JP2004034141A - 接合継手の製造方法、接合継手、摩擦撹拌接合法、接合装置及び平削り用バイト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに肉厚の異なる2個の接合部材1、2を突合せ状に配置する。回転可能なプローブ12を有する摩擦撹拌接合用接合工具10を用い、両接合部材1、2の突合せ部3に表面側から接合工具10の回転しているプローブ12を埋入する。この状態で、プローブ12を突合せ部3に沿って移動させることにより、突合せ部3を摩擦撹拌接合する。さらに、接合部5の表面を平削り用バイト20によって切削する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、輸送機器、家電機器、産業機器等における金属製部材として用いられる接合継手の製造方法、これにより得られた接合継手、該接合継手を製造する際に好適に用いられる摩擦撹拌接合法、接合装置及び平削り用バイトに関する。
【0002】
なお、この明細書では、説明の便宜上、接合部材の厚さ方向両側の面のうち、接合が行われる側の面を「表面」と呼ぶ。
【0003】
【従来の技術】
構造物を組立製作する際に用いられる接合として、従来より、MIG溶接、TIG溶接、レーザ溶接等の溶融接合や、固相接合の範疇に入る摩擦撹拌接合が知られている。
【0004】
ところで、接合を行うと、接合継手の表面状態が劣悪になる虞がある。例えば、摩擦撹拌接合により接合を行うと、接合部の表面に接合工具の通過痕(いわゆるツールマーク)が生じたり、接合部の止端部にリップルが生じたりして、接合継手の表面状態が劣悪になることがある。
【0005】
そこで、この難点を解消するため、特開2001−47262号公報では、回転可能な摩擦撹拌接合用接合工具にバリ取り刃物を固定状態に取り付け、接合時に接合工具と一体に刃物を回転させることにより、接合部の表面をフライス削りする方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この開示方法では、接合部の表面に、刃物の回転に伴う削り痕であるいわゆるフライス削り痕が発生してしまうため、表面状態を大幅に改善することができなかった。
【0007】
さらに、この開示方法では、表面粗度の改善具合は、接合速度や接合工具の回転数等の接合条件による影響を受けるため、表面状態に関する品質が安定しないという難点があった。
【0008】
この発明は、上述した難点を解消するためになされたもので、その目的は、表明状態の良好な接合継手を得ることができ、且つ表面状態に関する品質の安定化を図ることのできる接合継手の製造方法、これにより得られた接合継手、この接合継手を製造する際に好適に用いられる摩擦撹拌接合法、接合装置及び平削り用バイトを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明は、2個の接合部材の接合予定部に表面側から接合工具の回転しているプローブを埋入した状態に配置し、この状態で、プローブを接合予定部に沿って両接合部材に対して相対的に移動させることにより、接合予定部を摩擦撹拌接合し、接合継手を得る接合継手の製造方法であって、接合部の表面を切削する平削り加工工程を含んでいることを特徴としている(請求項1)。
【0010】
この接合継手の製造方法では、平削り加工によって接合部の表面が切削され、これにより、接合部の表面粗度が小さくなり、その表面状態が改善される。また、平削り加工によれば、切削した表面に刃物の回転に伴う略円弧状の削り痕(いわゆるフライス削り痕)が発生するという虞はない。さらに、平削り加工によれば、刃物を回転させなくても切削することが可能であるから、表面の改善具合は刃物の回転数に依存せず、その結果、接合部の表面状態に関する品質が安定する。また、摩擦撹拌接合は固相接合の範疇に入ることから、この摩擦撹拌接合により接合予定部を接合することにより、接合に伴う熱歪みによる変形が少ない接合継手を得ることができる。
【0011】
なお、2個の接合部材の配置態様については限定されず、例えば、2個の接合部材は突合せ状に配置されていても良いし、重合せ状に配置されていても良いし、T字状に配置されていても良い。また、両接合部材は、裏面同士が面一に連なる態様で突合せ状に配置されていても良いし、あるいは表面同士が面一に連なる態様で突合せ状に配置されていても良いし、表面同士及び裏面同士が面一に連なる態様で突合せ状に配置されていても良い。
【0012】
また、接合継手の種類については限定されず、例えば、接合継手は突合せ継手であっても良いし、重ね継手あっても良いし、T字継手であっても良い。
【0013】
また、接合部材としては、例えば金属製のものが用いられ、特にアルミニウム又はその合金製のものや、銅又はその合金製のものが好適に用いられる。また、2個の接合部材は、互いに同種の材質からなるものであっても良いし、互いに異なる材質からなるものであっても良い。
【0014】
また、平削り加工の操作としては、平削り用バイトの位置を固定しておき両接合部材を切削運動させることで、接合部の表面を切削しても良いし、両接合部材の位置を固定しておき平削り用バイトを切削運動させることで、接合部の表面を切削して良いし、これら二つの方法を組み合わせて切削しても良い。
【0015】
また、前記両接合部材は、厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置され、前記接合予定部は、前記両接合部材の突合せ部であることが望ましい(請求項2)。
【0016】
この場合には、接合部の表面を、例えば一方の接合部材の表面と他方の接合部材の表面とに跨る傾斜面に形成することが可能となり、この結果、接合部に作用する応力集中が緩和される。
【0017】
また、凸円弧状の第1切れ刃部と、該第1切れ刃部の一端に連設された直線状の第2切れ刃部と、前記第1切れ刃部の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部と、を有する切れ刃を持つ平削り用バイトを用いて、前記平削り加工を行うことが望ましい(請求項3)。
【0018】
この場合には、前記バイトを用いて平削り加工を行うことにより、両接合部材が厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置されている場合であっても、その突合せ部に形成された接合部を確実に切削することができて、その表面粗度を確実に小さくすることができる。
【0019】
さらに、前記バイトを用いて平削り加工を次のように行うことが望ましい。すなわち、接合部の表面に第1切れ刃部を当てるとともに、両接合部材のうち低位側に配置された接合部材の表面に第2切れ刃部の少なくとも一部を当て、且つ、接合部の表面と高位側に配置された接合部材の表面とのなす角部に第3切れ刃部を当て、この状態で、バイトを両接合部材に対して相対的に切削方向に移動させることにより、平削り加工を行うことが望ましい(請求項4)。
【0020】
この場合には、接合部の表面が第1切れ刃部によって切削されるとともに、前記角部が第3切れ刃部によって切削される。これらの切削により、接合部の表面と低位側の接合部材の表面とがなだらかに連なるように形成され、そのため、破壊起点とならない面形状が得られ、また接合部の表面と高位側の接合部材の表面とがなだらかに連なるように形成され、そのため、応力集中が確実に緩和されるものとなる。したがって、このバイトを用いて平削り加工を行うことにより、接合部の表面状態に関する品質を更に安定させることができるし、接合継手の強度的信頼性を向上させることができる。
【0021】
また、前記接合予定部を接合しながら、前記平削り加工を行うことが望ましい(請求項5)。
【0022】
この場合には、作業能率が向上する。
【0023】
また、平削り用バイトを、前記プローブの両接合部材に対する移動動作に同期させて切削方向に移動させることにより、前記平削り加工を行うことが望ましい(請求項6)。
【0024】
この場合には、作業能率が更に向上する。
【0025】
また、接合部の表面の幅寸法と同寸か、あるいはこれより大寸に設定された刃長を有する切れ刃を持つ平削り用バイトを用いて、前記平削り加工を行うことが望ましい(請求項7)。
【0026】
この場合には、接合部の表面状態を確実に改善することができる。
【0027】
また、前記バイトの切れ刃の刃長は、接合部の表面の幅寸法より0〜20mm長く設定されていることが望ましい(請求項8)。
【0028】
この場合には、接合部の表面状態を更に確実に改善することができる。なお、バイトの切れ刃の刃長は、接合部の表面の幅寸法より2〜10mm長く設定されていることが特に望ましい。
【0029】
第2発明は、厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置された2個の接合部材の突合せ部を表面側から接合することにより、両接合部材を一体化して接合継手を得る接合継手の製造方法であって、接合部の表面を切削する平削り加工工程を含み、前記平削り加工は、凸円弧状の第1切れ刃部と、該第1切れ刃部の一端に連設された直線状の第2切れ刃部と、前記第1切れ刃部の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部と、を有する切れ刃を持つ平削り用バイトを用いて、行われることを特徴としている(請求項9)。
【0030】
この第2発明によれば、前記バイトを用いて平削り加工を行うことにより、両接合部材が厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置されている場合であっても、その突合せ部に形成された接合部を確実に切削することができて、その表面粗度を確実に小さくすることができる。もとより、平削り加工によれば、刃物を回転させなくても切削することが可能であるから、表面の改善具合は刃物の回転数に依存せず、その結果、接合部の表面状態に関する品質が安定する。
【0031】
なお、この第2発明において、両接合部材の突合せ部を接合するための接合としては、特に限定されず、例えば、摩擦撹拌接合であっても良いし、MIG溶接、TIG溶接、レーザ溶接等の溶融溶接であっても良い。
【0032】
また、接合部の表面に前記第1切れ刃部を当てるとともに、両接合部材のうち該両接合部材の表面側から見て低位側に配置された接合部材の表面に前記第2切れ刃部の少なくとも一部を当て、且つ、接合部の表面と、両接合部材のうち該両接合部材の表面側から見て高位側に配置された接合部材の表面とのなす角部に前記第3切れ刃部を当て、この状態で、前記バイトを両接合部材に対して相対的に切削方向に移動させることにより、前記平削り加工を行うことが望ましい(請求項10)。
【0033】
この場合には、接合部の表面が第1切れ刃部によって切削されるとともに、前記角部が第3切れ刃部によって切削される。これらの切削により、接合部の表面と低位側の接合部材の表面とがなだらかに連なるように形成され、そのため、破壊起点とならない面形状が得られ、また接合部の表面と高位側の接合部材の表面とがなだらかに連なるように形成され、そのため、応力集中が確実に緩和されるものとなる。したがって、このバイトを用いて平削り加工を行うことにより、接合部の表面状態に関する品質を更に安定させることができるし、接合継手の強度的信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、前記接合予定部を接合しながら、前記平削り加工を行うことが望ましい(請求項11)。
【0035】
この場合には、作業能率が向上する。
【0036】
また、バイトを、前記プローブの両接合部材に対する移動動作に同期させて切削方向に移動させることにより、前記平削り加工を行うことが望ましい(請求項12)。
【0037】
この場合には、作業能率が更に向上する。
【0038】
第3発明は、接合継手であって上記第1発明に係る接合継手の製造方法により得られたことを特徴としている(請求項13)。
【0039】
この第3発明によれば、表面状態の良好な接合継手を提供することができる。
【0040】
また、接合継手は、接合部の幅方向両側の表面間に段差を生じているものであっても良いし(請求項14)、プレス成形素材として用いられるものであっても良い(請求項15)。
【0041】
第4発明は、2個の接合部材の接合予定部に表面側から接合工具の回転しているプローブを埋入した状態に配置し、この状態で、プローブを接合予定部に沿って両接合部材に対して相対的に移動させることにより、接合予定部を接合する摩擦撹拌接合法であって、接合部の表面を切削する平削り加工工程を含んでいることを特徴としている(請求項16)。
【0042】
この場合には、上記第1発明と同様の作用を奏し得る。
【0043】
第5発明は、2個の接合部材の接合予定部を表面側から接合する接合ヘッドを有する接合工具を備え、前記接合工具は、前記接合ヘッドを接合予定部に沿って両接合部材に対して相対的に移動させることにより、接合予定部を接合するものとなされた接合装置であって、接合部の表面を切削するための平削り用バイトを備え、前記バイトは、前記接合工具の接合ヘッドの両接合部材に対する移動動作に同期されて切削方向に移動されるものとなされていることを特徴としている(請求項17)。
【0044】
この接合装置によれば、上記第1発明又は第2発明に係る接合継手の製造方法、あるいは上記第4発明に係る摩擦撹拌接合法を能率良く遂行することができる。
【0045】
なお、この接合装置において、両接合部材の接合予定部を接合するための接合は、特に限定されず、例えば、摩擦撹拌接合であっても良いし、MIG溶接、TIG溶接、レーザ溶接であっても良い。また、接合工具が例えば後述する摩擦撹拌接合用のものである場合には、接合ヘッドとしては、接合予定部に埋入される回転可能なプローブが用いられることとなるが、この発明はこの接合ヘッドに限定されない。すなわち、接合ヘッドの構成は、使用する接合の種類(例:MIG溶接、TIG溶接、レーザ溶接)によりそれぞれ異なるものである。例えば接合がレーザ溶接である場合には、接合ヘッドはレーザビーム射出ノズルの射出口となる。
【0046】
また、前記接合工具は、摩擦撹拌接合用のものであり、前記接合ヘッドとして、両接合部材の接合予定部に埋入される回転可能なプローブを有していることが望ましい(請求項18)。
【0047】
この場合には、接合装置として摩擦撹拌接合装置を提供することができる。
【0048】
また、前記両接合部材は、厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置され、前記接合予定部は、前記両接合部材の突合せ部であり、前記バイトは、接合部の表面を切削するための凸円弧状の第1切れ刃部と、該第1切れ刃部の一端に連設された直線状の第2切れ刃部と、前記第1切れ刃部の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部と、を有する切れ刃を持つものであることが望ましい(請求項19)。
【0049】
この場合には、接合部の表面状態に関する品質を更に安定させることができるし、接合継手の強度的信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、バイトは、接合部の表面の幅寸法と同寸か、あるいはこれより大寸に設定された刃長を有する切れ刃を持つものであることが望ましい(請求項20)。
【0051】
この場合には、接合部の表面状態を確実に改善することができる。
【0052】
また、バイトの切れ刃の刃長は、接合部の表面の幅寸法より0〜20mm長く設定されていることが望ましい(請求項21)。
【0053】
この場合には、接合部の表面状態を更に確実に改善することができる。
【0054】
第6発明は、厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置された2個の接合部材の突合せ部が表面側から接合されて、両接合部材が一体化されてなる接合継手の表面を切削するための平削り用バイトであって、接合部の表面を切削するための凸円弧状の第1切れ刃部と、該第1切れ刃部の一端に連設された直線状の第2切れ刃部と、前記第1切れ刃部の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部と、を有する切れ刃を持つものであることを特徴としている(請求項22)。
【0055】
このバイトによれば、これを用いて接合継手の表面を切削することにより、接合部の表面状態に関する品質を安定させることができるし、接合継手の強度的信頼性を向上させることができる。
【0056】
なお、突合せ部は、摩擦撹拌接合により接合されていても良いし、他の固相接合により接合されていても良い。また、MIG溶接、TIG溶接又はレーザ溶接により接合されていても良いし、他の溶融接合により接合されていても良い。
【0057】
また、接合部材としては、例えば金属製のものが用いられ、特にアルミニウム又はその合金製のものや、銅又はその合金製のものが好適に用いられる。また、2個の接合部材は、互いに同種の材質からなるものであっても良いし、互いに異なる材質からなるものであっても良い。
【0058】
また、前記第2切れ刃部の少なくとも一部は、両接合部材のうちの該両接合部材の表面側から見て低位側に配置された接合部材の表面に当てられるものであることが望ましい(請求項23)。
【0059】
この場合には、このバイトを用いて切削することにより、接合部の表面と低位側の接合部材の表面とがなだらかに連なるように形成され、破壊起点とならない面形状を得ることができる。そのため、接合継手の強度的信頼性を向上させることができる。
【0060】
また、前記第3切れ刃部は、接合部の表面と、両接合部材のうちの該両接合部材の表面側から見て高位側に配置された接合部材の表面とのなす角部に当てられるものであることが望ましい(請求項24)。
【0061】
この場合には、このバイトを用いて切削することにより、接合部の表面と高位側の接合部材の表面とがなだらかに連なるように形成され、そのため、応力集中を確実に緩和することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0063】
図1〜図6は、この発明の一実施形態に係る接合継手の製造方法及びこれに用いられる接合装置を説明するための図である。
【0064】
図1において、(1)は薄肉の板状(詳述すると平板状)接合部材、(2)は厚肉の板状(詳述すると平板状)接合部材である。各接合部材(1)(2)はアルミニウム又はその合金製のものである。そして、この両接合部材(1)(2)は、同図に示すように、裏面同士が面一に連なる態様で幅方向の一端部同士が突き合わされており、このため、厚さ方向に両者の肉厚差に対応した段差を両接合部材(1)(2)の表面側にて生じている。同図において、(3)は両接合部材(1)(2)の接合予定部としての突合せ部である。また、(4)は段部を示しており、(4a)はこの段部(4)のすみ部を示している。
【0065】
なお、この実施形態では、説明の便宜上、両接合部材(1)(2)のうち該両接合部材(1)(2)の表面側から見て低位側に配置された接合部材(1)(即ち薄肉の接合部材)を「第1接合部材」、高位側に配置された接合部材(2)(即ち厚肉の接合部材)を「第2接合部材」という。
【0066】
この実施形態に係る接合継手の製造方法により得られる接合継手は、突合せ継手であって、プレス成形素材として用いられるものであり、具体的に言うと自動車のテーラードブランク材として用いられるものである。
【0067】
そして、両接合部材(1)(2)は、上述した突合せ状態のままで、その裏面側から支持部材(図示せず)によって略水平状に支持されており、更にこの状態で、両接合部材(1)(2)の位置が固定されている。
【0068】
次に、この実施形態に係る接合装置(50)の構成を説明する。
【0069】
この接合装置(50)は、摩擦撹拌接合装置として用いられるものであり、図4に示すように、摩擦撹拌接合用の接合工具(10)と、平削り用バイト(20)と、切削油剤供給装置(30)と、工具保持具(40)とを備えている。
【0070】
接合工具(10)は、図1に示すように、円柱状の回転子(11)と、接合ヘッド(13)としての回転可能なプローブ(12)とを有している。プローブ(12)は、回転子(11)の端面(11a)の回転中心部に突設されている。また、回転子(11)の端面(11a)における直径Dは、プローブ(12)のそれより径大に設定されている。回転子(11)及びプローブ(12)は、両接合部材(1)(2)より硬質で且つ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱材料から形成されている。また、プローブ(12)の外周面には、摩擦熱にて軟化した両接合部材(1)(2)の肉を撹拌するための撹拌用凸部(図示せず)が螺旋状等に設けられている。
【0071】
この接合工具(10)において、回転子(11)の端面(11a)の少なくとも外周縁部は、回転軸線(P)に直交する平面内にあり、この実施形態では、回転子(11)の端面(11a)は平坦状に形成されている。なお、この発明では、回転子(11)の端面(11a)は、その外周縁部から回転中心部に向かって略皿状に窪んだ形状になっていても良い。
【0072】
図2において、(15)は、接合工具(10)のプローブ(12)の移動方向を示している。一方、(JD)は接合方向を示している。この実施形態では、プローブ(12)の移動方向(15)が接合方向(JD)となる。
【0073】
図2において、(3’)は、両接合部材(1)(2)の、プローブ(12)により摩擦撹拌接合された突合せ部である。また、(5)は、この接合された突合せ部(3’)に形成された接合部である。図3に示すように、この接合部(5)の表面には、接合工具(10)の回転子(11)の端面(11a)の通過痕等からなる接合工具の通過痕(いわゆるツールマーク、6)が生じており、そのため、該接合部(5)の表面に微細な凹凸が形成されている。さらに、この接合部(5)の両止端部にはリップル(7)が生じている。この接合部(5)の幅寸法をHとする。この幅寸法Hは、接合工具(10)の回転子(11)の端面(11a)における直径Dと同寸か(即ち、H=D)、あるいは略同寸(即ち、H≒D)である。
【0074】
平削り用バイト(20)は、図4に示すように、接合工具(10)のプローブ(12)の移動方向(15)後方側近傍、つまり接合方向(JD)後方側近傍に所定間隔をおいて配置されている。このバイト(20)は、工具鋼や超硬合金等の硬質材料からなるものであって、図3に示すように、接合部(5)の幅寸法Hより大寸に設定された刃長Lを有する切れ刃(21)(詳述すると前切れ刃)を持っている。この切れ刃(21)の刃長Lは、接合部(5)の表面(5A)の幅寸法Hより0〜20mm長く設定されている(即ち、H≦L≦H+20mm)。同図において、(25)はバイト(20)の移動方向、即ち該バイト(20)の切削方向を示しており、この切削方向(25)は、プローブ(12)の移動方向(図4参照、15)と同じ方向であり、即ち接合方向(JD)と同じ方向である。
【0075】
このバイト(20)の構成について図5を参照して説明する。このバイト(20)の切れ刃(21)は、同図に示すように、凸円弧状の第1切れ刃部(21a)と、該第1切れ刃部(21a)の一端に当該一端に接するように連設された直線状の第2切れ刃部(21b)と、第1切れ刃部(21a)の他端に当該他端に接するように連設された凹円弧状の第3切れ刃部(21c)と、からなる。同図において、R1及びR3は、それぞれ第1切れ刃部(21a)及び第3切れ刃部(21c)の曲率半径を示している。
【0076】
この切れ刃(21)において、第1切れ刃部(21a)は接合部(5)の表面(5A)に当てられる部位であり、第2切れ刃部(21b)の片側略半分部は第1接合部材(1)の表面(1A)にこれと平行に当てられる部位であり、第3切れ刃部(21c)は接合部(5)の表面(5A)と第2接合部材(2)の表面(2A)とのなす角部(C2)に当てられる部位である。なお、同図において、(C1)は、接合部(5)の表面(5A)と第1接合部材(1)の表面(1A)とのなす角部を示している。
【0077】
切削油剤供給装置(30)は、図3に示すように、切削部分に切削油剤(32)を供給するためのもので、切削油剤供給ノズル(31)を有している。このノズル(31)の先端部には、切削油剤吐出口(31a)が設けられている、このノズル(31)の吐出口(31a)は、図4に示すように接合工具(10)のプローブ(12)とバイト(21)との間に配置されており、詳述するとバイト(21)の切削方向(25)前方側近傍に配置されている。そして、切削時(即ち接合時)にこの吐出口(31a)から切削油剤(32)としての切削油が所定量吐出されてバイト(20)の切れ刃(21)又はその近傍に落下し、これにより切削部分に切削油(32)が供給されるものとなされている。
【0078】
そして、図4に示すように、接合工具(10)とバイト(20)はともに工具保持具(40)に装着保持されている。更に、この工具保持具(40)にノズル(31)が装着されて該工具保治具(40)に吐出口(31a)が設けられている。そして、この工具保持具(40)が移動(その移動方向45)することによって、この移動動作に伴い、接合工具(10)のプローブ(12)と吐出口(31a)とバイト(20)とが、同一速さで同一方向に移動するものとなされている。したがって、工具保持具(40)を突合せ部(3)に沿って移動させることにより、プローブ(12)が突合せ部(3)に沿って移動されるものとなり、更にバイト(20)もプローブ(12)により接合された突合せ部(3’)に沿ってプローブ(12)の移動速度と同じ速さで移動されるものとなり、更に吐出口(31a)もプローブ(12)の移動速度と同じ速さで移動されるものとなる。
【0079】
次に、この接合装置(50)を用いて両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合する方法を説明する。
【0080】
図1に示すように、接合工具(10)の回転子(11)及びプローブ(12)を回転軸線(P)を中心に回転させる。そして、接合工具(10)の回転軸線(P)を第1接合部材(1)側に傾斜させた状態で、回転しているプローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(12)に表面側から埋入した状態に配置する。さらに、回転している回転子(11)の端面(11a)を両接合部材(1)(2)の表面に押し付けた状態に配置する。この実施形態では、回転子(11)の端面(11a)は、突合せ部(3)から表面側に突出している第2接合部材(2)の肩部(2a)に押し付けられた状態に配置されている。なお、プローブ(12)の突合せ部(3)への埋入は、両接合部材(1)(2)の長さ方向の一端面から行っても良い。また、プローブ(12)を突合せ部(3)に埋入した後で、接合工具(10)の回転軸線(P)を第1接合部材(1)側に傾斜させても良いし、あるいは回転軸線(P)を傾動させないで、両接合部材(1)(2)を傾動させることによって、かかる状態を実現しても良い。
【0081】
上述した状態で、図4に示すように工具保持具(40)を移動(その移動方向(45))させることによって、図2に示すように、回転しているプローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に沿って移動させる。このプローブ(12)の移動に伴い、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)がプローブ埋入位置にて該プローブ(12)により順次接合されていく。
【0082】
すなわち、プローブ(12)の回転により発生する摩擦熱と、回転子(11)の端面(11a)と第2接合部材(2)の肩部(2a)との摺動に伴い発生する摩擦熱とによって、両接合部材(1)(2)はプローブ埋入位置近傍にて軟化するとともに、第2接合部材(2)の肩部(2a)が回転子(11)の端面(11a)からの押付け力を受けてその表面が傾斜面になるように塑性変形される。さらに、この肩部(2a)の塑性変形によって、当該肩部(2a)の肉の一部が段部(4)のすみ部(4a)内に充填される。
【0083】
こうして肩部(2a)が塑性変形されながら、摩擦熱にて軟化した両接合部材(1)(2)の肉が、プローブ(12)の回転力を受けて撹拌混合される。そして、プローブ(12)の移動に伴い、両接合部材(1)(2)の肉がプローブ(12)の通過溝を埋めるように塑性流動したのち、摩擦熱を失って冷却固化する。この現象がプローブ(12)の移動に伴って順次繰り返されていき、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)がプローブ通過部分において接合され、両接合部材(1)(2)が一体化される。
【0084】
この摩擦撹拌接合において、両接合部材(1)(2)の、プローブ(12)により接合された突合せ部(3’)には、図3に示すように摩擦撹拌接合部(5)が形成される。ここで、上述したように、接合工具(10)の回転軸線(P)は第1接合部材(1)側に傾斜した状態に配置されており、且つ回転子(11)の端面(11a)は第2接合部材(2)の肩部(2a)に押し付けられた状態に配置されていることから、接合部(5)の表面(5A)は、第1接合部材(1)の表面と第2接合部材(2)の表面とに跨る傾斜面に形成されることとなる。また、この接合部(5)の表面(5A)には、回転子(11)の端面(11a)の通過痕等の接合工具の通過痕(6)が生じており、このため微細な凹凸が形成されて表面状態が粗くなっている。更に、この接合部(5)の両止端部にはリップル(7)が生じている。
【0085】
一方、所定の時点で、図3に示すように、バイト(20)の第1切れ刃部(21a)を接合部(5)の表面(5A)に当てるとともに、第2切れ刃部(21b)の片側略半分部を第1接合部材(1)の表面(1A)にこれと平行に当て、更に第3切れ刃部(21c)を接合部(5)の表面(5A)と第2接合部材(2)の表面(2A)とのなす角部(C2)に当てる。また、ノズル(31)の吐出口(31a)から切削油(32)を所定量排出しておく。そして、この状態で、上述したように工具保持具(40)が移動されることによって、バイト(20)と吐出口(31a)がプローブ(12)の移動動作に同期されて切削方向に移動される。この移動動作により、平削り加工が行われる。
【0086】
この平削り加工について詳述すると次のとおりである。すなわち、工具保持具(40)の移動に伴い、接合部(5)の表面(5A)がバイト(20)の第1切れ刃部(21a)によって切削されるとともに、接合部(5)の表面(5A)と第1接合部材(1)の表面(1A)とのなす角部(C1)が無くなり、更に接合部(5)の表面(5A)と第2接合部材(2)の表面(2A)とのなす角部(C2)が第3切れ刃(21c)によって切削される。この切削により、微細凹凸やリップル(7)が除去されて表面状態が良好になる。なお、図4において、(9)は、バイト(20)により削られた切り屑である。同図では、説明の便宜上、切り屑(9)の大きさを誇張して示している。
【0087】
こうして、工具保持具(40)の移動(すなわちプローブ(12)の移動)に伴い、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)がプローブ(12)により接合されながら、接合部(5)の表面(5A)に対して平削り加工が行われる。そして、バイト(20)の切れ刃(21)が接合部(5)の終端部に到達したとき、平削り加工が終了し、もって所望する突合せ継手が得られる。
【0088】
而して、突合せ継手の接合部(5)の表面(5A)を切削するために用いたバイト(20)は、上述した構成を有しているので、突合せ継手に対して次のような作用を奏し得る。
【0089】
すなわち、バイト(20)の第1切れ刃部(21a)によって接合部(5)の表面(5A)を切削することにより、図6に示すように接合部(5)の表面(5A)が滑らかに形成されて表面粗度が小さくなり、表面状態が改善される。そのため、突合せ継手の接合部(5)の表面粗度は、平削り加工されていない部位の表面粗度と略同じになる。したがって、突合せ継手は優れた外観品質や更には優れた耐食性を有するものとなる。
【0090】
その上、接合部(5)の表面(5A)と第1接合部材(1)の表面(1A)とが極めてなだらかに連なるように形成され、そのため、破壊起点とならない面形状を得ることができるし、第1接合部材(1)の肉厚減少は殆ど生じていない。したがって、突合せ継手の、第1接合部材(1)の肉厚減少に伴う強度低下は殆ど生じていない。
【0091】
さらに、第3切れ刃部(21a)によって接合部(5)の表面(5A)と第2接合部材(2)の表面(2A)とのなす角部(C2)を切削することにより、図6に示すように、接合部(5)の表面(5A)と第2接合部材(2)の表面(2A)とが極めてなだらかに連なるように形成される。したがって、この突合せ継手は優れた強度的信頼性を有するものとなる。
【0092】
さらに、この突合せ継手において、上述したように接合部(5)の表面(5A)と第1接合部材(1)の表面(1A)とはなだらかに連なっており、更には接合部(5)の表面(5A)と第2接合部材(2)の表面(2A)とについてもなだらかに連なっているので、この突合せ継手を例えばプレス成形する場合には、プレス成形時に段部(図1参照、4)やその近傍に作用することのある応力集中を緩和することができる。そのため、この突合せ継手は優れた成形性を有しており、これをプレス成形した場合には、所望する形状に成形されたプレス成形品を確実に得ることができる。したがって、この突合せ継手は、自動車のテーラードブランク材をはじめ、様々なプレス成形素材として好適に用いることができる。更に、この突合せ継手は優れた疲労強度を有するものとなっている。
【0093】
また、この接合継手の製造方法では、接合部(5)の表面(5A)を平削り加工によって切削するので、刃物の回転に伴う削り痕を接合部(5)の表面(5A)に生じさせることはない。さらに、表面(5A)の改善具合は、接合工具(10)の回転数に依存しないので、接合部(5)の表面状態に関する品質を一定に維持することができる。
【0094】
また、この接合装置(50)によれば、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)をプローブ(12)により接合しながら、平削り加工を行うことができるので、能率良く平削り作業を行うことができる。
【0095】
さらに、バイト(20)の切れ刃(21)の刃長Lは、接合部(5)の表面(5A)の幅寸法Hより0〜20mm長く設定されているので、接合部(5)の表面状態を確実に改善することができる。
【0096】
さらに、この実施形態では、接合装置(50)は切削油剤供給装置(30)を備えているので、この接合装置(50)によれば、バイト(20)の寿命を長くすることができることはもとより、切削抵抗を減少させることができるので表面粗度をより一層小さくすることができる。しかも、この切削油剤供給装置(30)の切削油剤吐出口(31a)は、プローブ(12)の移動動作に同期されて移動されるものとなされているので、切削油剤(32)の供給を確実に行うことができるし、切削油剤(32)の供給作業を能率良く行うことができる。
【0097】
以上、この発明の一実施形態を説明したが、この発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【0098】
例えば、上記実施形態では、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の接合操作は、両接合部材(1)(2)の位置を固定しておき、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に表面側から埋入された回転しているプローブ(12)を、突合せ部(3)に沿って移動させることにより、行われているが、この発明では、回転しているプローブ(12)の位置を固定しておき、このプローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に表面側から埋入した状態に配置し、この状態で、突合せ部(3)が順次プローブ(12)を通過するように両接合部材(1)(2)を移動させることによって、突合せ部(3)の接合を行っても良い。この場合には、両接合部材(1)(2)の移動方向とは反対の方向が接合方向となり、またバイト(20)の位置は通常、固定されることとなる。
【0099】
なお、上記実施形態では、平削り用バイト(20)は、摩擦撹拌接合により接合された突合せ継手の接合部(5)の表面(5A)を切削するために用いられているが、この発明では、MIG溶接、TIG溶接、レーザ溶接等の溶融接合により接合が行われた突合せ継手の接合部の表面を切削するために用いても良い。もとより、このバイト(20)は重ね継手等のすみ肉接合部の表面を切削するために用いても良い。
【0100】
また、上記実施形態では、バイト(20)の第2切れ刃部(21b)の略半分部が第1接合部材(1)の表面に当てられるものであるが、この発明では、第2切れ刃部(21b)の端部だけが第1接合部材(1)の表面(1A)に当てられるものであっても良いし、第2切れ刃部(21b)の全部が第1接合部材(1)の表面(1A)に当てられるものであっても良い。
【0101】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例及び比較例を示す。
【0102】
<実施例>
平板状のアルミニウム合金製第1接合部材(材質:A5052−O、肉厚1mm)と、平板状のアルミニウム合金製第2接合部材(材質:同上、肉厚:2mm)とを準備した。
【0103】
接合工具(10)として、回転子(11)の端面(11a)における直径Dが12mm、プローブ(12)の直径が5mmのものを準備した。
【0104】
そして、両接合部材(1)(2)を裏面同士が面一に連なる態様で突合せ状に配置した。そして、上記実施形態に係る接合装置(50)を用い、上記実施形態で示した接合方法に従って、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合装置(50)の接合工具(10)のプローブ(12)によって突合せ部(3)に沿って接合しながら、接合部(5)の表面(5A)を接合装置(50)のバイト(20)によって切削した。
【0105】
<比較例>
従来の接合工具を用いて両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合した。この接合部の表面には何ら削り加工を施さなかった。
【0106】
実施例及び比較例で得られたそれぞれの突合せ継手において、リップルの高さ及び接合部の表面粗度(Ra及びRy)を測定した。また、<参照例>として、接合部材の接合される前の状態の表面粗度を測定した。この結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】
同表に示すように、比較例で得られた突合せ継手では、接合部の表面にはリップルが生じており、更には接合部の表面粗度が大きく表面状態が劣悪になっていた。
【0109】
これに対して、実施例で得られた突合せ継手においては、接合部の表面にはリップルが残存しておらず、更には表面粗度が著しく小さく、接合される前の状態の値と略同じになっていた。したがって、この発明によれば、表面状態の良好な突合せ継手を得ることができることを確認し得た。
【0110】
【発明の効果】
上述の次第で、第1発明によれば、接合部の表面を切削する平削り加工工程を含んでいるので、接合部の表面粗度を小さくすることができて表面状態を改善することができるし、接合部の表面状態に関する品質を安定させることができる。さらに、摩擦撹拌接合は固相接合の範疇に入ることから、この摩擦撹拌接合により接合予定部を接合することにより、接合に伴う熱歪みによる変形が少ない接合継手を得ることができる。
【0111】
また、両接合部材は厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置されるとともに、接合予定部は両接合部材の突合せ部である場合には、接合部の表面を、例えば、一方の接合部材の表面と他方の接合部材の表面とに跨る傾斜面に形成することができ、このため、接合部に作用することのある応力集中を緩和することができる。
【0112】
また、凸円弧状の第1切れ刃部と、該第1切れ刃部の一端に連設された直線状の第2切れ刃部と、第1切れ刃部の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部と、を有する切れ刃を持つ平削り用バイトを用いて、平削り加工を行う場合には、接合部の表面状態に関する品質を更に安定させることができるし、接合継手の強度的信頼性を向上させることができる。
【0113】
また、接合予定部を接合しながら、平削り加工を行う場合には、能率良く平削り作業を行うことができる。
【0114】
また、平削り用バイトを、プローブの両接合部材に対する移動動作に同期させて切削方向に移動させることにより、平削り加工を行う場合には、より一層能率良く平削り作業を行うことができる。
【0115】
また、接合部の表面の幅寸法と同寸か、あるいはこれより大寸に設定された刃長を有する切れ刃を持つ平削り用バイトを用いて、平削り加工を行う場合には、表面状態を確実に改善することができる。
【0116】
また、バイトの切れ刃の刃長は、接合部の表面の幅寸法より0〜20mm長く設定されている場合には、表面状態を更に確実に改善することができる。
【0117】
第2発明によれば、接合部の表面を切削する平削り加工工程を含んでいるので、接合部の表面粗度を小さくすることができて表面状態を改善することができるし、接合部の表面状態に関する品質を安定させることができる。さらに、平削り加工は、特定の切れ刃を持つ平削り用バイトを用いて、行われるので、両接合部材が厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置されている場合であっても、その突合せ部に形成された接合部を確実に切削することができて、その表面粗度を確実に小さくすることができる。
【0118】
第3発明によれば、表面状態の良好な接合継手を提供することができる。
【0119】
第4発明によれば、上記第1発明と同様の効果を奏し得る。
【0120】
第5発明によれば、上記第1発明又は第2発明に係る接合継手の製造方法、あるいは第4発明に係る摩擦撹拌接合法を能率良く遂行することができる。
【0121】
第6発によれば、表明状態の良好な接合継手を得ることができ、且つ接合継手の表面状態に関する品質の安定化を図ることのできる平削り用バイトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る接合継手の製造方法を説明する図で、2個の接合部材を突合せ状に配置した状態の横断面図である。
【図2】接合途中の状態を示す斜視図である。
【図3】接合途中の状態を示す要部拡大斜視図である。
【図4】接合途中の状態を示す側面図である。
【図5】バイト及び接合継手の要部拡大横断面図である。
【図6】接合継手を平削り加工後の状態で示す要部拡大横断面図である。
【符号の説明】
1…第1接合部材
2…第2接合部材
3…突合せ部(接合予定部)
5…摩擦撹拌接合部(接合部)
10…接合工具
12…プローブ
13…接合ヘッド
20…平削り用バイト
21…切れ刃
21a…第1切れ刃部
21b…第2切れ刃部
21c…第3切れ刃部
30…切削油剤供給装置
40…工具保持具
50…接合装置
Claims (24)
- 2個の接合部材(1)(2)の接合予定部(3)に表面側から接合工具(10)の回転しているプローブ(12)を埋入した状態に配置し、この状態で、プローブ(12)を接合予定部(3)に沿って両接合部材(1)(2)に対して相対的に移動させることにより、接合予定部(3)を摩擦撹拌接合し、接合継手を得る接合継手の製造方法であって、
接合部(5)の表面(5A)を切削する平削り加工工程を含んでいることを特徴とする接合継手の製造方法。 - 前記両接合部材(1)(2)は、厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置され、
前記接合予定部(3)は、前記両接合部材(1)(2)の突合せ部である請求項1記載の接合継手の製造方法。 - 凸円弧状の第1切れ刃部(21a)と、該第1切れ刃部(21a)の一端に連設された直線状の第2切れ刃部(21b)と、前記第1切れ刃部(21a)の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部(21c)と、を有する切れ刃(21)を持つ平削り用バイト(20)を用いて、前記平削り加工を行う請求項2記載の接合継手の製造方法。
- 接合部(5)の表面(5A)に前記第1切れ刃部(21a)を当てるとともに、両接合部材(1)(2)のうち該両接合部材の表面側から見て低位側に配置された接合部材(1)の表面(1A)に前記第2切れ刃部(21b)の少なくとも一部を当て、且つ、接合部(5)の表面(5A)と、両接合部材(1)(2)のうち該両接合部材の表面側から見て高位側に配置された接合部材(2)の表面(2A)とのなす角部(C2)に前記第3切れ刃部(21c)を当て、この状態で、前記バイト(20)を両接合部材(1)(2)に対して相対的に切削方向に移動させることにより、前記平削り加工を行う請求項3記載の接合継手の製造方法。
- 前記接合予定部(3)を接合しながら、前記平削り加工を行う請求項1又は2記載の接合継手の製造方法。
- 平削り用バイト(20)を、前記プローブ(12)の両接合部材(1)(2)に対する移動動作に同期させて切削方向(25)に移動させることにより、前記平削り加工を行う請求項5記載の接合継手の製造方法。
- 接合部(5)の表面(5A)の幅寸法(H)と同寸か、あるいはこれより大寸に設定された刃長(L)を有する切れ刃(21)を持つ平削り用バイト(20)を用いて、前記平削り加工を行う請求項1又は2記載の接合継手の製造方法。
- 前記バイト(20)の切れ刃(21)の刃長(L)は、接合部(5)の表面(5A)の幅寸法(H)より0〜20mm長く設定されている請求項7記載の接合継手の製造方法。
- 厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置された2個の接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を表面側から接合することにより、両接合部材(1)(2)を一体化して接合継手を得る接合継手の製造方法であって、
接合部(5)の表面(5A)を切削する平削り加工工程を含み、
前記平削り加工は、凸円弧状の第1切れ刃部(21a)と、該第1切れ刃部(21a)の一端に連設された直線状の第2切れ刃部(21b)と、前記第1切れ刃部(21a)の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部(21c)と、を有する切れ刃(21)を持つ平削り用バイト(20)を用いて、行われることを特徴とする接合継手の製造方法。 - 接合部(5)の表面(5A)に前記第1切れ刃部(21a)を当てるとともに、両接合部材(1)(2)のうち該両接合部材の表面側から見て低位側に配置された接合部材(1)の表面(1A)に前記第2切れ刃部(21b)の少なくとも一部を当て、且つ、接合部(5)の表面(5A)と、両接合部材(1)(2)のうち該両接合部材の表面側から見て高位側に配置された接合部材(2)の表面(2A)とのなす角部(C2)に前記第3切れ刃部(21c)を当て、この状態で、前記バイト(20)を両接合部材(1)(2)に対して相対的に切削方向に移動させることにより、前記平削り加工を行う請求項9記載の接合継手の製造方法。
- 前記接合予定部(3)を接合しながら、前記平削り加工を行う請求項9又は10記載の接合継手の製造方法。
- 前記バイト(20)を、前記プローブ(12)の両接合部材(1)(2)に対する移動動作に同期させて切削方向(25)に移動させることにより、前記平削り加工を行う請求項11記載の接合継手の製造方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項記載の接合継手の製造方法により得られたことを特徴とする接合継手。
- 接合部(5)の幅方向両側の表面(1A)(2A)間に段差を生じている請求項13記載の接合継手。
- プレス成形素材として用いられる請求項13又は14記載の接合継手。
- 2個の接合部材(1)(2)の接合予定部(3)に表面側から接合工具(10)の回転しているプローブ(12)を埋入した状態に配置し、この状態で、プローブ(12)を接合予定部(3)に沿って両接合部材(1)(2)に対して相対的に移動させることにより、接合予定部(3)を接合する摩擦撹拌接合法であって、
接合部(5)の表面(5A)を切削する平削り加工工程を含んでいることを特徴とする摩擦撹拌接合法。 - 2個の接合部材(1)(2)の接合予定部(3)を表面側から接合する接合ヘッド(13)を有する接合工具(10)を備え、
前記接合工具(10)は、前記接合ヘッド(13)を接合予定部(3)に沿って両接合部材(1)(2)に対して相対的に移動させることにより、接合予定部(3)を接合するものとなされた接合装置(50)であって、
接合部(5)の表面(5A)を切削するための平削り用バイト(20)を備え、
前記バイト(20)は、前記接合工具(10)の接合ヘッド(13)の両接合部材(1)(2)に対する移動動作に同期されて切削方向(25)に移動されるものとなされていることを特徴とする接合装置。 - 前記接合工具(10)は、摩擦撹拌接合用のものであり、前記接合ヘッド(13)として、両接合部材(1)(2)の接合予定部(3)に埋入される回転可能なプローブ(12)を有している請求項17記載の接合装置。
- 前記両接合部材(1)(2)は、厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置され、
前記接合予定部(3)は、前記両接合部材(1)(2)の突合せ部であり、
前記バイト(20)は、接合部(5)の表面(5A)を切削するための凸円弧状の第1切れ刃部(21a)と、該第1切れ刃部(21a)の一端に連設された直線状の第2切れ刃部(21b)と、前記第1切れ刃部(21a)の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部(21c)と、を有する切れ刃(21)を持つものである請求項17又は18記載の接合装置。 - 前記バイト(20)は、接合部(5)の表面(5A)の幅寸法(H)と同寸か、あるいはこれより大寸に設定された刃長(L)を有する切れ刃(21)を持つものである請求項17又は18記載の接合装置。
- 前記バイト(20)の切れ刃(21)の刃長(L)は、接合部(5)の表面(5A)の幅寸法(H)より0〜20mm長く設定されている請求項20記載の接合装置。
- 厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置された2個の接合部材(1)(2)の突合せ部(3)が表面側から接合されて、両接合部材(1)(2)が一体化されてなる接合継手の表面を切削するための平削り用バイト(20)であって、
接合部(5)の表面(5A)を切削するための凸円弧状の第1切れ刃部(21a)と、該第1切れ刃部(21a)の一端に連設された直線状の第2切れ刃部(21b)と、前記第1切れ刃部(21a)の他端に連設された凹円弧状の第3切れ刃部(21c)と、を有する切れ刃(21)を持つものであることを特徴とする平削り用バイト。 - 前記第2切れ刃部(21b)の少なくとも一部は、両接合部材(1)(2)のうち該両接合部材の表面側から見て低位側に配置された接合部材(1)の表面(1A)に当てられるものである請求項22記載の平削り用バイト。
- 前記第3切れ刃部(21c)は、接合部(5)の表面(5A)と、両接合部材(1)(2)のうち該両接合部材の表面側から見て高位側に配置された接合部材(2)の表面(2A)とのなす角部(C2)に当てられるものである請求項22又は23記載の平削り用バイト。
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JP2002198458A JP3859559B2 (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 接合継手の製造方法、接合継手、摩擦撹拌接合法、接合装置及び平削り用バイト |
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