JP6695456B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】垂下特性による制御を開始する電流値が温度の値に応じて複数の段階で設定され、DC−DCコンバータの温度に応じて制御を開始する電流値を切り替えて垂下特性による制御を行う電力変換装置において、DC−DCコンバータの温度検出装置が故障した場合、半導体スイッチング素子などの部品の故障を未然に防止するために、DC−DCコンバータの出力電圧を低下させるパワーセーブ制御が強制的に実行され、余計に電力を消費することになる。【解決手段】温度検出装置が正常であるか否かの判断を行い、温度検出装置が異常と判断した場合には、DC−DCコンバータへの入力電圧値、入力電流値、DC−DCコンバータの出力電圧値および出力電流値の内の少なくとも一つの値に基づいて垂下特性による制御を開始する電流値を切り替えるようにした。【選択図】図1

Description

本願は、電力変換装置に関するものである。
車載電源系では電圧が異なる二つのバッテリにより車載電源系を構成する2バッテリ型車両用電源装置がハイブリッド車あるいはアイドルストップ車、EV車において使用されている。この2バッテリ型車両用電源装置では、大電力を必要とする負荷に対しては高電圧バッテリから数十から数百Vの電圧が給電され、通常の低電圧を必要とする負荷に対しては、例えば従来の鉛バッテリのような低電圧バッテリ(補機バッテリ、以下、低圧バッテリという。)から十数Vの電圧が給電される。高電圧バッテリは、高電圧の発電装置により充電され、高電圧バッテリまたは発電装置の出力は、降圧型のDC−DCコンバータを通じて低圧バッテリまたは低電圧の電気負荷に給電するように構成されている。
この降圧型のDC−DCコンバータには、半導体スイッチング素子が内蔵されていて、低圧バッテリの充電に適した負荷系の電源電圧で給電するように、出力電圧が所定の目標値に収束するように半導体スイッチング素子をフィードバック制御している。
この種のDC−DCコンバータでは、内蔵の半導体スイッチング素子の温度管理が重要であり、半導体スイッチング素子の温度を検出し、検出した温度情報に基づいて半導体スイッチング素子の温度が所定の停止温度に近い過熱領域に入ったら、DC−DCコンバータの出力電流を制限して半導体スイッチング素子の過熱を抑止し、半導体スイッチング素子の温度が停止温度にまで上昇しないようにし、停止温度に達したら半導体スイッチング素子の動作を停止させるようにしている。
温度検出装置を設け、温度の変化に応じて出力状態を変化させるという制御を行うため、予め温度の値に応じて、DC−DCコンバータの出力電流値を定め、半導体スイッチング素子の温度が予め定めた閾値よりも大きくなる場合に、DC−DCコンバータの垂下特性による制御を開始する電流値を切り替えることによってパワーセーブ制御を実行することが提案されている(特許文献1)。これは、半導体スイッチング素子を冷却する冷却器に異常が発生して十分に冷却できなくなって、半導体スイッチング素子が高温になり、出力電流が閾値よりも大きくなる場合に、出力電圧を制限することによって、電力変換装置の構成部品を過熱から適切に保護するものである。
特開2011−87407号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成によれば、DC−DCコンバータの温度が閾値よりも高くなった場合には、DC−DCコンバータの出力電圧を低下させるパワーセーブ制御を強制的に実行させている。このため、DC−DCコンバータの温度を検出する温度検出装置が故障によって、DC−DCコンバータの温度が高いと誤って出力した場合には、誤ったパワーセーブ制御が実行され、出力電圧が制限されてしまう。
この特許文献1に開示されている技術を、例えば、DC−DCコンバータを冷却水によって冷却している電力変換装置に適用すると、DC−DCコンバータの温度が閾値よりも高くなった場合には、電動ウォータポンプによる冷却水の循環流量を増加させるように動作させる。しかし、温度検出装置が故障している場合には、DC−DCコンバータの温度が閾値以下であっても、温度が高いものとして、電動ウォータポンプの出力を上昇させることになる。このため、DC−DCコンバータの温度が閾値よりも高温になっていない場合であっても、誤ったパワーセーブ制御が実行され、出力電圧が制限されてしまう。
また、電動ウォーターポンプに所定の流量を強制的に出力させるために、高電圧バッテリの電力を消費することになる。したがって、温度検出装置が正常であれば、消費する必要のなかった電力が消費されてしまうことになり、特に、高電圧バッテリの電力が過消費されてしまうと、EVモードで走行可能な一充電走行距離AER(All Electric Range)が減少してしまうという課題が想定される。
この課題に対して、DC−DCコンバータの半導体スイッチング素子の温度を検出する温度検出装置を複数設置し、一つの温度検出装置が故障した場合、別の温度検出装置に切り替えて、切り替えた温度検出装置による検出温度に応じて、適切に垂下特性による制御を開始する電流値(開始電流値)を変更することが考えられるが、DC−DCコンバータが大型化し高コストとなってしまうという課題があった。
本願は、前述の課題を解決するためになされたものであり、垂下特性による制御を開始する電流値を切り替えるパワーセーブ制御を行う電力変換装置において、DC−DCコンバータの温度を検出する温度検出装置が故障した場合の対応策を提供することを目的とするものである。
本願に係わる電力変換装置は、入力された電力を降圧して出力するDC−DCコンバータ、前記DC−DCコンバータの温度を検出する温度検出装置、および垂下特性による制御を開始する電流値の設定値を温度の値に応じて複数の段階で定め、前記温度検出装置の検出した温度に応じて前記設定値を切り替えて前記制御を行う制御部を備えた電力変換装置において、
前記制御部は、前記温度検出装置が正常であるか否かの判断を行い、前記温度検出装置が異常と判断した場合には、前記DC−DCコンバータへの入力電圧値、入力電流値、前記DC−DCコンバータの出力電圧値および出力電流値の内の少なくとも一つの値に基づいて前記設定値を切り替えて前記制御を行うようにしたことを特徴とするものである。

本願の電力変換装置によれば、温度検出装置が故障した場合であっても、制御部においてDC−DCコンバータの温度を推定し、推定した温度に応じて、垂下特性による制御を開始する電流値(開始電流値)を変更することで電力変換装置の構成部品を過熱から適切に保護することができる。
本願の実施の形態1に係る電力変換装置の概略的な構成図である。 本願の実施の形態1に係る電力変換装置の制御部において実行される制御のプロセスを示すフローチャートである。 本願の実施の形態1に係る電力変換装置の概略的な回路図である。 本願の実施の形態1に係る電力変換装置における半導体スイッチング素子の切り替えモードのうちモード1を説明するための図である。 本願の実施の形態1に係る電力変換装置における半導体スイッチング素子の切り替えモードのうちモード2を説明するための図である。 本願の実施の形態1に係る電力変換装置における半導体スイッチング素子の切り替えモードのうちモード3を説明するための図である。 本願の実施の形態1に係る電力変換装置における半導体スイッチング素子の切り替えモードのうちモード4を説明するための図である。 本願の実施の形態1に係る電力変換装置の各部の信号と電流のタイムチャートを示す図である。 DC−DCコンバータの出力電流と出力電圧との関係を示す図である。 本願の実施の形態2に係る電力変換装置の温度推定の方法を説明するための図である。 本願の実施の形態1の出力電力が線形で連続的である場合の推定温度を表す図である。 本願の実施の形態2の出力平均電力を用いて温度を推定する場合の推定温度を表す図である。
以下、本願に係る電力変換装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一または相当する部分については、同一符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
以下、本願の実施の形態1に係る電力変換装置の概略的な構成を図1に示す。図に示すように、実施の形態1では、電力変換装置50の入力には高圧バッテリ1が接続され、出力には低圧バッテリ13が接続されている。電力変換装置50に入力された高圧の電力は、DC−DCコンバータ200において降圧され、低圧の電力を出力するように構成されている。
DC−DCコンバータ200の出力側には出力電圧検出装置21および出力電流検出装置22が設けられ、出力の電圧値は出力電圧検出装置21で測定され、出力の電流値は出力電流検出装置22で測定される。また、DC−DCコンバータ200の入力側には入力電圧検出装置23および入力電流検出装置24が設けられ、これによって、DC−DCコンバータ200への入力の電圧値は、入力電圧検出装置23で測定され、入力の電流値は入力電流検出装置24で測定される。
また、DC−DCコンバータ200に接近して温度検出装置400が設けられ、DC−DCコンバータ200の温度は、温度検出装置400によって測定されるように構成されている。温度検出装置400による測定値は制御部2に送られる。制御部2は、処理装置210および記憶装置220を備え、出力電圧検出装置21、出力電流検出装置22、入力電圧検出装置23、入力電流検出装置24および温度検出装置400によって測定された結果は、処理装置210に送られ、処理装置210ではDC−DCコンバータ200の出力が目標値に近づくように制御する際のパラメータとして使用する。すなわち、この処理装置210では、DC−DCコンバータ200の温度状態に応じて垂下特性による制御を行うようにDC−DCコンバータ200のスイッチング動作を制御する。
この垂下特性による制御の開始を定める電流値(開始電流値)については、記憶装置220の中に、温度と制御開始電流値の関係を定めたテーブル221を備え、温度の値に応じた開始電流値を選択して切り替えて使用し、温度の値に応じた電流値において垂下制御を開始することになる。すなわち、テーブル221には、温度に対応した電流値が設定値として記録されていて、検出された温度の値をテーブルに照合して、温度の値に応じた電流値を呼出すことになる。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る電力変換装置50である制御部2で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図2に示すルーチンは、予め定められた処理時間ごとに実行される。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、制御部2は、出力電圧、出力電流およびセンサ温度を読み込む。センサ温度とは、図1に示した温度検出装置400によって検出される温度である。
S101にて、制御部2は温度検出装置400が正常に動作しているか否かを判定する。この判定の一例としては、温度検出装置400によって温度を電圧変換されたAD値(信号の示す電圧値をA/D変換して得たディジタル値)を取得し、このAD値が所定の範囲内にあるか否かによって判断する。例えば、制御部2のマイコンに入力されるAD値は0Vから5Vの範囲で設計され、このうち、温度検出装置400の故障を検知できるよう天絡・地絡の場合は、温度検出装置400によって取得できる温度範囲の上限値を5Vより小さく4.8Vに設定し、下限値を0V以上の0.2Vに設定し、この下限値0.2Vから上限値4.8Vの範囲内で設計しておく。つまり、制御部2のマイコンに入力されるAD値が0.2Vから4.8Vの範囲内であるか否かで温度検出装置400が正常であるのか、あるいは故障しているのかの判定を行うことができる。
温度検出装置400が故障している場合(S101にてYESの場合)、処理はS102に移され、出力電圧、出力電流から温度の値の推定を行う。
現時点の温度To_Nowの推定は、温度検出装置400の故障直前の出力電圧と出力電流との乗算である出力電力Po_Oldと、現在(時刻T)の出力電圧と出力電流から演算される出力電力Po_Nowの差分に予め実験で算出した熱抵抗係数Coを乗算して熱抵抗オフセットOoを加算し、温度検出装置400の故障直前の温度To_Oldに加算して推定を行う。
すなわち、式(1)に示すようになる。
Figure 0006695456
温度検出装置400が正常であると判定された場合には、S103にて、温度検出装置400の出力値(温度の値)が、閾値Tth1を超えているか否かについて判定される。温度検出装置400が異常と判定された場合には、S103にて、前述の推定による推定温度が、閾値Tth1を超えているか否かについて判定される。温度検出装置400の出力値あるいは推定温度が閾値Tth1以上の場合(S103にてYES)には、処理がS104に移され、パワーセーブ制御が実行される。パワーセーブ制御は、制御部2が低圧バッテリ13のトータルのエネルギー収支を高くするために、出力電流に所定の傾きを持たせて垂下開始電流を低下する制御方法である。
一方で、S105にて、温度検出装置400の出力値あるいは推定温度が、閾値Tth0未満か否かの判定を行う。S105にて、温度検出装置400の出力値あるいは推定温度が、閾値Tth0未満の場合(S105にてYESの場合)には、処理はS106に移される。S106にて制御部2は冷却の状態が正常に戻ったと判定し、垂下制御の開始電流値をIbからIaに戻される。また、S106にて、温度検出装置400の出力値が閾値Tth0以上の場合(S106にてNOの場合)には、垂下制御の開始電流値を変更しない。
次に、概略的な回路構成について説明する。図3は、本願の実施の形態1による絶縁型DC−DCコンバータ200の回路を表している。図3において、DC−DCコンバータ200は、入力部の高圧バッテリ1から出力側の外部負荷12、低圧バッテリ13までの要素で構成されている。高圧バッテリ1の後段側には、4つの半導体スイッチング素子3、4、5、6が接続されている。この半導体スイッチング素子としては、例えば、MOSFETが使用される。制御部2は、制御線30a、30b、30c、30dを介して、半導体スイッチング素子3、4、5、6をオン・オフ駆動する。半導体スイッチング素子3のソースと半導体スイッチング素子4のドレインとの接続点は、トランス7の一次巻線に接続され、他端が半導体スイッチング素子5のソースと半導体スイッチング素子6のドレインとの接続点に接続されている。トランス7は絶縁トランスである。
また、入力電流検出装置24が高圧バッテリ1と直列に接続され、入力電圧検出装置23が高圧バッテリ1と並列に接続されている。
トランス7の二次巻線には整流用ダイオード8、9が接続される。二次側整流のため、整流用ダイオード8,9の後段には平滑リアクトル10、平滑コンデンサ11が接続される。さらに、平滑リアクトル10の後段には出力電流検出装置22が直列に接続され、出力電圧検出装置21が外部負荷12と並列に接続される。また、DC−DCコンバータ200内部には温度検出装置400を備え、制御部2は、信号線31a、31b、31c、31d、31eを介して、電圧・電流・温度情報を取得する。ここで、この電力変換装置50が電気自動車あるいはハイブリッド自動車に適用された場合には、高圧バッテリ1は代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池からなる。高圧バッテリ1の電圧は少なくとも100V以上ある。
このような回路を備えるDC−DCコンバータ200の基本的な動作について図4、図5を用いて説明する。なお、本実施の形態のDC−DCコンバータ200は、各半導体スイッチング素子3,4,5,6の状態に応じて、図4A、図4B,図4C、図4Dに示す4つの動作モードが存在する。
モード1は図4Aに示すように、半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6がオン、半導体スイッチング素子4と半導体スイッチング素子5がオフの状態である。このとき、トランス7の一次巻き線側に流れる電流は、高圧バッテリ1から半導体スイッチング素子3、トランス7(一次巻き線側)、半導体スイッチング素子6の経路で流れる。ここで、トランス7は、一次側から二次側に電力を伝達し、トランス7の二次側巻き線側に流れる電流は、トランス7(二次巻き線側)から整流用ダイオード8、平滑リアクトル10、外部負荷12の経路で流れる。
モード2は図4Bに示すように、半導体スイッチング素子3、4、5、6の全てがオフの状態である。このとき、トランス7の一次側には電流が流れず、二次側には電力が伝達されない。ただし、トランス7の二次側では、平滑リアクトル10の自己誘導により、平滑リアクトル10から、外部負荷12、トランス7(二次巻き線側)、整流用ダイオード8、9、平滑リアクトル10の経路で電流が流れる。
モード3は図4Cに示すように、半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6がオフ、半導体スイッチング素子4と半導体スイッチング素子5がオンの状態である。このとき、トランス7の一次巻き線側に流れる電流は、高圧バッテリ1から半導体スイッチング素子5、トランス7(一次巻き線側)、半導体スイッチング素子4の経路で流れる。ここで、トランス7は、一次側から二次側に電力を伝達し、トランス7の二次側巻き線側に流れる電流は、トランス7(二次巻き線側)から整流用ダイオード9、平滑リアクトル10、外部負荷12の経路で流れる。
モード4は図4Dに示すように、半導体スイッチング素子3,4,5,6の全てがオフの状態である。このとき、トランス7の一次側には電流が流れず、二次側には電力が伝達されない。ただし、二次側では、平滑リアクトル10の自己誘導により、平滑リアクトル10から外部負荷12、トランス7(二次巻き線側)、整流用ダイオード8、9、平滑リアクトル10の経路で電流が流れる。
モード4が終了後、モード1に戻り再びモード1からモード4を繰り返す。なお、各モードにおいて、平滑リアクトル10に流れる電流のうち、交流成分は平滑コンデンサ11を流れている。図5に、本願の実施の形態1に係る電力変換装置50の半導体スイッチング素子3、4、5、6における信号Q3、Q4、Q5、Q6と平滑リアクトル10に流れる電流I10のタイムチャートを示す。
制御部2はこのように半導体スイッチング素子3、4、5、6をオン・オフさせながら、半導体スイッチング素子のオンデューティ(D)幅を調整することで、所望の出力電圧を制御する。
以上のような構成を有する実施の形態1の電力変換装置50において、制御部2は、出力電流が閾値よりも大きくなる場合に、DC−DCコンバータ200の出力電圧を低下させるパワーセーブ制御を実行する。出力電流が閾値よりも大きくなる場合に、出力電圧を制限することにより、DC−DCコンバータ200に含まれる部品を熱の影響から保護することができる。この電力変換装置50が電気自動車あるいはハイブリッド自動車に適用された場合、出力電流が定格電流よりも増加する要因としては、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを作動させた場合、純正部品以外の電気部品(例えば、電飾あるいはイモビライザーなど)がユーザによって追加され場合、あるいは、前述の場合に加えて、登板路を長時間走行しているなど通常走行よりも大きい駆動トルクが必要とされる場合である。
制御部2は、過大な電流が流れたときは、図6のように電圧を下げることで過出力を抑制するような垂下特性をもたせる。図6の縦軸は出力電圧(Va)を示し、図6の横軸は出力電流(Ia)を示す。ここでは、垂下特性をC1として示した「への字カーブ」として説明するがこれに限るものではなく、例えばC2として破線で示した「フの字カーブ」でもよい。
制御部2は、出力電圧の目標値として、例えば、低圧バッテリ13の充電時に設定される上限電圧Vaが設定されている場合を想定する。制御部2は、図6に示すように出力電流が閾値Iaに増加するまでは、目標電圧と同一の上限電圧Vaが出力されるようにDC−DCコンバータ200を制御する。次に、制御部2は、出力電流が閾値Iaよりも大きい場合には、目標電圧として上限電圧Vaよりも小さい値を設定して、出力電圧がVaよりも小さくなるようにDC−DCコンバータ200を制御する。
以上のパワーセーブ制御により、DC−DCコンバータ200に含まれる部品を熱の影響から保護するが、例えば冷却器に入ってくる冷却水の水温が想定よりも高い場合、垂下制御に入らない出力電流(<Ia)においても部品が熱成立せず発熱異常で故障する可能性がある。このため、実施の形態1に係る電力変換装置50では、DC−DCコンバータ200内に温度検出装置400を備え、温度検出装置400が正常の場合、温度検出装置400の値が所定の温度を超えたとき、温度検出装置400が故障した場合、出力電圧、出力電流から推定された温度が所定の温度を超えたとき、制御部2は冷却水温が異常であると判断し、垂下制御の開始電流値を下げる(Ib)。このときの出力電圧と出力電流の関係を図7に示す。
つまり、温度検出装置400が故障していない場合は、温度検出装置400が検出した温度の値に応じて制御を行い、温度検出装置400が故障している場合は、DC−DCコンバータ200の出力する電圧値と電流値から温度を推定し、推定した温度の値に応じて、垂下特性による制御を開始する電流値(開始電流値)を変更することで電力変換装置50の構成部品を過熱から適切に保護することができる。
実施の形態2.
実施の形態2における、電力変換装置50について説明する。実施の形態2の電力変換装置50の回路構成は、実施の形態1と同じである。
実施の形態1の電力変換装置50では、温度検出装置400が故障した場合、出力電圧、出力電流から温度を推定することができる。この場合は、図8Aに示すように出力電圧と出力電流の乗算である出力電力が線形で連続的である場合を想定しており、この場合の推定温度の精度は良い。しかしながら、DC−DCコンバータ200の実運用において、出力電圧、出力電流が線形で連続的であることはなく、外部負荷12に依存して時間変化するため、推定温度の精度が低下する可能性がある。なお、図8Aの温度は、推定温度または温度検出装置取得温度を示している。
そこで、実施の形態2の電力変換装置50では、出力電圧と出力電流の乗算である出力電力を、温度検出装置400が故障していると判断した時から温度の推定を開始するまでの時間の積分値を積分時間で除算した出力平均電力を用いて温度を推定する。これにより、図8Bに示すように、出力電圧、出力電流が時間変化しても、推定温度を高精度に推定することができる。なお、図8Bの温度は、推定温度または温度検出装置取得温度を示している。
例えば、温度To_Nowの推定は、温度検出装置400の故障直前の出力電圧と出力電流の乗算である出力電力Po_Oldと故障時から現在(時刻T)までの出力電圧と出力電流から演算される出力平均電力Paとの差分に、予め実験で算出した熱抵抗係数Coを乗算して熱抵抗オフセットOoを加算し、温度検出装置400の故障直前の検出値の温度To_Oldに加算することによって推定値を算出する。
すなわち、出力平均電力Paは、式(2)で求められ、温度To_Nowの推定は、式(3)によって行われる。
Figure 0006695456

Figure 0006695456
以上のように本願の実施の形態2によれば、温度検出装置400が故障であると判断した場合には、DC−DCコンバータ200の出力する電圧値と電流値の乗算である出力電力の時間積分を積分時間で除算した出力平均電力を用いて温度を高精度に推定し、推定した温度に応じて、垂下特性による制御を開始する電流値(開始電流値)を変更することで電力変換装置50の構成部品を過熱から適切に保護することができる。
実施の形態3.
実施の形態3における、電力変換装置50について説明する。実施の形態3の電力変換装置50の回路構成は、実施の形態2と同じである。
実施の形態2の電力変換装置50では、温度検出装置400が故障した場合、出力電圧と出力電流の乗算である出力電力の時間積分を積分時間で除算した出力平均電力を用いて温度が推定されるが、冷却器に入力されている冷却水の水温が一定で連続的である場合を想定しており、この場合の温度の推定精度は良い。しかしながら、冷却水は、DC−DCコンバータ200以外の機器にも使用されており、冷却器に入力されている水温が一定で連続的であることはなく時間変化するため、温度の推定精度が低下する可能性がある。
そこで、実施の形態3の電力変換装置50では、出力電圧と出力電流の乗算である出力電力の温度検出装置が故障時から推定時までの時間積分を積分時間で除算した出力平均電力とDC−DCコンバータ200を冷却する冷却水の水温の変化量とを用いて温度を推定する。これにより、出力電圧、出力電流、冷却水の水温が時間変化しても、温度を高精度に推定することができる。
例えば、温度To_Nowの推定は、温度検出装置400の故障直前の出力電圧と出力電流の乗算である出力電力Po_Oldと故障時から現在(時刻T)までの出力電圧と出力電流から演算される出力平均電力Pa(前式(2)に示した演算によって求められる)の差分に予め実験で算出した熱抵抗係数Coを乗算して熱抵抗オフセットOoを加算し、故障時から現在(時刻T)までの時間、すなわち故障していると判断した時から温度の推定を開始するまでの時間の冷却水の水温の変化量ΔTwを温度検出装置400故障直前の温度To_Oldに加算して推定する。
すなわち、式(4)に示すようになる。
Figure 0006695456
以上のように本願の実施の形態3によれば、温度検出装置400が故障した場合は、DC−DCコンバータ200の出力する電圧値と電流値の乗算である出力電力の時間積分を積分時間で除算した出力平均電力と冷却水の水温の変化量を用いて温度を高精度に推定し、推定した温度に応じて、垂下特性による制御を開始する電流値(開始電流値)を変更することで電力変換装置50の構成部品を過熱から適切に保護することができる。
なお、実施の形態1〜3で説明した電力変換装置50では、温度検出装置400が故障した場合、出力電圧、出力電流から温度を推定し、推定した温度に応じて、垂下特性による制御を開始する電流値(開始電流値)を変更する形態を示したが、これに限るものではなく、出力電圧、出力電流、入力電圧、入力電流、の一部または複数から直接垂下特性による制御を開始する電流値(開始電流値)を変更してもよい。
また、入力電圧、入力電流から温度を推定してもよい。この場合、実施の形態1〜3で説明した『出力電力』を『入力電力』と読み替えて温度を推定する。
さらに、出力電圧、出力電流、入力電圧、入力電流、変換効率から温度を推定してもよい。すなわち、(入力電圧×入力電流×変換効率)≒(出力電圧×出力電流)の関係は、(入力電力×変換効率)≒(出力電力)の関係から、実施の形態1〜3で説明した『出力電力』を『「入力電力に変換効率を乗算した電力」と「出力電力」の出力平均電力』と読み替えて温度を推定する。電力変換装置50で消費する全電力から温度を推定するため、高精度に温度を推定することができる。
また、水温に加えて、電力変換装置50以外での温度検出装置にて検出した温度に基づいて、電力変換装置50の温度を推定してもよい。電力変換装置50以外の熱影響を考慮して温度を推定するため、高精度に温度を推定することができる。
実施の形態1〜3で説明した電力変換装置50では、温度検出装置400が初期故障していた場合、温度検出装置400故障直前の温度To_Oldが不定となるが、温度検出装置400故障直前の温度To_Oldを「水温の初期値」として、電力変換装置50以外での温度検出装置にて検出した温度としてもよい。
実施の形態1〜3で説明した電力変換装置50では、DC−DCコンバータ200のトランスをセンタータップ方式の形態を示したが、これに限るものではなく2次側巻き線の両端がそれぞれフルブリッジ構成のダイオードの中点に接続される構成でもよい。
実施の形態1〜3で説明した電力変換装置50では、整流回路をダイオード整流として説明したが、これに限るものではなく例えば、同期整流でも良い。
また、実施の形態1〜3で説明した低圧バッテリ13は、高圧バッテリ1よりも電圧の低い蓄電装置であって、12Vバッテリでも24Vバッテリであってもよいし、その他の電圧バッテリであってもよく、特に12Vバッテリに限定されるものではない。
実施の形態1に係る電力変換装置50において、DC−DCコンバータ200のスイッチング制御方法はハードスイッチングとしたが、これに限るものではなく、例えば、位相シフト制御方式でもよく。この場合、制御部2は半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6をひとつのスイッチング素子対として制御し、各半導体スイッチング素子4、5の位相を半周期ずらして(180°位相をシフトして)制御させることになる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つまたは複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 高圧バッテリ、2 制御部、3、4、5、6 半導体スイッチング素子、
7 トランス、8、9 整流用ダイオード、10 平滑リアクトル、
11 平滑コンデンサ、12 外部負荷、13 低圧バッテリ、
21 出力電圧検出装置、22 出力電流検出装置、23 入力電圧検出装置、
24 入力電流検出装置、30a、30b、30c、30d 制御線、
31a、31b、31c、31d、31e 信号線、50 電力変換装置、
200 DC−DCコンバータ、210 処理装置、220 記憶装置、
221 テーブル、400 温度検出装置

Claims (7)

  1. 入力された電力を降圧して出力するDC−DCコンバータ、前記DC−DCコンバータの温度を検出する温度検出装置、および垂下特性による制御を開始する電流値の設定値を温度の値に応じて複数の段階で定め、前記温度検出装置の検出した温度に応じて前記設定値を切り替えて前記制御を行う制御部を備えた電力変換装置において、
    前記制御部は、前記温度検出装置が正常であるか否かの判断を行い、前記温度検出装置が異常と判断した場合には、前記DC−DCコンバータへの入力電圧値、入力電流値、前記DC−DCコンバータの出力電圧値および出力電流値の内の少なくとも一つの値に基づいて前記設定値を切り替えて前記制御を行うようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記DC−DCコンバータへの入力電圧値を検出する入力電圧検出装置、前記DC−DCコンバータへの入力電流値を検出する入力電流検出装置、前記DC−DCコンバータの出力電圧値を検出する出力電圧検出装置、および前記DC−DCコンバータの出力電流値を検出する出力電流検出装置のうち少なくとも一つを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記温度検出装置が異常と判断した場合には、前記DC−DCコンバータへの入力電圧値、入力電流値、前記DC−DCコンバータの出力電圧値および出力電流値の内の少なくとも一つの値に基づいて前記DC−DCコンバータの温度を推定し、推定した温度に応じて前記設定値を切り替えて前記制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記温度の推定は、出力電圧と出力電流の乗算である出力電力を、前記温度検出装置が故障していると判断した時から温度の推定を開始するまでの時間の積分値を積分時間で除算した出力平均電力を用いて行うようにしたことを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記温度の推定は、前記出力平均電力との差分に、熱抵抗係数を乗算して熱抵抗オフセットを加算し、前記温度検出装置の故障直前の検出値の温度に加算することによって算出することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記温度の推定は、前記出力平均電力と前記DC−DCコンバータを冷却する冷却水の水温の変化量とを用いて行うことを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  7. 前記温度の推定は、前記温度検出装置の故障直前の出力電力と前記出力平均電力との差分に熱抵抗係数を乗算した値に、熱抵抗オフセットを加算し、故障していると判断した時から温度の推定を開始するまでの時間の冷却水の水温の変化量を前記温度検出装置の故障直前の温度に加算することによって算出することを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
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