[第1の実施の形態]
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠(「遊技機用枠」ともいう)2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット(「コントローラセンサユニット」ともいう)123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。
また、プッシュボタン120には、プッシュボタン120を飛出させるためのボタン飛出し用アクチュエータ128(図3参照)が内蔵されている。プッシュボタン120は、ボタン飛出し用アクチュエータ128によって、通常態様から、押下する方向と反対方向に数センチメートル程度、飛出した態様(図39(B)参照)に変形したり、飛出した態様から通常態様に変形したりする。ボタン飛出し用アクチュエータ128は、プッシュボタン120の態様を変化させることが可能なものであればどのようなものでもよく、たとえば、サーボモータのようなモータであってもよいし、ソレノイドであってもよいし、空圧シリンダや電動シリンダなどの動力シリンダであってもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置(「画像表示装置」ともいう)9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器(「第1特別図柄表示装置」ともいう)8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器(「第2特別図柄表示装置」ともいう)8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、遊技領域に可動部材を設けるように遊技機を構成した場合には、その可動部材が遊技領域のいずれの位置にある場合であっても視認が妨げられない領域に第4図柄が表示されるように構成するようにすればよい。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。第2についても同様である。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも、第1と同様である。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口(「普通入賞球装置」ともいう)13または第2始動入賞口(「普通可変入賞球装置」ともいう)14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の中央には、下方向(演出表示装置9の画面上、つまり遊技者から見て演出表示装置9の画面の手前)に移動可能に構成された星形の役物200が設けられている。この役物200は、演出表示装置9の上部の中央を初期位置とし(図38(A)参照)、演出表示装置9の表示画面の一部に重なる演出位置に移動可能である(図38(D)参照)。なお、役物200には、LED等の発光体が設けられていてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器(「第2保留表示器」ともいう)18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第2特別図柄保留記憶表示器18bと同様の、第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示器(「第1保留表示器」ともいう)18aが設けられている。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)(「始動入賞記憶表示エリア」ともいう)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶数表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
遊技球がゲート(「通過ゲート」ともいう)32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器(「普図保留表示器」ともいう)41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED(「遊技効果ランプ」ともいう)28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。第2についても同様である。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部(「I/O」ともいう)57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定のバックアップ期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路(「スイッチ回路」ともいう)58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路(「ソレノイド回路」ともいう)59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板(「ランプ制御基板」ともいう)35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板(「音声制御基板」ともいう)70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、ボタン飛出し用アクチュエータ128、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図3参照)、図2では図示を省略している。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)(「表示制御部」ともいう)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して役物用モータ127に駆動信号を出力することにより、役物200を動作させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してボタン飛出し用アクチュエータ128に駆動信号を出力することにより、プッシュボタン120を、通常態様から飛出した態様に変化させたり、飛出した態様から通常態様に戻したりする。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の演出期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない当りである。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される、または、大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、小当りは、突然確変大当りと大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9および図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9および図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9および図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図9および図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11および図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図22参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図13(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図13(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図13(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1214A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図14(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215A)。なお、ステップS1215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1216A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1217A)。
図13(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理は、図13(A)の第1始動口スイッチ通過処理と同様であるので説明は繰返さない。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、CPU56は、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、最後に変動表示を停止してから所定期間(例えば、1分)が経過したか否かを確認する(ステップS51A)。なお、最後に変動表示を停止してから所定期間を経過したか否かは、例えば、変動表示を終了する時に(例えば、後述する特別図柄停止処理において)所定のタイマをセットし、ステップS51Aにおいて、この所定のタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより、判定できる。最後に変動表示を停止してから所定期間を経過していれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51B)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Bで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねてステップS51A,S51Bの処理を実行しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図14(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。第2については第1と同様である。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り種別に応じた大当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、時短時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として短縮変動用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図6参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、いずれかの当り変動パターン判定テーブル、またははずれ変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御(演出図柄の表示制御を含む)を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、演出制御用CPU101は、ステップS702に移行する。
図24は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図25は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り開始指定コマンド(大当り開始指定コマンド、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド)であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した大当り開始指定コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS622)。この場合、例えば、大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を受信した場合であれば大当り開始指定コマンド受信フラグをセットし、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を受信した場合であれば小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り終了指定コマンド(大当り終了指定コマンド、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド)であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した大当り終了指定コマンドに応じた大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS628)。例えば、受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば第1始動入賞指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば第2始動入賞指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
図26は、図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図27は、図26に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし(ステップS812)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図27に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図28は、図26に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、擬似連中の仮停止図柄として、チャンス目図柄に代えて、または加えて、擬似連中の仮停止図柄としてのみ用いられる擬似連専用図柄を設けるようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図29は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図29に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄(「2」、「4」、「6」または「8」)で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄(「1」、「3」、「5」または「7」)で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組み合わせを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組み合わせが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組み合わせを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組み合わせを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、役物予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS8003a)。そして、役物予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8003bのY)、演出制御用CPU101は、役物予告演出を実行することに決定されていることを示す役物予告演出待機フラグをセットする(ステップS8003c)。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(ステップS8004a)。そして、ボタンセリフ予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8004bのY)、演出制御用CPU101は、決定したボタンセリフ予告演出の演出態様を示すデータを記憶し、ボタンセリフ予告演出を実行することに決定されていることを示すボタンセリフ予告演出待機フラグをセットする(ステップS8004c)。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(ステップS8005a)。そして、ボタンカットイン予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8005bのY)、演出制御用CPU101は、決定したボタンカットイン予告演出の演出態様を示すデータを記憶し、ボタンカットイン予告演出を実行することに決定されていることを示すボタンカットイン予告演出待機フラグをセットする(ステップS8005c)。
次いで、演出制御用CPU101は、レバー予告演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(ステップS8006a)。そして、レバー予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8006bのY)、演出制御用CPU101は、決定したレバー予告演出の演出態様を示すデータを記憶し、レバー予告演出を実行することに決定されていることを示すレバー予告演出待機フラグをセットする(ステップS8006c)。その後、ステップS8008に移行する。
役物予告演出は、役物200を一時的に初期位置から演出位置に移動させる制御が行われる演出である。また、ボタンセリフ予告演出およびボタンカットイン予告演出は、プッシュボタン120の操作を促す操作促進報知を伴い、検出有効期間中にプッシュボタン120の操作が行われたことにもとづいて実行される演出である。ボタンセリフ予告演出およびボタンカットイン予告演出では、それぞれ対応する検出有効期間が開始されるタイミングになると、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促すための操作促進報知が行われる(例えば、プッシュボタン120の外観を模した操作促進画像や、検出有効期間の残存期間を示す残存有効期間画像が表示される。図38(B)〜(E)参照)。そして、検出有効期間中にプッシュボタン120の操作が少なくとも1回検出されたことにもとづいて、ボタンセリフ予告演出画像またはボタンカットイン予告演出画像(例えば、キャラクタが所定のセリフを言う画像や、所定のメッセージが示される画像など、大当りとなる可能性を示唆する画像)が表示される。
レバー予告演出は、スティックコントローラ122の操作を促す操作促進報知を伴い、検出有効期間中にスティックコントローラ122の操作が行われたことにもとづいて実行される演出である。レバー予告演出では、対応する検出有効期間が開始されるタイミングになると、演出表示装置9において、スティックコントローラ122の操作を促すための操作促進報知が行われる(例えば、スティックコントローラ122の外観を模した操作促進画像や、検出有効期間の残存期間を示す残存有効期間画像が表示される。)。そして、検出有効期間中にスティックコントローラ122の操作が少なくとも1回検出されたことにもとづいて、レバー予告演出画像(例えば、大当りか否かを示す画像)が表示される。なお、この実施の形態において、「促進」は、遊技者の操作を進めるという意味ではなく、遊技者の操作を促す(勧誘する)という意味で用いられている。
図30は、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出の実行タイミングの一例を示す説明図である。この実施の形態では、図30(A)に示すように、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出は、変動表示がリーチ状態となる前に実行される。また、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出は、リーチ状態となった後に実行される。なお、レバー予告演出は、ボタンカットイン予告演出よりも後に実行される。具体的には、変動停止する直前(すなわち、はずれ図柄または大当り図柄が導出表示される直前)に実行される。
また、この実施の形態では、図30(A)に示すように、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出は、同時期に実行される。すると、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が同時期に実行されることによって、ボタンセリフ予告演出により表示された操作促進画像や残存有効期間画像が、役物予告演出により演出位置に移動した役物200によって覆われて視認困難となり、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間は、役物予告演出が終了した後、すなわち、操作促進画像や残存有効期間画像が視認困難な状態が解消された後に終了するように構成されている。具体的には、図30(B)に示すように、役物予告演出が開始されることにより演出位置に移動した役物200が、役物予告演出が終了することにより初期位置に戻った後に、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間が終了するように構成されている。このように構成することにより、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が同時期に実行され、操作促進画像や残存有効期間画像が役物200によって覆われて一時的に視認困難となっても、検出有効期間中に視認困難な状態が解消されるため、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
また、図30(B)に示すように、ボタンセリフ予告演出が開始されて操作促進画像や残存有効期間画像が表示され、それから所定期間後に役物予告演出が開始されて役物200が演出位置に移動されるように構成することにより、操作促進画像や残存有効期間画像は、少なくとも表示された後、所定期間は役物200によって覆われることなく視認可能となる。このように構成することにより、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が同時期に実行される場合にも、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の開始タイミングと終了タイミングとをそれぞれ異ならせることによって、操作促進画像や残存有効期間画像が、役物予告演出開始前の所定期間および終了後の所定期間、役物200によって覆われることなく視認可能となるように構成されているが、少なくとも役物予告演出開始前の所定期間および終了後の所定期間のいずれかが視認可能な期間として設けられていればよい。すなわち、ボタンセリフ予告演出および役物予告演出が同時に開始され、先に役物予告演出が終了し、所定期間経過した後にボタンセリフ予告演出が終了するようにしてもよいし、先にボタンセリフ予告演出が開始され、それから所定期間経過した後に役物予告演出が開始され、ボタンセリフ予告演出および役物予告演出が同時に終了するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、役物予告演出とボタンセリフ予告演出とを同時期に実行可能であるが、実行期間を完全に一致させて実行するものであってもよいし、実行期間の一部が重なるように実行するものであってもよい。ただし、実行期間を完全に一致させて実行する場合であっても、検出有効期間内に操作促進画像や残存有効期間画像が視認困難ではない期間を設けるようにすることが望ましい。例えば、役物200の動作態様(例えば、演出位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路、演出位置での停止期間、初期位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路)や操作促進画像や残存有効期間画像の表示態様(例えば、表示サイズや表示位置)を調整することにより実現することができる。具体的には、役物予告演出が開始されてから所定期間経過した後に演出位置への移動を開始するようにしたり(開始から所定期間は操作促進画像や残存有効期間画像を視認可能である)、役物予告演出が終了する所定期間前に演出位置から初期位置への移動を開始するようにしたりしてもよい(操作促進画像や残存有効期間画像の全領域のうち役物200に覆い隠される領域が徐々に少なくなり、視認可能となる期間が確保される)。
また、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出による操作促進画像および残存有効期間画像は、役物200が演出位置に移動しても完全には覆い隠されないように構成されている(図38(D)参照)。つまり、ボタンセリフ予告演出による操作促進画像および残存有効期間画像は、役物予告演出により演出位置に移動した役物200によって覆われて視認困難となる場合があるものの、完全に視認できなくなるわけではなく、常に一部は視認可能であるように構成されている。このように構成することにより、役物予告演出とボタンセリフ予告演出とが同時期に実行されたとしても、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
また、一般的に、リーチ状態となった後に実行される演出は、リーチ状態となる前に実行される演出よりも重要度が高い。そこで、この実施の形態では、図30(B)に示すように、操作促進画像や残存有効期間画像を視認困難とする場合がある役物予告演出は、リーチ状態となる前にのみ実行されるように構成されている。このように構成することによって、役物予告演出と重要度が高い演出(例えば、ボタンカットイン予告演出やレバー予告演出などのリーチ成立後に実行される演出)とが同時期に実行され、遊技者の注意が分散してしまう事態を回避することができる。
なお、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出を実行するタイミングは、図30に示す例に限らず、変動中の任意のタイミングであってよい。また、これらの演出を実行するタイミングは、大当り遊技中の任意のタイミングであってもよい。なお、大当り遊技中にこれらの演出を実行する場合には、所定操作を検出したことにもとづいて、ラウンド数の増加や大当り遊技後に確変状態や時短状態に制御されることを示唆するようにしてもよい。
図31は、役物予告演出実行判定テーブル、ボタンセリフ予告演出実行判定テーブル、ボタンカットイン予告演出実行判定テーブルおよびレバー予告演出実行判定テーブルの具体例を示す説明図である。
ステップS8003aでは、図31(A)に示す役物予告演出実行判定テーブルを用いて、役物予告演出を実行するか否かを決定する。
図31(A)に示す、役物予告演出実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(「実行なし」および「実行あり」)に対応する判定値が割り当てられているが、図31(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、役物予告演出設定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。したがって、図31(A)に示す例では、各変動パターンにおける決定事項(「実行なし」および「実行あり」)に対応する数値は、各決定事項が選択される割合(%)を示している。
図31(A)に示す例では、短縮変動はずれの変動パターンの場合(例えば、図6に示す非リーチPA1−2の場合)には、95%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、5%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、ノーマルリーチはずれの変動パターンの場合(例えば、図6に示すノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1およびノーマルPB2−2の場合)には、75%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、25%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、ノーマルリーチ当りの変動パターンの場合(例えば、図6に示すノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3およびノーマルPB2−4の場合)には、50%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、50%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、スーパーリーチはずれの変動パターンの場合(例えば、図6に示すスーパーPA3−1、ノーマルPA3−2、ノーマルPB3−1およびノーマルPB3−2の場合)には、30%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、70%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、スーパーリーチ当りの変動パターンの場合(例えば、図6に示すノーマルPA3−3、ノーマルPA3−4、ノーマルPB3−3およびノーマルPB3−4の場合)には、15%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、85%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。
なお、この実施の形態では、図31(A)に示す役物予告演出実行判定テーブルの他に、図31(B)に示すボタンセリフ予告演出実行判定テーブル、図31(C)に示すボタンカットイン予告演出実行判定テーブルおよび図31(D)に示すレバー予告演出実行判定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられるステップS8004a,ステップS8005a,ステップS8006aにおいても、ステップS8003aと同様に、演出制御用CPU101は、例えば、乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
ステップS8004a、ステップS8005a、ステップS8006aでは、それぞれ図31(B)〜(D)に示すボタンセリフ予告演出実行判定テーブル、ボタンカットイン予告演出実行判定テーブル、レバー予告演出実行判定テーブルを用いて、演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(「実行なし」、「実行あり、第1演出態様」および「実行あり、第2演出態様」のいずれかに決定する)。なお、「実行なし」に決定するということは、演出を実行しないと決定することであり、「実行あり、第1演出態様」または「実行あり、第2演出態様」のいずれかに決定するということは、「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で演出を実行すると決定することである。
この実施の形態では、図31(B)に示すように、ボタンセリフ予告演出を「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で実行可能である。例えば、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間内にプッシュボタン120の操作が検出されると、「第1演出態様」では「?」のセリフを言うキャラクタを示す第1ボタンセリフ予告演出画像が表示され、「第2演出態様」では「チャンス!」のセリフを言うキャラクタを示す第2ボタンセリフ予告演出画像が表示される。以下、第1ボタンセリフ予告演出画像および第2ボタンセリフ予告演出画像を、ボタンセリフ予告演出画像と総称することがある。
また、この実施の形態では、図31(C)に示すように、ボタンカットイン予告演出を「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で実行可能である。例えば、ボタンカットイン予告演出の検出有効期間内にプッシュボタン120の操作が検出されると、「第1演出態様」では「好機!」のメッセージを示す第1ボタンカットイン予告演出画像が表示され、「第2演出態様」では「激熱!」のメッセージを示す第2ボタンカットイン予告演出画像が表示される。以下、第1ボタンカットイン予告演出画像および第2ボタンカットイン予告演出画像を、ボタンカットイン予告演出画像と総称することがある。
また、この実施の形態では、図31(D)に示すように、レバー予告演出を「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で実行可能である。例えば、レバー予告演出の検出有効期間内にプッシュボタン120の操作が検出されると、「第1演出態様」では「敗北・・・」の文字を示す第1レバー予告演出画像が表示され、「第2演出態様」では「勝利!」の文字を示す第2レバー予告演出画像が表示される。以下、第1レバー予告演出画像および第2レバー予告演出画像を、レバー予告演出画像と総称することがある。
図31(A)〜(D)に示す各演出実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、スーパーリーチを含まない変動パターンであるよりもスーパーリーチを含む変動パターンである方が、また、表示結果がはずれであるよりも大当りである方が、「実行あり」と決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、演出が実行されないときよりも、演出が実行されたときの方が、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。したがって、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
また、図31(B)〜(D)に示す各演出実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、スーパーリーチを含まない変動パターンであるよりもスーパーリーチを含む変動パターンである方が、また、表示結果がはずれであるよりも大当りである方が、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」で実行されたときの方が、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。つまり、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」の方が、期待度が高い演出態様となる。したがって、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出がいずれの演出態様で実行されるかについて注目させることができる。
また、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出は、リーチ状態となる前に実行され、ボタンカットイン予告演出は、リーチ状態となった後に実行される(図30(A)参照)。さらに、図31(C)に示すように、ボタンカットイン予告演出は、スーパーリーチを含む変動パターンの場合にのみ実行される。したがって、ボタンカットイン予告演出は、ボタンセリフ予告演出よりも有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる期待度や、大当りとなる期待度が高い演出である。換言すれば、重要度が高い演出であるといえる。そこで、この実施の形態では、期待度(すなわち重要度)が高いボタンカットイン予告演出が実行されるときには、同時期に役物予告演出を実行しないように構成している(図30(A)参照)。このように構成することにより、期待度(すなわち重要度)が高い演出に注目させることができ、効果的に演出を行うことができる。
また、この実施の形態では、図31(D)に示すように、スーパーリーチを含む変動パターンの場合には、必ずレバー予告演出が実行される。そして、表示結果がはずれの場合には、「敗北・・・」の文字を示す第1レバー予告演出画像が表示され(第1演出態様によりレバー予告演出が実行される)、表示結果が大当りの場合には、「勝利!」の文字を示す第2レバー予告演出画像が表示される(第2演出態様によりレバー予告演出が実行される)。すなわち、レバー予告演出は、表示結果がはずれであるか大当りであるかを示す演出である。したがって、レバー予告演出は、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる可能性や、大当りとなる可能性を示唆するボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出に比べて、重要度が高い演出である。そこで、この実施の形態では、レバー予告演出が実行されるときにも、同時期に役物予告演出を実行しないように構成している(図30(A)参照)。このように構成することにより、期待度(すなわち重要度)が高い演出に注目させることができ、効果的に演出を行うことができる。
また、この実施の形態では、スティックコントローラ122の操作が検出されたことにもとづいて実行されるレバー予告演出は、プッシュボタン120の操作が検出されたことにもとづいて実行されるボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出よりも、期待度(すなわち重要度)が高くなるように構成されている。このように構成することにより、演出の差別化を図ることができるとともに、スティックコントローラ122の操作を行うことについて、遊技者に期待感を持たせることができる。換言すれば、特定の操作を行うことについて、遊技者に特別な期待感を持たせることができる。
また、この実施の形態では、遊技者の動作を検出したことにもとづいて実行される演出のうち、プッシュボタン120の操作が検出されたことにもとづいて実行される演出(本例ではボタンセリフ予告演出)は、同時期に役物予告演出が実行される場合があるが、スティックコントローラ122の操作が検出されたことにもとづいて実行されるレバー予告演出は、同時期に役物予告演出が実行される場合がないように構成されている。このように構成することで、演出の差別化を図ることができるとともに、演出をわかりやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出は、それぞれ実行されるタイミングが定められているが、例えば、演出図柄の高速変動中(リーチ状態となる前)やリーチ成立後の複数のタイミングにおいて、役物予告演出やボタンセリフ予告演出を実行可能としたり、リーチ成立後の複数のタイミングにおいて、ボタンカットイン予告演出やレバー予告演出を実行可能とするようにしてもよい。この場合には、演出が実行されるタイミングにより、期待度が異なるように構成してもよい。ただし、期待度(重要度)が高い演出に注目させ、効果的に演出を行うために、役物予告演出をボタンカットイン予告演出やレバー予告演出と同時期に実行しないように構成することが望ましい。
また、この実施の形態では、図31(A)に示すように、役物予告演出を単一の演出態様により実行するように構成されているが、複数種類の演出態様により実行可能としてもよい。例えば、演出態様により、役物200が演出位置に停止する期間が異なるものであってもよいし、役物200の移動時に出力される演出音が異なるものであってもよいし、役物200に設けられたLED等の発光体を異なる態様により点灯させるものであってもよい。この場合にも、演出態様により、示唆される期待度が異なるようにしてもよい。また、期待度が高い演出態様の役物予告演出は、ボタンセリフ予告演出と同時期に実行しないように構成してもよい。
また、役物200は、変動開始後に実行される役物予告演出以外の演出でも用いられるようにしてもよい。例えば、リーチ成立時やリーチ発展時、大当り確定時等に実行される演出でも用いられるようにしてもよい。
また、図31に示す例では、変動パターンを5種類に分けて、各演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定していたが、変動パターンの分け方はこれに限られない。例えば、スーパーリーチを含む変動パターンについても、スーパーリーチの種類(本例では、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)に応じて、各演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定するようにしてもよい。
また、図31(D)に示す例に限らず、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ当りの場合にも、一定割合でレバー予告演出を実行しないようにしてもよい。
また、この実施の形態ではプッシュボタン120またはスティックコントローラ122の操作が検出されたか否かにより、遊技者の動作を検出するように構成されているが、これに限らず、赤外線センサや光センサ等の非接触型のセンサにより、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。また、この場合にも、期待度に応じて、演出を実行する契機となる遊技者の動作が異なるようにしてもよい。例えば、非接触型のセンサにより動作が検出されたことにもとづいて実行される演出は、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作が検出されたことにもとづいて実行される演出よりも期待度が高くなるようにしてもよい。
演出図柄変動開始処理のステップS8008では、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS8008)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8009)。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
この実施の形態では、演出図柄変動中処理において所定の処理(例えば、後述するステップS8106〜S8175の処理等)を実行することにより、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出を実現しているため、これらのうちのいずれの演出を実行するか否かにかかわらず、ステップS8008において変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。なお、各演出の有無に応じたシナリオデータ(本例ではプロセステーブルに相当)を予め記憶しておき、それらのデータにもとづいて処理を実行することにより各ボタン演出を実現する構成とすることもできるが、この実施の形態の構成とすることで、データ量の増大を抑制しながら、各演出を実現することができる。
また、この実施の形態では、変動中の演出として、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出を実行可能とする場合について説明するが、例えばステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出などを実行するか否かを決定し、決定結果にもとづいて予告演出を実行するようにしてもよい。このような予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8008において予告演出に対応したプロセステーブルを選択するようにしてもよい。すなわち、各予告演出の有無に応じたシナリオデータ(本例ではプロセステーブルに相当)を予め記憶しておき、それらのデータにもとづいて処理を実行することにより予告演出が実現されるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8010)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8011)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8012)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図33〜図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、役物予告演出の実行中であることを示す役物予告演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8106)。役物予告演出実行中フラグがセットされている場合には、ステップS8112に移行する。
役物予告演出実行中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、役物予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8107)。役物予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8120に移行する。
役物予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、役物予告演出の開始タイミング(すなわち役物予告演出による役物200を演出位置に移動させるタイミング)であるか否かを確認する(ステップS8108)。役物予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8120に移行する。
役物予告演出の開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、役物予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8109)とともに、役物予告演出実行中フラグをセットする(ステップ8110)。また、演出制御用CPU101は、役物200を初期位置から演出位置に移動させる制御を行う(ステップS8111)。その後、ステップS8120に移行する。
ステップS8112では、演出制御用CPU101は、役物予告演出の終了タイミング(すなわち役物200を演出位置から初期位置に移動させるタイミング)であるか否かを確認する(ステップS8112)。そして、役物予告演出の終了タイミングであれば、役物200を演出位置から初期位置に移動させる制御を行う(ステップS8113)。また、演出制御用CPU101は、役物予告演出実行中フラグをリセットする(ステップS8114)。その後、ステップS8120に移行する。
ステップS8120では、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間中であることを示すボタンセリフ予告演出有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8120)。ボタンセリフ予告演出有効フラグがセットされている場合には、ステップS8127に移行する。
ボタンセリフ予告演出有効フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8121)。ボタンセリフ予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8134に移行する。
ボタンセリフ予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出の開始タイミング(すなわちボタンセリフ予告演出の検出有効期間開始タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8122)。ボタンセリフ予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8134に移行する。
ボタンセリフ予告演出の開始タイミングである場合、すなわちボタンセリフ予告演出の検出有効期間開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8123)とともに、ボタンセリフ予告演出有効フラグをセットする(ステップ8124)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促す操作促進報知として、プッシュボタン120が飛出していない態様の操作促進画像(後述の図38(B)等参照)および他の操作部の操作でも有効の旨を表示するとともに、残存有効期間画像を表示する制御を行う(ステップS8125,S8126)。その後、ステップS8127に移行する。
プッシュボタン120の他の操作部としては、この実施の形態においては、スティックコントローラ122およびトリガボタン121であるが、遊技者が操作可能な操作部であればよい。たとえば、打球操作ハンドル5に設けられる操作部であるハンドルボタンであってもよい。また、演出音の音量の設定や、演出表示装置9や枠LED28などのランプの明るさの設定や、演出モードの設定や、遊技履歴などの携帯端末での取得のための設定などの、設定用の十字キーや決定キーであってもよい。
この実施の形態では、検出有効期間の残存期間に応じて、メータ表示領域内の指示領域の割合が異なる残存有効期間画像を更新して表示することにより、検出有効期間の残存期間を示すように構成されている。すなわち、残存有効期間画像におけるメータ表示領域は全検出有効期間を示し、指示領域は検出有効期間の残存期間を示す。具体的には、検出有効期間が開始されると、指示領域がメータ表示領域の全領域を占める残存有効期間画像(例えば、図38(B)に示す残存有効期間画像202。網掛け領域が指示領域に相当する)が表示され、検出有効期間の残存期間の減少に応じて、指示領域がメータ表示領域に占める割合が減少した残存有効期間画像(例えば、図38(C)に示す残存有効期間画像202)が表示され、検出有効期間が終了するとき(または所定操作が検出されたとき)には、指示領域がメータ表示領域に占める割合が0である残存有効期間画像が表示される。したがって、遊技者は、残存有効期間画像の状態を確認することによって、検出有効期間の残存期間を把握することができる。なお、この実施の形態では、指示領域がメータ表示領域に占める割合が0である残存有効期間画像を、有効期間終了画像ともいい、有効期間終了画像を表示することにより、検出有効期間が終了したことを報知する検出有効期間終了報知を行う。
ステップS8127では、演出制御用CPU101は、いずれかの操作部の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8127)。いずれかの操作部の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、演出図柄変動開始処理で決定し、記憶したボタンセリフ予告演出の演出態様に応じて、ボタンセリフ予告演出画像(例えば、「?」または「チャンス!」のセリフを言うキャラクタを示す画像)を表示する制御を行う(ステップS8128)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている残存有効期間画像を消去する制御を行う(ステップS8128a)。
つまり、プッシュボタン120の操作促進画像がプッシュボタン120が飛出していない態様であるときは、飛出していない態様に対するプッシュボタン120以外の操作部の操作を有効判定として、プッシュボタン120以外の操作部が操作されたときであっても、プッシュボタン120が操作されたときと同じ演出態様の演出を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている操作促進画像を消去する制御を行う(ステップS8129)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、検出有効期間が終了したことを示す有効期間終了画像を表示する(ステップS8130)。たとえば、「終了」といった文字を含む画像を表示する。そして、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出有効フラグをリセットする(ステップS8131)。なお、ボタンセリフ予告演出画像や有効期間終了画像は、所定期間表示された後に消去される。
また、ステップS8127において、いずれの操作部の操作も検出されていない場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出の終了タイミング(すなわちボタンセリフ予告演出の検出有効期間終了タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8132)。そして、ボタンセリフ予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8129に移行する。また、ボタンセリフ予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、検出有効期間の残存期間に応じて、残存有効期間画像を更新する(ステップS8133)。その後、ステップS8134に移行する。
なお、ステップS8132でボタンセリフ予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8128aに移行するようにしてもよい。また、ステップS8130の処理を実行しないようにしてもよい。
ステップS8134では、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出の検出有効期間中であることを示すボタンカットイン予告演出有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8134)。ボタンカットイン予告演出有効フラグがセットされている場合には、ステップS8141に移行する。
ボタンカットイン予告演出有効フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8135)。ボタンカットイン予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8162に移行する。
ボタンカットイン予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出の開始タイミング(すなわちボタンカットイン予告演出の検出有効期間開始タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8136)。ボタンカットイン予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8162に移行する。
ボタンカットイン予告演出の開始タイミングである場合、すなわちボタンカットイン予告演出の検出有効期間開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8137)とともに、ボタンカットイン予告演出有効フラグをセットする(ステップ8138)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促す操作促進報知として、ステップS8125における操作促進表示と異なる態様のプッシュボタン120が飛出した態様の操作促進画像(後述の図39(B)参照)、および、他の操作部の操作が無効の旨を表示し、ボタン飛出し用アクチュエータ128を制御してプッシュボタン120を飛出させる制御を実行するとともに、残存有効期間画像を表示する制御を行う(ステップS8139A,S8139B,S8140)。その後、ステップS8141に移行する。
ステップS8141では、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8141)。プッシュボタン120の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、演出図柄変動開始処理で決定し、記憶したボタンカットイン予告演出の演出態様に応じて、ボタンカットイン予告演出画像(例えば、「好機!」のメッセージを示す第1ボタンカットイン予告演出画像、または「激熱!」のメッセージを示す第2ボタンカットイン予告演出画像)を表示する制御を行う(ステップS8142)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている残存有効期間画像を消去する制御を行う(ステップS8142a)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている操作促進画像を消去する制御を行う(ステップS8143)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、検出有効期間が終了したことを示す有効期間終了画像を表示する(ステップS8144)。たとえば、「終了」といった文字を含む画像を表示する。次に、演出制御用CPU101は、ボタン飛出し用アクチュエータ128を制御してプッシュボタン120を引っ込める制御を実行する(ステップS8144A)。そして、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出有効フラグをリセットする(ステップS8145)。なお、ボタンカットイン予告演出画像や有効期間終了画像は、所定期間表示された後に消去される。
また、ステップS8141において、プッシュボタン120の操作が検出されていない場合には、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120と異なる、他の操作部の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8148)。他の操作部の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、当該操作が無効である旨(図39(D)参照)を表示する(ステップS8149)。当該操作が無効である旨の表示は、短い時間(たとえば1秒程度)表示された後、消去され、操作の有効期間内であれば、元の操作促進表示が表示される。
つまり、プッシュボタン120の操作促進画像がプッシュボタン120が飛出している態様であるときは、飛出している態様に対するプッシュボタン120以外の操作部の操作を有効判定とせず、プッシュボタン120以外の操作部が操作されたときには、プッシュボタン120の操作に対する演出とは異なる演出(プッシュボタン120以外の操作部の操作が無効である旨を報知する演出)を実行する。
他の操作部の操作が検出されていない場合、および、ステップS8149の後、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出の終了タイミング(すなわちボタンカットイン予告演出の検出有効期間終了タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8146)。そして、ボタンカットイン予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8143に移行する。また、ボタンカットイン予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、検出有効期間の残存期間に応じて、残存有効期間画像を更新する(ステップS8147)。その後、ステップS8162に移行する。
なお、ステップS8146でボタンセリフカットイン予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8142aに移行するようにしてもよい。また、ステップS8144の処理を実行しないようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、プッシュボタン120が飛出している態様であるときに、遊技者がプッシュボタン120を押下した後に、押下をやめると、プッシュボタン120が元の飛び出した態様に戻るため、ステップS8144Aでプッシュボタン120を引っ込める動作を実行する必要があった。
しかし、これに限定されず、プッシュボタン120が飛出している態様であるときに、遊技者がプッシュボタン120を飛出していない態様となるまで押下すると、押下をやめても、プッシュボタン120が飛出していない態様のまま維持されるようにしてもよい。この場合は、ステップS8144Aでプッシュボタン120を引っ込める動作を実行する必要はない。
また、この場合に、プッシュボタン120が押下されたときに飛び出していない態様となるまでの途中の段階で遊技者が押下をやめた場合は、次にプッシュボタン120が飛出していない態様となるまで押下されるまでそのままの態様を維持するようにしてもよい。この場合に、次にプッシュボタン120が飛出していない態様となるまで押下されると、プッシュボタン120が飛出していない態様のまま維持される。
また、遊技者がプッシュボタン120を飛出していない態様となるまで押下した場合は、ステップS8144Aの処理は実行しない一方、遊技者がプッシュボタン120をまったく押下しなかった場合、および、プッシュボタン120が飛出していない態様となるまでの途中の段階で遊技者が押下をやめた場合に限り、ステップS8144Aの処理を実行するようにしてもよい。
ステップS8162では、演出制御用CPU101は、レバー予告演出の検出有効期間中であることを示すレバー予告演出有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8162)。レバー予告演出有効フラグがセットされている場合には、ステップS8169に移行する。
レバー予告演出有効フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8163)。レバー予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8176に移行する。
レバー予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出の開始タイミング(すなわちレバー予告演出の検出有効期間開始タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8164)。レバー予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8176に移行する。
レバー予告演出の開始タイミングである場合、すなわちレバー予告演出の検出有効期間開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8165)とともに、レバー予告演出有効フラグをセットする(ステップ8166)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、スティックコントローラ122の操作を促す操作促進報知として、操作促進画像を表示するとともに、残存有効期間画像を表示する制御を行う(ステップS8167,S8168)。その後、ステップS8169に移行する。
ステップS8169では、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8169)。スティックコントローラ122の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、演出図柄変動開始処理で決定し、記憶したレバー予告演出の演出態様に応じて、レバー予告演出画像(例えば、「敗北・・・」の文字を示す第1レバー予告演出画像または「勝利!」の文字を示す第2レバー予告演出画像)を表示する制御を行う(ステップS8170)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている残存有効期間画像を消去する制御を行う(ステップS8170a)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている操作促進画像を消去する制御を行う(ステップS8171)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、検出有効期間が終了したことを示す有効期間終了画像を表示する(ステップS8172)。そして、演出制御用CPU101は、レバー予告演出有効フラグをリセットする(ステップS8173)。なお、レバー予告演出画像や有効期間終了画像は、所定期間表示された後に消去される。
また、ステップS8169において、スティックコントローラ122の操作が検出されていない場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出の終了タイミング(すなわちレバー予告演出の検出有効期間終了タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8174)。そして、レバー予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8171に移行する。また、レバー予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、検出有効期間の残存期間に応じて、残存有効期間画像を更新する(ステップS8175)。その後、ステップS8176に移行する。
ステップS8176では、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8176のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8177)。
この実施の形態では、演出図柄変動中処理において、ステップS8130,S8144,S8172の処理を実行することにより、検出有効期間が終了するまでの間に所定の操作がおこなわれたときにも、検出有効期間終了報知が行われるため、操作にもとづいて検出有効期間が終了したことを認識しやすくすることができる。
なお、図34〜図36に示す例では、ボタンセリフ予告演出画像や、ボタンカットイン予告演出画像およびレバー予告演出画像を表示した後に、操作促進画像および残存有効期間画像を消去し、有効期間終了画像を表示するように構成されているが、例えば、操作促進画像および残存有効期間画像を消去し、有効期間終了画像を表示した後に、ボタンセリフ予告演出画像や、ボタンカットイン予告演出画像およびレバー予告演出画像を表示するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出像や、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出の検出有効期間の終了タイミングで操作促進画像および残存有効期間画像が消去されるように構成されているが、検出有効期間の終了タイミングの所定期間前に、操作促進画像および残存有効期間画像(またはいずれか一方のみ)が消去されるように構成してもよい。このように構成することにより、操作促進画像および残存有効期間画像が消去されるタイミングで行われた操作が検出有効期間内の操作として検出されず、遊技者に不信感を抱かせることになる事態を回避することができる。なお、この場合には、操作促進画像および残存有効期間画像(またはいずれか一方のみ)が消去されるタイミングの所定期間前に、役物200による視認困難状態が解消されていることが望ましい。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を確定表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS8301a)、セットされていなければ、そのまま処理を終了する。
確定コマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8301b)。また、決定されている演出図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS8302)。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS8304)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8305)。なお、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かは、具体的には、コマンド解析処理においてセットされる大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ)や、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認することにより判定できる。いずれかの大当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS8306)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
図38は、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の具体例を示す説明図である。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示が開始された後(図38(A))、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が開始されると、役物200が演出位置に移動する制御が開始されるとともに、演出表示装置9の表示画面において、プッシュボタン120の外観を模した操作促進画像201Aと、残存有効期間画像202と、プッシュボタン120以外の操作も有効である旨が表示される(図38(B))。この操作促進画像201Aは、図39(B)で後述する操作促進画像201Bと異なり、プッシュボタン120が飛出していない状態の外観を模した態様である。そして、役物200は、演出位置に向かって徐々に移動し、残存有効期間画像202は、経過期間に応じて(すなわち検出有効期間の残存期間に応じて)、残存期間を示す指示領域(図38の例では網掛け領域が相当する)がメータ表示領域に占める割合が減少するように更新される(図38(C))。
次いで、役物200は、演出位置に到達すると、所定期間停止する(図38(D))。このときには、ボタンセリフ予告演出による操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202は、役物200に覆い隠されて視認困難となる。ただし、この実施の形態では、図38(D)に示すように、操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202は、役物200よりもサイズが大きくなるように構成されているため、完全に視認できなくなるわけではなく、常に一部は視認可能である。そのため、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
次いで、役物200は、演出位置に所定期間停止した後に、初期位置に移動する(図38(E))。この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出は、役物予告演出よりも後に終了するように構成されている。すなわち、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間は、操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202が視認困難な状態である期間よりも後に終了するように構成されている。そのため、図38(E)に示すように、操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202は、役物200が初期位置に戻った後、すなわち視認困難な状態が解消された後にも、演出表示装置9に表示されている。
ここで、プッシュボタン120またはその他の操作部の操作が検出されると、「チャンス!」のセリフを言うキャラクタを示す第1ボタンセリフ予告演出画像203が表示される(図38(F))。
図39は、ボタンカットイン予告演出の具体例を示す説明図である。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示がリーチ状態となった後(図39(A))、ボタンカットイン予告演出が開始されると、演出表示装置9の表示画面において、前述の図38(B)の操作促進画像201Aと異なる、プッシュボタン120が飛出している状態の外観を模した態様の操作促進画像201Bと、残存有効期間画像202と、プッシュボタン120以外の操作は無効である旨が表示される(図39(B))。
ここで、プッシュボタン120の操作が検出されると、「激熱!」との文字が含まれるカットイン画像204が表示される(図39(C))。プッシュボタン120の操作が検出されず、その他の操作部の操作が検出されると、「当該操作無効」との文字が含まれるカットイン画像205が表示される(図39(D))。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技者の動作を検出可能な検出手段(本例では、プッシュボタン120やスティックコントローラ122など)と、所定の動作を行う可動部材(本例では、役物200)と、検出手段による検出が有効な検出有効期間であることを示す検出有効期間表示(本例では、残存有効期間画像)を表示する検出有効期間表示手段とを備えている。そして、検出有効期間表示は、可動部材が動作することにより少なくとも一部が隠蔽される視認困難状態(例えば、図38(D)に示す残存有効期間画像202が役物200により覆い隠された状態)となる場合があり、検出有効期間は、検出有効期間表示が視認困難状態である期間よりも後に終了する(例えば、図30(B)に示すように、役物が演出位置から初期位置に戻った後、すなわち残存有効期間画像の視認困難状態が解消された後に、検出有効期間は終了する)ように構成されている。そのため、可動部材を動作可能とするとともに、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうことを防止することができる。
例えば、検出手段による検出が有効な検出有効期間であることを示す検出有効期間表示を表示する構成と、可動部材を動作させる演出を実行する構成とを単純に組み合わせると、可動部材が動作することにより検出有効期間表示が隠蔽されてしまい、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、検出有効期間表示が可動部材により視認困難状態となる期間よりも後に検出有効期間を終了するように構成することで、可動部材を動作させる演出を実行可能とするとともに、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうことを防止している。
なお、この実施の形態ではプッシュボタン120またはスティックコントローラ122の操作が検出されたか否かにより、遊技者の動作を検出するように構成されているが、これに限らず、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の連打操作や長押し操作等の操作が検出されたか否かや、プッシュボタン120やスティックコントローラ122等を用いて所定情報(例えば、特定のコマンド等)を入力する操作が行われたか否かにより、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。また、プッシュボタン120やスティックコントローラ122に代えて、または加えて、遊技者の動作を検出すると、検出信号を入力する赤外線センサや光センサ等の非接触型のセンサを設け、これらのセンサを用いて遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、検出有効期間表示は、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は視認可能である(例えば、図38(D)に示すように、残存有効期間画像202は、役物200により覆い隠された状態であっても、完全に視認できなくなるわけではなく、常に一部は視認可能である)ように構成されている。そのため、可動部材を動作可能とするとともに、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、検出有効期間表示(本例では、残存有効期間画像)は、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は視認可能であるように構成されているが、可動部材(本例では、役物200)が動作することにより完全に隠蔽される視認困難状態となる場合があるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、検出有効期間表示が視認困難状態である場合の例として、可動部材が動作する(本例では、役物200が演出位置に移動して所定期間停止する)ことにより、可動部材と重なる部分が視認できず、重なっていない部分のみ視認可能となる状態について説明したが、これに限らず、例えば、可動部材が連続して動作する(具体的には、役物200が演出表示装置9の表示画面前を移動する制御が繰り返し行われる)ことにより、検出有効期間表示が見づらくなる状態(見づらくなるものの役物200と重なっていないタイミングで残存有効期間画像を視認可能)や、半透明の可動部材が検出有効期間表示と重なることにより、検出有効期間表示が見づらくなる状態(見づらくなるものの役物200を透して残存有効期間画像を視認可能)なども、検出有効期間表示が視認困難状態である場合に含まれる。
また、この実施の形態では、可変表示中に演出を実行する演出実行手段を備え、演出実行手段は、検出手段が遊技者の動作を検出したことにもとづいて、検出演出(本例では、ボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出、レバー予告演出)を実行する検出演出実行手段と、可動部材を動作させる可動部材演出(本例では、役物予告演出)を実行する可動部材演出実行手段とを含み、可変表示がリーチ状態となる前の期間において、検出演出と可動部材演出とを同時期に実行可能である(例えば、図30(A)に示すように、リーチ状態となる前の期間において、ボタンセリフ予告演出と役物予告演出とを同時期に実行可能である)ように構成されている。そのため、重要な演出に注目させることができ、効果的に演出を行うことができる。
なお、「検出演出と可動部材演出とを同時期に実行」とは、実行期間が完全に一致するものに限らず、実行期間の一部が重なるものを含む概念である。検出演出および可動部材演出の実行期間が完全に一致する場合であっても、可動部材の動作態様(例えば、演出位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路、演出位置での停止期間、初期位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路)や、検出有効期間表示の表示態様(例えば、表示サイズや表示位置)を調整することにより、検出有効期間内に検出有効期間表示(本例では、残存有効期間画像)が視認困難状態ではない期間を設けることは可能である。
また、この実施の形態では、検出演出実行手段は、期待度が異なる複数種類の検出演出(本例では、ボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出、レバー予告演出)を実行可能であり、演出実行手段は、期待度が所定度合よりも高い検出演出と可動部材演出とを同時期に実行しない(本例では、ボタンセリフ予告演出よりも期待度(重要度)が高いボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出と役物予告演出と同時期に実行しない。図30参照)ように構成されている。そのため、期待度が高い演出を見逃してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、互いに異なる遊技者の動作を検出可能な複数の検出手段(本例では、プッシュボタン120やスティックコントローラ122)を備え、検出演出実行手段は、複数の検出手段のうちの特定の検出手段(本例では、スティックコントローラ122)が遊技者の動作を検出したことにもとづいて、特定検出演出(本例では、レバー予告演出)を実行可能であり、演出実行手段は、特定検出演出と可動部材演出とを同時期に実行しない(例えば、レバー予告演出と役物予告演出とを同時期に実行しない。図30参照)ように構成されている。そのため、可動部材演出と同時に実行されることがない特定検出演出を設けることで、演出をわかりやすくすることができる。つまり、遊技者の動作を検出したことにもとづいて実行される検出演出のうち、プッシュボタン120が遊技者の検出したことにもとづいて実行される検出演出は、役物予告演出と同時期に実行される場合があるが、スティックコントローラ122が遊技者の検出したことにもとづいて実行される特定検出演出は、役物予告演出と同時期に実行されることがないように構成されているため、検出演出の差別化を図ることができ、演出をわかりやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、期待度が所定度合よりも高い検出演出(本例では、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出)や特定検出演出(本例では、レバー予告演出)は、リーチ状態であるときにのみ実行されるが、リーチ状態となる前にも実行可能に構成してもよい。また、リーチ状態となる前に実行する場合にも、期待度が所定度合よりも高い検出演出(本例では、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出)や特定検出演出(本例では、レバー予告演出)は、可動部材演出(本例では、役物予告演出)と同時期には実行されないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、予め定められた実行期間、実行タイミングにより、役物予告演出とボタンセリフ予告演出とを実行することによって、役物予告演出が終了した後(すなわち、残存有効期間画像の視認困難状態が解消した後)にボタンセリフ予告演出による検出有効期間が終了するようにしているが、このような構成に限らず、例えば、演出図柄変動開始処理において、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の実行期間および実行タイミングをそれぞれ決定し、役物予告演出が終了した後(すなわち、残存有効期間画像の視認困難状態が解消した後)にボタンセリフ予告演出による検出有効期間が終了するように、実行期間および実行タイミングを調整する処理を行うようにしてもよい。また、例えば、演出図柄変動開始処理において、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の実行期間および実行タイミングをそれぞれ決定する処理を行い、演出図柄変動中処理において、決定にしたがって演出を行いつつ、役物200を動作させる制御を行う場合には、ボタンセリフ予告演出の実行期間(すなわち検出有効期間)を延長したり、実行タイミングをずらす処理を行うことによって、役物予告演出が終了した後(すなわち、残存有効期間画像の視認困難状態が解消した後)にボタンセリフ予告演出による検出有効期間が終了するようにしてもよい。
また、検出手段により遊技者の動作が検出されたことにもとづいて、検出演出を実行するタイミングについては、この実施の形態で示した例に限らず、擬似連演出中や先読み予告演出中、大当り演出中など、任意のタイミングであってよい。この場合に、実行されるタイミングに応じて、異なる割合で複数の検出演出のいずれかを実行するようにしてもよい。例えば、擬似連演出中に検出演出を実行する場合には、擬似連演出における演出図柄の仮停止前と仮停止後とで(または何回目の擬似連であるかに応じて)、異なる割合でボタンセリフ予告演出とボタンカットイン予告演出とのいずれかを実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可動部材演出(本例では、役物予告演出)および検出演出(本例では、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出、レバー予告演出)は、変動表示中に、有利な変動態様(スーパーリーチなど)になることや当該変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されることを異なる期待度により示唆するものであったが、これに限らず、いわゆる先読み予告のように、いずれかの保留記憶にもとづく変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されることを異なる期待度により示唆するものであってもよい。例えば、可動部材が動作することや、検出有効期間中に操作が検出されたことにもとづいて、保留表示を複数の表示態様のうちのいずれかに変化させることより、異なる期待度で大当りになることを示唆するようにしてもよい。この場合にも、操作促進画像や残存有効期間画像が可動部材によって視認困難状態となる期間よりも後に検出有効期間を終了するように構成することや、操作促進画像や残存有効期間画像を、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は常に視認可能となるように構成することが望ましい。
また、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理においてボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出の各演出の演出態様を決定するように構成されているが、それらを演出図柄変動中処理において決定するように構成してもよい。例えば、演出図柄変動開始処理においては、各演出を実行するか否か、実行する場合の検出有効期間を決定し、演出図柄変動中処理において検出有効期間中に操作が検出されたときに、表示する画像や出力する演出音等の演出態様を決定し、決定した演出態様により演出を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者によるスタートレバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロットマシンに適用することも可能である。例えば、上記の実施の形態で示した構成をスロットマシンに適用する場合、図柄の回転中など任意のタイミングにおいて、可動部材を動作させる可動部材演出を実行可能とするとともに、操作促進画像と残存有効期間画像とを表示し、ストップボタン(またはストップボタンとは別に設けられた操作ボタン)が操作されたことにもとづいて検出演出を行うことにより、役(例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど)の当落やフリーズ演出の有無、RT(リプレイタイム)抽選の結果、AT(アシストタイム)抽選の結果、ART(アシストリプレイタイム)抽選の結果などを示唆するように構成してもよい。この場合にも、操作促進画像や残存有効期間画像が可動部材によって視認困難状態である期間よりも後に検出有効期間を終了するように構成することや、操作促進画像や残存有効期間画像は、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は視認可能となるように構成することが望ましい。
[第1の実施の形態の効果]
前述した実施の形態によって得られる効果を以下にまとめる。
(1) 遊技を行なうことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者が操作可能な第1操作手段(たとえば、プッシュボタン120、トリガボタン121、スティックコントローラ122、ハンドルボタン、設定用十字キー、設定用決定キー)と、
遊技者が操作可能であり前記第1操作手段と異なる第2操作手段(たとえば、第1操作手段がプッシュボタン120であればプッシュボタン120以外の操作部)と、
前記第1操作手段の操作を遊技者に促す操作促進表示を第1態様(たとえば、図38(B)等で示すようなボタンが飛び出していない態様)または第2態様(たとえば、第1態様よりも遊技者に操作を強く促す態様、図39(B)で示すようなボタンが飛び出している態様)で表示可能な操作促進表示手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図34のステップS8125,図35のステップS8139A)と、
前記操作促進表示手段によって前記操作促進表示が実行されたことに基づいて前記第1操作手段または前記第2操作手段が操作されたときに演出を実行可能な演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第1態様であるときは、該第1態様に対する前記第2操作手段の操作を有効判定とするが(たとえば、図31(B),図34のステップS8128,図38(F)で示すように、ボタンセリフ予告演出画像の第1演出態様,第2演出態様と同じ演出態様の演出を実行する。)、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第2態様であるときは、該第2態様に対する前記第2操作手段の操作を有効判定としない(たとえば、図35のステップS8149,図39(D)で示すように当該操作が無効である旨を報知する演出を実行する。)。
このような構成によれば、操作促進表示の態様によって操作された操作手段に応じて有効判定するか否かが異なる。このため、操作促進表示に応じた操作を促進することができる。その結果、操作による遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記操作促進表示手段は、実行されたときに遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が前記第1態様よりも前記第2態様の方が高くなるように前記操作促進表示を実行する(たとえば、図31(B),図31(C)で示すように、ボタンセリフ予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときよりも、ボタンカットイン予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときの方が、大当り遊技状態に制御される割合が高い。)。
このような構成によれば、第1態様よりも第2態様の操作促進表示が実行されたときの方が有利状態に制御される割合が高い。このため、操作促進表示に遊技者を注目させることができ、操作促進表示に応じた操作を促進することができる。その結果、操作による遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記第1操作手段は、通常態様から特定態様に変化可能であり(たとえば、プッシュボタン120が飛び出すといったように、形状、模様または色彩などの形態が変化可能)、
前記演出実行手段は、前記第1操作手段が前記特定態様であるときは、前記第2操作手段の操作を有効判定としない(たとえば、第2操作手段の操作に対して、第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出を実行しないようにしてもよいし、何の演出も実行しないようにしてもよいし、図35のステップS8149,図39(D)で示すように当該操作が無効である旨を報知する演出を実行してもよい。)。
このような構成によれば、第1操作手段が特定態様であるときは、第2操作手段が操作されても第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出は実行されない。このため、第1操作手段の操作を促進することができる。その結果、操作による遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第1態様であるときに前記第2操作手段の操作を有効判定とする旨の説明を表示可能な説明表示手段をさらに備える(たとえば、図34のステップS8125,図38(B)等で示すように、他の操作部の操作でも有効である旨を表示する。)。
このような構成によれば、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときに第2操作手段が操作された場合であっても有効判定とされることを遊技者に分かり易く知らせることができる。その結果、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを迷わないようにすることができる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第2態様であるときに前記第2操作手段の操作を有効判定としない旨の示唆を表示可能な示唆表示手段をさらに備える(たとえば、図36のステップS8139A,図39(B)で示すように、他の操作部の操作が無効である旨を表示する。)。
このような構成によれば、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときに第2操作手段が操作された場合には有効判定とされないことを遊技者に示唆することができる。その結果、遊技者が知らずに、第1操作手段が操作された場合と同様の演出が実行されることを期待して第2操作手段を操作してしまうことを防止できる。
[第1の実施の形態の変形例]
以下に前述した実施の形態の変形例を示す。
(1) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機1について説明した。しかし、これに限定されず、パチンコ遊技機1とは異なる遊技機、たとえば、スロットマシンが、前述したような、第1操作手段と、第2操作手段と、操作促進表示手段と、演出実行手段とを備え、演出実行手段は、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とするが、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定としないようにしてもよい。
この場合、第1操作手段は、たとえば、前述のパチンコ遊技機1のプッシュボタン120と同様の操作部であり、第2操作手段は、たとえば、プッシュボタン120とは異なる、BETボタンやスタートレバーやストップボタンなどの他の操作部である。操作促進表示手段は、たとえば、スタートレバーが操作されてからフリーズ演出が実行されることで図柄の回転が開始されていないタイミング、または、図柄の第1停止までのタイミングで、操作促進表示を第1態様または第2態様で表示可能であり、演出実行手段は、たとえば、フリーズ演出後に図柄の回転が開始された後のタイミング、または、図柄の第3停止(最後の図柄の停止)までのタイミングで、操作促進表示が実行されたことに基づいて第1操作手段または第2操作手段が操作されたときに演出を実行可能である。
(2) 前述した実施の形態においては、第1操作手段が、プッシュボタン120であり、第2操作手段がプッシュボタン120と異なる操作部であるトリガボタン121およびスティックコントローラ122であることとした。しかし、第1操作手段および第2操作手段が異なる操作部であれば、これに限定されない。たとえば、逆に、第2操作手段が、プッシュボタン120であり、第1操作手段が、トリガボタン121およびスティックコントローラ122であることとしてもよい。また、第1操作手段は、第2操作手段よりも遊技者が操作し難い操作部であってもよい。また、逆に、第1操作手段は、第2操作手段よりも遊技者が操作し易い操作部であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、操作促進表示には、プッシュボタン120が飛出していない状態の外観を模した態様の第1態様、および、プッシュボタン120が飛出している状態の外観を模した態様の第2態様の2つの態様があることとした。しかし、これに限定されず、操作促進表示に2つ以上の態様があることとしてもよい。たとえば、プッシュボタンが複数段階の飛び出している状態のうちの最も飛出している状態の外観を模した態様A、プッシュボタンが複数段階の飛出している状態のうちの中程度に飛出している状態の外観を模した態様B、および、プッシュボタン120が飛出していない状態の外観を模した態様の態様Cが、操作促進表示にあることとしてもよい。
この場合に、特定操作手段の操作促進表示が態様B,Cであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定とし、特定操作手段の操作促進表示が態様Aであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定としないようにしてもよい。また、特定操作手段の操作促進表示が態様Cであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定とし、特定操作手段の操作促進表示が態様A,Bであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定としないようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるとき第2操作手段の操作の有効判定することが、図31(B),図34のステップS8128,図38(F)で示したように、プッシュボタン120の操作促進画像が飛出し表示でない第1態様であるときは、プッシュボタン120以外の操作に対しても、プッシュボタン120に対するボタンセリフ予告演出画像の第1演出態様,第2演出態様と同じ演出態様の演出が実行されることとした。つまり、第2操作手段の操作を有効判定することが、第2操作手段の操作に対しても第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出態様の演出を実行することとした。
しかし、これに限定されず、第2操作手段の操作を有効判定することが、第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と同じキャラクタであるが動きが異なる演出を実行することとしてもよい。第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と同じ意味内容のセリフをキャラクタが話していることを示す演出を実行することとしてもよい。第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と、大当り期待度が50%以上などの同程度の期待度の演出などの、同種の演出態様の演出を実行することとしてもよい。第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と関連する演出、たとえば、一方の操作に対してはプレミアム演出を実行し他方の操作に対しては関連するプレミアムでない演出を実行することとしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるとき第2操作手段の操作を有効判定としないことが、図35のステップS8149,図39(D)で示したように、プッシュボタン120の操作促進画像が飛出し表示である第2態様であるときは、プッシュボタン120以外の操作が無効である旨を報知する演出を実行することとした。つまり、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出を実行しないこととした。
しかし、これに限定されず、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては、何の演出も実行しないこととしてもよい。この場合、表示されていた操作促進表示は操作の有効期間中であれば消去されない。
(6) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第2操作手段の操作を有効判定として、図34のステップS8129で示したように、当該操作に応じて操作促進表示を消去するようにした。一方、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とせず、図35のステップS8149で説明したように、当該操作に応じて操作促進表示は消去しないようにした。しかし、これに限定されず、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とせず、当該操作に応じて操作促進表示を消去するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、図31(B),図31(C)で示すように、ボタンセリフ予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときよりも、ボタンカットイン予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときの方が、大当り遊技状態に制御される割合が高いようにした。つまり、実行されたときに遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御される割合が第1態様(ボタンセリフ予告演出の操作促進表示の態様)よりも第2態様(ボタンカットイン予告演出の操作促進表示の態様)の方が高くなるように操作促進表示を実行するようにした。このように有利な態様で操作促進表示が実行される割合が高いと、有利状態に制御される割合も高い。
なお、前述した実施の形態においては、第1態様よりも遊技者に操作を強く促す第2態様で操作促進表示が実行されたときの方が、第1態様で操作促進表示が実行されたときよりも、遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が高いこととした。しかし、これに限定されず、第2態様で操作促進表示が実行されたときの方が、第1態様で操作促進表示が実行されたときよりも、遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が低いこととしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、第1操作手段であるプッシュボタン120が飛出していない通常態様から、飛び出した特定態様に変化可能であることとした。しかし、これに限定されず、第1操作手段の形状、模様もしくは色彩またはこれらの組合せが、通常態様から特定態様に変化可能であるものであってもよい。たとえば、第1操作手段の内部にランプが設けられており、ランプが発光することで第1操作手段の色が変わるように構成されている場合に、通常態様は、白色であり、特定態様は、赤色や虹色であることとしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、第1操作手段が特定態様であるときは、第2操作手段の操作を有効判定としないことが、図35のステップS8149,図39(D)で示したように、プッシュボタン120が飛出した態様である特定態様であるときは、プッシュボタン120以外の操作が無効である旨を報知する演出を実行することとした。つまり、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出を実行しないこととした。
しかし、これに限定されず、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては、何の演出も実行しないこととしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、図34のステップS8125,図38(B)等で示したように、演出図柄の変動表示中の説明演出、かつ、操作促進表示の一部として、プッシュボタン120の操作促進表示が飛出していない態様であるときには他の操作部の操作でも有効である旨を表示するようにした。
しかし、これに限定されず、操作促進表示が実行されていないときに、演出図柄の変動表示中(たとえば、リーチ状態となる前まで)の説明演出として、プッシュボタン120の操作促進表示がプッシュボタン120が飛出していない態様であるときには他の操作部の操作でも有効である旨を表示するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、図36のステップS8139A,図39(B)で示したように、演出図柄の変動表示中の説明演出、かつ、操作促進表示の一部として、プッシュボタン120の操作促進表示がプッシュボタン120が飛出している態様であるときには他の操作部の操作が無効である旨を表示するようにした。
しかし、これに限定されず、操作促進表示が実行されていないときに、演出図柄の変動表示中(たとえば、リーチ状態となる前まで)の説明演出として、プッシュボタン120の操作促進表示がプッシュボタン120が飛出している態様であるときには他の操作部の操作が無効である旨を表示するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とするが、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定としないようにした。
しかし、第2操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第1操作手段の操作を有効判定とするが、第2操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第1操作手段の操作を有効判定としないようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、第1態様および第2態様の操作促進表示がそれぞれ異なるタイミングの演出で実行可能であることとした。具体的には、第1態様の操作促進表示は、ボタンセリフ予告演出が実行されるタイミングで実行可能であり、第2態様の操作促進表示は、ボタンカットイン予告演出が実行されるタイミングで実行可能であることとした。
しかし、これに限定されず、第1態様および第2態様の操作促進表示が、同じ演出において実行可能であることとしてもよい。たとえば、ある予告演出(たとえば、ボタンカットイン予告演出)において、遊技者にとって有利な有利状態とする場合には第1態様よりも高い割合で第2態様の操作促進表示を実行するようにしてもよい。また、逆に、ある予告演出において、遊技者にとって有利な有利状態とする場合には第2態様よりも高い割合で第1態様の操作促進表示を実行するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態において、操作促進表示に対して操作部の操作をしなくても操作促進表示で促されている操作が自動的に実行されたこととみなされる自動操作機能の有効および無効を遊技者が設定することが可能であるように構成してもよい。
このような自動操作機能が有効に設定されている場合であっても、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定としないようにしてもよいし、さらに、当該自動操作機能により自動的に実行されたとみなされた操作を有効判定としないようにしてもよい。たとえば、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、自動操作機能が有効に設定されている場合であっても無効とされるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、検出有効期間表示(たとえば、図38(B),図39(B)などで示した残存有効期間画像202)は、第1態様および第2態様の操作促進表示のいずれに対しても同じ大きさであることとした。しかし、これに限定されず、第1態様の操作促進表示を実行するときは小さい検出有効期間表示を実行し、第2態様の操作促進表示を実行するときは大きい検出有効期間表示を実行するようにしてもよい。また、逆に、第1態様の操作促進表示を実行するときは大きい検出有効期間表示を実行し、第2態様の操作促進表示を実行するときは小さい検出有効期間表示を実行するようにしてもよい。そして、同一期間を示す際に、大きい検出有効期間表示の減算する速さを小さい検出有効期間表示よりも速めるようにしてもよいし、遅めるようにしてもよい。これにより、検出有効期間表示の大きさにより減算する速さが異なるので、検出有効期間表示に遊技者を注目させることができる。
(16) 前述した実施の形態で示した構成は、いわゆる携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムにも適用できる。携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムは、一般に、所定条件の成立にもとづいて所定情報を出力する遊技機と、遊技機によって出力された所定情報にもとづいて、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を行う特典付与装置とを備える。
具体的には、上記のような遊技用システムでは、遊技機は、変動回数や、大当り回数、いわゆる連荘数(確変状態継続中の大当り回数)、ミッション達成回数などの所定条件の成立を遊技履歴として蓄積し、遊技終了時などに所定情報として2次元コードなどを表示する。また、遊技者は、カメラ機能付き携帯電話機などの携帯端末を用いて、遊技機に表示された2次元コードを撮影し、インターネット上のWebサーバ(特典付与装置)に送信する。そして、Webサーバは、受信した情報にもとづいて遊技者の遊技履歴を管理し、その遊技履歴に応じて所定の特典を付与する処理を行う。例えば、Webサーバは、所定の特典として、画像コンテンツや音楽コンテンツなどのデジタルコンテンツを遊技者の携帯端末に対して送信したり、所定のパスワードを遊技者の携帯端末に送信して遊技者が次回遊技を行うときに遊技機の表示画面を遊技者の嗜好にあわせてカスタマイズできるようにする処理を行う。
上記の実施の形態で示した構成を、上記のような遊技用システムに適用する場合、例えば、第2演出態様のボタンカットイン予告演出が実行されて大当りとなったことを所定条件の成立とし、その回数をWebサーバで遊技履歴として管理するようにすればよい。そして、第2演出態様のボタンカットイン予告演出が実行されて大当りとなった回数に応じて、所定の特典としてデジタルコンテンツを送信したり、遊技機の表示画面をカスタマイズできるようにしたりすればよい。
(17) 前述した実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(18) 前述した実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
(19) 前述した実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(21) 前述した実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
(22) 前述した実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
(23) 前述した実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(24) 前述した実施の形態の構成に加えて、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行するようにしてもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
[第2の実施の形態]
以下、図面を参照しつつ、第2の実施の形態を詳細に説明する。図40は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤6を支持固定する遊技機用枠(台枠)2とから構成されている。遊技盤6には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤6の所定位置(図40に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置8aと、第2特別図柄表示装置8bとが設けられている。第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置8aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置8bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤6における遊技領域の中央付近には、画像表示装置9が設けられている。画像表示装置9は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置9の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置8aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置8bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置9の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置9の表示領域では、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア9Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置9の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア18cが配置されている。始動入賞記憶表示エリア18cでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置13が形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置14が形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図40に示す例では、始動入賞記憶表示エリア18cとともに、第1特別図柄表示装置8a及び第2特別図柄表示装置8bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器18aと第2保留表示器18bとが設けられている。第1保留表示器18aAは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器18bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置9の下方には、普通入賞球装置13と、普通可変入賞球装置14とが設けられている。普通入賞球装置13は、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置14は、図41に示す普通電動役物用となるソレノイド16によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置14では、普通電動役物用のソレノイド16がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置14では、普通電動役物用のソレノイド16がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置14は、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置14は、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置13に形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図41に示す第1始動口スイッチ13aによって検出される。普通可変入賞球装置14に形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図41に示す第2始動口スイッチ14aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置13と普通可変入賞球装置14の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、図41に示す大入賞口扉用となるソレノイド21によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置20では、大入賞口扉用のソレノイド21がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置20では、大入賞口扉用のソレノイド21がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図41に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤6の所定位置(図40に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器10が設けられている。一例として、普通図柄表示器10は、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器10の上方には、普図保留表示器41が設けられている。普図保留表示器41は、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート32を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤6の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠2の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ27が設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ28が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置13、普通可変入賞球装置14、特別可変入賞球装置20等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠2の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠2の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠2の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。スティックコントローラ122は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤6の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート32を通過した遊技球が図41に示すゲートスイッチ32aによって検出されたことといった、普通図柄表示器10にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置14を構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置13に形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図41に示す第1始動口スイッチ13aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置8aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置14に形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図41に示す第2始動口スイッチ14aによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置8aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置20を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rでは、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置9の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア9L、9Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア9Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置9の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置9における表示動作のみならず、スピーカ27による音声出力動作や、遊技効果ランプ28などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板31の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板31の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板80の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア9L、9Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア9Lと「右」の飾り図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄や「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態における所定のラウンドの実行中、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するか否か(特典としての確変が付与されるか否か)の特典付与演出となる大当り中昇格演出が実行される。詳しくは後述するが、大当り中昇格演出では、例えば、画像表示装置9の表示領域にてキャラクタ同士が戦うバトル演出が行われればよい。そして、メインキャラクタの勝利や敗北などにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる昇格の有無(特典としての確変が付与されるか否か)を遊技者が認識できるように報知すればよい。なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中ではなく、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて行われてもよい。また、なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態となる旨を報知する(特典が付与されることを報知する)大当り中昇格成功演出と、確変状態とならない旨を報知する(特典が付与されないことを報知する)大当り中昇格失敗演出とがある。そして、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御される。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御される。確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。時短状態は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が、通常状態に比べて短縮される遊技状態である。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。このような時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了する。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置14における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる(遊技者にとって有利な遊技状態となる)。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態である。また、確変状態は、高確高ベース状態とも称される遊技状態である。すなわち、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されることから、高確高ベース状態に制御されることとなる。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御されることから、低確高ベース状態に制御されることとなる。
確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないものが含まれていてもよい。一例として、特図ゲームにおける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御される。その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。また、通常状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第2確変状態へと移行して、確変制御のみが行われ、時短制御や高開放制御は行われないようにしてもよい。その一方で、確変状態や時短状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態へと移行して、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるようにしてもよい。あるいは、「確変大当り」に基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、再び特図表示結果が「大当り」となるまで第1確変状態に制御される一方、「突確大当り」に基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態に移行して、特図表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときに、第2確変状態へと移行するようにしてもよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御されればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
パチンコ遊技機1には、例えば図41に示すような主基板31、演出制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板35といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板31と演出制御基板80との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板77なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤6などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板31は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板31は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板80などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板31は、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器10の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板31には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送するスイッチ回路58、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのソレノイド駆動信号をソレノイド16、21に伝送するソレノイド回路59などが搭載されている。
演出制御基板80は、主基板31とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板77を介して主基板31から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置9、スピーカ27、遊技効果ランプ28といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板80は、画像表示装置9における表示動作や、スピーカ27からの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ28などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板70は、演出制御基板80とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ27から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板35は、演出制御基板80とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ28などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図41に示すように、主基板31には、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板31には、第1特別図柄表示装置8a、第2特別図柄表示装置8b、普通図柄表示器10、第1保留表示器18a、第2保留表示器18b、普図保留表示器41などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板31から演出制御基板80に向けて伝送される制御信号は、中継基板77によって中継される。中継基板77を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置9における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27からの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ28や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)54と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)55と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)56と、CPU56とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路503と、I/O(Input/Output port)57とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、CPU56がROM54から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU56がROM54から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU56がRAM55に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU56がRAM55に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
乱数回路503は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、例えばRAM55に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU56がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路503における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路503から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図42は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合と「突確」である場合、さらには、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチBといった態様のリーチ演出がある。なお、図示する例では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応した変動パターンにおいて「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出を行う例を示しているが、ノーマルリーチ変動パターンやスーパーリーチ変動パターンなど、その他の変動パターンにおいても「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が行われてもよい。
図41に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるRAM55は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM55には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるI/O57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図41に示すように、演出制御基板80には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU101と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM111と、演出制御用CPU101のワークエリアを提供するRAM112と、画像表示装置9における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部109と、演出制御用CPU101とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路113と、I/O114とが搭載されている。
一例として、演出制御基板80では、演出制御用CPU101がROM111から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU101がROM111から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU101がRAM112に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU101がRAM112に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU101がI/O114を介して演出制御基板80の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU101がI/O114を介して演出制御基板80の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU101、ROM111、RAM112は、演出制御基板80に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板80には、画像表示装置9に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板70に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板35に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板80には、スティックコントローラ122に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット123から伝送するための配線や、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板80では、例えば乱数回路113などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図41に示す演出制御基板80に搭載されたROM111には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM111には、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM111には、演出制御用CPU101が各種の演出装置(例えば画像表示装置9やスピーカ27、遊技効果ランプ28及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU101は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU101は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM111から読み出してRAM112の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM111における記憶アドレスを、RAM112の所定領域に一時記憶させて、ROM111における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU101から表示制御部109や音声制御基板70などに対して出力される。演出制御用CPU101からの指令を受けた表示制御部109では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU101からの指令を受けた音声制御基板70では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
演出制御基板80に搭載されたRAM112には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。
次に、この実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU56は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路58を介してゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板31の側で用いられる乱数値MR1〜MR3といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU56は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM55に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置20における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU56は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器10における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置14における可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU56は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板31から演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、RAM55に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O57に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図43は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS9101)。図44は、始動入賞判定処理として、図43のステップS9101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図44に示す始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、普通入賞球装置13が形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ13aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ13aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ13aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU56は、例えばRAM55に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM55に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ13aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置14が形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ14aからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ14aがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ14aがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU56は、例えばRAM55に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM55に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM55に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU56は、乱数回路503やRAM55のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。CPU56は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。なお、この実施の形態では、ステップS209の処理にて乱数値MR1および乱数値MR2を抽出しているが、上述してように、乱数値MR2は大当り種別を決定するために用いられる乱数値であるため、乱数値MR1の判定結果が「大当り」である場合にのみ抽出されるようにしてもよい。なお、この場合、後述する図46のステップS241にてYesと判定された後に乱数値MR2が抽出されればよい。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図45(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図45(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
図45(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置13が形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
図45(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置14が形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
図44に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM54における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM54における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
その後、例えばROM54における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図43のステップS9101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU56は、RAM55に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS9110〜S9120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS9110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS9111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS9110の特別図柄通常処理やステップS9111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS9112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS9112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM55に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS9112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS9113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM55に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。また、ステップS9113の特別図柄停止処理には、時短状態の終了判定を行い、終了する場合には演出制御基板80の側にその旨を通知するコマンドを送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は上述したコマンド制御処理にて演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS9114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS9115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。また、ステップS9115の大当り開放中処理には、カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに応じてその旨を示す賞球コマンドを演出制御基板80の側へ送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は、上述したコマンド制御処理にて演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS9116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS9117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置9やスピーカ27、遊技効果ランプ28などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変状態や時短状態の開始設定)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS9118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS9119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS9120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置9やスピーカ27、遊技効果ランプ28などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図46は、特別図柄通常処理として、図43のステップS9110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM55に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM55にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM55にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM55にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図47(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図47(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU56は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置14が形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図46に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM55に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図48に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置8aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置14が形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図46に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM55に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、RAM55に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図49は、変動パターン設定処理として、図43のステップS9111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図50(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えばRAM55に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
大当り変動パターン決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、及び変動パターンPB4−2に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、及び変動パターンPB4−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、及び変動パターンPB4−2に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図50(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB4−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB4−2の方が多くの決定値が割り当てられている。
図49に示すステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図50(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図50(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Cを選択してセットする(ステップS267)。例えばRAM55に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS268)。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図50(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行う変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図50(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB2−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB2−2の方が少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図49に示すステップS263、S265、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置8aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置8bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU56は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU56は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM55に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから所定のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図51は、図43のステップS9113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図51に示す特別図柄停止処理において、CPU56は、まず、例えばRAM55に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、飾り図柄停止コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、RAM55に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS9300)。例えば、ステップS9300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS9300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS9301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS9302)。例えば、ステップS9302の処理として、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、高ベース中において実行される特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS9303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9304)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS9304;Yes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS9305)。続いて、特図表示結果が「小当り」となったことに対応した当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS9306)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS9307)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS9308)。
ステップS9304にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS9304;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS9309)。ステップS9308、S9309の処理のいずれかを実行した後には、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行い(ステップS9311)、終了させる場合には(ステップS9311;Yes)、時短制御や高開放制御などを終了させるとともに、時短状態の終了を示す時短終了コマンドを送信する設定を行ってから(ステップS9312)特別図柄停止処理を終了する。一方、終了させない場合には(ステップS9311;No)、そのまま特別図柄停止処理を終了する。例えば、ステップS9311の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、特別図柄停止処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われる。
また、ステップS9311の処理では、例えばRAM55に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM54などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS9311の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。
演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU101が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM112のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O114に含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM112に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、遊技効果ランプ28及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM112のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図52は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、例えばRAM112などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS9170〜S9177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS9170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板31からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置9における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS9171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置9における飾り図柄の可変表示の実行設定や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。また、可変表示開始設定処理には、後述する操作演出設定処理を行う処理などが含まれている。
ステップS9172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU101は、RAM112に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理では、示唆演出や切替示唆演出を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS9173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU101は、主基板31から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。また、ステップS9173の特図当り待ち処理には、当り開始指定コマンドが「突確」を除く大当り遊技状態の開始を指定する場合に、上述した大当たり中昇格演出の実行設定を行う処理などが含まれている。
ステップS9174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU101は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板31からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS9175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS9176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU101は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、大当たり中昇格演出や報知演出を実行する制御が行われる。また、大当り中演出処理では、例えば主基板31からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS9177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU101は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図53は、可変表示開始設定処理として、図52のステップS9171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図53に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば主基板31から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS551)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS551;Yes)、例えば主基板31から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS552;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS553)。一例として、ステップS553の処理では、まず、RAM112に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM111などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア9Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM112に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM111などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア9Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM112に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM111などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア9Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS552にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS552;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS554)。一例として、ステップS554の処理では、まず、RAM112に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM111などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア9L、9Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAM112に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM111などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア9Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS551にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS551;No)、特図表示結果が「小当り」または「突確」であるか否かを判定する(ステップS555)。「小当り」または「突確」であると判定されたときには(ステップS555;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「小当り」や「突確」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS557)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAM112に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM111などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS555;Yes)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS556)。一例として、ステップS556の処理では、まず、RAM112のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM111などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置9の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに関わらず、ステップS556の処理では、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。
ステップS553、S554、S556の処理のいずれかを実行した後には、操作演出を実行するか否かなどを決定する操作演出設定処理を実行する(ステップS559)。この実施の形態における操作演出は、可変表示開始直後からリーチ状態となるまでの期間(リーチ状態とならない場合も含む)に行われる演出であり、遊技者にプッシュボタン120の操作を促す表示(操作促進表示)を行い、当該遊技者によるプッシュボタン120の操作に対応して大当り期待度を報知する演出である(図56参照)。具体的に、この実施の形態における操作演出では、操作促進表示としてプッシュボタン120の画像を表示するとともに、遊技者によるプッシュボタン120の操作(例えば連打操作)を受け付け可能とする有効期間(例えば8秒間)を示すメータを表示する(有効期間表示)。有効期間は、量的表示としてのメータを時間経過とともに減少させて表示することにより、遊技者が残りの有効期間を認識できるものとなっている(すなわち、有効期間表示は、量的表示としてのメータ表示を含むものとなっており、メータ量により有効期間の残量を示している)。また、この実施の形態における操作演出では、操作演出の開始直後に表示された操作促進表示および有効期間表示が時間経過とともに大きくなるように表示される。より具体的には、操作促進表示としてのプッシュボタン120の画像が時間経過とともに徐々に大きくなるように表示されるとともに、有効期間表示としてのメータの大きさも大きくなるように表示される(量的表示としてのメータが大きくなることにより、有効期間表示が大きくなる)。なお、有効期間は時間経過に伴い少なくなることから、当該操作演出では、有効期間表示としてのメータの大きさが大きくなる一方、メータの減少量は大きくなる。これにより一定の有効期間(8秒間)を示している。そして、有効期間の終了後に、遊技者によるプッシュボタン120の連打操作に応じて大当り期待度が報知されることで操作演出が終了する。なお、操作演出開始直後に表示される操作促進表示(開始直後なので小さい表示)を第1促進表示といい、当該第1促進表示に対応する大きさの有効期間表示(より具体的にはメータ表示)を第1量的表示というものとする。また、有効期間終了直前に表示される操作促進表示(終了直前なので大きい表示)を第2促進表示といい、当該第2促進表示に対応する大きさの有効期間表示(具体的にはメータ表示)を第2量的表示というものとする。なお、量的表示は、遊技者が有効期間を特定できる表示であればよく、第1操作促進表示に対応した第1態様の表示と、第2促進表示に対応した第2態様の表示を含む表示であればよい。例えば、量的表示は、上述したメータ量が減少していくメータ表示の他、メータの色が変化するもの、メモリの量が変化するもの、風船がしぼんでいったり、氷が溶けていったりするものなど、実行される演出内容に応じた表示であってよい。また例えば第1操作促進表示に対応する第1量的表示としてメータ量が減少していくパターンを実行した場合に、第2操作促進表示に対応する第2量的表示として氷が溶けていくパターンを実行するなど、操作促進表示の態様(操作演出のパターンであってもよい)に応じて、異なる概念の表示を適用するようにしてもよい。なお、メモリの量が変化するものについては、通常のサイズから、通常よりも大きなサイズ(大サイズ)に一気に拡大させ(例えば2倍)、通常のサイズが1メモリ減少するのに対し、大サイズが2メモリ減少するなどして第1量的表示および第2量的表示としてもよい。また、風船がしぼんでいったり、氷が溶けていったりするパターンであれば、通常のサイズから通常よりも大きなサイズに変化するときに、風船や氷の色を変化させてもよい。また、氷の形状を変化させてもよい。
ステップS559の操作演出設定処理では、図54に示す操作演出実行決定テーブルを参照して、操作演出の実行有無と種類(パターン)を決定する。図54は、所定演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、図示するように、操作演出を実行しないことを示す「実行無し」の他、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」といった種類の操作演出が設定されている。なお、図53のステップS559の処理では、操作演出を実行すると決定された場合に、操作演出の実行期間(操作演出期間)と遊技者による操作を受け付け可能とする有効期間も合わせて設定される。
パターンA〜Cは、各々異なる態様の操作演出として定められている。パターンA〜Cは、いずれも図56に示すように、山道を登っていく画像が表示されるとともに、プッシュボタン120に対する操作を促す演出である。この実施の形態では、例えば、「パターンA」は図56に示すように、キャラクタが山道を登っていく過程で、当該キャラクタと、操作促進表示としてのボタン表示66と、操作促進表示に対応する大きさの有効期間表示88が(メータ表示)当該操作演出期間中継続して視認可能となるパターンの操作演出である。「パターンB」は、同様に山道を登っていく画像が表示されるが、キャラクタの目線から見える範囲の画像が表示される。具体的に、操作演出開始時には図56(A)に示すように山道全体が表示されるものの(キャラクタは表示されない)、図56に示す曲がり角Xの地点まではボタン表示66および有効期間表示88が視認できず、曲がり角Xを曲がった際にボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となるパターンの操作演出である。すなわち、「パターンB」は、当該操作演出の開始時にはボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となるが、途中の期間においてボタン表示66および有効期間表示88が視認不可能となった後に、再度ボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となるパターンの操作演出である。なお、上述したように、ボタン表示66および有効期間表示88は時間経過とともに徐々に大きく表示されるため、一旦視認不可能となった後再度視認可能となるときには、当該操作演出の開始時よりも再度ボタン表示66および有効期間表示88が大きく表示されることとなる。「パターンC」も、「パターンB」同様に山道を登っていく画像が表示され、キャラクタの目線から見える範囲の画像が表示されるが、「パターンB」では曲がり角Xを曲がるまでの期間はボタン表示66および有効期間表示88が視認できないのに対し、「パターンC」では、有効期間表示88が別途表示される(具体的に画像表示装置9の遊技者にとって左上側など)とともに、時間経過とともに徐々に大きく表示されるパターンの操作演出である(曲がり角Xを曲がった後は元の位置にて有効期間表示88が表示されればよい)。すなわち、「パターンC」は、当該操作演出の開始時にボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となった後、途中の期間においてボタン表示66が視認不可能となるとともに有効期間表示88が別途表示され、その後再度ボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となるパターンの操作演出である。なお、操作演出の種類およびパターンはこれらに限らず、各々は任意であり、メッセージが表示されてもよく、またその態様などが異なるなどといったパターンであってもよい。また、操作演出の種類は1種類のみであってもよい。また、パターンA〜Cは、いずれも図56に示すように、山道を登っていく画像が表示される例を示したが、各々で異なる画像が表示されてもよい。
図54に示すように、この実施の形態における操作演出実行決定テーブルでは、操作演出が実行された場合の方が、実行されない場合よりもスーパーリーチや大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。また、操作演出が実行された場合に、パターンAよりもパターンBの方が、パターンBよりもパターンCの方が、大当りとなる可能性が(大当り信頼度が)高くなるように設定されている。そのため、操作演出が実行されるか否か、および実行される場合における操作演出の種類について、遊技者の注目を集めることができる。なお、このように、操作演出の実行有無と種類とを一度に決定する構成でなくともよく、操作演出の実行有無と種類とを別々に決定する構成としてもよい。また、特定の大当りの変動パターンが決定された場合には、特定のパターンの操作演出が必ず実行されるように構成することで、大当り確定となるパターンの操作演出があってもよい。例えば、この実施の形態における操作演出は、上述したように操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示され、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了する例を示したが、例えば、操作演出開始直後に第2促進表示および第2量的表示が表示され、そのまま終了するパターンの操作演出があってもよく、この場合には大当り確定となってもよい。
また、この実施の形態における操作演出では、上述したように、遊技者によるプッシュボタン120の操作に対応して大当り期待度を報知する。具体的に、操作演出の開始とともに有効期間が開始され、当該有効期間中のプッシュボタン120の連打操作に対応して図56の画像表示装置9の右側部分の徐々に増加するとともに、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)に伴って当該期待度メータ99が確定することで、大当り期待度を報知する。なお、この実施の形態における操作演出では、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)直前までは、図56における期待度メータ99の「中」の部分までしか期待度メータ99が増加しないようになっており、有効期間が終了することで、「大」や「小」のいずれかにメータ量が増減して確定するか、「中」のままのメータ量として確定するようになっている。すなわち、有効期間終了時までいずれの期待度となるか、遊技者に期待感を持たせることができるようになっている。なお、上述したように、操作演出が実行された場合に、パターンAよりもパターンBの方が、パターンBよりもパターンCの方が、大当りとなる可能性が(大当り信頼度が)高くなるように設定されている。そのため、パターンAよりもパターンBの方が、パターンBよりもパターンCの方が、有効期間終了時に「大」の部分までメータ量が増加する割合が高くなっている(「小」に減少する割合はその逆となっている)。なお、この実施の形態では、プッシュボタン120の連打操作における1回の操作に応じた期待度メータ99の増加量は、パターンに関わらず共通であるが、例えば、大当り期待度が高いほど増加量が小さくなってもよいし、その逆であってもよい。これによれば、操作に応じた期待度メータ99の増加量に対する遊技者の注目を集めることができる。なお、期待度メータ99のメータ量が「大」、「中」、「小」のいずれかに確定するかを、図53のステップS559の処理にて合わせて決定してもよいし、操作演出を実行すると決定した場合に、別途可変表示結果に応じて決定するようにしてもよい。
図53に戻り、ステップS559の処理を実行した後、またはステップS557の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS560)。演出制御用CPU101は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、ROM111に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM112の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS561)。
そして、画像表示装置9における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS562)。このときには、例えばステップS560にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部109のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS563)、可変表示開始設定処理を終了する。
図55は、図52のステップS9172において実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図55に示す可変表示中演出処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS9801)。演出制御用CPU101は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS9801にて可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS9801;No)、演出制御用CPU101は、操作演出期間であるか否かを判定する(ステップS9804)。操作演出期間は、図53のステップS559の処理にて操作演出を行うと決定された場合に、当該操作演出に応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。なお、操作演出期間の始期は、可変表示の実行開始直後(例えば数秒後)に定められている。
操作演出期間であると判定した場合(ステップS9804;Yes)、演出制御用CPU101は、操作演出の演出制御を実行する(ステップS9805)。これにより、パターンA〜Cのいずれかの操作演出が実行される。なお、ステップS9805の処理では、上述したように、有効期間中の遊技者によるプッシュボタン120の連打操作に応じて期待度メータ99が徐々に増加するとともに、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)に伴って当該期待度メータ99のメータ量が確定することで、大当り期待度を報知する処理も行われる。また、ステップS9805の処理では、実行されるパターンにしたがって操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示され、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了する処理が行われればよい(「パターンC」の場合には、上述したように有効期間表示88が別途表示される処理も行われればよい)。ステップS9805の処理を実行した後、またはステップS9804にて操作演出期間でないと判定した場合(ステップS9804;No)、演出制御用CPU101は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS9806)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS9806;Yes)、演出制御用CPU101は、リーチ演出用の背景画像を表示するなど、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS9807)。
ステップS9807の処理の実行後、またはステップS9806にてリーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS9806;No)、演出制御用CPU101は、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS9808)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS9801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS9801;Yes)、主基板31から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS9809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS9809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS9809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS9809;Yes)、演出制御用CPU101は、例えば、表示制御部109のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS9810)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS9811)。次に、演出制御用CPU101は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS9812)、可変表示中演出処理を終了する。
図56は、パターンAの操作演出が実行された場合における演出動作例を示す図である。図56(A)は、操作演出が開始された直後の演出動作例を示しており、図示するように、操作促進表示としてのボタン表示66と有効期間表示として有効期間表示88が表示されている。なお、図56(A)に示すボタン表示66および有効期間表示88は、操作演出開始直後であるため、それぞれ第1促進表示、第1量的表示に対応する。また、操作演出開始直後であるため、画像表示装置9の右側の期待度メータ99のメータは増加していない。図56(B)は、操作演出が開始されてから(図56(A)の状態から)所定期間経過後(例えば3秒後)の状態を示しており、図示するように、表示されたキャラクタが曲がり角X地点まで進んだ状態を示している。図56(B)に示すように、図56(A)に示す状態から時間経過に伴い、ボタン表示66および有効期間表示88が拡大表示される。また、これにしたがって、有効期間の残量を示すメータの減少量が大きくなっている。また、図56(B)に示す例では、図56(A)に示す状態から当該図56(B)に示す状態までの間に行われた遊技者の連打操作に対応して、画像表示装置9の右側の期待度メータ99のメータが、図示する量増加した例を示している。その後、ボタン表示66および有効期間表示88がさらに拡大して第2促進表示および第2量的表示が表示され、有効期間が終了、すなわち操作演出が終了するとともに、期待度メータ99のメータ量が「大」、「中」、「小」のいずれかに確定する。パターンBおよびパターンCの操作演出が実行された場合、操作演出開始直後は、図56(A)に示す例と比較して、キャラクタが表示されない(キャラクタの目線で見える部分が表示される)以外は同様の表示が行われる。そして、図56(B)に示すように曲がり角X地点まで進んだ状態となるまでの期間、パターンBの操作演出では、ボタン表示66および有効期間表示88が視認できず、パターンCの操作演出では、ボタン表示66が視認できないものの、有効期間表示88が時間経過とともに拡大して別途表示される。そして、曲がり角X地点まで進んだ状態となると、パターンBおよびパターンCの両方において、ボタン表示66および有効期間表示88が拡大表示される(パターンCの場合には、元の位置にて有効期間表示88が拡大表示される)。
以上説明したように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU101は、操作演出開始直後に操作促進表示(開始直後なので小さい表示)として第1促進表示とを表示するとともに、当該第1促進表示に対応する大きさの有効期間表示(より具体的にはメータ表示)を第1量的表示として表示し、時間経過とともに操作促進表示および有効期間表示を徐々に大きくなるように表示する。さらに、有効期間表示としてのメータの減少量を時間経過とともに徐々に大きくすることで、一定の有効期間となるよう制御する。したがって、ボタン表示66のサイズに応じた有効期間表示88を表示するため、操作促進表示に応じた有効期間の表示制御を的確に行うことができる。
また、演出制御用CPU101は、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示を表示した後、時間経過とともに第2促進表示および第2量的表示のサイズまで拡大して表示する。したがって、操作促進表示および有効期間表示を強調させることができる。また、時間経過とともに第2促進表示および第2量的表示のサイズまで拡大して表示した後、拡大表示を終了するとともに、操作演出を終了するため、操作促進表示および有効期間表示を強調させることができる。
また、演出制御用CPU101は、有効期間表示としてメータを表示するとともに、時間経過とともに、メータのサイズを拡大して表示する。また、それに伴い、一定の有効期間を表示するため、メータの減少量を大きくする。すなわち、メータのサイズが大きくなったことに合わせて減少速度を早くする。したがって、操作促進表示に応じた有効期間の表示制御を的確に行うことができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示され、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了する例を示したが、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示された後、そのまま態様が変化せずに操作演出が終了するパターンや、操作演出開始直後に第2促進表示および第2量的表示が表示され、そのまま操作演出が終了するパターンがあってもよい。また、操作演出開始直後に第2促進表示および第2量的表示が表示され、その後第1促進表示および第1量的表示といった態様に、それぞれが縮小表示され操作演出が終了するパターンがあってもよい。すなわち、操作演出の開始に伴い、第1促進表示および第1量的表示と、第2促進表示および第2量的表示のいずれかが表示されればよく、その後表示サイズが変化する場合としない場合があってもよい。そして、パターンに応じて期待度が異なっていればよい(最終的に大きい表示であるほど期待度が高ければよい)。さらに、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示された後、第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了するパターンであっても、例えば、第1促進表示および第1量的表示が表示された直後に拡大表示を開始するパターンの他、第1促進表示および第1量的表示が表示されてから所定時間経過後に拡大するパターンなど、拡大を開始するタイミングおよびスピードが異なるパターンがあってもよい。これによれば、第1促進表示および第1量的表示が表示のまま終了すると遊技者に見せかけつつ拡大表示するため、遊技者が単に有効期間中にボタン操作を行うことだけを考えるのではなく、有効期間中における促進表示などの変化態様にも注目させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、操作演出において、山道を登っていく画像を表示することにより(キャラクタが近づいていくように見せることで)、操作促進表示としてのボタン表示66と有効期間表示88を(メータ表示)時間経過とともに徐々に大きく表示する例を示したが、これは一例である。例えば、ボタン表示66と有効期間表示88自体が、時間経過とともに遊技者側に近づいていく(画像表示装置9の遊技者にとって奥側から手前側に)ことで、時間経過とともに徐々に大きく表示するようにしてもよい。このような構成によっても、操作促進表示に応じた有効期間表示の表示制御を的確に行うことができる。この場合においても、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示を表示し、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示して操作演出を終了すればよい。なお、第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示した直後に操作演出が終了してもよいが、第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示された後、所定期間(例えば有効期間の残量がなくなるまでの期間)拡大表示が停止されてもよい。すなわち、第2促進表示および第2量的表示のサイズまで拡大された後は、残りの有効期間が終了するまでは拡大が停止されるよう、第2促進表示および第2量的表示のサイズとなっても有効期間の残量が存在するように拡大表示してもよい。なお、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示を表示し、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示して操作演出が終了しなくとも、例えば、ボタン表示66と有効期間表示88自体が、時間経過とともに遊技者側に近づいていくような場合、上述の第2促進表示および第2量的表示のサイズを超えて拡大させてもよい。具体的に、画像表示装置9の大きさいっぱいになるまで拡大させて表示し、その後さらに拡大して表示していき、画像表示装置9からフェイドアウトしていくようにすることで操作演出が終了するようにしてもよい。また、例えば、促進表示の開始時には当該促進表示に小さな文字にて「チャンス」などの文字を表示しておき、促進表示を時間経過とともに拡大表示させることにより、「チャンス」などの文字が視認容易となるようにしてもよい。
上記実施の形態では、「パターンB」の操作演出において、当該操作演出の開始時にボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となるが、途中の期間においてボタン表示66および有効期間表示88が視認不可能となり、その後再度ボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となる例を示したが、例えば、視認不可能とならなくとも、ボタン表示66および有効期間表示88が一部視認可能となるようにしてもよい(有効期間表示88のみ一部視認可能としてもよい)。同様に、「パターンC」の操作演出において、有効期間表示88を別途表示するとともに、ボタン表示66の一部を視認可能としてもよい。また、「パターンB」については途中の期間においてボタン表示66および有効期間表示88を視認不可能とする一方で、「パターンC」について有効期間表示88を別途表示する変わりに一部視認可能としてもよい。これによれば、ボタン操作を行う期間であることを、すなわち、操作演出期間中であることを遊技者に認識させることができる。
また、上記実施の形態では、「パターンB」の操作演出では、キャラクタの目線から見える範囲の画像が表示されることから、図56に示す曲がり角Xの地点まではボタン表示66および有効期間表示88が視認できず、曲がり角Xを曲がった際にボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となる例を示したが、これは一例である(パターンCも同様)。「パターンB」の操作演出では、当該操作演出の開始時にボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となるが、途中の期間においてボタン表示66および有効期間表示88が視認不可能(視認困難状態)となり、その後再度ボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となれば、その他の演出内容であってもよい。例えば、図57に示すように、遊技盤6における画像表示装置9の上部の中央に下方向(画像表示装置9の画面上、つまり遊技者から見て画像表示装置9の画面の手前)に移動可能に構成された星形の役物200を設け(この役物200は、画像表示装置9の上部の中央を初期位置とし、画像表示装置9の表示画面の一部に重なる演出位置に移動可能)、当該役物200を初期位置から演出位置に移動させることで、操作演出の途中の期間においてボタン表示66および有効期間表示88が視認不可能としてもよい。そして、役物200が初期位置に戻った後、すなわち視認困難な状態が解消された後に、画像表示装置9に、ボタン表示66および有効期間表示88が表示され、再度ボタン表示66および有効期間表示88が視認可能となればよい。これによれば、役物200が演出位置から初期位置に戻った後、すなわち有効期間の視認困難状態が解消された後に、有効期間が終了するように構成されている。そのため、可動部材を動作可能とするとともに、遊技者が有効期間であることを見逃してしまうことを防止することができる。なお、図57(D)に示すように、役物200が演出位置に移動しても、ボタン表示66および有効期間表示88が完全には覆い隠されないように構成されてもよい(一部視認可能としてもよい)。また、役物200が演出位置に移動した場合、「パターンC」の操作演出のように有効期間表示88を別途表示してもよい。
また、上記実施の形態では、有効期間表示として、量的表示としてのメータを時間経過とともに減少させて表示する例を示したが、例えば、図58に示すように、当該有効期間表示における有効期間の残量を示す部分以外の部分に、残りの有効期間の秒数(秒数表示)を遊技者が認識できるように表示してもよい。また、操作演出では、操作促進表示および有効期間表示が時間経過とともに大きくなるように表示されるが、これに伴って、秒数表示も拡大して表示すればよい(図58(A)に示す状態から所定時間経過後に図58(B)に示す状態に拡大表示されればよい)。これによれば、有効期間が減少するにつれて残りの有効期間の表示がより大きく表示されるため、有効期間をより正確に把握することができる。
また、上記実施の形態では、有効期間中の遊技者によるプッシュボタン120の連打操作に応じて期待度メータ99が徐々に増加するとともに、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)に伴って当該期待度メータ99のメータ量が確定することで、大当り期待度を報知する例を示したが、プッシュボタン120に対する操作は、連打操作に限られず、長押し操作であってもよい。また、例えば1秒間長押しすることにより、当該1秒間連打操作が行われていることと同等の判定が行われるようにしてもよい(オート連打)。そして、例えば、8秒間の有効期間のうち、所定期間経過前(4秒経過前など)は、長押し操作により連打操作が行われていると判定するオート連打の判定を有効とし、所定期間経過後は、オート連打の判定を無効としてもよい(逆に、所定期間経過前にオート連打の判定を無効とし、所定期間経過後に有効としてもよい)。これによれば、オート連打により遊技者の操作を簡略にすることができるとともに、状況に応じてオート連打の判定が変更されるため、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、操作演出が、可変表示開始直後からリーチ状態となるまでの期間(リーチ状態とならない場合も含む)に行われる演出である例を示したが、例えば、リーチ中に行われる演出であってもよい。この場合、リーチ演出の妨げとならないよう、「パターンC」の操作演出において有効期間表示88を別途表示する際、リーチ状態を構成する「左」の飾り図柄を透過させメータとして表示を変更し、当該飾り図柄の上部から下部へメータが減少するようにしてもよい。なお、「左」の飾り図柄をメータ表示に変更するものに限られず、「右」の飾り図柄をメータ表示に変更してもよいし、それら両方であってもよい。この場合、同じ「パターンC」の操作演出であっても、「左」の飾り図柄よりも「右」の飾り図柄の方が、「右」の飾り図柄よりも「左」および「右」の両方の飾り図柄の方が、メータ表示に変更された場合に、期待度メータ99が「大」に確定される割合が高くなるようにしてもよい(すなわち、期待度が高いようにしてもよい)。これによれば、メータ表示に変更される飾り図柄がいずれであるかについて、遊技者の注目を集めることができる。また、操作演出は、大当たり中の演出として、当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性を示唆する確変昇格演出として実行されてもよく、この場合、期待度メータ99は、確変状態に制御される可能性を示すものであればよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板80に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板80に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板80の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板80の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記の実施の形態では、例えば、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば、「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示またはスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
なお、上記の実施の形態では、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、有利状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、または、特定の通過ゲートを通過した場合に大当り遊技状態に制御する遊技機にも適用することができる。さらには遊技用価値(メダルなど)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
また、パチンコ遊技機1は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うものに限られず、例えば、遊技領域に設けられたアタッカ内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
[他の実施の形態]
前述した第1の実施の形態および第2の実施の形態のうち、全部または一部の構成を任意に組合せるようにしてもよい。たとえば、以下のような遊技機が考えられる。
遊技を行なうことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
遊技者が操作可能な第1操作手段(たとえば、プッシュボタン120、トリガボタン121、スティックコントローラ122、ハンドルボタン、設定用十字キー、設定用決定キー)と、
遊技者が操作可能であり前記第1操作手段と異なる第2操作手段(たとえば、第1操作手段がプッシュボタン120であればプッシュボタン120以外の操作部)と、
第1態様(たとえば、図38(B)等で示すようなボタンが飛び出していない態様)または第2態様(たとえば、第1態様よりも遊技者に操作を強く促す態様、図39(B)で示すようなボタンが飛び出している態様)での前記第1操作手段の操作を遊技者に促進させる操作促進表示(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図34のステップS8125,図35のステップS8139A)と、量的表示(たとえば、メータ表示など)を変化可能に表示することにより前記第1操作手段および前記第2操作手段の少なくとも一方に対する操作を受け付け可能な有効期間を表示する有効期間表示(たとえば、有効期間表示88など。操作演出を実行する演出制御用CPU120など。)とを表示可能な表示制御手段と、
前記操作促進表示が実行されたことに基づいて前記第1操作手段または前記第2操作手段が操作されたときに演出を実行可能な演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第1態様であるときは、該第1態様に対する前記第2操作手段の操作を有効判定とするが(たとえば、図31(B),図34のステップS8128,図38(F)で示すように、ボタンセリフ予告演出画像の第1演出態様,第2演出態様と同じ演出態様の演出を実行してもよいし、同じキャラクタであるが動きが異なる演出や、同じ意味内容のセリフをキャラクタが話していることを示す演出や、大当り期待度が50%以上などの同程度の期待度の演出などの、同種の演出態様の演出を実行してもよいし、一方の操作に対してはプレミアム演出を実行し他方の操作に対しては関連するプレミアムでない演出を実行するといったような、関連する演出を実行してもよい。)、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第2態様であるときは、該第2態様に対する前記第2操作手段の操作を有効判定とせず(たとえば、第2操作手段の操作に対して、第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出を実行しないようにしてもよいし、何の演出も実行しないようにしてもよいし、図35のステップS8149,図39(D)で示すように当該操作が無効である旨を報知する演出を実行してもよい。)
前記表示制御手段は、
前記操作促進表示として第1操作促進表示と該第1操作促進表示を拡大または縮小させた第2操作促進表示を表示可能であり(たとえば、第1促進表示から第2促進表示を表示可能であるなど)、
前記第1操作促進表示を行なうとともに前記有効期間表示として前記第1操作促進表示に対応した大きさの第1量的表示を変化可能に表示する第1パターンと、前記第2操作促進表示を行なうとともに前記有効期間表示として前記第2操作促進表示に対応した大きさの第2量的表示を変化可能に表示する第2パターンとを実行可能であり(たとえば、第1促進表示に対応する大きさの有効期間表示と第2促進表示に対応する大きさの有効期間表示を行うなど)、
前記第1量的表示および前記第2量的表示の変化態様を異ならせることにより、前記第1パターンと前記第2パターンとで同一の有効期間を表示する(たとえば、有効期間表示としてのメータの大きさを大きくする一方でメータの減少量を大きくして一定の有効期間を表示するなど)。
このような構成によれば、操作促進表示の態様によって操作された操作手段に応じて有効判定するか否かが異なる。このため、操作促進表示に応じた操作を促進することができる。その結果、操作による遊技の興趣を向上させることができる。また、操作促進表示に応じた有効期間の表示制御を的確に行うことができる。
具体的には、操作促進対象であるプッシュボタン120の連打や長押しを促す操作促進表示の表示態様が図38(B)で示すような第1態様である場合に、プッシュボタン120、および、その他の操作部(たとえば、スティックコントローラ122、メニュー画面での選択のための方向ボタンや決定ボタン)のいずれが操作された場合であっても、操作を有効とするとともに、図56で示すように、最初に表示されていた変化前の操作促進表示から拡大または縮小した変化後の操作促進表示に変化させることが可能であり、変化前の操作促進表示に対応した大きさの有効期間表示と、変化後の操作促進表示に対応した大きさの有効期間表示とで同一の有効期間を表示するようにしてもよい。
このようにすれば、操作促進対象の操作部が操作されているかその他の操作部が操作されているかに関わらず、操作促進表示の大きさを変化させない場合と比較して、変化させることにより興趣を向上させることができるとともに、操作促進表示の大きさを変化させることによって、操作促進対象の操作部を強調することができるため、操作促進対象の操作部の操作をより強く促すことができるとともに、操作促進表示の大きさが変化しても有効期間表示によって有効期間が変わっていないことが的確に示されるので遊技者を混乱させないようにすることができる。
なお、操作促進表示が第1態様である場合に、プッシュボタン120が継続して操作された場合は、図56で示すように、操作促進表示の大きさを変化させるようにする一方、その他の操作部が継続して操作された場合は、操作促進表示の大きさを変化させないようにしてもよい。
このようにすれば、操作促進対象の操作部が操作された場合は操作促進表示の大きさが変化するが、それ以外の操作部が操作された場合は操作促進表示の大きさが変化しないので、操作促進表示の大きさを変化させようとする動機付けを遊技者に与えることができ、操作促進対象の操作部の操作をより強く促すことができる。
また、操作促進対象であるプッシュボタン120の連打や長押しを促す操作促進表示の表示態様が図39(B)で示すような第2態様である場合に、次のようにしてもよい。プッシュボタン120以外の操作部(たとえば、スティックコントローラ122、メニュー画面での選択のための方向ボタンや決定ボタン)が操作された場合は、操作を有効判定としないようにするとともに、継続して操作された場合であっても、操作促進表示の大きさを変化させないようにする。一方、プッシュボタン120が操作された場合は、操作を有効とするとともに、図56で示すように、最初に表示されていた変化前の操作促進表示から拡大または縮小した変化後の操作促進表示に変化させることが可能であり、変化前の操作促進表示に対応した大きさの有効期間表示と、変化後の操作促進表示に対応した大きさの有効期間表示とで同一の有効期間を表示する。
このようにすれば、操作促進表示の大きさを変化させない場合と比較して、大きさを変化させることにより興趣を向上させることができるとともに、操作促進対象の操作部以外の操作部の操作を継続しても操作促進表示の大きさが変化しないため、操作促進表示の大きさを変化させようとする動機付けを遊技者に与えることができ、操作促進対象の操作部の操作をより強く促すことができる。
なお、操作促進表示が第2態様である場合であっても、プッシュボタン120以外の操作部が操作された場合に、操作を有効判定とはしないが、継続して操作された場合に、図56で示すように、操作促進表示の大きさを変化させるようにしてもよい。
このようにすれば、操作促進対象の操作部が操作されているかその他の操作部が操作されているかに関わらず、操作促進表示の大きさを変化させない場合と比較して、大きさを変化させることにより興趣を向上させることができるとともに、操作促進表示の大きさを変化させることによって、操作促進対象の操作部を強調することができるため、操作促進対象の操作部の操作をより強く促すことができる。
また、操作促進対象の操作部が操作された場合には、その他の操作部が操作された場合よりも、操作促進表示の大きさの変化のタイミングを早めるようにしてもよいし、変化の程度を大きくするようにしてもよい。この場合であっても、変化前の操作促進表示に対応した大きさの有効期間表示と、変化後の操作促進表示に対応した大きさの有効期間表示とで同一の有効期間を表示する。
このようにすれば、その他の操作部の操作よりも、操作促進対象の操作部の操作の動機付けを遊技者に与えることができるので、操作促進対象の操作部の操作をより強く促すことができるとともに、操作促進表示の大きさが変化しても有効期間表示によって有効期間が変わっていないことが的確に示されるので遊技者を混乱させないようにすることができる。
なお、この発明において、第1態様を第1操作促進表示とし、第2態様を第2操作促進表示としてもよい。このようにすれば、操作による遊技の興趣を向上させることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。