JP6672937B2 - 光書込み装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
そこで、OLEDが電流駆動型の発光素子であり、駆動電流量を調節することによって発光輝度を制御することができる点に着目して、OLED毎に発光輝度を制御する対策が採られている。具体的には、OLED−PHには、OLED毎にサンプルホールド回路(以下、「S/H回路」という。)と駆動回路を設け、S/H回路にて輝度信号を保持し、当該輝度信号に応じた駆動電流を駆動回路からOLEDに供給することによって、OLEDの発光輝度が制御される。
このため、複数のS/H回路にDACを共有させて、S/H回路を順次切り替えながら輝度信号を書き込むアクティブ駆動型のOLED−PHが提案されている。このようにすれば、DAC数を低減することができるので、システムコストを抑えることができる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、OLED−PHの回路規模を増大させることなく、輝度信号の書き込み精度と書き込み速度とを共に向上させることができる光書込み装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
この場合において、所属する発光画素回路数が同じであるグループ毎に設けられ、当該グループに係る選択回路に前記各発光画素回路を選択するタイミングを示すクロック信号を供給するクロック信号供給回路を備えれば更に好適である。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る光書込み装置を備えることを特徴とする。
本実施の形態に係る画像形成装置は、DACからS/H回路に至る配線が長いほどDAC配下のS/H回路数を少なくすることによって、遠端部においては十分な充放電時間を確保すると共に、充放電時間が短くても構わない近端部においては遠端部よりも多数のS/H回路に輝度信号を書き込むことによって、OLED−PH全体として輝度信号の書き込み時間を短縮する。
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1に示されるように、画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンターである。画像形成装置1が備える画像形成ステーション110Y、110M、110C及び110Kは、制御部101の制御の下、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)各色のトナー像を形成する。例えば、画像形成ステーション110Yにおいてイエローのトナー像を形成する際には、まず、帯電装置112Yが感光体ドラム111Yの外周面を一様に帯電させる。
同様にして、画像形成ステーション110M、110C及び110Kが形成したマゼンタ、シアン及びブラック各色のトナー像が、イエローのトナー像に重なるようにタイミングを合わせて中間転写ベルト102の外周面上に1次転写され、カラートナー像が形成される。中間転写ベルト102はカラートナー像を2次転写ローラー対103の2次転写ニップまで搬送する。
給紙カセット120には記録シートSが収容されており、ピックアップローラー121は、記録シートSを1枚ずつ送り出す。記録シートSは、タイミングローラー122に達すると搬送が一旦停止された後、中間転写ベルト102によるカラートナー像の搬送にタイミングを合せて、2次転写ローラー対103まで搬送される。
[2]光書込み装置100の構成
次に、光書込み装置100の構成について説明する。
(2−1)全体構成
図2に示されるように、光書込み装置100は、OLEDパネル200とロッドレンズアレイ202をホルダー203に収容したものである。OLEDパネル200においては16,000個のOLED201がライン状に配設されている。OLED201は、いわゆる有機発光ダイオードであって、有機材料で形成された発光素子である。
ロッドレンズアレイ202を構成する個々のロッドレンズと個々のOLED201と位置関係はさまざまであり、OLED201毎の集光率が一定しないため、すべてのOLED201を同一の輝度で発光させると、感光体ドラム111の外周面上でのOLED201毎の露光量にムラが生じる。このようなムラが生じないようにするために、OLED201毎に輝度が調整される。
(2−2)OLEDパネル200の概略構成
図3は、OLEDパネル200の概略平面図であり、併せてB−B´線における断面図とC−C´線における断面図も示されている。また、概略平面図部分は後述する封止板301を取り外した状態を示している。
TFT基板300には、16,000個のOLED201が主走査方向に沿って配列されている。これらのOLED201は、感光体ドラム111の外周面上で集光点が主走査方向において21.2μmピッチ(1200dpi)に並ぶように、一列又は千鳥状に配置されている。
(2−3)TFT基板300の構成
本実施の形態においては、複数のOLED201がDACを共有し、これらのOLED201を順次切り替えながらDACから輝度信号を書き込むアクティブ駆動方式を採用することによって、TFT基板300の回路規模を削減している。アクティブ駆動方式では、DACが書き込んだ輝度信号は、主走査期間(1H期間)経過後の次の書込みが実施されるまで保持される。
ソースIC302は、制御部101から画像データと輝度データとを受け付けるとデジタル輝度信号(以下、単に「輝度信号」という。)を生成して、当該輝度信号を100画素分ずつ主走査期間ごとに各DAC400に分配する。DAC400から発光ブロック403に向かう回路上には何れも選択回路402が配設されている。
図5は、1対の選択回路402と発光ブロック403とを示す回路図である。図5に示されるように、発光ブロック403は、後述するように複数の発光画素回路からなっており、各発光画素回路は、キャパシター521、駆動用TFT522及びOLED201を1つずつ有している。また、選択回路402はシフトレジスター511と発光画素回路と同数の選択用TFT512とを備えている。
シフトレジスター511が選択用TFT512をオンした状態で、DAC400からの電圧信号がキャパシター521の第1の端子に入力され(チャージ)、リセットされるまで保持される(ホールド)。キャパシター521は、S/H回路として機能する。
駆動用TFT522のドレイン端子はOLED201のアノード端子に接続されており、OLED201のカソード端子は接地配線532に接続されている。また、電源線531は定電圧源AVDDに接続されており、接地配線532は接地端子GNDに接続されている。
次に、シフトレジスター511が1番目の選択用TFT512をオフすると、1番目のキャパシター521が保持している電圧に応じた駆動電流が1番目のOLED201に供給され、OLED201が点灯する(ホールド期間)。
なお、本実施の形態においては、駆動用TFT522がpチャンネルである場合を例にとって説明しているが、nチャンネルの駆動用TFT522を用いても良いことは言うまでも無い。また、電源線531及び接地配線532もまた金属薄膜配線である。
次に、発光ブロック403毎の発光画素回路数の割り当てについて説明する。
従来技術においては、OLED−PHを構成するすべての発光ブロックが同数の発光画素回路を含んでおり、従って、DAC配下のS/H回路数はすべて同数になっている。このため、発光ブロック毎の発光画素回路数を多くすると、ソースICの遠端部においてS/H回路毎に十分な充放電時間を確保するためには主走査期間を長くせざるを得ない。
一方、発光ブロック毎の発光画素回路数を少なくすると、発光ブロックに対応するDACの数を多くせざるを得ないため、ソースICやOLED−PH自体の大型化や、ソースICを高集積化するためのコスト上昇を招いてしまう。
図7は、発光ブロック403毎の発光画素回路数を異ならせるための構成を示す回路図である。図7に示されるように、ソースIC302の近端部から順にDAC#1、DAC#2、…、DAC#300と番号づけられた300個のDAC400がソースIC302から電圧信号を受け付ける。DAC#1は近端部のDAC400であり、DAC#300は遠端部のDAC400である。
[4]従来技術との比較
次に、本実施の形態に係る光書込み装置100と従来技術との性能を比較する。なお、従来技術においては、300個のDACの配下に何れも50個の発光画素回路数が設けられている場合を想定する。また、各発光画素回路に対する輝度信号の書き込み時において必要となる充放電時間は、遠端部においては600ナノ秒以上であり、近端部においては300ナノ秒以上、また中間部においては400ナノ秒以上必要になるものとする。
600ナノ秒 × 50個 = 30マイクロ秒
でなければならない。
619ナノ秒 × 40個 = 24.7マイクロ秒
に抑えている。
416ナノ秒 × 60個 = 24.9マイクロ秒
とする。更に、近端部については共有数を80個まで増やし、かつ充放電時間として302ナノ秒を確保しながら、必要な主走査期間を
302ナノ秒 × 80個 = 24.1マイクロ秒
に抑えた。このようにすれば、光書込み装置100全体としては、必要な主走査期間が最も長い中間部に合せて24.9マイクロ秒とすれば、精度良く輝度信号を書き込むことができる。同時に、上記の従来技術よりも主走査期間を約16.7%短縮することができるので、光書込みの高速化を達成することができる。更に、上記の試算によれば、光画素回路数を全体として約9.3%増加させることができるので、光書込みの高解像度化も達成することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態においては特に言及しなかったが、選択回路402が備えるシフトレジスター511に、選択用TFT512を所定のタイミングでオンオフ制御させるためには、クロック信号を入力する必要がある。また、発光画素回路の位置に応じて、DAC400を共有する発光画素回路の数が異なる場合には、共有数に応じてクロック信号を異ならせる必要がある。
(2)上記実施の形態においては特に言及しなかったが、DAC400を共有する発光画素回路数が異なると、主走査期間内における各OLED201の発光タイミングも異なってくる。同じDAC400の配下にあるOLED201を主走査方向に平行になるように1列に配列すると、感光体ドラム111の外周面上での露光位置が副走査方向にズレが生じ、また、隣り合う露光位置どうしのズレは共有数が小さいほど大きくなる。
d = 主走査期間Hsync × 感光体ドラム111の接線速度 ÷ 40
だけずらして配置するのが望ましい。
(3)上記実施の形態においては、DAC400が300個、OLED201が16,000個であり、共有数は近端部が80個、中間部が60個、遠端部が40個である場合を例にとって説明したが、本発明がこれらの数に限定されないのは言うでもなく、DAC400やOLED201が他の個数であってもよく、また、DAC400を共有する発光画素回路の数も異なっていてもよい。
100…光書込み装置
200…OLEDパネル
201…OLED
300…TFT基板
302…ソースIC
400…DAC
401…書き込み配線
Claims (7)
- 電圧を保持するサンプルホールド回路と、前記サンプルホールド回路の保持電圧に応じた駆動電流を出力する電流制御回路と、前記駆動電流に応じた輝度で発光する発光素子と、をそれぞれ有する複数の発光画素回路と、
前記サンプルホールド回路の保持電圧を制御する電圧制御手段と、
前記複数の発光画素回路は、回路基板上で近設された発光画素回路どうしのグループに区分されており、当該グループ毎に、当該グループと前記電圧制御手段とを電気的に接続する複数の金属薄膜配線と、を備え、
前記金属薄膜配線の配線長が長いほど、当該金属薄膜配線に接続されたグループに属する発光画素回路が少なくなるように、前記複数の発光画素回路が区分されており、
前記グループ毎に属する前記サンプルホールド回路の数は何れも1の整数Nの倍数になっており、Nは2以上の整数である
ことを特徴とする光書込み装置。 - 電圧を保持するサンプルホールド回路と、前記サンプルホールド回路の保持電圧に応じた駆動電流を出力する電流制御回路と、前記駆動電流に応じた輝度で発光する発光素子と、をそれぞれ有する複数の発光画素回路と、
前記サンプルホールド回路の保持電圧を制御する電圧制御手段と、
前記複数の発光画素回路は、回路基板上で近設された発光画素回路どうしのグループに区分されており、当該グループ毎に、当該グループと前記電圧制御手段とを電気的に接続する複数の金属薄膜配線と、を備え、
前記金属薄膜配線の配線長が長いほど、当該金属薄膜配線に接続されたグループに属する発光画素回路が少なくなるように、前記複数の発光画素回路が区分されており、
前記複数の発光画素回路は第1の方向に沿って配列されており、
1のグループに属する前記サンプルホールド回路の数が、他の1のグループに属するサンプルホールド回路の数よりも多い場合には、前記第1の方向に直交する方向において、当該1のグループに係る複数の発光素子の間隔が、前記他の1のグループに係る発光素子の間隔よりも狭くなっている
ことを特徴とする光書込み装置。 - 電圧を保持するサンプルホールド回路と、前記サンプルホールド回路の保持電圧に応じた駆動電流を出力する電流制御回路と、前記駆動電流に応じた輝度で発光する発光素子と、をそれぞれ有する複数の発光画素回路と、
前記サンプルホールド回路の保持電圧を制御する電圧制御手段と、
前記複数の発光画素回路は、回路基板上で近設された発光画素回路どうしのグループに区分されており、当該グループ毎に、当該グループと前記電圧制御手段とを電気的に接続する複数の金属薄膜配線と、を備え、
前記金属薄膜配線の配線長が長いほど、当該金属薄膜配線に接続されたグループに属する発光画素回路が少なくなるように、前記複数の発光画素回路が区分されており、
前記グループ毎に設けられており、当該グループに接続された前記電圧制御手段による前記サンプルホールド回路の保持電圧の制御対象となる発光画素回路を順次選択する選択回路を備え、
前記選択回路は、所定の期間内において当該グループに属する各発光画素回路を選択する期間が均等になっている
ことを特徴とする光書込み装置。 - 所属する発光画素回路数が同じであるグループ毎に設けられ、当該グループに係る選択回路に前記各発光画素回路を選択するタイミングを示すクロック信号を供給するクロック信号供給回路を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の光書込み装置。 - 前記複数のグループの一部であって、前記金属薄膜配線の長さが近い2以上のグループは、当該グループに属する前記サンプルホールド回路の数が同じである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光書込み装置。 - 前記発光素子はOLEDである
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の光書込み装置。 - 請求項1から6の何れかに記載の光書込み装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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