JP6701888B2 - 携帯機器用カバー - Google Patents

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Description

本発明は携帯機器用カバーに関し、特に携帯機器からの発熱の放散を促進させる携帯機器用カバーに関する。
近年、スマートフォンやタブレット端末等の持ち運びが容易な携帯機器が普及してきている。これらの機器は、使用により発熱することがある。発熱を放散することができるスマートフォンやタブレット端末等の携帯機器のカバーとして、携帯電気機器の底部及び側部を覆うケース本体と、ケース本体の内部に固定された冷却ファンとからなる携帯電気機器用冷却ファン付きケースがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−110580号公報
しかしながら、特許文献1に記載のケースでは、冷却ファンが固定される部分が厚くなってしまい、携帯機器の利点である持ち運び易さが損なわれてしまう。
本発明は上述の課題に鑑み、携帯機器の携帯性の低下を抑制しつつ携帯機器の熱の放散を促進可能な携帯機器用カバーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図1に示すように、板状の携帯機器PD(例えばスマートフォン)が装着されるカバー1であって;携帯機器PDが装着された場合に、携帯機器PDの第1の面F1と、携帯機器PDの第1の面F1の裏側の面である第2の面F2と、携帯機器PDの第1の面F1と第2の面F2とに接する側面である第3の面F3と、を覆う基部材10と;基部材10に取り付けられた、基部材10よりも熱伝導率が高い熱伝導シート20とを備え;基部材10は、第1の面F1に接触する第1の部分11と、第2の面F2に接触する第2の部分12と、第1の部分11と第2の部分12とをつなぐ第3の部分13とを有すると共に、第2の部分12が第2の面F2に接触した状態と第2の面F2から離れた状態との間を移動することができるように曲げ伸ばし可能に構成され;熱伝導シート20は、携帯機器PDの第1の面F1が第1の部分11に接触するように携帯機器PDが装着された場合に、第1の部分11から第2の部分12の側に向かって延びるように第1の部分11の内部と外部とにまたがって配置されている。
このように構成すると、簡便な構成で、携帯機器の熱を、第1の部分から熱伝導シートを介して第1の部分の外側に伝えて、第1の部分の外側から放散することができる。
また、本発明の第2の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図1を参照して示すと、上記本発明の第1の態様に係る携帯機器用カバー1において、第3の部分13における熱伝導シート23が人工グラファイトで構成されている。
このように構成すると、第1の部分の内部から外部への熱伝導性能の低下を抑制しつつ、カバーの開閉を円滑に行うことができる。
また、本発明の第3の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図2(B)に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る携帯機器用カバー1において、第1の部分11における熱伝導シート20と基部材10とが接着材31を介して接合されている。
このように構成すると、熱伝導シートを基部材に対して適切に固定することができる。
また、本発明の第4の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図2(B)を参照して示すと、上記本発明の第3の態様に係る携帯機器用カバー1において、第1の部分11における熱伝導シート20がグラファイトを含んで構成され;接着材31がポリビニルアセタール樹脂を含んで構成されている。
このように構成すると、第1の部分における熱伝導を促進させることができると共に、グラファイトを基部材に対して適切に固定することができる。
また、本発明の第5の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図2(B)を参照して示すと、上記本発明の第3の態様又は第4の態様に係る携帯機器用カバー1において、接着材31が熱伝導性フィラーを含んで構成されている。
このように構成すると、携帯機器から熱伝導シートへの熱伝達性能を向上させることができる。
また、本発明の第6の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図4に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係る携帯機器用カバー1Aにおいて、第1の部分11における熱伝導シート20がグラファイトを含んで構成され;第1の部分11における携帯機器PDが接する面に設けられたタック性を有する貼付部材46と、貼付部材46とグラファイト20との間に設けられた所定の熱伝導性を有する第1の補強部材41とをさらに備える。
このように構成すると、携帯機器を貼付部材に密着させることができて携帯機器からカバーへの熱伝達を促進させることができると共に、グラファイトの剥離を抑制することができる。
また、本発明の第7の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図1を参照して示すと、上記本発明の第1の態様乃至第6の態様のいずれか1つの態様に係る携帯機器用カバー1において、熱伝導シート20の厚さが10μm〜300μmである。
このように構成すると、熱伝導性能を確保しつつ、軽量で設計の自由度が高いカバーとすることができる。
また、本発明の第8の態様に係る携帯機器用カバーは、例えば図5に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第7の態様のいずれか1つの態様に係る携帯機器用カバー1Bにおいて、第2の部分12に設けられた第2の補強部材53をさらに備える。
このように構成すると、第2の部分の剛性を確保することができてカバーの開け閉めが容易になる。
本発明によれば、簡便な構成で、携帯機器の熱を、第1の部分から熱伝導シートを介して第1の部分の外側に伝えて、第1の部分の外側から放散することができる。
本発明の実施の形態に係るスマートフォンカバーの斜視図である。 (A)は本発明の実施の形態に係るスマートフォンカバーの平面図、(B)は(A)におけるIIB−IIB矢視断面図である。 ポリビニルアセタール樹脂に存在し得る構成単位の化学式を示す図である。 (A)は本発明の実施の形態の第1の変形例に係るスマートフォンカバーの平面図、(B)は(A)におけるIVB−IVB矢視断面図である。 (A)は本発明の実施の形態の第2の変形例に係るスマートフォンカバーの平面図、(B)は(A)におけるVB−VB矢視断面図である。 実施例及び比較例における放熱特性の測定結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係る携帯機器用カバーとしてのスマートフォンカバー1(以下、略して「スマホカバー1」という。)を説明する。図1は、スマホカバー1の斜視図であり、内部構造の把握を容易にするために一部を切り欠いて示している。図2(A)はスマホカバー1の平面図、図2(B)は図2(A)におけるIIB−IIB矢視断面図である。図2に示すスマホカバー1は、構造の把握を容易にするために寸法を誇張して示している。スマホカバー1は、携帯機器としてのスマートフォンPD(以下、略して「スマホPD」という。)を概ね全体的に覆う基部材10と、基部材10に取り付けられた熱伝導シートとしてのグラファイトシート20とを備えている。
スマホカバー1が保護するスマホPDは、基本形状が長方形で、概ね5mm〜10mm程度の厚さを持つ板状に形成されている。基本形状が長方形とは、全体として見れば長方形であるが、角部を円弧状に形成する等、細部に厳密な長方形が表れない部分が含まれ得ることを表現している。スマホPDの厚さは、薄型化の要請を反映させて5mm未満となる場合があり、反対に、用途によっては10mmを超える場合もある。スマホPDは、裏面F1及び表面F2が概ね平坦に形成されている。裏面F1は、画像読み取り用のレンズ(カメラレンズ)が設けられており、また、持ち易さの観点から外周部分が丸みを帯びており、平坦ではない部分が含まれている。表面F2は、スピーカやマイクが設けられており、平坦ではない部分が含まれている。また、表面F2には画面が設けられている。本実施の形態では、裏面F1が第1の面に相当し、表面F2が第2の面に相当する。スマホPDに内蔵されているCPUは、スマホPDの使用により負荷が掛かると発熱するようになっている。
基部材10は、背面部11と、上面部12と、側面部13とを有している。背面部11は、スマホPDの裏面F1が接触する部位であり、第1の部分に相当する。スマホカバー1は、スマホPDが装着された場合に、スマホPDが背面部11に固定されるように構成されている。背面部11には、スマホPDを着脱可能に固定する固定部材91が設けられている。背面部11は、スマホPDの裏面F1より一回り大きい長方形状となっている。背面部11が裏面F1よりも一回り大きいとは、スマホカバー1にスマホPDが装着された場合に、裏面F1の外周部分を保護することができるように背面部11の外周が裏面F1の外周よりも外側となる一方で、持ちにくさを低減するために裏面F1からの背面部11の出っ張りが極力小さくなる状態である。上面部12は、表面F2が接触する部位であり、第2の部分に相当する。上面部12は、典型的には背面部11に対して形状及び大きさが等しくなっている。側面部13は、背面部11の長方形状の長辺の1つと、上面部12の長方形状の長辺の1つとをつなぐ部位であり、第3の部分に相当する。側面部13は、スマホカバー1にスマホPDが装着されて上面部12を表面F2に接触させた場合に、スマホPDの側面F3に対向する。スマホPDの側面F3は、裏面F1と表面F2との間でこれらに概ね直交する面(裏面F1及び表面F2に辺で接する面)であって、板状の厚さに相当する面であり、第3の面に相当する。側面部13は、スマホPDの裏面F1の長辺の一方に隣接する側面F3に対して、形状及び大きさが概ね等しくなっている。
基部材10は、本実施の形態では、シリコーンゴム等のエラストマーで形成されている。基部材10は、放熱フィラー(遠赤外線放射率重視のフィラー)を含んでいてもよい。基部材10は、本実施の形態では、背面部11と、上面部12と、側面部13とが、同じ材料で一体に形成されている。なお、基部材10の外側(スマホPDが装着される面の反対側)に、人工あるいは天然皮革や硬化樹脂等の外装材(不図示)を取り付けて、意匠性の向上や基部材10の保護を図ってもよい。基部材10は、スマホカバー1にスマホPDが装着された場合に、側面部13まわりに上面部12を回動させることで開け閉めすることができるように構成されている。換言すれば、上面部12がスマホPDの表面F2に接触した状態と、上面部12が背面部11と同一平面に存在する状態との間を移動することができるように曲げ伸ばし可能に構成されている。基部材10は、さらに、上面部12が、側面部13まわりにスマホPDの表面F2から遠ざかるように回動させて背面部11の外側に接することができるように構成されていてもよい。なお、スマホカバー1を閉じるとは上面部12が表面F2に接触した状態にすることであり、開けるとは上面部12を表面F2から離して表面F2に設けられた画面を視認できる状態にすることである。
グラファイトシート20は、基部材10よりも熱伝導率が高い部材であり、本実施の形態では基部材10の内部に配置されている。グラファイトシート20を基部材10の内部に配置するには、以下の方法が挙げられる。基部材10を形成する際に、一旦予定(設計厚さ)よりも薄く形成し、グラファイトシート20を配置したうえで、再び基部材10を形成する材料をグラファイトシート20の上に積層する。あるいは、基部材10を形成する材料を型に流し込む際にグラファイトシート20を埋めて基部材10とグラファイトシート20とを一体に成形してもよい。このようにすると、グラファイトシート20が露出しないため、グラファイトシート20の成分がスマホPDに付着することを防ぐことができる。グラファイトシート20は、スマホPDが装着される面に極力近づいて設置されていることが好ましい。
グラファイトシート20は、本実施の形態では、平面視(図2(A)参照)において、スマホPDの裏面F1よりも小さい矩形状に形成され、基部材10の背面部11と側面部13と上面部12とにまたがって配置されている。以下、グラファイトシート20について、説明の便宜上、背面部11に配置されているものを背面シート21、上面部12に配置されているものを上面シート22、側面部13に配置されているものを側面シート23という場合がある。グラファイトシート20は、背面部11においては、スマホカバー1にスマホPDが装着された場合に、発熱が大きい部分(典型的にはCPUまわり)を覆うように配置されているが、側面部13及び上面部12においては、背面部11のスマホPDが接触している部分から1cm以上、より好ましくは2cm以上はみ出るように配置されている。グラファイトシート20の、背面部11でスマホPDが接触している部分から側面部13及び上面部12へのはみ出しに関し、このはみ出し部分の面積が大きいほど放熱量が増加するが、大きくなるほどグラファイトシート20の端部の温度が低くなるので、放熱量/グラファイトシート20の面積で表される放熱の効率が低くなってしまう。したがって、グラファイトシート20は、上面部12及び側面部13の全面を覆う必要は必ずしもなく、背面部11からのはみ出しの長さ、すなわち上面シート22及び側面シート23の合計は、5cm以下としてもよく、3cmあるいは4cm程度としてもよい。
グラファイトシート20は、本実施の形態では、人工グラファイトシートが用いられている。本明細書では、人工グラファイトシートと天然グラファイトシートとの区別を熱伝導率によって行うこととし、熱伝導率が1000W/(m・K)以上のものが人工グラファイトシートに該当し、1000W/(m・K)未満のものが天然グラファイトシートに該当することとする。人工グラファイトシートは、典型的には、ポリイミドを蒸し焼きにして生成することができ、熱伝導率が1500W/(m・K)程度である。人工グラファイトシートの熱伝導率は、2500W/(m・K)程度まで得ることができる。また、人工グラファイトシートは、厚さ方向よりも幅方向の熱伝導率が高いので、特に上面シート22における幅方向への伝熱効率が高く、放熱面を広くとることができる。グラファイトシート20に関して言及している熱伝導率は、特に断りがない場合は幅方向の値である。本実施の形態で用いられる人工グラファイトシートにおける幅方向の熱伝導率の厚さ方向の熱伝導率に対する比(幅方向の熱伝導率/厚さ方向の熱伝導率)は、10以上、好ましくは30以上、より好ましくは50以上、さらに好ましくは70以上である。天然グラファイトシートは、典型的には、天然黒鉛を粒状化したものをバインダー(接合剤)で固めて生成することができ、熱伝導率が500W/(m・K)程度である。人工グラファイトシートは、天然グラファイトシートに比べ、上述のように熱伝導率が大幅に高いほか、可撓性がよく、厚さを薄く形成することができるという特性を有している。本実施の形態では、グラファイトシート20が人工グラファイトシートで形成されているので、スマホカバー1を開閉するために曲げ伸ばしされる側面シート23部分において、グラファイトシート20が損傷することを抑制することができる。グラファイトシート20の厚さは、10μm〜300μmとすることが好ましく、熱伝導性を確保する観点からより好ましくは17μm以上、さらに好ましくは25μm以上とするとよく、軽量化及び基部材10への設置のし易さの観点からより好ましくは100μm以下、さらに好ましくは70μm以下とするとよく、本実施の形態では概ね25μmとしている。
グラファイトシート20は、本実施の形態では、図2(B)に示すように、ポリビニルアセタール樹脂31(以下「PVアセタール樹脂31」という。)でコーティングされている。PVアセタール樹脂31は、グラファイトよりもエラストマーとの接着性が高いため、グラファイトシート20の基部材10(エラストマー)への固定をより確かにする機能を持つ。換言すれば、PVアセタール樹脂31は、グラファイトシート20と基部材10とを接着する接着材として機能する。ポリビニルアセタール樹脂は、一般に、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させて製造することができる。ポリビニルアルコールに反応させるアルデヒドとして、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、イソブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、イソノナナール、及びデカナールからなる群から選択された1つ以上のアルデヒドを用いることができる。PVアセタール樹脂31として、グラファイトとの接着性及び耐熱性等の観点から好ましくはポリビニルホルマールが用いられるが、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、あるいはこれらの誘導体が用いられてもよい。PVアセタール樹脂31は、図3(A)に示す構成単位A、図3(B)に示す構成単位B、及び図3(C)に示す構成単位Cを含んでいてもよい。なお、図3(A)に示す構成単位A中、Rは独立に水素又は炭素数1〜5のアルキルである。また、PVアセタール樹脂31は、上述の構成単位A、B、Cに加え、図3(D)に示す構成単位Dをさらに含んでいてもよい。なお、図3(D)に示す構成単位D中、Rは独立に水素又は炭素数1〜5のアルキルである。
また、PVアセタール樹脂31は、熱伝導性フィラー(熱伝導率重視のフィラー)を含んでいてもよい。熱伝導性フィラーを例示すると、金属粉、金属酸化物粉、金属窒化物粉、金属水酸化物粉、金属酸窒化物粉及び金属炭化物粉等の金属又は金属化合物含有フィラー、並びに炭素材料を含むフィラー等が挙げられる。金属粉としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属及びこれらの金属を含有する合金からなる粉等が挙げられる。金属酸化物粉としては、酸化アルミニウム粉、酸化亜鉛粉、酸化マグネシウム粉、酸化ケイ素粉、ケイ酸塩粉等が挙げられる。金属窒化物粉としては、窒化アルミニウム粉、窒化ホウ素粉、窒化ケイ素粉等が挙げられる。金属水酸化物粉としては、水酸化アルミニウム粉、水酸化マグネシウム粉等が挙げられる。金属酸窒化物粉としては、酸化窒化アルミニウム粉等が挙げられ、金属炭化物粉としては、炭化ケイ素粉、炭化タングステン粉等が挙げられる。
引き続き図1及び図2を参照して、スマホカバー1の作用を説明する。スマホカバー1は、保護する対象のスマホPDを装着して使用する。スマホカバー1にスマホPDを装着するには、スマホPDの裏面F1が基部材10の背面部11に接するように載置して、固定部材91と背面部11との間にスマホPDを通す。スマホPDを固定部材91に通す際、裏面F1を背面部11に沿って長手方向に往復移動させ、スマホPDを片方ずつ固定部材91に通すとよい。スマホカバー1にスマホPDを装着すると、スマホPDの表面F2が上を向いており、スマホPDの画面を視認できる状態になっている。スマホカバー1は折り畳み可能に構成されており、上面部12が表面F2に接触するようにスマホカバー1を閉じることで、スマホPD全体を衝撃や外傷から保護することができる。スマホカバー1が装着されたスマホPDは、スマホカバー1を閉じた状態で持ち運ぶとよい。
スマホカバー1が装着されたスマホPDを使用する際は、スマホPDの表面F2に接触している上面部12を開けて、スマホPDの画面が見える状態にする。開けた上面部12は、手で支えずに自然に垂らした状態にしてもよく、背面部11の外側に接触させてスマホPDと背面部11と上面部12とをまとめてつかむようにしてもよい。上面部12を開ける際、本実施の形態に係るスマホカバー1では、基部材10に取り付けられているグラファイトシート20が人工グラファイトで構成されているので、曲げ伸ばしの変形に耐えることができ、グラファイトシート20の損傷を抑制することができる。スマホカバー1を開け、スマホPDを作動させると、CPUから発熱があり、使用状況によっては高温になる場合がある。例えば、電子メールやSNS等の比較的負荷の小さいアプリケーションの使用時には発熱量が比較的少ないが、グラフィックに凝ったゲームを長時間行うと発熱量が多くなる。
本実施の形態に係るスマホカバー1では、スマホPDから発生した熱が、背面シート21に伝達する。このとき、スマホPDと背面シート21との間に基部材10が介在しているが、基部材10を構成するエラストマーも熱伝導性を有するため、スマホPDで発生した熱は背面シート21に伝わる。そして、背面シート21に伝達した熱は、側面シート23、上面シート22へと伝わる。このとき、グラファイトシート20は、基部材10を構成するエラストマーよりも熱伝導率が高いので、背面シート21に伝達された熱は比較的速く側面シート23及び上面シート22に伝導する。側面シート23及び上面シート22に伝導した熱は、スマホPDが接触していない側面部13及び/又は上面部12から大気へと放散する。このように、スマホカバー1を使用すると、スマホPDで発生した熱を、グラファイトシート20を介して大気へと放散することができるので、スマホPDの過度な温度上昇を抑制することができる。特に、スマホカバー1は、2つ折りのタイプで、開いたときにスマホPDに接触しない部分(上面部12及び側面部13)が生じる構成であり、グラファイトシート20を背面部11から上面部12及び側面部13にまたがって配置しているので、放熱を促進させることができる。仮に、カバーがスマホPDの裏面F1及び側面F3を覆って常時全体的にスマホPDに接触しているタイプのものの場合、放熱量は本実施の形態に係るスマホカバー1には及ばないであろう。
以上で説明したように、本実施の形態に係るスマホカバー1によれば、基部材10に配置されたグラファイトシート20が背面部11から側面部13及び上面部12にわたってまたがっているので、スマホPDで発生した熱を、グラファイトシート20を介して背面部11から側面部13及び上面部12に伝えて、側面部13及び/又は上面部12から放散することができる。また、グラファイトシート20が人工グラファイトシートで構成されているので、熱伝導性能の低下を抑制しつつスマホカバー1の開閉を円滑に行うことができる。また、グラファイトシート20と基部材10とが熱伝導性フィラーを含有するPVアセタール樹脂31を介して接続(接合)されているので、スマホPDからグラファイトシート20への熱伝導を促進させることができると共に、グラファイトシート20を基部材10に適切に固定することができる。
次に図4を参照して、本発明の実施の形態の第1の変形例に係るスマホカバー1Aを説明する。図4(A)はスマホカバー1Aの平面図、図4(B)は図4(A)におけるIVB−IVB矢視断面図である。図4に示すスマホカバー1Aは、構造の把握の容易のために寸法を誇張して示している。スマホカバー1Aは、スマホカバー1(図2参照)と比較して、背面補強材41と、貼付部材46とが、基部材10の背面部11に取り付けられていることが主に異なっている。背面補強材41は、所定の熱伝導性を有する薄板状の部材であり、第1の補強部材に相当する。所定の熱伝導性を有する部材は、典型的には、スマホPDから発生した熱のうち外部(典型的には大気)に放出したい単位時間あたりの熱量をグラファイトシート20に伝達することができる特性を有する部材であり、部材の厚さや熱伝導率と関係する。このときのスマホPDから発生した熱は、許容範囲で最高温度となったスマホPDから発生する熱を想定するとよい。背面補強材41は、背面部11の表面(スマホPDが取り付けられる側の面)に、概ね背面部11全体を覆うように設けられている。背面補強材41は、本変形例では、金属板で構成されており、この金属板を構成する金属層として、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、チタン、及びこれらの金属の少なくとも1つを含有する合金からなる群より選択された1つを少なくとも含んで構成されている。背面補強材41を構成する金属層は、特に、熱伝導の観点からは銀、銅、アルミニウムを用いるとよく、軽量化の観点からはチタンを用いるとよい。背面補強材41は、金属のように電波が通過しにくい材料で構成されて背面部11全体を覆うような大きさに形成されている場合は、近距離通信用等のアンテナがある部分に穴をあけて電波が通るように構成されるとよい。
貼付部材46は、本変形例では、背面補強材41と概ね同じ大きさの薄板状に形成されており、背面補強材41の表面(背面部11が接する面とは反対の面)に設けられている。貼付部材46は、タック性(粘着性)を有する材料で構成されており、本変形例ではシリコーン等の高タック性樹脂層で構成されている。貼付部材46は、スマホPDの裏面F1が接触する部材となる。したがって、本変形例に係るスマホカバー1Aでは、スマホPDが装着される側から見て、貼付部材46、背面補強材41、基部材10の背面部11の順に積層されていることになる。貼付部材46と、背面補強材41と、背面部11との接着性を向上させる観点から、背面補強材41に複数の小孔(不図示)を形成し、貼付部材46の一部と背面部11の一部とが小孔を介して接続されるようにするとよい。背面補強材41に形成される小孔の大きさは、小孔の数との兼ね合いで、貼付部材46と背面部11との接続を必要な強度を確保できる範囲で極力小さくすると、グラファイトシート20への伝熱性能の低下を抑制することができるため好ましい。貼付部材46の厚さは、スマホPD及び背面補強材41に密着できればよく、伝熱性能の低下を抑制する観点からは極力薄い方が好ましいところ、10μm〜1000μmとすることが好ましく、20μm〜500μmとすることがより好ましい。
上記の構成のほか、スマホカバー1Aでは、グラファイトシート20の大きさが、スマホカバー1(図2参照)よりも大きくなっており、背面シート21の大きさがスマホPDの投影面積の約80%の大きさとなっており、上面シート22の大きさが背面シート21と概ね同じ大きさとなっており、側面シート23が背面シート21と上面シート22とをつなぐ大きさとなっている。スマホカバー1Aにおいて、グラファイトシート20の大きさがスマホカバー1(図2参照)のものよりも大きくなっているのは、スマホPDの主たる発熱部分(典型的にはCPU)の配置が異なる複数種類のスマホPDの装着に対応できる汎用型のものを例示したためであり、スマホPDの主たる発熱部分(CPU)の配置が分かっている特定種類のスマホPDに対応すれば足りる場合は、スマホカバー1(図2参照)のものと同程度の大きさとしてもよい。なお、図4(A)に示すようにグラファイトシート20がスマホPDの投影面積の大部分を覆う場合は、近距離通信用等のアンテナがある部分に穴をあけて電波が通るように構成される。スマホカバー1Aの上記以外の構成は、スマホカバー1(図2参照)と同様である。
上述のように構成されたスマホカバー1Aでは、スマホPDが接触する貼付部材46が高タック性樹脂層で構成されているので、スマホPDの裏面F1がスマホカバー1Aに密着することになり、スマホPDからスマホカバー1Aへの熱伝達性能を向上させることができる。なお、単にスマホPDが接触する部分がタック性を有する材料で構成されたカバーでは、スマホPDをカバーから外すときに、比較的剥離し易いグラファイトシートの層が剥がれてしまう場合があり得るが、本変形例に係るスマホカバー1Aでは、背面補強材41が設けられているので、グラファイトシート20の剥離を抑制することができる。
次に図5を参照して、本発明の実施の形態の第2の変形例に係るスマホカバー1Bを説明する。図5(A)はスマホカバー1Bの平面図、図5(B)は図5(A)におけるVB−VB矢視断面図である。図5に示すスマホカバー1Bは、構造の把握を容易にするために寸法を誇張して示している。スマホカバー1Bは、スマホカバー1A(図4参照)と比較して、上面補強材53と、保護部材55とが、基部材10の上面部12に取り付けられていることが主に異なっている。上面補強材53は、本変形例では薄板状の部材であり、第2の補強部材に相当する。上面補強材53は、所定の熱伝導性を有し、かつ、上面シート22に接していると、上面部12からの放熱が促進されるので好ましい。上面補強材53は、本変形例では、上面部12の表面に概ね上面部12全体を覆うように設けられており、背面補強材41と概ね同じ大きさに形成されている。また、上面補強材53は、背面補強材41として採用し得る材料で形成することができ、背面補強材41と同じ材料で形成されていてもよく異なる材料で形成されていてもよい。なお、上面補強材53には、背面補強材41で形成することとしたアンテナ部分の穴を形成しなくてよい。
保護部材55は、スマホカバー1Bを閉じたときに上面補強材53がスマホPDの表面F2に接触して表面F2が損傷することを回避するために設けられた部材であり、本変形例では比較的軟らかいエラストマー等の弾性に富む樹脂で構成されている。保護部材55は、本変形例では、上面補強材53と概ね同じ大きさの薄板状に形成されており、上面補強材53の表面(上面部12が接する面とは反対の面)に設けられている。保護部材55は、タック性のない樹脂で構成されていると、スマホPDの表面F2からの剥離性が向上するため好ましい。本変形例に係るスマホカバー1Bでは、スマホPDの表面F2が接触する側から見て、保護部材55、上面補強材53、基部材10の上面部12の順に積層されている。保護部材55と、上面補強材53と、上面部12との接着性を向上させる観点から、上面補強材53に複数の小孔(不図示)を形成し、保護部材55の一部と上面部12の一部とが小孔を介して接続されるようにするとよい。上面補強材53に形成される小孔の大きさは、小孔の数との兼ね合いで、保護部材55と上面部12との接続を必要な強度を確保できる範囲で極力小さくするとよい。なお、保護部材55は、状況に応じて省略してもよい。スマホカバー1Bの上記以外の構成は、スマホカバー1A(図4参照)と同様である。
上述のように構成されたスマホカバー1Bでは、上面補強材53が設けられているので、上面部12が軟らかい材料で構成されている場合であっても、上面部12の剛性を確保することができ、スマホカバー1Bの開け閉めが容易になる。また、タック性のない樹脂で構成された保護部材55が設けられているので、スマホカバー1Bを閉じたときにスマホPDの表面F2を傷等から保護することができると共に、スマホカバー1Bを開けるときに保護部材55が表面F2から速やかに離れるため大きな力を加えることなくスマホカバー1Bを開けることができる。
以上の説明では、携帯機器がスマートフォンであるとしたが、タブレット端末、ポータブルメディアプレーヤー、PDA、電子辞書、電卓等の、持ち運び可能で発熱がある機器であってもよい。
以上の説明では、基部材10がシリコーンゴム等のエラストマーで背面部11と上面部12と側面部13とが一体に形成されているとしたが、スマホPDの保護及びスマホPDで生じた熱の放散の観点から採用可能なエラストマー以外の材料で形成されていてもよく、背面部11及び/又は上面部12及び/又は側面部13がそれぞれ別体で構成されたものが接続されて構成されていてもよい。
以上の説明では、グラファイトシート20が人工グラファイトシートであるとしたが、天然グラファイトシートを含んでいてもよい。天然グラファイトシートを含む場合、天然グラファイトシートは比較的曲げに弱いため、少なくとも側面シート23は人工グラファイトシートとするとよい。また、熱伝導シートがグラファイトシート20であるとしたが、銅箔やアルミニウム箔等の金属箔であってもよい。
以上の説明では、接着材がPVアセタール樹脂31であるとしたが、アクリル樹脂系やシリコーンゴム系の樹脂を用いてもよい。また、以上の説明では、熱伝導シート(グラファイトシート20)が接着材(PVアセタール樹脂31)でコーティングされているとしたが、熱伝導シートが接着材を介さずに基部材10に取り付けられていてもよい。
以上の説明では、背面補強材41が金属で構成されているとしたが、グラファイトシート20よりも厚いグラファイトシートで構成されていてもよい。
以上の説明では、貼付部材46がシリコーン等の高タック性樹脂層で構成されているとしたが、EPDM、ウレタンゴム、アクリルゴム等、タック性を有する比較的軟らかい、シリコーン以外の材料で構成されていてもよい。
以下、実施例を説明する。以下に説明する実施例は、例示を目的としたものに過ぎない。本発明の範囲は、以下に説明する実施例に限定されない。以下に説明する実施例では、複数種類のスマートフォンカバーを製作し、各スマートフォンカバーの放熱特性を検証した。各スマートフォンカバーには、スマホPDの代替えとして、トランジスタを取り付けた銅板(以下「トランジスタ付銅板」という。)を装着した。トランジスタ付銅板は、55mm×90mm×0.4mmの長方形の銅板に、TO220サイズのパワートランジスタ(2SD2012)を取り付けて構成した。トランジスタは、その発熱中心が、銅板の左上角より右に1cm、下に2cmに位置するように、銅板に貼り付けた。トランジスタ付銅板を用いたのは、CPUに掛かる負荷の変動に応じて発熱量が変化するスマホPDに比べて、発熱量を安定させるためである。
(実施例1)
図2に示すスマホカバー1を基に、PVアセタール樹脂31を省略してグラファイトシート20を基部材10に直接貼り付けたスマートフォンカバーを実施例1とした。基部材10として、株式会社サンプラテック製の1mm厚のシリコンシートを100mm×125mmにカットしたものを用いた。グラファイトシート20として、グラフテックインターナショナル製のe−GRAF SS1500(厚み25μm)の人工グラファイトシートの片面に両面粘着シート(日栄化工株式会社製NeoFIX−30)を貼り付けたものを45mm×115mmにカットしたものを用いた。このグラファイトシート20を、基部材10に対して、グラファイトシート20の上端及び左右の端が基部材10の上端及び左右の端からそれぞれ5mmずつ内側になる位置に横長に取り付けた。これからさらに、スマホPD代替えのトランジスタ付銅板が接触する側(背面部11側)に100mm×60mmの上述した両面粘着シートを貼り付けて、トランジスタ付銅板を固定できるようにした。
(実施例2)
図5に示すスマホカバー1Bを基に、保護部材55を省略した構成を実施例2とした。基部材10として、株式会社カネカ製のSIBSTAR(登録商標)のグレード102Tのイソブチレン系熱可塑性エラストマー(PIBR)のペレットを、180℃に温度を調整した加熱プレス(株式会社東洋精機製作所製ミニテストプレス)と1mm厚のステンレス板製スペーサーを用いてプレスして1mm厚のシートを製作し、このシートを90mm×125mmにカットしたものを用いた。グラファイトシート20として、実施例1で用いたのと同じ材料(グラフテックインターナショナル製の25μm厚のe−GRAF SS1500)を90mm×125mmにカットしたものを用いた。実施例2では、グラファイトシート20に、PVアセタール樹脂31として、JNC株式会社製のビニレックK(登録商標)のポリビニルホルマールの10重量%N−メチルピロリドン溶液を塗布して乾燥させたものを製膜した。ポリビニルホルマール樹脂層は、グラファイトシート20の両面に、それぞれの厚みが2μmとなるように塗布回数を調整して製膜した。なお、製膜は片面ずつ行った。ポリビニルホルマールを製膜したグラファイトシート20を基部材10に重ね、さらに背面部11及び上面部12に相当する位置におけるグラファイトシート20に背面補強材41及び上面補強材53としてそれぞれ55mm×90mm×0.2mmのチタン板を重ね、これを150℃に温度を調整した上述の加熱プレスに挟み込み、20kgf/cm(1.96MPa)の圧力で10分間熱圧着した。熱圧着後のシートに、貼付部材46として実施例1で用いた両面粘着シートを取り付けた。
(実施例3)
実施例3では、実施例2のスマートフォンカバーから、基部材10並びに背面補強材41及び上面補強材53の素材を変更した。基部材10は、以下のようにして製作した。まず、実施例2で用いたPIBRペレット25gと、電気化学工業株式会社製のデンカボロンナイトライド(登録商標)SGPの窒化ホウ素粉末15gと、丸ス釉薬合資会社製SS−600(平均粒径2.6μm)の合成コージェライト粉末10gとを、混練機(株式会社東洋精機製作所製ミニマックス)を使用して、240℃、60Vで混練した。混練機から出てきたストランドは、混練機に付属のペレタイザーを用いてペレット化して放熱エラストマーとし、この放熱エラストマーを基部材10の原料とした。背面補強材41及び上面補強材53としては、グラフテックインターナショナル製のe−GRAF SS500(厚み76μm)の天然グラファイトシートを用いた。これらの点以外の実施例3の加工条件や構成は、各部材の寸法を含めて実施例2と同じである。
(比較例)
比較例は、実施例1のスマートフォンカバーから、グラファイトシート20を取り除いたものとした。グラファイトシート20を取り除いた以外の比較例の構成は、実施例1と同じである。
(放熱特性)
上述した実施例1〜3及び比較例のスマートフォンカバーに、トランジスタ付銅板をスマホPDの代替えとして装着した。トランジスタ付銅板は、各スマートフォンカバーの背面部11に相当する位置の表面に設けられている両面粘着シートを介して装着した。そして、トランジスタ付銅板を装着した各スマートフォンカバーを27.7℃に保った無風室に30分以上静置した後、トランジスタ付銅板のトランジスタに電圧1.0V、電流0.73Aを印加し、900秒後のトランジスタの温度を記録した。トランジスタの温度は、トランジスタの、銅板に貼り付けられた面とは反対側の面における発熱中心の位置に直接貼り付けた熱電対(理科工業株式会社製ST−50)で測定した。トランジスタに一定の電流×電圧を印加しておけば、一定量の発熱が起きるので、スマートフォンカバーの放熱能力が高ければトランジスタの温度は上がりにくく、放熱能力が低ければトランジスタの温度が高くなることが見込まれる。
図6に、電流×電圧を印加してから900秒後のトランジスタの温度の測定結果を示す。なお、基準として、スマートフォンカバーに装着されていないトランジスタ付銅板のトランジスタの温度の測定結果を併記すると共に、実施例1〜3及び比較例における測定結果の基準温度との差も併記した。図6に示す結果から、実施例1と比較例とを比較すると、人工グラファイトシートにより発熱部の熱を、蓋(上面部12)のほうまで広げて放熱させることにより、効果的にトランジスタの温度を下げることができることがわかった。さらに、実施例1と実施例2の比較により、グラファイトシート20を全面に広げると、放熱面積がさらに広くなり、放熱性能が高くなることがわかった。また、実施例2と実施例3の比較により、外装(基部材10)のエラストマーに、放熱フィラーを複合化しておくことにより、樹脂自体の熱伝導率が高くなるばかりでなく、遠赤外線の放射率も高くなるので、より放熱性能が高くなることがわかった。
1、1A、1B スマートフォンカバー
10 基部材
11 背面部
12 上面部
13 側面部
20 グラファイトシート
21 背面シート
22 上面シート
23 側面シート
31 PVアセタール樹脂
41 背面補強材
46 貼付部材
53 上面補強材
F1 裏面
F2 表面
F3 側面
PD スマートフォン

Claims (8)

  1. 板状の携帯機器が装着されるカバーであって;
    前記携帯機器が装着された場合に、前記携帯機器の第1の面と、前記携帯機器の前記第1の面の裏側の面である第2の面と、前記携帯機器の前記第1の面と前記第2の面とに接する側面である第3の面と、を覆う基部材と;
    前記基部材に取り付けられた、前記基部材よりも熱伝導率が高い熱伝導シートとを備え;
    前記基部材は、前記第1の面に接触する第1の部分と、前記第2の面に接触する第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分とをつなぐ第3の部分とを有すると共に、前記第2の部分が前記第2の面に接触した状態と前記第2の面から離れた状態との間を移動することができるように曲げ伸ばし可能に構成され;
    前記熱伝導シートは、前記携帯機器の前記第1の面が前記第1の部分に接触するように前記携帯機器が装着された場合に、前記第1の部分から前記第2の部分の側に向かって延びるように前記第1の部分の内部と外部とにまたがって配置され;
    前記熱伝導シートの、前記第1の部分からの前記第2の部分の側へのはみ出しの長さが1cm以上5cm以下である;
    携帯機器用カバー。
  2. 前記第3の部分における前記熱伝導シートが人工グラファイトで構成された;
    請求項1に記載の携帯機器用カバー。
  3. 前記第1の部分における前記熱伝導シートと前記基部材とが接着材を介して接合された;
    請求項1または請求項2に記載の携帯機器用カバー。
  4. 前記第1の部分における前記熱伝導シートがグラファイトを含んで構成され;
    前記接着材がポリビニルアセタール樹脂を含んで構成された;
    請求項3に記載の携帯機器用カバー。
  5. 前記接着材が熱伝導性フィラーを含んで構成された;
    請求項3または請求項4に記載の携帯機器用カバー。
  6. 前記第1の部分における前記熱伝導シートがグラファイトを含んで構成され;
    前記第1の部分における前記携帯機器が接する面に設けられたタック性を有する貼付部材と、前記貼付部材と前記グラファイトとの間に設けられた所定の熱伝導性を有する第1の補強部材とをさらに備える;
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯機器用カバー。
  7. 前記熱伝導シートの厚さが10μm〜300μmである;
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯機器用カバー。
  8. 前記第2の部分に設けられた第2の補強部材をさらに備える;
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の携帯機器用カバー。
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