JP6693861B2 - 医療機器用ハンドルおよび医療機器 - Google Patents
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Description
シースチューブを体内に導入するための装置として、下記の特許文献1には、二方向に偏向可能な部分および内腔を有するシャフト(シースチューブ)と、偏向用組立品(回転操作部)を有する制御ハンドルと、偏向可能な部分と制御ハンドルとの間を延びる引張部材(操作用ワイヤ)とを含むシース誘導機器が開示されている。
このシース誘導機器を構成する偏向用組立品(回転操作部)は、制御ハンドルの長手方向に直交する軸の回りを回転可能に設けられた偏向用アームを備えている。
このカテーテルの操作部を構成する回動部材(回転操作部)は、操作部(ハンドル)の長手方向の軸の周りを回転可能に設けられている。
かかる張力をキャンセルするために、引張操作している側の操作用ワイヤの引張長さに相当する長さだけ、引張操作していない側の操作用ワイヤを先端方向に繰り出す(押し出す)ことが考えられる。
このため、他方のワイヤを、一方のワイヤの引張長さに相当する長さ先端方向に繰り出してしまうと、繰り出された他方のワイヤがハンドルの内部で弛んでしまい、弛んだ状態のワイヤが、ハンドルの内部の構成部品に引っ掛かってハンドル操作(回転操作)を妨げたり、ワイヤ自体が断線したりすことが考えられる。
本発明の目的は、医療用チューブの先端を二方向に偏向させるために備えられた2本の操作用ワイヤのうち何れか一方を引張操作したときに、引張操作されていない他方の操作用ワイヤに作用する張力をキャンセルすることができ、しかも、ハンドルの内部において、他方の操作用ワイヤに弛みを生じさせない医療機器用ハンドルを提供することにある。 本発明の他の目的は、そのような医療機器用ハンドルと医療用チューブとを備え、当該医療用チューブの先端を二方向に偏向させることのできる医療機器を提供することにある。
前記ハウジングの長手方向の軸の周りを回転可能に設けられる回転操作部と、
前記ハウジングの内部に配置されて前記回転操作部の操作方向に回転するシャフトであって、互いにリードの等しい右ねじおよび左ねじが外周面の同じ領域に形成されている回転シャフトと、
前記回転シャフトの前記右ねじおよび前記左ねじのいずれか一方に螺合可能なねじが内周面に形成された樋状部を有し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を時計方向に回転操作することにより、ホームポジションから前記回転シャフトに沿って基端方向に移動し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を反時計方向に回転操作することにより、前記ホームポジションから前記回転シャフトに沿って先端方向に移動する第1スライダと、
前記回転シャフトの前記右ねじおよび前記左ねじのいずれか他方に螺合可能なねじが内周面に形成された樋状部を有し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を時計方向に回転操作することにより、前記第1スライダの移動距離と等しい距離をホームポジションから前記回転シャフトに沿って先端方向に移動し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を反時計方向に回転操作することにより、前記第1スライダの移動距離と等しい距離を前記ホームポジションから前記回転シャフトに沿って基端方向に移動する第2スライダと、
前記第1スライダの基端側において前記第1スライダと接離可能に配置され、前記チューブの先端を第1方向に偏向させるための第1操作用ワイヤの基端部が固定され、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに位置するニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動可能であり、前記第1スライダが基端方向に移動するときに、前記第1スライダと接触しながら前記回転シャフトに沿って基端方向に移動する第1アンカーと、
前記第2スライダの基端側において前記第2スライダと接離可能に配置され、前記チューブの先端を第2方向に偏向させるための第2操作用ワイヤの基端部が固定され、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに位置するニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動可能であり、前記第2スライダが基端方向に移動するときに、前記第2スライダと接触しながら前記回転シャフトに沿って基端方向に移動する第2アンカーと、を備えてなることを特徴とする。
また、本発明の医療機器用ハンドルにおいて、前記ハウジングの内部に前記第1アンカーの案内路および前記第2アンカーの案内路が形成されていることが好ましい。
このような構成の医療機器用ハンドルによれば、第1アンカーおよび第2アンカーが、それぞれの案内路を通って移動することができ、移動時のガタツキおよびハンドル内部における他の構成部品との干渉などを防止することができる。
しかも、第1スライダと第1アンカーとが接離可能であり、第2スライダと第2アンカーとが接離可能であるので、第1操作用ワイヤまたは第2操作用ワイヤを引張操作したときに、ハンドル(ハウジング)の内部において、引張操作されていない第2操作用ワイヤまたは第1操作用ワイヤに弛みを生じさせることはない。
<第1実施形態>
図1〜図4に示すシース装置は、図示しないカテーテルシャフトを、患者の体内に挿入する際に、これに先行してシースチューブ60を体内に導入するための装置である。
このシース装置は、先端可撓部分60Aを有するシースチューブ60と、本実施形態の医療機器用ハンドルである制御ハンドル100と、シースチューブ60の先端を第1方向D1に偏向させるための第1操作用ワイヤ71と、シースチューブ60の先端を第2方向D2に偏向させるための第2操作用ワイヤ72と、枝管(サイドアーム)81と、三方活栓82とを備えている。
シースチューブ60の外径は、通常2.0〜5.0mmとされ、好ましくは2.6〜4.3mmとされる。また、シースチューブ60の内径は、通常1.6〜4.3mmとされ好ましくは2.0〜2.8mmとされる。
シースチューブ60の長さは、例えば500〜800mmとされ、先端可撓部分60Aの長さは、例えば20〜150mmとされる。
なお、図3および図4における点線45は、ホームポジションに位置しているときの第1スライダ41および第2スライダ42の基端位置を示している。
なお、図3および図4における一点鎖線55は、ニュートラルポジションに位置しているときの第1アンカー51および第2アンカー52の中心位置を示している。
第1アンカー51は、第1スライダ41と接触しながら(第1スライダ41に押されることによって)基端方向に移動し、第1操作用ワイヤ71からの引張力を受けて先端方向に移動することができる。
第2アンカー52は、第2スライダ42と接触しながら(第2スライダ42に押されることによって)基端方向に移動し、第2操作用ワイヤ72からの引張力を受けて先端方向に移動する。
第1アンカー51および第2アンカー52が、それぞれの案内路13および案内路14を通って移動することにより、移動時のガタツキやハウジング10の内部における他の構成部品との干渉を防止することができる。
ここに、第1スライダ41が基端方向に移動する距離(送り量)と、第2スライダ42が先端方向に移動する距離(送り量)とは等しい。
第1アンカー51が基端方向に移動することにより、第1操作用ワイヤ71の基端部が引っ張られ、先端可撓部分60Aが直線状態から第1方向D1に撓んで、シースチューブ60の先端が同方向に偏向する。
なお、制御ハンドル100(ハウジング10)を軸の周りに回転させることによって、制御ハンドル100に対する第1方向D1の向きを自由に設定することができる。
ここに、第1スライダ41が先端方向に移動する距離(送り量)と、第2スライダ42が基端方向に移動する距離(送り量)とは等しい。
第2アンカー52が基端方向に移動することにより、第2操作用ワイヤ72の基端部が引っ張られ、先端可撓部分60Aが直線状態から第2方向D2に撓んで、シースチューブ60の先端が同方向に偏向する。
なお、制御ハンドル100(ハウジング10)を軸の周りに回転させることによって、制御ハンドル100に対する第2方向D2の向きを自由に設定することができる。
同図に示す状態において、第2スライダ42がホームポジションから基端方向に移動した距離は、第2アンカー52がニュートラルポジションから基端方向に移動した距離と同じであるのに対して、第1スライダ41がホームポジションから先端方向に移動した距離は、第1アンカー51がニュートラルポジションから先端方向に移動した距離(第1操作用ワイヤ71に作用する張力がキャンセルされるために必要な移動距離)より長く、第1スライダ41は、第1アンカー51から離間している。
シースチューブ60の導入方法としては、シースチューブ60のルーメンにダイレータ(図示せず)を挿入し、ダイレータと一体化させたシースチューブ60を患者の血管内に挿入し、制御ハンドル100の回転操作部20によって先端偏向操作を行いながら、予め挿入されているガイドワイヤに沿って、シースチューブ60を目的部位(患部)に向けて移動させる。シースチューブ60の先端開口が目的部位(患部)の近傍に到達したところで、ダイレータおよびガイドワイヤを抜去する。これにより、シースチューブ60の先端部分が患者の体内に留置される。
このようにして体内に導入されたシースチューブ60を利用して、カテーテルシャフトなどを体内に挿入することができる。
図7および図8に示すシース装置は、先端可撓部分260Aを有するシースチューブ260と、本実施形態の医療機器用ハンドルである制御ハンドル200と、シースチューブ260の先端を第1方向D1に偏向させるための第1操作用ワイヤ271と、シースチューブ260の先端を第2方向D2に偏向させるための第2操作用ワイヤ272と、枝管(サイドアーム)81と、三方活栓82とを備えている。
なお、図7および図8における点線245は、ホームポジションに位置しているときの第1スライダ241および第2スライダ242の基端位置を示している。
一方、第1操作用ワイヤ271の先端部は、シースチューブ260の先端部に固定されている。
一方、第2操作用ワイヤ272の先端部は、シースチューブ260の先端部(第1操作用ワイヤ271の先端部の固定位置と対向する周方向位置)に固定されている。
なお、図7および図8における一点鎖線255は、ニュートラルポジションに位置しているときの第1アンカー251および第2アンカー252の中心位置を示している。
第1アンカー251は、第1スライダ241と接触しながら(第1スライダ241に押されることによって)基端方向に移動し、第1操作用ワイヤ271からの引張力を受けて先端方向に移動する。
第2アンカー252は、第2スライダ242と接触しながら(第2スライダ242に押されることによって)基端方向に移動し、第2操作用ワイヤ272からの引張力を受けて先端方向に移動することができる。
ここに、第1スライダ241が基端方向に移動する距離(送り量)と、第2スライダ242が先端方向に移動する距離(送り量)とは等しい。
第1アンカー251が基端方向に移動することにより、第1操作用ワイヤ271の基端部が引っ張られ、先端可撓部分260Aが直線状態から第1方向D1に撓んで、シースチューブ260の先端が同方向に偏向する。
ここに、第1スライダ241が先端方向に移動する距離(送り量)と、第2スライダ242が基端方向に移動する距離(送り量)とは等しい。
第2アンカー252が基端方向に移動することにより、第2操作用ワイヤ272の基端部が引っ張られ、先端可撓部分260Aが直線状態から第2方向D2に撓んで、シースチューブ260の先端が同方向に偏向する。
また、本発明の制御ハンドルが装着されるチューブは、シースチューブに限定されず、診断・治療などに直接使用されるカテーテルシャフトであってもよい。
10,210 ハウジング
11 第1スライダのガイドレール
12 第2スライダのガイドレール
13 第1アンカーの案内路
14 第2アンカーの案内路
15 接続部材
20,220 回転操作部
30,230 回転シャフト
41,241 第1スライダ
411,246 樋状部
412 角柱状部
413 連結部
42,242 第2スライダ
421,247 樋状部
422 角柱状部
423 連結部
51,251 第1アンカー
52,252 第2アンカー
60,260 シースチューブ
60A,260A 先端可撓部分
71,271 第1操作用ワイヤ
72,272 第2操作用ワイヤ
81 枝管(サイドアーム)
82 三方活栓
Claims (6)
- 先端可撓部分を有するチューブの基端部が内部に挿入されるハウジングと、
前記ハウジングの長手方向の軸の周りを回転可能に設けられる回転操作部と、
前記ハウジングの内部に配置されて前記回転操作部の操作方向に回転するシャフトであって、互いにリードの等しい右ねじおよび左ねじが外周面の同じ領域に形成されている回転シャフトと、
前記回転シャフトの前記右ねじおよび前記左ねじのいずれか一方に螺合可能なねじが内周面に形成された樋状部を有し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を時計方向に回転操作することにより、ホームポジションから前記回転シャフトに沿って基端方向に移動し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を反時計方向に回転操作することにより、前記ホームポジションから前記回転シャフトに沿って先端方向に移動する第1スライダと、
前記回転シャフトの前記右ねじおよび前記左ねじのいずれか他方に螺合可能なねじが内周面に形成された樋状部を有し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を時計方向に回転操作することにより、前記第1スライダの移動距離と等しい距離をホームポジションから前記回転シャフトに沿って先端方向に移動し、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに前記回転操作部を反時計方向に回転操作することにより、前記第1スライダの移動距離と等しい距離を前記ホームポジションから前記回転シャフトに沿って基端方向に移動する第2スライダと、
前記第1スライダの基端側において前記第1スライダと接離可能に配置され、前記チューブの先端を第1方向に偏向させるための第1操作用ワイヤの基端部が固定され、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに位置するニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動可能であり、前記第1スライダが基端方向に移動するときに、前記第1スライダと接触しながら前記回転シャフトに沿って基端方向に移動する第1アンカーと、
前記第2スライダの基端側において前記第2スライダと接離可能に配置され、前記チューブの先端を第2方向に偏向させるための第2操作用ワイヤの基端部が固定され、前記チューブの前記先端可撓部分が直線状態にあるときに位置するニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動可能であり、前記第2スライダが基端方向に移動するときに、前記第2スライダと接触しながら前記回転シャフトに沿って基端方向に移動する第2アンカーと、
を備えてなることを特徴とする医療機器用ハンドル。 - 前記第1スライダおよび前記第2スライダは、前記右ねじおよび前記左ねじが形成されている前記回転シャフトの前記領域内を基端方向または先端方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の医療機器用ハンドル。
- 前記ハウジングの内部に前記第1アンカーの案内路および前記第2アンカーの案内路が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の医療機器用ハンドル。
- 前記回転操作部が前記ハウジングの基端側に位置していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の医療機器用ハンドル。
- 前記回転操作部が前記ハウジングの先端側に位置していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の医療機器用ハンドル。
- 請求項1〜5の何れかに記載のハンドルと、
先端可撓部分を有し、前記ハンドルの前記ハウジングの内部に基端部が挿入された医療用チューブとを備えてなることを特徴とする医療機器。
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