JP6699537B2 - 電子装置 - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、めっき膜が積層されてなる積層めっき膜構造のランドを有する基板を備えた電子装置に関する。
特許文献1には、積層めっき膜構造のランドを有する基板が開示されている。基板表面のランドは、たとえば導体パターン(銅箔)上に、Niめっき膜及びAuめっき膜が積層されてなる。上記ランドには、電子部品が電気的に接続される。
特開2014−17335号公報
基板が、該基板の表面に形成され、電子部品が電気的に接続されるランド(以下、第1ランドと示す)とは別に、プレスフィット端子などのばね端子により押圧されるランド(以下、第2ランド)を有する構成も考えられる。製造工程の簡素化などを考慮すると、第2ランドは、第1ランドと同じ積層めっき膜構造となる。
しかしながら、本発明者が鋭意検討したところ、ばね端子により押圧される第2ランドを、第1ランド同様、Niめっき膜上にAuめっき膜が積層されてなる構成とした場合、Niめっき膜にクラックが生じる場合があることが明らかとなった。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、第2ランドが第1ランドと同様にNiめっき膜を有しつつ、ばね端子の押圧により第2ランドのNiめっき膜にクラックが生じるのを抑制できる電子装置を提供することを目的とする。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつである電子装置は、Pを含むNiめっき膜(210c,212b)上にAuめっき膜(210d,212c)が積層されてなるランドとして、両表面の少なくとも一方に形成された第1ランド(210,211)と、第1ランドと同じ積層めっき膜構造の第2ランド(212,213)と、を有する基板(20)と、
第1ランドと電気的に接続された電子部品(30)と、
第2ランドに接触して第2ランドを押圧するばね端子(42,45)を有する電気部品(40,43)と、を備え、
各ランドのNiめっき膜中のP含有量が、8wt%以上16wt%以下とされ、
第2ランドのNiめっき膜の膜厚が、第1ランドのNiめっき膜の膜厚よりも薄くされている。
この電子装置では、第2ランドが、第1ランドと同じ積層めっき膜構造をなしている。すなわち、第2ランドも、第1ランド同様、Pを含むNiめっき膜と、Niめっき膜上に積層されたAuめっき膜を有している。したがって、製造工程の簡素化を図ることができる。
また、各ランドのNiめっき膜中のP含有量が8wt%以上16wt%以下とされ、これによりNiめっき膜の内部応力が小さくなっている。したがって、ばね端子によって第2ランドが押圧されても、第2ランドのNiめっき膜にクラックが生じるのを抑制することができる。
第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。 図1の領域IIを拡大した図である。 図1の領域IIIを拡大した図である。 図2の領域Vに対応する参考図である。 図2の領域Vを拡大した図である。 Pの含有量と内部応力との関係を示す図である。 Niめっき膜の膜厚と保持力との関係を示す図である。 第2実施形態に係る電子装置の概略構成を示す部分断面図である。 第3実施形態に係る電子装置において、ランド構造を示す断面図であり、図6に対応している。 第1変形例を示す断面図であり、図1に対応している。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。以下において、基板に対するプレスフィット端子の挿入方向、換言すれば基板の板厚方向をZ方向と示す。Z方向に直交する一方向であって、プレスフィット端子の幅方向をX方向と示す。また、Z方向及びX方向の両方向に直交する方向をY方向と示す。特に断りのない限り、Z方向から平面視したときの形状(XY平面に沿う形状)を平面形状とする。
(第1実施形態)
先ず、図1及び図2に基づき、電子装置の概略構成について説明する。図2では、スルーホールランドを簡略化して図示している。
図1に示す電子装置10は、車両を制御する電子制御装置として構成されている。電子装置10は、たとえば車両に搭載されたエンジンを制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)として構成されている。電子装置10は、基板20、電子部品30,31、コネクタ40、及び筐体50を備えている。
基板20は、所謂プリント基板である。基板20は、樹脂などの電気絶縁材料を用いて形成された絶縁基材に、配線が配置されてなる。基板20は、たとえば平面略矩形状をなしている。基板20は、ねじ締結、接着など周知の固定方法により、筐体50に固定されている。
基板20は、配線の一部分としてランド21を有している。図1では、配線のうち、ランド21のみを図示している。また、基板20は、該基板20をその板厚方向であるZ方向に貫通するスルーホール22を有している。スルーホール22は、基板20の一面20a及び一面20aと反対の裏面20bにそれぞれ開口している。一面20a及び裏面20bが両表面に相当する。
基板20は、ランド21として、一面20a及び裏面20bの少なくとも一方に形成された表面ランド210,211、及び、スルーホール22の壁面に形成されたスルーホールランド212を有している。表面ランド210,211が第1ランドに相当し、スルーホールランドが第2ランドに相当する。
本実施形態において、表面ランド210,211は、いずれも一面20aに形成されている。表面ランド210,211は、導体パターン上にめっき膜が形成されてなる。表面ランド210,211は、互いに同じ構造をなしている。スルーホールランド212は、スルーホール22の壁面とスルーホール22の開口周囲に、一体的に形成されている。スルーホールランド212は、スルーホールめっきとも称される。ランド21の構造の詳細については後述する。
電子部品30,31は、基板20に形成された配線とともに、回路を構成する。電子部品30,31が実装された基板20は、回路基板とも称される。電子部品30,31は、表面実装型の部品であり、第1ランドである表面ランド210,211と電気的に接続されている。
電子部品30は、基板20の一面20aに載置されている。電子部品30は、一面20aとの対向面の裏面に、外部接続用の電極300を有している。この電極300が、ボンディングワイヤ32を介して、表面ランド210に接続されている。ボンディングワイヤ32として、たとえばAuワイヤを用いることができる。電子部品31は、略直方体状をなしており、両端に電極310を有している。そして、電極310が、はんだ33を介して、表面ランド211に接続されている。
コネクタ40は、基板20の配線及び電子部品30,31により形成される回路と外部機器とを電気的に中継する。コネクタ40は、ハウジング41及び複数のプレスフィット端子42を有している。ハウジング41は、樹脂材料を用いて形成されている。複数のプレスフィット端子42は、ハウジング41に保持されている。コネクタ40が、電気部品に相当し、プレスフィット端子がばね端子に相当する。コネクタ40は、基板20に対して、X方向の一端側に配置されている。コネクタ40の一部は筐体50の開口部50aを介して外部に露出され、残りの部分は筐体50の内部空間に収容されている。
プレスフィット端子42は、たとえば圧入固定やインサート成形により、ハウジング41に保持されている。図示を省略するが、複数のプレスフィット端子42は、ハウジング41の幅方向であるY方向に沿って配列されている。本実施形態では、端子数が多いため、プレスフィット端子42がZ方向に多段に配置されている。各プレスフィット端子42は、ZX平面において略L字状をなしている。
プレスフィット端子42は、基板20のスルーホール22に圧入保持されている。プレスフィット端子42は、スルーホールランド212に接触してスルーホールランド212を押圧している。図2に示すように、プレスフィット端子42は、金属材料を用いて形成された基材42a、及び、基材42aを被覆するめっき膜42bを有している。基材42aは、たとえば銅又はリン青銅などの銅合金を構成材料として形成されている。基材42aは、銅又は銅合金の金属板を打ち抜いて形成されている。基材42aは、母材とも称される。基材42aの板厚方向が、Y方向に沿っている。めっき膜42bとしては、周知のものを採用することができる。めっき膜42bは、基材42aの外表面のうち、スルーホールランド212と接触する部分の少なくとも一部を被覆している。
プレスフィット端子42は、弾性部420、先端部421、及び後端部422を有している。弾性部420は、スルーホール22への挿入方向(すなわちZ方向)と直交する方向に弾性を有する。弾性部420は、少なくとも一部がスルーホール22内に配置され、弾性変形による反力(すなわち、ばね反力)をスルーホール22の壁面に作用させる。先端部421は弾性部420に対して挿入先端側に連なっており、後端部422は弾性部420に対して後端側(すなわちハウジング41側)に連なっている。
本実施形態のプレスフィット端子42は、所謂ニードルアイ形状をなしている。プレスフィット端子42は、スルーホール22内に保持される部分を含んで形成された開口部423をさらに有している。開口部423は、板厚方向であるY方向に貫通している。開口部423は、貫通孔である。開口部423は、Z方向、すなわちプレスフィット端子42の長手方向に延設されている。
プレスフィット端子42(基材42a)は、開口部423によって一対の梁に分岐されている。Z方向に直交する方向において、一対の梁の外表面間のうち、最も長い部分の長さは、スルーホール22へ挿入される前の状態で、スルーホール22の内径よりも長くなっている。一対の梁は、後端部422側から先端部421側に向けて、X方向に沿う外表面間の長さが徐々に長くなり、その途中から先端部421に近づくほどX方向に沿う外表面間の長さが徐々に狭くなっている。弾性部420は、一対の梁を含んで構成されている。弾性部420は、開口部423の周囲部分であり、スルーホール22に挿入した際に、弾性変形可能な部分である。
筐体50は、基板20及び電子部品30,31を内部に収容し、基板20及び電子部品30,31を保護する。たとえば電子部品30,31の生じた熱に対する放熱性を向上するために、筐体50は、アルミニウムなどの金属材料を用いて形成される。たとえば電子装置10の軽量化を図るために、筐体50は、樹脂材料を用いて形成される。
本実施形態において、筐体50は、Z方向に分割された2つの部材、具体的にはケース51及びカバー52を有している。ケース51は樹脂材料を用いて形成され、カバー52はアルミニウム系材料を用いて形成されている。筐体50は、Z方向においてケース51とカバー52を組み付けることで形成される。ケース51とカバー52の組み付け方法は特に限定されない。ねじ締結など周知の組み付け方法を採用することができる。
ケース51は、一面が開口する箱状をなしている。平面略矩形状をなす基板20に対応して、ケース51の底面部も略矩形状となっている。ケース51において、4つの側面部のひとつが開口しており、側面の開口は、上記した一面の開口につながっている。
カバー52は、ケース51とともに筐体50の内部空間を形成する。ケース51とカバー52を組み付けることで、カバー52によりケース51における一面の開口が閉塞され、上記した開口部50aが形成される。開口部50aは、カバー52により一面の開口が閉塞されることで、側面の開口が区画されてなる。
次に、図3に基づき、ランド21について詳細に説明する。
ボンディングワイヤ32(たとえばAuワイヤ)を介して、電子部品30が接続される表面ランド210は、図3に示すように、導体パターン210a、Cuめっき膜210b、Niめっき膜210c、及びAuめっき膜210dを有している。導体パターン210aは、金属箔(たとえば銅箔)をパターニングしてなる。
Cuめっき膜210bは、導体パターン210a上に形成されている。本実施形態では、Cuめっき膜210bが、無電解めっき、若しくは、無電解めっき後、電気めっきを施すことで形成されている。導体パターン210a(銅箔)上にCuめっき膜210bを施すことで、たとえばCuの厚膜化を図ることができる。Cuめっき膜210bの膜厚は、たとえば20μm程度となっている。
Niめっき膜210cは、Cuめっき膜210b上に形成されている。Niめっき膜210cは、たとえばCuがAu中に拡散するのを抑制する。めっき浴中にP(リン)系の還元剤を含むため、Niめっき膜210cはPを含む。すなわち、Niめっき膜210cは、NiとPの合金膜となっている。本実施形態では、Pの含有量が8wt%以上16wt%以下となるように、Niめっき膜210cが形成されている。このような含有量では、Niめっき膜210cが非晶質となる。
好ましくは、Pの含有量を、9wt%以上11wt%以下にするとよい。Niめっき膜210cは、無電解めっき後、電気めっきを施すことで形成されている。Niめっき膜210cの膜厚は、5〜6μm程度となっている。
Auめっき膜210dは、Niめっき膜210c上に形成されている。Auめっき膜210dは、たとえば酸化を抑制する。Auめっき膜は、たとえば無電解めっきにより形成されている。Auめっき膜210dの膜厚は、Niめっき膜210cよりも十分に薄い厚み、例えば0.1μm程度となっている。
このように、表面ランド210は、Cu(導体パターン210a及びCuめっき膜210b)上に、Pを含むNiめっき膜210c及びAuめっき膜210dが積層されてなる。なお、表面ランド211も、表面ランド210と同じ構成となっている。図示しないが、表面ランド211も、導体パターン(銅箔)、Cuめっき膜、Niめっき膜、及びAuめっき膜を有している。また、Niめっき膜中のPの含有量が8wt%以上16wt%以下となっている。
プレスフィット端子42により押圧されるスルーホールランド212は、Cuめっき膜212a、Niめっき膜212b、及びAuめっき膜212cを有している。このように、スルーホールランド212は、Cuめっき膜212a、Niめっき膜212b及びAuめっき膜212cが順に積層された構造、すなわち表面ランド210と同じ積層めっき膜構造を有している。
Niめっき膜212bもPを含んでおり、Niめっき膜212b中のPの含有量は、Niめっき膜210cと同じとなっている。すなわち、8wt%以上16wt%以下となっている。また、Niめっき膜212bの膜厚は、たとえば1〜2μm程度となっている。Niめっき膜212bは、無電解めっきにより形成されている。無電解めっき後に電気めっきを施す際、たとえばスルーホール22にマスクが施される。これにより、Niめっき膜212bの膜厚は、Niめっき膜210cの膜厚よりも薄くなる。
次に、図4〜図7に基づき、電子装置10の効果について説明する。
上記したように、本実施形態では、スルーホールランド212が、表面ランド210,211と同じ積層めっき膜構造を有している。したがって、製造工程を簡素することができる。
図4は、参考例を示している。図4は、図5に対応している。参考例では、本実施形態の関連する要素の符号に対して、先頭に1を付記している。たとえばスルーホールランド212の場合、参考例では1212としている。図4の白抜き矢印は、プレスフィット端子142がランド1212を押圧する力(垂直抗力)を示している。
参考例では、スルーホールランド1212のNiめっき膜1212b中におけるP含有量を5〜6wt%程度とした。本発明者が確認したところ、このような膜構成では、プレスフィット端子142の圧入時に、Niめっき膜1212bにクラック100が生じることが明らかとなった。このようにクラック100が生じると、たとえばNiめっき膜1212bとCuめっき膜1212aとの界面に酸化物層が形成され、接触抵抗が増大する虞がある。
これに対し、本実施形態では、Pを含むNiめっき膜210c,212bのPの含有量が、8wt%以上16wt%以下となっている。このような膜構成について本発明者が確認したところ、図5に示すように、プレスフィット端子42の圧入時に、Niめっき膜212bにクラックが生じることはなかった。
このように本実施形態の電子装置10によれば、製造工程を簡素化しつつ、プレスフィット端子42によって押圧されるスルーホールランド212のNiめっき膜212bにクラックが生じるのを抑制することができる。
なお、図6は、無電解Niめっき膜のPの含有量と内部応力(残留応力)との関係を示している。図6に示す関係は、たとえば表面技術Vol.43(1992),No.7,p656−666に記載されている。図6より、Niめっき膜のP含有量を8wt%以上16wt%以下にすると、Niめっき膜の内部応力を低減できることが分かる。本実施形態では、Niめっき膜212bのP含有量を8wt%以上16wt%以下にすることで、Niめっき膜212bの内部応力が小さくなり、プレスフィット端子42によって押圧されても、クラックが生じないものと推定される。
好ましくは、Niめっき膜210c,212b中のP含有量を、9wt%以上11wt%以下にするとよい。これによれば、図6からも明らかなように、Niめっき膜212bの内部応力をより小さくすることができる。したがって、クラックをより生じにくくすることができる。
さらに、本発明者は、Pを含むNiめっき膜の膜厚と保持力との関係について試験を行った。図7は、その試験結果を示している。試験の際、ニードルアイ形状のプレスフィット端子を引っ張り、基板のスルーホールから外れる直前の力(最大引張力)をロードセルで検出し、保持力とした。また、Niめっき膜を有さないときの保持力を100とした。また、スルーホールの直径が1.5mmの基板を用いた。
図7に示すように、Niめっき膜の膜厚が厚くなるほど、保持力が低下することが明らかとなった。特に膜厚を3μmよりも厚くすると、保持力が低い値となった。Ni皮膜は高硬度である(たとえばCuやAuに較べてビッカース硬度HVが高い)ため、Niめっき膜が厚膜になるほど、ランドに占めるNiの割合が低下し、ランド全体の見かけ上の硬度が高くなる。これにより、動摩擦係数が大きくなり、保持力が低下するものと推定される。なお、膜厚を0.5μmよりも薄くすると、AuへCuが拡散するのを抑制する効果が低下した。
本実施形態では、スルーホールランド212のNiめっき膜212bの膜厚が、表面ランド210のNiめっき膜210cの膜厚よりも薄くなっている。したがって、Niめっき膜212bの膜厚がNiめっき膜210cの膜厚とほぼ同じ構成に較べて、スルーホールランド212の動摩擦係数を小さくし、ひいては高い保持力を確保することができる。特に本実施形態では、Niめっき膜212bの膜厚が、0.5μm以上2.5μm以下となっている。これにより、図7からも明らかなように、AuへCuが拡散するのを抑制しつつ、より高い保持力を確保できることができる。一方、表面ランド210,211については、Niめっき厚が2.5μmよりも厚くなっているため、はんだ付け性を確保することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態では、図8に示すように、電気部品としてカードエッジコネクタ43を採用している。カードエッジコネクタ43は、樹脂製のハウジング44に保持されたばね端子45を有している。このばね端子45が、第2ランドである表面ランド213に接触して表面ランド213を押圧する。
表面ランド213は、基板20の一面20a及び裏面20bの両方に設けられている。カードエッジコネクタ43は、一対のばね端子45を有している。対をなすばね端子45の一方は一面20a側の表面ランド213に接触し、ばね端子45の他方が裏面20b側の表面ランド213に接触する。基板20は、一面20a及び裏面20bの両方からばね端子45の弾性変形による反力を受け、ばね端子45間に保持される。
表面ランド213は、第1実施形態に示した表面ランド210,211と同じ積層めっき膜構造を有している。表面ランド213は、導体パターン213a、Cuめっき膜213b、Niめっき膜213c、及びAuめっき膜213dを有している。そして、Niめっき膜213cが、Niめっき膜210c,212b同様、P含有量が8wt%以上16wt%以下となっている。したがって、製造工程を簡素化しつつ、ばね端子45によって押圧される表面ランド213のNiめっき膜213cにクラックが生じるのを抑制することができる。
また、Niめっき膜213cの膜厚が、0.5μm以上2.5μm以下になっている。したがって、AuへCuが拡散するのを抑制しつつ、高い保持力を確保できる。
なお、カードエッジコネクタ43の構造は上記例に限定されない。本実施形態では、便宜上、簡素化している。
また、本実施形態では、基板20の一面20a及び裏面20bの両方に表面ランド213(第2ランド)が設けられ、各表面ランド213をばね端子45が押圧する例を示した。しかしながら、一面20a及び裏面20bの一方のみに表面ランド213(第2ランド)が設けられ、この表面ランド213がばね端子45により押圧される構成にも適用することができる。この場合、表面ランド213が設けられる面と反対の面が、たとえば筐体50によって支持されればよい。
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態では、図9に示すように、スルーホールランド212(第2ランド)が、Niめっき膜212bとAuめっき膜212cの間に形成されたPdめっき膜212dを有している。なお、表面ランド210,211(第1ランド)も、同様に、Pdめっき膜を有している。
Pdめっき膜212dは、たとえば無電解めっきにより形成されている。Pdは、たとえば優れた耐食性を有している。スルーホールランド212(第2ランド)におけるNiめっき膜212bにクラックが生じるのを抑制すべく、Niめっき膜212b中のP含有量を増加させると耐食性が低下するが、Pdめっき膜212dを設けることで、耐食性を確保することができる。また、P含有量が増加するとはんだ濡れ性が低下するが、Pdめっき膜を設けることで、表面ランド211のはんだ濡れ性を確保することもできる。
Pdめっき膜は、第2実施形態に示した表面ランド213(第2ランド)にも適用することができる。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
ばね端子を有する電気部品として、コネクタ40及びカードエッジコネクタ43の例を示したが、これに限定されない。
プレスフィット端子42は、ニードルアイ形状に限定されない。
電子装置10の構成は、上記例に限定されない。たとえば図10に示す第1変形例では、一面20a及び裏面20bの両方に、電子部品31が実装されている。電子部品31は、上記したように、はんだ33を介して対応する表面ランド211に接続される部品である。そして、裏面20b側の電子部品31が、封止樹脂体60によって裏面20bごと封止されている。
このような構成では、封止樹脂体60の成形時の熱により、一面20a側の表面ランド211が酸化しやすい。表面ランド211が酸化すると、はんだ33の濡れ性が低下する。このため、図10に示す電子装置10でも、表面ランド211が、Pを含むNiめっき膜上にAuめっき膜が積層された構造をなしている。よって、製造工程を簡素化しようとすると、たとえばスルーホールランド212も、表面ランド211と同じ積層めっき膜構造をなすこととなる。したがって、本実施形態に示した構成を適用することで、製造工程を簡素化しつつ、スルーホールランド212のNiめっき膜212bにクラックが生じるのを抑制することができる。
電子装置10が筐体50を備える例を示したがこれに限定されない。
10…電子装置、20…基板、20a…一面、20b…裏面、21…ランド、210,211…表面ランド、210a…導体パターン、210b…Cuめっき膜、210c…Niめっき膜、210d…Auめっき膜、212…スルーホールランド、212a…Cuめっき膜、212b…Niめっき膜、212c…Auめっき膜、212d…Pdめっき膜、213…表面ランド、213a…Cuめっき膜、213b…Niめっき膜、213c…Auめっき膜、22…スルーホール、30,31…電子部品、300,310…電極、32…ボンディングワイヤ、33…はんだ、40…コネクタ、41…ハウジング、42…プレスフィット端子、42a…基材、42b…めっき膜、420…弾性部、421…先端部、422…後端部、423…貫通孔、43…カードエッジコネクタ、44…ハウジング、45…ばね端子、50…筐体、50a…開口部、51…ケース、52…カバー、52a…凸部、60…封止樹脂体、100…クラック

Claims (7)

  1. Pを含むNiめっき膜(210c,212b)上にAuめっき膜(210d,212c)が積層されてなるランドとして、両表面の少なくとも一方に形成された第1ランド(210,211)と、前記第1ランドと同じ積層めっき膜構造の第2ランド(212,213)と、を有する基板(20)と、
    前記第1ランドと電気的に接続された電子部品(30)と、
    前記第2ランドに接触して前記第2ランドを押圧するばね端子(42,45)を有する電気部品(40,43)と、を備え、
    各ランドのNiめっき膜中のP含有量が、8wt%以上16wt%以下とされ
    前記第2ランドのNiめっき膜の膜厚が、前記第1ランドのNiめっき膜の膜厚よりも薄くされている電子装置。
  2. 前記第2ランドのNiめっき膜の膜厚が、0.5μm以上2.5μm以下とされている請求項1に記載の電子装置。
  3. Pを含むNiめっき膜(210c,212b)上にAuめっき膜(210d,212c)が積層されてなるランドとして、両表面の少なくとも一方に形成された第1ランド(210,211)と、前記第1ランドと同じ積層めっき膜構造の第2ランド(212,213)と、を有する基板(20)と、
    前記第1ランドと電気的に接続された電子部品(30)と、
    前記第2ランドに接触して前記第2ランドを押圧するばね端子(42,45)を有する電気部品(40,43)と、を備え、
    各ランドのNiめっき膜中のP含有量が、8wt%以上16wt%以下とされ
    前記第2ランドのNiめっき膜の膜厚が、0.5μm以上2.5μm以下とされている電子装置。
  4. 前記基板は、両表面にわたって該基板を貫通するスルーホール(22)を有し、
    前記ばね端子は、前記スルーホールに圧入されるプレスフィット端子であり、
    前記第2ランド(212)は、前記スルーホールの壁面に形成されている請求項1〜3いずれか1項に記載の電子装置。
  5. 前記第2ランド(213)は、前記基板の両表面の少なくとも一方に形成されている請求項3に記載の電子装置。
  6. 各ランドのNiめっき膜中のP含有量が、9wt%以上11wt%以下とされている請求項1〜5いずれか1項に記載の電子装置。
  7. 各ランドは、前記Niめっき膜と前記Auめっき膜の間に形成されたPdめっき膜(212d)を有する請求項1〜6いずれか1項に記載の電子装置。
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