JP6696403B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、染料前駆体と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関する。
近年になって省力化、サービス向上のため、感熱記録型券紙を用いる自動券売機の導入が各種の交通機関で進められている。記録方式には、装置が小型化でき、メンテナンスが容易なダイレクトサーマル方式が採用されている。ここで使用される感熱記録体は、例えば鉄道の乗車券、航空機の搭乗券、乗用車の駐車券等として利用範囲が広がっている。
感熱記録体の欠点として、熱発色後の印字部が界面活性剤、油脂類、アルコール等によって消色または発色することが知られており、各種の交通機関等では褪色防止能や耐水性付与のため保護層を感熱記録層上に設けることを仕様書などで定めている。
通常、自動改札機が設置されていない改札口では、捺印スタンプインクによる捺印で使用済みであることを表示することが行われている。また、有料駐車場のサービスを受けた証として捺印されることが多い。しかし、上記の保護層ではバリア性が要求されるため、捺印スタンプインクの吸収性が皆無であるか、吸収性が僅かにあっても捺印の速乾性に劣るものである。保護層に無機顔料などを混入させ、吸収性を付与する試みもあるが、バリア性、発色性とのバランスを確保することが難しいのが現状である。
上記保護層上に吸油量の高い無機顔料を主成分としたスタンプインク吸収層を設けることにより捺印スタンプインクの吸収性を高めることが提案されている(特許文献1〜4参照)。しかし、このスタンプインク吸収層では、捺印スタンプインクの吸収性は高くなるが、定着性は付与していないため、薬品を使用して捺印を消去することが可能である。この捺印スタンプインクの定着性が劣ることを悪用して、界面活性剤、アルコール等の薬品でふき取るなどして捺印を消去し、再使用するケースが発生しており、各種の交通機関で深刻な被害となっている。
特開平08−337059号公報 特開平10−000857号公報 特開2000−289333号公報 特開2001−010230号公報
本発明は、捺印スタンプインクの吸収性と定着性に優れ、捺印の耐改竄性にも優れた感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、上記課題を解決することができる本発明の感熱記録体を発明するに到った。すなわち、本発明は、下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体と、前記支持体の一方の面に感熱記録層と、前記感熱記録層上に保護層と、前記保護層上にスタンプインク吸収層とを有する感熱記録体であって、前記スタンプインク吸収層がアクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体、非晶質シリカ、並びにポリビニルアルコール及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱記録体。
項2:前記非晶質シリカの比表面積が200〜800m/gである、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記ポリビニルアルコール及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種がアセトアセチル変性ポリビニルアルコールである、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記支持体の他方の面に磁気記録層を有する、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、捺印スタンプインクの吸収性と定着性に優れ、捺印の耐改竄性にも優れる。
本発明の感熱記録体は、支持体と、前記支持体の一方の面に感熱記録層と、前記感熱記録層上に保護層と、前記保護層上にスタンプインク吸収層とを有している。
スタンプインク吸収層は、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体、非晶質シリカ、並びにポリビニルアルコール及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している。
アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体は、カチオン性樹脂の1種であり、染料固着剤として作用する。このことは、捺印スタンプインク中の着色剤との間に何らかの化学結合が生成することにより、捺印スタンプインクを安定化させていると考えられる。これにより、スタンプインク吸収層に触れた捺印スタンプインクに定着性が発現し、耐改竄性が得られるようになる。また、感熱記録の発色性を損なうことなく、捺印スタンプインクに対して速乾性を備えている。
アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩、あるいはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。これらの中でも塩酸塩、酢酸塩、燐酸塩が好ましい。
この染料固着剤としてアクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体とは異なるカチオン性樹脂、例えばインクジェット記録用紙の受像層に染料固着剤として一般に使用されているポリウレタン系カチオン樹脂等のカチオン性樹脂を使用しても、上記の捺印スタンプインクによる捺印に定着性をもたらすことは十分でなく、捺印の耐改竄性にも劣るものとなる。
スタンプインク吸収層中のアクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体の含有割合は、特に限定されないが、含有される層の全固形量中5〜50質量%の割合で含有させることが好ましく、10〜30質量%がより好ましい。含有割合を5質量%以上とすることにより、インク定着性を向上できる。一方、50質量%を超えて含有させると、インク定着性の効果は飽和するため、コストを抑える観点から50質量%以下が好ましい。また、塗液の粘性を抑えて、均一な塗布層を得ることができる。
本発明ではスタンプインク吸収層中にアクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体のカチオン性樹脂を含有させるため、アニオン性樹脂を併用することは難しいが、本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて、電荷を持たないノニオン性樹脂を併用することはできる。ノニオン性樹脂の樹脂骨格としては、例えばウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
スタンプインク吸収層中に非晶質シリカを含有させることによって、捺印スタンプインクの吸収性能を高めることができる。この吸収性能をより一層高める観点から非晶質シリカの比表面積は、好ましくは200〜800m/g、より好ましくは300〜700m/g、更に好ましくは400〜600m/gの範囲である。比表面積を200m/g以上とすることにより、捺印スタンプインクを瞬時に吸収し、吸収性能を向上することができる。一方、800m/g以下とすることにより、スタンプインク吸収層自体の強度を高め、表面強度を向上することができる。これにより、感熱記録の際にスタンプインク吸収層の剥離し、ヘッド粕となって印字障害を引き起こす虞がない。なお、上記の非晶質シリカの比表面積は、例えばBET法によって測定される。
非晶質シリカの含有割合は、特に限定されないが、含有される層の全固形量中30〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。含有割合を30質量%以上とすることにより、インク吸収性を高めて、捺印スタンプインクの速乾性を向上することができる。一方、70質量部以下とすることにより、スタンプインク吸収層の表面強度を向上できる。また、捺印スタンプインクによる捺印濃度を向上する効果も得られる。
スタンプインク吸収層には、接着剤としてポリビニルアルコール及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種が含有される。かかる具体例としては、例えば完全鹸化又は部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールにジケテンを反応させる等によってアセトアセチル基を導入したアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン基を有する単量体とビニルエステルとの共重合体の鹸化物として得られるジアセトンポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水イタコン酸等の多価カルボン酸を反応させた反応生成物、及びこれらの反応生成物のエステル化物、酢酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体の鹸化物として得られるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとエチレンスルホン酸、アリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はこれらの塩との共重合体の鹸化物として得られるスルホン酸変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタドデセン等のオレフィン類との共重合体の鹸化物として得られるオレフィン変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類との共重合体の鹸化物として得られるニトリル変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとアクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類との共重合体の鹸化物として得られるアミド変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとN−ビニルピロリドンとの共重合体の鹸化物として得られるピロリドン変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明では、スタンプインク吸収層中にアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有させることが好ましい。これにより捺印スタンプインクの定着性能を向上させることができる。この定着性能が向上する理由は明らかでないが、スタンプインク吸収層中のアクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体のカチオン性樹脂と硬化反応を引き起こすことにより、スタンプインク吸収層中の非晶質シリカと捺印スタンプインクとの結着力が向上するためと考えられる。
かかるポリビニルアルコール及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、特に限定されないが、含有される層の全固形量中10〜50質量%の割合で含有させることが好ましく、20〜30質量%がより好ましい。
スタンプインク吸収層には、特定の非晶質シリカと接着剤とともに、必要によりケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などの無機質顔料や有機質顔料、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類等からなるヘッド摩耗防止剤、スティッキング防止剤等を含有させることができる。さらに通常、感熱記録体の製造に用いられる各種の添加助剤、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、消泡剤等の界面活性剤、着色剤等の蛍光染料などを所望により含有させることができる。
スタンプインク吸収層は、例えば水を分散媒体とし、特定の染料固着剤、接着剤及び顔料、並びに助剤等を混合することによって調製されたスタンプインク吸収層用塗液を用いて、保護層上に塗布及び乾燥して形成される。スタンプインク吸収層の乾燥後の塗布量は、特に限定されず、0.2〜10g/mが好ましく、0.5〜5g/mがより好ましい。
本発明では、支持体の他方の面に磁気記録層を有することが好ましい。磁気記録層は、支持体に対して、全面に設けてもよく、例えばストライプ状、格子状等といった部分的に設けてもよい。
磁気記録層は、磁性体化合物と接着剤を含有している。磁気記録層には、必要に応じで分散剤、帯電防止剤、ワックス類、カーボングラファイト、添加剤などの各種助剤が適宜用いられ、水を分散媒体として混合撹拌して得られる磁気記録層用塗液を、支持体上に塗布及び乾燥して形成される。
磁気記録層に用いられる磁性体化合物としては、例えばγ−フェライト、コバルト含有フェライト、バリウムフェライト、酸化クローム、ストロンチウムフェライト等が挙げられる。これらの中でも、磁気記録情報が通常の磁気で消去されないためには、1500〜5000のエルステッドのバリウムフェライト、ストロンチウムフェライトが好ましく用いられる。
磁気記録層に用いられる接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル重合体、酢酸ビニル重合体、ポリウレタン等のラテックスから得られる疎水性樹脂、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂が挙げられる。かかる接着剤の含有割合としては、磁気記録層の全固形量中10〜40質量%程度が好ましい。
磁気記録層の乾燥後の塗布量は、特に限定するものではないが、一般に20〜50g/m程度の範囲となるように調節される。
本発明では、磁気記録層と支持体との間にアイオノマー樹脂層を有することが好ましい。これにより、磁気記録層の表面平滑性を向上し、支持体との密着性を向上することができる。アイオノマー樹脂は、特に限定されず、例えば水系エマルジョンのものを乾燥後の塗布量が0.3〜1g/m程度となるように塗布及び乾燥して形成すればよい。密着性を向上する観点からアイオノマー樹脂層の表面をコロナ放電処理することが好ましい。
感熱記録層は、例えば各種公知の染料前駆体、顕色剤、必要により増感剤、保存改良剤等の発色成分を単独で粉砕または混合して粉砕した各々の分散液と接着剤等とを混合して得られる感熱記録層用塗液を用いて、支持体上に塗布及び乾燥して形成される。
黒色発色を与える染料前駆体として、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、及び3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を挙げることができる。
赤色発色を与える染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン等を挙げることができる。
青色発色を与える染料前駆体としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、及び3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド等を挙げることができる。
緑色発色を与える染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、及び3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等を挙げることができる。
黄色系統の発色を与える染料前駆体としては、4−[(2−オクチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、3,6−ジメトキシフルオラン、及び1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレン等が挙げられる。
近赤外領域に吸収を有する染料前駆体としては、3,3’−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p−トリルスルホニルメタン、3−〔1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−6−ジメチルアミノフタリド、3−(2,2−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)ビニル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド等を挙げることができる。
これらロイコ染料等の染料前駆体は、必要に応じて単独、若しくは2種以上混合して使用することができる。また、染料前駆体の使用量は、使用する顕色剤により異なるため限定できないが、感熱記録層の全固形量中3〜50質量%程度、特に5〜40質量%程度とするのが好ましい。
本発明において、感熱発色層に含有される染料前駆体の形態は、例えば固体微粒子の形態での使用、多価イソシアネート化合物を溶媒とし、染料前駆体を溶質として含む溶液状組成物を水中に乳化分散後、多価イソシアネート化合物の重合反応により得られる複合微粒子の形態での使用、マイクロカプセルに内包してマイクロカプセル化した形態での使用等が挙げられ、所望とする品質が得られるよう適宜選択して使用することができる。マイクロカプセル化した形態には、染料前駆体粒子表面にビニル単量体の高分子化反応を促進させた形態等も含まれる。
多価イソシアネート化合物とは、水と反応することによりポリウレア、又はポリウレア−ポリウレタンを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物単独であってもよいし、又は多価イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオール、ポリアミンとの混合物、或いは多価イソシアネート化合物とポリオールの付加物、多価イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体であってもよい。これらの多価イソシアネート化合物に、染料前駆体を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより、多価イソシアネート化合物を重合させる。これによって多価イソシアネート化合物を高分子化し、染料前駆体を含む複合微粒子を形成することができる。
顕色剤としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−{3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物、N−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
Figure 0006696403
(式中、nは1〜6の整数を表す。)
顕色剤の使用量は、使用するロイコ染料により異なるため限定できないが、感熱記録層の全固形量中10〜70質量%程度が好ましく、12〜50質量%程度がより好ましい。
感熱記録層には、増感剤を含有させることができる。これにより、記録感度を高めることができる。かかる増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が例示される。
増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、好ましくは2〜40質量%程度、より好ましくは5〜25質量%程度の範囲で配合される。
感熱記録層には、保存性改良剤を含有させることができる。これにより、記録部の保存安定性を高めることができる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
保存性改良剤の含有割合は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、好ましくは1〜30質量%程度、より好ましくは5〜20質量%程度の範囲で配合される。
感熱記録層に用いられる接着剤としては、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、及びスチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等の疎水性樹脂等が挙げられる。
感熱記録層には、顔料を含有させることもできる。顔料としては例えば、珪藻土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン、アクリル、炭化水素等からなる有機顔料を挙げることができる。
感熱記録層には、滑剤を含有させることもできる。これにより、スティッキング改良してプリンター適性を向上することができる。具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等のワックス類が挙げられる。
感熱記録層には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、分散・湿潤剤としてのアニオン性、ノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤、更には蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、消泡剤等を必要に応じて含有させることができる。
感熱記録層の乾燥後の塗布量は、特に限定されず、1〜7g/m程度が好ましく、2〜6g/m程度がより好ましい。
本発明では、感熱記録層とスタンプインク吸収層との間に保護層を備えている。これにより、バリア性を発揮し、スタンプインク吸収層と感熱記録層との優れたマッチング性を得ることができる。保護層は、例えば水を分散媒体とし、接着剤、顔料、助剤等を混合することによって調製された保護層用塗液を用いて、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。保護層の乾燥後の塗布量としては、特に限定されず、好ましくは0.1〜8g/m程度、より好ましくは0.5〜5g/m程度、更に好ましくは1〜4g/m程度である。
保護層に含有される接着剤は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、及びスチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等の疎水性樹脂等が挙げられる。これらの中でも、スタンプインク吸収層と感熱記録層とのマッチング性を向上し、各層の剥離や脱落を抑える観点から、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール及び珪素変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールが好ましい。
保護層に含有される顔料は、水酸化アルミニウム、珪藻土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト等の白色無機顔料、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等の単量体を主成分とする樹脂または、これらの単量体を主成分とする共重合樹脂等を殻とする有機中空粒子、貫通孔を有する有機顔料、開口部を有する有機顔料など公知の顔料が挙げられ、これらは、単独若しくは2種以上混合して用いることができる。これらの中でも、バリア性を向上する観点からカオリンが好ましい。
保護層には、耐スティッキング性を向上する観点から、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等のワックス類を含有させることが好ましい。その他の助剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤等を含有させることもできる。保護層の絶乾塗布量は、0.2〜10g/m程度が好ましく、0.5〜5g/m程度がより好ましい。
本発明では、保護層のバリア性を向上する観点から架橋剤を用いることが好ましい。架橋剤は、必要により下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液または保護層用塗液に含有させて用いることができる。架橋剤としては例えば、アルデヒド澱粉、グルタルアルデヒド、グリオキザール等のアルデヒド化合物、ポリアミドエピクロルヒドリン、ポリアミドエピブロモヒドリン、ポリアミドエピヨードヒドリン等のポリアミドエポキシ樹脂、N−メチル尿素、N−メチルメラミン、N−メチロールエチレン尿素等のN−メチロール化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、ジビニルスルホン、ビス(βーヒドロキシエチルスルホン)等の活性ビニル化合物、ジカルボン酸、ジカルボン酸クロリド、グリオキシル酸の金属塩、メチルビニルエーテルーマレイン酸共重合体等の多カルボン酸化合物、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、アジリジン化合物トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート等のアジリジン化合物、錯化剤Cu,B,Al,Ti,Zr,Sn,V,Crなどの化合物等が挙げられる。
本発明における支持体としては、紙が主として使用されるが、紙の他に、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、蒸着シート、或いはこれらを貼り合わせ等で組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に使用することができる。
本発明では、支持体と感熱記録層との間に下塗り層を備えることが好ましい。これにより、記録感度及び記録走行性をより一層高めることができる。
下塗り層には、顔料として、一般的には焼成カオリンが使用されるが、それ以外にも珪藻土、タルク、カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン、アクリル、炭化水素等からなる有機顔料、プラスチック中空粒子等を使用することができる。これらの中でも、焼成カオリンとプラスチック中空粒子を併用することが好ましい。
下塗り層に使用される接着剤としては、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレンアクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、及びスチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等の疎水性樹脂等が挙げられる。
また、下塗り層には、助剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、蛍光増白剤、防腐剤等を含有させてもよい。
下塗り層は、例えば水を分散媒体とし、無機顔料、プラスチック中空粒子、接着剤、助剤等を混合することによって調製された下塗り層用塗液を用いて、支持体上に塗布及び乾燥して形成される。下塗り層の乾燥後の塗布量は、好ましくは2〜15g/m程度、より好ましくは4〜10g/m程度である。
なお、必要に応じて、各層を形成した後の任意の過程において、スーパーカレンダー等によって平滑化処理を施すことが好ましい。本発明では、磁気記録層を形成した後、平滑化処理を施すことが好ましい。これにより、磁気記録の書込みと読出しの精度を向上できる。一般に平滑化処理を施すことによって、層中の顔料に起因する多孔性が少なからず失われ、インクの吸収性や定着性が低下するのに対して、本発明では特定の染料固着剤を含有させることによって、特に磁気記録層を有する場合、顔料がもたらす多孔性に依存することなく、本発明の効果を遺憾なく発揮させることができる。
各層を形成する塗液を塗布する装置としては、特に限定されず、一般に公知の装置を用いることができる。塗布する装置としては、例えば、バーコーター、ピュアブレードコーター、ロッドブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、カレンダーサイズプレス、ツーロールあるいはメータリングブレード方式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、キャレンダーによるニップコーター等が挙げられる。
本発明では、製品の付加価値をより一層高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、例えば支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を積層して構成されたものである。これらは、大別すると消色型と加色型の2種類に分けられる。発色成分として例えば、マイクロカプセルを用いたもの、高分子とロイコ染料等の染料前駆体からなる複合微粒子を用いたもの等が挙げられる。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例4及び5は参考例である。

実施例1
・下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、BASF社製)40部を水60部に分散して得られた分散物に、プラスチック微小中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、ローム&ハース社製、固形分濃度26.5%)87部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48%)52部と、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)2.5部、同じくカルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンAGガム、第一工業製薬社製)1部、及び水15.5部を混合攪拌して、下塗り層用塗液を得た。
・ロイコ染料分散液の調製
3−ジ−(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミルを用いて、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所社製)による平均粒子径が0.7μmとなるように粉砕し、分散してロイコ染料分散液(以下、A液という)を得た。
・顕色剤分散液の調製
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア40部、部分鹸化ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミルでレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所社製)による平均粒子径が1.5μmとなるように粉砕し、分散して顕色剤分散液(以下、B液という)を得た。
・増感剤分散液の調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル40部、部分鹸化ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミルでレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所社製)による平均粒子径が1.0μmとなるように粉砕し、分散して増感剤分散液(以下、C液という)を得た。
・保存性改良剤分散液の調製
前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物40部、部分鹸化ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミルでレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所社製)による平均粒子径が1.0μmになるように粉砕し、分散して保存性改良剤分散液(以下、D液という)を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液80部、B液80部、C液5部、D液36部、ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:L−1571、旭化成社製、固形分濃度48%)15部、及び水100部を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用顔料分散物の調製
カオリン(商品名:HYDRAGLOSS90、KaMin LLC社製)59.5部、分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製、固形分濃度40%)0.5部、水40部からなる組成物を、ホモミキサーで1時間分散し、保護層用顔料分散物を得た。
・保護層用塗液の調製
ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:PVD−700、鹸化度:98.5モル%、平均重合度:1700、日本酢ビ・ポバール社製)の10%水溶液300部、上記保護層用顔料分散物を100部、ステアリン酸亜鉛の水分散物(商品名:ハイドリンZ−8−36、中京油脂社製、固形分濃度36%)19部、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製)3部、及び水250部からなる組成物を混合撹拌し、保護層用塗液を得た。
・スタンプインク吸収層用塗液の調製
アクリルアミド−ジアリルアミン塩酸塩共重合体(商品名:ユニセンスKCA100L、センカ化学社製、固形分濃度23%)87部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、鹸化度:99.4モル%、平均重合度:1000、変性度:5モル%、日本合成化学工業社製)の10%水溶液260部、比表面積500m/gの非晶質シリカ(商品名:サイリシア530、富士シリシア化学社製)を50部、ステアリン酸亜鉛の水分散物(商品名:ハイドリンZ−8−36、中京油脂社製、固形分濃度36%)10部からなる組成物を混合撹拌し、スタンプインク吸収層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
坪量157g/mの上質紙の一方の面に、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液、保護層用塗液、及びスタンプインク吸収層用塗液を乾燥後の塗布量がそれぞれ7.0g/m、5.5g/m、2.0g/m、及び2.0g/mとなるようにバーコーターで塗布及び乾燥して、下塗り層、感熱記録層、保護層、及びスタンプインク吸収層を順次形成した後、スーパーカレンダーで表面を平滑化して感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、アクリルアミド−ジアリルアミン塩酸塩共重合体の87部に代えて、アクリルアミド−ジアリルアミン酢酸塩共重合体(商品名:ユニセンスKCA101LU、センカ化学社製、固形分濃度39%)52部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、アクリルアミド−ジアリルアミン塩酸塩共重合体の87部に代えて、アクリルアミド−ジアリルアミン燐酸塩共重合体(商品名:ユニセンスKCA100LU、センカ化学社製、固形分濃度41%)49部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、比表面積500m/gの非晶質シリカの50部に代えて、比表面積700m/gの非晶質シリカ(商品名:サイリシア710、富士シリシア化学株式会社製)50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、比表面積500m/gの非晶質シリカの50部に代えて、比表面積300m/gの非晶質シリカ(商品名:サイリシア320、富士シリシア化学社製)50部にした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液260部に代えて、カルボキシ変成ポリビニルアルコール(T−350:日本合成化学製)の10%水溶液260部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1で得られた感熱記録体を用いて、支持体の他方の面に下記の方法によって磁気記録層を形成し、磁気記録層表面のベック平滑度が約500秒となるようにスーパーカレンダーで平滑化して磁気記録層を有する感熱記録体を得た。
・アイオノマー樹脂層の形成
実施例1で得られた感熱記録体の支持体の他方の面に、アイオノマー樹脂の水系エマルジョン(商品名:ケミパールS、三井石油化学工業社製)をグラビアコーターによって乾燥後の塗布量が0.5g/mとなるように塗布及び乾燥してアイオノマー樹脂層を設けた後、該アイオノマー樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した。
・磁気記録層用磁性粉末分散物の調製
磁性粉末粒子[BaO−6Fe(保磁力2750Oe)]70部、ポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−50、東亜合成社製、固形分濃度40%)2部、カゼイン12%水溶液78部、水60部からなる組成物をペイントシェカーで分散して磁気記録層用磁性粉末分散物を得た。
・磁気記録層用塗液の調製
上記の磁気記録層用磁性粉末分散物210部、スチレン−ブタジエン樹脂の水系エマルジョン(商品名:SB−301、DIC社製、固形分濃度25%)20部からなる組成物を混合攪拌し、磁気記録層用塗液を得た。
・磁気記録層の形成
上記のアイオノマー樹脂層上に磁気記録層用塗液をバーコーターによって乾燥後の塗布量が30g/mとなるように塗布し、3500ガウスの永久磁石によって塗布面の磁性粉末粒子を磁場配向させた後、これを乾燥して磁気記録層を形成した。
比較例1
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、アクリルアミド−ジアリルアミン塩酸塩共重合体の87部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、アクリルアミド−ジアリルアミン塩酸塩共重合体の87部に代えて、ポリウレタン系カチオン樹脂(商品名:MZ−477、高松油脂製、固形分濃度23%)87部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1のスタンプインク吸収層用塗液の調製において、アクリルアミド−ジアリルアミン塩酸塩共重合体の87部に代えて、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体(商品名:ユニセンスFPA100L、センカ化学社製、固形分濃度27%)75部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
・感熱発色性
券売機シミュレーター(オムロン社製)にて、1.0mJ/ドットの印加エネルギーで感熱記録を行い、得られた記録部の光学濃度を反射型濃度計(マクベスRD−914、マクベス社製)で測定し、下記基準で評価した。
○:光学濃度が1.30より大きい。
△:光学濃度が1.00以上、1.30以下である。
×:光学濃度が1.00未満である。
・捺印の速乾性
感熱記録体のスタンプインク吸収層側の表面に、捺印スタンプインク(商品名:速乾性捺印スタンパー、シャチハタ社製)による捺印を施し、その直後に指先で捺印部を摩擦し、捺印部を目視によって下記の基準で評価した。捺印が鮮明に残っているほど、インクの吸収性と定着性に優れている。
◎:捺印が鮮明に残っている。
○:捺印に流れが発生したが、文字は鮮明に見える。
△:捺印に流れが発生し、文字が薄れて不鮮明である。
×:捺印が消えている。
・捺印の耐改竄性
感熱記録体のスタンプインク吸収層側の表面に、捺印スタンプインク(商品名:速乾性捺印スタンパー、シャチハタ社製)による捺印を施した後、十分に乾燥してから、100%エタノールを含浸させた綿棒で捺印部を摩擦し、捺印部を目視によって下記の基準で評価した。捺印が完全に残っているほど、耐改竄性に優れている。
◎:捺印が完全に残っている。
○:捺印が若干薄くなるが、残っている。
×:捺印が完全に消えている。
Figure 0006696403
本発明により得られた感熱記録体は、捺印スタンプインクの吸収性に優れ、捺印の耐改竄性にも優れているため、磁気記録層を有する感熱記録型券紙として好適に使用でき、鉄道の乗車券、航空機の搭乗券、乗用車の駐車券等に利用することができる。

Claims (4)

  1. 支持体と、前記支持体の一方の面に感熱記録層と、前記感熱記録層上に保護層と、前記保護層上にスタンプインク吸収層とを有する感熱記録体であって、前記スタンプインク吸収層がアクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体、非晶質シリカ、並びにポリビニルアルコール及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、前記非晶質シリカの比表面積が400〜600m /gであることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記保護層がカオリンを含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記ポリビニルアルコール及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種がアセトアセチル変性ポリビニルアルコールである、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 前記支持体の他方の面に磁気記録層を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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