JP2003221785A - ゴム補強用コードの接着剤、ゴム補強用コード、伝動ベルトおよび伝動ベルトの製造方法 - Google Patents

ゴム補強用コードの接着剤、ゴム補強用コード、伝動ベルトおよび伝動ベルトの製造方法

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JP2003221785A JP2002020071A JP2002020071A JP2003221785A JP 2003221785 A JP2003221785 A JP 2003221785A JP 2002020071 A JP2002020071 A JP 2002020071A JP 2002020071 A JP2002020071 A JP 2002020071A JP 2003221785 A JP2003221785 A JP 2003221785A
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Tomohisa Kakei
智央 加計
Tsutomu Tokunaga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温環境下における心線とベルト本体との接
着力を向上させることで、走行寿命の長い伝動ベルトを
得る。 【解決手段】 伝動ベルト10のベルト本体14に心線
16を埋設する。ベルト本体14をゴム組成物から加硫
成型し、同時に心線16をベルト本体14に加硫接着す
る。心線16を一対のゴム補強用コード160Sおよび
160Zから構成し、ゴム補強用コード160Sおよび
160Zの表面をレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテ
ックス組成物で被覆し、さらに最外層部にハロゲン含有
ポリマー、アクリル樹脂モノマー、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、架橋剤および耐熱性を向上させるための添
加剤を配合した接着層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝動ベルト等のゴ
ム製品の補強材として使用されるゴム補強用コードに関
し、特にゴム補強用コードとゴムとの接着性を向上させ
る接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伝動ベルトとしては、例えば自動車エン
ジンのベルトシステムに用いられる歯付きベルト、Vベ
ルトおよびVリブドベルト等が知られており、これら伝
動ベルトはプーリとの噛み合いまたはプーリとの摩擦に
よって駆動力を伝達する。伝動ベルトは、主にゴムから
なるベルト本体と、ベルト本体に埋設されたゴム補強用
コードと、ベルト本体の表面を被覆する帆布とから構成
される。
【0003】近年、エンジンの小型化および省エネルギ
ー化に伴ってエンジンおよびエンジンルーム内の雰囲気
温度は高まる傾向にあり、耐熱性に優れた伝動ベルトが
求められている。このため、伝動ベルトのベルト本体に
は従来のクロロプレンゴムに替わって耐熱性に優れた水
素添加ニトリルブタジエンゴムやエチレン−プロピレン
共重合ゴムやエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
ゴムなどを加硫することにより架橋されたゴムが使用さ
れ、ゴム補強用コードにも耐熱性に優れた高強度ガラス
繊維やアラミド繊維等が使用されている。ゴム補強用コ
ードの表面は、屈曲疲労性や防水性を向上させるために
レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(以下、R
FLと記載する)組成物で被覆され、さらに、一般的に
ベルト本体との接着性を向上させるためにベルト本体と
同じゴム組成物を含む接着剤がコード表面に設けられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにベルト本体
およびゴム補強用コード自体の耐熱性は素材の改良によ
り向上したが、ベルト本体とゴム補強用コードとの接着
剤の耐熱性は考慮されていなかったため十分ではなく、
高温環境下ではベルト本体とゴム補強用コードとの界面
で早期剥離が生じて伝動ベルトの寿命が低下するという
問題が生じる。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされ、耐熱
性に優れたゴム補強用コードの接着剤および長時間の高
温環境下においても耐久性の優れたゴム補強用コードお
よび伝動ベルトを得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るゴム補強用
コードの接着剤は、レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラ
テックス組成物で被覆されたゴム補強用コードの最外層
部に用いられる接着剤であって、ハロゲン含有ポリマ
ー、アクリル樹脂モノマー、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、架橋剤および耐熱性を向上させるための添加剤が
配合されることを特徴とする。耐熱性を向上させるため
の添加剤が配合されることにより、高温環境下における
ゴムとゴム補強用コードとの接着性を向上できる。
【0007】上記接着剤に配合される耐熱性を向上させ
るための添加剤には、例えば炭素族元素の化合物、また
は亜鉛族元素の化合物とアルカリ土金属の化合物との混
合物、または炭素族元素の化合物とアルカリ土金属の化
合物との混合物、または炭素族元素の化合物とアルカリ
土金属の化合物と亜鉛族元素の化合物との混合物のうち
少なくとも1つが配合されることが好ましい。
【0008】また、本発明に係るゴム補強用コードは、
レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス組成物で被
覆され、さらに最外層にゴムと加硫接着するための接着
層が形成されており、この接着層が、ハロゲン含有ポリ
マー、アクリル樹脂モノマー、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、架橋剤および耐熱性を向上させるための添加剤
が配合された接着剤によって形成されることを特徴とす
る。
【0009】上記接着層は0.01ないし0.03mm
の厚みを有することが好ましく、また上記接着層が接着
剤の塗布後に100ないし150℃の温度環境下におい
て0.5ないし2分間だけ乾燥させられることにより形
成されることが好ましい。
【0010】上記ゴム補強用コードは、室温環境下にお
けるゴムに対する接着強度に対して、120℃雰囲気下
におけるゴムに対する接着強度の低下率が50%以下で
あることが好ましい。
【0011】上記ゴム補強用コードは、例えば高強度ガ
ラス繊維または有機合成繊維の繊維束を撚ることにより
得られる。
【0012】また、本発明に係る伝動ベルトは、ゴム組
成物により生成されるベルト本体と、ベルト本体に埋設
され表面をレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス
組成物で被覆されたゴム補強用コードとを備え、ベルト
本体とゴム補強用コードとを加硫接着するために、ゴム
補強用コードの最外層部にハロゲン含有ポリマー、アク
リル樹脂モノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、架
橋剤および耐熱性を向上させるための添加剤が配合され
た接着層が設けられることを特徴とする。
【0013】上記伝動ベルトにおいて、室温環境下にお
けるベルト本体に対する引き抜き強度に対して、120
℃雰囲気下におけるベルト本体に対する引き抜き強度の
低下率が50%以下であることが好ましい。
【0014】上記伝動ベルトにおいて、ゴム補強用コー
ドは、例えば高強度ガラス繊維または有機合成繊維の繊
維束を撚ることにより得られることが好ましく、またベ
ルト本体が水素添加ニトリルゴムまたはエチレン−プロ
ピレン共重合体またはエチレン−プロピレン−ジエン三
元共重合体配合物を主成分とするゴム組成物を加硫する
ことにより得られることが好ましい。
【0015】また、本発明に係る伝動ベルトの製造方法
は、ゴム補強用コードの表面をレゾルシン−ホルムアル
デヒド−ラテックス組成物で被覆する第1ステップと、
ハロゲン含有ポリマー、アクリル樹脂モノマー、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、架橋剤および耐熱性を向上さ
せるための添加剤が配合された接着剤をゴム補強用コー
ドの最外層部に塗布する第2ステップと、接着剤付きゴ
ム補強用コードをゴムに埋設して加硫成型することによ
り伝動ベルトを得る第3ステップとを備えることを特徴
とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
添付図面を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の実施形態である伝動ベル
トの一部を破断して示す斜視図である。本実施形態の伝
動ベルト10は歯付きベルトであり、一方の面に歯部1
2が形成されたベルト本体14と、ベルト本体14に埋
設された心線16と、ベルト本体14の歯部側表面を被
覆する帆布18とを備える。
【0018】ベルト本体14を構成するゴム組成物の主
成分ポリマーとしては、水素添加ニトリルブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合体ゴムおよびエチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴムの単体、または
これら3種のポリマーと不飽和カルボン酸金属塩との混
合ポリマー等が好適に用いられる。ゴム組成物には、上
記主成分ポリマーの他に、必要に応じて硫黄または過酸
化物等の加硫剤、加硫助剤、硬化剤等の種々の添加剤が
添加される。ポリマーは加硫処理によって架橋される。
【0019】帆布18は、例えばアラミド繊維およびナ
イロン繊維等の合成繊維から成る織布であり、その表面
にはベルト本体14との接着性を向上させるための接着
剤等が必要に応じて塗布される。帆布18の織り構成
は、一例として平織、綾織等が挙げられるが、特に限定
されない。帆布18は加硫処理時にベルト本体14に加
硫接着される。
【0020】ゴム補強用コード16の素材には高強度ガ
ラス繊維や有機合成繊維が好適に用いられ、有機合成繊
維の具体例としては例えばアラミド繊維、ポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール繊維、カーボン繊維、ポ
リエステル繊維、ポリエチレン−2、6−ナフタレート
繊維またはレーヨン繊維等等が挙げられる。アラミド繊
維は高強度でかつ耐熱性および屈曲性に優れた素材のた
め特に好適に用いられ、具体的にはポリパラフェニレン
テレフタルアミド(商品名ケブラー;デュポン社製)、
ポリメタフェニレンイソフタルアミド(商品名コーネッ
クス;帝人社製)、ポリ−3,4’オキシジフェニレン
テレフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミ
ド共重合体(商品名テクノーラ;帝人社製)、ポリパラ
アミノベンズアミドおよびポリパラアミノベンズヒドラ
ジドテレフタルアミド等が用いられる。
【0021】心線16は、一対のゴム補強用コード16
0Sおよび160Zをベルト長手方向に沿って螺旋状に
巻回して得られ、一対のゴム補強用コードの一方(16
0S)はS撚り方向に撚られ、その他方(160Z)は
Z撚り方向に撚られている。
【0022】図2は、心線16を構成するS撚りのゴム
補強用コード160Sの一例を一部破断して示す斜視図
である。S撚りのゴム補強用コード160Sは、上記素
材からなる微小径のフィラメント162を多数本集束し
て得られるストランド164を所定の撚糸条件で撚るこ
とにより得られる。図2に示す例では、直径7μmのフ
ィラメント162を200本集束してストランド164
を得、さらに3本のストランド164をZ撚り方向に下
撚りをかけて下撚り糸166を得た後、この下撚り糸1
66を11本集束してS撚り方向に上撚りをかけること
により、S撚りのゴム補強用コード160Sが得られ
る。なお、Z撚りのゴム補強用コード160Zは、下撚
りにおいてS撚り方向に撚られ、上撚りにおいてZ撚り
方向に撚られること以外はS撚りのゴム補強用コード1
60Sと同じ構成を有する。
【0023】ゴム補強用コード160Sを構成するフィ
ラメント162の表面はRFL膜により被覆される、具
体的には下撚りの前のストランド164がレゾルシンと
ホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したRF
L溶液に浸漬された後、乾燥・加熱されて、RFLの固
形成分がストランド164即ち各フィラメント162の
表面に固着させられる。これにより個々のフィラメント
162同士の摩擦によるゴム補強用コード160Sの亀
裂や破断が防止され、またゴム補強用コード160Sの
防水性が向上する。RFL溶液において、RFLの配合
比率は適宜選択され、必要に応じて老化防止剤および安
定剤が添加される。なお、ゴム補強用コード160Sが
有機合成繊維の場合にはRFL処理の前に、エポキシ樹
脂またはイソシアネート組成物により被覆処理されるこ
とが好ましい。
【0024】RFL溶液のラテックスには接着層168
との接着性が良好なものが選択され、具体的にはブタジ
エン−スチレン−ビニルピリジン三元共重合体ラテック
ス(商品名Nipol−2518FS;日本ゼオン社
製)、ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス、ブタ
ジエンラテックス、クロロスルフォン化ポリエチレンラ
テックス、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ラテ
ックス、水素化ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ラテックス等のうち、単体もしく
は2種以上の混合物が好適に用いられる。
【0025】ゴム補強用コード160Sの最外層には均
一な厚みの接着層168が形成され、ゴム補強用コード
160Sのベルト本体14に対する接着性が向上させら
れる。接着層168の厚みは0.01ないし0.03m
mが好ましい。ゴム補強用コード160Sとベルト本体
14との接着力は接着層168が厚くなるほど増加する
傾向にあり、厚みが0.01mm以上であれば十分な接
着力が得られるが、厚みが0.03mmを超えても接着
力は略一定値を示す。従って、少ない量の接着剤で所望
の接着力を得るためには、接着層168の厚みは0.0
1〜0.03mmに設定することが好ましい。接着層1
68を形成するために用いられる接着剤には、ハロゲン
含有ポリマー、アクリル樹脂モノマー、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、カーボンブラック等の充填材、架橋剤
および耐熱性を向上させるための添加剤が配合される。
【0026】接着剤に配合されるハロゲン含有ポリマー
としては、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ゴ
ム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、塩素化エ
チレン−プロピレン共重合体および塩素化ポリ塩化ビニ
ル等が好ましく、特にクロロスルフォン化ポリエチレン
(商品名ハイパロン;デュポン・ダウ・エラストマー社
製)が好適である。
【0027】また、接着剤に配合されるアクリル樹脂モ
ノマーとしては、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸i−ブチルおよびメタクリル酸t−ブチル等が好
ましく、特にメタクリル酸が好適である。
【0028】また、接着剤に配合されるエポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型、フェノールノボラック
型、クレゾールノボラック型、臭素化ビスフェノールA
型、脂環型および可撓性エポキシ等が好ましく、特にビ
スフェノールA型が好適である。
【0029】また、接着剤に配合されるカーボンブラッ
クとしては、昭和キャボット社製のN330、N550
およびN762(商品名)等が好ましいが、特に限定さ
れない。
【0030】また、接着剤に配合されるフェノール樹脂
としては、熱可塑性フェノール樹脂、熱硬化性二段法フ
ェノール樹脂、熱硬化性一段法フェノール樹脂、熱反応
性アルキルフェノール樹脂、非熱反応性アルキルフェノ
ール樹脂およびテルペン変性フェノール樹脂等が好まし
く、特に熱硬化性二段法フェノール樹脂(商品名スミラ
イトレジンPR12687;住友デュレズ株式会社製)
が好適である。
【0031】また、接着剤に配合される架橋剤として
は、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイル・
キノンジオキシムおよびテトラクロロ−p−ベンゾキノ
ンが好ましく、特にp−キノンジオキシム(商品名バル
ノックGM;大内新興社製)が好適である。
【0032】また、耐熱性を向上させるための添加剤と
しては、(1)炭素族元素の化合物である一酸化鉛、酸
化第一錫、酸化第二錫、塩化第一錫、塩化第二錫および
ステアリン酸鉛や、(2)炭素族元素化合物を含んだ混
合物であるメチル・錫・メルカプタン系添加剤、ブチル
・錫・ラウレート系添加剤、ブチル・錫・マレート系添
加剤、ブチル・錫・メルカプタン系添加剤およびオクチ
ル・錫系添加剤や、(3)亜鉛族元素の化合物とアルカ
リ土金属の化合物との混合物であるバリウム・亜鉛系添
加剤およびカルシウム・亜鉛系添加剤や、(4)炭素族
元素の化合物とアルカリ土金属の化合物との混合物であ
るカルシウム・錫系添加剤や、炭素族元素の化合物とア
ルカリ土金属の化合物と亜鉛族元素の化合物との混合物
であるカルシウム・亜鉛・錫系添加剤等が好ましい。本
実施形態では、特に酸化第一錫、またはブチル・錫・マ
レート系添加剤(商品名グレッグT−7052;大日本
インキ社製)、またはブチル・錫・メルカプタン系添加
剤(商品名グレッグT−186;大日本インキ社製)ま
たはバリウム・亜鉛系添加剤(商品名グレッグMP−5
86L;大日本インキ社製)が好適に用いられる。
【0033】図3を参照して、本実施形態の伝動ベルト
10の製造方法について説明する。まず、第1工程で
は、高強度ガラス繊維のフィラメント162を200本
集束してストランド164を得、さらにストランド16
4を3本引き揃えたものにコード表面処理装置100に
よってRFL処理を施す、具体的にはロール102から
繰り出された3本のストランド164を、RFL溶液を
満たした液槽104に順に浸漬させて、RFL溶液をス
トランド164に付着・含浸させた後、熱風炉106に
おいて所定条件(温度および時間)で乾燥・加熱してR
FL溶液を乾燥・固化させることにより、ストランド1
64を構成するフィラメント162の表面にRFL膜を
生成する。RFL処理が施されたストランド165はロ
ール108に巻き取られる。
【0034】第2工程では、RFL膜付きのストランド
165から心線16と成るべきコード材料を作成する。
具体的には、RFL膜付きのストランド165に下撚り
および上撚りをかけて上撚り糸167を得、さらにコー
ド表面処理装置110によって接着処理を施してゴム補
強用コード160S(または160Z)を得る。接着処
理に用いられるコード表面処理装置110はRFL処理
に用いられるコード表面処理装置100と同様の構成を
有している。コード表面処理装置110では、ロール1
12から繰り出された上撚り糸167を、上述した配合
の接着剤を溶剤に溶かして液状にしたものを満たした液
槽114に送り出して順に浸漬させ、接着剤を上撚り糸
167に付着・含浸させた後、熱風炉116において所
定条件(温度および時間)で乾燥・加熱して接着剤を乾
燥・固化させ、これにより上撚り糸167の表面に一定
の厚みの接着層(168)を形成して成るゴム補強用コ
ード160S(または160Z)を得る。そして、コー
ド表面処理装置110から得られた一対のゴム補強用コ
ード160Sおよび160Zを螺旋状に巻回して心線1
6となるべきコード材料を得る。
【0035】第3工程では、円筒状に縫合された帆布材
料120を歯部の形状に応じた溝を有する円筒形モール
ド122に被せ、その外側に第2工程で得られたコード
材料169を一定の張力を作用させながら螺旋状に巻き
つけ、さらにその外側にベルト本体14となるべき未加
硫のゴムシート124を巻きつける。
【0036】第4工程では、円筒形モールド122に加
硫用スリーブ126を嵌合して全体を覆い、スチーム加
硫釜128を用いて所定条件(温度、圧力および時間)
下で加圧加硫する。この加硫処理においては、帆布材料
120、ゴムシート124およびコード材料169を一
体的に加硫接着すると同時に、ゴムシート124の一部
がコード材料169の隙間を通って帆布材料120側に
流れ、さらに帆布材料120を押し伸ばすように流動す
ることにより、歯部を形成する。
【0037】第5工程では、スチーム加硫釜128から
取り出した円筒状のベルト材130を所定幅に切断する
ことにより複数本の伝動ベルト10を得る。ベルト材1
30の帆布材料120、ゴムシート124およびコード
材料169は、それぞれ個々の伝動ベルト10を構成す
る帆布18、ベルト本体14および心線16に相当す
る。
【0038】なお、第2工程において乾燥温度は100
〜150℃の範囲内で任意に選択されるが、良好かつ安
定した接着性を得るためには乾燥温度は100〜130
℃が望ましい。乾燥温度は熱風炉106の内部の温度を
制御することにより調整される。また、第2工程におけ
る乾燥時間は0.5〜2分の範囲内で任意に選択される
が、良好かつ安定した接着性を得るためには乾燥時間は
0.5〜1分が望ましい。乾燥時間は熱風炉106の後
段のロール117の巻取速度を制御することにより調整
される。
【0039】コード表面処理装置110における乾燥温
度が100℃より低い、あるいは乾燥時間が0.5分よ
り短い場合には、接着剤に含まれる溶剤が抜けきらない
所謂未乾燥状態のコードが熱風炉116から引き出さ
れ、熱風炉116より後段のロール117に接着剤が取
られて均一な厚みの接着層(168;図2参照)が形成
できなくなる。また乾燥温度が150℃より高い、ある
いは乾燥時間が2分より長い場合には、接着剤の反応が
加硫条件付近にまで進んで、第5工程における加硫時に
ベルト本体14と十分に加硫接着しなくなる恐れがあ
る。接着層168の厚みは0.01〜0.03mmが好
ましく、この厚みであればコード材料169およびゴム
シート124が良好に接着する。
【0040】上述の方法で製造された伝動ベルト10
は、ゴム補強用コード160の最外層に設けられる接着
層168に耐熱性を向上させるための添加剤(酸化第一
錫、またはブチル・錫・マレート系添加剤、またはブチ
ル・錫・メルカプタン系添加剤またはバリウム・亜鉛系
添加剤)を配合するという点が特徴として挙げられる。
【0041】従来、接着剤に耐熱性を向上させるための
添加剤は配合されていなかったため、自動車用エンジン
のような高温で長時間晒される環境下では接着剤の劣化
により、心線とベルト本体との間の剥離あるいは歯部1
2の歯欠けが相対的に早いという問題があった。しか
し、本実施形態の伝動ベルト10では、接着層168に
耐熱性を向上させるための添加剤を配合しているため、
心線16とベルト本体14との間で剥離が生じ難くな
り、高温環境下においても走行寿命の長い伝動ベルト1
0を得ることができる。
【0042】なお、本実施形態においては伝動ベルト1
0は歯付きベルトであるが、その他のタイプのベルト、
例えばベルト本体が台形断面を有するVベルトや、ベル
ト本体の一方の面にベルト長手方向に延びるV溝が形成
されたVリブドベルト等にも本実施形態を適用できるこ
とはいうまでもない。
【0043】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。な
お、説明を容易にするために各構成に上述した実施形態
と同符号を付している。
【0044】まず、固形分40重量%のビニルピリジン
−スチレン−ブタジエンのターポリマーラテックス(商
品名Nipol−2518FS;日本ゼオン社製)45
重量部と、固形分40重量%のクロロスルホン化ポリエ
チレンラテックス(商品名Esprene200;住友
化学工業社製)20重量部と、レゾルシンと固形分含有
量8重量%のホルムアルデヒドとの縮合物30重量部
と、水4重量部とを混合した。そして得られた混合物1
00重量部に、さらに老化防止剤としての鉱油の含有量
が55重量%の液状乳化物1重量部と、濃度25重量%
のアンモニア水1重量部とを添加して混合し、RFL溶
液を得た。
【0045】次に、表1に示す組成を有する直径7μm
の高強度ガラス繊維フィラメント162を、集束剤を付
与しつつ200本集束した後乾燥し、ストランド164
を得た。
【0046】
【表1】
【0047】このストランド164を3本引き揃えて図
3に示すコード表面処理装置100に供給し、RFL処
理を行った。熱風炉106の内部の温度を290℃、乾
燥時間即ち熱風炉106を通過する時間を1分に設定し
た。なお、RFL固形成分の付着量は高強度ガラス繊維
に対して19重量%であった。
【0048】RFL処理された3本のガラス繊維ストラ
ンド164に2.0回/25.4mmのZ撚りを与える
ことにより下撚り糸166を得、さらにこの下撚り糸1
66を11本引き揃えて2.0回/25.4mmのS撚
りを与えることにより上撚り糸167を得た。
【0049】続いて、この上撚り糸167の表面に後述
する実施例接着剤1〜4のいずれか1つを塗布し、最外
層部に接着層168を形成した。この接着処理には図3
に示すコード表面処理装置110を用いた。
【0050】実施例接着剤1は、表2および表3に示す
ように、ハロゲン含有ポリマーとしてクロロスルフォン
化ポリエチレン(※1、商品名ハイパロン;デュポン・
ダウ・エラストマー社製)100重量部、カーボンブラ
ック(※2、商品名N330;昭和キャボット社製)5
重量部、クレー15重量部、フェノール樹脂(※3、商
品名スミライトレジンPR12687;住友デュレズ社
製)8重量部、架橋剤としてp−キノンジオキシム(※
4、商品名バルノックGM;大内新興社製)5重量部、
硬化剤として硬化ロジン(※5、商品名ライムレジンN
o1;荒川化学社製)1重量部、耐熱性を向上させるた
めの添加剤として酸化第一錫3重量部を混合して得た配
合ゴムA100重量部に、さらにアクリル樹脂モノマー
(※9)としてメタクリル酸10重量部、エポキシ樹脂
(※10)としてビスフェノールA10重量部、キシレ
ン50重量部および溶剤(※11)としてトルエン45
0重量部を添加して混合したものである。表2および表
3において”−”は未配合を示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】コード表面処理装置110において熱風炉
116の温度は100〜130℃、乾燥時間は0.5〜
1分であった。実施例接着剤1によって接着層168が
形成された上撚り糸167(以下、実施例コード1と記
載する)において、実施例接着剤1の付着量は実施例接
着剤1の塗布前の重量に対して4重量%であり、得られ
た実施例コード1の断面を電子顕微鏡で観察して接着層
168の膜厚を16点で測定したところ、最大膜厚が
0.0238mm、最小膜厚が0.0089mm、平均
膜厚が0.0169mmであった。
【0054】実施例接着剤2は、耐熱性を向上させるた
めの添加剤として酸化第一錫3重量部の替わりにブチル
・錫・マレート系添加剤(※6、商品名グレッグT−7
052;大日本インキ社製)10重量部を添加すること
以外は実施例接着剤1と同じ配合である(表2および表
3参照)。この実施例接着剤2を用いて実施例コード1
と同様の手法で上撚り糸167の表面に接着層168を
形成し、実施例コード2を得た。
【0055】実施例接着剤3は、耐熱性を向上させるた
めの添加剤として酸化第一錫3重量部の替わりにブチル
・錫・メルカプタン系添加剤(※7、商品名グレッグT
−186;大日本インキ社製)10重量部を添加するこ
と以外は実施例接着剤1と同じ配合である(表2および
表3参照)。この実施例接着剤3を用いて実施例コード
1と同様の手法で上撚り糸167の表面に接着層168
を形成し、実施例コード3を得た。
【0056】実施例接着剤4は、耐熱性を向上させるた
めの添加剤として酸化第一錫3重量部の替わりにバリウ
ム・亜鉛系添加剤(※8、商品名グレッグMP−586
L;大日本インキ社製)10重量部を添加すること以外
は実施例接着剤1と同じ配合である(表2および表3参
照)。この実施例接着剤4を用いて実施例コード1と同
様の手法で上撚り糸167の表面に接着層168を形成
し、実施例コード4を得た。
【0057】比較例コードとして、実施例コード1〜4
と同じ上撚り糸167の表面に、耐熱性を向上させるた
めの添加剤が添加されていない比較例接着剤によって接
着層168を形成したものを用意した。比較例接着剤
は、表2に示す配合ゴムE100重量部にアクリル樹脂
モノマーとしてメタクリル酸10重量部、エポキシ樹脂
としてビスフェノールA10重量部、キシレン50重量
部および溶剤としてトルエン450重量部を添加して混
合したものである。
【0058】上記実施例コード1〜4および比較例コー
ドと、ゴム組成物との接着力を評価するために、各コー
ドをそれぞれ埋設した5つの試料片を作成し、接着強度
を評価した。
【0059】図4は実施例試料片1の斜視図である。表
4に示す配合の未加硫ゴム組成物を混練りしてシート状
に形成し、幅25mm、長さ120mmのゴムシート5
2の一方の面に実施例コード1(符号54)を28本並
べ、さらに補助的に布56を被せてプレス機により加硫
温度150℃、加硫時間20分の加圧加硫を行い、これ
により実施例試料片1(符号50)を得た。
【0060】
【表4】
【0061】実施例試料片2、3、4および比較例試料
片は、実施例コード1の替わりにそれぞれ実施例コード
2、3、4および比較例コードを用いること以外は実施
例試料片1と同じ構成である。
【0062】図5は、試料片50が試験機に取付けられ
た状態を模式的に示す斜視図である。コード54とゴム
シート52との境界部に切れ目を入れ、コード54の端
部を図上方のチャック62に取付け、ゴムシート52の
端部を図下方のチャック64に取付け、両者を50mm
/分の速度で引張する。このときコード54とゴムシー
ト52との剥離に要する力を測定し、測定結果を接着強
度として評価する。この接着試験を、室温環境下と、1
20℃雰囲気下において30分間試料片を放置した後と
で行った。
【0063】表5の試験結果に明らかなように、耐熱性
を向上させる添加剤を配合しない接着層を有する比較例
試料片に比べ、耐熱性を向上させる添加剤を配合した接
着層を有する実施例試料片1〜4の方が、室温および1
20℃雰囲気の双方において接着強度が大きく、また室
温下の接着強度に対する120℃雰囲気下の接着強度の
低下率が50%より低い値であることがわかる。即ち、
実施例接着剤1〜4を伝動ベルト10に適用した場合
に、ベルト本体14と心線16との剥離が抑えられ、か
つ環境温度が室温から高温(120℃雰囲気)に変化し
てもその性能は従来より低下し難いということが理解さ
れる。
【0064】
【表5】
【0065】次に、上記実施例コード1〜4および比較
例コードを心線として用いた歯付きベルトをそれぞれ作
成し、以下に示す方法で室温環境下および120℃雰囲
気下における心線引き抜き強度を評価した。
【0066】実施例ベルト1は、実施例コード1を心線
16に、表4に示す配合の未加硫ゴム組成物をベルト本
体14に用い、上述したベルトの製造方法で作成した幅
19.1mmの歯付きベルトである。実施例ベルト2、
3および4と比較例ベルトは、実施例コード1の替わり
にそれぞれ実施例コード2、3、4および比較例コード
を用いること以外は実施例ベルト1と同じ構成である。
【0067】これら歯付きベルトにおいて、各ベルトの
中央部分の心線を所定の歯ピッチで引き抜けるように部
分的に切断し、ベルトの両端部を引張試験機のチャック
にそれぞれ取り付けて、50mm/分の速度で引張し
た。ベルト本体から心線を引き抜くのに必要な力を測定
し、測定結果を心線引き抜き強度として評価した。この
心線引き抜き試験を、室温環境下と、120℃雰囲気下
において30分間歯付きベルトを放置した後とで行っ
た。
【0068】表6の試験結果に明らかなように、耐熱性
を向上させる添加剤を配合しない接着層を有する比較例
ベルトに比べ、耐熱性を向上させる添加剤を配合した接
着層を有する実施例ベルト1〜4の方が、120℃雰囲
気において心線引き抜き強度が大きく、また室温下の心
線引き抜き強度に対する120℃雰囲気下の心線引き抜
き強度の低下率が50%より低い値であることがわか
る。即ち、実施例接着剤1〜4を伝動ベルト10に適用
した場合に、高温(120℃雰囲気)環境下におけるベ
ルト本体14と心線16との剥離が抑えられ、かつ環境
温度が室温から高温に変化してもその性能は従来より低
下し難いということがわかる。
【0069】
【表6】
【0070】なお、本発明の伝動ベルトは歯付きベルト
に適用しているが、その他のタイプのベルト、例えば両
面に歯部が形成された両歯ベルトや、断面が台形のVベ
ルト、長手方向に延びるV溝が形成されたVリブドベル
トにも適用可能であることはいうまでもない。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明の伝動ベルト
は、心線として用いるゴム補強用コードの接着剤に耐熱
性を向上させる添加剤を配合することによって、耐熱性
に優れたおよび長時間の高温環境下においても耐久性の
優れた伝動ベルトを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である伝動ベルトを一部破断
して示す斜視図である。
【図2】図1に示すS撚りのゴム補強用コードを一部破
断して示す斜視図である。
【図3】図1に示す伝動ベルトの製造方法を模式的に示
す図である。
【図4】心線とゴムとの接着強度を評価する試験に用い
られる試料片を示す斜視図である。
【図5】図4に示す試料片を試験機に取付けた状態を示
す斜視図である。
【符号の説明】
10 伝動ベルト 12 歯部 14 ベルト本体 16 心線 18 帆布 160S S撚りのゴム補強用コード 160Z Z撚りのゴム補強用コード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/248 D06M 15/248 F16G 1/08 F16G 1/08 A // B29K 19:00 B29K 19:00 105:08 105:08 D06M 101:00 D06M 101:00 (72)発明者 徳永 勉 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内 Fターム(参考) 4F213 AA14 AA20 AA37 AA39 AA45 AD04 AD16 AG16 WA03 WA14 WA15 WA32 WA36 WA37 WA38 WA39 WA43 WA52 WA57 WA85 WA92 WB01 WB11 WB21 WC03 WE02 WE11 WE16 WE21 WF05 WF06 WF24 WK01 WK03 WW06 WW15 WW21 WW32 WW33 4J040 EB052 EC002 FA082 MA12 MB02 NA16 4L033 AA02 AA05 AA06 AA08 AA09 AB03 AB05 AC11 BA08 BA10 BA13 BA16 CA15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテッ
    クス組成物で被覆されたゴム補強用コードの最外層部に
    用いられる接着剤であって、 ハロゲン含有ポリマー、アクリル樹脂モノマー、エポキ
    シ樹脂、フェノール樹脂、架橋剤および耐熱性を向上さ
    せるための添加剤が配合されることを特徴とするゴム補
    強用コードの接着剤。
  2. 【請求項2】 前記添加剤には、炭素族元素の化合物、
    または亜鉛族元素の化合物とアルカリ土金属の化合物と
    の混合物、または炭素族元素の化合物とアルカリ土金属
    の化合物との混合物、または炭素族元素の化合物とアル
    カリ土金属の化合物と亜鉛族元素の化合物との混合物の
    うち少なくとも1つが配合されることを特徴とする請求
    項1に記載のゴム補強用コードの接着剤。
  3. 【請求項3】 レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテッ
    クス組成物で被覆され、さらに最外層にゴムと加硫接着
    するための接着層が形成されたゴム補強用コードであっ
    て、 前記接着層が、ハロゲン含有ポリマー、アクリル樹脂モ
    ノマー、エポキシ樹脂、架橋剤および耐熱性を向上させ
    るための添加剤が配合された接着剤によって形成される
    ことを特徴とするゴム補強用コード。
  4. 【請求項4】 前記接着層が0.01ないし0.03m
    mの厚みを有することを特徴とする請求項3に記載のゴ
    ム補強用コード。
  5. 【請求項5】 前記接着層が、前記接着剤の塗布後に1
    00ないし150℃の温度環境下において0.5ないし
    2分間だけ乾燥させられることにより形成されることを
    特徴とする請求項3に記載のゴム補強用コード。
  6. 【請求項6】 室温環境下における前記ゴムに対する接
    着強度に対して、120℃雰囲気下における前記ゴムに
    対する接着強度の低下率が50%以下であることを特徴
    とする請求項3に記載のゴム補強用コード。
  7. 【請求項7】 高強度ガラス繊維または有機合成繊維の
    繊維束を撚ることにより得られることを特徴とする請求
    項3に記載のゴム補強用コード。
  8. 【請求項8】 ゴム組成物により生成されるベルト本体
    と、前記ベルト本体に埋設され表面をレゾルシン−ホル
    ムアルデヒド−ラテックス組成物で被覆されたゴム補強
    用コードとを備え、前記ベルト本体と前記ゴム補強用コ
    ードとを加硫接着するために、前記ゴム補強用コードの
    最外層部にハロゲン含有ポリマー、アクリル樹脂モノマ
    ー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、架橋剤および耐熱
    性を向上させるための添加剤が配合された接着層が設け
    られることを特徴とする伝動ベルト。
  9. 【請求項9】 室温環境下における前記ベルト本体に対
    する引き抜き強度に対して、120℃雰囲気下における
    前記ベルト本体に対する引き抜き強度の低下率が50%
    以下であることを特徴とする請求項8に記載の伝動ベル
    ト。
  10. 【請求項10】 前記ゴム補強用コードが高強度ガラス
    繊維または有機合成繊維の繊維束を撚ることにより得ら
    れることを特徴とする請求項8に記載の伝動ベルト。
  11. 【請求項11】 前記ベルト本体が水素添加ニトリルゴ
    ムまたはエチレン−プロピレン共重合体またはエチレン
    −プロピレン−ジエン三元共重合体配合物を主成分とす
    るゴム組成物を加硫することにより得られることを特徴
    とする請求項8に記載の伝動ベルト。
  12. 【請求項12】 ゴム補強用コードの表面をレゾルシン
    −ホルムアルデヒド−ラテックス組成物で被覆する第1
    ステップと、 ハロゲン含有ポリマー、アクリル樹脂モノマー、エポキ
    シ樹脂、フェノール樹脂、架橋剤および耐熱性を向上さ
    せるための添加剤が配合された接着剤をゴム補強用コー
    ドの最外層部に塗布する第2ステップと、 前記接着剤付きゴム補強用コードをゴムに埋設して加硫
    成型することにより伝動ベルトを得る第3ステップとを
    備えることを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
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