JP6696198B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本願発明は、容器内を減圧して調理することができる加熱調理器に関するものである。
容器内を減圧して調理することができる加熱調理器が出回っている。この加熱調理器は、減圧環境下で加熱調理を行うものであり、食材への熱伝達が早くなるため短時間且つ低温での調理が可能となり、例えば加熱ムラを抑えて食材全体をジューシーに仕上げることができ、また、減圧を繰り返すことにより食材内に調味料を素早く含浸することができ、また、食材を乾燥してドライフルーツやビーフジャーキーを作ることもできる等の利点を有している。
その一例として、図9に記載されるような減圧可能な加熱調理器が提案されている。この加熱調理器は、蓋体1を有する容器2、真空ポンプ3、大気への開口部を開閉する切替弁4、通路5及び制御装置Sを有する。
通路5は、分岐部5aを有するとともに、分岐部5aと前記切替弁4とを連結する第1通路5bと、分岐部5aと真空ポンプ3とを連結する第2通路5cと、分岐部5aと蓋体1とを連結する第3通路5dとを有する。
そして、調理時には、容器2内に例えば調味料6及び食材7を入れて調理を開始すると、制御装置Sは、切替弁4の大気開口部を閉鎖し、真空ポンプ3を作動する減圧動作と、切替弁4の大気開口部を開放し、真空ポンプ3を停止する大気導入動作を繰り返すことになる。
すると、容器2内は減圧状態と大気状態が繰り返されるため、食材7内の空気が収縮と膨張を繰り返し、その結果、食材7内に調味料6が含浸される。減圧加熱する場合は、容器2を例えばレンジに入れて減圧しながら加熱調理することになる(特許文献1の図1、6参照)。
ところで、 上記従来例のものは、図1、5、12、13に記載されるように、第3通路5dが蓋体1に固定されている(図によれば蓋体1の裏面に溶接等で固定されていると解される。)ため、容器2を蓋体1とともに容易に持ち運ぶことができなく、例えば調理後に容器2を蓋体1とともにテーブルに持ち運んで食事をすることができなく、更には調理後に、特に蓋体1の洗浄がしにくいという問題を有している。
また、真空ポンプ3を別個に配置することになるため、全体が大型化するという問題を有する。
特開2008−73309号公報
本願発明は、上記欠点を解消するもので、容易に持ち運び可能で且つ減圧可能な加熱調理器を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
本願発明は、本体と、前記本体に上方から収納される容器と、前記容器の上部開口を覆い、前記容器とともに前記本体外に取り出し可能な蓋体と、前記容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段と、前記容器内の圧力を下げる減圧手段と、を有する加熱調理器であって、前記減圧手段は、減圧経路と、大気導入経路とを有し、前記減圧経路には、上流側から下流側に向かって真空ポンプと、水トラップと、減圧弁とを順次有し、前記大気導入経路には、大気導入弁を有し、前記真空ポンプ、前記水トラップ、前記減圧弁及び前記大気導入弁は、前記本体内に位置し、前記減圧経路の下流側の第1の管路は、前記本体の外部に位置して、一端を前記本体に着脱自在に接続するとともに、他端を前記蓋体に着脱自在に接続し、前記大気導入経路の下流側の第2の管路は、前記本体の外部に位置して、一端を前記本体に着脱自在に接続するとともに、他端を前記蓋体に着脱自在に接続する構成。
本願発明は、通路等の経路を蓋体から取り外すことにより、調理後に、容器を蓋体とともにテーブル等に容易に持ち運ぶことができるとともに、容器及び蓋体の洗浄を容易に行うことができる。
また、真空ポンプ3を本体内に設けることにより、全体を小型化することができる。
加熱調理器を斜め上方から見た斜視図 加熱調理器の断面図 加熱調理器から容器を取り外した状態を斜め上方から見た斜視図 操作部の平面図 減圧経路及び大気導入経路、ないし制御系の概略図 各メニューの表示画面遷移図 減圧加熱コースのタイムチャート図 含浸濃縮コースのタイムチャート図 従来の加熱調理器図
以下、添付の図面を参照して、本願発明の実施の形態について説明する。
図1〜4に加熱調理器の全体図、断面図及び操作部等を示し、図5に加熱調理器の減圧経路及び大気導入経路等を示し、図6〜8に各メニューの表示画面遷移図及び各コースのタイムチャートを示す。なお、図1において操作部30が設けられる側を前方側と呼び、その反対側、即ち、蓋体20が設けられる側を後方側と呼び、前後方向に直交する側を左右側と呼ぶ。
図1に示すように、加熱調理器1は、本体2、本体2内に収容される調理用の容器である鍋15、及び鍋15の上部開口15bを覆う蓋体20等を有する。
前記本体2は、鍋15をセット可能な有底筒状で耐熱性の樹脂製の内ケース3と、外装筐体である金属製の外ケース4を有し、内ケース3と外ケース4とは無理バメまたはネジ等の手段により結合され、内ケース3と外ケース4との間に内部空間5を形成する。なお、外ケース4は樹脂製であってもよい。
前記内ケース3は、外ケース4の後方側に設けられ、且つ鍋15を収納するためのもので、その外周面の底部及び底部から側面にかけてのコーナー部にそれぞれワークコイルからなり、加熱手段に相当する底部コイル7及びコーナーコイル8が配設されており、制御手段である制御装置6(図5参照)により制御される。なお、加熱手段は、抵抗加熱式のヒータ等であってもよい。
前記底部コイル7及びコーナーコイル8は、コイル台9上に配置されるとともに、該コイル台9の中央部には、温度センサ10が配設される。
前記温度センサ10は、鍋15の温度を検知するサーミスタが内設されるセンサで、スプリングが内蔵され、鍋15がセットされていない状態では、その先端部は内ケース3の底部中央に設けられる貫通孔3aから上方に突出して鍋15の底部に当接し、鍋15の温度を検出する。そして、その検知信号は、制御装置6に送られる。
前記鍋15は、底部コイル7及びコーナーコイル8により内部に誘起される渦電流によって自己発熱が可能なステンレス鋼等の鉄系金属から形成され、その形状は、内ケース3とほぼ同形状の有底筒状のもので、その上端には外方に突き出る環状のフランジ15aが形成されるとともに、そのフランジ15aの内方には円形の上部開口15bが形成され、更にフランジ15a上には後記の蓋体20が取り付けられて上部開口15bを閉鎖する。
そして、該鍋15を内ケース3内にセットし、調理開始用の開始キー30dが押されると渦電流に起因したジュール熱によって鍋15が加熱されて内部の調理物が加熱される。なお、鍋15は陶磁器製のもの、例えば土鍋でもよい。その場合は、底部に金属箔等を設けることになる。
また、鍋15のフランジ15aの径方向に対向する位置には、図1に示すように鍋取手16、16がリジットに取り付けられており、これら鍋取手16、16を持って鍋15を蓋体20とともに内ケース3内に収納したり取り出したりする。
前記外ケース4の上面には、前記鍋取手16、16の下部が挿入可能な凹部17、17が形成されており、鍋15を内ケース3に収納すると、鍋取手16、16の底部のそれぞれは、それぞれの凹部17、17内に嵌入する。これら凹部17、17は、鍋15の位置決めと回り止め機能を奏するもので、利便性が向上する。
前記鍋15のフランジ15a上には、上部開口15bを覆う形態で蓋体20が取り付けられる。蓋体20は、樹脂製の透明で且つ円形のもので、その上面中央部には蓋取手21が設けられており、この蓋取手21を持って蓋体20を鍋15から取り外すことになる。
このように、蓋体20に蓋取手21を設けることにより、蓋体20が、加熱していたり、或いは後記のシール材22によって鍋15のフランジ15aの上面に密着していたとしてもその取り外しを安全且つ容易に行うことができるようになる。
また、蓋体20は透明であるため、調理中の調理物を外部より視認でき、後記の手動減圧コース等で調理物の調理状態を確認しながらの調理が容易になる。
蓋体20の外周下面には、環状で耐熱性のシール材22が取り付けられる。このシール材22は、鍋15内が減圧された場合、空気の浸入を阻止する機能を有するものである。
ところで、加熱調理器1は、加熱手段として底部コイル7及びコーナーコイル8を用いているところ、このような加熱手段は、底部コイル7及びコーナーコイル8と鍋15の底面との間をIH機能が最大限発揮可能な所定の距離にする必要がある。
そのため、内ケース3の上端部には、樹脂製のリング状部材23を設けるとともに、リング状部材23の上面であって、且つ対向し放射方向に所定距離離れた位置に複数、例えば、3個の水平な突起面24を同一高さで一体形成しており、この3個の突起面24に鍋15のフランジ15aの下面を載置することにより底部コイル7及びコーナーコイル8と鍋15の底面との間の距離をより最適な長さにしている。
このように上記突起面24は、鍋15を水平に安定させるとともに、底部コイル7及びコーナーコイル8と鍋15の底面との間の距離をより最適な長さにして加熱効率を向上させる機能を有するものである。
前記外ケース4の上面の前方側には操作部30が設けられる。操作部30は、平面視矩形状で、長辺を左右方向側にして鍋15の前方側に配置されており、操作部30の視認及び操作を容易にしている。
また、操作部30の長辺は、鍋取手16、16と平行になるように配置されている。そのため、鍋取手16、16は、操作部30に邪魔されることなく容易に凹部17に載置できるとともに、操作部30の視認が容易になる。更には鍋取手16、16を持つ場合に操作部30に手が当たらないため、より安全である。
図4に示すように操作部30には、設定状態を表示する表示部31と、スイッチに相当する複数の各種キー、即ち、メニューキー30a、決定キー30b、設定キー30c、開始キー30d、取消キー30e、減圧キー30f及び減圧解除キー30gを有し、更に開始表示灯30dd及び減圧表示灯30ffを有する。
そして、メニューとして、自動減圧コースである減圧加熱メニュー及び含浸濃縮メニューと、手動減圧コースである手動メニューとが用意されており、メニューキー30aを押す毎に順次切り換えられる。なお、乾燥メニューを設けてもよい。
また、決定キー30bは、切り換えたメニューを確定させるためのもので、設定キー30cは、数値を減らす▽キーと数値を増やす△キー(なお、両キーは別々のものである。)とで設定値を変更するためのもので、開始キー30dは、調理を開始するためのもので、取消キー30eは、調理を終了させるためのもので、減圧キー30fは、手動メニュー選定時に減圧を開始するためのもので、減圧解除キー30gは、手動メニュー選定時に減圧を終了させるためのものである。
また、開始表示灯30ddは、開始キー30dが押圧される調理開始時に点灯し、減圧表示灯30ffは、減圧キー30fが押圧されて減圧が開始されるときに点灯する。なお、後記するように、減圧キー30fが再度押圧されて減圧が維持される動作時には点滅する。
内ケース3と外ケース4との間の内部空間5には、制御装置6に相当するマイコン基板32及び制御基板33が配置される(図2参照)。制御装置6は、ROM、RAM、CPU等を備えており、ROMに記憶されたプログラムを実行する。
即ち、制御装置6は、温度センサ10及び圧力センサー60からの信号を受けて底部コイル7、コーナーコイル8、真空ポンプ35、減圧弁37及び大気導入弁38を制御する(図5参照)。
また、図1に示すように、前記内部空間5には、減圧手段である真空ポンプ35、水トラップ36、減圧弁37及び大気導入弁38が配設されている。このように、減圧を形成するための各種部品を内部空間5内に収容することにより、加熱調理器1の全体を小型化することができる。
真空ポンプ35は、ダイヤフラム式のもので、一端部に大気開放口35aを有し、他端部は第1管路41を介して水トラップ36と連結する。なお、真空ポンプ35は、プランジャポンプ、遠心ポンプ等であってもよい。
水トラップ36は、水分を補足するためのもので、第2管路42を介して減圧弁37と連結する。
減圧弁37は、3ポート式で2位置切替の電磁弁(図5参照)であり、第3管路43及び第5管路45を介して蓋体20に連結する。なお、第3管路43には圧力検知手段である圧力センサー60が配置され(図5参照)、鍋15内の負圧を検知し、制御装置6に検知信号を送る。
そして、減圧弁37のポート1は水トラップ36に連通し、ポート2は鍋15内に連通し、ポート3は大気に連通し、通常時の電源オフ時には、ポート1とポート2とを遮断するとともに、ポート1とポート3(即ち大気)とを連通し、電源オン時には、切り替わり、ポート1とポート2とを連通するとともに、ポート1とポート3(即ち大気)とを遮断する。
即ち、減圧弁37がオフすると、第1管路41、水トラップ36及び第2管路42は直ちに大気になるため、直後の真空ポンプ35の作動を良好にするとともに、水トラップ36に負圧が作用して悪影響が生じる弊害を低減する。
大気導入弁38は、2ポート式で2位置切替の電磁弁であり、第4管路44及び第6管路46を介して蓋体20に連結する(図5参照)。
そして、大気導入弁38のポート1は大気開放口38aに連通し、ポート2は鍋15内に連通し、通常時の電源オフ時には、ポート1(即ち大気)とポート2(即ち鍋15内)とを連通するとともに、電源オン時には、切り替わりポート1とポート2とを遮断する(図5参照)。
図1に示すように、大気開放口35a、38aは、本体2の側壁部において外部に開口し、第1管路41乃至第4管路は、内部空間5内に位置し、第5管路45及び第6管路46は、内部空間5外に位置する。なお、大気開放口35a、38aは、内部空間5内に開口してもよい。
そして、第5管路45の一端は、第1カプラー51を介して着脱自在に蓋体20に連結し、他端は、第2カプラー52を介して着脱自在に本体2の上面に連結するとともに、第6管路46の一端は、第3カプラー53を介して着脱自在に蓋体20に連結し、他端は、第4カプラー54を介して着脱自在に本体2の上面に連結する。
第1カプラー51乃至第4カプラー54は、着脱可能な部材、即ち着脱手段であり、押し込むことにより連結され、引っ張って持ち上げることにより解除されるワンタッチ式のものである。
なお、第1カプラー51乃至第4カプラー54は、ねじ式のものであったり、磁石を利用するものであったり、単に管路の外周部にシール材を設けたものを孔に嵌合するものであってもよい。
また、第1カプラー51及び第3カプラー53だけでもよいし、第2カプラー52及び第4カプラー54だけでもよく、更には経路上、例えば、第5管路45及び第6管路46の途中にカプラーを設けるものであってもよい。その場合は、第5管路45及び第6管路46を曲げることができる材質で形成する。
上記第1管路41、第2管路42、第3管路43及び第5管路45は、減圧経路に相当し、第4管路44及び第6管路46は、大気導入経路に相当する。そして、第5管路45に記す矢印は、減圧時に鍋15内の空気が吸い出される方向を示し、第6管路46に記す矢印は、大気導入時に鍋15内に空気が導入される方向を示す。なお、各カプラーの本体2への取付箇所は、上面のみでなく、裏面でも側面等でもよい。
上記のように、第5管路45及び第6管路46は、蓋体20または/及び外ケース4に対して着脱自在に取り付けられているため、調理後に連結手段であり着脱手段でもあるカプラーを取り外すことにより、蓋体20とともに鍋15を本体2から簡単に取り出すことができるようになる。その結果、鍋15をテーブル上に運び、テーブル上での食事等が可能になるとともに、鍋15及び蓋体20の洗浄が容易になる。
また、上記したように、減圧経路である第1管路41、第2管路42、第3管路43及び第5管路45と、大気導入経路である第4管路44及び第6管路46とは独立して形成されているため、例えば、大気を導入しながらの減圧が可能になる。
そのため、例えば、食品を乾燥する場合、その機能を用いれば、鍋15内で発生する蒸気を低減することによりドライ効果をより向上させることができる。
また、減圧と大気導入を同時に行うことができるようになるため、作業スピードを速めることができ、その結果、真空ポンプ35を小型化することができ、加熱調理器1を小型化することができる。
制御について述べる。まず、図6で表示部31の表示について述べる。上記したように、メニューキー30aには、自動減圧コースである減圧加熱メニュー及び含浸濃縮メニューと、手動減圧コースである手動メニューとが用意されている。
そして、メニューキー30aを押す毎に減圧加熱メニューと、含浸濃縮メニューと、手動メニューとが順次切り換えられる。
減圧加熱メニューを実行する場合は、メニューキー30aを押して減圧加熱メニューを選定し、決定キー30bを押して決定すると減圧加熱が表示される。すると、温度表示部が点滅するので、設定キー30cの▽キーまたは△キーで設定温度を設定し、決定キー30bを押して決定すると設定温度が表示される。
なお、設定温度は、例えば、メーカーが食材に応じて予め用意したガイドブック等に記載されているものを用いるか、或いはユーザーが手動メニューで予め求めておいたデータを用いることになる。
その後、時間表示部が点滅するので、設定キー30cの▽キーまたは△キーで設定時間を設定し、決定キー30bを押して決定すると設定時間が表示される。そして、開始キー30dを押して減圧加熱メニューを開始する。設定時間が終了すると自動で停止するが、途中で停止させたい場合は取消キー30eを押すことになる。
なお、設定時間は、設定温度と同様に、例えば、メーカーが食材に応じて予め用意したガイドブックに記載されているものを用いるか、或いはユーザーが手動メニューで予め求めておいたデータを用いることになる。
そして、減圧加熱メニューのタイムチャートの一例は、図7に示すとおりである。
即ち、開始キー30dが押されスタートすると、加熱手段である底部コイル7及びコーナーコイル8は、設定温度まで出力100%で加熱し、その後は100%以下の出力を増減して設定温度を維持する。そして、減圧弁37は開放し、大気導入弁38は閉鎖し、真空ポンプ35は作動して鍋15内を減圧する。
ところで、温度と飽和蒸気圧とは、すでに知られているように一定の関係を有する(温度−飽和蒸気圧線図)とともに、一旦飽和蒸気圧になると、それ以上真空ポンプ35を作動しても真空度は高くならず、一定の真空度を維持する空運転の状態になるため、鍋15内の圧力は、飽和蒸気圧に維持される。
即ち、真空ポンプ35の作動及び減圧弁37の開状態は、鍋15内が飽和蒸気圧になるまでで十分であり、以後は、真空ポンプ35を停止し、大気導入弁38を閉じたままにすればその圧力は維持されることになる。
そのため、真空ポンプ35は、鍋15内が飽和蒸気圧になる所定温度まで運転し、減圧弁37は、同じく鍋15内が飽和蒸気圧になる所定温度まで開放して、その後閉鎖し、大気導入弁38は閉状態にする。すると、鍋15内はシール材22により密閉されるため減圧が維持される。
そして、圧力センサー60は、図7のような圧力を検知する。また、タイマーは、設定温度になるとカウントを開始し、設定時間が経過するとカウントを終了して、全てをオフにして調理を終了する。このように、タイマーを、設定温度になるとカウントを開始し、設定時間が経過するとカウントを終了させるようにすることにより、加熱効率をより高めることができる。
含浸濃縮メニューを実行する場合は、メニューキー30aを押して含浸濃縮メニューを選定し、決定キー30bを押して決定すると含浸濃縮が表示される。すると、温度表示部が点滅するので、設定キー30cの▽キーまたは△キーで設定温度を設定し、決定キー30bを押して決定すると設定温度が表示される。
なお、設定温度は、上記同様、例えば、メーカーが食材に応じて予め用意したガイドブック等に記載されているものを用いるか、或いはユーザーが手動メニューで予め求めておいたデータを用いることになる。
その後、時間表示部が点滅するので、設定キー30cの▽キーまたは△キーで1回の減圧の設定時間を設定し、決定キー30bを押して決定すると設定時間が表示される。すると、減圧回数表示部が点滅するので、設定キー30cの▽キーまたは△キーで設定減圧回数を設定し、決定キー30bを押して決定すると減圧回数が表示される。
そして、開始キー30dを押して含浸濃縮メニューを開始する。設定減圧回数が終了すると自動で停止するが、途中で停止させたい場合は取消キー30eを押すことになる。
なお、設定時間及び設定減圧回数は、設定温度と同様に、例えば、メーカーが食材に応じて予め用意したガイドブックに記載されているものを用いるか、或いはユーザーが手動メニューで予め求めておいたデータを用いることになる。
含浸濃縮メニューのタイムチャートの一例は、図8に示すとおりである。この例は、1回の減圧時間を3分にし、減圧を4回繰り返す例を示す。
即ち、開始キー30dが押されスタートすると、減圧加熱メニューと同様に、加熱手段である底部コイル7及びコーナーコイル8は、設定温度まで出力100%で加熱し、その後は100%以下の出力を増減して設定温度を維持する。そして、減圧弁37は開放するとともに、その状態を維持し、真空ポンプ35は作動するとともに、その状態を維持して鍋15内を減圧する。
また、大気導入弁38は3分閉鎖して鍋15内を減圧可能状態にし、その後、1分開放して鍋15内を大気にする。それを4回繰り返し、4回目が終わると自動的に調理を終了する。そして、圧力センサー60は、図8のような4回の圧力変動を検知する。
なお、1分の開放は、鍋15内を確実に大気にするためのものであり、確実に大気になるのであれば、何分でもよい。鍋15内を確実に大気にするのは、次の真空ポンプ35の作動を確実にするためであり、鍋15内が減圧された状態であると、真空ポンプ35が良好に作動しない。
また、上記自動減圧コース時は、メニューキー30aを押している間元の設定値を表示し、離すと現在の設定値を表示する機能を有している。そのため、元の設定値の確認が容易になる。
手動メニューを実行する場合は、メニューキー30aを押して手動メニューを選定し、決定キー30bを押すと手動調理が表示される。すると、火力切が点滅するので、それでよければ決定キー30bを押すが、加熱もしたい場合は、設定キー30cの▽キーまたは△キーで火力を「弱中強」から選定し、決定キー30bを押して決定すると選定した火力が表示される。
その後、減圧キー30fを押す。すると、減圧表示灯30ffが点灯し、真空ポンプ35が起動し、減圧弁37がオンしてポート1とポート2とを連通し、大気導入弁38がオンしてポート1とポート2とを遮断して、鍋15内を減圧する。
その後、鍋15内の減圧を飽和蒸気圧に維持するために、再度、減圧キー30fを押す。すると、減圧表示灯30ffが点滅し、真空ポンプ35が停止し、減圧弁37がオフしてポート1とポート2とを遮断するが、大気導入弁38は依然としてオンでポート1とポート2とを遮断するため、鍋15内の圧力は維持される。
そして、減圧を解除する場合は、減圧解除キー30gを押すと、減圧弁37のオフとともに、大気導入弁38もオフしてポート1とポート2とを開放して、鍋15内を大気圧にする。手動メニューを途中で停止させたい場合は取消キー30eを押すことになる。
なお、上記のように、本体2の上面に透明な蓋体20と、操作部30とを近接して設けている。そのため、手動メニュー選定時に、調理状態を蓋体20上から確認しながら調理することができるようになる。その結果、食材に適した設定温度、設定時間並びに減圧回数を容易に設定及び特定することができるようになり、加熱調理器の利便性が更に向上する。
上記手動メニューの意義について述べる。減圧加熱調理は、食材の種類及び量によって、上記した設定温度、設定時間及び減圧回数の条件が変わり、また、メーカーが用意できるデータも例えば標準的なものであり、その種類も限度がある。
そのため、例えば、プロ及び個人の調理人が、ある食材のある量でよりうまくできる上記条件のデータが欲しいと欲しても上記手動メニューがないとそれらのデータを得ることは難しい。
上記手動メニューはそのためのものであり、調理人は、まずは、ある食材のある量を上記手動メニューを用い、且つ適当と思われる条件のデータを用いて調理することになる。そして、調理時、蓋体20の上方より視認しながら出来具合を確認し、おいしい調理ができるデータを新たに見つけるとともに、見つけたデータを記憶しておく。
そして、その後に同じ調理をする場合は、求めたデータを上記自動減圧コースに適用して調理すれば同じ調理結果を得ることができる。即ち、本願加熱調理器には、手動減圧コースと手動減圧コースとが予め用意されており、上記のようなよりおいしい調理を例え経験の少ない個人であっても簡単且つより確実に行うことができるようになる。
なお、乾燥コースの場合は、大気導入弁38に換えて図示しない流量調節弁を用いたり、或いは大気導入弁38に並列に流量調節弁を設け、大気を導入しつつ減圧することにより、減圧と同時に大気導入をして鍋15内の蒸気を低減することになる。そして、その他の構成は上記したものと同様である。
大気導入弁38に換えて流量調節弁を用いる形式では、上記含浸濃縮コースで複数回の減圧を行う場合、1回の減圧の応答性が悪くなるため、大気導入弁38に並列に流量調節弁を設ける形式のほうが好ましい。
そして、上記乾燥コースにより、ドライ効果の高いドライフルーツ、ビーフジャーキー等を得ることができる。
本願発明は、上記実施の態様の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能であることは勿論である。
1 加熱調理器 2 本体
3 内ケース 3a 貫通孔
4 外ケース 5 内部空間
6 制御装置 7 底部コイル
8 コーナーコイル 9 コイル台
10 温度センサ 15 鍋
15a フランジ 15b 上部開口
16 鍋取手 17 凹部
20 蓋体 21 蓋取手
22 シール材 23 リング状部材
24 突起面 30 操作部
30a メニューキー 30b 決定キー
30c 設定キー 30d 開始キー
30dd 開始表示灯 30e 取消キー
30f 減圧キー 30ff 減圧表示灯
30g 減圧解除キー 31 表示部
32 マイコン基板 33 制御基板
35 真空ポンプ 35a 大気開放口
36 水トラップ 37 減圧弁
38 大気導入弁 38a 大気開放口
41 第1管路 42 第2管路
43 第3管路 44 第4管路
45 第5管路 46 第6管路
51 第1カプラー 52 第2カプラー
53 第3カプラー 54 第4カプラー
60 圧力センサー

Claims (1)

  1. 本体と、
    前記本体に上方から収納される容器と、
    前記容器の上部開口を覆い、前記容器とともに前記本体外に取り出し可能な蓋体と、
    前記容器を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を制御する制御手段と、
    前記容器内の圧力を下げる減圧手段と、を有する加熱調理器であって、
    前記減圧手段は、減圧経路と、大気導入経路とを有し、
    前記減圧経路には、上流側から下流側に向かって真空ポンプと、水トラップと、減圧弁とを順次有し、
    前記大気導入経路には、大気導入弁を有し、
    前記真空ポンプ、前記水トラップ、前記減圧弁及び前記大気導入弁は、前記本体内に位置し、
    前記減圧経路の下流側の第1の管路は、前記本体の外部に位置して、一端を前記本体に着脱自在に接続するとともに、他端を前記蓋体に着脱自在に接続し、
    前記大気導入経路の下流側の第2の管路は、前記本体の外部に位置して、一端を前記本体に着脱自在に接続するとともに、他端を前記蓋体に着脱自在に接続することを特徴とする加熱調理器。
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