がある。
そこで、本発明は、接合部の金属不足を防ぐとともに、内周面及び外周面を円形に近づけることができる円筒状部材の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて円筒状部材を製造する方法であって、平板状の金属板を丸めて円筒状被接合部材を形成するとともに、端面同士を突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、裏当て治具に形成された曲面部を、前記突合せ部の外周面側に配置するとともに、前記円筒状被接合部材の内周面において前記突合せ部に沿うように補助部材を配置する補助部材配置工程と、回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から挿入し、前記攪拌ピンのみを前記円筒状被接合部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程とを含み、前記突合せ部には、前記円筒状被接合部材の前記外周面側に断面V字状の隙間が長手方向に沿って形成されており、前記補助部材配置工程では、前記裏当て治具の前記曲面部を前記隙間に沿って位置する状態となるように配置することを特徴とする。
かかる製造方法によれば、摩擦攪拌工程では、円筒状被接合部材の外周面に、曲面部を備えた裏当て治具を配置して突合せ部を摩擦攪拌接合する。また、攪拌ピンのみを円筒状被接合部材及び補助部材に接触させた状態で回転ツールを相対移動させるため、円筒状被接合部材の内周面に平坦部を設ける必要がない。これにより、円筒状部材の内周面及び外周面を円形に近づけることができる。
また、突合せ部にはV字状の隙間が形成されるが、円筒状被接合部材の内周面に補助部材を配置した状態で、内周面側から攪拌ピンで摩擦攪拌接合を行うため、接合部が金属不足になるのを防ぐことができる。また、摩擦攪拌工程では、攪拌ピンのみを円筒状被接合部材及び補助部材に接触させた状態で接合するため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。
また、バリが形成された前記補助部材を前記円筒状被接合部材から除去する除去工程を含むことが好ましい。かかる製造方法によれば、バリを補助部材ごと容易に除去することができる。
また、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することが好ましい。かかる製造方法によれば、バリを補助部材ごとより容易に除去することができる。
また、前記補助部材配置工程では、前記補助部材を前記突合せ部を挟んで一方側に配置しつつ、前記摩擦攪拌工程後に他方側に前記補助部材が残存しない程度に他方側にわずかに突出するように配置し、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記一方側の前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することが好ましい。
かかる製造方法によれば、接合部の金属不足をバランスよく防ぐことができるとともに、接合部に対して一方側のみに残存する補助部材を除去するだけでよいため、除去作業を容易に行うことができる。
また、本発明の円筒状部材の製造方法は、攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて円筒状部材を製造する方法であって、金属板を丸めて円筒状被接合部材を形成するとともに、端面同士を突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、裏当て治具に形成された曲面部を、前記突合せ部の外周面側に配置するとともに、前記円筒状被接合部材の内周面において前記突合せ部に沿うように補助部材を配置する補助部材配置工程と、回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から挿入し、前記攪拌ピンのみを前記円筒状被接合部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、バリが形成された前記補助部材を前記円筒状被接合部材から除去する除去工程とを含み、前記補助部材配置工程では、前記補助部材を前記突合せ部を挟んで一方側に配置しつつ、前記摩擦攪拌工程後に他方側に前記補助部材が残存しない程度に他方側にわずかに突出するように配置し、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記一方側の前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする。
本発明に係る円筒状部材の製造方法によれば、接合部の金属不足を防ぐとともに、内周面及び外周面を円形に近づけることができる。
本発明の第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法の準備工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法の突合せ工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法の補助部材配置工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法のタブ材配置工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法の摩擦攪拌工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法の除去工程を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る円筒状部材の製造方法の補助部材配置工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る円筒状部材の製造方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る円筒状部材の製造方法の除去工程を示す断面図である。 特許文献1の円筒状部材の製造方法を説明するための断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る円筒状部材の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、補助部材配置工程と、タブ材配置工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程と、を行う。なお、以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面という意味である。
準備工程は、図1に示すように、金属板1及び裏当て治具Kを用意する工程である。金属板1は、矩形の板状部材である。金属板1の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。
裏当て治具Kは、摩擦攪拌工程の際に接合部の裏当てとして配置される治具である。裏当て治具Kは、金属板1よりも長尺の部材であって、上面に断面円弧状を呈する曲面部K1が形成されている。曲面部K1の曲率半径は、製造される円筒状部材の外周側の曲率半径に応じて適宜設定すればよいが、製造される円筒状部材の外周側の曲率半径と略同等に形成されていることが好ましい。
突合せ工程は、図2に示すように、金属板1を丸めつつ、金属板1の端面1a,1bを突き合わせて突合せ部J1を形成する工程である。金属板1を丸めて形成された部材を円筒状被接合部材1Aと言う。突合せ工程では、円筒状被接合部材1Aの下方側の外周面に当接するように裏当て治具Kを配置するとともに、裏当て治具Kの曲面部K1上に沿って突合せ部J1を位置させる。突合せ部J1には、断面V字状の隙間Sが、長手方向に沿って不可避的に形成され、その隙間Sが曲面部K1上に沿って位置する状態となる。なお、溶接又は摩擦攪拌によって突合せ部J1に対して仮接合を行ってもよい。仮接合を行うことで、摩擦攪拌工程を容易に行うことができるとともに、突合せ部J1の目開きを防ぐことができる。
補助部材配置工程は、図2及び図3に示すように、円筒状被接合部材1Aの内周面において、突合せ部J1を覆うように補助部材10を配置する工程である。補助部材10は、長尺の板状部材である。補助部材10は、円筒状被接合部材1Aの内周と同じ曲率半径で湾曲して形成されている。補助部材10の材料は、摩擦攪拌可能な金属であればよいが、本実施形態では円筒状被接合部材1Aと同じ材料で形成されている。補助部材配置工程によって、補助部材10の裏面10bは、円筒状被接合部材1Aの内周面に沿って面接触する。補助部材10の板厚は、摩擦攪拌工程後に接合部(塑性化領域W)に金属不足が発生しない程度に適宜設定する。
タブ材配置工程は、図4に示すように、突合せ部J1の両端にタブ材T,Tを配置する工程である。タブ材Tは、湾曲形成された短尺の板状部材であって、円筒状被接合部材1Aの板厚と同じ板厚で形成されている。タブ材Tの曲率半径は、円筒状被接合部材1Aの曲率半径と同一となるように形成されている。タブ材Tは、円筒状被接合部材1Aと同じ材料で形成されている。タブ材配置工程では、タブ材Tを裏当て治具Kの曲面部K1に配置するとともに、タブ材Tの端面を円筒状被接合部材1Aの端面に当接させる。タブ材Tと円筒状被接合部材1Aとは溶接又は摩擦攪拌によって仮接合する。タブ材Tの表面と円筒状被接合部材1Aの内周面とは面一になる。
摩擦攪拌工程は、図5に示すように、円筒状被接合部材1Aの内周面から、突合せ部J1に対して接合用回転ツールFを用いて摩擦攪拌接合を行う工程である。接合用回転ツールFは、特許請求の範囲の「回転ツール」に相当する。接合用回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、摩擦攪拌装置の回転軸(図示省略)に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈している。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、接合用回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。
なお、接合用回転ツールFを左回転させる場合は、攪拌ピンF2の螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(円筒状被接合部材1A及び補助部材10)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。なお、螺旋溝は省略してもよい。例えば、接合用回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアームに取り付けられている。接合用回転ツールFをロボットアームの先端に取り付けることにより、円筒状被接合部材1Aの内部のように狭隘な場所においても接合用回転ツールFを相対移動させることができる。
摩擦攪拌工程では、一方のタブ材Tに設定した開始位置SPに右回転させた接合用回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入し、補助部材10側に相対移動させる。補助部材10に突入したら、そのまま突合せ部J1をなぞるようにして接合用回転ツールFを相対移動させる。摩擦攪拌工程では、図6に示すように、連結部F1は補助部材10に接触させず、攪拌ピンF2の基端側を露出させた状態で摩擦攪拌接合を行う。攪拌ピンF2の挿入深さは適宜設定すればよいが、突合せ部J1の深さ方向の全体が摩擦攪拌接合されるように設定することが好ましい。接合用回転ツールFが他方のタブ材Tに達したら、接合用回転ツールFをタブ材Tから離脱させる。
図7に示すように、摩擦攪拌工程後は、接合用回転ツールFの移動軌跡に沿って塑性化領域Wが形成される。また、補助部材10の表面10aにはバリVが形成される。摩擦攪拌工程が終了したら、タブ材T,T及び裏当て治具Kを円筒状被接合部材1Aから取り除く。
除去工程は、円筒状被接合部材1Aの内周面から補助部材10を除去する工程である。除去工程では、塑性化領域Wを挟んで両側に残存する補助部材10を折り曲げるようにして切除する。除去工程は、切削装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で行っている。
以上説明した本実施形態に係る円筒状部材の製造方法によれば、円筒状被接合部材1Aの外周面において、曲面部K1を備えた裏当て治具Kを配置して突合せ部J1を攪拌ピンF2のみで摩擦攪拌接合するため、円筒状部材の断面を円形に近づけることができる。つまり、突合せ部J1に攪拌ピンF2のみを挿入して摩擦攪拌接合を行うため、円筒状被接合部材の内周面側に平端部を設ける必要がない。このため、摩擦攪拌接合後の円筒状部材の内周面及び外周面を円形に近づけることができる。
また、突合せ工程において突合せ部J1にはV字状の隙間Sが形成されるが、円筒状被接合部材1Aの内周面に補助部材10を配置した状態で摩擦攪拌接合を行うため、接合部(塑性化領域W)が金属不足になるのを防ぐことができる。また、本実施形態によれば、金属板1の両端の板厚を大きくしたり、端面同士の形状を変えたりすることなく、円筒状部材の内周面及び外周面を円形に近づけることができる。
また、摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを円筒状被接合部材1A及び補助部材10に接触させた状態で接合するため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。また、除去工程では、バリVを補助部材10ごと除去するため、バリVを容易に除去することができるとともに、別途バリ切除工程を行わなくとも、円筒状部材の内周面をきれいに仕上げることができる。
また、タブ材T,Tを用いて摩擦攪拌工程を行うことにより、突合せ部J1の全長に亘って摩擦攪拌接合を行うことができる。また、タブ材T,Tを用いることで、摩擦攪拌工程において接合用回転ツールFの開始位置と終了位置を容易に設定することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る円筒状部材の製造方法について説明する。第二実施形態に係る円筒状部材の製造方法では、主に補助部材10の配置位置が第一実施形態と相違する。第二実施形態に係る円筒状部材の製造方法では、準備工程と、突合せ工程と、補助部材配置工程と、タブ材配置工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
準備工程及び突合せ工程は、第一実施形態と同一であるため、説明を省略する。補助部材配置工程は、図8に示すように、円筒状被接合部材1Aの内周面に補助部材10を配置する工程である。補助部材配置工程では、接合中心線X(突合せ部J1を通る鉛直線)を境にして、補助部材10の裏面10bと円筒状被接合部材1Aの内周面との接触面積が異なるように配置する。つまり、補助部材配置工程では、補助部材10の裏面10bと円筒状被接合部材1Aの内周面との接触面積が、他方側(接合中心線Xよりも左側)に比べて、一方側の方が大きくなるように配置する。言い換えると、補助部材配置工程では、補助部材10の端面10cが、接合中心線Xに対して、他方側(接合中心線Xよりも左側)にわずかに突出するように配置する。接合中心線Xから補助部材10の端面10cまでの距離は、後記する摩擦攪拌工程の後に、接合部(塑性化領域W)に金属不足が発生せず、かつ、他方側に補助部材10が残存しない程度に設定することが好ましい。タブ部材配置工程は、第一実施形態と同一であるため説明を省略する。
摩擦攪拌工程では、図9に示すように、接合用回転ツールFを用いて突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。摩擦攪拌工程では、接合中心線Xと接合用回転ツールFの回転中心軸Cとが重なるようにして、右回転させた接合用回転ツールFを相対移動させる。本実施形態では、図9の紙面手前側から奥側に向けて接合用回転ツールFを相対移動させる。
つまり、本実施形態では、接合用回転ツールFのシアー側(advancing side:回転ツールの外周における接線速度に回転ツールの移動速度が加算される側)が他方側(接合中心線Xよりも左側)となるように接合用回転ツールFの移動方向と回転方向を設定している。接合用回転ツールFの回転方向及び進行方向は前記したものに限定されるものではなく適宜設定すればよい。
例えば、接合用回転ツールFの回転速度が遅い場合では、フロー側(retreating side:回転ツールの外周における接線速度から回転ツールの移動速度が減算される側)に比べてシアー側の方が塑性流動材の温度が上昇しやすくなるため、塑性化領域W外のシアー側にバリVが多く発生する傾向にある。一方、例えば、接合用回転ツールFの回転速度が速い場合、シアー側の方が塑性流動材の温度が上昇するものの、回転速度が速い分、塑性化領域W外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。
本実施形態では、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定しているため、図9に示すように、塑性化領域W外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。つまり、一方側(接合中心線Xに対して補助部材10が円筒状被接合部材1Aと多く面接触している側)の補助部材10にバリVを集約させることができる。また、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定することにより、接合用回転ツールFの移動速度(送り速度)を高めることができる。これにより、接合サイクルを短くすることができる。
摩擦攪拌工程の際に、接合用回転ツールFの進行方向のどちら側にバリVが発生するかは接合条件によって異なる。当該接合条件とは、接合用回転ツールFの回転速度、回転方向、移動速度(送り速度)、攪拌ピンF2の傾斜角度(テーパー角度)、円筒状被接合部材1A及び補助部材10の材質、補助部材10の厚さ等の各要素とこれらの要素の組合せで決定される。接合条件に応じて、バリVが発生する側又はバリVが多く発生する側が、接合中心線Xに対して補助部材10が円筒状被接合部材1Aと多く面接触している側となるように設定すれば、後記する除去工程を容易に行うことができるため好ましい。
除去工程は、図10に示すように、円筒状被接合部材1Aの内周面から補助部材10を除去する工程である。除去工程では、接合中心線Xを挟んで一方側に残存する補助部材10を折り曲げるようにして切除する。除去工程は、切削装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で行っている。
第二実施形態に係る円筒状部材の製造方法によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、摩擦攪拌工程において残存する補助部材10にバリVを集約することができるため、除去工程ではバリVを補助部材10ごと容易に除去することができる。また、第二実施形態では、接合中心線Xに対して他方側にわずかに突出させるようにして補助部材10を配置しているため、接合部(塑性化領域W)をバランス良く接合することができるとともに、接合中心線Xに対して片側のみに残存する補助部材10を除去すればよいため、除去工程をより容易に行うことができる。
以上本発明の円筒状部材の製造方法について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、突合せ工程では、端面1a,1bを突き合わせた際に断面V字状の隙間Sが形成されないように、端面1a,1bを斜めにカットしてもよい。また、本実施形態では、接合中心線Xを挟んで両側において補助部材10と円筒状被接合部材1Aとが接触するように補助部材10を配置したが、接合中心線Xに対して片側のみにおいて円筒状被接合部材1Aと補助部材10とが接触するように補助部材10を配置してもよい。また、タブ材配置工程は、省略してもよい。
1 金属板
1A 円筒状被接合部材
10 補助部材
F 接合用回転ツール(回転ツール)
F1 連結部
F2 攪拌ピン
J1 突合せ部
K 裏当て治具
K1 曲面部
V バリ
W 塑性化領域

Claims (5)

  1. 攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて円筒状部材を製造する方法であって、
    金属板を丸めて円筒状被接合部材を形成するとともに、端面同士を突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    裏当て治具に形成された曲面部を、前記突合せ部の外周面側に配置するとともに、前記円筒状被接合部材の内周面において前記突合せ部に沿うように補助部材を配置する補助部材配置工程と、
    回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から挿入し、前記攪拌ピンのみを前記円筒状被接合部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程とを含み、
    前記突合せ部には、前記円筒状被接合部材の前記外周面側に断面V字状の隙間が長手方向に沿って形成されており、
    前記補助部材配置工程では、前記裏当て治具の前記曲面部を前記隙間に沿って位置する状態となるように配置する
    ことを特徴とする円筒状部材の製造方法。
  2. バリが形成された前記補助部材を前記円筒状被接合部材から除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の円筒状部材の製造方法。
  3. 前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする請求項2に記載の円筒状部材の製造方法。
  4. 前記補助部材配置工程では、前記補助部材を前記突合せ部を挟んで一方側に配置しつつ、前記摩擦攪拌工程後に他方側に前記補助部材が残存しない程度に他方側にわずかに突出するように配置し、
    前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記一方側の前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする請求項2に記載の円筒状部材の製造方法。
  5. 攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて円筒状部材を製造する方法であって、
    金属板を丸めて円筒状被接合部材を形成するとともに、端面同士を突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    裏当て治具に形成された曲面部を、前記突合せ部の外周面側に配置するとともに、前記円筒状被接合部材の内周面において前記突合せ部に沿うように補助部材を配置する補助部材配置工程と、
    回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から挿入し、前記攪拌ピンのみを前記円筒状被接合部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、
    バリが形成された前記補助部材を前記円筒状被接合部材から除去する除去工程とを含み、
    前記補助部材配置工程では、前記補助部材を前記突合せ部を挟んで一方側に配置しつつ、前記摩擦攪拌工程後に他方側に前記補助部材が残存しない程度に他方側にわずかに突出するように配置し、
    前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記一方側の前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする円筒状部材の製造方法。
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