以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、本明細書並びに図面及び特許請求の範囲において「上」、「下」あるいは、「間」は位置関係に関する記載であり、直接接しているか接していないかは、特段の記載がない限りは限定されないものとする。
図1は、実施形態に係る発光装置10を示す図である。図2は、図1に示した発光装置10の動作を説明するための図である。発光装置10は、反射層152、半透過反射層154及び有機層120を備えている。有機層120は、反射層152と半透過反射層154の間にある。有機層120は、発光層(EML)126を含んでいる。発光装置10からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる第1方向D1において基準方向Rに比してより高い光度を有している。基準方向Rは、発光装置10(または、後述する発光領域242や発光部172)の配光分布の中心方向であり、図2に示す例では、例えば、基板100の厚さ方向に沿った方向、共振器150の各層(例えば、EML126)の厚さ方向に沿った方向又は基板100の第2面104の法線方向である。さらに、配光分布は、基準方向Rから第1方向D1とは反対側の第2方向D2においても基準方向Rに比してより高い光度を有している。図2に示す例において、第1方向D1及び第2方向D2は、基準方向Rに関して対称である。特に図2に示す例では、配光分布は、第1方向D1において極大値を有しており、第2方向D2において極大値を有している。
より具体的には、発光装置10は、第1層156(1)から第k層156(k)までのk個の層156(kは2以上の整数である。)を備えている。図1及び図2に示す例では、k=5である。これらの層156は、反射層152と半透過反射層154の間にある。発光装置10では、以下の式(1)によって定義される値ΔMがm−1/8以上m+1/8である(mは1以上の整数である。)。以下、詳細に説明する。
λ:EML126からの光のピーク波長
d
i:第i層156(i)(1≦i≦k)の厚さ
n
i:第i層156(i)(1≦i≦k)の屈折率
n
0:発光装置10(又は基板100の第2面102)からの光が伝搬する媒質の屈折率
θ
0:上記した配光分布が極大値をとる方向の角度
φ
S:半透過反射層154における位相シフト量
φ
R:反射層152における位相シフト量
発光装置10は、基板100、第1電極110、有機層120、第2電極130及び層140を備えている。基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。第1電極110は、基板100の第1面102上にある。第2電極130は、第1電極110上にある。有機層120は、第1電極110と第2電極130の間にある。有機層120は、正孔注入層(HIL)122、正孔輸送層(HTL)124、発光層(EML)126及び電子輸送層(ETL)128を含んでいる。
発光装置10は、共振器150を有している。共振器150は、反射層152、半透過反射層154及び第1層156(1)〜第5層156(5)を有している。共振器150は、第1電極110、有機層120、第2電極130及び層140によって構成されている。具体的には、第2電極130は、反射層152として機能している。層140は、半透過反射層154として機能している。第1電極110は、第1層156(1)として機能している。HIL122、HTL124、EML126及びETL128は、それぞれ、第2層156(2)、第3層156(3)、第4層156(4)及び第5層156(5)として機能している。
基板100は、透光性を有しており、具体的には、例えば、ガラス基板又は樹脂基板である。基板100は、可撓性を有していてもよいし、又は可撓性を有していなくてもよい。基板100の厚さは、例えば、10μm以上1mm以下である。
第1電極110は、透光性を有しており、例えば金属酸化物、より具体的には、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IWZO(Indium Tungsten Zinc Oxide)又はZnO(Zinc Oxide)からなる。
有機層120は、HIL122、HTL124、EML126及びETL128を含んでいる。ただし、有機層120の層構造は、この例に限定されるものではない。一例として、有機層120は、第2電極130とETL128の間に電子注入層(EIL)を含んでいてもよい。この例においては、EILは、第6層156(6)として機能する。他の例として、有機層120は、HIL122及びHTL124の一方を含んでいなくてもよい。さらに、他の例として、有機層120は、正孔阻止層(HBL)、電子阻止層(EBL)、バッファ層、スペーサ層、光取出し向上層、密着層又はカラーフィルタ層を含んでいてもよい。また、有機層120は、複数の発光層を有するマルチユニット構造でもよく、この例においては、例えば、HIL122、HTL124、EML126及びETL128を2組以上含んでいてもよい。
第2電極130は、反射層152として機能している。第2電極130は、光を反射する材料、例えば金属からなり、例えば、Al、Ag、Al合金又はAg合金からなる。第2電極130の厚さは、ある程度厚く、例えば70nm以上200nm以下である。これにより、第2電極130は、反射層152として機能する。
層140は、半透過反射層154として機能している。一例において、層140は、金属薄膜、具体的には例えばAg薄膜、Au薄膜、Ag合金薄膜又はAu合金薄膜である。この例において、層140の厚さは、ある程度薄く、具体的には例えば第2電極130の厚さよりも薄く、より具体的には例えば5nm以上50nm以下である。層140の膜厚がこのように薄い場合、層140に入射した光の一部が層140を透過することができる。これにより、層140は、半透過反射層154として機能する。その他の例において、層140は、交互に積層された高屈折率誘電体層及び低屈折率誘電体層を含む誘電体多層膜であってもよい。この例においても、層140は、半透過反射層154として機能することができる。
図3は、式(1)の導出を説明するための図である。本図では、k=3であり、共振器150は、第1層156(1)、第2層156(2)及び第3層156(3)を有している。なお、本図では、説明のため、反射層152(図1及び図2)及び半透過反射層154(図1及び図2)を取り除いている。
本図に示す例では、第1層156(1)から屈折率n0の媒質(具体的には、空気)に屈折角θ0で出射される光によって強め合いの干渉が生じている。これにより、この光の配光分布は、角度θ0の方向において極大値をとる。
具体的には、以下の式(2)によって定義される光路差Δl
3が上記した光の波長λの整数倍となっている。
式(2)の右辺の第1項は、AB間の光路長、BC間の光路長、CD間の光路長、DE間の光路長、EF間の光路長及びFG間の光路長の合計である。式(2)の右辺の第2項は、AH間の光路長である。AH間の光路長は、AG=2d
1tanθ
1+2d
2tanθ
2+2d
3tanθ
3、∠AGH=θ
0及びAH=AGsinθ
0を用いて導出される。
式(1)の右辺の第1項は、式(2)の右辺を層156の層数kの場合に一般化し、かつスネルの法則n0sinθ0=nisinθiを用いることにより導出される。さらに、式(2)の右辺の第2項は、反射層152の位相シフト量及び半透過反射層154の位相シフト量を考慮することにより導出される。
式(1)において値ΔMが整数である場合、屈折角θ0で出射された光によって強め合いの干渉が生じる。これにより、この光の配光分布は、角度θ0の方向において極大値をとる。ただし、値ΔMは、特定の整数と厳密に一致している必要はない。値ΔMは、整数m(m≧1)から例えば±1/8、望ましくは例えば±1/16ずれていてもよい。
なお、一例において、位相シフト量φS及びφRは、それぞれ、tanφS=2n1kS/(n1 2−nS 2−kS 2)及びtanφR=2nkkR/(nk 2−nR 2−kR 2)に基づいて決定することができる(nS:半透過反射層154の屈折率、kS:半透過反射層154の消衰係数、nR:反射層152の屈折率、kR:反射層152の消衰係数)。その他の例において、位相シフト量φS及びφRは、分光エリプソメトリによる測定結果に基づいて決定してもよい。
図4は、図1及び図2に示した発光装置10を設計する方法の一例を説明するためのフローチャートである。まず、配光分布が基準方向R(θ0=0)において極大値をとるための基準光路長を決定する(ステップS10)。基準光路長とは、反射層152と半透過反射層154の間の光路長であり、d´1n1+d´2n2+・・・+d´knkである(d´i:第i層156(i)の厚さ)。
次いで、配光分布が角度θ
0の方向において極大値をとるための各層156の厚さd
1〜d
kを基準光路長に基づいて決定する(ステップS20)。具体的には、以下の式(3)を満たすように、各層156の厚さd
1〜d
kを決定する。
式(3)は、以下のようにして導出される。まず、配光分布が基準方向(θ
0=0)において極大値をとる場合の値ΔMは、式(1)に基づいて、以下の式(4)のようになる。
次いで、配光分布が角度θ
0の方向において極大値をとる場合の値ΔMは、式(1)に基づいて、以下の式(5)のようになる。
式(4)及び式(5)を用いて、ΔM(θ
0)=ΔM´(0)によって、式(3)が導出される。
なお、式(3)の導出に際して、ΔM(θ0)における位相シフト量φS及びφRは、ΔM´(0)における位相シフト量φS及びφRとそれぞれ等しいものと仮定している。これにより、式(3)の導出に際して、位相シフト量φS及びφRは消去される。言い換えると、式(3)を用いて各層156の厚さd1〜dkを決定する場合、位相シフト量φS及びφRを算出する必要がなくなる。
ステップS20では、ステップS10において決定された厚さd´1〜d´kを調整することにより、厚さd1〜dkを決定する。一例において、式(3)を満たすように、有機層120のうち最も半透過反射層154に近い層(図1及び図2に示す例では、第2層156(2))の厚さ及び有機層120のうち最も反射層152に近い層(図1及び図2に示す例では、第5層156(5))の厚さを調整してもよい。ただし、この例に挙げた層156以外の層156の厚さを調整してもよい。
さらに、ステップS20では、EML126の中心から反射層152までの光路長とEML126の中心から半透過反射層154までの光路長の比が厚さd´1〜d´kの場合と厚さd1〜dkの場合とで等しくなるように、厚さd1〜dkを決定してもよい。このようにすることで、θ0=0の場合の素子と、角度θ0でピークを有する場合の素子と、で有機層120のキャリアバランスの変化を抑制することができる。なお、有機層120が、複数の発光層EMLを有するマルチユニット構造においては、厚さを調整する層を増やしてもよい。例えば、有機層120に2つの発光層を有する構造、いわゆるタンデムユニット構造の例では、上記の例に挙げた2つの層に加え、第1の発光層と第2の発光層に挟まれたいずれかの層の厚さを調整してもよい。有機層120に3つの発光層を有する構造、いわゆるトリデムユニット構造においては前述の2つに加えて、発光層間の2つの層とで膜厚を調整することが好ましい。このように、マルチユニット構造では発光層の数に1つ加えた層数を調整することが好ましい。
図5は、図1及び図2に示した発光装置10の一例を示す表である。図6は、図5に示した発光装置10の各層における屈折角を示す表である。図7は、図4に示した方法を用いて図5に示した発光装置10を設計する方法の一例を説明するための表である。図7に示す例では、0°〜70°の設計角度で配光分布が極大値をとるように発光装置10を設計している。
図5に示す例において、発光装置10は、基板100、半透過反射層154(層140)、第1層156(1)(第1電極110)、第2層156(2)(HIL122)、第3層156(3)(HTL124)、第4層156(4)(EML126)、第5層156(5)(ETL128)及び反射層152(第2電極130)を備えている。
図6は、波長λ:630nmの光が基板100の第2面104から0.0°〜70.0°の各屈折角θ0で出射された場合の基板100における屈折角θS、第1層156(1)における屈折角θ1、第2層156(2)における屈折角θ2、第3層156(3)における屈折角θ3、第4層156(4)における屈折角θ4及び第5層156(5)における屈折角θ5を示している。屈折角θS及びθ1〜θ5は、スネルの法則に基づいて、n0sinθ0=nisinθiから算出することができる。
図7に示すように、第2層156(2)の厚さd2及び第5層156(5)の厚さd5を決定することができる。具体的には、まず、配光分布が基準方向(θ0=0)において極大値をとるための基準光路長を、光学シミュレーションを用いて決定する(図4のステップS10)。言い換えると、配光分布が基準方向(θ0=0)において極大値をとるための各層156の厚さd´1〜d´5を決定する。図7に示す例において、基準光路長は530nmである。次いで、式(3)を満たすように、各層156の厚さd1〜d5を決定する(図4のステップS20)。
詳細には、基準光路長(すなわち、厚さd´
1〜d´
5)を算出した後、以下の式(6)を満たす光路長ΔLを算出する。
式(6)は、式(3)の左辺にd
i=d´
i+Δd
iを代入することにより導出される。このため、光路長ΔLは、以下の式(7)に示すようになる。
式(6)及び式(7)を用いることにより、θ
0の設計角度を得るために厚さd´
1〜d´
kに追加すべき厚さΔD=Δd
1+Δd
2+・・・+Δd
kを算出することができる。図7に示す例では、有機層120の最下層(第2層156(2))の厚さd´
2に厚さΔd
2だけ追加し、有機層120の最上層(第5層156(5))の厚さd´
5に厚さΔd
5だけ追加し、その他の層156については、Δd
1=Δd
3=Δd
4=0としている。このようにして、各層156の厚さd
1〜d
5が決定される。
なお、図7に示す例では、ΔDを有機層である第2層156(2)(HILとしての機能を有する)及び第5層156(5)(ETLとしての機能を有する)のみを調整層として厚さを加えた。これは、第1層156(1)(第1電極110としての機能を有する)と比較して膜厚の調整が容易であること、膜厚調整にした場合に生じるキャリアバランスの変化を第4層156(4)(EMLとしての機能を有する)と比して比較的に防ぐことができるためである。また、ここで第2層156(2)及び第5層156(5)に加える膜厚ΔDの割合は、半透過反射膜から反射電極までの光学距離を1としたときの、発光位置から半透過反射膜までの光学距離の割合を第2層156(2)加算分、発光位置から反射電極までの光学距離の割合を第5層156(5)加算分とした。よって、図7に示す例では第4層156(4)の中心から反射層152までの光路長とEML126の中心から半透過反射層154までの光路長の比が0.259:0.741となるように厚さd1〜d5を決定している。
図8は、図7に示した条件で設計した発光装置10の配光分布を直角座標で示したグラフである。本図において、縦軸の光度は、比較例に係る発光装置10の配光分布が基準方向Rにおいてとる光度によって規格化されている。比較例に係る発光装置10は、半透過反射層154がない、すなわち、共振器150が構成されていない点を除いて、実施形態に係る発光装置10と同様である。
本図に示すように、設計角度0°、10°、20°、30°、40°、50°、60°及び70°の発光装置10の配光分布は、それぞれ、0°、10°、20°、30°、35°、45°、55°及び60°において極大値を有している。このように、一部の設計角度では、配光分布が極大値をとる方向の角度が設計角度と一致し、その他の設計角度では、配光分布が極大値をとる方向の角度が設計角度とほぼ一致している。
配光分布のピークの鋭さを高くさせる観点からすると、発光装置10は、基準方向Rから例えば5°以上、好ましくは例えば10°以上傾いた方向において配光分布が極大値を有するように設計されていることが好ましいといえる。本図に示す結果より、基準方向Rに極大値を有する配光分布の形状と基準方向Rから傾いた方向に極大値を有する配光分布の形状との差は、配光分布が極大値をとる角度が小さくなるほど小さくなるといえる。これに対して、基準方向Rから例えば5°以上、好ましくは例えば10°以上傾いた方向において配光分布が極大値を有するように発光装置10が設計されている場合、配光分布のピークの鋭さは高いものとなる。
配光分布が極大値をとる方向の角度と設計角度を確実に一致させる観点からすると、発光装置10は、基準方向から60°以下、好ましくは45°以下傾いた方向において配光分布が極大値を有するように設計されていることが好ましいといえる。本図に示す結果より、配光分布が極大値をとる角度は、設計角度が大きくなるほど設計角度よりも小さくなる傾向があるといえる。これに対して、基準方向Rから60°以下、好ましくは45°以下傾いた方向において配光分布が極大値を有するように発光装置10が設計されている場合、配光分布が極大値をとる角度は設計角度と確実に一致するようになる。
図9(a)及び図9(b)は、図7に示した条件で設計した発光装置10の色度の角度分布を示すグラフである。図9(a)及び図9(b)の色度(x,y)は、CIE 1931色空間の色度である。
本図に示す例において、発光装置10は、設計角度と等しい角度において、色度(x,y)が(0.700,0.300)となるように設計されている。具体的には、まず、設計角度0°の発光装置10の色度(x,y)が(0.700,0.300)となるように設計する。次いで、図4に示した方法を用いて、設計角度10°〜70°の発光装置10を設計する。本図(a)に示すように、値xについての設計角度10°〜70°における角度分布は、設計角度0°における角度分布をそれぞれ+10°〜+70°だけ移動させることにより得られる角度分布に類似する。本図(b)に示すように、値yについての設計角度10°〜70°における角度分布は、設計角度0°における角度分布をそれぞれ+10°〜+70°だけ移動させることにより得られる角度分布に類似する。これにより、設計角度10°〜70°の発光装置10の色度(x,y)は、それぞれ、10°〜70°においてほぼ(0.700,0.300)となる。
図10は、実施形態に係る発光装置10及び比較例に係る発光装置10の各々の分光分布を示すグラフである。本図に示す例おいて、実施形態に係る発光装置10は、式(1)においてθ0=30°及びλ=630nmとして式(1)の関係が成立するように設計している。これに対して、比較例に係る発光装置10は、半透過反射層154がない、すなわち、共振器150が構成されていない点と、有機層120の厚さを除いて、実施形態に係る発光装置10と同様である。
本図に示す例において、各分光分布は、基準方向から30°(すなわち、角度θ0と等しい角度)傾いた方向から観測した場合の分光分布である。本図に示すように、実施形態に係る発光装置10の分光分布が極大値をとる波長は、比較例に係る発光装置10の分光分布が極大値をとる波長とほぼ等しく、おおよそ630nmである。さらに、実施形態に係る発光装置10の分光分布の極大値は、比較例に係る発光装置10の分光分布の極大値よりも大きい。後述するように、発光装置10が透光部を有する場合、発光装置10の面積に対して発光する領域の面積が限定される。発光装置10に求められる発光の強度を達成することに課題がある。本実施例にかかる発光装置10のような構成にすれば、発光する領域の面積が限られるなかで発光の強度を強めることができる。
図11(a)は、実施形態に係る発光装置10及び比較例に係る発光装置10の各々の配光分布を極座標で示したグラフ(配光曲線)である。図11(b)は、図11(a)に示した各配光分布を直角座標で示したグラフである。本図に示す例では、図10に示した例において用いた発光装置10と同様の発光装置10を用いている。
本図(a)に示すように、実施形態に係る発光装置10及び比較例に係る発光装置10のいずれの配光分布も基準方向Rに関して対称になっている。さらに、本図(b)に示すように、実施形態に係る発光装置10の配光分布は、基準方向Rから±25°(すなわち、おおよそ±30°)傾いた方向において極大値を有している。これに対して、比較例に係る発光装置10の配光分布は、基準方向Rにおいて極大値を有し、配光分布の光度は、基準方向Rからの傾きが大きくなるにつれて単調に減少している。本図(a)および(b)に示すように実施形態にかかる発光装置10の極大値を中心として非対称となっている。つまり、極大値までは比較的緩やかに上昇し、極大値を超えると俊敏に落ちるようになっている。このような構成とすることで、発光装置10のコントラストが強調することができる。
図12(a)及び図12(b)は、実施形態に係る発光装置10及び比較例に係る発光装置10の各々の色度の角度分布を示すグラフである。図12(a)及び図12(b)の色度(x,y)は、CIE 1931色空間の色度である。本図に示す例では、図10に示した例において用いた発光装置10と同様の発光装置10を用いている。
本図(a)及び本図(b)に示すように、比較例に係る発光装置10の色度(x,y)は、基準方向(図中、0°の方向)からの角度によらずほぼ一定である。これに対して、実施形態に係る発光装置10の色度(x,y)は、基準方向(図中、0°の方向)からの角度に依存して比較例に係る発光装置10の色度(x,y)よりも大きく変動している。このため、図9を用いて説明したように、実施形態に係る発光装置10では、所望の色度が得られるように発光装置10を設計する必要がある。本図に示す例では、角度30°において色度(0.700,0.300)が得られるように発光装置10を設計している。
図13(a)は、変形例に係る発光装置10の配光分布を極座標で示したグラフ(配光曲線)である。図13(b)は、図13(a)に示した配光分布を直角座標で示したグラフである。本図に示す例では、設計角度0°の発光装置10及び設計角度20°の発光装置10について設計している。
本図に示す結果より、配光分布が高い光度をとる範囲を広くさせる観点からすると、発光装置10は、基準方向Rから20°以下、好ましくは15°以下傾いた方向において配光分布が極大値を有するように設計されていることが好ましいといえる。本図に示すように、設計角度20°の発光装置10の配光分布は、広い範囲、具体的にはおおよそ0°〜25において、設計角度0°の発光装置10の配光分布が0°において有する光度とほぼ等しい光度を有している。このように、設計角度が小さい場合、配光分布が高い光度をとる範囲は広いものとなる。
なお、図8に示した結果より、配光分布が高い光度をとる範囲を広くさせる観点からすると、発光装置10は、基準方向Rから10°以上傾いた方向において配光分布が極大値を有するように設計されていることが好ましいといえる。図8に示した結果より、設計角度の小さい(例えば、5°程度)発光装置10の配光分布は、設計角度0°の発光装置10の配光分布とほとんど同じになるといえる。これに対して、基準方向Rから10°以上傾いた方向において配光分布が極大値を有するように発光装置10が設計されている場合、配光分布は、設計角度0°の発光装置10の配光分布と異なるようになる。
図14は、図1の第1の変形例を示す図である。本図に示すように、第1電極110は、基板100の第1面102と層140(半透過反射層154)の間にあってもよい。言い換えると、本図に示す例では、第1電極110は、共振器150を構成していない。本図に示す例において、反射層152と半透過反射層154の間には、有機層120(HIL122、HTL124、EML126及びETL128)のみがある。HIL122、HTL124、EML126及びETL128は、それぞれ、第1層156(1)、第2層156(2)、第3層156(3)及び第4層156(4)として機能している。
図15は、図1の第2の変形例を示す図である。本図に示すように、第1電極110(図1)はなくてもよい。本図に示す例では、層140が電極として機能している。具体的には、層140は、導電性膜、例えば金属薄膜である。さらに、層140の厚さはある程度薄く、具体的には層140に入射した光の一部が層140を透過することができるような薄さである。これにより、層140は、電極として機能するとともに、半透過反射層154として機能する。
図16は、図1の第3の変形例を示す図である。本図に示すように、第1電極110は、2つの層140(層142及び層144)の間にあってもよい。層142は、第1電極110と有機層120の間にある。層144は、基板100の第1面102と第1電極110の間にある。層142は、半透過反射層154として機能している。層144は第1電極110の補助電極として機能していてもよい。この場合、層144は第1電極110と基板100の上に一部分に形成されていてもよい。このため、本図に示す例では、第1電極110は、共振器150を構成していない。
図17(a)は、図2に示した基準方向Rの第1例を説明するための図である。本図に示す例において、基板100の第2面104は、平面である。本図に示す例において、基準方向Rは、基板100の第2面104に対して垂直方向又は法線方向である。基板100の第2面104が平面であるため、基準方向Rは、基板100の第2面104のいずれの領域においても同じである。
図17(b)は、図2に示した基準方向Rの第2例を説明するための図である。本図に示す例において、基板100の第2面104は、曲面であり、具体的には、外側に向かって凸に湾曲している。本図に示す例において、基準方向Rは、基板100の第2面104の接線の垂直方向又は基板100の第2面104の接平面の法線方向である。基板100の第2面104が曲面であるため、基準方向Rは、基板100の第2面104の領域によって異なっている。つまり、本図に示す例では、基準方向Rは、一つの方向に限定されない。
図17(c)は、図2に示した基準方向Rの第3例を説明するための図である。本図に示す例において、基板100の第2面104は、曲面であり、具体的には、外側に向かって凹に湾曲している。本図に示す例において、基準方向Rは、基板100の第2面104の接線の垂直方向又は基板100の第2面104の接平面の法線方向である。基板100の第2面104が曲面であるため、基準方向Rは、基板100の第2面104の領域によって異なっている。つまり、本図に示す例では、基準方向Rは、一つの方向に限定されない。
以上、本実施形態によれば、発光装置10からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる方向において基準方向Rに比してより高い光度を有している。このようにして、発光装置10からの光の配光分布は、この配光分布の中心方向とは異なる方向に極大値を有している。
(実施例1)
図18は、実施例1に係る発光装置10を示す平面図である。図19は、図18のA−A断面図である。図20は、図18のB−B断面図である。なお、図1は、本実施例に係る発光装置10の一部を拡大した図に相当する。図19に示す例では、説明のため、有機層120の各層(HIL122、HTL124、EML126及びETL128)は図示していない。
発光装置10は、基板100、第1電極110、第1端子112、第1配線114、有機層120、第2電極130、第2端子132、第2配線134、層140及び絶縁層160を備えている。基板100は、透光性を有している。第1電極110は、層156として機能している。有機層120は、層156として機能している。第2電極130は、反射層152として機能している。層140は、半透過反射層154として機能している。反射層152、半透過反射層154及び層156は、共振器150を構成している。
第1電極110、有機層120、第2電極130及び絶縁層160は、それぞれ、第1端部110a、第1端部120a、第1端部130a及び第1端部160aを有し、さらに、それぞれ、第2端部110b、第2端部120b、第2端部130b及び第2端部160bを有している。第2端部110b、第2端部120b、第2端部130b及び第2端部160bは、それぞれ、第1端部110a、第1端部120a、第1端部130a及び第1端部160aの反対側にある。
図18に示すように、発光装置10は、基板100の第1面102上に発光素子170を有している。発光素子170は、複数の発光部172及び複数の透光部174を有している。複数の発光部172及び複数の透光部174は、交互に並んでいる。より具体的には、互いに隣接する発光部172は、一方の発光部172の第1端部110a、第1端部120a、第1端部130a及び第1端部160aが透光部174を介して他方の発光部172の第2端部110b、第2端部120b、第2端部130b及び第2端部160bにそれぞれ対向するように並んでいる。
発光部172は、絶縁層160の開口162内において、第1電極110、有機層120及び第2電極130によって構成されている。言い換えると、発光部172では、第1電極110、有機層120及び第2電極130が互いに重なっている。透光部174は、互いに隣接する発光部172のうちの一方の第2電極130の第1端部130aと他方の第2電極130の第2端部130bの間の領域である。なお、図18に示す例において、発光部172(絶縁層160の開口162)の形状は矩形である。
図18に示す例において、発光素子170の形状は、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形として規定されている。具体的には、発光素子170の一対の長辺は、複数の発光部172のそれぞれの一対の短辺と重なっている。発光素子170の一方の短辺は、複数の発光部172の中の一端の発光部172のうちの外側の長辺と重なっている。発光素子170の他方の短辺は、複数の発光部172の中の他端の発光部172のうちの外側の長辺と重なっている。
第1端子112と第2端子132は、発光部172を挟んで互いに反対側にある。第1端子112及び第2端子132は、発光素子170の長辺に沿って延伸している。第1端子112は、複数の第1配線114のそれぞれを介して複数の第1電極110のそれぞれに接続している。第2端子132は、複数の第2配線134のそれぞれを介して複数の第2電極130のそれぞれに接続している。これにより、第1端子112及び第1配線114を介して外部からの電圧を第1電極110に印加することができる。さらに、第2端子132及び第2配線134を介して外部からの電圧を第2電極130に印加することができる。
図19に示すように、第1電極110は、層140を介して基板100の第1面102上にある。絶縁層160は、第1電極110の一部が絶縁層160の開口162から露出されるように基板100の第1面102上に位置している。絶縁層160は、有機絶縁材料、具体的には例えばポリイミドからなる。有機層120は、有機層120の一部が開口162に埋め込まれるように第1電極110上及び絶縁層160上に位置している。第2電極130は、第2電極130の一部が開口162に埋め込まれるように有機層120上に位置している。このようにして、絶縁層160の開口162内では、第1電極110、有機層120及び第2電極130が互いに重なっており、発光部172を構成している。言い換えると、絶縁層160は、発光部172を画定している。また、発光部170は第1電極110の補助電極となる導電部を有していてもよく、この場合導電部は第1電極110と絶縁層160との間に形成され、絶縁層160に覆われていることが好ましい。
第1電極110の第1端部110a及び第2端部110bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ内側にある。このため、第1電極110の第1端部110a及び第2端部110bは、絶縁層160から露出していない。これにより、第1電極110が第2電極130と短絡することが抑制される。
本図に示す例において、有機層120の第1端部120a及び第2端部120bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ内側にある。言い換えると、有機層120の幅がある程度短い。このため、有機層120のうち発光部172の外側の部分の幅を狭くすることができる。すなわち、発光部172の一部として機能していない部分の幅を狭くすることができる。
本図に示す例において、第2電極130の第1端部130a及び第2端部130bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ内側にあり、さらに、有機層120の第1端部120a及び第2端部120bよりもそれぞれ内側にある。このようにして、本図に示す例では、発光部172の外側の部分、すなわち透光部174の幅が広くなっている。
図19に示す例において、基板100の第1面102は、第1領域102a、第2領域102b及び第3領域102cを有している。第1領域102aは、第2電極130の第1端部130aから第2端部130bまでの領域である。第2領域102bは、第2電極130の第1端部130aから絶縁層160の第1端部160aまでの領域及び第2電極130の第2端部130bから絶縁層160の第2端部160bまでの領域である。第3領域102cは、互いに隣接する発光部172のうちの一方の絶縁層160の第1端部160aから他方の絶縁層160の第2端部160bまでの間の領域である。
図19に示す例において、一方の発光部172から他方の発光部172に向かう方向において、第2電極130(第1反射電極)の第1端部130aと絶縁層160の第1端部160aの間の距離(すなわち、第2領域102bの幅d2)は、一方の発光部172の絶縁層160の第1端部160aと他方の発光部172の絶縁層160の第2端部160bの間の距離(すなわち、第3領域102cの幅d3)よりも短い。さらに、他方の発光部172から一方の発光部172に向かう方向において、第2電極130(第2反射電極)の第2端部130bと絶縁層160の第2端部160bの間の距離(すなわち、第2領域102bの幅d2)は、他方の発光部172の絶縁層160の第2端部160bと一方の発光部172の絶縁層160の第1端部160aの間の距離(すなわち、第3領域102cの幅d3)よりも短い。これにより、発光装置10の光線透過率が高くなっている。
詳細には、第2領域102bの光線透過率は、第3領域102cの光線透過率よりも低い。これは、第2領域102b上には絶縁層160が位置しているのに対し、第3領域102c上には絶縁層160が位置していないためである。上記したように、第2領域102bの幅d2は、第3領域102cの幅d3よりも狭い。このため、発光装置10の光線透過率が高くなっている。
さらに、図19に示す例では、発光装置10が特定の波長の光を遮断するフィルタとして機能することが抑制される。詳細には、絶縁層160の光線透過率が波長によって異なっていることがある。このため、絶縁層160は、特定の波長の光を遮断するフィルタとして機能し得る。本図に示す例では、上記したように、第2領域102b(絶縁層160と重なる領域)の幅d2は狭く、具体的には第3領域102cの幅d3よりも狭い。このため、発光装置10が特定の波長の光を遮断するフィルタとして機能することが抑制される。
図19に示す例において、第2領域102bの幅d2は、第1領域102aの幅d1の例えば0倍以上0.2倍以下(0≦d2/d1≦0.2)である。第3領域102cの幅d3は、第1領域102aの幅d1の例えば0.3倍以上2倍以下(0.3≦d3/d1≦2)である。第1領域102aの幅d1は、例えば50μm以上500μm以下である。第2領域102bの幅d2は、例えば0μm以上100μm以下である。第3領域102cの幅d3は、15μm以上1000μm以下である。
本実施例においては、発光素子170、より具体的には発光部172からの光は、基板100の第1面102側の領域へはほとんど出射されず、基板100の第2面104側の領域へ出射される。これは、有機層120、具体的には、図1及び図2に示したEML126からの光が第2電極130(反射層152)によって反射されるためである。
さらに、本実施例においては、人間の視覚では、発光素子170の全面に亘って光が発せられているように見える。これは、複数の発光素子170が狭いピッチで配置されているためである。
さらに、本実施例においては、人間の視覚では、発光装置10を介して物体が透けて見える。言い換えると、発光装置10は、半透過OLEDとして機能している。これは、第2電極130(反射層152)の幅がある程度狭く、かつ互いに隣接する第2電極130(反射層152)の間に透光部174があるためである。具体的には、発光素子170から光が発せられていない場合、人間の視覚では、第2面104側からは第1面102側の物体が透けて見える。さらに、発光素子170から光が発せられている場合及び発光素子170から光が発せられていない場合のいずれにおいても、人間の視覚では、第1面102側から第2面104側の物体が透けて見える。
図21は、図19の第1の変形例を示す図である。本図に示すように、有機層120の第1端部120a及び第2端部120bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ外側にあってもよい。
図22は、図19の第2の変形例を示す図である。本図に示すように、有機層120は、互いに隣接する2つの発光部172亘って延在していてもよい。より具体的には、有機層120は、発光素子170の全面に亘って延在している。本図に示す例では、複数の有機層120のそれぞれを複数の第1電極110のそれぞれの上に形成する必要がない。このため、有機層120を形成するためのアライメントが容易となる。また、このような構成にすることで、有機層120を複数層形成する際にマスクの洗浄をする必要がなく製造工程が削減できる。また、本発明では有機層120の膜厚で発光部172の発光方向が変化するため、成膜のムラを防ぐことは重要である。マスクをなくし、発光素子170の発光部172および透光部174の一面に蒸着することで、マスクやマスクの配置ずれ、マスクのたわみなどの有機層120の成膜時の環境による、有機層120の成膜ムラを防ぐことができ、より精度が高く、所望の角度での発光強度の高い発光を得ることができる。また、有機層120の一部または全てを塗布工程で成膜する場合においても、有機層120は発光素子170の全面に亘って延在する形態であれば、容易に形成することができる。
(実施例2)
図23は、実施例2に係る発光システム20を示す図である。図24は、図23のA−A断面図である。図25は、図23のB−B断面図である。発光システム20は、発光装置10、基材200及び枠体250を備えている。
本実施例に係る発光装置10は、実施例1に係る発光装置10と同様である。発光装置10は、基材200上に搭載されている。具体的には、基材200は、第1面202及び第2面204を有している。第2面204は、第1面202の反対側にある。発光装置10は、基板100の第2面104が基材200の第1面202と対向するように基材200の第1面202上に搭載されている。なお、図23〜25では、説明のため、第1電極110、有機層120、第2電極130、層140及び絶縁層160(例えば、図19)を図示していない。
基材200は、透光性を有している。このため、発光部172からの光は、基材200を透過することができ、具体的には、基材200の第1面202から基材200に入射し、基材200の第2面204を介して基材200の外側へ出射される。
基材200は、枠体250によって保持されている。一例において、基材200は、窓やその一部分として機能している。より具体的には、一例において、基材200は、移動体(例えば、自動車、列車、船舶又は飛行機)のウインドウ、より具体的には自動車のリアウインドウとして機能している。その他の例において、基材200は、商品等の物体を収容するための筐体(例えば、ショーケース)の窓、あるいは家屋や店舗などの窓やその一部分として機能している。基材200が窓として機能している場合、基材200は、ある程度頑丈である必要がある。このため、基材200の厚さは、基板100の厚さよりも相当に厚く、例えば、2mm以上50mm以下である。
基材200は、半透過発光領域240を有している。半透過発光領域240は、複数の発光領域242及び複数の透光領域244を有している。半透過発光領域240は、発光装置10の発光素子170と重なっている。発光領域242は、発光装置10の発光部172と重なっている。透光領域244は、発光装置10の透光部174と重なっている。言い換えると、透光領域244は、発光装置10の発光部172と重なっていない。このようにして、複数の発光領域242及び複数の透光領域244は、複数の発光部172及び複数の透光部174と同様にして、交互に並んでいる。
実施例1と同様にして、人間の視覚では、半透過発光領域240(発光素子170)の全面に亘って光が発せられているように見える。さらに、人間の視覚では、半透過発光領域240を介して物体が透けて見える。言い換えると、半透過発光領域240は、半透過OLEDとして機能している。具体的には、半透過発光領域240(発光素子170)から光が発せられていない場合、人間の視覚では、第2面204側からは第1面202側の物体が透けて見える。さらに、半透過発光領域240(発光素子170)から光が発せられている場合及び半透過発光領域240(発光素子170)から光が発生られていない場合のいずれにおいても、人間の視覚では、第1面202側から第2面204側の物体が透けて見える。また、基材200が移動体に形成される場合は乗客、特に運転・操舵・操縦者から移動体外への視認性を、基材200が店舗用の窓であれば店舗の店員の店外への視認性を妨げることなく発光システム20を設置することができる。
図25に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図中、X方向に沿った方向)である。基材200は、基材200の第2面204が標準方向Sから斜め上を向くように枠体250によって支持されている。これにより、基準方向Rは、標準方向Sから斜め上を向くようになる。さらに、基板100の厚さ方向、発光部172の厚さ方向及び基材200の厚さ方向も標準方向Sから斜め上を向くようになる。基準方向Rは、配光分布の中心方向であり、本図に示す例では、例えば、基板100の厚さ方向、発光部172の厚さ方向及び基材200の厚さ方向のいずれかに沿った方向であり、又は第2面204の法線方向である。発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において、基準方向Rに比してより高い光度を有しており、具体的には第1方向D1において極大値を有している。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なっている。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、所望の方向において、高い光度(例えば、極大値)を有することができる。
さらに、本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なる方向を向き、かつ標準方向Sとほとんど同じ方向を向いている。具体的には、第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、例えば、0°以上5°以下である。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(本図に示す例では、水平方向)又はその近傍において高い光度を有することができる。なお、このような配光分布は、例えば、鉛直方向(図中、Y方向)からの基材200の傾きの角度と配光分布が極大値をとる設計角度(例えば、図5〜図7を参照)とを互いに一致させ、又は互いに対応させることにより実現される。
図26は、図25に示した発光システム20の配光分布の一例を説明するための図である。本図の配光分布は、図8における設計角度30°の角度分布を規格化することにより得られた配光分布である。本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図25においてX方向に沿った方向)である。基準方向Rは、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。本例では第1方向D1は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる方向、具体的には例えば標準方向Sにおいて、基準方向Rに比してより高い光度を有している。このため、基材200が標準方向Sから傾いていても、この配光分布は、標準方向Sに高い光度を有している。
さらに、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において極大値を有している。第1方向D1は、標準方向Sと異なっている。具体的には、第1方向D1と基準方向Rのなす角度は、標準方向Sと基準方向Rのなす角度よりも大きい。言い換えると、第1方向D1は、標準方向Sに比して、基準方向Rからより遠くにあり、さらに言い換えると、標準方向Sは、基準方向Rと第1方向D1との間にある。
さらに、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1に関して非対称である。具体的には、図26に示す例では、この配光分布は、第1方向D1から標準方向S側に向かって20°の方向に第1光度(おおよそ0.20)を有し、第1方向D1から標準方向Sとは逆側に向かって20°の方向に第2光度(おおよそ0.85)を有している。図26に示す例において、第1光度(おおよそ0.20)は、第2光度(おおよそ0.85)よりも小さい。
さらに、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S及びその近傍においてほぼ一定となっている。具体的には、図26に示す例では、この配光分布は、標準方向Sに第1標準光度(おおよそ1.00)を有し、標準方向Sから第1方向S1側に向かって10°の方向に第2標準光度(おおよそ0.90)を有し、標準方向Sから基準方向R側に向かって10°の方向に第3標準光度(おおよそ0.90)を有している。図26に示す例において、第1標準光度(おおよそ1.00)、第2標準光度(おおよそ0.90)及び第3標準光度(おおよそ0.90)は、いずれも、上記した配光分布の上記した極大値の80%以上100%以下である。
なお、30°以外の設計角度においても、第1方向D1が標準方向Sに比して基準方向Rからより遠くにある場合、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S及びその近傍においてほぼ一定となる(例えば、図8を参照)。
さらに、第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、本図に示す例に限定されるものではない。第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、例えば、2.5°以上12.5°以下、好ましくは例えば5.0°以上10°以下にすることができる。
図27(a)及び図27(b)は、図25に示した発光システム20の色度の角度分布の一例を説明するための図である。本図(a)及び本図(b)の角度分布は、図9(a)及び図9(a)における設計角度30°の角度分布である。本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図25においてX方向に沿った方向)である。第1側方向S1は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。第2側方向S2は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
発光システム20からの光は、標準方向S(θS:25°)に標準色度(xS,yS)(おおよそ(0.710,0.290))を有している。さらに、発光システム20からの光は、標準方向Sに対称な第1側方向S1(θS1:15°)及び第2側方向S2(θS2:35°)にそれぞれ第1色度(xS1,yS1)(おおよそ(0.715,0.285))及び第2色度(xS2,yS2)(おおよそ(0.695,0.305))を有している。第1色度(xS1,yS1)と標準色度(xS,yS)の差は、第2色度(xS2,yS2)と標準色度(xS,yS)の差よりも小さい。言い換えると、本図に示す例では、第2色度(xS2,yS2)と標準色度(xS,yS)の差が大きくなることと引き換えに、第1色度(xS1,yS1)と標準色度(xS,yS)の差をある程度小さくしている。
第1側方向S1と基準方向Rのなす角度は、第2側方向S2と基準方向Rのなす角度よりも小さい。言い換えると、第1側方向S1は、第2側方向S2に比して、基準方向Rにより近くにある。
値xの角度分布は、設計角度(30°)からおおよそ±15°の範囲内において、下に凹であって単調に減少している。このため、この範囲内に、標準方向Sの角度θS、第1側方向S1の角度θS1及び第2側方向S2の角度θS2をとると、|xS1−xS|<|xS2−xS|となる。さらに、値yの角度分布は、設計角度(30°)からおおよそ±15°の範囲内において、上に凹であって単調に増加している。このため、この範囲内に、標準方向Sの角度θS、第1側方向S1の角度θS1及び第2側方向の角度θS2をとると、|yS1−yS|<|yS2−yS|となる。これより、設計角度(30°)からおおよそ±15°の範囲内に、標準方向Sの角度θS、第1側方向S1の角度θS1及び第2側方向の角度θS2をとると、第1色度(xS1,yS1)と標準色度(xS,yS)の差は、第2色度(xS2,yS2)と標準色度(xS,yS)の差よりも小さくなる。
なお、30°以外の設計角度においても、設計角度からおおよそ±15°の範囲内に、標準方向Sの角度θS、第1側方向S1の角度θS1及び第2側方向S2の角度θS2をとると、上方色度(xU,yU)と水平色度(xH,yH)の差は、下方色度(xD,yD)と水平色度(xH,yH)の差よりも小さくなる(例えば、図9(a)及び図9(b)を参照)。
さらに、第1側方向S1と標準方向Sのなす角度(第2側方向S2と標準方向Sのなす角度)は、本図に示す例に限定されるものではない。第1側方向S1と標準方向Sのなす角度及び第2側方向S2と標準方向Sのなす角度の各々は、例えば、5°以上15°以下である。
図28は、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布を測定する方法の第1例を説明するための図である。本図に示す例において、基材200の第2面204は、標準面SSから傾いている。標準面SSは、例えば水平面である。発光領域242は、第2面204上に、下端A、上端B及び下端Aと上端Bの中心Oを有している。下端Aは、標準面SSから高さhAにある。上端Bは、標準面SSから高さhBにある。中心Oは、標準面SSから高さhoにある。発光領域242(発光部172)からの光の配光分布は、標準面SSに沿った方向に極大値を有している。発光領域242(発光部172)からの光の配光分布が標準面SSに沿った方向に極大値を有する場合、光度計Mによって測定される光度は、光度計Mが他のいずれの高さ(例えば、hA又はhB)にある場合よりも、高さhoにある場合に最大となる。
図29は、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布を測定する方法の第2例を説明するための図である。本図に示すように、発光領域242は、中心O及びその近傍を除いて、マスクMSKによって覆われていてもよい。これにより、中心O及びその近傍からの光のみの配光分布を測定することができる。
図30は、図25の変形例を示す図である。本図に示すように、第1方向D1と標準方向Sは互いに一致していてもよい。本図に示す例においては、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(例えば、水平方向)において極大値を有することができる。
図31は、図24の第1の変形例を示す図である。本図に示すように、発光装置10は、基材200の第2面204上に搭載されていてもよい。より具体的には、本図に示す例では、発光装置10は、基板100の第1面102が発光素子170を介して基材200の第2面204と対向するように基材200の第2面204上に搭載されている。
図32は、図24の第2の変形例を示す図である。本図に示すように、発光装置10は、基材200の内部にあってもよい。具体的には、本図に示す例では、基材200は、第1基材210、第2基材220及び中間層230を有している。第1基材210及び第2基材220は、例えば、ガラス板である。中間層230は、例えば樹脂層である。これにより、基材200は、合わせガラスとして機能することができる。
第1基材210は、面212及び面214を有している。面212は、第1基材210の第1面202として機能している。面214は、面212の反対側にある。第2基材220は、面222及び面224を有している。面224は、面222の反対側にあり、第2面204として機能している。第1基材210の面214と第2基材220の面222は、発光装置10及び中間層230を介して互いに対向している。より具体的には、発光装置10は、基板100の第1面102が第2基材220の面222と対向するように第2基材220の面222上に搭載されている。基板100の第1面102及び発光素子170は、中間層230によって覆われている。
図33は、図24の第3の変形例を示す図である。本図に示すように、発光素子170は、基材200の第1面202上に直接形成されていてもよい。言い換えると、本図に示す例において、発光装置10は、基板100(図24)を有していない。さらに言い換えると、本図に示す例では、基材200が基板100として機能している。
(実施例3)
図34は、実施例3に係る発光システム20を示す断面図であり、実施例2の図25に対応する。本実施例に係る発光システム20は、以下の点を除いて、実施例2に係る発光システム20と同様である。
本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図中、X方向に沿った方向)である。第1方向D1は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。第1側方向S1は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。第2側方向S2は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。本図に示すように、基材200は、第2面204が標準方向Sから斜め下を向くように支持されていてもよい。これにより、基準方向Rは、標準方向Sから斜め下を向くようになる。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において極大値を有している。第1方向D1は、標準方向Sと異なっている。具体的には、第1方向D1と基準方向Rのなす角度は、標準方向Sと基準方向Rのなす角度よりも大きい。言い換えると、第1方向D1は、標準方向Sに比して、基準方向Rからより遠くにある。これにより、図25及び図26を用いて説明した理由と同様の理由により、発光システム20からの光の配光分布では、標準方向S及びその周辺方向において光度が大きく変動しないようになっている。
発光システム20からの光は、標準方向Sに標準色度を有している。さらに、発光システム20からの光は、標準方向Sに対称な第1側方向S1及び第2側方向S2にそれぞれ第1色度及び第2色度を有している。第1側方向S1と基準方向Rのなす角度は、第2側方向S2と基準方向Rのなす角度よりも小さい。言い換えると、第1側方向S1は、第2側方向S2に比して、基準方向Rにより近くにある。これにより、図25及び図27を用いて説明した理由と同様の理由により、第1色度と標準色度の差は、第2色度と標準色度の差よりも小さくなっている。
図35は、図34の変形例を示す図である。本図に示すように、第1方向D1と標準方向Sは互いに一致していてもよい。本図に示す例においては、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(例えば、水平方向)において極大値を有することができる。
(実施例4)
図36及び図37の各々は、実施例4に係る発光システム20を示す断面図であり、実施例2の図24及び図25にそれぞれ対応する。本実施例に係る発光システム20は、以下の点を除いて、実施例2に係る発光システム20と同様である。
本図に示す例において、発光システム20は、光学部材180を備えている。光学部材180は、光の進行方向を調整するための部材であり、具体的には、例えば、回折格子、マイクロプリズム又は偏光フィルムである。本図に示す例では、発光部172からの光の進行方向は、第2面204からの配光分布が、基準方向Rとは異なる方向、具体的には第1方向D1において、基準方向Rに比してより高い光度を有するように光学部材180によって調整されている。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242からの光の配光分布は、所望の方向において、高い光度(例えば、極大値)を有することができる。
本図に示す例において、発光装置10は、上記した式(1)の値ΔMがθ≠0°の場合にm−1/8以上m+1/8以下を満たすように設計する必要がない。一例において、発光装置10は、半透過反射層154(例えば、図19)を有していなくてもよく、言い換えると、マイクロキャビティ構造を有していなくてもよい。他の例において、発光装置10は、上記した式(1)において値ΔMがθ=0°の場合にm−1/8以上m+1/8以下を満たすように設計されていてもよい。いずれの例においても、光学部材180を用いることにより、第2面204からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる方向、具体的には第1方向D1において極大値を有している。
本図に示す例では、光学部材180は、透光部174(透光領域244)とは重ならないように設けられている。これにより、発光システム20の透過率が低下することが抑制される。なお、本図に示す例において、光学部材180は、基板100の第2面104と基材200の第1面202の間に位置している。
(実施例5)
図38は、実施例5に係る移動体22を示す図である。本図に示す例において、移動体22は、ボディ260及び発光システム20を備えている。発光システム20は、ボディ260に保持されている。本図に示す例において、移動体22は、自動車であり、ボディ260は、車体である。移動体22は、路面RS上を移動している。なお、移動体22は、列車、船舶又は飛行機であってもよい。移動体22が列車である場合、ボディ260は車体である。移動体22が船舶である場合、ボディ260は船体である。移動体22が飛行機である場合、ボディ260は胴体である。
本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図中、X方向に沿った方向)である。さらに、標準方向Sは、路面RSに沿った方向でもあり、移動体22の進行方向でもあり、移動体22の後方に向かう方向でもある。発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において、基準方向Rに比してより高い光度を有しており、具体的には第1方向D1において極大値を有している。本図に示す例では、基材200は、第2面204が標準方向Sから斜め上を向くように支持されている。これにより、基準方向Rは、標準方向Sから斜め上を向くようになる。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なっている。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、所望の方向において、高い光度(例えば、極大値)を有することができる。
さらに、本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なる方向を向き、かつ標準方向Sとほとんど同じ方向を向いている。具体的には、第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、例えば、0°以上5°以下である。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(本図に示す例では、水平方向)又はその近傍において高い光度を有することができる。
移動体22は、ボディ260を備えている。ボディ260の一部は、枠体250として機能している。本図に示す例において、基材200は、枠体250によって支持されており、リアウインドウとして機能している。
本図に示す例において、発光部172(発光領域242)は、日本国道路運送車両の保安基準第39条の2に定める「補助制動灯」(言い換えると、ハイマウントストップランプ(HMSL)又はブレーキランプ)の一部を構成している。発光部172(具体的には、発光部172の中心)は、移動体の移動する路面RSから例えば1m以上1m20cm以下の高さhLにある。
発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向Sにおいて、基準方向Rに比してより高い光度を有している。このため、基材200が標準方向Sから傾いて移動体22に設置されていても、この配光分布は、移動体22の後続の交通の方向となる標準方向Sに高い光度を有している。そのため、発光領域242(発光部172)の発光の光度を高めるとともに、効率よく後続の交通方向へ照射し、移動体22の制動の情報を伝達あるいは表示することができる。
さらに、図38において、第1方向D1は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。第1側方向S1は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。第2側方向S2は、標準方向(水平方向)から斜め下を向いている。ここで、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において極大値を有している。第1方向D1は、標準方向Sと異なっている。具体的には、第1方向D1と基準方向Rのなす角度は、標準方向Sと基準方向Rのなす角度よりも大きい。言い換えると、第1方向D1は、標準方向Sに比して、基準方向Rからより遠くにある。これにより、図25及び図26を用いて説明した理由と同様の理由により、発光システム20からの光の配光分布では、標準方向S及びその周辺方向において光度が大きく変動しないようになっている。このようにすることで後続の交通が視点の高さに左右されずに移動体22の制動の情報を表示することができる。
発光システム20からの光は、標準方向Sに標準色度を有している。さらに、発光システム20からの光は、標準方向Sに対称な第1側方向S1及び第2側方向S2にそれぞれ第1色度及び第2色度を有している。第1側方向S1と基準方向Rのなす角度は、第2側方向S2と基準方向Rのなす角度よりも小さい。言い換えると、第1側方向S1は、第2側方向S2に比して、基準方向Rにより近くにある。これにより、図25及び図27を用いて説明した理由と同様の理由により、第1色度と標準色度の差は、第2色度と標準色度の差よりも小さくなっている。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。