JP6699459B2 - 光書込装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光書込装置及び画像形成装置に関し、特に、有機EL素子を実装した光源基板を保持する技術に関する。
近年、光源として、有機発光ダイオード(以下、「OLED(Organic Light−Emitting Diode)」という。)を複数、配列してなるOLEDアレイを使用し、結像光学素子としてロッドレンズアレイを使用した光書込装置の開発が推進されている。
OLEDアレイを搭載した発光回路基板(以下、「光源基板」という。)は、その製造プロセスにおいて高温にさらされるため、光源基板を構成するベース基板には線膨張係数の非常に小さな材料、例えばガラス材料を適用する必要がある。
一方、光源基板を保持するホルダーは、必ずしも線膨張係数が小さくなく、光源基板とホルダーとでは線膨張係数がかなり異なっている。このため、周囲環境の温度変化が生じた際に、光源基板とホルダーとの間で発生する熱膨張差を逃がす必要がある。
更に、線膨張係数の非常に小さなガラス材料は高価であり、光源基板の材料コスト上昇を抑えるためにベース基板を薄くすると、光源基板の剛性をあまり高くすることができなくなる。
剛性の低い部材を、当該部材とは線膨張係数が異なるホルダーで保持する構成として、例えば、弾性部材による多点押圧保持が知られている。図12は、弾性部材による多点押圧保持の具体例を示しており、(a)は外観斜視図であり、(b)は(a)のD−D線における断面図である。図中、X軸が光源基板701の「長手方向」、Y軸が光源基板701の「短手方向」、Z軸がX軸とY軸に直交する軸を示す。
図12(a)に示すように長尺形状の光源基板701の短手方向両端側のそれぞれが3箇所ずつ板バネ703により板金ホルダー702に多点押圧保持されている。
図12(b)に示すように一つの押圧箇所を見ると、板バネ703に形成された球状突起(以下、単に「突起」という。)703aが光源基板701の一方の主面701aの短手方向端部に当接し、光源基板701の他方の主面701bに形成された座面704が板金ホルダー702に当接している。板バネ703の突起703aを光源基板701に押し当てることによって、板バネ703の弾性力により光源基板701がホルダー702に押圧される。これによって光源基板701が板金ホルダー702に保持される。
光源基板701が板金ホルダー702に対して摺動可能になっているので、光源基板701と板金ホルダー702の熱膨張差を逃がすことができる。更に、光源基板701の端部6箇所を押圧しているので、光源基板701の剛性が低くても振動を抑制できる。
特開2009−119756号公報
光源基板701に高価なガラスを用いる場合、材料コストの上昇を回避するためには、光源基板701の短手方向の幅が狭い方が好ましい。
しかしながら、図13に示すように光源基板701の短手方向(Y軸方向)の幅を狭くすると、光源基板701の短手方向両端部を押圧する板バネ703から、光源基板701上に実装されたOLED709までの距離が近くなる。また、OLED709の出射ビームはビーム角θが非常に広い。このため、OLED709の出射ビーム801が板バネ703に当たって乱反射し、ロッドレンズアレイ802に入射すると、ロッドレンズアレイ802によるビームの結像状態が乱れてしまう。
光源基板701には、その長手方向(X軸方向)に沿って多数のOLEDがライン状に実装されているので、光源基板701の長手方向に沿って各OLEDが実装されている位置ごとにビームの結像状態の乱れが発生し易くなる。
このようなビームの結像状態の乱れを防止する構成として、図14に示されるように光源基板701に実装された全てのOLEDから出射され、ロッドレンズアレイ802に向かう光ビームが通過する領域(配光範囲)803よりも光源基板701の長手方向両端側に板バネ703を配設する構成が考えられる。この構成によれば、光源基板701を短手方向に拡幅する必要がないので材料コストの上昇を回避でき、かつ乱反射に起因する結像状態の乱れを防止することができる。
しかしながら、光源基板701の長手方向両端部を板バネ703で押圧するだけでは、光源基板701の長手方向中央部を腹とした振動を抑えることができない。
光源基板の振動を抑える技術としては、例えばLEDプリントヘッドの発光基板に関し、発光基板の長手方向中央部、両端部、中央と両端の中間部などの複数箇所をホルダー部材に接着固定する技術がある(特許文献1参照)。
ところが、上記のようにOLEDの光源基板はホルダー部材よりも線膨張係数がかなり小さい。このため特許文献1の技術をOLEDの光源基板に適用すれば、周囲環境の温度変化により、OLEDの光源基板のうち、ある接着固定箇所とその隣の接着固定箇所との間の基板部分とホルダー部材との線膨張率差によりその基板部分の長さが変動して、光源基板の剛性が低いことからその基板部分が変形して歪みが生じることがある。
光源基板の一部に歪みが生じると、歪が生じた部分に実装されているOLEDから発する光ビームの出射方向が歪みのない姿勢のときに対してばらつくことが生じ、被照射面に対する光書込位置の精度の低下に繋がってしまう。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、光源基板の変形や振動を抑制することができる光書込装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光書込装置は、感光体に光書き込みを行う光書込装置であって、前記感光体へ向けて光を出射する複数の有機EL素子が列状に配列されており、当該有機EL素子の配列方向に長尺の光源基板と、前記光源基板における、前記有機EL素子の光出射側の第1主面とは反対側の第2主面に接触する複数の突起部を有するホルダーと、前記光源基板の長手方向両側であって前記有機EL素子の実装領域よりも外側の未実装領域において前記第1主面を押圧する第1と第2の押圧部材と、前記第1の押圧部材による第1の押圧位置と前記第2の押圧部材による第2の押圧位置との間の前記光源基板の長手方向における一の位置のみで当該光源基板と前記ホルダーとの間に介在して、前記光源基板を前記ホルダーに接着固定する接着材と、を備えることを特徴とする。
また、前記光源基板における前記両側の未実装領域のいずれか一方に、前記複数の有機EL素子を駆動する回路を有するドライバーICが実装されており、前記光源基板の長手方向において前記接着固定の位置が前記有機EL素子の実装領域の当該長手方向中央に対して前記ドライバーICが実装されている側にずれた位置であるとしても良い。
ここで、前記複数の有機EL素子からの出射光を前記感光体に結像させる長尺状のレンズアレイと、前記レンズアレイを前記感光体と前記光源基板との間の空間において前記光源基板の長手方向と平行する方向に沿った姿勢で保持するレンズアレイ保持手段と、を備え、前記レンズアレイ保持手段は、前記レンズアレイを挟んで当該レンズアレイの長手方向に直交する幅方向両側のうち一方の側に位置するレンズホルダーと、前記レンズアレイを挟んで前記幅方向両側のうち他方の側かつ前記レンズアレイの長手方向両端側のそれぞれに位置し、前記レンズアレイを前記レンズホルダーに押圧する第3と第4の押圧部材と、前記レンズアレイの幅方向の側面のうち、前記有機EL素子の実装領域の長手方向中央と当該長手方向の位置が同じ部位を当該長手方向に動かないように固定する固定手段と、を備えるとしても良い。
また、前記第1と第2の押圧位置のうち、前記光源基板における前記ドライバーICが実装されている側の押圧位置が、前記未実装領域において前記ドライバーICよりも前記光源基板の長手方向中央寄りの位置であるとしても良い。
ここで、前記ドライバーICは、前記光源基板の前記第1主面に実装されており、前記第1と第2の押圧部材のうち、前記光源基板における前記ドライバーICが実装されている側を押圧する押圧部材は、前記光源基板の長手方向に平行する方向に長い板バネであり、当該長手方向に沿った姿勢で前記ドライバーICの上を跨ぐように配置され、当該ドライバーICとは非接触であるとしても良い。
また、前記光源基板を挟んで前記ドライバーICと対向するように前記光源基板の第1主面と第2主面のうち前記ドライバーICが実装されている側の主面とは反対側の主面に、または前記ドライバーICに、ヒートシンクが配置されているとしても良い。
さらに、前記光源基板の第1主面と第2主面のうち前記ドライバーICが実装されている側の主面とは反対側の主面において、前記光源基板の長手方向における前記ドライバーICの中央位置よりも前記光源基板の長手方向中央寄りの位置にヒートシンクが配置されているとしても良い。
また、前記ホルダーは、前記光源基板の長手方向に沿って長尺状であり、前記複数の突起部には、前記ホルダーの長手方向一方の端部側に設けられた第1の突起部と、前記長手方向他方の端部側であり当該長手方向とは直交する幅方向に間隔を開けて設けられた第2と第3の突起部が含まれるとしても良い。
さらに、前記接着材は、前記光源基板の前記一の位置において、前記光源基板の長手方向とは直交する当該光源基板の幅方向両側の部分のみを前記ホルダーに接着固定するとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、上記の光書込装置を備えることを特徴とする。
上記のように構成すれば、周囲環境の温度変化による光源基板とホルダーとの長手方向における熱膨張差を逃がすことにより光源基板の変形を抑えることができ、そして、光源基板の長手方向中央部を腹とした光源基板の振動を抑えることが可能になる。
実施の形態1に係るプリンターの全体構成を示す概略図である。 (a)は光書込装置の側面図であり、(b)は光書込装置の平面図である。 (a)は光源基板の外観斜視図を示す図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 (a)は実施の形態2に係る光書込装置の構成を示す側面図であり、(b)は(a)のB−B線における断面図であり、(c)は(a)のC−C線における断面図である。 (a)は図4(a)に示す光源基板のうちドライバーICを含む一部のみを拡大して示した側面図であり、(b)は平面図である。 ドライバーICを含む光源基板の回路構成を示すブロック図である。 1対の選択回路と発光ブロックとを示す回路図である。 輝度信号のチャージ期間とホールド期間を示すタイミングチャートである。 (a)と(b)は、光源基板の伸びによる配光範囲の変化の様子を示す模式図である。 (a)と(b)は、ヒートシンクが設けられる構成例を示す図である。 板バネの変形例を示す図である。 (a)と(b)は、弾性部材による多点押圧保持の具体例を示す図である。 OLEDの出射ビームが板バネに当たって乱反射する様子を示す図である。 光源基板の長尺方向両端部を板バネで押圧する構成例を示す図である。
以下、本発明に係る光書込装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
<実施の形態1>
(1)プリンターの構成
図1は、実施の形態1に係るプリンター1の全体構成を示す概略図である。
プリンター1は、作像部101Y、101M、101C、101Kを備え、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)色のトナー像を形成する。
例えば、作像部101Yは、帯電装置111を用いて感光体ドラム110の外周面を一様に帯電させる。光書込装置100は、制御部107からの画像データに基づき各有機EL(organic electro luminescent)素子、ここでは各OLEDを駆動して、各OLEDから発せられた光により感光体ドラム110の外周面に光書き込みを行って静電潜像を形成する。現像装置112は、Y色のトナーを供給し、感光体ドラム110の外周面上の静電潜像を現像(顕像化)して、Y色のトナー像を形成する。他の作像部101M〜101Kも同様にして、M、C、K色のトナー像を形成する。
形成されたY、M、C、Kの各色のトナー像は、互いに重なり合うように、矢印Aで示す方向に周回走行する中間転写ベルト102上に順次、1次転写され、中間転写ベルト102上でカラートナー像となる。この1次転写は、作像部101Y〜101Kごとに中間転写ベルト102を挟んで感光体ドラム110と対向配置される1次転写ローラー113により行われる。
中間転写ベルト102がカラートナー像を2次転写ローラー103まで搬送するのに合わせて、給紙カセット104から供給された記録シートSも2次転写ローラー103まで搬送される。
2次転写ローラー103は、中間転写ベルト102上のトナー像を記録シートS上に静電転写(2次転写)する。トナー像が転写された記録シートSは、定着装置105でトナー像が熱定着された後、排紙トレイ106上に排出される。
(2)光書込装置の構成
図2(a)は、光書込装置100の側面図であり、図2(b)は、光書込装置100の平面図である。なお、図2(b)では、ロッドレンズアレイ230が省略されている。
図2(a)と(b)に示すように光書込装置100は、X軸方向に長尺でY軸方向に短尺の光源基板210がホルダー200と2つの板バネ220a、220b(第1と第2の押圧部材)とで保持され、光源基板210と感光体ドラム110との間の空間にロッドレンズアレイ230が配置される構成になっている。
光源基板210に実装された各OLEDからの出射光130は、ロッドレンズアレイ230によって感光体ドラム110の外周面上に集光される。以下、光源基板210の長手方向(主走査方向に相当)をX軸で示し、光源基板210の短手方向(幅方向)をY軸で示し、X軸とY軸に直交する方向(上下方向に相当)をZ軸で示す。
(2−1)光源基板
図3(a)は、光源基板210の外観斜視図を示す図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線における断面図である。
光源基板210は、図3(a)の外観斜視図に示すように、幅が約6mm、厚さ約1.8mmに対し、長さが360mm程度の平板な部材であり、剛性が非常に低い。また、図3(b)のA−A断面図に示すように、光源基板210は、一方の主面にOLED層301が設けられたガラスプレート300と、OLED層301を封止し、密閉するための封止カバー302から構成されている。
OLED層301には、光源基板210の長手方向に沿って多数個、例えば16000個のOLEDが一列または千鳥状に配列されており、また各OLEDに電流を供給するための薄膜トランジスター(TFT)や薄膜配線なども含まれている。この意味でガラスプレート300は、OLEDや薄膜トランジスターなどをガラス基板上に構成したTFT回路基板である。このように光源基板210(OLED−PH(Print Head))では、OLEDとTFTとを同一基板上に形成することができるので、発光部(LEDアレイ)と制御回路部(駆動IC等)とを別基板にせざるを得ないLED−PHよりも低コスト化を図ることができる。各OLEDの出射光は、ガラスプレート300を透過して、図3(b)に示す光出射方向の前方に位置するロッドレンズアレイ230(不図示)に向かう。
以下、光源基板210の2つの主面のうち、各OLEDの光が出射する側の主面(ロッドレンズアレイ230に対向する面)を光出射側主面311(第1主面)といい、これとは反対側の主面を支持側主面310(第2主面)という。
(2−2)ホルダー
図2(a)に戻ってホルダー200は、板金で構成され、X軸方向に長尺な平板状の部材であり、光源基板210の支持側主面310と対向する側の主面202に、3つの突起部201a、201b及び201c(図2(b))が設けられている。突起部201aは、ホルダー200の長手方向一方端側に設けられ、突起部201bと201cは、ホルダー200の長手方向他方端側であり幅方向(Y軸方向)に間隔をあけた位置に設けられている。これら突起部201a〜201cは、光源基板210の支持側主面310に接触して、光源基板210をその下側から3点支持する。
(2−3)板バネ
図2(a)、(b)に示すように板バネ220a、220bは、光源基板210の長手方向に沿って細長形状である。板バネ220aの基端部223aは、ホルダー200の長手方向一方端の台部200aに固定されており、板バネ220aの先端部に球状突起(以下、「突起」という。)221aが設けられている。同様に、板バネ220bの基端部223bは、ホルダー200の長手方向他方端の台部200bに固定されており、板バネ220bの先端部に球状突起(以下、「突起」という。)221bが設けられている。
突起221a、221bは、光源基板210におけるOLEDが実装されている長手方向の領域(以下、「発光素子実装領域」という。)241よりも長手方向両外側である一方の端部側の発光素子未実装領域210aにおける光出射側主面311上の第1の押圧位置210dと他方の端部側の発光素子未実装領域210bにおける光出射側主面311上の第2の押圧位置210eを押圧する。これによって、光源基板210がホルダー200と板バネ220a、220bとで保持される。
板バネ220a、220bを発光素子実装領域241よりも光源基板210の長手方向両端部側(両外側)に配置するので、上記のように光源基板210を拡幅する必要がなく、配光範囲(図14)の外側に配設でき、OLEDの出射光が板バネ220a、220bに入射して乱反射した乱反射光がロッドレンズアレイ230に入射することに起因する結像状態の乱れを防止できる。
(2−4)板バネの押圧位置
板バネ220aの突起221aは、光源基板210を挟んでホルダー200の突起部201aと対向配置されており、X−Y軸を含む仮想平面上においてホルダー200の突起部201aと光源基板210との当接位置と同じ位置関係にある、光源基板210における光出射側主面311上の第1の押圧位置210dを押圧している。
板バネ220bの突起221bは、X−Y軸を含む仮想平面上においてホルダー200の突起部201bと光源基板210との当接位置およびホルダー200の突起部201cと光源基板210との当接位置を結ぶ線分(一点鎖線)221cの中間点と同じ位置関係にある、光源基板210における光出射側主面311上の第2の押圧位置210eを押圧している。
2つの板バネ220a、220bの弾性力により、光源基板210は、長手方向両端側がホルダー200の突起部201a〜201cに押圧、つまり上から下に向かって常時弾性付勢される。なお、光源基板210は、ホルダー200の突起部201a〜201cと固着されているわけではないので、光源基板210の長手方向にホルダー200の突起部201a〜201cとの相対移動が許される。
(2−5)光源基板のホルダーへの固定
光源基板210は、その長手方向中央の位置210cのみが接着材205によりホルダー200の主面202に接着固定されている。接着材205は、本実施の形態では光源基板210の長手方向中央の位置210cにおける幅方向両端部210fのそれぞれごとに端部210fとホルダー200の主面202との間に介在するように塗布される。なお、光源基板210の長手方向中央の位置210cは、本実施の形態では、発光素子実装領域241の長手方向中央の位置に相当する。
光源基板210の幅方向両端部210fのそれぞれを接着固定することにより、光源基板210の幅方向(短手方向)に生じる振動を抑えることができ、感光体ドラム110上の形成画像にピッチムラが発生することによる画質劣化を抑制することができる。
すなわち、光源基板210の幅方向中央部を腹とする振動が生じると、各OLEDから出射された光ビームが感光体ドラム110上における本来の照射(露光)位置に対して副走査方向にずれた位置を照射するようになる。この露光位置の副走査方向のずれ量は、光源基板210の幅方向を腹とする振動に伴って周期的に変動し、これが感光体ドラム110上の形成画像に副走査方向のピッチムラを生じさせる。本実施の形態では、光源基板210の幅方向両端部210fのそれぞれを接着固定しており、光源基板210の幅方向中央部を腹とする振動を抑えられるので、このピッチムラの発生を抑制することができる。
接着材205としては、紫外線硬化樹脂からなる接着剤が好ましいが、これ以外の例えば2液混合接着剤や嫌気硬化接着剤などを用いるとしても良い。光源基板210において板バネ220aによる第1の押圧位置210dと板バネ220bによる第2の押圧位置210eとの間の長手方向における一の位置のみで、光源基板210とホルダー200との間に介在して光源基板210を接着固定可能な接着材であれば良い。
接着材205による接着は、光書込装置100の製造段階で光源基板210が板バネ220a、220bの押圧力によりホルダー200に押圧されて設計上の正規の姿勢で静止している状態で光源基板210の幅方向両端部210fのそれぞれにおいてホルダー200との間の隙間を埋めるように接着材205が流し込まれることにより行われる。
このようにホルダー200上の3つの突起部201a〜201cで光源基板210を3点支持しつつ、長手方向に光源基板210の中央の位置210cのみをホルダー200に接着固定し、且つ光源基板210の発光素子未実装領域210a、210bのそれぞれを板バネ220a、220bによりホルダー200に押圧する構成とした。
接着材205による光源基板210の長手方向中央の位置210cをホルダー200に接着固定することにより、光源基板210の長手方向中央部を腹とした光源基板210の振動が抑えられる。また、板バネ220a、220bにより光源基板210の発光素子未実装領域210a、210bのそれぞれを押圧することにより、光源基板210の長手方向両端側で、周囲環境の温度変化による光源基板210とホルダー200との熱膨張率差を逃がすことができ、光源基板210の変形が抑えられる。
なお、上記では接着材205による光源基板210の接着固定位置を光源基板210の長手方向中央の位置210cとしたが、これに限られない。光源基板210において板バネ220aによる第1の押圧位置210dと板バネ220bによる第2の押圧位置210eとの間の長手方向における一の位置であって、光源基板210の長手方向中央部を腹とした光源基板210の振動を抑えることが可能な一の位置のみを接着固定位置とすることができる。光源基板210の長手方向中央部を腹とした振動をより効果的に抑えるという点からすれば、接着固定位置を光源基板210の長手方向中央またはこの近傍位置とすることが好ましい。
また、光源基板210の幅方向両端部210fのそれぞれを接着固定するとしたが、これに限られない。上記のピッチムラが生じても画質劣化にまで至らないような場合には、例えば光源基板210の幅方向一方の端部210fのみまたは幅方向中央部のみを接着固定する構成をとることもできる。
さらに、突起部201a〜201cにより光源基板210を3点支持する構成例を説明したが、これに限られない。ホルダー200上で複数個の突起により、長尺の光源基板210を設計上の基準面に沿った姿勢で支持できれば良く、2点または4点以上の突起による支持の構成をとることもできる。ホルダー200上における突起の配置位置も上記に限られず、例えば突起部201aを板バネ220aの突起221aと光源基板210を挟んで対向する位置から長手方向に少しずらした位置にする構成をとることも可能であろう。
なお、ホルダー200の各突起は、ホルダー200の主面202に対する光源基板210の実際の配置位置を決める位置決め部材であるので、各突起の高さが全て同じ大きさに揃っていることが望ましいが、実際には製造上の誤差がある程度は含まれる。2個の突起間の距離が短いほどその高さの差に起因して、2個の突起の頂点を通る平面が設計上の基準面に対して傾斜し易くなり、設計上の基準面との誤差を小さくすることが難しい。このため突起の個数を最小限にして突起間の距離を長くすることにより、設計上の基準面との誤差を小さくすることが望ましい。突起の形状は球状に限られず、例えば台形状などとすることもできる。
さらに、光源基板210をホルダー200に押圧する押圧部材として板バネを用いる構成例を説明したが、これに限られず、圧縮コイルバネなどを含む弾性部材を用いることができる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、光源基板210のホルダー200への固定位置を光源基板210の長手方向中央の位置210cとする構成例を説明したが、本実施の形態2では、光源基板210の長手方向端部に実装されているドライバーIC側に少しずらす構成としており、この点で実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
(1)光書込装置の構成
図4(a)は、実施の形態2に係る光書込装置100aの構成を示す側面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B線における断面図であり、図4(c)は、図4(a)のC−C線における断面図である。なお、B−B線は、Z軸に平行であり、光源基板210における発光素子実装領域241の長手方向中央位置210c(光源基板210の長手方向中央位置に相当)を通る直線である。
図4(a)に示すように光源基板210は、ホルダー200と板バネ220a、220bにより支持されている。この支持構成は、実施の形態1と同じである。
光源基板210の光出射側主面311において発光素子実装領域241よりも外側であり長手方向一方端側にドライバーIC(Integrated Circuit)209が実装されている。
このドライバーIC209は、OLEDを駆動するための回路を有する半導体素子である。ドライバーIC209の回路構成については、後述する。
接着材205による接着固定位置は、光源基板210の長手方向中央の位置210cよりも長手方向にドライバーIC209が実装されている端部側にずれた位置になっている。この理由については、後述する。
ロッドレンズアレイ230は、図4(a)に示すように光源基板210の長手方向に沿って長尺であり、図4(b)に示すようにロッドレンズアレイ230の長手方向に直交する幅方向(Y軸方向)の両側面233、234がロッドレンズアレイ230を介して幅方向両側のそれぞれに配置された、横断面がL字状の板状部材であるレンズホルダー250a、250bにより支持されている。
なお、同図では、ロッドレンズアレイ230への光の入射面を231、ロッドレンズアレイ230から出る光の出射面を232で示し、またロッドレンズアレイ230を通過する光の進行方向(Z軸方向)とロッドレンズアレイ230の長手方向(X軸方向)にそれぞれ直交するY軸方向をロッドレンズアレイ230の幅方向といい、ロッドレンズアレイ230の幅方向両側の側面を側面233、234としている。
レンズホルダー250a、250bのそれぞれは、ここでは樹脂からなり、ホルダー200の主面202から垂直方向上方に向かって立設する第1板部253と、第1板部253の上端で直角に屈曲してロッドレンズアレイ230の側面233(又は234)に向かう方向に延出されている第2板部254を有する。レンズホルダー250a、250bは、レンズホルダー250aの第2板部254の先端252とレンズホルダー250bの第2板部254の先端252との間のY軸方向の距離がロッドレンズアレイ230の幅方向長さとほとんど同じになるように第1板部253がホルダー200に固定されている。
図4(a)に示すようにレンズホルダー250aの第2板部254における長手方向両側のそれぞれには、板バネ255が取り付けられている。具体的に同図右側の板バネ255は、図4(c)に示すようにL字状のものであり、ロッドレンズアレイ230の側面233に矢印Y方向の押圧力(復元力)を加える。他方の板バネ255も同様である。
2つの板バネ255の押圧力によりロッドレンズアレイ230は、レンズホルダー250bの第2板部254の先端252に常に押圧され、光源基板210に対して一定の距離だけ離れた位置で静止するように支持される。このレンズホルダー250bがロッドレンズアレイ230の幅方向(Y軸方向)の位置決め部材になる。
なお、レンズホルダー250a、250bも板バネ255もロッドレンズアレイ230を固定するものではないので、長手方向両端部ではロッドレンズアレイ230とレンズホルダー250a、250bとの長手方向への相対移動が許される。また、ロッドレンズアレイ230の長手方向両端側のそれぞれをレンズホルダー250bに向けて押圧する押圧部材(第3と第4の押圧部材)として2つの板バネ255を用いるとしたが、これに限られず、例えば圧縮コイルバネなどの弾性部材を用いることもできる。
ロッドレンズアレイ230は、図4(a)に示すように側面233のうち、光源基板210の発光素子実装領域241の長手方向中央位置210c(実装領域長手方向中央位置)と長手方向の位置が同じ部位(長手方向中央部)256のみが接着材251によりレンズホルダー250aに接着固定されている。ロッドレンズアレイ230の側面234についても同様であり、側面234のうち長手方向中央部256のみが接着材251によりレンズホルダー250bに接着固定されている(図4(b))。
ロッドレンズアレイ230の長手方向中央部256を固定位置とすれば、周囲環境の温度変化によりロッドレンズアレイ230が長手方向に伸びたとしても、長手方向中央部256の固定位置を挟んで長手方向一方端側と他方端側の伸び量が同等になる。これにより、周囲環境の温度変化時に光源基板210とロッドレンズアレイ230との光源基板210の長手方向のずれ量を低減することができる。このようにレンズホルダー250a、250b、板バネ255および接着材251がロッドレンズアレイ230を感光体ドラム110と光源基板210との間の空間において光源基板210の長手方向と平行する方向に沿った正規の姿勢で保持するレンズアレイ保持手段として機能する。
接着材251による接着は、光書込装置100の製造段階でロッドレンズアレイ230を上記の正規の姿勢でレンズホルダー250a、250bと板バネ255により押圧支持されている状態で、ロッドレンズアレイ230の側面233、234のうち長手方向中央部256とレンズホルダー250a、250bの先端252との間に接着材205が流し込まれることにより行われる。接着材251は、上記のいずれかのものを用いることができるが、他の種類のものでも良い。また、接着材に限られず、例えばネジや溶接などの他の固定手段を用いるとしても良い。
また、ロッドレンズアレイ230の長手方向中央部256が光源基板210の実装領域長手方向中央位置に対して長手方向に動かないように固定できれば良いので、例えばロッドレンズアレイ230の側面233、234のうち一方の側面のみについてその長手方向中央部256をこれに対応するレンズホルダーに接着固定する構成をとることもできる。
なお、ロッドレンズアレイ230の素材や長さなどによっては、周囲環境の温度変化時に光源基板210とロッドレンズアレイ230との長手方向のずれがほとんど生じない場合、またはずれが生じてもずれ量が小さいために感光体ドラム110上の形成画像の画質低下にまで至らない場合があり得、このような場合にはロッドレンズアレイ230の固定位置を上記とは別の位置とすることもできる。
(2)ドライバーICについて
図5(a)は、図4(a)に示す光源基板210のうちドライバーIC209を含む一部のみを拡大して示した側面図を示し、図5(b)は平面図を示している。なお、両図ではロッドレンズアレイ230とレンズホルダー250a、250bが省略されている。
図5(a)と(b)に示すようにドライバーIC209は、ここでは薄い平坦状であり、細長状の板バネ220aは、光源基板210の長手方向に沿った姿勢でドライバーIC209の上を跨ぐように配置されており、ドライバーIC209とは接触していない。なお、ドライバーIC209が同図に示す形状のものに限られないことはいうまでもない。
ドライバーIC209は、板バネ220aの突起221aが光源基板210を押圧する位置210dよりも光源基板210の長手方向端部側に配置されており、ガラスプレート300(図3(b))上において封止カバー302で封止されていない領域に実装されている。
ドライバーIC209は、温度センサー304を内蔵しており、電線を介して制御部107に接続され、制御部107から画像データを受け付ける。ドライバーIC209は、制御部107から受け付けた画像データと温度センサー304が検出した環境温度とに応じて電圧信号を生成する。この電圧信号に応じた駆動電流がOLEDに供給され、発光輝度が制御される。
図6は、ドライバーIC209を含む光源基板210の回路構成を示すブロック図である。図6に示すように本実施の形態では、全てのOLEDが300個の発光ブロック403に組分けされている。そして、ドライバーIC209には、300個のDAC(Digital to Analogue Converter)400が内蔵されており、それぞれが発光ブロック403と1対1に対応している。
ドライバーIC209は、制御部107から画像データを受け付けるとデジタル輝度信号(以下、単に「輝度信号」という。)を生成して、当該輝度信号を所定個数の画素分ずつ主走査期間ごとに各DAC400に分配する。DAC400から発光ブロック403に向かう回路上には何れも選択回路402が配設されている。
各DAC400は、輝度信号をアナログ電圧信号(以下、単に「電圧信号」という。)に変換し、書き込み配線401を経由して、対応する選択回路402に電圧信号を入力する。なお、書き込み配線401は金属薄膜配線になっている。書き込み配線401と選択回路402と発光ブロック403が上記のOLED層301に設けられる。
図7は、1対の選択回路402と発光ブロック403とを示す回路図である。
図7に示されるように、発光ブロック403は、キャパシター521、駆動用TFT522及びOLED501を1つずつ有する発光画素回路が複数、設けられてなる。
選択回路402は、シフトレジスター511と、発光画素回路と同数の選択用TFT512とを備えている。
シフトレジスター511は、選択用TFT512それぞれのゲート端子に接続されており、選択用TFT512を順番に一つずつのみをオンさせる。選択用TFT512のソース端子は、書き込み配線401を経由して、DAC400に接続されており、ドレイン端子はキャパシター521の第1の端子並びに駆動用TFT522のゲート端子に接続されている。
シフトレジスター511が一つの選択用TFT512をオンした状態で、DAC400からの電圧信号がその一つの選択用TFT512に対応するキャパシター521の第1の端子に入力され(チャージ)、リセットされるまで保持される(ホールド)。キャパシター521は、S/H回路として機能する。
キャパシター521の第1の端子は、駆動用TFT522のゲート端子にも接続されており、キャパシター521の第2の端子は駆動用TFT522のソース端子並びに電源線531に接続されている。このため、キャパシター521の端子間電圧がゲート−ソース間電圧Vgsとして駆動用TFT522に印加される。
駆動用TFT522のドレイン端子はOLED501のアノード端子に接続されており、OLED501のカソード端子は接地配線532に接続されている。また、電源線531は定電圧源AVDDに接続されており、接地配線532は接地端子GNDに接続されている。
定電圧源AVDDは、OLED501に供給される駆動電流の供給源となっており、駆動用TFT522は、キャパシター521の第1、第2の端子間に保持されている電圧、言い換えると駆動用TFT522のゲート−ソース間電圧Vgsに応じたドレイン電流を駆動電流としてOLED501に供給する。ゲート−ソース間電圧Vgsが高いほど、駆動用TFT522は多くの駆動電流を供給し、OLED501の輝度が高くなる。
例えば、キャパシター521にHiに相当する輝度信号が書き込まれると、駆動用TFT522がオンして、駆動電流に応じた輝度でOLED501が発光する。また、キャパシター521にLowに相当する輝度信号が書き込まれると、駆動用TFT522はオフして、OLED501は発光しない。このように、DAC400が出力する輝度信号を変更することによって、OLED501の輝度を制御することができる。
書き込み配線401にはリセット回路530が接続されている。リセット回路530をオンするとDAC400から選択用TFT512に至る配線が所定電圧にリセットされる。所定電圧は、定電圧源AVDDと同電圧であってもよいし、接地電圧と同電圧であってもよい。また、これらの中間電圧であってもよく、適切な電圧を選択するのが望ましい。リセット回路530は、ドライバーIC209に内蔵されていてもよい。また、リセット時と書込時でDAC400の極性を変えてリセットしてもよい。
このような構成を備えることによって、次のように輝度信号が書き込まれる。
図8のタイミングチャートに示されるように、シフトレジスター511が、まず1番目の選択用TFT512をオンすると、当該オン期間をチャージ期間として、DAC400からの輝度信号が1番目のキャパシター521に入力される。
次に、シフトレジスター511が1番目の選択用TFT512をオフすると、1番目のキャパシター521が保持している電圧に応じた駆動電流が1番目のOLED501に供給され、OLED501が点灯する(ホールド期間)。
1番目の選択用TFT512のオフと共に、2番目の選択用TFT512がオンされ、2番目のキャパシター521に輝度信号が入力される。このような動作をN番目の選択用TFT512まで実行すると、また、1番目の選択用TFT512に戻って上記の動作を繰り返す。
このように本実施の形態においては、複数のOLED501が一つのDAC400を共有し、各OLED501を順次切り替えながらDAC400から輝度信号を書き込むアクティブ駆動方式を採用することによって、光源基板210の回路規模を削減している。アクティブ駆動方式では、DAC400が書き込んだ輝度信号は、OLEDごとに次の書き込みが実施されるまで保持される。
(3)ドライバーICによる発熱が与える影響について
このようにドライバーIC209は、多数個の発光ブロック403に対応する多数個のDAC400をまとめて集積した半導体素子であり、OLED−PHでは、光源基板210の長手方向一方の端部に配置されることが多い。
この一方の端部への配置により、光源基板210の長手方向両端側のそれぞれにドライバーICを1つずつ配置する構成よりもドライバーICの個数を減らすことができ、光源基板210の長手方向両端側のそれぞれにドライバーICの配置スペースを設ける必要がなくなるので、その分、コスト低減を図れる。
ところが、光源基板210の長手方向一方端側にのみドライバーIC209を実装する構成の場合、ドライバーIC209の駆動によりドライバーIC209が発熱してドライバーIC209の温度が上昇すると、光源基板210上において、ドライバーIC209の実装されている長手方向一方の端部側ではドライバーIC209の熱が直ぐに伝わって温度が上昇し易くなる。これに対し、ドライバーIC209が実装されていない長手方向他方の端部側では、光源基板210が長尺の故に、ドライバーIC209の熱が伝わるのに時間がかかり、またその間に放熱されればドライバーIC209の熱による温度上昇が小さくなる。
このようにドライバーIC209が駆動されると、光源基板210の長手方向にドライバーIC209の実装されている端部側と実装されていない端部側とで温度差が生じ易くなる。この温度差は、光源基板210の長手方向中央を基準に一方の端部側と他方の端部側とで熱膨張による光源基板210の伸び量の差を生じさせる。
光源基板210には、上記のように線膨張係数の小さな材料が適用されているが、光源基板210が全く熱膨張しないということはなく、ドライバーIC209の熱により温度が上昇するほど、光源基板210の長手方向一方の端部側と他方の端部側との温度差が大きくなり、熱膨張による光源基板210の伸び量の差も大きくなる。
光源基板210の長手方向一方端から他方端までの間の一の所定部位のみをホルダー200に接着固定する構成では、周囲環境の温度変化による光源基板210の長手方向の伸びは、接着固定位置を挟んで長さ方向一方端側と他方端側のそれぞれがその接着固定位置を起点に接着固定位置から離れる方向に伸びていくことにより行われる。
例えば、伸びる前の光源基板210の発光素子実装領域241の長手方向中央の位置210c(図4(a))が感光体ドラム110上における露光範囲の主走査方向中央の位置に相当し、この中央の位置210cを光源基板210のホルダー200への接着固定位置とした場合、中央の位置210cを挟んで長手方向一方端側と他方端側とで温度差がほとんどなければ、光源基板210が長手方向に伸びたとしても、その伸び量は一方端側と他方端側とでほとんど同じになる。
ところが、光源基板210の長手方向一方端側にドライバーIC209が実装されている構成では、中央の位置210cを挟んでドライバーIC209が実装されている一方の端部側の方が他方の端部側よりも温度が高くなるので、それだけ伸び量も大きくなり、一方の端部側と他方の端部側とで伸び量に差が生じ易くなる。
図9(a)は、光源基板210の伸びによる配光範囲240の変化の様子を示す模式図である。この配光範囲240は、光源基板210に実装された全OLEDから光が出射された場合にその出射光が通過する領域であり、上記の配光範囲803に相当する。なお、図示していないが光源基板210の中央の位置210cに対して左側の長手方向端部にドライバーICが実装されているものとする。光源基板210の中央の位置210cは、感光体ドラム110の主走査方向中央の位置に相当する。以下、図9(a)において配光範囲240のうち、接着材205による固定位置を挟んで長手方向に、ドライバーICの実装側を範囲240a、その反対側を範囲240bとする。
温度変化により光源基板210が伸びる前には、範囲240a、240bの長手方向の大きさが同じであるが、伸びた後では、範囲240a´がαだけ大きくなり、範囲240b´がβ(<α)だけ大きくなっている。
変位量αとβの差が大きくなるほど、範囲240a´、240b´の長手方向長さに差が生じる。この差が生じると、配光範囲240がそのまま感光体ドラム110上の主走査方向の露光範囲になることから、感光体ドラム110上の形成画像に感光体ドラム110上における主走査方向中央の位置(210cに相当)を挟んで一方側と他方側とで主走査方向の長さに不均一が生じる、いわゆる画像領域の左右ずれの発生に繋がる。
この画像領域の左右ずれの発生は、光源基板210の長手方向一方の端部側と他方の端部側とで熱膨張による伸び量に差が生じることに起因する。そして、熱膨張による伸び量の差は、光源基板210の長手方向一方の端部のみに配置されているドライバーIC209の熱により、光源基板210の一方と他方の端部間で温度差が大きくなることによる。
この伸び量の差を小さくするには、光源基板210の伸びの起点となる接着固定位置を、長手方向中央の位置210cに対して伸び量の多い側、つまり発熱源であるドライバーIC209が実装されている側にずらせば良い。
図9(b)は、接着固定位置をドライバーIC209が実装されている側の位置205cにずらした構成例を示しており、この構成により、伸びる前の光源基板210について固定位置205cから長手方向一方端までの範囲240cの長さと他方端までの範囲240dの長さに差が生じる。なお、図9(b)に示す、伸びる前の光源基板210における配光範囲240は、図9(a)の場合と同じであり、配光範囲240の長手方向中央が中央の位置210cに一致している。
伸びる前の配光範囲240の長手方向長さを二等分した範囲を240eとすると、(範囲240cの長さ)<(範囲240eの長さ)<(範囲240dの長さ)の関係になる。
伸びる前の光源基板210において固定位置205cよりもドライバーIC209が実装されている側の範囲240cの長さが図9(a)に示す範囲240aよりも短くなっている。この短くなった分、図9(b)に示すように伸びた後の光源基板210において範囲240c´の伸び量が図9(a)のαよりも少なくなる。
一方、ドライバーIC209が実装されていない側の範囲240dの長さは図9(a)に示す範囲240bよりも長くなるが、ドライバーIC209が実装されていない側では温度変化による伸び量が少なく、かつ固定位置205cが中央の位置210cよりもドライバーIC209側にずれている。これにより、図9(b)に示すように伸びた後の光源基板210において範囲240d´の伸び量が図9(a)の範囲240bより増えても、範囲240d´の長手方向端部の位置は、図9(a)の範囲240b´とほとんど変わっていないことが判る。
図9(b)に示すように光源基板210が伸びた後における配光範囲240は、感光体ドラム110の主走査方向中央の位置(210cに相当)を挟んで長手方向一方端側と他方端側の長さの差が図9(a)に示す伸びた後の例よりも小さくなり、上記画像領域の左右ずれが図9(a)の構成よりも低減させることができる。なお、光源基板210の接着固定位置を中央の位置210cからドライバーIC209側にどれだけの距離ずらすかは、画像領域の左右ずれが生じたとしても感光体ドラム110上における形成画像の画質劣化に至ることがない範囲内の大きさに抑えられように、装置構成に応じて実験などにより予め決められる。
このように実施の形態2では、光源基板210のホルダー200への接着固定位置を中央の位置210cに対して長さ方向にドライバーIC209の実装されている側にずらす構成としたので、中央の位置210cを固定位置とする構成よりも感光体ドラム110上における画像領域の左右ずれを低減することができる。
また、図5に示すようにドライバーIC209と板バネ220aの突起221aとは、ドライバーIC209の方が板バネ220aの突起221aよりも光源基板210の長手方向端部側に配置されている。この位置関係により、ドライバーIC209から発せられた熱の一部が光源基板210から板バネ220aの突起221aを介して板バネ220aの本体部222aに伝わり、その伝わった熱を本体部222aからホルダー200の台部200a(図2)に逃がすことができる。従って、ドライバーIC209から発せられる熱のうち光源基板210の長手方向中央に向かって伝わる熱の一部をその伝熱途中で板バネ220aにより放熱することができる。
なお、装置構成によっては例えばドライバーIC209と板バネ220aの突起221aとの長手方向の位置関係を上記とは逆、すなわち板バネ220aの突起221aの方がドライバーIC209よりも光源基板210の長手方向端部側に配置される構成をとることもできる。
また、ドライバーIC209を備える構成でもその発熱が少ないために、画像領域の左右ずれが生じたとしても形成画像の画質に影響を与えない範囲内であれば、実施の形態1のように中央の位置210cを固定位置とする構成をとることもできる。この意味で、ドライバーICが配置される構成において、画像領域の左右ずれが画質低下に至らない範囲内に抑えられるような場合には実施の形態1の構成をとり、画像領域の左右ずれを許容できないような場合には、実施の形態2の構成をとるといった選択を行うこともできる。
さらに、ドライバーIC209の熱の影響をできるだけ抑えるべく、例えばドライバーIC209の熱を周囲空間に放熱するヒートシンクを設ける構成をとることもできる。
図10(a)は、光源基板210を挟んでドライバーIC209と対向するように光源基板210の支持側主面310にヒートシンク270を設けた構成例を示す図であり、図10(b)は、光源基板210の支持側主面310において、ドライバーIC209の長手方向中央の位置209aよりも光源基板210の長手方向中央寄りの位置にヒートシンク270を設けた構成例を示す図である。
図10(a)の構成では、ドライバーIC209から発せられた熱が光源基板210に伝わり、さらに光源基板210を挟んで対向配置されたヒートシンク270に伝わると、ヒートシンク270により放熱される。
図10(b)の構成では、ドライバーIC209から発せられた熱が光源基板210を通ってドライバーIC209よりも光源基板210の長手方向中央側に位置する発光素子実装領域241に向かう途中でヒートシンク270により放熱される。なお、ヒートシンクの配置スペースを確保できれば、例えばドライバーIC209の外表面209b(図10(a))にヒートシンクを直接、配置する構成をとることもできる。
上記では、ドライバーIC209が光源基板210の光出射側主面311(第1主面)に実装される構成例を説明したが、これに限られず、例えば光源基板210の支持側主面310(第2主面)に実装される構成とすることもできる。この構成の場合、光源基板210の光出射側主面311と支持側主面310のうち、ドライバーIC209が実装されている側とは反対側の光出射側主面311にヒートシンク270が実装される。また、ドライバーIC209と板バネ220aの突起221aとの光源基板210の長手方向の位置関係を上記と同様とすることができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態では、図2に示すように細長状の板バネ220a、220bを光源基板210の長手方向に沿った姿勢で配置する例を説明したが、これに限られない。
例えば、図11に示すように細長状の板バネ220aを光源基板210の長手方向に直交する幅方向(Y軸方向)に沿った姿勢で配置し、板バネ220aの先端部に設けられた突起221aが光源基板210の光出射側主面311のうち長手方向に発光素子実装領域241とドライバーIC209との間の領域内の位置を押圧する構成をとることもできる。板バネ220bについても同様である。
(2)上記実施の形態2では、板バネ220aがドライバーIC209とは非接触の構成例を説明したが、これに限られない。光源基板210の支持に必要な大きさの押圧力を確保できるのであれば、例えば板バネ220aの本体部222aがドライバーIC209に接触する構成をとることもできる。ドライバーIC209の熱が直接、板バネ220aに伝達され、その熱を板バネ220aからホルダー200に逃がすことができる。
(3)上記実施の形態においては、画像形成装置がタンデム型のカラープリンター装置である場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、タンデム型以外のカラープリンター装置やモノクロプリンター装置に本発明を適用してもよい。また、スキャナーを備えた複写装置や、更に通信機能を備えたファクシミリ装置といった単機能機、或いはこれらの機能を兼ね備えた複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。また、画像形成装置に限られず、有機EL素子から発せられた光ビームにより、感光体ドラムや感光体ベルトなどの感光体に画像の書き込みを行う装置一般に適用できる。
また、複数のOLEDからの出射光を感光体ドラム110に結像させるレンズアレイとしてロッドレンズアレイ230を用いる構成例を説明したが、これに限られず、光源基板210の長手方向に長尺状の例えば樹脂またはガラスなどからなるレンズアレイ一般を用いることができる。
さらに、光源基板やホルダーなどの各部材の寸法、形状、材料等が上記のものに限られないことはいうまでもなく、装置構成ごとに適した寸法、形状、材料等が決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容を可能な限りそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、光書込装置およびこれを備える画像形成装置に広く適用することができる。
1 画像形成装置
100、100a 光書込装置
110 感光体ドラム
130 OLEDから出射された光ビーム(出射光)
200 ホルダー
201a、201b、201c 突起部
205 接着材
205c 中央の位置から長手方向にずれた接着固定位置
209 ドライバーIC
209a 光源基板の長手方向におけるドライバーICの中央位置
210 光源基板
210a、210b 発光素子未実装領域
210c 中央の位置
210d 第1の押圧位置
210e 第2の押圧位置
210f 光源基板の幅方向端部
220a、220b、255 板バネ
221a、221b 球状突起
230 ロッドレンズアレイ
240 配光範囲
241 発光素子実装領域
250a、250b レンズホルダー
270 ヒートシンク
310 支持側主面
311 光出射側主面
501 OLED

Claims (10)

  1. 感光体に光書き込みを行う光書込装置であって、
    前記感光体へ向けて光を出射する複数の有機EL素子が列状に配列されており、当該有機EL素子の配列方向に長尺の光源基板と、
    前記光源基板における、前記有機EL素子の光出射側の第1主面とは反対側の第2主面に接触する複数の突起部を有するホルダーと、
    前記光源基板の長手方向両側であって前記有機EL素子の実装領域よりも外側の未実装領域において前記第1主面を押圧する第1と第2の押圧部材と、
    前記第1の押圧部材による第1の押圧位置と前記第2の押圧部材による第2の押圧位置との間の前記光源基板の長手方向における一の位置のみで当該光源基板と前記ホルダーとの間に介在して、前記光源基板を前記ホルダーに接着固定する接着材と、
    を備えることを特徴とする光書込装置。
  2. 前記光源基板における前記両側の未実装領域のいずれか一方に、前記複数の有機EL素子を駆動する回路を有するドライバーICが実装されており、
    前記光源基板の長手方向において前記接着固定の位置が前記有機EL素子の実装領域の当該長手方向中央に対して前記ドライバーICが実装されている側にずれた位置であることを特徴とする請求項1に記載の光書込装置。
  3. 前記複数の有機EL素子からの出射光を前記感光体に結像させる長尺状のレンズアレイと、
    前記レンズアレイを前記感光体と前記光源基板との間の空間において前記光源基板の長手方向と平行する方向に沿った姿勢で保持するレンズアレイ保持手段と、
    を備え、
    前記レンズアレイ保持手段は、
    前記レンズアレイを挟んで当該レンズアレイの長手方向に直交する幅方向両側のうち一方の側に位置するレンズホルダーと、
    前記レンズアレイを挟んで前記幅方向両側のうち他方の側かつ前記レンズアレイの長手方向両端側のそれぞれに位置し、前記レンズアレイを前記レンズホルダーに押圧する第3と第4の押圧部材と、
    前記レンズアレイの幅方向の側面のうち、前記有機EL素子の実装領域の長手方向中央と当該長手方向の位置が同じ部位を当該長手方向に動かないように固定する固定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の光書込装置。
  4. 前記第1と第2の押圧位置のうち、前記光源基板における前記ドライバーICが実装されている側の押圧位置が、前記未実装領域において前記ドライバーICよりも前記光源基板の長手方向中央寄りの位置であることを特徴とする請求項2または3に記載の光書込装置。
  5. 前記ドライバーICは、前記光源基板の前記第1主面に実装されており、
    前記第1と第2の押圧部材のうち、前記光源基板における前記ドライバーICが実装されている側を押圧する押圧部材は、前記光源基板の長手方向に平行する方向に長い板バネであり、当該長手方向に沿った姿勢で前記ドライバーICの上を跨ぐように配置され、当該ドライバーICとは非接触であることを特徴とする請求項4に記載の光書込装置。
  6. 前記光源基板を挟んで前記ドライバーICと対向するように前記光源基板の第1主面と第2主面のうち前記ドライバーICが実装されている側の主面とは反対側の主面に、または前記ドライバーICに、ヒートシンクが配置されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の光書込装置。
  7. 前記光源基板の第1主面と第2主面のうち前記ドライバーICが実装されている側の主面とは反対側の主面において、前記光源基板の長手方向における前記ドライバーICの中央位置よりも前記光源基板の長手方向中央寄りの位置にヒートシンクが配置されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の光書込装置。
  8. 前記ホルダーは、前記光源基板の長手方向に沿って長尺状であり、
    前記複数の突起部には、
    前記ホルダーの長手方向一方の端部側に設けられた第1の突起部と、前記長手方向他方の端部側であり当該長手方向とは直交する幅方向に間隔を開けて設けられた第2と第3の突起部が含まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光書込装置。
  9. 前記接着材は、前記光源基板の前記一の位置において、前記光源基板の長手方向とは直交する当該光源基板の幅方向両側の部分のみを前記ホルダーに接着固定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光書込装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光書込装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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