JP2019200974A - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置において画質の低下の抑制に有利な技術を提供する。【解決手段】基板と基板の上に配されている複数の発光素子と複数の発光素子の上に配されている封止層とを含み、複数の発光素子は、互いに絶縁部によって分離された複数の下部電極と複数の下部電極の上に配された発光層を含む有機層と有機層を覆うように配された上部電極とを含み、封止層は、n1の屈折率を有し、基板の表面に対する正射影において複数の下部電極と重なる位置に、複数の下部電極と対応するように複数の凹部を備え、複数の凹部の底および側壁によって囲まれたそれぞれの部分の屈折率をn2、複数の下部電極のそれぞれのうち有機層と接する部分の幅をd、複数の凹部のそれぞれの側壁の基板の表面と直交する第1の方向の高さをhとしたとき、n1>n2、かつ、h≧(d/2)×{n2/(n12−n22)1/2}を満たす。【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置およびその製造方法に関する。
発光する有機材料がもたらす有機エレクトロルミネセンス(EL)を発光層として利用した発光素子を備える表示装置が注目されている。有機ELを用いた発光層は、空気中の水分によって劣化するため、発光層の上に水分の透過を抑制するための封止層を配することによって表示装置の信頼性を向上させることが知られている。特許文献1には、発光層を覆うように封止層を設け、さらに封止層の上に凸部によって色ごとに区分された着色層を配することが示されている。凸部を配することによって、発光層から発せられた光が本来透過すべき着色層とは異なる色の着色層を透過する割合が減少するため、隣接する画素間の混色が抑制される。
特許文献1に示される構造において、発光層から発せられた光が、封止層を通る間に隣接する画素に侵入し、混色が発生してしまう可能性がある。混色が発生してしまった場合、表示される画像の画質が低下しうる。
本発明は、表示装置において画質の低下の抑制に有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る表示装置は、基板と、基板の上に配されている複数の発光素子と、複数の発光素子の上に配されている封止層と、を含む表示装置であって、複数の発光素子は、互いに絶縁部によって分離された複数の下部電極と、複数の下部電極の上に配された発光層を含む有機層と、有機層を覆うように配された上部電極と、を含み、封止層は、n1の屈折率を有し、基板の表面に対する正射影において複数の下部電極と重なる位置に、複数の下部電極と対応するように複数の凹部を備え、複数の凹部の底および側壁によって囲まれたそれぞれの部分の屈折率をn2、複数の下部電極のそれぞれのうち有機層と接する部分の幅をd、複数の凹部のそれぞれの側壁の基板の表面と直交する第1の方向の高さをhとしたとき、n1>n2、かつ、h≧(d/2)×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、表示装置において画質の低下の抑制に有利な技術を提供することができる。
以下、本発明に係る表示装置の具体的な実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明および図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
図1〜3(c)を参照して、本発明の実施形態による表示装置の構造および製造方法について説明する。図1は、本発明における表示装置100の構造を示す断面図である。本実施形態において、表示装置100は、基板110と、基板110の表面の上に配される複数の発光素子120と、複数の発光素子120を封止するための封止層116と、を含む。
発光素子120は、1つの画素(サブ画素とも呼ばれうる。)に相当する発光ユニット102ごとに対応して互いに絶縁部111によって分離された下部電極113と、下部電極113の上に配された発光層を含む有機層114と、有機層114を覆うように配された上部電極115と、を含む。本実施形態において、有機層114の有機エレクトロルミネセンス(EL)を用いた発光層は、白色発光する。また、有機層114と上部電極115とは、図1に示されるように、複数の発光ユニット102で共有するように配されうる。例えば、表示装置100の画像を表示する表示領域の全体に渡って、有機層114および上部電極115が一体で形成されていてもよい。
封止層116は、有機層114および上部電極115と同様に、図1に示されるように、複数の発光ユニット102で共有するように配されうる。例えば、表示装置100の画像を表示する表示領域の全体に渡って、封止層116が一体で形成されていてもよい。封止層116には、基板110の表面に対する正射影において、複数の下部電極113と重なる位置に、複数の下部電極113と対応するように複数の凹部117を備える。
この封止層116の凹部117には、カラーフィルタ123として機能する分光材料や、封止層116の複数の凹部117による凹凸を平坦化する平坦化部材として機能する充填材などが、充填部材として埋め込まれていてもよい。充填部材は、凹部117を完全に埋め込んでいてもよいし、充填部材内に空気など空間を有していてもよい。図1に示す構成において、封止層116の凹部117のそれぞれに、充填部材としてカラーフィルタ123が配される。図1に示される表示装置100には、出力する色が異なる3種類の発光ユニット102、即ち、赤色の発光ユニット102R、緑色の発光ユニット102G、青色の発光ユニット102Bが設けられている。発光ユニット102Rにおいて、赤色の光を透過するカラーフィルタ123Rが、封止層116の凹部117に配される。同様に、発光ユニット102Gにおいて、緑色の光を透過するカラーフィルタ123Gが、封止層116の凹部117に配され、発光ユニット102Bにおいて、青色の光を透過するカラーフィルタ123Bが、封止層116の凹部117に配される。図1に示される表示装置100において、この3種類の発光ユニット102R、102G、102Bが1つずつ集まって、画像上の1つの画素が構成され、この画素が基板110上にマトリックス状に複数配されている。また、図1に示される表示装置100は、基板110の上に形成される発光素子120の上面から、発光素子120に対して基板110の反対方向へ光を出射するトップエミッション型の表示装置である。
ここで、封止層116が、封止層116の凹部117に配される充填部材よりも高い屈折率を有する場合、スネルの法則から混色を引き起こす光の少なくとも一部を封止層116の凹部117の側壁118で反射させることができる。まず、封止層116が、n1の屈折率を有するとする。また、複数の凹部117の底および側壁によって囲まれたそれぞれの部分、つまり、図1に示す構成において、カラーフィルタ123の屈折率をn2とする。また、複数の下部電極113のそれぞれのうち有機層114と接する部分の幅をd、凹部117の側壁118の基板110の表面と直交するz方向の高さをhとする。ここで、下部電極113のうち有機層114と接する部分の幅とは、基板110の表面に対する正射影において、互いに隣接する下部電極113の中心(例えば、基板110の表面に対する正射影において、下部電極113の幾何学的重心。)同士を結ぶ仮想線と平行な方向の、下部電極113のうち有機層114と接する部分の幅でありうる。また、本明細書において、絶縁部111の「幅」など、他の構成要素の「幅」も、基板110の表面に対する正射影において、互いに隣接する下部電極113の中心同士を結ぶ仮想線と平行な方向の幅でありうる。このとき、
n1>n2
かつ
h≧(d/2)×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}
の関係を満たすことによって、封止層116の凹部117の側壁118とカラーフィルタ123との屈折率の差から、隣接する発光ユニット102からの混色を防止する性能を向上させることができる。ここで、複数の下部電極113が並ぶ方向によって、下部電極113のうち有機層114と接する部分の幅が異なる場合、dは長い方の幅であってもよいし、短い方の幅であってもよい。
n1>n2
かつ
h≧(d/2)×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}
の関係を満たすことによって、封止層116の凹部117の側壁118とカラーフィルタ123との屈折率の差から、隣接する発光ユニット102からの混色を防止する性能を向上させることができる。ここで、複数の下部電極113が並ぶ方向によって、下部電極113のうち有機層114と接する部分の幅が異なる場合、dは長い方の幅であってもよいし、短い方の幅であってもよい。
ここで、本発明の効果について図3(a)、3(b)を用いて説明する。図3(a)は、封止層116に凹部117が形成されていない比較例の表示装置300の光の経路を示す。基板110の上に配された発光素子120の上に、封止層116が配され、その上にカラーフィルタ123が配されている。封止層116の屈折率をn1、封止層116の上のカラーフィルタ123の屈折率をn2とする。また、発光素子120から発生した光の封止層116からカラーフィルタ123への入射角をθ[°]とする。このとき、θが、封止層116の上に配されているカラーフィルタ123の界面で全反射を起こす臨界角以上の角度で入射された場合、互いに隣接する発光ユニット102の間で混色が発生する。
図3(b)に、本実施形態の表示装置100の光の経路を示す。上述のように、封止層116には、下部電極113のそれぞれに対応するように凹部117が設けられている。図3(a)で混色の原因となった臨界角θ以上で入射された光は、凹部117の側壁118とカラーフィルタ123との界面において、90―θ[°]の入射角となる。これによって、臨界角θ以下の光となることでスネルの法則から、凹部117の側壁118とカラーフィルタ123との界面で反射させることができる。また、凹部117の側壁118の高さhは、発光素子120の多くの部分から発光した光を反射できるようにするため、下部電極113の有機層114と接する部分の幅をdとすると、
h≧d/2・tanθ・・・(1)
とする必要がある。ここで臨界角θと封止層116の屈折率n1、カラーフィルタ123の屈折率n2の関係はスネルの法則から、
sinθ=n2/n1・・・(2)
である。ここで、式(1)および式(2)から、上述の、
h≧(d/2)×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}・・・(3)
が求められる。
h≧d/2・tanθ・・・(1)
とする必要がある。ここで臨界角θと封止層116の屈折率n1、カラーフィルタ123の屈折率n2の関係はスネルの法則から、
sinθ=n2/n1・・・(2)
である。ここで、式(1)および式(2)から、上述の、
h≧(d/2)×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}・・・(3)
が求められる。
例えば、封止層116の屈折率を1.80以上、封止層116の凹部117に配される封止層116よりも屈折率が低い充填部材(図1、3(b)の構成において、カラーフィルタ123。)の屈折率を1.55以下にすることによって、反射が起こる臨界角が54°以下となる。発光素子120から光が等方的に発生するとした場合、上述の(3)式を満たすことによって、図3(a)の構成において隣接する画素に漏出する光の約80%を封止層116の凹部117の側壁118とカラーフィルタ123との界面で反射することができる。
また、基板110の表面に対する正射影において、凹部117の高さz1での面積をS1[μm2]、高さz1よりもz方向に基板110の表面から離れた高さz2での面積をS2[μm2]としたとき、S1>S2を満たしていてもよい。換言すると、封止層116の凹部117が、図3(c)に示すように逆テーパー構造を有していてもよい。封止層116の凹部117が、逆テーパー構造を備えることによって、凹部117の側壁118と凹部117の底とによって構成される角度が90°以下になる。これによって、凹部117の側壁118で反射が起こる光の角度範囲が広がり、より混色を防止する性能を向上させることができる。このとき、封止層116に配される凹部117のすべてが、逆テーパー構造を備えていてもよいし、封止層116に配される凹部117のうち少なくとも一部が、逆テーパー構造を備えていてもよい。
図1に示される構成において、封止層116のそれぞれの凹部117の間の凸部の幅が広い場合、カラーフィルタ123を通らずに封止層から出射する光が多くなる。このため、図1に示されるように、基板110の表面に対する正射影において、封止層116の複数の凹部117のそれぞれの側壁118が、絶縁部111と重なる位置に配されてもよい。
また、図1に示される表示装置100は、出射する光の色がそれぞれ異なる3種類の発光ユニット102が配されている。しかしながら、発光ユニット102の種類はこれに限られることはない。発光ユニット102は、少なくとも2種類あれば混色を防ぐ効果がある。また、単色の表示装置である場合も、互いに隣接する画素からの光の漏出を防止できるため、よりコントラストが高い画像を表示できる。
下部電極113は、例えば、アルミニウムや銀などの金属やアルミニウム合金、銀合金などの高反射率の材料で形成されうる。また、下部電極113は積層構造を有していてもよい。下部電極113は、絶縁部111によってそれぞれの発光ユニット102ごとに分離される。絶縁部111で分離された複数の下部電極113のそれぞれによって、それぞれの発光ユニット102が定義されうる。本実施形態において、下部電極113の幅は2μm〜4μmで形成してもよく、絶縁部111の幅は1μm〜2μmで形成してもよい。また、複数の下部電極113は、格子状に並んでいてもよいし、ハニカム状に並んでいてもよい。
下部電極113および絶縁部111の上に配される有機層114は、少なくとも発光層を有する単層あるいは複数層からなる積層体であり、この積層体を構成する各層は、それぞれ有機化合物によって構成される層である。図1に示される表示装置100において、有機層114は、全ての発光ユニット102に共通する層として形成されていてもよい。
有機層114を構成する層として、発光層(例えば、白色発光層)の他に、正孔注入・輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子注入・輸送層などが挙げられる。ただし、本実施形態はこれらに限定されるものではない。さらに、他の機能を有する層が含まれていてもよい。以下、有機層114が、陽極(下部電極113)側から順に、正孔注入・輸送層、白色発光層、電子注入・輸送層によって構成される積層体である場合について説明する。
正孔注入・輸送層は、正孔注入性あるいは正孔輸送性、または、その両方の機能を有する有機化合物からなる単層または複数の層によって構成される層である。つまり正孔注入・輸送層には、正孔注入層、正孔輸送層はもちろんのこと、正孔注入層と正孔輸送層とを備える積層体も含まれる。また正孔注入・輸送層の構成材料として、公知の材料を用いることができる。
正孔注入・輸送層は、真空蒸着法などの公知の方法で成膜・形成することができる。また正孔注入・輸送層の膜厚は、層を構成する材料の正孔注入・輸送能などを考慮して適宜設定される。例えば、正孔注入・輸送層を膜厚150nmで形成することが可能である。
白色発光層は、白色光を発する有機化合物層であり、層内に赤色発光材料、緑色発光材料および青色発光材料が含まれうる。また白色発光層は、単一の層であってもよいし、複数の層を組み合わせた積層体であってもよい。
白色発光層が複数の層を組み合わせた積層体である場合、層の組み合わせとして、例えば、黄色発光材料を含む層とシアン発光材料を含む層との組合せ、オレンジ発光材料を含む層とシアン発光材料を含む層との組合せ、黄色発光材料を含む層と青色発光材料を含む層との組合せなどが挙げられる。本実施形態では、黄色発光材料を含む層とシアン発光材料を含む層との積層体を形成する場合について説明する。この場合、具体的には、真空蒸着法によって、まずシアン発光材料を含む層を膜厚10nmで成膜し、その上に黄色発光材料を含む層を膜厚10nmで成膜することによって、白色発光層が形成できる。
電子注入・輸送層は、電子注入性あるいは電子輸送性、または、その両方の機能を有する有機化合物からなる単層または複数の層によって構成される層である。つまり電子注入・輸送層は、電子注入層、電子輸送層はもちろんのこと、電子注入層と電子輸送層とによって構成される積層体も含まれる。また電子注入・輸送層の構成材料として、公知の材料を用いることができる。
本実施形態では、白色発光層の上に、電子輸送層および電子注入層をこの順で積層する場合について説明する。この場合、具体的には、白色発光層の上に、電子輸送層を膜厚10nm、次いで電子注入層を膜厚80nm、それぞれ真空蒸着法によって形成することで、電子注入・輸送層が形成できる。
有機層114の上に形成される上部電極115(陰極)は、有機層114と同様に、全ての発光ユニットに共通する層として形成されうる。トップエミッション型の表示装置100において、有機層114の上に形成される上部電極115は、有機層114で生じた光を発光素子120の外部へ取り出すことができるように、透過率の高い導電性材料によって構成される。換言すると、上部電極115は、光取り出し電極である。ここで、本明細書において透過率が高いとは、可視光の透過率が80%以上であることをいう。
上部電極115は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛等の透明導電材料を膜厚10nm〜1000nm程度で形成した透明導電膜が使用されうる。また、Ag、Au、Alなどの金属材料を10nm〜30nm程度で形成した半反射性と半透過性とを兼ね備える金属薄膜も使用されうる。ここで、本明細書において半反射性と半透過性とを兼ね備えるとは、発光素子120の内部で発光した光の一部を反射し、一部を透過する性質を意味するものである。また、半反射性とは、具体的には、可視光に対する反射率が20%〜80%であることをいう。本実施形態では、例えば、スパッタリング法によって膜厚1000nmのITOを成膜し、上部電極115とすることができる。
上部電極115の上に配される封止層116は、空気中の酸素や水分、および、カラーフィルタ123を形成する際に行われるフォトリソグラフィ工程から発光素子120を保護するために形成される。封止層116の材料は、光透過性を有する絶縁材料でありうる。具体的には、封止層116の材料は、SiN、SiON、SiO2などの絶縁材料が挙げられる。また封止層116は、CVD法などの公知の方法により形成される。封止層116は、少なくとも発光ユニット102それぞれの発光領域においては、膜厚を均一にして形成してもよい。また、上述のように封止層116は、基板110の表面に対する正射影において、下部電極113と重なる位置に凹部117を備える。封止層116を形成する工程は、まず、上部電極115を覆うように、封止層116の材料層を形成する。例えば、CVD法によって、膜厚5μmのSiNを材料層として成膜する。次いで、フォトリソグラフィ工程によって発光素子120の発光領域(下部電極113に対応しうる)の上に開口を有するマスクパターンを形成する。このマスクパターンの開口を介して、エッチング法によって、封止層116の一部をエッチングすることで、封止層116の凹部117が形成される。このように形成された封止層116は、表面に凹部117によって生じる凹凸があるが、同じ材料で一体的に形成されている。
このとき、封止層116のうち凹部117のz方向の厚さをH、封止層116の凹部117の側壁118のz方向の高さをhとしたとき、H≦hを満たすように、凹部117を形成してもよい。ここで、封止層116のうち凹部117のz方向の厚さとは、図1に示されるように、封止層116のうち絶縁部111によって下部電極113が覆われていない部分の上に配された部分の厚さでありうる。また、封止層116は、有機層114を保護するための封止性能を維持する必要がある。そこで、例えば、上部電極115上の封止層116の凹部117の厚さを2μm以上かつ5μm未満、凹部117の側壁118の高さを5μmとしてもよい。隣接する発光ユニット102から漏出した光を凹部117の底で反射させるためには、封止層116のうち凹部117のz方向の厚さをHが薄い方が反射させやすい。したがって、絶縁部111の幅をD、封止層116のうち凹部117のそれぞれのz方向の厚さをHとしたとき、
H≦D×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}
を満たしていてもよい。
H≦D×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}
を満たしていてもよい。
封止層116の凹部117には、例えば、カラーレジストを用いたカラーフィルタ123が配されている。図1に示される表示装置100において、上述のように3種類の発光ユニット102R、102G、102Bそれぞれが出射する光の色に対応するカラーフィルタ123R、123G、123Bが設けられる。各色のカラーフィルタ123は、例えば、インクジェット法を用いることによって、各色の発光ユニット102に対応する位置に作製することができる。カラーフィルタ123の屈折率は、封止層116の屈折率よりも低くする必要がある。また、封止層116とカラーフィルタ123との屈折率の差が大きい方が、封止層116とカラーフィルタ123との界面で反射する光が多くなり、より隣接する発光ユニット102からの混色を防止することにつながる。
以上、本実施形態の表示装置100の構造を用いることで、有機層114に必要な封止性能を有したまま、隣接する発光ユニット102からの光による混色を防止することが可能となる。これによって、発光する有機材料がもたらす有機ELを発光層として利用した発光素子120を備える色分解能が高い表示装置を提供することができる。
図2に、図1の表示装置100の変形例の表示装置100’を示す。図1に示される表示装置において、封止層116の凹部117に配される充填部材としてカラーフィルタ123を用いた。一方、図2に示される表示装置100’において、封止層116の凹部117に配される充填部材として、封止層116の凹部117による凹凸を平坦化する平坦化部材として機能する充填材124が配される。充填材124は、上述のように、封止層116よりも屈折率が小さい材料によって形成される。また、封止層116と充填材124との屈折率の差が大きい方が、封止層116と充填材124との界面で反射する光が多くなり、より隣接する発光ユニット102からの混色を防止することにつながる。
さらに、封止層116および充填材124の上には、カラーレジストによって構成されるカラーフィルタ123が配される。図2に示される表示装置100’において、3種類の発光ユニット102R、102G、102Bがそれぞれ出射する光の色に対応するカラーフィルタ123が設けられている。具体的には、赤色の光を透過するカラーフィルタ123R、緑色の光を透過するカラーフィルタ123G、青色の光を透過するカラーフィルタ123Bがそれぞれ設けられている。各色のカラーフィルタは、成膜(コーティング)および加工(パターニング)を繰り返すことによって、各色の発光ユニット102に対応する位置に作製することができる。
充填材124の屈折率とカラーフィルタ123の屈折率とは、同等であってもよい。例えば、充填材124の屈折率が、カラーフィルタ123の屈折率の0.9倍以上かつ1.1倍以下であってもよい。また、充填材124の屈折率とカラーフィルタ123の屈折率とが、同じであってもよい。充填材124とカラーフィルタ123との屈折率の差が小さい方が、充填剤とカラーフィルタ123との界面で光が反射してしまうことを抑制できる。
表示装置100’も上述の表示装置100と同様に、有機層114に必要な封止性能を有したまま、隣接する発光ユニット102からの光による混色を防止することが可能となる。これによって、発光する有機材料がもたらす有機ELを発光層として利用した発光素子120を備える色分解能が高い表示装置を提供することができる。
以上、本発明に係る実施形態を示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。また、表示装置の1つである有機ELを用いた表示装置を具体例として説明したが、本発明は、無機ELを用いた素子やLEDなどの他の発光素子を用いた表示装置にも適用することができる。
100,101’:表示装置、110:基板、111:絶縁部、113:下部電極、114:有機層、115:上部電極、116:封止層、117:凹部、120:発光素子
Claims (15)
- 基板と、前記基板の上に配されている複数の発光素子と、前記複数の発光素子の上に配されている封止層と、を含む表示装置であって、
前記複数の発光素子は、互いに絶縁部によって分離された複数の下部電極と、前記複数の下部電極の上に配された発光層を含む有機層と、前記有機層を覆うように配された上部電極と、を含み、
前記封止層は、n1の屈折率を有し、前記基板の表面に対する正射影において前記複数の下部電極と重なる位置に、前記複数の下部電極と対応するように複数の凹部を備え、
前記複数の凹部の底および側壁によって囲まれたそれぞれの部分の屈折率をn2、前記複数の下部電極のそれぞれのうち前記有機層と接する部分の幅をd、前記複数の凹部のそれぞれの側壁の前記基板の表面と直交する第1の方向の高さをhとしたとき、
n1>n2、かつ、h≧(d/2)×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}
を満たすことを特徴とする表示装置。 - 前記複数の凹部のそれぞれに前記封止層よりも屈折率が低い充填部材が配されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記充填部材が、カラーフィルタとして機能することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
- 前記充填部材が、前記封止層の前記複数の凹部による凹凸を平坦化する平坦化部材として機能し、
前記充填部材の上に、前記複数の下部電極のそれぞれと対応するようにカラーフィルタが配されることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。 - 前記充填部材の屈折率が、前記カラーフィルタの屈折率の0.9倍以上かつ1.1倍以下であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
- 前記充填部材の屈折率と前記カラーフィルタの屈折率とが、同じことを特徴とする請求項4または5に記載の表示装置。
- 前記充填部材の屈折率が、1.55以下であることを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の表示装置。
- 前記封止層の屈折率が、1.80以上であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示装置。
- 前記基板の表面に対する正射影において、前記複数の凹部のそれぞれの第1の高さでの面積をS1、第1の高さよりも前記第1の方向に前記基板の表面から離れた第2の高さでの面積をS2としたとき、S1>S2を満たすことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の表示装置。
- 前記複数の凹部のそれぞれが、逆テーパー構造を有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の表示装置。
- 前記封止層が、同じ材料で一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示装置。
- 前記絶縁部の幅をD、前記封止層のうち前記複数の凹部のそれぞれの前記第1の方向の厚さをHとしたとき、
H≦D×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}
を満たすことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の表示装置。 - 前記封止層のうち前記複数の凹部のそれぞれの前記第1の方向の厚さをH、前記複数の凹部のそれぞれの側壁の前記第1の方向の高さをhとしたとき、
H≦h
を満たすことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の表示装置。 - 前記基板の表面に対する正射影において、前記複数の凹部のそれぞれの側壁が、前記絶縁部と重なる位置に配されることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の表示装置。
- 基板と、前記基板の上に配されている複数の発光素子と、前記複数の発光素子の上に配されている封止層と、を含む表示装置の製造方法であって、
互いに絶縁部によって分離された複数の下部電極と、前記複数の下部電極の上に配された発光層を含む有機層と、前記有機層を覆うように配された上部電極と、を含む前記複数の発光素子を形成する工程と、
前記複数の発光素子の上に封止層を形成する工程と、を含み、
前記封止層を形成する工程は、
前記上部電極を覆うように、n1の屈折率を有する前記封止層の材料層を形成する工程と、
前記材料層のうち一部をエッチングし、複数の凹部を形成する工程と、を含み、
前記複数の凹部は、前記基板の表面に対する正射影において前記複数の下部電極と重なる位置に、前記複数の下部電極のそれぞれと対応するように配され、
前記複数の凹部の底および側壁によって囲まれたそれぞれの部分の屈折率をn2、前記複数の下部電極のそれぞれのうち前記有機層と接する部分の幅をd、前記複数の凹部のそれぞれの側壁の前記基板の表面と直交する第1の方向の高さをhとしたとき、
n1>n2、かつ、h≧(d/2)×{n2/(n1 2−n2 2)1/2}
を満たすことを特徴とする製造方法。
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JP2018096521A JP2019200974A (ja) | 2018-05-18 | 2018-05-18 | 表示装置およびその製造方法 |
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WO2022080317A1 (ja) * | 2020-10-15 | 2022-04-21 | ソニーグループ株式会社 | 表示装置、電子機器及び表示装置の製造方法 |
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- 2018-05-18 JP JP2018096521A patent/JP2019200974A/ja active Pending
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