実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。第1保留記憶表示部9aには、第1保留記憶の各々に対応して第1保留表示が表示される。また、第2保留記憶表示部9bには、第2保留記憶の各々に対応して第2保留表示が表示される。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。また、下側左右には、モータ87(図4参照)が回転すると移動する演出羽根役物79a,79bが設けられている。可動部材78や演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出やスーパーリーチ演出が実行されるときに動作する。なお、予告演出やスーパーリーチ演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出において可動部材78や演出羽根役物79a,79bが動作するようにしてもよい。
さらに、演出表示装置9の下方には、飛行機の形状を模した可動部材76が設けられており、モータ85(図2および図4参照)が回転すると可動部材76が移動および展開動作する。この実施の形態では、後述するように、役物予告演出が実行されるときに可動部材76が動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、飛行機の形状を模した可動部材76の動作位置を説明するための説明図である。可動部材76は、移動動作することによって演出表示装置9の表示画面と重複しない退避位置(初期位置)から、演出表示画面9の表示画面の一部と重複する進出位置まで動作することが可能である。図2(A)は可動部材76が退避位置にある状態を示しており、図2(B)は可動部材76が進出位置にある状態を示している。
図2に示すように、可動部材76の右方の遊技盤6内部にはモータ85が設けられている。モータ85の回転軸は可動部材76を連結して回転動作させるためのギア部85bなどに接続され、モータ85を順方向に駆動動作させることによって、可動部材76を図2(A)に示す退避位置から図2(B)に示す進出位置まで移動動作させることができる。また、モータ85を逆方向に駆動動作させれば、図2(B)に示す進出位置から図2(A)に示す退避位置まで移動動作させることができる。
なお、この実施の形態では、可動部材76とモータ85とを繋ぐ支柱部76Xはアクリル樹脂など透明な部材で形成されており、図2(B)に示す進出位置まで可動部材76が動作した状態であっても、演出表示装置9と支柱部76Xとが重なっている部分について表示画面の演出表示が透けて見えるようになっている。
また、図2では図示を省略しているが、この実施の形態では、ギア部85bは複数のギア(例えば、進出位置や退避位置まで移動動作させるためのギアと展開動作させるためのギア)を備えており、図2(B)に示すように進出位置まで可動部材76を動作させるとギア部85bのギアを切り替え、後述するように、可動部材76を展開動作(本例では、飛行機の主翼を広げたり飛行機の先端部を突出させたりする動作)を行うことが可能に構成されている。
また、図2に示すように、モータ85の近傍には、可動部材76の位置を検出するための第1位置センサ81および第2位置センサ82が設けられている。この実施の形態では、モータ85のギア部85bに突起部85aが設けられており、図2(A)に示すように可動部材76が退避位置である場合には突起部85aが第2位置センサ82に位置し、図2(B)に示すように可動部材76が進出位置である場合には突起部85aが第1位置センサ81に位置するように構成されている。この実施の形態では、第1位置センサ81および第2位置センサ82は光センサによって実現され、可動部材76が退避位置である場合には、図2(A)に示すように、第2位置センサ82の光線が突起部85aによって遮蔽されることにより第2位置センサ82がオン状態となる。また、可動部材76が進出位置である場合には、図2(B)に示すように、第1位置センサ81の光線が突起部85aによって遮蔽されることにより第1位置センサ81がオン状態となる。
なお、この実施の形態では、第1位置センサ81や第2位置センサ82が光センサによって実現される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1位置センサ81や第2位置センサ82を近接スイッチなどの物理的なセンサで実現してもよく、何らかの形式で可動部材76の位置を検出できるものであればよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材76を動作させるためのモータ85を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、第1位置センサ81および第2位置センサ82からの検出信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図10参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU56は、所定のウエイト時間が経過したか否かを確認する(ステップS50)。この実施の形態では、後述するように、遊技機への電源投入時に演出制御用マイクロコンピュータ100によって可動部材初期動作処理(ステップS702参照)が実行され、可動部材76の初期動作が実行される。そのため、この実施の形態では、ステップS50の処理が実行されることによって、所定のウエイト時間(例えば、10秒)が経過するまで待ってからステップS16以降の処理に移行するように制御され、可動部材76の初期動作が終了するまで十分な時間を経過してから遊技が開始可能となるように構成されている。
なお、可動部材76の初期動作中であっても、第1特別図柄や、第2特別図柄、演出図柄の変動表示を実行可能に構成し、可動部材76の初期動作と変動表示とを並行して実行可能に構成してもよい。そのように構成すれば、ステップS50のウエイト処理は不要となる。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了し、所定のウエイト時間が経過(ステップS50参照)すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図7に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図9(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図9(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図9(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図9(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図9(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図9(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当り(2ラウンドの大当り)と、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての通常大当りおよび確変大当り(15ラウンドの大当り)とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態(高ベース状態)に移行させる大当りである(後述するステップS167,168参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を100回終了すると時短状態が終了する(後述するステップS168,S137〜140参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、100回の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10および図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10および図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10および図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図12および図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図23参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図14(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図14(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図14(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図15は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図15に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215A)。
次に、図14(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215B)。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図9(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図18は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、この実施の形態では、通常大当りにもとづく大当り遊技終了時に時短状態に移行されるときに時短フラグがセットされるとともに、確変大当りにもとづく大当り遊技終了時にも確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行されることから時短フラグがセットされる。従って、ステップS95でYと判定された場合には、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後に時短状態にのみ制御されているときに加えて、確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に確変状態とともに時短状態に制御されているときがある。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として短縮用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図7参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図19は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当り遊技が通常大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば(ステップS166のY)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合でなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
なお、この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、確変状態に制御される場合には時短状態にも制御されることから、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、および確変状態(高確率/高ベース状態)の3つの状態があることになる。
図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、可動部材76の初期動作を実行する可動部材初期動作処理を行う(ステップS702)。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS707)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS703に移行する。
図25は、可動部材初期動作処理(ステップS702)の具体例を示すフローチャートである。可動部材初期動作処理において、演出制御用CPU101は、まず、第2位置センサ82からの検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS201)。ステップS201で第2位置センサ82からの検出信号を入力していれば(すなわち、可動部材76が既に退避位置(初期位置)に位置していれば(図2(A)参照))、演出制御用CPU101は、可動部材76を順方向に移動動作中であることを示す順方向動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS202)。順方向動作中フラグがセットされていなければ(ステップS202のN)、演出制御用CPU101は、可動部材76を逆方向に移動動作中であることを示す逆方向動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS203)。逆方向動作中フラグもセットされていなければ(ステップS203のN)、演出制御用CPU101は、モータ85の順方向への駆動を開始し、可動部材76の順方向への移動動作を開始する(ステップS204)。また、演出制御用CPU101は、順方向動作中フラグをセットする(ステップS205)。そして、ステップS202に移行する。
ステップS202で順方向動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材76を順方向に移動動作中であれば)、演出制御用CPU101は、第1位置センサ81からの検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS206)。第1位置センサ81からの検出信号を入力していなければ(ステップS206のN)、ステップS202に戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS206で第1位置センサ81からの検出信号を入力していれば(すなわち、可動部材76が進出位置まで移動動作していれば(図2(B)参照))、演出制御用CPU101は、モータ85の順方向への駆動を停止し、逆方向への駆動を開始して、可動部材76の逆方向への移動動作を開始する(ステップS207)。また、演出制御用CPU101は、順方向動作中フラグをリセットする(ステップS208)とともに、逆方向動作中フラグをセットする(ステップS209)。そして、ステップS202に移行する。
ステップS203で逆方向動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材76を逆方向に移動動作中であれば)、演出制御用CPU101は、第2位置センサ82からの検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS210)。第2位置センサ82からの検出信号を入力していなければ(ステップS210のN)、ステップS202に戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS210で第2位置センサ82からの検出信号を入力していれば(すなわち、可動部材76が退避位置(初期位置)まで移動動作していれば(図2(A)参照))、演出制御用CPU101は、モータ85の逆方向への駆動を停止し、可動部材76の移動動作を停止する(ステップS211)。また、演出制御用CPU101は、逆方向動作中フラグをリセットし(ステップS212)、可動部材初期動作処理を終了する。
以上の処理が実行されることによって、この実施の形態では、遊技機への電源供給が開始されるときに、可動部材76が既に退避位置(初期位置)に位置していれば、可動部材76を一旦進出位置(図2(B)参照)まで移動動作させた後、退避位置(初期位置)(図2(A)参照)まで移動動作させて停止させる初期動作を実行し、可動部材76が退避位置(初期位置)である状態から遊技を開始可能とするように構成されている。
一方、ステップS201で第2位置センサ82からの検出信号を入力していなければ(すなわち、可動部材76が退避位置(初期位置)になければ)、演出制御用CPU101は、逆方向動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS213)。逆方向動作中フラグがセットされていなければ(ステップS213のN)、演出制御用CPU101は、モータ85の逆方向への駆動を開始して、可動部材76の逆方向への移動動作を開始する(ステップS214)。また、演出制御用CPU101は、逆方向動作中フラグをセットする(ステップS215)。そして、ステップS213に移行する。
ステップS213で逆方向動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材76を逆方向に移動動作中であれば)、演出制御用CPU101は、第2位置センサ82からの検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS216)。第2位置センサ82からの検出信号を入力していなければ(ステップS216のN)、ステップS213に戻り、ステップS213以降の処理を繰り返す。ステップS216で第2位置センサ82からの検出信号を入力していれば(すなわち、可動部材76が退避位置(初期位置)まで移動動作していれば(図2(A)参照))、演出制御用CPU101は、モータ85の逆方向への駆動を停止し、可動部材76の移動動作を停止する(ステップS217)。また、演出制御用CPU101は、逆方向動作中フラグをリセットし(ステップS218)、ステップS202に移行する。
ステップS213〜S218の処理が実行されることによって、この実施の形態では、遊技機への電源供給が開始されるときに、可動部材76が退避位置(初期位置)になければ、直ちに初期動作を実行するのではなく、可動部材76を現在の位置から一旦退避位置(初期位置)(図2(A)参照)まで移動動作させる。そして、可動部材76が退避位置(初期位置)にある状態としてから、ステップS202に移行してステップS202〜S212の処理を実行し、可動部材76を一旦進出位置(図2(B)参照)まで移動動作させた後、退避位置(初期位置)(図2(A)参照)まで移動動作させて停止させる初期動作を実行し、可動部材76が退避位置(初期位置)である状態から遊技を開始可能とするように構成されている。
なお、この実施の形態では、ステップS214においてモータ85を逆方向に駆動させ可動部材76を逆方向に移動動作させることによって一旦退避位置(初期位置)まで動作させる場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、可動部材の初期位置が遊技領域7の中央付近に位置し、その初期位置から左右両方向に可動部材が移動動作可能に構成されている場合には、一方向にのみモータを駆動させても適切に初期位置に戻すことができない場合がある。そのような場合には、まずモータを一方向に駆動して、例えば、可動部材を左方向に移動動作させ、所定のステップ数以内の動作で初期位置用の位置センサで検出できれば初期位置に到達したものとしてモータの駆動を停止し可動部材の動作を停止するようにしてもよい。また、所定のステップ数以内の動作で初期位置用の位置センサで検出できなければ、モータを逆方向に駆動して、例えば、可動部材を右方向に移動動作させ、初期位置用の位置センサで検出できれば初期位置に到達したものとしてモータの駆動を停止し可動部材の動作を停止するようにしてもよい。そして、その後、可動部材の所定の初期動作を実行するように構成すればよい。
また、この実施の形態では、後述するように、演出図柄の変動表示中に役物予告演出が実行される際に可動部材76が動作される場合には、演出表示装置9においてエフェクト画像やシャドウ画像の動画表示が行われる(後述するステップS8119,S8120参照)のであるが、図25に示すように、可動部材76の初期動作を行う場合には特にエフェクト画像やシャドウ画像の動画表示を行う処理は行われない。そのように、可動部材76の初期動作中にエフェクト画像やシャドウ画像を表示してしまったのでは、却って可動部材76の初期動作の視認性が損なわれてしまうおそれがあることから、この実施の形態では、可動部材76の初期動作中はエフェクト画像やシャドウ画像の表示を行わないようにし、可動部材76の初期動作の視認性を確保できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図25に示すように、可動部材76の初期動作では、可動部材76を一旦進出位置まで移動動作させた後、退避位置(初期位置)まで移動動作させるのみで、後述する可動部材76の展開動作(後述するステップS8116参照)までは行わない場合を示したが、初期動作においても役物予告演出が実行される際と同様の態様により展開動作も行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可動部材76のみについて初期動作を実行する場合を示したが、この実施の形態で示した態様にかぎらず、可動部材78や演出羽根役物79a,79bについても電源投入時に初期動作を行い、初期位置である状態から遊技を開始可能に構成することが望ましい。
さらに、可動部材初期動作処理において所定期間が経過してもステップS210において第2位置センサ82からの検出信号を入力できなければ、可動部材エラーと判定して可動部材初期動作を終了し、所定のエラー処理(例えば、演出表示装置9においてエラー画面を表示したり、エラー信号を外部出力したりする)を行うように構成してもよい。
図26は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10および図11参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図27は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A002(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。この場合、例えば、大当り開始1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A302(H))であれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。この場合、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))であれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS629)。そして、ステップS611に移行する。
図28は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図29は、図28に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図29に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図30は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図31は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図31に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、この実施の形態では、確変大当りとなる場合には左中右が奇数図柄で揃った状態で停止表示されることから、奇数図柄は確変大当りとなることを想起させる。そのように確変大当りとなることを想起させる図柄を確変図柄という。一方、この実施の形態では、通常大当りとなる場合には左中右が偶数図柄で揃った状態で停止表示されることから、偶数図柄は確変大当りとならない(通常大当りとなる)ことを想起させる。そのように確変大当りとならないことを想起させる図柄を非確変図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において各種予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。この実施の形態では、ステップS8003において、演出制御用CPU101は、少なくとも、可動部材76の動作を伴う役物予告演出の有無を決定する。なお、役物予告演出にかぎらず、ステップアップ予告演出や、キャラクタ予告演出、ミニキャラ予告演出、ボタン予告演出、群予告演出など他の予告演出を実行可能に構成してもよい。
ステップS8003では、演出制御用CPU101は、例えば、予告演出の有無や種類を決定するための予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、予告演出の有無や種類(特に、役物予告演出を実行するか否か)を決定する。なお、この実施の形態では、例えば、大当り用の予告演出決定テーブルとはずれ用の予告演出決定テーブルとを用意し、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、高い割合で予告演出(特に、役物予告演出)を実行すると決定するものとする。また、さらに、例えば、はずれの場合であっても、スーパーリーチはずれ用の予告演出決定テーブルとその他のはずれ用の予告演出決定テーブルとを用意し、スーパーリーチとなる場合には、スーパーリーチとならない場合と比較して、高い割合で予告演出(特に、役物予告演出)を実行すると決定するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、および予告演出の実行を決定した場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS8004で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図33および図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、役物予告演出を実行することに決定されているか否かを確認する(ステップS8106)。なお、役物予告演出を実行するか否かは、例えば、予告演出設定処理(ステップS8003参照)において役物予告演出を実行することに決定した場合に、役物予告演出の実行を決定したことを示す役物予告演出決定フラグを設定するようにし、ステップS8106において、その役物予告演出決定フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。役物予告演出を実行することに決定されていなければ、そのままステップS8140に移行する。
役物予告演出を実行することに決定されていれば、演出制御用CPU101は、可動部材76を順方向に移動動作中であることを示す順方向動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8107)。順方向動作中フラグがセットされていなければ(ステップS8107のN)、演出制御用CPU10は、可動部材76を展開動作済みであることを示す展開済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8108)。展開済フラグもセットされていなければ(ステップS8108のN)、演出制御用CPU101は、可動部材76の展開動作後に実行する演出(本例では、エフェクト画像やシャドウ画像の動画表示)の実行中であることを示す展開後演出中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8109)。展開後演出中フラグもセットされていなければ(ステップS8109のN)、演出制御用CPU101は、可動部材76の動作開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8110)。なお、可動部材76の動作開始タイミングとなっているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8007でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。可動部材76の動作開始タイミングとなっていなければ(ステップS8110のN)、そのままステップS8140に移行する。
可動部材76の動作開始タイミングとなっていれば(ステップS8110のY)、演出制御用CPU101は、モータ85の順方向への駆動を開始し、可動部材76の順方向への移動動作を開始する(ステップS8111)。また、演出制御用CPU101は、順方向動作中フラグをセットする(ステップS8112)。
次いで、演出制御用CPU101は、可動部材76の動作に応じた発光パターンに従って装飾LED25や枠LED28の発光を開始する制御を行う(ステップS8113)。また、演出制御用CPU101は、スピーカ27から可動部材76の動作に応じた演出音の出力を開始する制御を行う(ステップS8114)。そして、ステップS8140に移行する。
ステップS8107で順方向動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材76を順方向に移動動作中であれば)、演出制御用CPU101は、第1位置センサ81からの検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS8115)。第1位置センサ81からの検出信号を入力していなければ(ステップS8115のN)、ステップS8140に移行する。ステップS8115で第1位置センサ81からの検出信号を入力していれば(すなわち、可動部材76が進出位置まで移動動作していれば(図2(B)参照))、演出制御用CPU101は、可動部材76の展開動作を行う(ステップS8116)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、可動部材76の進出位置までの移動動作が完了すると、モータ85の順方向への駆動動作を一旦停止し、モータ85のギア部85bのギアを切り替え、さらにモータ85を順方向に駆動動作させることによって可動部材76を展開動作させる。この実施の形態では、例えば、可動部材76を展開動作させることによって、飛行機の形状を模した可動部材76において飛行機の先端部を突出させたり飛行機の主翼を広げたりする動作が行われる。また、演出制御用CPU101は、順方向動作中フラグをリセットする(ステップS8117)とともに、展開済フラグをセットする(ステップS8118)。そして、ステップS8140に移行する。
ステップS8108で展開済フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材76の展開動作済みであれば)、演出制御用CPU101は、モータ85の順方向への駆動を停止し、可動部材76の動作を停止する(ステップS8119)。また、演出制御用CPU101は、展開済フラグをリセットする(ステップS8120)。
なお、この実施の形態では、具体的な説明を省略しているが、例えば、可動部材76やモータ85に可動部材の展開動作の完了を検出するためのセンサを備えるように構成し、そのセンサからの検出信号を入力したことにもとづいて可動部材76の展開動作が完了したと判定されてステップS8118で展開済フラグがセットされ、ステップS8119が実行されて可動部材76の動作が停止される。
なお、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、センサを用いることなく、あらかじめ定められた時間(例えば、1秒間)モータ85を駆動させたことにもとづいて可動部材76の展開動作を完了したと判定し、展開済フラグをセットするとともに可動部材76の動作が停止されるように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、可動部材76の動作に応じた発光パターンに従って装飾LED25や枠LED28の発光を停止する制御を行う(ステップS8121)。また、演出制御用CPU101は、スピーカ27から可動部材76の動作に応じた演出音の出力を停止する制御を行う(ステップS8122)。
なお、装飾LED25や枠LED28の発光を停止したり演出音の出力を停止したりしないようにしてもよく、そのまま装飾LED25や枠LED28の発光および演出音の出力を継続するように構成してもよい。また、例えば、可動部材76の展開動作を完了すると、それまでとは異なる発光態様により装飾LED25や枠LED28を発光させたり、異なる演出音を出力させたりするように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてエフェクト画像の動画表示を開始する制御を行う(ステップS8123)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてシャドウ画像の動画表示を開始する制御を行う(ステップS8124)。また、演出制御用CPU101は、展開後演出中フラグをセットする(ステップS8125)。そして、ステップS8140に移行する。
なお、この実施の形態では、エフェクト画像やシャドウ画像を動画表示により表示する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、エフェクト画像やシャドウ画像に応じたプロセスデータに切り替えてプロセスタイマを再スタートさせることにより、エフェクト画像やシャドウ画像を表示するように構成してもよい。また、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8004において、あらかじめ可動部材76展開動作を完了したタイミングでエフェクト画像やシャドウ画像の表示を開始するように構成されたプロセステーブルを選択するようにし、そのプロセステーブルに従ってステップS8105の処理が実行されることによってエフェクト画像やシャドウ画像を表示するように構成してもよい。
ステップS8109で展開後演出中フラグがセットされていれば(すなわち、エフェクト画像やシャドウ画像の動作表示の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、可動部材76を収納動作済みであることを示す収納済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8126)。収納済フラグがセットされていなければ(ステップS8126のN)、演出制御用CPU101は、可動部材76を逆方向に移動動作中であることを示す逆方向動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8127)。逆方向動作中フラグもセットされていなければ(ステップS8127のN)、演出制御用CPU101は、エフェクト画像やシャドウ画像の動画表示の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8128)。なお、エフェクト画像やシャドウ画像の動画表示の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8007でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。エフェクト画像やシャドウ画像の動画表示の終了タイミングとなっていなければ(ステップS8128のN)、そのままステップS8140に移行する。
エフェクト画像やシャドウ画像の動画表示の終了タイミングとなっていれば(ステップS8128のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてエフェクト画像の動画表示を終了する制御を行う(ステップS8129)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてシャドウ画像の動画表示を終了する制御を行う(ステップS8130)。また、演出制御用CPU101は、展開後演出中フラグをリセットする(ステップS8131)。
次いで、演出制御用CPU101は、可動部材76の収納動作を行う(ステップS8132)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、可動部材76の展開動作を行ったときのギアのままでモータ85を逆方向に駆動動作させることによって可動部材76を収納動作させる。この実施の形態では、例えば、可動部材76を収納動作させることによって、飛行機の形状を模した可動部材76において飛行機の先端部を収納され飛行機の主翼が収納される動作が行われる。また、演出制御用CPU101は、収納済フラグをセットする(ステップS8133)。そして、ステップS8140に移行する。
ステップS8126で収納済フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材76の収納動作済みであれば)、演出制御用CPU101は、モータ85の逆方向への駆動を継続して、可動部材76の逆方向への移動動作を開始する(ステップS8134)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、可動部材76の収納動作を完了すると、モータ85のギア部85bのギアを切り替え、さらにモータ85を逆方向に駆動動作させることによって可動部材76を逆方向へ移動動作させる。また、演出制御用CPU101は、収納済フラグをリセットする(ステップS8135)とともに、逆方向動作中フラグをセットする(ステップS8136)。
なお、この実施の形態では、具体的な説明を省略しているが、例えば、可動部材76やモータ85に可動部材の収納動作の完了を検出するためのセンサを備えるように構成し、そのセンサからの検出信号を入力したことにもとづいて可動部材76の収納動作が完了したと判定されてステップS8133で収納済フラグがセットされ、ステップS8134が実行されて可動部材76の逆方向への移動動作が開始される。
なお、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、センサを用いることなく、あらかじめ定められた時間(例えば、1秒間)モータ85を駆動させたことにもとづいて可動部材76の収納動作を完了したと判定し、収納済フラグをセットするとともに可動部材76の逆方向への移動動作が開始されるように構成してもよい。
ステップS8127で逆方向動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材76を逆方向に移動動作中であれば)、演出制御用CPU101は、第2位置センサ82からの検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS8137)。第2位置センサ82からの検出信号を入力していなければ(ステップS8137のN)、ステップS8140に移行する。ステップS8137で第2位置センサ82からの検出信号を入力していれば(すなわち、可動部材76が退避位置(初期位置)まで移動動作していれば(図2(A)参照))、演出制御用CPU101は、モータ85の逆方向への駆動を停止し、可動部材76の移動動作を停止する(ステップS8138)。また、演出制御用CPU101は、逆方向動作中フラグをリセットし(ステップS8139)、ステップS8140に移行する。
なお、この実施の形態では、可動部材76の収納動作および逆方向への移動動作を行う場合には特に装飾LED25や枠LED28の発光やスピーカ27からの演出音の出力を行わない場合を示しているが、可動部材76の順方向への移動動作および展開動作を行う場合と同様に装飾LED25や枠LED28の発光やスピーカ27からの演出音の出力(ステップS8113,S8114参照)を行うように構成してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8140)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8141)。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS8301a)、セットされていなければ、処理を終了する。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS8301b)、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図29のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
次に、役物予告演出の演出態様について説明する。図36および図37は、役物予告演出の演出態様を説明するための説明図である。なお、図36および図37において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移する。
新たな変動パターンコマンドを受信すると、図36(A)に示すように、演出表示装置9において、左中右の演出図柄の変動表示が開始される。また、図36(A)に示す例では、演出図柄の変動表示を開始するときに、予告演出設定処理(ステップS8003参照)において役物予告演出を実行することに決定したものとする。
次いで、可動部材76の動作開始タイミングとなると(ステップS8110参照)、図36(B)に示すように、可動部材76の順方向への移動動作が開始され、可動部材76が進出位置まで移動動作される(ステップS8111参照)。また、可動部材76の動作が開始されると、可動部材76の動作に応じた装飾LED25や枠LED28の発光、およびスピーカ27からの演出音の出力も開始される(ステップS8113,S8114参照)。なお、可動部材76の動作が開始され役物予告演出が開始されると、例えば、図36(B)に示すように、演出図柄の変動表示は、演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示する表示に切り替えられる。
次いで、可動部材76が進出位置まで移動動作すると、図36(C)に示すように、可動部材76が展開動作される(ステップS8116参照)。図36(C)に示す例では、飛行機の形状を模した可動部材76において飛行機の先端部76aを突出させたり飛行機の主翼76bを広げたりする動作が行われる。
次いで、可動部材76の展開動作が完了すると、図37(D)に示すように、エフェクト画像200の動画表示が開始される(ステップS8123参照)とともに、シャドウ画像201の動画表示が開始される(ステップS8124参照)。
この実施の形態において、エフェクト画像200とは、背景画面において何らかの演出効果を高めるために表示する画像である。この実施の形態では、図37に示すように、エフェクト画像200として飛行機の周囲に稲妻が光るような画像が表示される場合を示している。この実施の形態では、エフェクト画像200は、図37(D)〜(F)に示すように、時間経過に従って稲妻の形状が変化するような表示が行われるのであるが、飛行機(可動部材76)を中心として稲妻の形状が変化し、演出表示装置9における相対的な表示位置が変化しない態様により表示される。
なお、エフェクト画像は、この実施の形態で示したような態様のものにかぎられない。例えば、エフェクト画像として、可動部材76を中心として雲が変化するような態様の画像を表示したり、光がきらめくような態様の画像を表示したりしてもよく、背景画面において何らかの演出効果を高めることができる画像であればよい。
また、この実施の形態において、シャドウ画像201とは、飛行機の形状を模した可動部材76の影を表示する画像であり、可動部材76の形状と同一または類似した画像となっている。この実施の形態では、シャドウ画像201は、図37(D)に示すように、まず、進出位置にある可動部材76と重複する領域に影が表示される態様で開始され、図37(D)〜(F)に示すように、時間経過に従って飛行機の進行方向(図37に示すX方向)とは逆方向(本例では、飛行機の後方)に影が移動する態様により変化する。そのように表示することによって、恰も飛行機(可動部材76)が離陸して空に向かって飛び立ったかのうように見せることができ、飛行機を模した可動部材76の躍動感を演出することができる。
また、この実施の形態では、図37に示すように、可動部材76が進出位置で停止している状態でシャドウ画像201が逆方向に影が移動する態様に変化する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、可動部材76が進出位置からさらに動作するように構成してもよい。例えば、可動部材76が進出位置から飛行機の進行方向(図37に示すX方向)に動作するように構成してもよい。そのように構成すれば、シャドウ画像201の変化との相乗的な作用により、飛行機を模した可動部材76の躍動感をより大きく見せることができる。
また、この実施の形態では、可動部材76を動作させる際にエフェクト画像200およびシャドウ画像201を必ず表示する場合を示しているが、可動部材76が動作してもエフェクト画像200やシャドウ画像201が表示される演出パターンと表示されない演出パターンとがあるように構成してもよい。この場合、可動部材76が動作する際に、エフェクト画像200が表示されるか否かに応じて期待度(大当り期待度や、リーチ期待度、確変期待度)が異なるように構成してもよいし、シャドウ画像201が表示されるか否かに応じて期待度(大当り期待度や、リーチ期待度、確変期待度)が異なるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、エフェクト画像200の表示とシャドウ画像201の表示とが同時に開始される場合を示しているが、エフェクト画像200とシャドウ画像201との表示開始タイミングを異ならせてもよい。この場合、例えば、エフェクト画像200について、(1)可動部材76の進出動作のタイミング、(2)可動部材76の展開動作のタイミング、(3)シャドウ画像201の表示が変化するタイミングのいずれかのタイミングにおいてエフェクト画像200の表示を開始するように構成してもよい。また、例えば、シャドウ画像201について、(1)可動部材76の進出動作のタイミング、(2)可動部材76の展開動作のタイミング、(3)エフェクト画像200の表示が変化するタイミングのいずれかのタイミングにおいてシャドウ画像201の表示を開始するように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、表示手段(本例では、演出表示装置9)と、少なくとも一部が表示手段と重複する特定位置(本例では、図2(B)に示す進出位置)に動作可能な可動体(本例では、飛行機の形状を模した可動部材76)とを備える。また、表示手段のうちの可動体に対応した領域(本例では、図37(D)に示すように、進出位置にある可動部材76と重複する領域)に所定画像(本例では、シャドウ画像201)を表示する所定演出(本例では、図37(D)〜(F)に示す表示したシャドウ画像201を変化させる演出)を実行可能である。そして、可動体が特定位置に停止している状態において所定画像を移動させる態様により所定演出を実行可能である(本例では、図37(D)〜(F)に示すように、時間経過に従って飛行機の進行方向とは逆方向に影が移動する態様によりシャドウ画像201を変化させる)。そのため、可動体に応じた所定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、所定画像が表示されるときに、表示手段における相対的な表示位置が変化しない特別画像(本例では、エフェクト画像200)を表示可能である。そのため、所定画像に加えて特別画像を表示することにより、可動体に応じた所定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、特別画像として稲妻が光るような態様のエフェクト画像を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特別画像として雲が変化するような態様や光がきらめくような態様の他のエフェクト画像を表示するように構成してもよい。また、例えば、演出表示装置9における相対的な表示位置が変化しない画像(例えば、形状や色などが変化するのみで、中心位置などが変化しない画像)であれば、所定のキャラクタ画像など他の画像を特別画像として表示するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可動体は、移動物(本例では、飛行機)を模した形状に形成されている。また、移動物の進行方向とは逆方向に所定画像を移動させる態様により所定演出を実行可能である(本例では、図37(D)〜(F)に示すように、時間経過に従って飛行機の進行方向とは逆方向に影が移動する態様によりシャドウ画像201を変化させる)。そのため、可動体の躍動感を演出することができ、可動体に応じた所定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、移動体として飛行機を模した形状の可動部材76を用いる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、宇宙船や宇宙ロケット、飛行船、自動車など他の移動体を模した形状の可動体(可動部材)を用いるように構成してよい。
また、この実施の形態によれば、所定画像として可動体の形状と同一または類似した画像を表示可能である(本例では、図37(D)〜(F)に示すように、飛行機の形状を模した可動部材76の影を表示するシャドウ画像201を表示する)。そのため、可動体の形状と同一または類似した画像の表示により、可動体に応じた所定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、所定画像として飛行機の形状を模した可動部材76の影を表示するシャドウ画像201を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、所定画像として可動部材の分身を示す画像を表示したりしてもよい。何らかの形式で可動体(可動部材)の形状と同一または類似した画像を表示するものであればよい。また、シャドウ画像201など所定画像は、必ずしも可動体(可動部材)全体の形状と同一または類似である必要はなく、可動体(可動部材)の少なくとも一部の形状と同一または類似した画像を表示するものであればよい。
また、この実施の形態によれば、可動体が特定位置に停止している状態において可動体の形状を変化させる特別動作(本例では、展開動作)を実行可能である(本例では、図36(C)に示すように、飛行機の形状を模した可動部材76において飛行機の先端部76aを突出させたり飛行機の主翼76bを広げたりする動作が行われる)。また、特別動作が実行された後に所定演出を実行可能である(本例では、図37(D)に示すように、展開動作が完了した後にシャドウ画像201の表示が開始される)。そのため、特別動作が実行されることにより、可動体に応じた所定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、可動体の初期動作を実行可能である(本例では、可動部材初期動作処理(ステップS702参照)を実行する)。また、初期動作が実行されるときには所定画像を表示しない(本例では、図25に示す可動部材初期動作処理において、シャドウ画像の動画表示は行われない)。そのため、可動体の初期動作の視認性を確保することができる。
また、この実施の形態によれば、可動体の動作に対応した発光手段(本例では、装飾LED25や枠LED28)の発光制御を行う(本例では、ステップS8113で装飾LED25や枠LED28の発光を開始する)。そのため、発光手段の発光制御を行うことにより、可動体に応じた所定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、可動体の動作に対応した音を出力する(本例では、ステップS8114でスピーカ27から演出音の出力を開始する)。そのため、音出力を行うことにより、可動体に応じた所定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態において、可動部材が特定位置(進出位置)にあるときに演出図柄の変動方向が変化するように構成してもよい。以下、可動部材が特定位置(進出位置)にあるときに演出図柄の変動方向が変化する第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101が演出図柄変動開始処理の予告演出設定処理(ステップS8003参照)において予告演出(例えば、役物予告演出)の実行を決定した後に、ステップS8004で変動パターンおよび予告演出に応じたプロセステーブルを選択し、ステップS8006および演出図柄変動中処理のステップS8105を実行することによって、以下に示す演出が実行される。
図38は、第2の実施の形態における可動部材の動作位置を説明するための説明図である。この実施の形態では、遊技盤6の背面と演出表示装置9との間には、移動用モータの駆動によって移動可能な演出体300が設けられている。図38(A)および図38(B)に示すように、演出体300と移動用モータは、アーム301によって連結されている。また、演出体300は、後述する予告演出を実行する際に、移動用モータの駆動によって、遊技盤6の背面と演出表示装置9との間において演出表示装置9の下方である退避位置と演出表示装置9における演出図柄表示エリアの前方である進出位置との間で移動可能となっている。なお、演出体300は、予告演出の非実行時には図38(A)に示す退避位置に配置されており、遊技盤6およびセンター飾り枠51によって遊技者からほぼ視認困難となっている。一方で、演出体300は、予告演出実行時には図38(B)に示す進出位置に配置され、遊技者から視認可能となっている。さらに、この実施の形態における演出体300は、特定のキャラクタの形状に形成されており、演出体300が進出位置に配置されることによって、該演出体300としてのキャラクタが演出表示装置9の左上方を向くようになっている。
なお、後述するように、この実施の形態の予告演出の実行時には、各演出図柄が演出表示装置9の左上方から右下方に向けて変動表示されるようになっている(図40(D)参照)。つまり、演出体300は、本発明における所定位置である進出位置において、本発明における特定方向である演出表示装置9の左上方を向くように設けられている。そして、特定演出実行時には、本発明における特定方向に対応する方向(第2方向)である演出表示装置9の左上方から右下方に向けて各演出図柄が変動表示されるようになっている。
次に、この実施の形態における予告演出の演出態様について図39〜図41にもとづいて説明する。予告演出を実行する変動表示では、図39(A)および図40(A)に示すように、まず、各演出図柄の変動表示を演出表示装置9の上方から下方に向けて行う。このとき、各演出図柄は、変動表示の開始時からの第1加速期間中は順次加速して変動表示される。そして、該第1加速期間の終了タイミングからの第1定速変動期間では、一定速度にて変動表示される。さらに、該第1定速変動期間の終了タイミングから第1減速期間中では、各演出図柄は順次減速して変動表示される。そして、各演出図柄は、図40(B)に示すように、該第1減速期間の終了タイミングにてはずれを示す組合せで各演出図柄表示エリアに仮停止される。
このように各演出図柄がはずれを示す組合せで一旦仮停止された後、この実施の形態における予告演出として、図39(A)、図40(C)および図40(D)に示すように、演出体300の進出位置への移動と演出図柄の左上方から右下方に向けての変動表示が実行される。具体的には、まず、各演出図柄がはずれを示す組合せで一旦仮停止されている状態において、移動用モータの正転駆動により演出体300が退避位置から進出位置まで移動する(図39(A)に示す移動用モータ正転駆動期間;図38(A)および図38(B)参照)。そして、図40(C)および図40(D)に示すように、演出体300が進出位置に配置されると、演出図柄の再変動が開始される。なお、該再変動開始後の演出図柄は、仮停止する前の変動表示とは異なり、各演出図柄が演出表示装置9の左上方から右下方に向けて変動表示される。
このように予告演出を実行する変動表示では、該予告演出として演出体300を退避位置から進出位置に移動させる際に一旦演出図柄を仮停止させることによって予告演出の開始タイミングが明確になるので、遊技者に対して予告演出がどのタイミングで開始されたのかが分かり難くなってしまうことが防止されている。
このとき、各演出図柄は、再変動の開始時からの第2加速期間中は左上方から右下方に向けて順次加速して変動表示される。そして、該第2加速期間の終了タイミングからの第2定速変動期間では、第1定速変動期間における演出図柄の変動速度よりも高速で変動表示が実行される(図39(B)参照)。さらに、図40(A)および図40(D)に示すように、演出図柄が演出表示装置9の左上方から右下方に向けて変動表示されている状態では、演出図柄が演出表示装置9の上方から下方に向けて変動表示されている状態よりも多数の演出図柄が表示されるようになっている。具体的には、図40(A)および図40(D)に示すように、演出図柄が演出表示装置9の上方から下方に向けて変動表示されている状態では、変動表示によって合計9個の演出図柄が演出表示装置9において表示されている一方、演出図柄が演出表示装置9の左上方から右下方に向けて変動表示されている状態では、変動表示によって合計18個の演出図柄が演出表示装置9において表示されている。このようにこの実施の形態では、演出体300としてのキャラクタが向く演出表示装置9の左上方から右下方に向けて演出図柄が予告演出の非実行時よりも多数且つ高速で変動表示することによって、あたかも該キャラクタが飛行しているように見せかけることができるようになっている。特に、この実施の形態の予告演出としては、変動表示として、全ての演出図柄が演出表示装置9の左上方から右下方に向けて移動するようになっているため、遊技者に対して演出体300が飛行しているように見せかけや易くなっている。
さらに、図41(A)および図41(B)に示すように、各演出図柄の変動表示を演出表示装置9の上方から下方に向けて行う予告演出非実行時は、各演出図柄の上下幅寸法L1、左右幅寸法L2から変化させることなく変動表示を行う一方、演出図柄の変動表示を演出表示装置9の左上方から右下方に向けて行う予告演出実行時は、演出表示装置9の左上方に表示されている各演出図柄の上下幅寸法L3(L1>L3)を該L3よりも短寸であるL5まで順次縮小させながら変動表示を行うとともに、各演出表示装置9の左上方に表示されている演出図柄の左右幅寸法L4(L4>L2)を該L4よりも短寸であるL6まで順次縮小させながら変動表示を行う。このように、この実施の形態では、予告演出実行時は各演出図柄の上下幅寸法および左右幅寸法を順次縮小させながら変動表示を行うことによって遠近感を表現することが可能となっており、前述したキャラクタ(演出体300)の飛行の演出効果を向上している。
なお、この実施の形態では、予告演出実行時に演出表示装置9の左上方に表示されている演出図柄の上下幅寸法L3を予告演出非実行時の演出図柄の上下幅寸法L1よりも長寸とするとともに、予告演出実行時に演出表示装置9の左上方に表示されている演出図柄の左右幅寸法L4を予告演出非実行時の演出図柄の左右幅寸法L2よりも長寸とすることで、これら演出表示装置9の左上方に表示されている演出図柄を強調し、予告演出の演出効果を高める形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、L1とL3が同寸またはL1がL3よりも長寸であっても良いし、L2とL4が同寸またはL2がL4よりも長寸であっても良い。
次いで、図39(A)および図40(E)に示すように、第2定速変動期間の終了タイミングから第2減速期間中では、各演出図柄は順次減速して変動表示される。そして、各演出図柄は、該第2減速期間の終了タイミングにてリーチを示す組合せとなり、予告演出が終了する。なお、進出位置に配置されている演出体300は、第2減速期間中に移動用モータの逆転駆動にて進出位置から退避位置に移動する。予告演出終了後は、リーチ演出が実行された後、演出図柄がはずれまたは大当りの組合せで導出表示されて変動表示が終了する。
このように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、予告演出として演出体300が進出位置に移動するとともに、該進出位置において演出体300としてのキャラクタが演出表示装置9の左上方を向くことによって、演出表示装置9の左上方から右下方に向けて演出図柄の変動表示が実行されるので、予告演出中の演出体300としてのキャラクタの躍動感を強調しつつ該キャラクタを飛行しているように見せかけることができ、演出体300と演出図柄とを用いた演出の演出効果を高めることができるようになっている。
なお、この実施の形態では、図40(B),(C)に示すように一旦はずれを示す組み合わせで演出図柄を仮停止させてから、図40(D)に示すように演出図柄の変動方向を変化させる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出図柄を仮停止させることなく、そのまま演出図柄の変動方向を変化させるように構成してもよい(すなわち、図40(A)に示す変動状態から、そのまま図40(D)に示す変動状態に変化させてもよい)。
また、この実施の形態では、図40(D),(E)に示すように、演出図柄の変動方向を変化させた後、演出図柄を滑らせるような表示を行ってリーチを発生させる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出図柄の変動方向を変化させた後、演出図柄を滑らせるような表示を行ってチャンス目図柄を仮停止表示させて擬似連(この場合、演出図柄を滑らせるような表示自体を再変動としてもよい)を実行するように構成してもよいし、大当り図柄を導出表示して大当りが発生するように構成してもよい。また、例えば、スーパーリーチ演出に発展するように構成したり、いわゆる先読みゾーンに移行するように構成したり、突然確変大当り図柄や小当り図柄を導出表示して突然確変大当りや小当りが発生するように構成したりしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、表示手段(本例では、演出表示装置9)にて第1方向(本例では、演出表示装置9の上方から下方に向けての方向)へ識別情報(本例では、演出図柄)の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である。また、可動体(本例では、演出体300)が特定位置(本例では、進出位置)にあるときに、識別情報を第1方向とは異なる第2方向(例えば、演出表示装置9の左上方から右下方への方向)へ可変表示する特定演出(本例では、予告演出)を実行可能である。そのため、可動体と識別情報とを用いた演出の演出効果を高めることができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態において、可動体(可動部材)を原点位置に復帰させる復帰動作を行い、復帰動作の態様に応じた態様により可動体の初期動作を行うように構成してもよい。以下、復帰動作の態様に応じた態様により可動体の初期動作を行う第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、決定した制御内容に従い、可動役物173および可動役物175の駆動制御を行う。また、演出制御用CPU101は、可動役物173および可動役物175の原点位置を検知する原点センサ171A〜171Dからの原点検出信号を受信する。また、演出制御用CPU101は、可動役物173および可動役物175を駆動するアクチュエータ172A〜172Dを駆動する駆動信号を出力する。
可動役物173は図42および図43を用いて後述するとおり、回動機構173A、開閉機構173B、およびスライド機構173Cの3つの可動機構を有している。アクチュエータ172Aは、回動機構173Aを回動させて、可動役物173を原点位置から演出表示装置9の表示画面中央部まで移動させる。原点センサ171Aは、回動機構173Aを検出し、可動役物173が回動方向における原点位置にあることを検出する。また、アクチュエータ172Bは、開閉機構173Bを開閉させて、可動役物173の分裂片173B1〜分裂片173B3を閉状態から開状態まで移動させる。原点センサ171Bは、開閉機構173Bを検出し、可動役物173が開閉方向における原点位置にあることを検出する。また、アクチュエータ172Cは、スライド機構173Cを横移動させて、可動役物173を演出表示装置9の表示画面中央部から左右に移動させる。原点センサ171Cは、スライド機構173Cを検出し、可動役物173が横移動方向における原点位置にあることを検出する。すなわち、可動役物173は、複数のアクチュエータ172A〜172Cによって複数の動作を行うものとする。
ところで、可動役物173は、回動機構173A、開閉機構173B、およびスライド機構173Cの3つの可動機構を有しており、演出制御用CPU101はそれぞれの可動機構を個別の可動役物として独立して制御することができる。本実施形態において「可動役物」とは、可動役物173のように複数の可動機構が組み合わされたものをいうとともに、それぞれの可動機構のことをいうものとする。例えば、回動機構173Aと開閉機構173Bは、それぞれ別の可動役物として説明する。
可動役物175は図44を用いて後述するとおり、アクチュエータ172Dによって原点位置から演出表示装置9の表示画面中央部まで縦方向に移動する。原点センサ171Dは、可動役物175が原点位置にあることを検出する。
次に、図42を用いて、可動役物173を動作させるアクチュエータAおよびアクチュエータCの詳細を説明する。図42は、可動役物を動作させるアクチュエータAおよびアクチュエータCの構成の一例を示す図である。
図42において、可動役物173は、回動機構173A、およびスライド機構173Cの可動機構を有している。
まずは、回動機構173Aによる可動役物173の回動動作について説明する。回動機構173Aは、アクチュエータ172Aによって回動される。図42図示(a)の位置は、アクチュエータ172Aによって回動される回動機構173Aの原点位置である。回動機構173Aの原点位置(a)は、原点センサ171Aによって検出される。原点センサ171Aは、例えば回動機構173Aの一部を検出することにより、回動する回動機構173Aが原点位置に戻ったことを検出することができる。
原点位置(a)にある可動役物173は、アクチュエータ172Aによって回動される回動機構173Aによって、破線で図示する図42図示(b)の位置まで図示時計回りに移動される。図42図示(b)の位置まで回動された回動機構173Aは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上回動しないように係止される。
アクチュエータ172Aは、図42図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間において回動機構173Aを回動させる。演出制御用CPU101は、例えば、回動機構173Aを、図42図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Aを制御することができる。また、演出制御用CPU101は、回動機構173Aを、図42図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Aを制御させてもよい。演出制御用CPU101は、回動機構173Aを回動させる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU101は、回動機構173Aを早く複数回回動させる強動作と、回動機構173Aをゆっくり1回回動させる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Aと原点センサ171Aを用いた回動機構173Aを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。回動機構173Aの原点位置は、回動機構173Aが図42図示反時計方向に回動して原点センサ171Aが最初にオン状態になった位置である。例えば、原点復帰前に原点センサ171Aがオン状態であるときには、演出制御用CPU101は、原点センサ171Aがオフ状態になるまでアクチュエータ172Aを図42図示時計方向に回動させ、次にアクチュエータ172Aを反時計方向に回動させ原点センサ171Aがオン状態になったときにアクチュエータ172Aを停止させることにより回動機構173Aを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Aがオフ状態であるときには、演出制御用CPU101は、アクチュエータ172Aを反時計方向に回動させ原点センサ171Aがオン状態になったときにアクチュエータ172Aを停止させることにより回動機構173Aを原点位置に復帰させる。なお、本実施形態では、回動機構173Aが原点復帰前に原点位置よりさらに反時計回りに回動している場合であっても機械的に回動が係止されて原点センサ171Aはオン状態を維持するものとする。
次に、スライド機構173Cによる可動役物173のスライド動作について説明する。スライド機構173Cは、アクチュエータ172Cによって横方向にスライドされる。図42図示(b)の位置は、アクチュエータ172Cによってスライドされるスライド機構173Cの原点位置である。すなわち、アクチュエータ172Cは、アクチュエータ172Aが時計方向に回動して(b)の位置にあるときに横方向にスライドができるものとする。スライド機構173Cの原点位置(b)は、原点センサ171Cによって検出される。原点センサ171Cは、例えばスライド機構173Cに設けられた検出板を検出することによってスライド機構173Cの横方向における位置を検出するようにしてもよい。
図42図示(a)の位置にある可動役物173は、アクチュエータ172Cによってスライドされるスライド機構173Cによって、破線で示す、図42図示(c1)の位置、または(c2)の位置まで図示横方向に移動される。図42図示(c1)または(c2)の位置までスライドされたスライド機構173Cは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上スライドしないように係止される。
アクチュエータ172Cは、図42図示(b)の位置から図示(c1)または(c2)の位置の間においてスライド機構173Cをスライドさせる。演出制御用CPU101は、例えば、スライド機構173Cを、図42図示(b)の位置から図示(c1)または(c2)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Cを制御することができる。また、演出制御用CPU101は、スライド機構173Cを、図42図示(b)の位置から図示(c1)または(c2)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Cを制御させてもよい。演出制御用CPU101は、スライド機構173Cをスライドさせる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU101は、スライド機構173Cを早く複数回スライドさせる強動作と、スライド機構173Cをゆっくり1回スライドさせる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Cと原点センサ171Cを用いたスライド機構173Cを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。スライド機構173Cの原点位置は、スライド機構173Cが図42図示右方向にスライドして原点センサ171Cが最初にオン状態になった位置であるとする。例えば、原点復帰前に原点センサ171Cがオン状態であるときには、演出制御用CPU101は、原点センサ171Cがオフ状態になるまでアクチュエータ172Cを図42図示左方向にスライドさせ、次にアクチュエータ172Cを右方向にスライドさせ原点センサ171Cがオン状態になったときにアクチュエータ172Cを停止させることによりスライド機構173Cを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Cがオフ状態であるときには、演出制御用CPU101は、アクチュエータ172Cを右方向にスライドさせて原点センサ171Cがオン状態になったときにアクチュエータ172Cを停止させることによりスライド機構173Cを原点位置に復帰させる。但し、原点復帰前にスライド機構173Cが原点センサ171Cより右側にある場合、アクチュエータ172Cを右方向にスライドさせても原点センサ171Cはオン状態にならないため、アクチュエータ172Cを右方向にスライド開始してから所定時間内に原点センサ171Cがオン状態にならない場合には、アクチュエータ172Cを左方向にスライドさせて原点センサ171Cがオン状態になるのを確認し、その後上記の原点復帰前に原点センサ171Cがオン状態であるときの動作によってスライド機構173Cを原点位置に復帰させてもよい。
なお、回動機構173Aは、演出表示装置9の裏側に配置されて、演出表示装置9の裏側から可動役物173を磁石等によって保持して移動させるものであってもよい。回動機構173Aを演出表示装置9の裏側に配置することにより、回動機構173Aによって演出表示装置9の表示画面が邪魔されることを防ぐことができる。なお、図43で説明する開閉機構173B、および図44で説明する昇降機構173Dについても回動機構173Aと同様に演出表示装置9の裏側に配置して可動役物173または可動役物175を磁石等によって保持して移動させるようにしてもよい。
以上で、図42を用いた、可動役物173を動作させるアクチュエータ172Aおよびアクチュエータ172Cの詳細の説明を終了する。
次に、図43を用いて、可動役物173を動作させるアクチュエータ172Bの詳細を説明する。図43は、可動役物173を動作させるアクチュエータ172Bの構成の一例を示す図である。
図43において、可動役物173は、開閉機構173Bの可動機構を有している。開閉機構173Bは、アクチュエータ172Bによって開閉される。図43(A)は、開閉機構173Bが閉状態であることを示し、図43(B)は、開閉機構173Bが開状態であることを示している。開閉機構173Bは、分裂片173B1、分裂片173B2、および分裂片173B3の3つの分裂片を有する。
図43(A)上図において、分裂片173B1、分裂片173B2、および分裂片173B3は閉状態において結合して所定の形状を形成している。図43(A)下図において、アクチュエータ172Bは、回転する円形歯車(ピニオン)を有し、分裂片173B1、分裂片173B2、および分裂片173B3にそれぞれ接続されている歯切りがされた平板(ラック)である、ラック173B11、ラック173B12、およびラック173B13と噛合している。図43(A)の位置は、アクチュエータ172Bによって開閉される開閉機構173Bの原点位置である。開閉機構173Bの原点位置は、原点センサ171Bによって検出される。原点センサ171Bは、ラック173B11の一部を検出することにより、開閉する開閉機構173Bが閉状態の原点位置であることを検出することができる。
図43(A)下図において、アクチュエータ172Bが駆動されて、ピニオンが図示反時計方向に回転すると、ピニオンと噛合しているラック173B11、ラック173B12、およびラック173B13は、図示矢印の方向に直線的に移動する。ラック173B11、ラック173B12、およびラック173B13は、図示矢印の方向に直線的に移動することにより、開閉機構173Bは、図43(B)に示す開状態となる。
図43(B)下図は、ラック173B11、ラック173B12、およびラック173B13が、図43(A)図示矢印の方向に移動したときの状態を示している。このとき、ラック173B11、ラック173B12、およびラック173B13にそれぞれ接続されている分裂片173B1、分裂片173B2、および分裂片173B3は、図43(B)上図に示すようにお互いが離れた開状態となる。分裂片173B1、分裂片173B2、および分裂片173B3が開状態となることにより、演出表示装置9の表示画面中央部が視認可能になるものとする。なお、開閉機構173Bが開状態のきは、原点センサ171Bはオフ状態となる。
ここで、アクチュエータ172Bと原点センサ171Bを用いた開閉機構173Bを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。開閉機構173Bの原点位置は、開閉機構173Bのラック173B11が図43(B)下図図示上方向に回動して原点センサ171Bが最初にオン状態になった位置である。例えば、原点復帰前に原点センサ171Bがオン状態であるときには、演出制御用CPU101は、原点センサ171Bがオフ状態になるまでアクチュエータ172Bを駆動してピニオンを図43(A)下図図示時計方向に回動させ、次にアクチュエータ172Bを駆動してピニオンを反時計方向に回動させて原点センサ171Bがオン状態になったときにアクチュエータ172Bを停止させることにより開閉機構173Bを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Bがオフ状態であるときには、演出制御用CPU101は、アクチュエータ172Bを駆動してピニオンを時計方向に回動させて原点センサ171Bがオン状態になったときにアクチュエータ172Bを停止させることにより開閉機構173Bを原点位置に復帰させる。なお、本実施形態では、開閉機構173Bが原点復帰前に原点位置よりさらに閉じた状態である場合であっても、分裂片173B1、分裂片173B2、および分裂片173B3がそれぞれ接触して係止されて原点センサ171Bはオン状態を維持するものとする。
以上で、図43を用いた、可動役物173を動作させるアクチュエータ172Bの詳細の説明を終了する。
次に、図44を用いて、可動役物175を動作させるアクチュエータ172Dの詳細を説明する。図44は、可動役物175を動作させるアクチュエータ172Dの構成の一例を示す図である。
図44において、可動役物175は、昇降機構173Dの可動機構を有している。昇降機構173Dは、アクチュエータ172Dによって昇降される。図44図示(a)の位置にある可動役物175は、アクチュエータ172Dによって昇降される昇降機構173Dによって、破線で示す、図44図示(b)の位置まで図示縦方向に移動される。図44図示(b)の位置まで下降された昇降機構173Dは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上下降しないように係止される。
アクチュエータ172Dは、図44図示(a)の位置から図示(b)の位置の間において昇降機構173Dを昇降させる。演出制御用CPU101は、例えば、昇降機構173Dを、図44図示(a)の位置から図示(b)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Dを制御することができる。また、演出制御用CPU101は、昇降機構173Dを、図44図示(a)の位置から図示(b)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Dを制御させてもよい。演出制御用CPU101は、昇降機構173Dを昇降させる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU101は、昇降機構173Dを早く複数回昇降させる強動作と、昇降機構173Dをゆっくり1回昇降させる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Dと原点センサ171Dを用いた昇降機構173Dを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。昇降機構173Dの原点位置は、昇降機構173Dが図44図示上方向に上昇して原点センサ171Dが最初にオン状態になった位置であるとする。例えば、原点復帰前に原点センサ171Dがオン状態であるときには、演出制御用CPU101は、原点センサ171Dがオフ状態になるまでアクチュエータ172Dを図44図示下方向に下降させて、次にアクチュエータ172Dを上方向に上昇させて原点センサ171Dがオン状態になったときにアクチュエータ172Dを停止させることにより昇降機構173Dを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Dがオフ状態であるときには、演出制御用CPU101は、アクチュエータ172Dを上方向に上昇させて原点センサ171Dがオン状態になったときにアクチュエータ172Dを停止させることにより昇降機構173Dを原点位置に復帰させる。なお、本実施形態では、昇降機構173Dが原点復帰前に原点位置よりさらに上昇している場合であっても機械的に上昇が係止されて原点センサ171Dはオン状態を維持するものとする。
以上で、図44を用いた、可動役物175を動作させるアクチュエータ172Dの詳細の説明を終了する。
次に、図45〜図48を用いて、初期動作A〜初期動作Dの詳細を説明する。初期動作A〜初期動作Dは、アクチュエータ172A、アクチュエータ172B、アクチュエータ172C、およびアクチュエータ172Dを用いた可動役物173および可動役物175のショートイニシャル動作である。ショートイニシャル動作とは、可動役物173等を通常の演出動作の一部を省略して動作させる初期動作をいう。ショートイニシャル動作を実行することにより、ロングイニシャル動作を実行する場合に比べて短時間で可動役物173等の動作のチェックをすることが可能となる。本実施形態では、初期動作としてショートイニシャル動作を実行する場合は、アクチュエータの原点復帰動作の態様に応じて、初期動作A〜初期動作Dの態様で初期動作を行うものとする。
なお、図45〜図49において、各可動機構が原点位置から動作端まで移動する場合の矢印を実線で表している。また、各可動機構が、各可動機構を検出する原点センサがオン状態からオフ状態になるまで移動する場合の矢印、および原点センサがオフ状態になってからオン状態になるまで移動する場合の矢印を破線で表している。なお、各可動機構が、各可動機構を検出する原点センサがオン状態からオフ状態になるまで移動した後に再び原点センサがオン状態になるまで移動する動作をショートイニシャル動作と呼ぶものとする。ショートイニシャル動作を行うことにより、可動機構の移動距離が短くなり、動作確認の時間を短縮することが可能となる。さらに、各可動機構が原点復帰の動作によって移動する場合の原点復帰動作を矢印を点線で表している。
また、図45〜図48で説明する可動役物173および可動役物175の初期動作A〜初期動作Dに合せて、スピーカ27から所定の効果音を出力したり、装飾LED25や枠LED28を点灯させたりしてもよい。
まず、図45を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Aの動作を説明する。図45は、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Aの動作の一例を示す図である。初期動作Aは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aおよび開閉機構173Bが原点復帰動作を行わない態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオン状態であり、かつ開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオン状態である場合には、回動機構173Aおよび開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がない。しかし、回動機構173Aおよび開閉機構173Bは、原点センサ171Aおよび原点センサ171Bがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Aでは、原点センサ171Aおよび原点センサ171Bがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、回動機構173Aおよび開閉機構173Bを正確な原点位置に移動させることができる。
なお、図45〜図48において、昇降機構173Dの原点を検出する原点センサ171Dは、初期動作を実行する前にオン状態であり、可動役物175はショートイニシャル動作にて初期動作を行うものとする。
図45図示(1)および(2)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図45図示(3)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である演出表示装置9の表示画面中央部まで回動される。開閉機構173Bを開閉するには、回動機構173Aを回動端に移動させる必要があるため、回動機構173Aはショートイニシャル動作を行わず、回動端まで回動する。
図45図示(4)および(5)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図45図示(6)において、可動役物173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、初期動作Aを終了する。
以上で、図45を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Aの動作の説明を終了する。
次に、図46を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Bの動作を説明する。図46は、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Bの動作の一例を示す図である。初期動作Bは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aが原点復帰動作を行わずかつ開閉機構173Bが原点復帰動作を行う態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオン状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がない。一方、開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオフ状態である場合には、開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がある。回動機構173Aは、原点センサ171Aがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Bでは、原点センサ171Aがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、回動機構173Aを正確な原点位置に移動させることができる。また、原点復帰動作を行う開閉機構173Bは原点復帰動作によって正確な原点位置に移動できるので、初期動作の実行を省略することが可能となるとともに、開閉機構173Bの動作をチェックすることができる。
図46図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図46図示(2)および(3)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図46図示(4)および(5)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。初期動作Bにおいては、開閉機構173Bは開動作を行わないため、回動機構173Aを回動端まで移動させる必要がない。したがって、ショートイニシャル動作によって回動機構173Aの動作チェックの時間を短縮することができる。
以上で、図46を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Bの動作の説明を終了する。
次に、図47を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Cの動作を説明する。図47は、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Cの動作の一例を示す図である。初期動作Cは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aが原点復帰動作を行いかつ開閉機構173Bが原点復帰動作を行わない態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオフ状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がある。一方、開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオン状態である場合には、開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がない。開閉機構173Bは、原点センサ171Bがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Cでは、原点センサ171Bがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、開閉機構173Bを正確な原点位置に移動させることができる。また、原点復帰動作を行う回動機構173Aは原点復帰動作によって正確な原点位置に移動できるが、開閉機構173Bを開閉動作さえるために、原点位置から回動端まで回動する初期動作を行う。
図47図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図47図示(2)および(3)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図47図示(4)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である演出表示装置9の表示画面中央部まで回動される。開閉機構173Bを開閉するには、回動機構173Aを回動端に移動させる必要があるため、回動機構173Aは原点復帰をした場合であっても、回動端まで回動する。
図47図示(5)および(6)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図47図示(7)において、可動役物173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、初期動作Cを終了する。
以上で、図47を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Cの動作の説明を終了する。
次に、図48を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Dの動作を説明する。図48は、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Dの動作の一例を示す図である。初期動作Dは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aおよび開閉機構173Bが原点復帰動作を行う態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171A、および開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオフ状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がある。そこで、初期動作Dでは、回動機構173Aおよび開閉機構173Bを原点復帰動作させて、回動機構173Aおよび開閉機構173Bの初期動作を省略する。
図48図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図48図示(2)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図48図示(3)および(4)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
以上で、図48を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、およびアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Dの動作の説明を終了する。
次に、図49を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、アクチュエータC、およびアクチュエータを用いた可動役物の初期動作の結合を説明する。図49は、アクチュエータA、アクチュエータB、アクチュエータC、およびアクチュエータを用いた可動役物の初期動作の結合の一例を示す図である。初期動作の結合は、可動役物の複数の初期動作を結合して、複数の動作の確認に要する時間を抑制することにより、好適な初期動作を実行するものである。
本実施形態では、ロングイニシャル動作におけるスライド機構173Cのスライド動作を結合して、スライド機構173Cに係る初期動作の時間を抑制する場合を例示する。
図49図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である演出表示装置9の表示画面中央部まで回動される。
図49図示(2)および(3)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図49図示(4)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、原点位置から図示右方向のスライド端までスライドされる。
図49図示(5)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、図示右方向のスライド端から図示左方向のスライド端までスライドされる。
図49図示(6)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、図示左方向のスライド端から原点位置からまでスライドされる。
図49図示(7)において、可動役物173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動される。
図49図示(8)および(9)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行って、初期動作を終了する。
以上で、図49を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、アクチュエータC、およびアクチュエータを用いた可動役物の初期動作の結合の説明を終了する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可動体(本例では、可動役物173の回動機構173A、開閉機構173Bまたはスライド機構173C、並びに可動役物175の昇降機構173Dなど)を原点位置に復帰させる復帰動作(本例では、図45〜図48において示す原点位置に復帰する動作など)を行う。また、復帰動作の態様(本例では、図45または図46において回動機構173Aが原点復帰動作をしない態様と、図4または図48において回動機構173Aが原点復帰動作をする態様。また、図45または図47において開閉機構173Bが原点復帰動作をしない態様と、図46または図48において開閉機構173Bが原点復帰動作をする態様など)に応じた態様により(本例では、図45〜図48において、回動機構173Aまたは開閉機構173Bが原点復帰動作を行ったときには初期動作をしない態様などで、または、回動機構173Aまたは開閉機構173Bが原点復帰動作を行わなかったときには初期動作を行う態様などで)可動体の初期動作(本例では、図45〜図48に示すショートイニシャル動作)を行う(本例では、図48に示す、初期動作をしない態様を含む)。そのため、好適な初期動作を実行できる。
なお、上記に示した第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせて遊技機を構成することも可能である。すなわち、上記に示した第1の実施の形態〜第3の実施の形態のうちのいずれか複数の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせたり、全ての実施の形態で示した構成を組み合わせて遊技機を構成するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、および「○」〜「×」の複数種類の普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。