JP6694800B2 - アルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

アルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法 Download PDF

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本発明は、アルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法に関する。
近年の自動車においては、燃費向上のために部材の軽量化が必須となっている。そのため、従来から使用される鉄鋼材料に代えて、軽金属材料も使用されるようになってきた。特に、アルミニウム材(アルミニウム又はアルミニウム合金)は軽量であり、比強度(単位重量当りの強度)が大きく軽量化するコストも低いため、量産に適している。
ところで、自動車の部材同士の接合には抵抗スポット溶接が多用されている。しかし、アルミニウム材は、表面に電気抵抗の高い酸化皮膜が形成されるため、皮膜の破壊状況によって通電状態が変化する。その結果、電極表面からの被溶接部材への電流経路が電極中心から偏り、溶接ナゲットが適正に生成されない場合がある。
そこで、アルミニウム材表面の酸化皮膜を破壊するために、電極表面に格子状の凹凸を設けたり、リンク状のプロジェクション(突起)を設けたりする技術が開発されている(特許文献1、2)。また、純銅やCr入銅からなる電極に、融点の低いアルミニウムの融着や、電極のCuとAlが反応してCu−Al合金層の形成が生じることがある。その場合、融着金属や合金層が発達すると電極の局部的なプロファイルが変わるため通電状態が安定しなくなる。その結果、溶接点数(連続打点数)が少ない段階で溶接ナゲットに割れが生じたり、ブローホールが生じたりする。抵抗スポット溶接では、溶接品質の安定化(安定した溶接ナゲット形成)のため、一般的に所定回数溶接した後で電極の表面を整形刃により切削するドレッシングが行われる。このドレッシングにより電極先端部を初期形状に再生できる(特許文献3)。
米国特許第5304769号明細書 米国特許第8927894号明細書 特開2015−58446号公報
しかし、ドレッシングによる初期形状の再生には、通常0.2mm以上の切削代で電極を切削している。アルミニウム材の抵抗スポット溶接は、上述の通り打点数が少ない段階で溶融ナゲットに乱れを生じるため、ドレッシングの頻度を増やさなければならず、電極の消耗量が大きくなる。そのため、電極の寿命が短くなる問題が生じる。
また、特許文献1、2に記載された方法では、電極先端にプロジェクションが存在するために切削バイトで形状出しすることしかできず、電極寿命を延ばすことができない。
本発明は上記問題を解決するもので、溶融ナゲットが安定形成される溶接打点数を増やすことができるアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、複数のアルミニウム材を重ねた重ね継手に電極を押し当てて抵抗スポット溶接するアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法であって、
一対の前記電極は、銅又は銅合金からなり、互いに対向する電極先端面の少なくとも一部に曲面形状を有しており、
前記重ね継手の複数の溶接打点のうち少なくともいずれかの溶接打点の溶接後に、前記電極先端面の曲面形状に沿った曲面の一方向凹溝からなる凹み部を備え、前記電極よりも硬度が高い材料からなる研磨基板と、前記研磨基板の少なくとも前記凹み部を覆う研磨シートと、を有する研磨ツールを、前記電極と前記研磨基板とが前記研磨シートを挟んで押し当てられた状態で、前記電極と前記研磨ツールとを相対的に回転又は揺動させる電極研磨工程を有するアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法である。
このアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法によれば、電極が、研磨シートを介して研磨基板の凹み部に押し当てられた状態で研磨されるため、研磨基板の凹み部の形状を研磨後の電極の形状精度に反映させることができ、少ない研磨代で高い寸法精度で電極を研磨できる。これにより電極寿命を延ばすことができ、また、電極先端面の形状変化が少なくなり、安定した溶融ナゲット形成が行える。
また、前記研磨シートは、前記研磨基板に脱着可能に配置されていることが好ましい。
このアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法によれば、研磨シートが交換自在となるため、研磨シートの研磨面を常に一定の状態にでき、電極を高精度に研磨できる。
また、前記研磨シートは、前記研磨基板に対して相対移動可能に配置されていることが好ましい。
このアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法によれば、電極に接する研磨シートが更新されるため、研磨シートの研磨面を常に一定の状態にでき、電極を高精度に研磨できる。
また、前記電極研磨工程を、前記溶接打点の点数が5回以内で実施することが好ましい。
このアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法によれば、溶接ナゲットの品質を安定させた状態で多数回のスポット溶接を安定して実施できるようになる。
また、前記電極研磨工程を、複数の前記溶接打点毎に実施することが好ましい。
このアルミニウム部材のスポット溶接方法によれば、溶接打点数が増えても、より安定して高品質な溶融ナゲットが得られる。
本発明によれば、電極寿命を延ばすことができ、しかも溶融ナゲットが安定形成される溶接打点数を増やすことができる。
電極表面を研磨する電極研磨工程の様子を示す説明図である。 研磨基板の外観を示す斜視図である。 図2に示す研磨基板のIII−III線断面図である。 R型電極の断面図である。 DR型電極の断面図である。 アルミニウム部材の抵抗スポット溶接の手順を示す工程説明図である。 アルミニウム部材の抵抗スポット溶接の手順を示す工程説明図である。 アルミニウム部材の抵抗スポット溶接の手順を示す工程説明図である。 アルミニウム部材の抵抗スポット溶接の手順を示す工程説明図である。 研磨ツールが搭載されたドレスステーションとスポット溶接機を示す概略的な構成図である。 研磨ツールが収容された研磨ユニットの概略的な構成図である。 研磨ツールをスポット溶接ガンに配置した構成を示すスポット溶接機の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の抵抗スポット溶接方法においては、複数のアルミニウム材を重ねた重ね継手に電極を押し当てて抵抗スポット溶接する溶接工程と、電極を研磨する電極研磨工程とを有する。溶接工程は、公知の抵抗スポット溶接であるが、溶接対象がアルミニウム材であるため電極研磨が必要となる。電極研磨は、重ね継手における複数の溶接打点のうち少なくともいずれかの溶接打点の溶接後に実施される。
<アルミニウム材>
ここで、被溶接材として用いるアルミニウム材としては、例えばJIS A1000系、A2000系(Al−Cu系合金)、A3000系(Al−Mn系合金)、A4000系(Al−Si系合金)、A5000系(Al−Mg系合金)、A6000系(Al−Mg−Si系合金)、A7000系(Al−Zn−Mg系合金、Al−Zn−Mg−Cu系合金)のアルミニウム合金が挙げられる。
アルミニウム材は、例えば、上記アルミニウム合金からなる0.5〜5.0mmの厚さの板材を使用できる。また、AC4CH等のアルミニウム合金鋳物、ADC3等のアルミニウムダイカスト合金、7N01等の押出材を使用することもできる。A6000系の合金は、熱処理により強度を向上させることができ、特に、所定の形状に加工後、T6処理を施すことで、より高強度の部材にできる。
上記した板材、押出材等を、複数枚重ね合わされて重ね継手を形成する。この重ね継手が被溶接部材となり、複数の溶接打点に抵抗スポット溶接がなされる。
<電極研磨工程>
図1は電極表面を研磨する電極研磨工程の様子を示す説明図である。
電極11,13は、銅又は銅合金からなり、互いに対向する電極先端面の少なくとも一部に曲面形状を有する。
電極研磨工程においては、電極11と電極13との間に研磨ツール15が配置される。研磨ツール15は、研磨基板17と、研磨シート19A,19Bとを有する。研磨シート19Aは研磨基板17と電極11との間に配置され、研磨シート19Bは研磨基板17と電極13との間に配置される。
図2は研磨基板17の外観を示す斜視図、図3は図2に示す研磨基板17のIII−III線断面図である。
研磨基板17は、平坦板状の一方の主面である上面17Aに凹み部21A、他方の主面である下面17Bに凹み部21Bを備える。凹み部21Aは、Y方向に沿った一方向凹溝であり、図中X方向に沿って電極11(図1参照)の電極先端面の曲面形状に沿った曲面を有する。また、凹み部21Bも同様に、Y方向に沿った凹溝であり、X方向に沿って電極13の電極先端面の曲面形状に沿った曲面を有する。
研磨基板17の材料は、電極11,13の材料よりも硬度が高い材料からなる。電極11,13の形状(特に曲率)は、溶接品質に大きな影響を及ぼすことが知られている。研磨基板17の硬度が電極11,13の硬度よりも低いと、研磨後の電極形状の精度を確保することが難しくなる。この研磨基板17の材料としては、鋼材、ステンレス鋼材(SUS304等)、チタン等が使用可能である。
図3に示すように、凹み部21A,21Bは、研磨基板17の中心点Oを中心に、X方向に関して幅W1,W2の領域に形成される。研磨基板17のX方向両端部は、平坦な上面17A及び下面17Bとされ、不図示の支持部材によって支持される。
凹み部21AはZX面内における曲率半径がR1、凹み部21BはZX面内における曲率半径がR2に形成される。これらの曲率半径R1,R2は、電極11,13の電極先端面の曲率半径と同じにされている。
図4はR型電極の断面図、図5はDR型電極の断面図である。
電極11,13の形状は、図4に示すR(Radius)型、図5に示すDR(Dome Radius)型が溶接電流の流路を安定化させやすく、連続して溶接打点の抵抗スポット溶接を実施しても、溶接ナゲットサイズのバラツキが少ないため好ましい。
R型の電極は、電極先端面が単一の曲率半径Rで形成され、DR型の電極は、電極先端面の径方向外側が曲率半径Rc1とされ、電極線端面の中央部が幅dの範囲で、曲率半径Rc1より大きな曲率半径Rc2とされている。いずれも電極先端が曲面形状を有している。なお、前述した研磨基板27の凹み部21A,21Bの曲率半径R1,R2は、図4に示すR型の場合は曲率半径R、図5に示すDR型の場合は曲率半径Rc2として形成される。
電極11,13の材質は、無酸素銅、タフピッチ銅等の純銅、クロム入銅、ジルコニウム入銅、等が好適に用いられる。電極11,13の寸法は、直径12〜22mm、電極先端の曲率半径Rは、80〜120mmが好ましい。
<研磨シート>
研磨シート19A,19Bは、研磨紙、好ましくは研磨布(樹脂を含む)をベースとして樹脂バインダーで砥粒を保持する構成からなる。電極11,13を研磨シート19A,19Bに押し当てると、弾性を有する樹脂バインダーにより研磨基板17に沿って砥粒が配置され、これにより、高い寸法精度で電極11,13を研磨できる。砥粒は、粒度320#〜1000#のものが電極先端の形状を確保できるため、好適に用いられる。
特に、R型やDR型のように先端に曲率半径Rを有する電極は、研磨基板17で研磨部の凹み部の形状精度が反映され、精度のよい研磨が可能となる。これにより、従来、形状再生が困難であった、R型、DR型電極の所定の先端形状を精度よく研磨できる。
研磨シート19A,19Bは、研磨基板17に脱着可能、又は研磨基板17に対して相対移動可能に配置される。これにより、電極の研磨1回を終了する毎に、研磨シート19A,19Bを移動させ、電極がまだ当たっていないシート位置を電極に対面させて配置できる。これによって、研磨シート19A,19Bの電極押し当て位置の性状を常に均一にでき、研磨シートの目詰まりや、研磨のムラが生じないため、研磨後の電極の形状精度を高くすることができる。
<抵抗スポット溶接方法>
次に、アルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法について説明する。
図6A〜図6Dはアルミニウム部材の抵抗スポット溶接の手順を段階的に示す工程説明図である。
図6Aに示すように、まず、研磨ツール15を、電極11と電極13との間に軸心を一致させた状態で配置する。このとき、研磨基板17の少なくとも凹み部21A,21Bを、研磨シート19A,19Bにより覆っておく。
次に、図6Bに示すように、電極11,13を接近させ、研磨ツール15を挟み込む。電極11,13は、双方を移動させる動作以外にも、一方を固定電極、他方を可動電極として、固定電極に向けて可動電極を近づける動作であってもよい。電極11,13が研磨ツール15を挟み込むと、研磨基板17の凹み部21A,21Bに、研磨シート19A,19Bを介して電極11,13が押し当てられる。
そして、図6Cに示すように、研磨ツール15を研磨基板17の板面と平行な面内で、電極11,13の中心軸を中心に回転又は揺動させる。研磨ツール15の回転又は揺動機構は、研磨ツール15を安定して回転動作できればよく、周知の機構が利用可能である。
上記の電極11,13と研磨ツール15との相対回転又は揺動を完了させた後、図6Dに示すように、電極11,13を研磨ツール15から離反させる。以上の研磨により、電極11,13の電極先端面が、初期状態の電極形状に再生される。
上記の手順で電極11,13の先端面を研磨することにより、電極を切削する場合と比較して、電極の消耗量を小さく抑えられる。また、電極11,13と、一定の硬度を有する研磨基板17とを、研磨シート19A,19Bを挟み込んで研磨するため、研磨基板17の形状が電極に精度よく反映され、電極先端の形状が高精度で維持される。これにより、溶接打点数が増加しても、割れ、ひけ、ブローホール等のない、安定したナゲット品質が得られる。
また、電極11,13の軸線と研磨基板17の基板面とは略直角に配置され、研磨基板17の凹み部21A,21Bと、電極11,13の電極先端面とが略同寸法と形状からなる。そのため、電極11,13と研磨基板17との相対的な回転又は揺動により、電極11,13の先端の曲面形状を容易に且つ精度よく得ることができる。
更に、研磨シート19A,19Bは、研磨基板17に脱着可能で、かつ研磨基板17に対して移動可能に配置されるため、研磨シート19A,19Bの研磨面を常に一定の状態に維持できる。その結果、電極先端面を高精度で研磨でき、所望の電極形状に仕上げることができる。
また、電極11,13は、溶接打点数が10回以内、好ましくは5回以内の頻度で研磨してもよい。更に好ましくは、各溶接打点の溶接後、毎回研磨してもよい。これにより、溶接打点数が増えても、より安定して高品質な溶融ナゲットが得られ、多数回の抵抗スポット溶接を安定して実施できるようになる。
次に、上記の抵抗スポット溶接方法の工程を、スポット溶接機により実施させる手順を説明する。なお、以下に示す図7〜図9は、抵抗スポット溶接方法の工程を説明するための一構成例であって、図示例の構成に限定されることはない。
研磨ツール15は、前述したように、スポット溶接機とは独立したオフラインで研磨する構成としてもよいが、スポット溶接機に組み込んでオンラインで研磨する構成にもできる。
図7は研磨ツール15が搭載された研磨装置25とスポット溶接機27を示す概略的な構成図である。
スポット溶接機27は、ロボット先端軸に電極11,13を有するスポット溶接ガン31を有する。スポット溶接ガン31は、スポット溶接機27の複数の駆動軸によって所望の位置に所望の姿勢で移動される。
スポット溶接機27によるスポット溶接ガン31の可動範囲の一部には、研磨装置25が配置される。研磨装置25は、研磨ツール15が収容された研磨ユニット33を備える。研磨ユニット33は、スポット溶接ガン31の電極11,13が研磨ツール15を挟持可能な姿勢で研磨装置25に設けられる。
図8は研磨ツール15が収容された研磨ユニット33の概略的な構成図である。
研磨ユニット33は、研磨ツール15と、研磨ツール15を支持するケーシング35と、ケーシング35に内蔵された研磨シート供給機構37と、を備える。
研磨シート供給機構37は、研磨シートが巻回された供給側リール41と、使用済みの研磨シートが巻回される回収側リール43と、研磨基板17の下方に配置された研磨シート19Bを研磨基板17の上方に向けて反転させる反転ローラ45と、を備える。
供給側リール41から繰り出された研磨シートは、研磨基板17の下方に供給され、この研磨シート19Bが反転ローラ45によって研磨基板17の上方に送られる。研磨基板17の上方の研磨シート19Aは、回収側リール43の駆動によって回収側リール43に巻き取られる。これにより、研磨シートが、研磨基板17の下方と上方とに連続的に供給される。
図7に示すスポット溶接機27は、被溶接部材である重ね継手をスポット溶接した後、スポット溶接ガン31を研磨装置25に移動させて、研磨装置25の研磨ツール15を電極11,13によって挟持する。この状態で、研磨ユニット33は、上記した電極研磨工程を実施する。
本構成によれば、研磨ツール15が研磨装置25に配置されるため、スポット溶接機27を制御するプログラムに電極研磨工程の動作を組み込むことで、スポット溶接工程と電極研磨工程とを、プログラム通りに自動的に実施できる。これによれば、人手によらずに電極の研磨が行え、溶接作業を連続して高効率で実施できる。よって、大量生産に適したスポット溶接ラインを構築できる。
研磨ツール15は、上記した研磨装置に設ける他に、スポット溶接機27のスポット溶接ガン31に設けることもできる。
図9は研磨ツールをスポット溶接ガン31に配置した構成を示すスポット溶接機の部分拡大図である。
この場合、スポット溶接ガン31には、電極11,13の軸線方向と平行に昇降動作が可能で、且つ、回転(自転)動作が可能なプランジャ51が設けられる。プランジャ51の下端部には、研磨ツール15が搭載された研磨ユニット33が取り付けられ、プランジャ51の降下位置において、電極11,13の間に研磨ツール15が配置可能となる。図中実線で示す研磨ツール15の位置が研磨位置となる。
また、研磨ツール15は、プランジャ51がPA方向に回転駆動されることで、電極11,13間から引き出される。そして、プランジャ51がPB方向に上昇駆動され、上端側でPC方向回転駆動されることで、研磨ツール15が退避位置に配置される。
このように、上記構成のスポット溶接ガン31は、研磨ツール15が電極11,13間に配置される研磨位置と、上端の退避位置とに移動可能となっている。この構成によれば、複数の溶接打点を抵抗スポット溶接する際に、スポット溶接ガン31を溶接打点の近傍位置で電極研磨工程を実施できる。そのため、スポット溶接機27は、スポット溶接ガン31を電極研磨の度に研磨装置に移動させる必要がなくなり、連続した抵抗スポット溶接を、更に高効率に実施できる。
なお、上記した電極研磨工程は、抵抗スポット溶接による溶融ナゲットの品質安定化のため、好ましくは、溶接打点の点数が10点以内、更に好ましくは5点以内、更に好ましくは溶接打点毎に実施するのが好ましい。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、電極11,13、研磨ツール15のいずれか一方を回転又は揺動させてもよく、双方を同時に回転又は揺動させてもよい。
また、上記例では、電極11と電極13とを同時に研磨ツール15に押し付けて研磨しているが、電極11と電極13のいずれか一方のみを研磨ツール15に押し付けて研磨してもよい。その場合、研磨基板17の片面のみに凹み部を形成するだけで済む。
そして、電極11,13は、ダイレクトスポット溶接の構成を例示しているが、これに限らず、片面溶接が可能なインダイレクトスポット溶接、シリーズスポット溶接であってもよい。
材質JIS A6022、板厚2.0mm、板幅80mmのアルミニウム板を重ね合わせて重ね継手を形成した。この重ね継手に、スポット打点ピッチを100mmとして、下記の溶接条件で、途中でドレッシング(電極の切削による整形)を行わずに50点の連続打点で抵抗スポット溶接を行った。
・溶接電流 :36kA
・通電時間 :400msec
・電極加圧力:4kN
・電極 :材質Cu-1%Cr、R型電極
直径19mm、先端の曲率半径100mm
なお、溶接打点間の電極研磨は、研磨基板を材質SUS304とし、粒度400#の研磨紙を研磨基板に巻きつけて固定した。また、電極を研磨基板に対して垂直方向の凹み部に電極先端が当たるように押し付け、1回転/秒の速度で10回転させた。実施例1は溶接打点毎に電極研磨工程を実施したもの、実施例2は溶接打点数5点毎に電極研磨工程を実施したもの、比較例は電極研磨工程を実施しなかったものである。
抵抗スポット溶接の溶接打点の深さ方向に半分に切断した切断片を、板厚方向が観察できるように樹脂埋め込みした後、鏡面研磨仕上げを行い、ケラー氏エッチング処理を施してマクロ組織観察試験片とした。この試験片において、ナゲットサイズ、溶接部の割れの有無、ブローホールの発生の有無を確認した。
ナゲットサイズの評価は、1点目のナゲットサイズに比較して変化率が10%未満のものを○、10〜30%を△、30%を超えるものを×とした。割れの評価は、割れの発生がないものを○、発生したものを×とした。ブローホールの評価は、ナゲット部にブローホールが観察されなかったものを○、ブローホールが観察されたものを×とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0006694800
連続的な抵抗スポット溶接を開始した後、実施例、比較例共に、溶接打点が数点で電極表面にAlが付着し始めた。研磨をしていない比較例では、溶接打点が5点目で割れが発生し始めた。また、溶接打点が10点目でブローホールが観察された。ナゲットサイズについては10点目から変化率が大きくなり、20点目では粗大なナゲットが形成された。
溶接打点が5回で電極研磨工程を実施した実施例2では、溶接打点が50点を終了した後もブローホールや割れは発生せず、ナゲットサイズの変化も20点以降で多少増加したものの、実用上では影響がない程度のものであった。
毎回電極研磨工程を実施した実施例1では、溶接打点が50点を終了した後もブローホールや割れは発生せず、ナゲットサイズの変化も殆どみられなかった。
11,13 電極
15 研磨ツール
17 研磨基板
19A,19B 研磨シート
21A,21B 凹み部

Claims (5)

  1. 複数のアルミニウム材を重ねた重ね継手に電極を押し当てて抵抗スポット溶接するアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法であって、
    一対の前記電極は、銅又は銅合金からなり、互いに対向する電極先端面の少なくとも一部に曲面形状を有しており、
    前記重ね継手の複数の溶接打点のうち少なくともいずれかの溶接打点の溶接後に、前記電極先端面の曲面形状に沿った曲面の一方向凹溝からなる凹み部を備え、前記電極よりも硬度が高い材料からなる研磨基板と、前記研磨基板の少なくとも前記凹み部を覆う研磨シートと、を有する研磨ツールを、前記電極と前記研磨基板とが前記研磨シートを挟んで押し当てられた状態で、前記電極と前記研磨ツールとを相対的に回転又は揺動させる電極研磨工程を有するアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法。
  2. 前記研磨シートは、前記研磨基板に脱着可能に配置されている請求項1に記載のアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法。
  3. 前記研磨シートは、前記研磨基板に対して相対移動可能に配置されている請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法。
  4. 前記電極研磨工程を、前記溶接打点の点数が5回以内で実施する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法。
  5. 前記電極研磨工程を、複数の前記溶接打点毎に実施する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法。
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