JP6701762B2 - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、加硫速度を悪化させることなく、良好な破断特性および低転がり抵抗性を両立させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
ゴムの破断特性は耐摩耗性などのタイヤ性能に関わっており、この性能を向上させるような技術が求められている。
そこで従来架橋剤として用いられてきた硫黄に代わって、アルキル鎖を導入した環状ポリスルフィドからなる架橋剤を配合する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
環状ポリスルフィドは、切れにくく長い架橋によって破断特性を大幅に向上できるが、この架橋剤に含まれるC−S結合は、S−S結合と比べて強い結合力を有するため、加硫反応中に架橋剤の解離が起こりづらく、加硫速度が遅くなり生産性が悪化するという問題があった。
また近年では耐摩耗性以外にタイヤの低転がり抵抗化が強く求められており、これらの特性を両立しつつ、生産性を損なわないような手法が求められている。
なお下記特許文献2には、(i)ゴム100重量部、(ii)π電子芳香環を有する化合物を酸化縮合させた酸化縮合物とカーボンブラックとからなる複合体10〜180重量部並びに(iii)分子中に水酸基及びエーテル結合の少なくとも一方を有するC4 〜C20の有機化合物を分散剤として含んでなるゴム組成物が開示されている。しかし特許文献1には環状ポリスルフィドを含むゴム組成物において、本発明における特定化合物を用い、ゴムとカーボンブラックとの相互作用を高め、加硫速度を悪化させることなく、良好な破断特性および低転がり抵抗性を両立させようとする技術思想は何ら開示されていない。
特許第4079929号公報 特開2003−171505号公報
本発明の目的は、特定の環状ポリスルフィドを使用しても加硫速度を悪化させることなく、良好な破断特性および低転がり抵抗性を両立し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよびシリカから選ばれる補強性充填剤、特定の構造を有する化合物および特定の環状ポリスルフィドを特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、
カーボンブラックおよびシリカから選ばれる補強性充填剤を10〜200質量部(ただし該補強性充填剤の30%以上がカーボンブラックである);
一分子内にキノン類の構造とスルホン酸またはその塩類の構造とを有する化合物、および/または、一分子内にキノン類の構造とチオ硫酸またはその塩類の構造とを有する化合物を0.1〜20質量部;および
下記式(1)で表される環状ポリスルフィドを0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
Figure 0006701762
式(1)において、xは2〜6の数を表し、nは1〜15の数を表し、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20のオキシアルキレン基を表す。
2.前記キノン類が、ベンゾキノン、ナフトキノンまたはアントラキノンのいずれかであることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記化合物として、前記化合物100質量部と前記ゴム用プロセスオイル1〜100質量部とからなる混合物を使用する前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよびシリカから選ばれる補強性充填剤を特定量;一分子内にキノン類の構造とスルホン酸またはその塩類の構造とを有する化合物、および/または、一分子内にキノン類の構造とチオ硫酸またはその塩類の構造とを有する化合物を特定量;および特定の環状ポリスルフィドを特定量で配合したので、加硫速度を悪化させることなく、良好な破断特性および低転がり抵抗性を両立し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBR、BRが好ましい。
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお、本発明の効果が向上するという観点から、シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、50〜400m/gであることが好ましく、100〜300m/gであるのがさらに好ましい。
なお窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
本発明で使用されるカーボンブラックは、その種類をとくに制限するものではないが、本発明の効果が向上するという観点から、窒素吸着比表面積(NSA)が25〜300m/gであるのが好ましく、50〜200m/gであるのがさらに好ましい。
本発明は、一分子内にキノン類の構造とスルホン酸またはその塩類の構造とを有する化合物、および/または、一分子内にキノン類の構造とチオ硫酸またはその塩類の構造とを有する化合物(以下、特定化合物と言うことがある)を特定量配合することを特徴とする。
下記化2は、特定化合物を形成する各構造を示している。
Figure 0006701762
上記式(1)〜(3)で示されるように、キノン類としては、本発明の効果向上の観点から、(1)ベンゾキノン、(2)ナフトキノン、(3)アントラキノンが好ましいものとして挙げられる。上記式(4)はスルホン酸、(5)はスルホン酸塩、(6)はチオ硫酸、(7)はチオ硫酸塩の各構造を示している。
Mは一価のカチオンであり、その種類に制限はないが、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン等が挙げられる。
上記式(4)〜(7)における符号「*」は、キノン類の構造への結合手を表す。
上記式(4)〜(7)に示される各構造は、キノン類の構造のどこに結合していてもよい(ただしキノイド構造(=O)には結合しない)。また上記式(4)〜(7)に示される各構造は、特定化合物の一分子内に1つまたはそれ以上存在することができ、例えば一分子内に1〜4個存在することができる。
また、上記式(4)〜(7)に示される各構造は特定化合物の一分子内に複数種類存在していてもよい。
本発明における特定化合物は、公知の手法により合成することができ、また市販されているものを利用することもできる。
本発明における特定化合物は、キノン類の構造がカーボンブラック表面と、スルホン酸またはその塩類の構造、および/または、チオ硫酸またはその塩類の構造がジエン系ゴムと相互作用し、ジエン系ゴムとカーボンブラック間をカップリングすることでカーボンブラックの分散性を向上させることができ、また、特定化合物の官能基により環状ポリスルフィドが活性化し、ジエン系ゴムとの反応性を高めると共に加硫速度の低下を補えるため、本発明の効果が奏されるものと推測される。
本発明では、特定化合物として、前記化合物100質量部と前記ゴム用プロセスオイル1〜100質量部とからなる混合物を使用するのが好ましい。この形態によれば、加硫速度、破断特性および低転がり抵抗性をさらに向上させることができる。
ゴム用プロセスオイルとしては、当業界でゴム組成物に通常配合されているオイルをすべて使用することができ、とくに制限されない。
一般的に、ゴム用プロセスオイルとしては、高沸点の石油留分が用いられ、炭化水素の化学構造によって、鎖状飽和炭化水素であるパラフィン系炭化水素と、環状飽和炭化水素であるナフテン系炭化水素と、芳香族炭化水素であるアロマ系炭化水素に分類される。これらの炭化水素は、一般的に、粘度比重定数(以下、「VGC」とよぶ)として知られている数値により区別され、アロマ系炭化水素は0.900以上のVGCを有し、パラフィン系炭化水素は0.790〜0.849のVGCを有し、ナフテン系炭化水素は0.850〜0.899のVGCを有する。ASTM D2140などの環分析法として知られている分析法に従って、試料のVGCと屈折率、比重、動粘度などの値から、その試料についてのパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素およびアロマ系炭化水素を構成する炭素の割合(重量%)を求めることができる。
本発明では、アロマ系炭化水素を使用するのがとくに好ましく、例えば、原油を減圧蒸留して得られた重質留分を溶剤抽出した時の不溶分を水添処理して得られる、TDAE(Treated Distillate Aromatic Extract)オイル等を使用することができる。
また本発明において、前記混合物は、ゴム用プロセスオイルによって特定化合物を処理することにより調製される。処理方法としては、公知のミキサーを使用すればよく、例えば、愛工舎製作所社製の卓上型ミキサーに特定化合物とゴム用プロセスオイルを計量して仕込み、5〜30分間攪拌すればよい。
なお、さらに好ましいゴム用プロセスオイルの使用量は、特定化合物100質量部に対し、3〜50質量部である。
本発明で使用される環状ポリスルフィド下記式(1)で表される。
Figure 0006701762
式(1)において、xは2〜6の数を表し、nは1〜15の数を表し、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20のオキシアルキレン基を表す。
さらに好適な形態では、xは平均3〜5の数であり、nは1〜10の数であり、Rは置換もしくは非置換のC2〜C16のアルキレン基、更に好ましくはC4〜C10のアルキレン基を示し、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、1,2−プロピレンなどの直鎖又は分岐鎖のアルキレン基があげられ、これらのアルキレン基はフェニル基、ベンジル基のような芳香族環、アルキル基、エポキシ基、シリル基、イソシアネート基、ビニル基などの置換基で置換されていてもよい。Rとしては更にオキシアルキレン基を含むアルキレン基、例えば基(CH2CH2O)p及び基(CH2)q(式中、pは1〜5の数であり、qは0〜2の数である)が任意に結合したオキシアルキレン基を含むアルキレン基とすることができる。
基Rの好ましい具体例をあげれば以下の通りである。
−CH2CH2OCH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2CH2−,
−(CH2CH2O)3CH−CH2−,−(CH2CH2O)4CH2CH2−,
−(CH2CH2O)3CH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2−,
−CH2CH2OCH2OCH2CH2
前記環状ポリスルフィドは、公知であり、その製造方法も含め前記特許文献1に開示されている。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、
カーボンブラックおよびシリカから選ばれる補強性充填剤を10〜200質量部(ただし該補強性充填剤の30%以上がカーボンブラックである);
一分子内にキノン類の構造とスルホン酸またはその塩類の構造とを有する化合物、および/または、一分子内にキノン類の構造とチオ硫酸またはその塩類の構造とを有する化合物を0.1〜20質量部;および
前記式(1)で表される環状ポリスルフィドを0.1〜10質量部配合してなることを特徴とする。
補強性充填剤の配合量が10質量部未満であると、補強性が悪化する。逆に200質量部を超えると転がり抵抗性が悪化する。
また補強性充填剤の30%以上がカーボンブラックであることによって、加硫速度の点で有利となる。
特定化合物の配合量が0.1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると破断伸びが悪化する。
環状ポリスルフィドの配合量が0.1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると加硫速度、転がり抵抗性、破断伸びが悪化する。
さらに好ましい前記補強性充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、50〜150質量部であり、そのうち60%以上がカーボンブラックである。
さらに好ましい前記特定化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜5質量部である。
さらに好ましい前記環状ポリスルフィドの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.2〜5質量部である。
本発明のゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、トレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1〜10および比較例1〜12
サンプルの調製
表1〜3に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
加硫速度(T95%):JIS 6300に準拠して、振動式ディスク加硫試験機にて、振幅1度、160℃で95%の加硫度に達する時間(T95、分)を測定した。結果は、標準例1の値を100として指数で示した。この値が低いほど、加硫速度が速く、生産性に優れることを示す。
tanδ(60℃):(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用い、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほど低転がり抵抗性であることを示す。
破断強度:JIS K 6251に従い、室温で試験した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この値が高いほど、補強性に優れることを示す。
破断伸び:JIS K 6251に従い、室温で試験した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この値が高いほど、破断伸びに優れることを示す。
結果を表1〜3に併せて示す。
Figure 0006701762
Figure 0006701762
Figure 0006701762
*1:SBR(旭化成(株)製タフデン3830、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック−1(キャボットジャパン(株)製ショウブラックN339、窒素吸着比表面積(NSA)=90m/g)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*6:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*7:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*8:2−アントラキノンスルホン酸ナトリウム(富山薬品工業(株)製)
*9:アントラキノン(和光純薬工業(株)社製)
*10:2−ナフタレンスルホン酸ナトリウム(富山薬品工業(株)製)
*11:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*12:環状ポリスルフィド(前記式(1)で表される環状ポリスルフィドにおいて、x=5、n=1-4、R=-(CH2)6-である化合物)
*13:加硫促進剤−1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*14:加硫促進剤−2(Flexsys社製Perkacit DPG)
*15:シリカ(Evonik Degussa社製Ultrasil VN3GR、窒素吸着比表面積(NSA)=170m/g)
*16:シランカップリング剤(Evonik Degussa社製Si69)
*17:カーボンブラック−2(ASTMグレードN220、窒素吸着比表面積(NSA)=120m/g)
*18:1,5−アントラキノンジスルホン酸ジナトリウム油処理品(1,5−アントラキノンジスルホン酸ジナトリウム(富山薬品工業(株)製)を、乳棒と乳鉢を用いて、TDAEと混合したことにより得られた油処理品。該油処理品は特定化合物の質量に対して5%の質量のTDAEを用いて処理した。)
上記の表1〜3から明らかなように、実施例1〜10で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、補強性充填剤を特定量;特定化合物を特定量;および特定の環状ポリスルフィドを特定量で配合したので、従来の代表的な標準例1に対し、加硫速度を悪化させることなく、良好な破断特性および低転がり抵抗性を両立し得ることが分かった。また実施例9、10は、特定化合物をゴム用プロセスオイルで処理しているため、本発明の効果がさらに高まることが分かる。
これに対し比較例1は、標準例1に比べて硫黄を環状ポリスルフィドに置換した例であるが、加硫速度および転がり抵抗性が悪化した。
比較例2は、本発明の範囲外のアントラキノンを配合した例であるので、加硫速度および転がり抵抗性が悪化した。
比較例3は、本発明の範囲外の2−ナフタレンスルホン酸ナトリウムを配合した例であるので、転がり抵抗性が悪化した。
比較例4は、標準例1に比べて硫黄を環状ポリスルフィドに置換し、加硫促進剤を増量した例であるが、転がり抵抗性および破断伸びが悪化した。
比較例5は、特定化合物の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、加硫速度および転がり抵抗性が悪化した。
比較例6、12は、特定化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断伸びが悪化した。
比較例7は、環状ポリスルフィドの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、破断強度および破断伸びが悪化した。
比較例8は、環状ポリスルフィドの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、加硫速度、転がり抵抗性および破断伸びが悪化した。
比較例9は、補強性充填剤の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、破断強度が悪化した。
比較例10は、補強性充填剤の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、加硫速度および破断伸びが悪化した。
比較例11は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、加硫速度が悪化した。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、
    カーボンブラックおよびシリカから選ばれる補強性充填剤を10〜200質量部(ただし該補強性充填剤の30%以上がカーボンブラックである);
    アントラキノンスルホン酸塩を0.1〜20質量部;および
    下記式(1)で表される環状ポリスルフィドを0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
    Figure 0006701762
    式(1)において、xは2〜6の数を表し、nは1〜15の数を表し、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20のオキシアルキレン基を表す。
  2. 前記アントラキノンスルホン酸塩が、ゴム用プロセスオイルで処理され、前記アントラキノンスルホン酸塩100質量部に対し、前記ゴム用プロセスオイルが1〜100質量部の割合で用いられる請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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