JP6700143B2 - 伝動ベルト、伝動ベルトに用いられるブロック、並びに、伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法 - Google Patents

伝動ベルト、伝動ベルトに用いられるブロック、並びに、伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法 Download PDF

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本発明は、張力帯の長手方向に沿って複数のブロックを取り付けた構成を有する伝動ベルト、伝動ベルトに用いられるブロック、並びに、伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法に関する。
自動車、自動二輪車等における変速装置として、変速時の操作性の向上や燃料消費率の改善等を図ることができるベルト式無段変速装置が知られている。ベルト式無段変速装置に用いられるVベルトのうち、比較的低負荷用としては、ゴム製のローエッジVベルトが用いられる。通常のゴムベルトでは耐久性が不足するような高負荷伝動用ベルトとしては、エンドレスの張力帯(センターベルト)に、複数の樹脂製ブロックをベルト長手方向に間隔を空けて配列させて取り付けた構成の樹脂ブロックベルトが用いられる。ブロックの張力帯への固定は、ブロックの嵌合溝に張力帯を圧入嵌合することでなされている。
特許文献1〜4には、プーリに巻き掛けたときに、両側面がプーリからの高い側圧に耐え得ると共にプーリとの接触による摩耗にも耐え得るように、金属補強材(インサート材)が樹脂被覆層で被覆された構造の樹脂材料で形成されたブロックを備えた伝動ベルトが開示されている。例えば、特許文献2には、金属補強材がジュラルミンで形成され、また、樹脂被覆層が、フェノールアラルキル樹脂及びノボラックフェノール樹脂が50/50以上80/20以下の重量比率で配合され、少なくとも引張り弾性率が300GPa以上のポリアクリロニトリル系カーボン短繊維が配合されたブレンド樹脂のフェノール樹脂で形成されたブロックを備えた伝動ベルトが開示されている。特許文献3には、アルミニウム合金である板状ブロック本体と、その両幅方向端面を被覆する硬質樹脂材料である被覆部材とを備えた伝動ベルト用のブロックが開示されている。特許文献4には、金属補強材(アルミニウム等)と、該金属補強材を被覆すると共にプーリ接触面を構成する両側面を形成するように設けられ、マトリクス樹脂にカーボン短繊維が添加されたカーボン短繊維補強樹脂で形成された樹脂被覆層と、を有するブロックを備えた伝動ベルトが開示されている。
このようにインサート材を樹脂被覆層で被覆したブロックを備える伝動ベルトでは、インサート材と樹脂被覆層とは、異種材料であることが多い。例えば、インサート材は金属材料であり、樹脂被覆層は樹脂材料である。プーリから受ける側圧によって、インサート材と樹脂被覆層の間にせん断力が発生する。そこで、このせん断力によってインサート材と樹脂被覆層が剥離しないように、これらの異種材料は強固に接着される必要がある。そこで、異種材料であるインサート材と樹脂被覆層との接着を高めるために、樹脂被覆層を形成する前のインサート材に、予め、化学エッチング処理(例えば、アルカリ処理、酸処理等の表面処理やFPL処理)、シランカップリング処理等の前処理が行われる。例えば、特許文献5では、金属材料であるアルミニウム合金をアルカリ浸漬処理及び酸浸漬処理により表面を粗面化する表面処理(化学エッチング処理)が行われた後、アミノアルコキシシランからなるシランカップリング剤を塗布して接着剤層を形成する前処理が行われた後、射出成形によりビニロン及びケブラー短繊維を配合した樹脂材料であるフェノール樹脂層を被覆する方法が開示されている。特許文献5によると、アルミニウム合金の表面を粗面化することにより、接着剤を微細な凹凸の間に染み込ませ、そのアンカー効果により接着力を向上させることができる。また、特許文献5によると、接着剤として、シランカップリング剤を用いることにより、アルミニウム合金などの金属材料である無機材料と、フェノール樹脂層などの樹脂材料である有機材料を好適に接着させることができる。また、例えば、特許文献6には、金属材料からなる金属合金片の表面に微細な凹凸を形成するNAT処理(化学エッチング処理)を行った後、レゾール樹脂型のフェノール樹脂接着剤を塗布する前処理が行われた後、射出成形金型にインサートし、樹脂材料であるフェノール樹脂系熱硬化型樹脂組成物を射出成形して被覆する方法が開示されている。特許文献6によると、接着力の高い樹脂/金属複合体を製造することができる。このように、特許文献6によると、シランカップリング剤の介在なしに、金属とフェノール樹脂を高度に接着させることができる。
特開昭63−34342号公報 特開2004−239432号公報 特開2008−45585号公報 特開2011−236994号公報 特開平11−82637号公報 特開2012−66383号公報
一方、本発明が関する伝動ベルト分野、特に高負荷伝動を行う伝動ベルト分野においては、ベルトとプーリの間の摩擦係数をコントロールしたり、ベルトの耐摩耗性を向上させたりすることが求められる。つまり、ブロックに適度な摩擦係数を与え(通常は摩擦係数を低下させる)、また、耐摩耗性を向上させる為に、樹脂被覆層にはグラファイト粉末、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、金属石鹸、炭素繊維等の充填剤を配合した樹脂組成物が用いられることが多い。これらの充填材を樹脂被覆層に用いることで、ブロックの耐摩耗性を向上させることができるが、その一方で、インサート材と樹脂被覆層との間の接着力を低下させてしまう。そのため、特許文献5や特許文献6に接着処理によって、インサート材と樹脂被覆層とを接着したとしても、十分な接着力が得られず、ベルトの走行中に樹脂被覆層がインサート材から剥離することがある。
そこで、本発明は、樹脂被覆層とインサート材との接着性を確保し、走行中に樹脂被覆層がインサート材からの剥離するのを防止することができる伝動ベルト、伝動ベルトに用いられるブロック、並びに、伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の伝動ベルトは、エンドレスの張力帯と、前記張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで配列され、前記張力帯が嵌合される嵌合溝を有する複数のブロックとを備える伝動ベルトであって、前記ブロックは、金属材料からなるインサート材と、前記インサート材を被覆する充填剤が配合された樹脂材料からなる樹脂被覆層と、前記インサート材と前記樹脂被覆層との間に介在する接着層と、を有し、前記接着層は、前記インサート材側に配置された接着材料からなる第1接着層と、前記樹脂被覆層側に配置された前記充填剤が含まれない樹脂材料からなる第2接着層とが積層されて形成されることを特徴とする。
本発明の伝動ベルトに用いられるブロックは、エンドレスの張力帯と、前記張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで配列され、前記張力帯が嵌合される嵌合溝を有する複数のブロックとを備える伝動ベルトに用いられる前記ブロックであって、金属材料からなるインサート材と、前記インサート材を被覆する充填剤が配合された樹脂材料からなる樹脂被覆層と、前記インサート材と前記樹脂被覆層との間に介在し、前記インサート材側に配置された接着材料からなる第1接着層と、前記樹脂被覆層側に配置された前記充填剤が含まれない樹脂材料からなる第2接着層とが積層されて形成される接着層と、を有することを特徴とする。
この構成によると、インサート材と樹脂材料からなる樹脂被覆層の間に接着層が介在して、ブロックが形成される。接着層は、第1接着層と第2接着層とが積層されて形成される。そして、第2接着層は、樹脂被覆層側に配置される。第2接着層には、樹脂材料(例えば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂)が用いられる。第2接着層の樹脂材料には、接着性を阻害する物質であるグラファイト粉末、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、金属石鹸、炭素繊維等の充填剤が含まれない。ここで、第2接着層と樹脂被覆層とが樹脂材料で形成されているため、互いになじみやすく、グラファイト粉末、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、金属石鹸、炭素繊維等の充填剤が樹脂被覆層に配合されていたとしても、第2接着層と樹脂被覆層との接着性を維持することができる。そのため、樹脂被覆層とインサート材との接着性が低下しない。そして、接着性の低下を考慮する必要はなく、摩擦特性や力学特性を優先して、樹脂被覆層の樹脂組成物の配合を設計することができる。また、第1接着層は、インサート材側に配置される。第1接着層には、接着材料(例えば、シランカップリング剤やイソシアネート)が用いられる。接着材料は、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させる。即ち、インサート材と樹脂材料からなる第2接着層との化学結合を形成し、化学的性質の異なる両者を強固に結びつける接着助剤として、インサート材と第2接着層の界面における接着性を向上させる。従って、接着層により、樹脂被覆層とインサート材との接着性を確保することができる。そして、伝動ベルトの走行中に樹脂被覆層がインサート材から剥離するのを防止することができる。
本発明の伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法は、エンドレスの張力帯と、前記張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで配列され、前記張力帯が嵌合される嵌合溝を有する複数のブロックとを備える伝動ベルトに用いられる前記ブロックの製造方法であって、アルカリ及び酸又は酸のみを用いて、金属材料からなるインサート材の表面処理を行い、前記インサート材の表面を粗面化すると共に、前記インサート材の表面に形成された酸化被膜を除去する化学エッチング処理工程と、前記インサート材の表面に、液状の接着材料を付着させて、前記インサート材の表面に第1接着層を形成する第1接着層形成工程と、前記第1接着層の表面に、充填剤が含まれない液状の樹脂材料と有機溶媒を混合した溶液を付着させて、前記第1接着層の表面に第2接着層を形成する第2接着層形成工程と、射出成形により、前記第2接着層の表面に、前記充填剤が配合された樹脂材料からなる樹脂被覆層を形成する被覆工程と、を有することを特徴とする。
この構成によると、インサート材に樹脂被覆層を形成する被覆工程の前に、化学エッチング処理工程、第1接着層形成工程及び第2接着層形成工程の前処理を行っており、上述した本発明の伝動ベルトと同じ構成となる。従って、上述した本発明の伝動ベルトの効果と同様の効果が得られる。加えて、以下の効果を有する。化学エッチング処理工程では、アルカリ及び酸又は酸のみを用いた表面処理により、インサート材の表面を粗面化すると共に、酸化皮膜を除去する。従って、インサート材の表面におけるアンカー効果により、インサート材と第1接着層との接着性が向上する。また、第1接着層形成工程では、液状の接着材料を用いてインサート材に付着させる第1接着層を形成しているため、浸漬、塗布などの簡易的な作業で、均一な第1接着層を形成できる。また、第2接着層形成工程では、液状の樹脂材料を用いて第2接着層を形成しており、更に有機溶媒との混合溶液であるので、好適な粘度の溶液が得られ、浸漬、塗布などの作業性や、接着剤層の均一性に対して、より一層優れる。更に、第2接着層形成工程では、揮発性の高い有機溶媒を液状の樹脂材料と混合しているので、射出成形等の加熱工程において揮発して第2接着層に残存しにくく、接着性の低下を防止することができる。
ここで、本発明の伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法において、前記溶液は、樹脂材料と有機溶媒の割合が、7:93〜42:58となるように混合されることが好ましい。
この構成によると、溶液は、樹脂材料と有機溶媒の割合が、7:93〜42:58となるように混合される。樹脂材料の割合が7より小さく、有機溶媒の割合が93よりも大きくなると、接着性が低く、走行により、樹脂被覆層がインサート材から剥離する。一方、樹脂材料の割合が42より大きくなり、有機溶媒の割合が58未満であると、溶液をインサート材に均一に付着することができないので好ましくない。
ここで、本発明の伝動ベルト、伝動ベルトに用いられるブロック、並びに、伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法において、前記インサート材は、金属材料である。
この構成によると、伝動ベルトに大きな側圧がかかる高い負荷条件へ適用できる。
ここで、本発明の伝動ベルトは、無段変速装置に用いられても良い。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、樹脂被覆層とインサート材との接着性を確保し、走行中に樹脂被覆層がインサート材からの剥離するのを防止することができる伝動ベルト、伝動ベルトに用いられるブロック、並びに、伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る伝動ベルトを採用したベルト式無段変速装置を示す一部省略断面図であり、(a)は伝動ベルトの各プーリへの巻き掛け半径が同じ場合、(b)は巻き掛け半径が異なる場合を示す。 図1の伝動ベルトを示す一部切欠き斜視図である。 図2の伝動ベルトをベルト幅方向から見た側面図である。 図2の伝動ベルトをベルト長手方向から見た正面図である。 図2に示すブロックの斜視図である。 図2のブロックを示す図であり、(a)は上面図、(b)はベルト長手方向から見た正面図、(c)は下面図、(d)はベルト幅方向から見た側面図である。 (a)は図6(a)のVII−VII線に沿う断面図であり、(b)は図6(a)のVI−VI線に沿う断面図である。 本実施例に用いた試験片を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は上面図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[ベルト式無段変速装置の構成]
まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係る伝動ベルト1を採用したベルト式無段変速装置30について説明する。図1に示すように、ベルト式無段変速装置30は、駆動プーリ31と従動プーリ32とにエンドレスの伝動ベルト1が巻き掛けられた構造を有している。そして、伝動ベルト1の側面がプーリ31、32のV溝と接触した状態で伝動ベルト1を二軸間で回転走行させ、さらに変速比を無段階で変化させるものである。
各プーリ31、32は、軸方向に固定された固定プーリ片31a、32aと、軸方向に移動可能とされた可動プーリ片31b、32bとからなる。可動プーリ片31b、32bが軸方向に移動することで、固定プーリ片31a、32aと可動プーリ片31b、32bとで形成されるプーリ31、32のV溝の幅を連続的に変更できるようになっている。伝動ベルト1は、ベルト幅方向両端面が各プーリ31、32のV溝対向面と傾斜が合致するテーパ面で形成され、変更されたV溝の幅に応じて、V溝対向面の任意の位置に嵌まり込む。例えば、図1(a)に示す状態から、図1(b)に示すように、駆動プーリ31のV溝の幅を狭く、従動プーリ32のV溝の幅を広くした状態に変更すると、伝動ベルト1は、駆動プーリ31側ではV溝中を外径側に向かって移動し、従動プーリ32側ではV溝中を内径側に向かって移動する。その結果、各プーリ31、32への巻き掛け半径が連続的に変化して、変速比が無段階で変えられる。
[伝動ベルトの構成]
次に、図2〜図6をさらに参照しつつ、伝動ベルト1の構成について説明する。なお、以下の説明では、伝動ベルト1においてプーリ31、32に巻き掛けられた際に、ベルト厚み方向の外周側となる方向を「上方」、ベルト厚み方向の内周側となる方向と「下方」と称することがある。
図2に示すように、伝動ベルト1は、平行な2本のエンドレスの張力帯2の長手方向(図2に示すベルト長手方向)に沿って、複数の板状のブロック10を配列したものである。ブロック10は、上面10aがベルト厚み方向の外周側、下面10bがベルト厚み方向の内周側になるように配列される。また、ブロック10は、側面10cが隣接するブロック10の側面10cと対向するように配列される。各ブロック10は、互いに同一形状を有しており、ベルト厚み方向の上方及び下方に並ぶ2本のビーム部(上側ビーム部11及び下側ビーム部12)をベルト幅方向の中央部でセンターピラー部13によって連結して略「H」形に形成されている(図5及び図6(b)参照)。上側ビーム部11、下側ビーム部12、及び、センターピラー部13は、一体成型される。ブロック10は、嵌合溝14を有する。嵌合溝14は、上下のビーム部11、12、とセンターピラー部13とによって囲まれて形成されている。嵌合溝14は、ベルト幅方向の中央部を挟んだ両側に一対で設けられている。各張力帯2は、各ブロック10の各嵌合溝14にベルト幅方向の両側から圧入嵌合され、各ブロック10が2本の張力帯2と一体化されている。
図4及び図6(b)に示すように、ブロック10のベルト幅方向に関する長さは、ベルト厚み方向の上方の端部が最も長く下方の端部に行くほど短くなっている。伝動ベルト1が各プーリ31、32に巻き掛けられたときに、各ブロック10の上側ビーム部11は張力帯2よりもベルト厚み方向の外周側に位置し、下側ビーム部12は張力帯2よりもベルト厚み方向の内周側に位置する。
図2に示すように、各張力帯2の外周面2aと内周面2bには、それぞれベルト幅方向に延びる凹溝21a、21bがベルト長手方向に所定のピッチで設けられる。尚、張力帯2の外周面2aは、張力帯2のベルト厚み方向の外周側の面である。また、張力帯2の内周面2bは、張力帯2のベルト厚み方向の内周側の面である。また、各ブロック10における嵌合溝14のベルト厚み方向の対向面には、それぞれベルト幅方向に延びる凸条15a、15bが設けられている。これらの凹溝21a、21bに各凸条15a、15bを係合させることにより、各ブロック10がベルト長手方向に沿って所定ピッチで固定される。図3に示すように、張力帯2の内周面2bの凹溝21bは、外周面2aの凹溝21aに比べて断面が緩やかな凹湾曲面となっている。凹溝21bと係合する嵌合溝14の凸条15bは、凹溝21aと係合する凸条15aと比べてベルト長手方向の断面が緩やかな凸湾曲面とされている。
また、図6(a)、(c)、(d)に示すように、各ブロック10のベルト長手方向に関する長さは、ベルト厚み方向の上方に位置する上側ビーム部11においては、ベルト厚み方向に一定の肉厚で形成されおり、ベルト厚み方向の下方に位置する下側ビーム部12においては、ベルト厚み方向の下方となる下側に行くほど肉厚が漸減するように形成されている。
[張力帯]
図2に示すように、張力帯2は、心線4がスパイラル状に埋設されたゴム層5と、ゴム層5の上下面を被覆する補強布6とからなる。心線4としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維等からなるロープや、スチールワイヤ等が用いられる。心線4の替わりに、上記の繊維からなる織布や編布、または金属薄板等を埋設してもよい。ゴム層5は、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム(水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーを含む)など)、エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDMなど)などのエチレン−α−オレフィン系ゴム)等の単一材もしくはこれらを適宜ブレンドしたゴム、またはポリウレタンゴムで形成される。
補強布6は、ベルト走行時にゴム層5がブロック10との摩擦により摩耗するのを防止するためのものであり、平織り、綾織り又は朱子織り等の織布で形成される。その繊維材料としては、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等が用いられる。なお、ブロック10と張力帯2の擦れによる摩耗を防止する観点では、耐摩耗性に優れるアラミド繊維が好ましいが、アラミド繊維に比べて耐摩耗性の劣るナイロン繊維を使用することもできる。また、ナイロン繊維はアラミド繊維に比べて伸縮性がよいので、ブロック10の嵌合溝14の形状に正確に沿わせることができる。
[ブロックの構成]
ここで、図7をさらに参照しつつ、本実施形態に係る伝動ベルト1に用いられるブロック10の構成についてより詳細に説明する。ブロック10は、インサート材40と樹脂被覆層50とを備えている。インサート材40は、接着層60を介して、樹脂被覆層50によって被覆されている。
ブロック10は、例えば、ベルト厚み方向の長さが10〜17mm、ベルト幅方向の長さが20〜30mm、及びベルト長手方向の長さが2〜5mmであり、ベルト幅方向の両側部のなす角度、すなわち、ベルト角度は例えば24〜30°である。
インサート材40は、図7(a)、(b)に示すように、ブロック10と同様に、上側ビーム部41及び下側ビーム部42をベルト幅方向の中央部でセンターピラー部43によって連結して略「H」形に形成されている。上側ビーム部41、下側ビーム部42及びセンターピラー部43は、一体成型される。インサート材40のベルト幅方向に関する長さは、外周側の端部が最も長く内周側の端部に行くほど短くなっている。
インサート材40は、耐熱性に優れ、高強度であるジュラルミン材(金属材料)からなり、JIS規格における合金番号2017、2014、2024、A7075等のアルミニウム合金からなる金属素材の時効処理材で構成されている。特に、耐熱性及び強度に一段と優れたJIS H A2024P T361のジュラルミン材が好適である。ここで、「A2024P」とはアルミニウム合金の圧延材であることを、「2024」とは金属組成を、「T361」とは「T3」の断面積減少率をほぼ6%にしたことをそれぞれ表す。「T3」とは溶体化処理後冷間加工を行い、さらに自然時効させたことである。この合金番号の圧延材は、高温に十分に耐え得て軟化し難いという性質を有している。
インサート材40は、例えば、上側ビーム部41のベルト厚み方向の長さが3.5〜7.0mm、センターピラー部43のベルト厚み方向の長さが3.5〜7.0mm、及び下側ビーム部42のベルト厚み方向の長さが3.5〜7.0mmである。
樹脂被覆層50は、接着層60を介して、インサート材40の外表面を層状に被覆している。接着層60は、第1接着層61と、第2接着層62とが積層されて形成される。第1接着層61は、接着材料からなり、インサート材40側に配置される。接着剤として、例えば、シランカップリング剤(エポキシシランカップリング剤やアミノシランカップリング剤等)やイソシアネートが用いられる。第2接着層62は、樹脂材料からなり、樹脂被覆層50側に配置される。樹脂材料として、例えば、フェノール樹脂(レゾール系フェノール樹脂等)やエポキシ樹脂が用いられる。尚、第2接着層62の樹脂材料には、接着性を妨げる物質が添加されていない。接着性を妨げる物質とは、後述する樹脂被覆層50の樹脂材料に添加される充填剤(グラファイト粉末、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、金属石鹸、炭素繊維等)である。
接着層60の層厚さは、例えば0.5〜5μmである。
なお、図7(a)、(b)に示す樹脂被覆層50におけるインサート材40の上側ビーム部41及び下側ビーム部42のベルト幅方向両端面を被覆する部分は、プーリ31、32(図1参照)との接触部となっている。
樹脂被覆層50は、樹脂材料で形成される。ブロック10に、適度な摩擦係数を与え、耐摩耗性を向上させるために、樹脂被覆層50は、硬質樹脂材料で形成されることが好ましい。硬質樹脂材料は、例えば、マトリクス樹脂に短繊維の炭素繊維が添加された樹脂組成物である。マトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよく、また、熱可塑性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、フェノール樹脂(例えば、ノボラック系フェノール樹脂)、エポキシ樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。マトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂のみで構成されていてもよく、また、熱可塑性樹脂のみで構成されていてもよく、さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とがブレンドされたものであってもよい。マトリクス樹脂は、その他にゴム成分等を含んでいてもよい。
樹脂被覆層50に含まれる炭素繊維は、平均繊維長が100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましい。なお、炭素繊維の平均繊維長は、樹脂被覆層50の表面観察写真の画像解析から任意の20本の炭素繊維の繊維長を測定して数平均し、それを2回繰り返した平均値として求められる。
樹脂被覆層50を形成するマトリクス樹脂は、炭素繊維の他、パラ系のアラミド繊維、グラファイト粉末、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、金属石鹸等の充填材を含んでいてもよい。パラ系のアラミド繊維は、短繊維のものが用いられ、例えば、繊維長が1mm〜3mmであり、マトリクス樹脂100質量部に対する添加量が2〜5質量部である。グラファイト粉末は、例えば、粒径が5μm〜10μmであり、マトリクス樹脂100質量部に対する添加量が15〜20質量部である。フッ素樹脂は、例えば、粒径が10〜150μmであるポリテトラフルオロエチレン等であり、マトリクス樹脂100質量部に対する添加量が5〜30質量部である。二硫化モリブデンは、例えば、粒径が0.5〜30μmであり、マトリクス樹脂100質量部に対する添加量が5〜30質量部である。金属石鹸は、例えば、粒径が0.5〜30μmであり、マトリクス樹脂100質量部に対する添加量が0.5〜3質量部である。
樹脂被覆層50の層厚さは、例えば0.3〜1.5mmである。
[ブロックの製造方法]
ここで、本実施形態に係る伝動ベルト1に用いられるブロック10の製造方法について、より詳細に説明する。伝動ベルト1に用いられるブロック10は、下記(1)〜(4)の工程により製造される。
(1)化学エッチング処理工程(表面処理工程及びFPL処理工程):表面処理工程では、まず、アルカリ及び酸又は酸のみを使用して、インサート材40の表面処理を行う。インサート材の金属部材の種類によって、アルカリ及び酸、又は、酸のみのいずれかを使用して、表面処理を行う。具体的には、インサート材40がアルミニウムの場合、インサート材40を、アルカリ性溶液に浸漬した後、酸性溶液に浸漬する。インサート材40がアルミニウムの場合、酸性溶液に溶解しにくいため、アルカリ性溶液に浸漬することにより、インサート材40の表面が粗面化される。一方、インサート材40をアルカリ性溶液に浸漬することにより、インサート材40の表面に酸化被膜が形成されるため、その後、酸性溶液に浸漬することにより、インサート材40の表面に形成された酸化被膜を除去する。また、インサート材40が鉄である場合、インサート材40を、酸性溶液のみに浸漬する。インサート材40が鉄である場合、鉄は酸性溶液に溶解しやすいため、酸性溶液に浸漬することにより、インサート材40の表面が粗面化されると共に、インサート材40の表面に形成された酸化被膜が除去される。以上のように、インサート材40の表面処理を行うことにより、インサート材40の表面が粗面化されると共に、インサート材40の表面に形成された酸化被膜が除去される。また、FPL処理工程では、FPL液(硫酸/重クロム酸溶液)に浸漬させることにより、FPL処理を行ってもよい。FPL処理では、インサート材40の表面に数十nm程度の極薄い酸化膜層を形成することができる。そして、接着材料である第1接着層61との接着力を大きくすることができる。
(2)第1接着層形成工程:次に、表面処理が行われたインサート材40の表面に、液状の接着材料を付着させて、第1接着層61を形成する。具体的には、インサート材40をシランカップリング剤液に浸漬して、第1接着層61を形成する。
(3)第2接着層形成工程:次に、第1接着層61の表面に、有機溶媒で希釈された樹脂材料を付着させて、第2接着層62を形成する。具体的には、液状の樹脂材料を有機溶媒で希釈した溶液に浸漬して、第2接着層62を形成する。溶液は、樹脂材料と有機溶媒の割合が、7:93〜42:58であることが好ましい。樹脂材料の割合が7未満であり、有機溶媒の割合が93よりも大きくなると、樹脂被覆層50との接着性が低く、樹脂被覆層50がインサート材40から剥離しやすくなる。一方、樹脂材料の割合が42より大きくなり、有機溶媒の割合が58未満であると、粘度が高く、第2接着層62の層厚さを均一にすることが難しくなる。以上の工程により、インサート材40の表面に、第1接着層61及び第2接着層62からなる接着層60が積層される。ここで、有機溶媒は、メタノール、エタノール、トルエン、イソプロピルアルコール等であり、他の有機溶媒と比較して、汎用性が高く、安価であるメタノールが好ましい。
(4)被覆工程:そして、接着層60の表面を被覆して、樹脂被覆層50を形成する。具体的には、接着層60が表面に積層されたインサート材40に対して、樹脂材料を射出成形することで、樹脂被覆層50を形成する。ここで、樹脂材料は、上述の通り、例えば、フェノール樹脂組成物である。
以上のように、本実施形態の伝動ベルト1に用いられるブロック10は、インサート材40と樹脂被覆層50の間に接着層60が介在して形成される。接着層60は、第1接着層61と第2接着層62とが積層されて形成される。そして、樹脂被覆層50側に配置される第2接着層62には、樹脂材料(例えば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂)が用いられる。樹脂材料には、接着性を阻害する物質であるグラファイト粉末、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、金属石鹸、炭素繊維等の充填剤が含まれない。ここで、第2接着層62と樹脂被覆層50とが樹脂材料で形成されているため、互いになじみやすく、グラファイト粉末、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、金属石鹸、炭素繊維等の充填剤が樹脂被覆層に配合されていたとしても、第2接着層62と樹脂被覆層50との接着性を維持することができる。そのため、樹脂被覆層50とインサート材40との接着性が低下しない。そして、接着性の低下を考慮する必要はなく、摩擦特性や力学特性を優先して、樹脂被覆層50の樹脂組成物の配合を設計することができる。また、インサート材40側に配置される第1接着層61には、接着材料(例えば、シランカップリング剤やイソシアネート)が用いられる。接着材料は、 有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させる。即ち、インサート材40と第2接着層62との化学結合を形成し、化学的性質の異なる両者を強固に結びつける接着助剤として、インサート材40と第2接着層62の界面における接着性を向上させる。従って、接着層60により、樹脂被覆層50とインサート材40との接着性を確保することができる。そして、伝動ベルト1の走行中に樹脂被覆層50がインサート材40から剥離するのを防止することができる。
また、インサート材40は、金属材料で構成されている。そのため、伝動ベルト1に大きな側圧がかかる高い負荷条件へ適用できる。
また、本実施形態の伝動ベルト1に用いられるブロック10の製造方法は、上記に加えて、アルカリ及び酸を用いた表面処理により、インサート材40の表面を粗面化すると共に、酸化皮膜を除去する。従って、インサート材40の表面におけるアンカー効果により、インサート材40と第1接着層61との接着性が向上する。また、インサート材40に付着させる第1接着層61を形成するための接着材料が液状なので、浸漬、塗布などの簡易的な作業で、均一な第1接着層61を形成できる。また、第2接着層62を形成する樹脂材料が液状であり、更に有機溶媒との混合溶液であるので、好適な粘度の溶液が得られ、浸漬、塗布などの作業性、接着剤層の均一性に対して、より一層優れる。更に、液状の樹脂材料と混合する溶媒が揮発性の高い有機溶媒であるので、射出成形等の加熱工程において揮発して第2接着層62に残存しにくく、接着性の低下を防止することができる。
[せん断力試験]
上述のように本実施形態の伝動ベルト1に用いられるブロック10における、インサート材40と樹脂被覆層50の接着性を評価するため、伝動ベルト1に用いられるブロックを模式化した試験片を用いて、せん断力試験を行った。
せん断力試験では、図8に示す試験片を用いた。具体的には、図8(a)、(b)に示すように、試験片70は、樹脂片71の一部と、金属片72の一部とが、接着層を介して接着されて形成される。樹脂片71と金属片72は異種材料である。つまり、試験片70は、接着層を介して異種材料を接着した異種材料接着体である。ここで、試験片70、樹脂片71、金属片72、接着層は、それぞれ、ブロック10、樹脂被覆層50、インサート材40、接着層60を模式化している。樹脂片71として、フェノール樹脂を短繊維の炭素繊維で補強した樹脂組成物を用いた。樹脂片71の寸法は、長さ48mm×幅15mm×厚み5.5mmである。樹脂片71は、長さ方向において、樹脂片71の端部から12.5mmの部分の厚みが4.0mmになるように加工されている。金属片72として、材質がA2024T3のジュラルミン材を用いた。金属片72の寸法は、長さ48mm×幅15mm×厚み1.5mmである。試験片70は、樹脂片71の厚みが4.0mmとなっている部分で、樹脂片71と金属片72とが厚み方向に重なっている。樹脂片71と金属片72とは、接着層(図示せず)を介して、接着されている。
本実施例においては、下記に示す工程により実施例1〜6及び比較例1〜6のせん弾力試験用の試験片70を作製した。
実施例1〜4では、下記の工程により、試験片70を作製した。まず、金属片72を表1に示すアルカリ液、酸液の順に30秒ずつ浸漬し、表面処理を行った(表面処理工程(化学エッチング処理工程))。次いで、金属片72を、表1に示すFPL液に60℃の条件で10分間浸漬した(FPL処理工程(化学エッチング処理工程))。
Figure 0006700143
さらに、金属片72を表2に示すシランカップリング剤液に10分間浸漬した後、100℃で10分間乾燥させ、金属片72の表面に接着材料からなる第1接着層を形成した(第1接着層形成工程)。ここで、シランカップリング剤として、エポキシシランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「A−187」)を用いた。
Figure 0006700143
その後、金属片72を、液状の樹脂材料であるフェノール樹脂を有機溶媒であるメタノールで希釈した溶液に浸漬した後、100℃で10分間乾燥することで、金属片72の表面に樹脂材料からなる第2接着層を形成した(第2接着層形成工程)。樹脂材料として、レゾール系フェノール樹脂(レゾール液:明和化成(株)製「MWR−204」、不揮発分70%)を用いた。尚、実施例1〜4では、表4に示すように、第2接着層形成工程において用いる溶液におけるレゾール液とメタノールの割合を10:90〜60:40の範囲内で変量した。これにより、実施例1〜4の試験片70では、金属片72の表面に、接着層として、第1接着層と第2接着層とが形成される。
以上の処理を施した金属片72に対して、15mm×12.5mmの範囲で被覆するように、上述のフェノール樹脂を短繊維の炭素繊維で補強した樹脂組成物を用いて射出成形を行って樹脂片71を作製した(被覆工程)。そして、180℃で6時間アニールして、金属片72と樹脂片71の間に接着層(第1接着層及び第2接着層)のある試験片70を作製した。このように実施例1〜4の試験片70は、化学エッチング処理工程(表面処理工程→FPL処理工程)→第1接着層形成工程→第2接着層形成工程からなる工程により作製される。
実施例5は、実施例1〜4の工程から、FPL処理工程を除いた工程により、金属片72と樹脂片71の間に接着層(第1接着層及び第2接着層)のある試験片70を作製した。実施例5の試験片70は、化学エッチング処理工程(表面処理工程)→第1接着層形成工程→第2接着層形成工程からなる工程で作製される。
実施例6は、実施例1〜4の工程から、表面処理工程を除いた工程により、金属片72と樹脂片71の間に接着層(第1接着層及び第2接着層)のある試験片70を作製した。実施例6の試験片70は、化学エッチング処理工程(FPL処理工程)→第1接着層形成工程→第2接着層形成工程からなる工程で作製される。
比較例1は、実施例1〜4の工程から第2接着層形成工程を除いた工程により、金属片72と樹脂片71の間に接着層(第1接着層のみ)のある試験片70を作製した。比較例1の試験片70は、化学エッチング処理工程(表面処理工程→FPL処理工程)→第1接着層形成工程からなる工程で作製される。
比較例2は、実施例1〜4の工程から、第1接着層形成工程を除いた工程により、金属片72と樹脂片71の間に接着層(第2接着層のみ)のある試験片70を作製した。比較例2の試験片70は、化学エッチング処理工程(表面処理工程→FPL処理工程)→第2接着層形成工程からなる工程で作製される。また、表4に示すように、第2接着層形成工程において用いる溶液におけるレゾール液とメタノールの割合を実施例2と同じにした。
比較例3は、実施例1〜4の工程から、表面処理工程及び第2接着層形成工程を除いた工程により、金属片72と樹脂片71の間に接着層(第1接着層のみ)のある試験片70を作製した。比較例3の試験片70は、化学エッチング処理工程(FPL処理工程)→第1接着層形成工程からなる工程で作製される。
比較例4及び比較例5は、実施例1〜4の工程と同様の工程で作製するものの、表4に示すように、第2接着層形成工程において用いる溶液におけるレゾール液とメタノールの割合を10:90〜60:40の範囲以外で変量した。
比較例6は、実施例1〜4の工程から、化学エッチング処理工程(表面処理工程、FPL処理工程)及び第1接着層形成工程を除いた工程により、金属片72と樹脂片71の間に接着層(第2接着層のみ)のある試験片70を作製した。比較例6の試験片70は、第2接着層形成工程のみからなる工程で作製される。
以上のように作製された実施例1〜6及び比較例1〜6の試験片70をオートグラフAG−X 5kNを用いて、試験速度「5mm/min」、雰囲気温度「室温」の条件で、図8(a)、(b)に示す矢印の方向に引っ張り、試験片70のせん断力を測定した。測定は3回行い、その平均値を算出した。
尚、表4の「第2接着処理液混合比」は、第2接着層形成工程において用いる溶液(以下、「第2接着処理液」と称する場合がある)における、レゾール液とメタノールの割合を質量%で示している。また、表4の「第2接着処理液組成」は、第2接着処理液における、樹脂成分と溶媒の割合を質量%で示している。このように、「第2接着処理液混合比」と「第2接着処理液組成」の割合が異なるのは、レゾール液が溶媒を含んでいるからである。
[耐久走行試験]
また、上述の本実施形態の伝動ベルト1の耐久性を評価するため、伝動ベルト1の耐久走行試験を行った。耐久走行試験では、ブロック10の接着層60の構成以外の構成が上述の本実施形態に係る伝動ベルト1と同様の構成の伝動ベルト1を用いた。具体的には、上述のせん断力試験で作製した実施例1〜6及び比較例1〜6の試験片70と同様の工程により処理を行ったジュラルミン(A2024T3)製のインサート材40を表3に示す組成の樹脂組成物で被覆し、樹脂被覆層50でインサート材40を埋設し、実施例1〜6及び比較例1〜6の伝動ベルト1に用いるブロック10を多数作製した。そして、作製した多数のブロック10を張力帯2に組み込んで、実施例1〜6及び比較例1〜6の伝動ベルト1を作製した。伝動ベルト1は心線4を中心としたピッチライン上のベルト周長を612mm、心線4を中心としたピッチライン上のベルト幅を25mm、ブロック10のベルト厚み方向の長さを13mm、ブロック10のベルト長手方向の長さを2.95mm、ブロック10のベルト長手方向のピッチ(ブロック10の中心と隣接するブロック10の中心間の距離)は3mmとした。なお、張力帯2のゴム層5は、「水素化ニトリルゴム」と「ジメタクリル酸亜鉛を配合した水素化ニトリルゴム」との混合物からなるゴム組成物で形成した。心線4にはアラミド繊維をRFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理及びゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理を施した直径0.72mmの撚りコードを用いた。ゴム層5の上下面を被覆する補強布6は、それぞれナイロン繊維の織布をRFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理並びにゴム糊に浸漬及びゴム糊をコートした後に乾燥させる処理を施した厚み0.8mmの帆布を用いた。
Figure 0006700143
耐久走行試験では、実施例1〜6及び比較例1〜6の各伝動ベルト1を駆動プーリ31と従動プーリ32とに巻き掛けて、60℃の雰囲気下で駆動プーリ31を回転させた。ここで、駆動プーリ31のピッチ径は120mm、従動プーリ32のピッチ径は70mmとし、プーリのV溝の角度はそれぞれ26°とした。無負荷の場合の駆動プーリ31の回転数が5000rpmとなるように設定し、耐久走行試験中の従動プーリ32の負荷は45kWとした。駆動プーリ31と従動プーリ32の軸荷重は、負荷に対してベルトがスリップしない程度とし、具体的には2000Nとした。尚、耐久走行試験中の軸荷重が一定となるように、両プーリの軸間距離は固定しなかった。以上の走行試験条件の下で、走行時間400時間を上限として打ち切り、耐久走行試験を行った。走行時間400時間までに伝動ベルトが破損した場合は、その破損形態を評価した。
[結果]
以上のようにして行ったせん断力試験において算出されたせん断力の結果、及び、耐久走行試験による走行寿命及び破損形態の結果を、表4に示す。尚、表4に示す化学エッチング処理工程、第1接着層形成工程、及び、第2接着層形成工程の各工程の丸印は、実施例1〜6及び比較例1〜6でそれぞれ行った工程を意味する。
Figure 0006700143
[考察]
表4のせん断力試験の結果から、実施例1〜6の試験片70のせん断力が、第1接着層または第2接着層の片方しか備えない比較例1〜3の試験片70のせん断力より高く、樹脂片71と金属片72の接着性が優れていることが確認された。また、表4の耐久走行試験の結果から、比較例1〜4の伝動ベルト1は267時間以下で樹脂欠けが発生したのに対して、実施例1〜6の伝動ベルト1は400時間経過後も破損せず、耐久性が高いことが確認された。以下、表4のせん断力試験及び耐久走行試験の結果に基づいて、より詳細に考察する。
せん断力試験の結果から、比較例1の試験片70は、実施例1〜4の試験片70から第2接着層を除いた構成であるが、せん断力は実施例1〜4の試験片70が約2100N以上であったのに対して、比較例1の試験片70は1780Nしか示さず、せん断力が低かった。また、比較例3は実施例6から第2接着層を除いた構成であるが、比較例3の試験片70も比較例1の試験片70と同様に、実施例6の試験片70と比べて低いせん断力であった。このように、シランカップリング剤を用いて形成した第1接着層のみでも金属と樹脂を接着することはできるが、第2接着層としてレゾール系フェノール樹脂を用いることで、せん断力が大きく向上することが分かった。
また、比較例2の試験片70は実施例2の試験片70から第1接着層を除いた構成であるが、せん断力は比較例2の試験片70は1195Nと低いものであった。このように、第1接着層を形成するシランカップリング剤なしでは、レゾール系フェノール樹脂を用いて形成した第2接着層のみでは金属と樹脂を強固に接着させることができないことが分かった。尚、上述した特許文献6では、NAT処理と呼ばれる特殊な処理を行っているため、シランカップリング剤を用いずに、レゾール系フェノール樹脂を接着剤として用いて、金属とフェノール樹脂を強固に接着していることが推測される。
また、比較例4の試験片70と、実施例1〜4の試験片70とを比較すると、第2接着処理液として用いるレゾール液とメタノールの割合が10:90〜60:40の溶液を用いて第2接着層を形成した実施例1〜4の試験片70のせん断力は、レゾール液とメタノールの割合が5:95の溶液を用いて第2接着層を形成した比較例4の試験片70のせん断力より大きい。従って、レゾール液とメタノールの割合が5:95の溶液では、レゾール系フェノール樹脂の濃度が薄く、第2接着層による樹脂片71と金属片72の接着性が十分得られないことがわかる。
また、実施例5の試験片70は、実施例2の試験片70からFPL処理を除いた構成である。実施例5の試験片70は、実施例2の試験片70と比較するとせん断力は低かったものの、比較例1〜3の試験片70と比べると高いせん断力を示した。また、実施例6の試験片70は実施例2から表面処理を除いた構成であるが、実施例6の試験片70もまた実施例5の試験片70と同様に、比較例1〜3の試験片70と比べると比較的高いせん断力を示した。これらの結果より、第1接着層、第2接着層の両方を備える構成においては、化学エッチング処理工程において、表面処理またはFPL処理を除いたとしても高い接着性を維持できることが分かった。
また、実施例1〜6の試験片70は、第2接着処理液として用いるレゾール液とメタノールの割合が10:90〜60:40、つまり、樹脂材料と有機溶媒の割合が7:93〜42:58でレゾール液とメタノールの混合割合を変量している。そして、第2接着処理液として用いるレゾール液とメタノールの割合が30:70(つまり、樹脂材料と有機溶媒の割合が21:79)である実施例2の試験片70のせん断力が最も高く、それよりもレゾール液が少なくなった実施例1の試験片70、及びレゾール液が多くなった実施例3、4の試験片70では、実施例2の試験片70よりもせん断力が若干低下する傾向にあった。これは、異種材料接着体は、一般にせん断力を高めるためには接着層の厚みは薄い方がよく、実施例3の試験片70及び実施例4の試験片70では第2接着処理液の樹脂成分の濃度が高くなった結果、接着層の厚みが厚くなり、実施例3、4の試験片70のようにせん断力が若干低下したものと考えられる。一方、第2接着処理液の樹脂成分の濃度が低くなると、接着層の厚みが薄くなるものの、接着成分が不足し、実施例1の試験片70のようにせん断力が若干低下すると考えられる。
尚、比較例5の試験片70のように、第2接着処理液におけるレゾール液とメタノールの割合が60:40(つまり、樹脂材料と有機溶媒の割合が42:58)を超えて、レゾール液の割合がメタノールの割合より多くなると、第2接着処理液を金属片72に均一に塗布することができなかった。これは、液状の第2接着処理液の濃度が濃く、第2接着処理液の粘度が高すぎるために金属片72の表面に均一に塗布することが困難であり、第2接着層が形成できないことがわかる。
また、比較例6の試験片70は、樹脂片71と金属片72とが接着しなかった。従って、接着層に、第2接着層が形成されていたとしても、第1接着層が形成されていなければ、樹脂片71と金属片72とが接着しないことがわかる。
そして、耐久走行試験の結果から、比較例1〜4の伝動ベルト1は、すべて267時間以下の短時間で樹脂欠け故障となった。これは、比較例1〜4の伝動ベルト1は、インサート材40と樹脂被覆層50との接着性が低いために、プーリから受ける側圧によりインサート材40と樹脂被覆層50が剥離したことが原因と考えられる。
一方、実施例1〜6の伝動ベルト1は、すべて400時間経過後も樹脂欠けをはじめとする故障は起こらず、実用上十分な耐久性を有していると判断できる。実施例1〜6の伝動ベルト1は、第1接着層61と第2接着層62の両方を備えることで、インサート材40と樹脂被覆層50の接着力が向上し、伝動ベルト1の耐久性が大きく向上したものと考えられる。
以上のように、せん断力試験及び耐久走行試験の結果から、実施例1〜6の試験片70及び伝動ベルト1は、すべて400時間経過後も樹脂欠けをはじめとする故障は起こらず、実用上十分な耐久性を有していると判断できる。また、せん断力試験及び耐久走行試験の結果から、実施例1〜6の試験片70及び伝動ベルト1は、接着層に第1接着層61と第2接着層62の両方を備えることで、インサート材40と樹脂被覆層50の接着力が向上し、伝動ベルト1の耐久性が大きく向上したものと考えられる。つまり、伝動ベルト1のせん断力を高くし、耐久性を向上させるためには、接着層が第1接着層61と第2接着層62の両方を備えることが良いことがわかった。特に、伝動ベルト1の接着層に第2接着層62を設けることで接着性が大きく向上したことが分かる。この理由について以下のように推測することができる。シランカップリング剤(第1接着層61)は水分によって加水分解してシラノール基を生成し、シラノール基と金属(インサート材40)表面の水酸基とが水素結合を経て共有結合を形成する。また、金属(インサート材40)の表面側とは反対側に位置するシランカップリング剤(第1接着層61)上の官能基が樹脂(第2接着層62)の官能基と結合することで、金属(インサート材40)と樹脂(第2接着層62)がシランカップリング剤(第1接着層61)を介して接着する。ここで金属(インサート材40)は金型内で静止しているが、樹脂(樹脂被覆層50)は加温されて粘度が低下した状態で金型内に射出され、流動状態にあると考えられる。つまり、射出されて流動している樹脂(樹脂被覆層50)と反応するには、金属(インサート材40)表面に結合して静止しているシランカップリング剤(第1接着層61)よりも、予めシランカップリング剤(第1接着層61)に積層するように塗布され、シランカップリング剤(第1接着層61)の近傍でほぼ静止している樹脂(第2接着層62)の方がより接着しやすいと考えられる。このように考えると、第2接着層62を設けずに樹脂を射出して樹脂被覆層50を形成するよりも、第2接着層62として予め樹脂を付着させた後に樹脂を射出して樹脂被覆層50を形成するほうが、樹脂被覆層50と第1接着層61との接着性が大きく向上すると推測される。
また、伝動ベルト1の高いせん断力と耐久性を確保するためには、第2接着処理液として用いるレゾール液とメタノールの割合が10:90〜60:40、つまり、樹脂材料と有機溶媒の割合が7:93〜42:58であれば良いことが分かった。更に、伝動ベルト1のより高いせん断力と耐久性を確保するためには、第2接着処理液として用いるレゾール液とメタノールの割合が30:70(つまり、樹脂材料と有機溶媒の割合が21:79)が特に良いことが分かった。
また、伝動ベルト1に用いられるブロック10を製造する化学エッチング処理工程においては、表面処理とFPL処理を行うことが好ましいものの、第1接着層、第2接着層の両方を備える伝動ベルト1の構成においては、表面処理またはFPL処理のいずれか一方の処理を行うことにより、伝動ベルト1のせん断力を高くし、耐久性を向上することができることが分かった。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
例えば、上述の実施形態では、金属材料で形成されたインサート材40を樹脂製の樹脂被覆層50で被覆する場合について説明したが、インサート材40の材料はこれに限定されるものではない。インサート材40は、樹脂被覆層50の材料よりも高強度であればよく、例えば樹脂材料とすることもできる。
また、例えば、上述の実施形態における伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法において、表面処理工程の後であり、且つ、第1接着層形成工程の前に、インサート材40に対して、FPL処理を行ってもよい。
本発明を利用すれば、樹脂被覆層とインサート材との接着性を確保し、走行中に樹脂被覆層がインサート材から剥離するのを防止することができる伝動ベルト、伝動ベルトに用いられるブロック、並びに、伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法を提供することができる。
1 伝動ベルト
2 張力帯
10 ブロック
14 嵌合溝
30 ベルト式無段変速装置
40 インサート材
50 樹脂被覆層
60 接着層
61 第1接着層
62 第2接着層

Claims (5)

  1. エンドレスの張力帯と、前記張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで配列され、前記張力帯が嵌合される嵌合溝を有する複数のブロックとを備える伝動ベルトであって、
    前記ブロックは、金属材料からなるインサート材と、前記インサート材を被覆する充填剤が配合された樹脂材料からなる樹脂被覆層と、前記インサート材と前記樹脂被覆層との間に介在する接着層と、を有し、
    前記接着層は、前記インサート材側に配置された接着材料からなる第1接着層と、前記樹脂被覆層側に配置された前記充填剤が含まれない樹脂材料からなる第2接着層とが積層されて形成されることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 無段変速装置に用いられることを特徴とする請求項に記載の伝動ベルト。
  3. エンドレスの張力帯と、前記張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで配列され、前記張力帯が嵌合される嵌合溝を有する複数のブロックとを備える伝動ベルトに用いられる前記ブロックであって、
    金属材料からなるインサート材と、
    前記インサート材を被覆する充填剤が配合された樹脂材料からなる樹脂被覆層と、
    前記インサート材と前記樹脂被覆層との間に介在し、前記インサート材側に配置された接着材料からなる第1接着層と、前記樹脂被覆層側に配置された樹脂材料からなる前記充填剤が含まれない第2接着層とが積層されて形成される接着層と、
    を有することを特徴とする伝動ベルトに用いられるブロック。
  4. エンドレスの張力帯と、前記張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで配列され、前記張力帯が嵌合される嵌合溝を有する複数のブロックとを備える伝動ベルトに用いられる前記ブロックの製造方法であって、
    アルカリ及び酸又は酸のみを用いて、金属材料からなるインサート材の表面処理を行い、前記インサート材の表面を粗面化すると共に、前記インサート材の表面に形成された酸化被膜を除去する化学エッチング処理工程と、
    前記インサート材の表面に、液状の接着材料を付着させて、前記インサート材の表面に第1接着層を形成する第1接着層形成工程と、
    前記第1接着層の表面に、充填剤が含まれない液状の樹脂材料と有機溶媒を混合した溶液を付着させて、前記第1接着層の表面に第2接着層を形成する第2接着層形成工程と、
    射出成形により、前記第2接着層の表面に、前記充填剤が配合された樹脂材料からなる樹脂被覆層を形成する被覆工程と、
    を有することを特徴とする伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法。
  5. 前記溶液は、樹脂材料と有機溶媒の割合が、7:93〜42:58となるように混合されたことを特徴とする請求項に記載の伝動ベルトに用いられるブロックの製造方法。
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