以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。
また、プッシュボタン120には、プッシュボタン120を飛出させるためのボタン飛出し用アクチュエータ128(図3参照)が内蔵されている。プッシュボタン120は、ボタン飛出し用アクチュエータ128によって、通常態様から、押下する方向と反対方向に数センチメートル程度、飛出した態様(図39(B)参照)に変形したり、飛出した態様から通常態様に変形したりする。ボタン飛出し用アクチュエータ128は、プッシュボタン120の態様を変化させることが可能なものであればどのようなものでもよく、たとえば、サーボモータのようなモータであってもよいし、ソレノイドであってもよいし、空圧シリンダや電動シリンダなどの動力シリンダであってもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、遊技領域に可動部材を設けるように遊技機を構成した場合には、その可動部材が遊技領域のいずれの位置にある場合であっても視認が妨げられない領域に第4図柄が表示されるように構成するようにすればよい。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。第2についても同様である。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも、第1と同様である。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の中央には、下方向(演出表示装置9の画面上、つまり遊技者から見て演出表示装置9の画面の手前)に移動可能に構成された星形の役物200が設けられている。この役物200は、演出表示装置9の上部の中央を初期位置とし(図38(A)参照)、演出表示装置9の表示画面の一部に重なる演出位置に移動可能である(図38(D)参照)。なお、役物200には、LED等の発光体が設けられていてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第2特別図柄保留記憶表示器18bと同様の、第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶数表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。第2についても同様である。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定のバックアップ期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、ボタン飛出し用アクチュエータ128、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図3参照)、図2では図示を省略している。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して役物用モータ127に駆動信号を出力することにより、役物200を動作させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してボタン飛出し用アクチュエータ128に駆動信号を出力することにより、プッシュボタン120を、通常態様から飛出した態様に変化させたり、飛出した態様から通常態様に戻したりする。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の演出期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない当りである。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される、または、大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、小当りは、突然確変大当りと大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9および図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9および図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9および図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図9および図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11および図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図22参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図13(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図13(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図13(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1214A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図14(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215A)。なお、ステップS1215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1216A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1217A)。
図13(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理は、図13(A)の第1始動口スイッチ通過処理と同様であるので説明は繰返さない。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、CPU56は、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、最後に変動表示を停止してから所定期間(例えば、1分)が経過したか否かを確認する(ステップS51A)。なお、最後に変動表示を停止してから所定期間を経過したか否かは、例えば、変動表示を終了する時に(例えば、後述する特別図柄停止処理において)所定のタイマをセットし、ステップS51Aにおいて、この所定のタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより、判定できる。最後に変動表示を停止してから所定期間を経過していれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51B)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Bで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねてステップS51A,S51Bの処理を実行しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図14(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。第2については第1と同様である。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り種別に応じた大当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、時短時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として短縮変動用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図6参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、いずれかの当り変動パターン判定テーブル、またははずれ変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御(演出図柄の表示制御を含む)を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、演出制御用CPU101は、ステップS702に移行する。
図24は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図25は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り開始指定コマンド(大当り開始指定コマンド、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド)であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した大当り開始指定コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS622)。この場合、例えば、大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を受信した場合であれば大当り開始指定コマンド受信フラグをセットし、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を受信した場合であれば小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り終了指定コマンド(大当り終了指定コマンド、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド)であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した大当り終了指定コマンドに応じた大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS628)。例えば、受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば第1始動入賞指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば第2始動入賞指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
図26は、図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図27は、図26に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし(ステップS812)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図27に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図28は、図26に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、擬似連中の仮停止図柄として、チャンス目図柄に代えて、または加えて、擬似連中の仮停止図柄としてのみ用いられる擬似連専用図柄を設けるようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図29は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図29に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄(「2」、「4」、「6」または「8」)で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄(「1」、「3」、「5」または「7」)で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組み合わせを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組み合わせが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組み合わせを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組み合わせを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、役物予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS8003a)。そして、役物予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8003bのY)、演出制御用CPU101は、役物予告演出を実行することに決定されていることを示す役物予告演出待機フラグをセットする(ステップS8003c)。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(ステップS8004a)。そして、ボタンセリフ予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8004bのY)、演出制御用CPU101は、決定したボタンセリフ予告演出の演出態様を示すデータを記憶し、ボタンセリフ予告演出を実行することに決定されていることを示すボタンセリフ予告演出待機フラグをセットする(ステップS8004c)。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(ステップS8005a)。そして、ボタンカットイン予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8005bのY)、演出制御用CPU101は、決定したボタンカットイン予告演出の演出態様を示すデータを記憶し、ボタンカットイン予告演出を実行することに決定されていることを示すボタンカットイン予告演出待機フラグをセットする(ステップS8005c)。
次いで、演出制御用CPU101は、レバー予告演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(ステップS8006a)。そして、レバー予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS8006bのY)、演出制御用CPU101は、決定したレバー予告演出の演出態様を示すデータを記憶し、レバー予告演出を実行することに決定されていることを示すレバー予告演出待機フラグをセットする(ステップS8006c)。その後、ステップS8008に移行する。
役物予告演出は、役物200を一時的に初期位置から演出位置に移動させる制御が行われる演出である。また、ボタンセリフ予告演出およびボタンカットイン予告演出は、第1操作手段としてのプッシュボタン120の操作を促す操作促進報知を伴い、検出有効期間中にプッシュボタン120の操作が行われたことにもとづいて実行される演出である。ボタンセリフ予告演出およびボタンカットイン予告演出では、それぞれ対応する検出有効期間が開始されるタイミングになると、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促すための操作促進報知が行われる(例えば、プッシュボタン120の外観を模した操作促進画像や、検出有効期間の残存期間を示す残存有効期間画像が表示される。図38(B)〜(E)参照)。そして、検出有効期間中にプッシュボタン120の操作が少なくとも1回検出されたことにもとづいて、ボタンセリフ予告演出画像またはボタンカットイン予告演出画像(例えば、キャラクタが所定のセリフを言う画像や、所定のメッセージが示される画像など、大当りとなる可能性を示唆する画像)が表示される。
レバー予告演出は、第2操作手段としてのスティックコントローラ122の操作を促す操作促進報知を伴い、検出有効期間中にスティックコントローラ122の操作が行われたことにもとづいて実行される演出である。レバー予告演出では、対応する検出有効期間が開始されるタイミングになると、演出表示装置9において、スティックコントローラ122の操作を促すための操作促進報知が行われる(例えば、スティックコントローラ122の外観を模した操作促進画像や、検出有効期間の残存期間を示す残存有効期間画像が表示される。)。そして、検出有効期間中にスティックコントローラ122の操作が少なくとも1回検出されたことにもとづいて、レバー予告演出画像(例えば、大当りか否かを示す画像)が表示される。なお、この実施の形態において、「促進」は、遊技者の操作を進めるという意味ではなく、遊技者の操作を促す(勧誘する)という意味で用いられている。
図30は、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出の実行タイミングの一例を示す説明図である。この実施の形態では、図30(A)に示すように、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出は、変動表示がリーチ状態となる前に実行される。また、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出は、リーチ状態となった後に実行される。なお、レバー予告演出は、ボタンカットイン予告演出よりも後に実行される。具体的には、変動停止する直前(すなわち、はずれ図柄または大当り図柄が導出表示される直前)に実行される。
また、この実施の形態では、図30(A)に示すように、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出は、同時期に実行される。すると、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が同時期に実行されることによって、ボタンセリフ予告演出により表示された操作促進画像や残存有効期間画像が、役物予告演出により演出位置に移動した役物200によって覆われて視認困難となり、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間は、役物予告演出が終了した後、すなわち、操作促進画像や残存有効期間画像が視認困難な状態が解消された後に終了するように構成されている。具体的には、図30(B)に示すように、役物予告演出が開始されることにより演出位置に移動した役物200が、役物予告演出が終了することにより初期位置に戻った後に、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間が終了するように構成されている。このように構成することにより、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が同時期に実行され、操作促進画像や残存有効期間画像が役物200によって覆われて一時的に視認困難となっても、検出有効期間中に視認困難な状態が解消されるため、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
また、図30(B)に示すように、ボタンセリフ予告演出が開始されて操作促進画像や残存有効期間画像が表示され、それから所定期間後に役物予告演出が開始されて役物200が演出位置に移動されるように構成することにより、操作促進画像や残存有効期間画像は、少なくとも表示された後、所定期間は役物200によって覆われることなく視認可能となる。このように構成することにより、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が同時期に実行される場合にも、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の開始タイミングと終了タイミングとをそれぞれ異ならせることによって、操作促進画像や残存有効期間画像が、役物予告演出開始前の所定期間および終了後の所定期間、役物200によって覆われることなく視認可能となるように構成されているが、少なくとも役物予告演出開始前の所定期間および終了後の所定期間のいずれかが視認可能な期間として設けられていればよい。すなわち、ボタンセリフ予告演出および役物予告演出が同時に開始され、先に役物予告演出が終了し、所定期間経過した後にボタンセリフ予告演出が終了するようにしてもよいし、先にボタンセリフ予告演出が開始され、それから所定期間経過した後に役物予告演出が開始され、ボタンセリフ予告演出および役物予告演出が同時に終了するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、役物予告演出とボタンセリフ予告演出とを同時期に実行可能であるが、実行期間を完全に一致させて実行するものであってもよいし、実行期間の一部が重なるように実行するものであってもよい。ただし、実行期間を完全に一致させて実行する場合であっても、検出有効期間内に操作促進画像や残存有効期間画像が視認困難ではない期間を設けるようにすることが望ましい。例えば、役物200の動作態様(例えば、演出位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路、演出位置での停止期間、初期位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路)や操作促進画像や残存有効期間画像の表示態様(例えば、表示サイズや表示位置)を調整することにより実現することができる。具体的には、役物予告演出が開始されてから所定期間経過した後に演出位置への移動を開始するようにしたり(開始から所定期間は操作促進画像や残存有効期間画像を視認可能である)、役物予告演出が終了する所定期間前に演出位置から初期位置への移動を開始するようにしたりしてもよい(操作促進画像や残存有効期間画像の全領域のうち役物200に覆い隠される領域が徐々に少なくなり、視認可能となる期間が確保される)。
また、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出による操作促進画像および残存有効期間画像は、役物200が演出位置に移動しても完全には覆い隠されないように構成されている(図38(D)参照)。つまり、ボタンセリフ予告演出による操作促進画像および残存有効期間画像は、役物予告演出により演出位置に移動した役物200によって覆われて視認困難となる場合があるものの、完全に視認できなくなるわけではなく、常に一部は視認可能であるように構成されている。このように構成することにより、役物予告演出とボタンセリフ予告演出とが同時期に実行されたとしても、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
また、一般的に、リーチ状態となった後に実行される演出は、リーチ状態となる前に実行される演出よりも重要度が高い。そこで、この実施の形態では、図30(B)に示すように、操作促進画像や残存有効期間画像を視認困難とする場合がある役物予告演出は、リーチ状態となる前にのみ実行されるように構成されている。このように構成することによって、役物予告演出と重要度が高い演出(例えば、ボタンカットイン予告演出やレバー予告演出などのリーチ成立後に実行される演出)とが同時期に実行され、遊技者の注意が分散してしまう事態を回避することができる。
なお、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出を実行するタイミングは、図30に示す例に限らず、変動中の任意のタイミングであってよい。また、これらの演出を実行するタイミングは、大当り遊技中の任意のタイミングであってもよい。なお、大当り遊技中にこれらの演出を実行する場合には、所定操作を検出したことにもとづいて、ラウンド数の増加や大当り遊技後に確変状態や時短状態に制御されることを示唆するようにしてもよい。
図31は、役物予告演出実行判定テーブル、ボタンセリフ予告演出実行判定テーブル、ボタンカットイン予告演出実行判定テーブルおよびレバー予告演出実行判定テーブルの具体例を示す説明図である。
ステップS8003aでは、図31(A)に示す役物予告演出実行判定テーブルを用いて、役物予告演出を実行するか否かを決定する。
図31(A)に示す、役物予告演出実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(「実行なし」および「実行あり」)に対応する判定値が割り当てられているが、図31(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、役物予告演出設定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。したがって、図31(A)に示す例では、各変動パターンにおける決定事項(「実行なし」および「実行あり」)に対応する数値は、各決定事項が選択される割合(%)を示している。
図31(A)に示す例では、短縮変動はずれの変動パターンの場合(例えば、図6に示す非リーチPA1−2の場合)には、95%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、5%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、ノーマルリーチはずれの変動パターンの場合(例えば、図6に示すノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1およびノーマルPB2−2の場合)には、75%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、25%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、ノーマルリーチ当りの変動パターンの場合(例えば、図6に示すノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3およびノーマルPB2−4の場合)には、50%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、50%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、スーパーリーチはずれの変動パターンの場合(例えば、図6に示すスーパーPA3−1、ノーマルPA3−2、ノーマルPB3−1およびノーマルPB3−2の場合)には、30%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、70%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。また、スーパーリーチ当りの変動パターンの場合(例えば、図6に示すノーマルPA3−3、ノーマルPA3−4、ノーマルPB3−3およびノーマルPB3−4の場合)には、15%の割合で役物予告演出を実行しないように決定され、85%の割合で役物予告演出を実行すると決定される。
なお、この実施の形態では、図31(A)に示す役物予告演出実行判定テーブルの他に、図31(B)に示すボタンセリフ予告演出実行判定テーブル、図31(C)に示すボタンカットイン予告演出実行判定テーブルおよび図31(D)に示すレバー予告演出実行判定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられるステップS8004a,ステップS8005a,ステップS8006aにおいても、ステップS8003aと同様に、演出制御用CPU101は、例えば、乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
ステップS8004a、ステップS8005a、ステップS8006aでは、それぞれ図31(B)〜(D)に示すボタンセリフ予告演出実行判定テーブル、ボタンカットイン予告演出実行判定テーブル、レバー予告演出実行判定テーブルを用いて、演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する(「実行なし」、「実行あり、第1演出態様」および「実行あり、第2演出態様」のいずれかに決定する)。なお、「実行なし」に決定するということは、演出を実行しないと決定することであり、「実行あり、第1演出態様」または「実行あり、第2演出態様」のいずれかに決定するということは、「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で演出を実行すると決定することである。
この実施の形態では、図31(B)に示すように、ボタンセリフ予告演出を「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で実行可能である。例えば、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間内にプッシュボタン120の操作が検出されると、「第1演出態様」では「?」のセリフを言うキャラクタを示す第1ボタンセリフ予告演出画像が表示され、「第2演出態様」では「チャンス!」のセリフを言うキャラクタを示す第2ボタンセリフ予告演出画像が表示される。以下、第1ボタンセリフ予告演出画像および第2ボタンセリフ予告演出画像を、ボタンセリフ予告演出画像と総称することがある。
また、この実施の形態では、図31(C)に示すように、ボタンカットイン予告演出を「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で実行可能である。例えば、ボタンカットイン予告演出の検出有効期間内にプッシュボタン120の操作が検出されると、「第1演出態様」では「好機!」のメッセージを示す第1ボタンカットイン予告演出画像が表示され、「第2演出態様」では「激熱!」のメッセージを示す第2ボタンカットイン予告演出画像が表示される。以下、第1ボタンカットイン予告演出画像および第2ボタンカットイン予告演出画像を、ボタンカットイン予告演出画像と総称することがある。
また、この実施の形態では、図31(D)に示すように、レバー予告演出を「第1演出態様」または「第2演出態様」の演出態様で実行可能である。例えば、レバー予告演出の検出有効期間内にプッシュボタン120の操作が検出されると、「第1演出態様」では「敗北・・・」の文字を示す第1レバー予告演出画像が表示され、「第2演出態様」では「勝利!」の文字を示す第2レバー予告演出画像が表示される。以下、第1レバー予告演出画像および第2レバー予告演出画像を、レバー予告演出画像と総称することがある。
図31(A)〜(D)に示す各演出実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、スーパーリーチを含まない変動パターンであるよりもスーパーリーチを含む変動パターンである方が、また、表示結果がはずれであるよりも大当りである方が、「実行あり」と決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、演出が実行されないときよりも、演出が実行されたときの方が、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。したがって、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
また、図31(B)〜(D)に示す各演出実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、スーパーリーチを含まない変動パターンであるよりもスーパーリーチを含む変動パターンである方が、また、表示結果がはずれであるよりも大当りである方が、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」で実行されたときの方が、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。つまり、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」の方が、期待度が高い演出態様となる。したがって、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出がいずれの演出態様で実行されるかについて注目させることができる。
また、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出は、リーチ状態となる前に実行され、ボタンカットイン予告演出は、リーチ状態となった後に実行される(図30(A)参照)。さらに、図31(C)に示すように、ボタンカットイン予告演出は、スーパーリーチを含む変動パターンの場合にのみ実行される。したがって、ボタンカットイン予告演出は、ボタンセリフ予告演出よりも有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる期待度や、大当りとなる期待度が高い演出である。換言すれば、重要度が高い演出であるといえる。そこで、この実施の形態では、期待度(すなわち重要度)が高いボタンカットイン予告演出が実行されるときには、同時期に役物予告演出を実行しないように構成している(図30(A)参照)。このように構成することにより、期待度(すなわち重要度)が高い演出に注目させることができ、効果的に演出を行うことができる。
また、この実施の形態では、図31(D)に示すように、スーパーリーチを含む変動パターンの場合には、必ずレバー予告演出が実行される。そして、表示結果がはずれの場合には、「敗北・・・」の文字を示す第1レバー予告演出画像が表示され(第1演出態様によりレバー予告演出が実行される)、表示結果が大当りの場合には、「勝利!」の文字を示す第2レバー予告演出画像が表示される(第2演出態様によりレバー予告演出が実行される)。すなわち、レバー予告演出は、表示結果がはずれであるか大当りであるかを示す演出である。したがって、レバー予告演出は、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる可能性や、大当りとなる可能性を示唆するボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出に比べて、重要度が高い演出である。そこで、この実施の形態では、レバー予告演出が実行されるときにも、同時期に役物予告演出を実行しないように構成している(図30(A)参照)。このように構成することにより、期待度(すなわち重要度)が高い演出に注目させることができ、効果的に演出を行うことができる。
また、この実施の形態では、スティックコントローラ122の操作が検出されたことにもとづいて実行されるレバー予告演出は、プッシュボタン120の操作が検出されたことにもとづいて実行されるボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出よりも、期待度(すなわち重要度)が高くなるように構成されている。このように構成することにより、演出の差別化を図ることができるとともに、スティックコントローラ122の操作を行うことについて、遊技者に期待感を持たせることができる。換言すれば、特定の操作を行うことについて、遊技者に特別な期待感を持たせることができる。
また、この実施の形態では、遊技者の動作を検出したことにもとづいて実行される演出のうち、プッシュボタン120の操作が検出されたことにもとづいて実行される演出(本例ではボタンセリフ予告演出)は、同時期に役物予告演出が実行される場合があるが、スティックコントローラ122の操作が検出されたことにもとづいて実行されるレバー予告演出は、同時期に役物予告演出が実行される場合がないように構成されている。このように構成することで、演出の差別化を図ることができるとともに、演出をわかりやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出は、それぞれ実行されるタイミングが定められているが、例えば、演出図柄の高速変動中(リーチ状態となる前)やリーチ成立後の複数のタイミングにおいて、役物予告演出やボタンセリフ予告演出を実行可能としたり、リーチ成立後の複数のタイミングにおいて、ボタンカットイン予告演出やレバー予告演出を実行可能とするようにしてもよい。この場合には、演出が実行されるタイミングにより、期待度が異なるように構成してもよい。ただし、期待度(重要度)が高い演出に注目させ、効果的に演出を行うために、役物予告演出をボタンカットイン予告演出やレバー予告演出と同時期に実行しないように構成することが望ましい。
また、この実施の形態では、図31(A)に示すように、役物予告演出を単一の演出態様により実行するように構成されているが、複数種類の演出態様により実行可能としてもよい。例えば、演出態様により、役物200が演出位置に停止する期間が異なるものであってもよいし、役物200の移動時に出力される演出音が異なるものであってもよいし、役物200に設けられたLED等の発光体を異なる態様により点灯させるものであってもよい。この場合にも、演出態様により、示唆される期待度が異なるようにしてもよい。また、期待度が高い演出態様の役物予告演出は、ボタンセリフ予告演出と同時期に実行しないように構成してもよい。
また、役物200は、変動開始後に実行される役物予告演出以外の演出でも用いられるようにしてもよい。例えば、リーチ成立時やリーチ発展時、大当り確定時等に実行される演出でも用いられるようにしてもよい。
また、図31に示す例では、変動パターンを5種類に分けて、各演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定していたが、変動パターンの分け方はこれに限られない。例えば、スーパーリーチを含む変動パターンについても、スーパーリーチの種類(本例では、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)に応じて、各演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定するようにしてもよい。
また、図31(D)に示す例に限らず、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ当りの場合にも、一定割合でレバー予告演出を実行しないようにしてもよい。
また、この実施の形態ではプッシュボタン120またはスティックコントローラ122の操作が検出されたか否かにより、遊技者の動作を検出するように構成されているが、これに限らず、赤外線センサや光センサ等の非接触型のセンサにより、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。また、この場合にも、期待度に応じて、演出を実行する契機となる遊技者の動作が異なるようにしてもよい。例えば、非接触型のセンサにより動作が検出されたことにもとづいて実行される演出は、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作が検出されたことにもとづいて実行される演出よりも期待度が高くなるようにしてもよい。
演出図柄変動開始処理のステップS8008では、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS8008)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8009)。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
この実施の形態では、演出図柄変動中処理において所定の処理(例えば、後述するステップS8106〜S8175の処理等)を実行することにより、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出を実現しているため、これらのうちのいずれの演出を実行するか否かにかかわらず、ステップS8008において変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。なお、各演出の有無に応じたシナリオデータ(本例ではプロセステーブルに相当)を予め記憶しておき、それらのデータにもとづいて処理を実行することにより各ボタン演出を実現する構成とすることもできるが、この実施の形態の構成とすることで、データ量の増大を抑制しながら、各演出を実現することができる。
また、この実施の形態では、変動中の演出として、役物予告演出、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出を実行可能とする場合について説明するが、例えばステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出などを実行するか否かを決定し、決定結果にもとづいて予告演出を実行するようにしてもよい。このような予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8008において予告演出に対応したプロセステーブルを選択するようにしてもよい。すなわち、各予告演出の有無に応じたシナリオデータ(本例ではプロセステーブルに相当)を予め記憶しておき、それらのデータにもとづいて処理を実行することにより予告演出が実現されるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8010)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8011)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8012)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図33〜図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、役物予告演出の実行中であることを示す役物予告演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8106)。役物予告演出実行中フラグがセットされている場合には、ステップS8112に移行する。
役物予告演出実行中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、役物予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8107)。役物予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8120に移行する。
役物予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、役物予告演出の開始タイミング(すなわち役物予告演出による役物200を演出位置に移動させるタイミング)であるか否かを確認する(ステップS8108)。役物予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8120に移行する。
役物予告演出の開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、役物予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8109)とともに、役物予告演出実行中フラグをセットする(ステップ8110)。また、演出制御用CPU101は、役物200を初期位置から演出位置に移動させる制御を行う(ステップS8111)。その後、ステップS8120に移行する。
ステップS8112では、演出制御用CPU101は、役物予告演出の終了タイミング(すなわち役物200を演出位置から初期位置に移動させるタイミング)であるか否かを確認する(ステップS8112)。そして、役物予告演出の終了タイミングであれば、役物200を演出位置から初期位置に移動させる制御を行う(ステップS8113)。また、演出制御用CPU101は、役物予告演出実行中フラグをリセットする(ステップS8114)。その後、ステップS8120に移行する。
ステップS8120では、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間中であることを示すボタンセリフ予告演出有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8120)。ボタンセリフ予告演出有効フラグがセットされている場合には、ステップS8127に移行する。
ボタンセリフ予告演出有効フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8121)。ボタンセリフ予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8134に移行する。
ボタンセリフ予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出の開始タイミング(すなわちボタンセリフ予告演出の検出有効期間開始タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8122)。ボタンセリフ予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8134に移行する。
ボタンセリフ予告演出の開始タイミングである場合、すなわちボタンセリフ予告演出の検出有効期間開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8123)とともに、ボタンセリフ予告演出有効フラグをセットする(ステップ8124)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促す操作促進報知として、プッシュボタン120が飛出していない態様の操作促進画像(後述の図38(B)等参照)および他の操作部の操作でも有効の旨を表示するとともに、残存有効期間画像を表示する制御を行う(ステップS8125,S8126)。その後、ステップS8127に移行する。
プッシュボタン120の他の操作部としては、本実施の形態においては、スティックコントローラ122およびトリガボタン121であるが、遊技者が操作可能な操作部であればよい。たとえば、打球操作ハンドル5に設けられる操作部であるハンドルボタンであってもよい。また、演出音の音量の設定や、演出表示装置9や枠LED28などのランプの明るさの設定や、演出モードの設定や、遊技履歴などの携帯端末での取得のための設定などの、設定用の十字キーや決定キーであってもよい。
この実施の形態では、検出有効期間の残存期間に応じて、メータ表示領域内の指示領域の割合が異なる残存有効期間画像を更新して表示することにより、検出有効期間の残存期間を示すように構成されている。すなわち、残存有効期間画像におけるメータ表示領域は全検出有効期間を示し、指示領域は検出有効期間の残存期間を示す。具体的には、検出有効期間が開始されると、指示領域がメータ表示領域の全領域を占める残存有効期間画像(例えば、図38(B)に示す残存有効期間画像202。網掛け領域が指示領域に相当する)が表示され、検出有効期間の残存期間の減少に応じて、指示領域がメータ表示領域に占める割合が減少した残存有効期間画像(例えば、図38(C)に示す残存有効期間画像202)が表示され、検出有効期間が終了するとき(または所定操作が検出されたとき)には、指示領域がメータ表示領域に占める割合が0である残存有効期間画像が表示される。したがって、遊技者は、残存有効期間画像の状態を確認することによって、検出有効期間の残存期間を把握することができる。なお、この実施の形態では、指示領域がメータ表示領域に占める割合が0である残存有効期間画像を、有効期間終了画像ともいい、有効期間終了画像を表示することにより、検出有効期間が終了したことを報知する検出有効期間終了報知を行う。
ステップS8127では、演出制御用CPU101は、いずれかの操作部の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8127)。いずれかの操作部の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、演出図柄変動開始処理で決定し、記憶したボタンセリフ予告演出の演出態様に応じて、ボタンセリフ予告演出画像(例えば、「?」または「チャンス!」のセリフを言うキャラクタを示す画像)を表示する制御を行う(ステップS8128)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている残存有効期間画像を消去する制御を行う(ステップS8128a)。
つまり、プッシュボタン120の操作促進画像がプッシュボタン120が飛出していない態様であるときは、飛出していない態様に対するプッシュボタン120以外の操作部の操作を有効判定として、プッシュボタン120以外の操作部が操作されたときであっても、プッシュボタン120が操作されたときと同じ演出態様の演出を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている操作促進画像を消去する制御を行う(ステップS8129)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、検出有効期間が終了したことを示す有効期間終了画像を表示する(ステップS8130)。たとえば、「終了」といった文字を含む画像を表示する。そして、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出有効フラグをリセットする(ステップS8131)。なお、ボタンセリフ予告演出画像や有効期間終了画像は、所定期間表示された後に消去される。
また、ステップS8127において、いずれの操作部の操作も検出されていない場合には、演出制御用CPU101は、ボタンセリフ予告演出の終了タイミング(すなわちボタンセリフ予告演出の検出有効期間終了タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8132)。そして、ボタンセリフ予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8129に移行する。また、ボタンセリフ予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、検出有効期間の残存期間に応じて、残存有効期間画像を更新する(ステップS8133)。その後、ステップS8134に移行する。
なお、ステップS8132でボタンセリフ予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8128aに移行するようにしてもよい。また、ステップS8130の処理を実行しないようにしてもよい。
ステップS8134では、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出の検出有効期間中であることを示すボタンカットイン予告演出有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8134)。ボタンカットイン予告演出有効フラグがセットされている場合には、ステップS8141に移行する。
ボタンカットイン予告演出有効フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8135)。ボタンカットイン予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8162に移行する。
ボタンカットイン予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出の開始タイミング(すなわちボタンカットイン予告演出の検出有効期間開始タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8136)。ボタンカットイン予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8162に移行する。
ボタンカットイン予告演出の開始タイミングである場合、すなわちボタンカットイン予告演出の検出有効期間開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8137)とともに、ボタンカットイン予告演出有効フラグをセットする(ステップ8138)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促す操作促進報知として、ステップS8125における操作促進表示と異なる態様のプッシュボタン120が飛出した態様の操作促進画像(後述の図39(B)参照)、および、他の操作部の操作が無効の旨を表示し、ボタン飛出し用アクチュエータ128を制御してプッシュボタン120を飛出させる制御を実行するとともに、残存有効期間画像を表示する制御を行う(ステップS8139A,S8139B,S8140)。その後、ステップS8141に移行する。
ステップS8141では、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8141)。プッシュボタン120の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、演出図柄変動開始処理で決定し、記憶したボタンカットイン予告演出の演出態様に応じて、ボタンカットイン予告演出画像(例えば、「好機!」のメッセージを示す第1ボタンカットイン予告演出画像、または「激熱!」のメッセージを示す第2ボタンカットイン予告演出画像)を表示する制御を行う(ステップS8142)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている残存有効期間画像を消去する制御を行う(ステップS8142a)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている操作促進画像を消去する制御を行う(ステップS8143)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、検出有効期間が終了したことを示す有効期間終了画像を表示する(ステップS8144)。たとえば、「終了」といった文字を含む画像を表示する。次に、演出制御用CPU101は、ボタン飛出し用アクチュエータ128を制御してプッシュボタン120を引っ込める制御を実行する(ステップS8144A)。そして、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出有効フラグをリセットする(ステップS8145)。なお、ボタンカットイン予告演出画像や有効期間終了画像は、所定期間表示された後に消去される。
また、ステップS8141において、プッシュボタン120の操作が検出されていない場合には、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120と異なる、他の操作部の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8148)。他の操作部の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、当該操作が無効である旨(図39(D)参照)を表示する(ステップS8149)。当該操作が無効である旨の表示は、短い時間(たとえば1秒程度)表示された後、消去され、操作の有効期間内であれば、元の操作促進表示が表示される。
つまり、プッシュボタン120の操作促進画像がプッシュボタン120が飛出している態様であるときは、飛出している態様に対するプッシュボタン120以外の操作部の操作を有効判定とせず、プッシュボタン120以外の操作部が操作されたときには、プッシュボタン120の操作に対する演出とは異なる演出(プッシュボタン120以外の操作部の操作が無効である旨を報知する演出)を実行する。
他の操作部の操作が検出されていない場合、および、ステップS8149の後、演出制御用CPU101は、ボタンカットイン予告演出の終了タイミング(すなわちボタンカットイン予告演出の検出有効期間終了タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8146)。そして、ボタンカットイン予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8143に移行する。また、ボタンカットイン予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、検出有効期間の残存期間に応じて、残存有効期間画像を更新する(ステップS8147)。その後、ステップS8162に移行する。
なお、ステップS8146でボタンセリフカットイン予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8142aに移行するようにしてもよい。また、ステップS8144の処理を実行しないようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、プッシュボタン120が飛出している態様であるときに、遊技者がプッシュボタン120を押下した後に、押下をやめると、プッシュボタン120が元の飛び出した態様に戻るため、ステップS8144Aでプッシュボタン120を引っ込める動作を実行する必要があった。
しかし、これに限定されず、プッシュボタン120が飛出している態様であるときに、遊技者がプッシュボタン120を飛出していない態様となるまで押下すると、押下をやめても、プッシュボタン120が飛出していない態様のまま維持されるようにしてもよい。この場合は、ステップS8144Aでプッシュボタン120を引っ込める動作を実行する必要はない。
また、この場合に、プッシュボタン120が押下されたときに飛び出していない態様となるまでの途中の段階で遊技者が押下をやめた場合は、次にプッシュボタン120が飛出していない態様となるまで押下されるまでそのままの態様を維持するようにしてもよい。この場合に、次にプッシュボタン120が飛出していない態様となるまで押下されると、プッシュボタン120が飛出していない態様のまま維持される。
また、遊技者がプッシュボタン120を飛出していない態様となるまで押下した場合は、ステップS8144Aの処理は実行しない一方、遊技者がプッシュボタン120をまったく押下しなかった場合、および、プッシュボタン120が飛出していない態様となるまでの途中の段階で遊技者が押下をやめた場合に限り、ステップS8144Aの処理を実行するようにしてもよい。
ステップS8162では、演出制御用CPU101は、レバー予告演出の検出有効期間中であることを示すレバー予告演出有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8162)。レバー予告演出有効フラグがセットされている場合には、ステップS8169に移行する。
レバー予告演出有効フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8163)。レバー予告演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8176に移行する。
レバー予告演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出の開始タイミング(すなわちレバー予告演出の検出有効期間開始タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8164)。レバー予告演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8176に移行する。
レバー予告演出の開始タイミングである場合、すなわちレバー予告演出の検出有効期間開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出待機フラグをリセットする(ステップS8165)とともに、レバー予告演出有効フラグをセットする(ステップ8166)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、スティックコントローラ122の操作を促す操作促進報知として、操作促進画像を表示するとともに、残存有効期間画像を表示する制御を行う(ステップS8167,S8168)。その後、ステップS8169に移行する。
ステップS8169では、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作が検出されているか否かを確認する(ステップS8169)。スティックコントローラ122の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、演出図柄変動開始処理で決定し、記憶したレバー予告演出の演出態様に応じて、レバー予告演出画像(例えば、「敗北・・・」の文字を示す第1レバー予告演出画像または「勝利!」の文字を示す第2レバー予告演出画像)を表示する制御を行う(ステップS8170)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている残存有効期間画像を消去する制御を行う(ステップS8170a)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている操作促進画像を消去する制御を行う(ステップS8171)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、検出有効期間が終了したことを示す有効期間終了画像を表示する(ステップS8172)。そして、演出制御用CPU101は、レバー予告演出有効フラグをリセットする(ステップS8173)。なお、レバー予告演出画像や有効期間終了画像は、所定期間表示された後に消去される。
また、ステップS8169において、スティックコントローラ122の操作が検出されていない場合には、演出制御用CPU101は、レバー予告演出の終了タイミング(すなわちレバー予告演出の検出有効期間終了タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8174)。そして、レバー予告演出の終了タイミングであれば、ステップS8171に移行する。また、レバー予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、検出有効期間の残存期間に応じて、残存有効期間画像を更新する(ステップS8175)。その後、ステップS8176に移行する。
ステップS8176では、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8176のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8177)。
この実施の形態では、演出図柄変動中処理において、ステップS8130,S8144,S8172の処理を実行することにより、検出有効期間が終了するまでの間に所定の操作がおこなわれたときにも、検出有効期間終了報知が行われるため、操作にもとづいて検出有効期間が終了したことを認識しやすくすることができる。
なお、図34〜図36に示す例では、ボタンセリフ予告演出画像や、ボタンカットイン予告演出画像およびレバー予告演出画像を表示した後に、操作促進画像および残存有効期間画像を消去し、有効期間終了画像を表示するように構成されているが、例えば、操作促進画像および残存有効期間画像を消去し、有効期間終了画像を表示した後に、ボタンセリフ予告演出画像や、ボタンカットイン予告演出画像およびレバー予告演出画像を表示するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出像や、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出の検出有効期間の終了タイミングで操作促進画像および残存有効期間画像が消去されるように構成されているが、検出有効期間の終了タイミングの所定期間前に、操作促進画像および残存有効期間画像(またはいずれか一方のみ)が消去されるように構成してもよい。このように構成することにより、操作促進画像および残存有効期間画像が消去されるタイミングで行われた操作が検出有効期間内の操作として検出されず、遊技者に不信感を抱かせることになる事態を回避することができる。なお、この場合には、操作促進画像および残存有効期間画像(またはいずれか一方のみ)が消去されるタイミングの所定期間前に、役物200による視認困難状態が解消されていることが望ましい。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を確定表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS8301a)、セットされていなければ、そのまま処理を終了する。
確定コマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8301b)。また、決定されている演出図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS8302)。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS8304)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8305)。なお、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かは、具体的には、コマンド解析処理においてセットされる大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ)や、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認することにより判定できる。いずれかの大当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS8306)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
図38は、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の具体例を示す説明図である。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示が開始された後(図38(A))、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出が開始されると、役物200が演出位置に移動する制御が開始されるとともに、演出表示装置9の表示画面において、プッシュボタン120の外観を模した操作促進画像201Aと、残存有効期間画像202と、プッシュボタン120以外の操作も有効である旨が表示される(図38(B))。この操作促進画像201Aは、図39(B)で後述する操作促進画像201Bと異なり、プッシュボタン120が飛出していない状態の外観を模した態様である。そして、役物200は、演出位置に向かって徐々に移動し、残存有効期間画像202は、経過期間に応じて(すなわち検出有効期間の残存期間に応じて)、残存期間を示す指示領域(図38の例では網掛け領域が相当する)がメータ表示領域に占める割合が減少するように更新される(図38(C))。
次いで、役物200は、演出位置に到達すると、所定期間停止する(図38(D))。このときには、ボタンセリフ予告演出による操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202は、役物200に覆い隠されて視認困難となる。ただし、この実施の形態では、図38(D)に示すように、操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202は、役物200よりもサイズが大きくなるように構成されているため、完全に視認できなくなるわけではなく、常に一部は視認可能である。そのため、遊技者が検出有効期間(すなわちボタンセリフ予告演出)を見逃してしまうことを防止することができる。
次いで、役物200は、演出位置に所定期間停止した後に、初期位置に移動する(図38(E))。この実施の形態では、ボタンセリフ予告演出は、役物予告演出よりも後に終了するように構成されている。すなわち、ボタンセリフ予告演出の検出有効期間は、操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202が視認困難な状態である期間よりも後に終了するように構成されている。そのため、図38(E)に示すように、操作促進画像201Aおよび残存有効期間画像202は、役物200が初期位置に戻った後、すなわち視認困難な状態が解消された後にも、演出表示装置9に表示されている。
ここで、プッシュボタン120またはその他の操作部の操作が検出されると、「チャンス!」のセリフを言うキャラクタを示す第1ボタンセリフ予告演出画像203が表示される(図38(F))。
図39は、ボタンカットイン予告演出の具体例を示す説明図である。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示がリーチ状態となった後(図39(A))、ボタンカットイン予告演出が開始されると、演出表示装置9の表示画面において、前述の図38(B)の操作促進画像201Aと異なる、プッシュボタン120が飛出している状態の外観を模した態様の操作促進画像201Bと、残存有効期間画像202と、プッシュボタン120以外の操作は無効である旨が表示される(図39(B))。
ここで、プッシュボタン120の操作が検出されると、「激熱!」との文字が含まれるカットイン画像204が表示される(図39(C))。プッシュボタン120の操作が検出されず、その他の操作部の操作が検出されると、「当該操作無効」との文字が含まれるカットイン画像205が表示される(図39(D))。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技者の動作を検出可能な検出手段(本例では、プッシュボタン120やスティックコントローラ122など)と、所定の動作を行う可動部材(本例では、役物200)と、検出手段による検出が有効な検出有効期間であることを示す検出有効期間表示(本例では、残存有効期間画像)を表示する検出有効期間表示手段とを備えている。そして、検出有効期間表示は、可動部材が動作することにより少なくとも一部が隠蔽される視認困難状態(例えば、図38(D)に示す残存有効期間画像202が役物200により覆い隠された状態)となる場合があり、検出有効期間は、検出有効期間表示が視認困難状態である期間よりも後に終了する(例えば、図30(B)に示すように、役物が演出位置から初期位置に戻った後、すなわち残存有効期間画像の視認困難状態が解消された後に、検出有効期間は終了する)ように構成されている。そのため、可動部材を動作可能とするとともに、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうことを防止することができる。
例えば、検出手段による検出が有効な検出有効期間であることを示す検出有効期間表示を表示する構成と、可動部材を動作させる演出を実行する構成とを単純に組み合わせると、可動部材が動作することにより検出有効期間表示が隠蔽されてしまい、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、検出有効期間表示が可動部材により視認困難状態となる期間よりも後に検出有効期間を終了するように構成することで、可動部材を動作させる演出を実行可能とするとともに、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうことを防止している。
なお、この実施の形態ではプッシュボタン120またはスティックコントローラ122の操作が検出されたか否かにより、遊技者の動作を検出するように構成されているが、これに限らず、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の連打操作や長押し操作等の操作が検出されたか否かや、プッシュボタン120やスティックコントローラ122等を用いて所定情報(例えば、特定のコマンド等)を入力する操作が行われたか否かにより、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。また、プッシュボタン120やスティックコントローラ122に代えて、または加えて、遊技者の動作を検出すると、検出信号を入力する赤外線センサや光センサ等の非接触型のセンサを設け、これらのセンサを用いて遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、検出有効期間表示は、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は視認可能である(例えば、図38(D)に示すように、残存有効期間画像202は、役物200により覆い隠された状態であっても、完全に視認できなくなるわけではなく、常に一部は視認可能である)ように構成されている。そのため、可動部材を動作可能とするとともに、遊技者が検出有効期間であることを見逃してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、検出有効期間表示(本例では、残存有効期間画像)は、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は視認可能であるように構成されているが、可動部材(本例では、役物200)が動作することにより完全に隠蔽される視認困難状態となる場合があるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、検出有効期間表示が視認困難状態である場合の例として、可動部材が動作する(本例では、役物200が演出位置に移動して所定期間停止する)ことにより、可動部材と重なる部分が視認できず、重なっていない部分のみ視認可能となる状態について説明したが、これに限らず、例えば、可動部材が連続して動作する(具体的には、役物200が演出表示装置9の表示画面前を移動する制御が繰り返し行われる)ことにより、検出有効期間表示が見づらくなる状態(見づらくなるものの役物200と重なっていないタイミングで残存有効期間画像を視認可能)や、半透明の可動部材が検出有効期間表示と重なることにより、検出有効期間表示が見づらくなる状態(見づらくなるものの役物200を透して残存有効期間画像を視認可能)なども、検出有効期間表示が視認困難状態である場合に含まれる。
また、この実施の形態では、可変表示中に演出を実行する演出実行手段を備え、演出実行手段は、検出手段が遊技者の動作を検出したことにもとづいて、検出演出(本例では、ボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出、レバー予告演出)を実行する検出演出実行手段と、可動部材を動作させる可動部材演出(本例では、役物予告演出)を実行する可動部材演出実行手段とを含み、可変表示がリーチ状態となる前の期間において、検出演出と可動部材演出とを同時期に実行可能である(例えば、図30(A)に示すように、リーチ状態となる前の期間において、ボタンセリフ予告演出と役物予告演出とを同時期に実行可能である)ように構成されている。そのため、重要な演出に注目させることができ、効果的に演出を行うことができる。
なお、「検出演出と可動部材演出とを同時期に実行」とは、実行期間が完全に一致するものに限らず、実行期間の一部が重なるものを含む概念である。検出演出および可動部材演出の実行期間が完全に一致する場合であっても、可動部材の動作態様(例えば、演出位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路、演出位置での停止期間、初期位置への移動開始タイミングや移動速度、移動経路)や、検出有効期間表示の表示態様(例えば、表示サイズや表示位置)を調整することにより、検出有効期間内に検出有効期間表示(本例では、残存有効期間画像)が視認困難状態ではない期間を設けることは可能である。
また、この実施の形態では、検出演出実行手段は、期待度が異なる複数種類の検出演出(本例では、ボタンセリフ予告演出やボタンカットイン予告演出、レバー予告演出)を実行可能であり、演出実行手段は、期待度が所定度合よりも高い検出演出と可動部材演出とを同時期に実行しない(本例では、ボタンセリフ予告演出よりも期待度(重要度)が高いボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出と役物予告演出と同時期に実行しない。図30参照)ように構成されている。そのため、期待度が高い演出を見逃してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、互いに異なる遊技者の動作を検出可能な複数の検出手段(本例では、プッシュボタン120やスティックコントローラ122)を備え、検出演出実行手段は、複数の検出手段のうちの特定の検出手段(本例では、スティックコントローラ122)が遊技者の動作を検出したことにもとづいて、特定検出演出(本例では、レバー予告演出)を実行可能であり、演出実行手段は、特定検出演出と可動部材演出とを同時期に実行しない(例えば、レバー予告演出と役物予告演出とを同時期に実行しない。図30参照)ように構成されている。そのため、可動部材演出と同時に実行されることがない特定検出演出を設けることで、演出をわかりやすくすることができる。つまり、遊技者の動作を検出したことにもとづいて実行される検出演出のうち、プッシュボタン120が遊技者の検出したことにもとづいて実行される検出演出は、役物予告演出と同時期に実行される場合があるが、スティックコントローラ122が遊技者の検出したことにもとづいて実行される特定検出演出は、役物予告演出と同時期に実行されることがないように構成されているため、検出演出の差別化を図ることができ、演出をわかりやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、期待度が所定度合よりも高い検出演出(本例では、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出)や特定検出演出(本例では、レバー予告演出)は、リーチ状態であるときにのみ実行されるが、リーチ状態となる前にも実行可能に構成してもよい。また、リーチ状態となる前に実行する場合にも、期待度が所定度合よりも高い検出演出(本例では、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出)や特定検出演出(本例では、レバー予告演出)は、可動部材演出(本例では、役物予告演出)と同時期には実行されないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、予め定められた実行期間、実行タイミングにより、役物予告演出とボタンセリフ予告演出とを実行することによって、役物予告演出が終了した後(すなわち、残存有効期間画像の視認困難状態が解消した後)にボタンセリフ予告演出による検出有効期間が終了するようにしているが、このような構成に限らず、例えば、演出図柄変動開始処理において、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の実行期間および実行タイミングをそれぞれ決定し、役物予告演出が終了した後(すなわち、残存有効期間画像の視認困難状態が解消した後)にボタンセリフ予告演出による検出有効期間が終了するように、実行期間および実行タイミングを調整する処理を行うようにしてもよい。また、例えば、演出図柄変動開始処理において、役物予告演出およびボタンセリフ予告演出の実行期間および実行タイミングをそれぞれ決定する処理を行い、演出図柄変動中処理において、決定にしたがって演出を行いつつ、役物200を動作させる制御を行う場合には、ボタンセリフ予告演出の実行期間(すなわち検出有効期間)を延長したり、実行タイミングをずらす処理を行うことによって、役物予告演出が終了した後(すなわち、残存有効期間画像の視認困難状態が解消した後)にボタンセリフ予告演出による検出有効期間が終了するようにしてもよい。
また、検出手段により遊技者の動作が検出されたことにもとづいて、検出演出を実行するタイミングについては、この実施の形態で示した例に限らず、擬似連演出中や先読み予告演出中、大当り演出中など、任意のタイミングであってよい。この場合に、実行されるタイミングに応じて、異なる割合で複数の検出演出のいずれかを実行するようにしてもよい。例えば、擬似連演出中に検出演出を実行する場合には、擬似連演出における演出図柄の仮停止前と仮停止後とで(または何回目の擬似連であるかに応じて)、異なる割合でボタンセリフ予告演出とボタンカットイン予告演出とのいずれかを実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可動部材演出(本例では、役物予告演出)および検出演出(本例では、ボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出、レバー予告演出)は、変動表示中に、有利な変動態様(スーパーリーチなど)になることや当該変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されることを異なる期待度により示唆するものであったが、これに限らず、いわゆる先読み予告のように、いずれかの保留記憶にもとづく変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されることを異なる期待度により示唆するものであってもよい。例えば、可動部材が動作することや、検出有効期間中に操作が検出されたことにもとづいて、保留表示を複数の表示態様のうちのいずれかに変化させることより、異なる期待度で大当りになることを示唆するようにしてもよい。この場合にも、操作促進画像や残存有効期間画像が可動部材によって視認困難状態となる期間よりも後に検出有効期間を終了するように構成することや、操作促進画像や残存有効期間画像を、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は常に視認可能となるように構成することが望ましい。
また、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理においてボタンセリフ予告演出、ボタンカットイン予告演出およびレバー予告演出の各演出の演出態様を決定するように構成されているが、それらを演出図柄変動中処理において決定するように構成してもよい。例えば、演出図柄変動開始処理においては、各演出を実行するか否か、実行する場合の検出有効期間を決定し、演出図柄変動中処理において検出有効期間中に操作が検出されたときに、表示する画像や出力する演出音等の演出態様を決定し、決定した演出態様により演出を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者によるスタートレバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロットマシンに適用することも可能である。例えば、上記の実施の形態で示した構成をスロットマシンに適用する場合、図柄の回転中など任意のタイミングにおいて、可動部材を動作させる可動部材演出を実行可能とするとともに、操作促進画像と残存有効期間画像とを表示し、ストップボタン(またはストップボタンとは別に設けられた操作ボタン)が操作されたことにもとづいて検出演出を行うことにより、役(例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど)の当落やフリーズ演出の有無、RT(リプレイタイム)抽選の結果、AT(アシストタイム)抽選の結果、ART(アシストリプレイタイム)抽選の結果などを示唆するように構成してもよい。この場合にも、操作促進画像や残存有効期間画像が可動部材によって視認困難状態である期間よりも後に検出有効期間を終了するように構成することや、操作促進画像や残存有効期間画像は、視認困難状態である場合にも、少なくとも一部は視認可能となるように構成することが望ましい。
[実施の形態の効果]
前述した実施の形態によって得られる効果を以下にまとめる。
(1) 遊技を行なうことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者が操作可能な第1操作手段(たとえば、プッシュボタン120、トリガボタン121、スティックコントローラ122、ハンドルボタン、設定用十字キー、設定用決定キー)と、
遊技者が操作可能であり前記第1操作手段と異なる第2操作手段(たとえば、第1操作手段がプッシュボタン120であればプッシュボタン120以外の操作部)と、
前記第1操作手段の操作を遊技者に促す操作促進表示を第1態様(たとえば、図38(B)等で示すようなボタンが飛び出していない態様)または第2態様(たとえば、第1態様よりも遊技者に操作を強く促す態様、図39(B)で示すようなボタンが飛び出している態様)で表示可能な操作促進表示手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図34のステップS8125,図35のステップS8139A)と、
前記操作促進表示手段によって前記操作促進表示が実行されたことに基づいて前記第1操作手段または前記第2操作手段が操作されたときに演出を実行可能な演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第1態様であるときは、該第1態様に対する前記第2操作手段の操作を有効判定とするが(たとえば、図31(B),図34のステップS8128,図38(F)で示すように、ボタンセリフ予告演出画像の第1演出態様,第2演出態様と同じ演出態様の演出を実行する。)、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第2態様であるときは、該第2態様に対する前記第2操作手段の操作を有効判定としない(たとえば、図35のステップS8149,図39(D)で示すように当該操作が無効である旨を報知する演出を実行する。)。
このような構成によれば、操作促進表示の態様によって操作された操作手段に応じて有効判定するか否かが異なる。このため、操作促進表示に応じた操作を促進することができる。その結果、操作による遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記操作促進表示手段は、実行されたときに遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が前記第1態様よりも前記第2態様の方が高くなるように前記操作促進表示を実行する(たとえば、図31(B),図31(C)で示すように、ボタンセリフ予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときよりも、ボタンカットイン予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときの方が、大当り遊技状態に制御される割合が高い。)。
このような構成によれば、第1態様よりも第2態様の操作促進表示が実行されたときの方が有利状態に制御される割合が高い。このため、操作促進表示に遊技者を注目させることができ、操作促進表示に応じた操作を促進することができる。その結果、操作による遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記第1操作手段は、通常態様から特定態様に変化可能であり(たとえば、プッシュボタン120が飛び出すといったように、形状、模様または色彩などの形態が変化可能)、
前記演出実行手段は、前記第1操作手段が前記特定態様であるときは、前記第2操作手段の操作を有効判定としない(たとえば、第2操作手段の操作に対して、第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出を実行しないようにしてもよいし、何の演出も実行しないようにしてもよいし、図35のステップS8149,図39(D)で示すように当該操作が無効である旨を報知する演出を実行してもよい。)。
このような構成によれば、第1操作手段が特定態様であるときは、第2操作手段が操作されても第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出は実行されない。このため、第1操作手段の操作を促進することができる。その結果、操作による遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第1態様であるときに前記第2操作手段の操作を有効判定とする旨の説明を表示可能な説明表示手段をさらに備える(たとえば、図34のステップS8125,図38(B)等で示すように、他の操作部の操作でも有効である旨を表示する。)。
このような構成によれば、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときに第2操作手段が操作された場合であっても有効判定とされることを遊技者に分かり易く知らせることができる。その結果、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを迷わないようにすることができる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記第1操作手段の前記操作促進表示が前記第2態様であるときに前記第2操作手段の操作を有効判定としない旨の示唆を表示可能な示唆表示手段をさらに備える(たとえば、図36のステップS8139A,図39(B)で示すように、他の操作部の操作が無効である旨を表示する。)。
このような構成によれば、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときに第2操作手段が操作された場合には有効判定とされないことを遊技者に示唆することができる。その結果、遊技者が知らずに、第1操作手段が操作された場合と同様の演出が実行されることを期待して第2操作手段を操作してしまうことを防止できる。
[オート連打演出の演出制御例]
次に、演出制御用CPU101により、オート連打動作を含む連打動作が遊技者により実行されたことに応じて特定演出を実行可能な特定連打演出の演出制御例について説明する。以下に示す特定連打演出は、前述した実施の形態に説明した各種演出制御と組合せて実行可能である。
特定連打演出は、遊技者による特定動作を検出可能な動作検出手段の検出有効期間中において、たとえば連打のように、遊技者が複数回の動作を行なう連続動作が実行されたことに応じて実行される演出である。
特定連打演出における「連打」は、遊技者がプッシュセンサ124等の動作検出手段が検出可能な複数回の動作を行なう連続動作である。より具体的に、「連打」は、遊技者がプッシュボタン120等の操作手段について複数回の操作を行なう連続動作である。また、特定連打演出における「連打」としては、「オート連打」の機能が用いられる場合がある。特定連打演出における「オート連打」は、実際には遊技者によって所定動作としてプッシュボタン120が継続して押下されている(長押しされている)のであるが、あたかもプッシュボタン120が複数回連続して押下されている(連打されている(プッシュボタン120が押されている状態と押されていない状態とが複数回繰り返されている状態))ものとして検出される機能である。
[特定連打演出例]
図40は、特定連打演出例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図40(A)〜(D)に、特定連打演出において演出表示装置9で表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。特定連打演出は、特定の変動パターンでの変動表示が実行されるときにおいて、変動表示の開始時から所定期間経過時からに、たとえばバトル演出のような特定の演出が実行されるときに、実行可能である。
特定連打演出が行なわれるバトル演出が実行されるときには、図40(A)に示すように、バトルの開始前の事前表示として、味方キャラクタ94と敵キャラクタ95とが登場し、「シンプルバトル」というような、シンプルバトル演出を特定する文字が表示される事前表示が所定期間(たとえば、2〜3秒間)に亘り行なわれる。事前表示としては、さらに、敵キャラクタ95のライフ(耐久力)をレベル表示するライフ表示領域99が表示される。ライフ表示領域99は、バトル演出の開始時には敵キャラクタ95のライフが最大レベルであることが示され、シンプルバトル演出の実行中に、プッシュボタン120の操作に応じた味方キャラクタ94からの攻撃に応じて減少していく操作対応表示が行なわれる。ライフ表示領域99のライフ表示のレベルは、たとえば、0〜100の間のレベルゲージにより表示される。
シンプルバトル演出は、パチンコ遊技機1で実行可能なバトル演出のうち、比較的簡素な演出が実行されるバトル演出である。シンプルバトル演出においては、図40(B),(C)に示すように、遊技者によるプッシュボタン120の連打操作に応じて、味方キャラクタ94と敵キャラクタ95とが対戦するバトル演出が進行する。シンプルバトル演出においては、連打操作に応じ、特定演出として、味方キャラクタ94が敵キャラクタ95を攻撃し、その攻撃に対応して敵キャラクタ95に対応するライフ表示領域99でのライフのレベル表示が減少する。このように、シンプルバトル演出においては、連打操作に応じた特定演出として、連打操作の実行がライフ表示領域99でのライフのレベル表示に作用する作用演出が行なわれる。
シンプルバトル演出においては、演出図柄(特別図柄)の変動表示結果が大当り表示結果となることが決定されているときに、図40(D)に示すように、バトル演出においてライフ表示領域99でのライフ表示が最低レベル(0)になり、味方キャラクタ94が勝ったことを示す勝利表示(たとえば「WIN」という文字の表示等)が行なわれて、大当り表示結果が表示される。一方、シンプルバトル演出においては、演出図柄(特別図柄)の変動表示結果がはずれ表示結果となることが決定されているときに、バトル演出においてライフ表示領域99でのライフ表示が最低レベル(0)にならず、味方キャラクタ94が負けたことを示す敗北表示(たとえば「LOSE」という文字の表示等)が行なわれて、はずれ表示結果が表示される(図示省略)。
シンプルバトル演出では、遊技者によるプッシュボタン120の連打操作に応じて演出が進行する。連打操作としては、遊技者がプッシュボタン120を自力で連打することにより実行される自力連打の操作と、遊技者がプッシュボタン120を特定時間(たとえば1秒間以上等)長押し操作(継続押し操作)することにより実行されるオート連打の操作とのいずれが実行可能である。連打操作に応じた演出が実行されるときの演出モードとして、自力連打の操作に応じた演出が実行されているときの演出モードが自力連打モードと呼ばれ、オート連打の操作に応じた演出が実行されているときの演出モードがオート連打モードと呼ばれる。
シンプルバトル演出における連打操作の操作(検出)有効期間は、予め定められた期間(たとえば、10秒間等)に設定されている。オート連打は、プッシュボタン120を特定時間(たとえば、1.0秒間等)に亘り長押し操作したことに基づいて、実行条件が成立してオート連打の機能による操作の検出が開始され、長押し操作の継続期間として0.5秒間等のような期間が経過するごとに操作回数を1つずつカウントして、あたかもプッシュボタン120の連打が実行されたとみなして操作検出が行なわれる機能である。このようなオート連打の操作(検出)有効期間としては、特定期間(たとえば、4.5秒間等)が設定されている。
シンプルバトル演出が実行される演出期間においては、オート連打が開始可能な期間と、オート連打が開始不可能な期間とが設けられている。オート連打開始可能期間においては、図40(B)に示すように、「連打!!長押しでオート連打」というようなメッセージ画像を表示するオート連打開始可能期間であることを報知する演出が行なわれる。一方、オート連打開始不可能期間においては、図40(C)に示すように、「連打!!自力連打」というようなメッセージ画像を表示するオート連打開始不可能期間であることを報知する演出が行なわれる。
[オート連打演出の演出制御タイミング例]
次に、特定連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングの一例を説明する。図41は、特定連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングを示すタイミングチャートである。
図41に示すように、特定連打演出においては、連打操作の有効期間が、たとえばリーチ状態の開始時のような第1タイミングから、変動表示終了直前時のような第2タイミングまでのような所定期間(たとえば、10秒間等)に設定されている。
自力連打開始可能期間は、連打操作の有効期間の全期間に対応して設定されている。オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から予め定められた期間(たとえば、0.5秒間)経過時から開始され、特定期間(たとえば、連打操作の有効期間における前半期間)経過時までの期間が設定されている。なお、オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から開始されてもよい。オート連打開始不可能期間としては、連打操作の有効期間中におけるオート連打開始可能期間の経過後の期間が設定されている。
自力連打開始可能期間中においては、自力連打の実行に応じたライフ表示領域99への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合以下の度合に制御される自力連打低作用設定期間と、自力連打の実行に応じたライフ表示領域99への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合よりも高い度合に制御される自力連打高作用設定期間とが含まれている。これにより、同じ自力連打開始可能期間中でも、自力連打低作用設定期間と、自力連打高作用設定期間とで、自力連打に対応して実行される作用演出の作用態様(作用度合)が異なる。このように、自力連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間に応じて、作用演出の作用態様が異なるように設定されている。
自力連打開始可能期間と連打操作有効期間とが同じであるので、連打操作有効期間中は、基本的にいつでも自力連打操作をすることが可能であり、その自力連打操作に応じて、前述した作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打低作用設定期間には、自力連打に基づいて低作用の作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打高作用設定期間には、自力連打に基づいて高作用の作用演出が実行可能である。
このように自力連打開始可能期間が、前半部を自力連打低作用設定期間とし、後半部を自力連打高作用設定期間とすることにより、自力連打に応じた作用演出が変動表示結果の導出表示タイミングに対応するように、演出を連携させることができる。たとえば、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打低作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打に応じて、自力連打低作用設定によるゆっくりとした作用演出が進行し、その後、期間経過により自力連打高作用設定期間となったときは、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。たとえば、大当り表示結果を導出表示するときはライフ表示領域99のライフ表示のレベルを導出表示前に「0」にし、はずれ表示結果を導出表示するときはライフ表示領域99のライフ表示のレベルを導出表示直前に「1」以上の特定のレベルにする演出が行なわれる。
また、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打高作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打高作用設定により、自力連打開始当初から、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出をすることが可能とされている。
連打操作有効期間中におけるオート連打開始可能期間中では、オート連打の実行に応じたライフ表示領域99への作用演出の作用態様(ライフ減少)の度合が、一定の度合に制御される。これにより、オート連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間によらず、作用演出の作用態様が一定となるように設定されている。
オート連打開始可能期間には、プッシュボタン120の予め定められた時間(たとえば、1秒間)以上の長押し操作に基づいて連打操作が実行されたとみなされてオート連打が開始可能であり、そのオート連打操作に応じて、前述した作用演出が実行可能である。連打操作有効期間中におけるオート連打開始不可能期間には、プッシュボタン120の予め定められた時間以上の長押し操作が開始されても連打操作が実行されたとみなされず、オート連打が開始不可能である。オート連打開始可能期間中においては、オート連打に基づいて、自力連打開始可能期間中とは異なり、一定の作用態様での作用演出が実行可能である。
このようにオート連打開始可能期間に開始可能なオート連打が実行されるときには、オート連打の開始当初から終了までの間において一定の作用態様での作用演出が実行可能であることにより、オート連打に応じて、オート連打作用設定による一定の作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを前述したような変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。
なお、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とが同一期間として設定され、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが同一期間として設定されてもよい。また、図41のように、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とを異なる期間に設定する場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。また、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが異なる期間に設定されてもよく、その場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。
次に、特定連打演出における各種連打の実行に応じた作用演出の演出態様の関係を説明する。図42は、特定連打演出の作用設定テーブルを示す図である。図42の特定連打演出の作用設定テーブルは、ROM102に記憶されており、自力連打低作用設定期間内の自力連打の実行に応じた作用演出、自力連打高作用設定期間内の自力連打の実行に応じた作用演出、または、オート連打開始可能期間内のオート連打の実行に応じた作用演出が実行されるときに、演出制御用CPU101により参照され、設定されているデータが作用演出に用いられる。
図42に示すように、自力連打低作用設定期間内の自力連打の実行時には、自力連打における1打(1自力打)に対応する演出ごとにライフ表示領域99において5レベル分のライフ表示を減少させる作用演出態様が設定される。自力連打高作用設定期間内の自力連打の実行時には、自力連打における1打(1自力打)に対応する演出ごとにライフ表示領域99において20レベル分のライフ表示を減少させる作用演出態様が設定される。オート連打開始可能期間内のオート連打の実行時には、長押し操作に基づくオート連打における1打(1オート打)に対応する演出ごとにライフ表示領域99において10レベル分のライフ表示を減少させる作用演出態様が設定される。このように、特定連打演出においては、自力連打の実行に応じた作用演出をする第1作用演出と、オート連打の実行に応じた作用演出をする第2作用演出とが含まれる。
図42に示すように、自力連打については、2つの設定期間のうち、プッシュボタン120が操作されたときにおける連打操作有効期間の残り時間が短い方の自力連打高作用設定期間が、プッシュボタン120が操作されたときにおける連打操作有効期間の残り時間が長い方の自力連打低作用設定期間中と比べて、作用演出での作用規模、すなわち、ライフ表示の減少量が大きくなるように設定されている。このように、連打操作有効期間の残り期間に応じて、作用演出の作用態様が異なることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、連打操作有効期間の残り期間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなることにより、残り期間が少なくても連打操作演出の面白みを担保することが可能となるので、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図42に示すように、自力連打の実行時と、オート連打の実行時とで作用演出の作用度合が異なるので、連打操作演出のバリエーションが豊富化されて演出の面白みが増し、遊技の興趣を向上させることができる。また、オート連打の実行時には、作用演出の作用度合が一定であり、作用演出の作用度合が自力連打低作用設定期間と自力連打高作用設定期間とで相違するような自力連打の実行時と比べて、演出パターンが異なるので、連打操作演出のバリエーションが豊富化されて、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、自力連打高作用設定期間内の自力連打の実行時には、連打に応じた作用演出の作用度合が、自力連打低作用設定期間内の自力連打の実行時と比べて高いので、自力連打を開始したタイミングが遅くなっても、自力連打による作用演出の進行が変動表示の表示結果を導出表示する前のタイミングまでに間に合う(たとえば、大当り表示結果を導出表示するときはライフ表示領域99のレベルを導出表示前に「0」にし、大当り表示結果を導出表示するときはライフ表示領域99のレベルを導出表示前に「1」以上の特定のレベルにする。)ようにすることができる。
オート連打は、オート連打開始可能期間の経過後、オート連打開始不可能期間において、連打操作が開始されても実行されない。しかし、連打操作有効期間の全期間に亘り自力連打が実行可能であり、オート連打開始不可能期間においては、自力連打高作用設定により作用演出の作用規模が大きくなるので、遊技者がオート連打を開始させ損ねてオート連打開始可能期間が経過したときであっても、その後に遊技者が自力連打をすれば、高作用設定演出により面白みがある演出を遊技者に提供することができる。
[連打演出処理]
次に、図40〜図42を用いて説明した特定連打演出をするために演出制御用CPU101で実行される連打演出処理について説明する。図43は、連打演出処理を示すフローチャートである。図43の連打演出処理は、前述の演出制御プロセス処理に含まれる処理である。
操作演出処理においては、まず、ステップSA(以下、SAと呼ぶ)1により、現在が図41に示す特定操作演出における連打演出有効期間中であるか否かを判定する(SA1)。SA1においては、変動表示の開始時に受信した演出制御コマンドと、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在が、特定操作演出における連打演出有効期間中であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、特定操作演出が、特定の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときに実行され、連打演出有効期間が当該変動パターンの開始時から所定の期間に設定されるからである。
SA1で連打演出有効期間中ではないと判定されたときは、処理を終了する。一方、SA1で連打演出有効期間中であると判定されたときは、現在が図41に示すオート連打モード演出の実行中であるか否かを判定する(SA2)。SA2の判定がされる連打操作有効期間中においては、演出制御プロセス処理に含まれる特定の処理により、変動表示の開始時からの時間経過に応じて、図40(B)に示すようなオート連打開始可能期間であることを報知する演出、または、図40(C)に示すようなオート連打開始不可能期間であることを報知する演出が実行される。オート連打モードでの演出の実行中には、オート連打モードであることを示すフラグがセットされる(SA12で説明)ので、SA2においては、そのようなフラグのデータを確認することにより、オート連打モードでの演出の実行中であるか否かが判定される。
SA2でオート連打モード演出中であると判定されたときは、後述するSA18に進む。一方、SA2でオート連打モード演出中ではないと判定されたときは、プッシュセンサ124からの検出信号の入力の有無に基づいて、プッシュボタン120が操作されているか否かを判定する(SA3)。SA3でプッシュボタン120が操作されていないと判定されたときは、処理を終了する。一方、SA3でプッシュボタン120が操作されていると判定されたときは、プッシュボタン120が長押し操作されているか否かを判定する(SA4)。SA4で長押し操作されているか否かは、たとえば演出制御用CPU101でのタイマ割込み処理の所定ルーチンにおいてプッシュセンサ124からの操作検出信号の入力が所定処理回数(所定期間)以上継続していることが確認されたか否かに基づいて判定される。
SA4で長押し操作がされていないと判定されたときは、後述するSA13に進む。一方、SA4で長押し操作がされていると判定されたときは、オート連打の実行条件を満たす長押し操作(たとえば、1秒間以上の長押し操作)がされているか否かの判定中であるときにセットされるオート連打判定中フラグがセットされているか否かを判定する(SA5)。
SA5でオート連打判定中フラグがセットされていないと判定されたときは、現在が図41に示すオート連打開始可能期間の終了前のタイミング(オート連打開始可能期間の開始前における連打操作有効期間も含む)であるか否かを判定する(SA6)。SA6では、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値を確認することに基づいて、現在がオート連打開始可能期間の終了前のタイミングであるか否かが判定される。SA6でオート連打開始可能期間の終了前のタイミングであると判定されたときは、現在実行されている長押し操作がオート連打の実行条件を満たすか否かを判定(確認)するために、オート連打判定中フラグをセットし(SA7)、処理を終了する。一方、SA6でオート連打開始可能期間の終了前のタイミングではないと判定されたときは、オート連打判定中フラグをセットせずに処理を終了する。
また、SA5でオート連打判定中フラグがセットされていると判定されたときは、現在が図41に示すオート連打開始可能期間の終了後のタイミングであるか否かを判定する(SA8)。SA8では、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値を確認することに基づいて、現在がオート連打開始可能期間の終了後のタイミングであるか否かが判定される。SA8でオート連打開始可能期間の終了後のタイミングであると判定されたときは、オート連打判定中フラグをリセットし(SA9)、処理を終了する。これにより、長押し操作がオート連打の実行条件を満たすか否かの判定が、オート連打開始可能期間の終了タイミングを跨ぐ場合は、長押し操作がされてもオート連打が実行されない。つまり、長押し操作の期間が1秒間以上となるタイミングがオート連打開始可能期間の終了タイミングとなる場合は、長押し操作がされてもオート連打が実行されない。
なお、長押し操作がオート連打の実行条件を満たすか否かの判定が、オート連打開始可能期間の終了タイミングを跨ぐような長押し操作がされた場合に、オート連打の実行条件が成立し、オート連打が実行されるようにしてもよい。つまり、長押し操作の期間が1秒間以上となるタイミングがオート連打開始可能期間の終了タイミングとなる場合でも、1秒間以上の長押し操作がされたときに、オート連打が実行されるようにしてもよい。
一方、SA8でオート連打開始可能期間の終了後のタイミングではないと判定されたときは、1秒間以上の長押し操作がされているというオート連打条件が成立したか否かを判定する(SA10)。SA10でオート連打条件が成立したか否かは、たとえば演出制御用CPU101でのタイマ割込み処理の所定ルーチンにおいてプッシュセンサ124からの操作検出信号の入力が継続している時間を計時し、その計時時間がオート連打の実行条件を満たしたか否かに基づいて判定される。
SA10でオート連打の実行条件が成立していないと判定されたときは、処理を終了する。一方、SA10でオート連打の実行条件が成立したと判定されたときは、オート連打判定中フラグをリセットし(SA11)する。そして、図42に示すような作用演出の設定がされるオート連打作用演出態様設定を選択して、オート連打作用演出態様設定によるオート連打モードでの演出を開始し(SA12)、処理を終了する。これにより、一定の作用演出が行なわれるオート連打演出が実行される。SA12において、オート連打モードでの演出を開始するときには、オート連打モードでの演出の実行中であることを示すフラグがセットされる。
SA6〜SA12に示すように、連打演出処理では、長押し操作の期間が1秒間以上となるタイミングがオート連打開始可能期間内のタイミングとなる場合は、長押し操作が連打操作とみなされて、オート連打が実行される。
連打演出処理においては、SA6,SA7,SA10〜SA12に示すように、長押し操作の期間が1秒間以上となるタイミングがオート連打開始可能期間内のタイミングとなる場合に長押し操作が連打操作とみなされて、オート連打が実行されるので、たとえば、オート連打開始可能期間の開始前の連打操作有効期間中から長押し操作を開始した場合でも、長押し操作の期間が1秒間以上となったときは、オート連打の演出が実行される。つまり、長押し操作がオート連打の実行条件を満たすか否かの判定が、オート連打開始可能期間の開始タイミングの前後を跨ぐ場合は、長押し操作に応じてオート連打が実行可能である。なお、長押し操作がオート連打の実行条件を満たすか否かの判定が、オート連打開始可能期間の開始タイミングの前後を跨ぐ場合は、長押し操作に応じてオート連打が実行されないようにしてもよい。
前述したSA2でオート連打モード演出中であると判定されてSA18に進んだときは、プッシュボタン120の長押し操作中であるか否かが判定される(SA18)。SA18での判定は、SA4での判定と同様に行なわれる。SA18により長押し操作中であると判定されたときは、SA12により設定されて実行中のオート連打モードでの演出を実行(実行継続)し(SA19)、処理を終了する。一方、SA18により長押し操作中ではないと判定されたときは、実行中のオート連打モードでの演出を終了し(SA20)、処理を終了する。SA20によりオート連打モードでの演出を終了するときには、前述したオート連打モードであることを示すフラグがリセットされる。
また、前述したSA4で長押し操作がされていないと判定されてSA13に進んだときは、オート連打判定中フラグがセットされているか否かを判定する(SA13)。SA13でオート連打判定中フラグがセットされているときは、長押し操作がされていないことに応じて、オート連打判定中フラグをリセットし(SA14)、SA15に進む。これにより、長押し操作が1秒間に満たないタイミングでオート連打判定中であるときに、単押し操作(長押しとはことなる短い期間の操作)がされたときは、オート連打の判定が終了し、オート連打が実行されない。一方、SA13でオート連打判定中フラグがセットされていないときは、そのままSA15に進む。
SA15では、現在が図41に示す自力連打低作用設定期間中であるか否かを判定する(SA15)。SA15では、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値を確認することに基づいて、現在が自力連打低作用設定期間中であるか否かが判定される。
SA15で自力連打低作用設定期間中であると判定されたときは、図42に示すような低作用演出の設定がされる自力連打低作用演出態様設定を選択して、自力連打低作用演出態様設定による自力連打モードでの1打に対応する演出を実行し(SA16)、処理を終了する。これにより、低作用演出が行なわれる自力連打演出が実行される。一方、SA15で自力連打低作用設定期間中でないと判定されたとき、すなわち、自力連打高作用設定期間中であるときは、図42に示すような高作用演出の設定がされる自力連打高作用演出態様設定を選択して、自力連打高作用演出態様設定による自力連打モードでの1打に対応する演出を実行し(SA17)、処理を終了する。これにより、高作用演出が行なわれる自力連打演出が実行される。
以上に説明した連打演出処理においては、SA6Y,SA10〜SA12に示すように、オート連打開始可能期間のような所定期間が経過するまではプッシュボタン120の特定期間の長押し操作に基づいて連打操作が実行されたとみなし、SA6Nに示すように、オート連打開始可能期間が経過した後のオート連打開始不可能期間にプッシュボタン120の長押し操作が開始されても連打操作が実行されたとみなされない。これにより、連打操作有効期間において所定期間が経過するか否かに基づいて、連打操作が実行されたとみなすか、連打操作が実行されたとみなさないかとすることにより、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[特定連打演出の変形例]
次に、特定連打演出の変形例を説明する。
(1) 図43の連打演出処理では、オート連打開始可能期間の残り期間に関係なく、SA6,SA7によりオート連打の判定を開始させる例を示したが、これに限らず、オート連打開始可能期間の残り期間を確認し、確認した残り時間がオート連打の実行条件となる操作時間に満たないときは、オート連打の判定することなく、オート連打をしないようにしてもよい。
(2) 図42に示すように、オート連打については、一定の作用演出態様とする例を示した。しかし、これに限らず、オート連打は、図42に示す自力連打の作用演出態様のように、演出開始からの経過時間に応じて、低作用設定期間と、高作用設定期間とが設定されるようにしてもよい。
(3) 図42に示すように、自力連打については、演出開始からの経過時間に応じて、低作用設定期間と、高作用設定期間とが設定される例を示した。しかし、これに限らず、自力連打は、一定の作用演出態様がされるようにしてもよい。
(4) 図40に示したオート連打開始可能期間であることを報知する演出は、実行されないようにしてもよい。また、図40に示した連打開始不可能期間であることを報知する演出は、実行されないようにしてもよい。
(5) 特定連打演出としては、図40に示したようなバトル演出以外の各種演出(たとえば、連打に応じて、大当りとなる期待度を数値により「0%」〜「100%未満」または「100%」に変化させる演出等)として実行してもよい。
(6) 図41に示すように、オート連打演出開始可能期間は、連打操作有効期間中の中程に設定されたタイミングの経過時に終了する例を示した。しかし、これに限らず、オート連打演出開始可能期間は、連打操作有効期間における開始時期寄りのタイミングの経過時に終了するように設定してもよく、連打操作有効期間における終了時期寄りのタイミングの経過時に終了するように設定してもよい。
(7) 図41に示すように、自力連打低作用演出設定期間と、自力連打高作用演出設定期間とが切り替わるタイミングは、連打操作有効期間中の中程に設定されたタイミングの経過時に終了する例を示した。しかし、これに限らず、このような自力連打低作用演出設定期間と、自力連打高作用演出設定期間とが切り替わるタイミングは、連打操作有効期間における開始時期寄りのタイミングの経過時に終了するように設定してもよく、連打操作有効期間における終了時期寄りのタイミングの経過時に終了するように設定してもよい。
(8) オート連打の実行条件となる操作としては、操作手段の長押し操作を一例として説明したが、自力連打操作以外の所定操作であれば、どのような操作でもよい。たとえば、オート連打の実行条件となる操作としては、連打操作が可能な操作手段以外の操作手段(レバースイッチ、ジョグダイアル、ロータリースイッチ、タッチパネル等)が操作されたことをオート連打の実行条件としてもよい。
(9) 図40等においては、連打操作に応じた特定演出として、連打操作の実行がライフ表示領域99でのライフのレベル表示に作用する作用演出を一例として説明したが、連打操作に応じた特定演出としては、連打に応じて特定のエフェクトの色が変化する作用演出、連打に応じて特定の物体画像が破壊されて破壊度が変化する作用、連打に応じて特定のキャラクタの集合数が変化する作用演出、および、連打に応じて特定の第1のキャラクタ画像が第2のキャラクタ画像に変化する作用演出等のその他の演出を行なってもよい。
次に、前述した特定連打演出により得られる主な効果を説明する。
(1) SA6Y,SA10〜SA12に示すように、オート連打開始可能期間のような所定期間が経過するまではプッシュボタン120の特定期間の長押し操作に基づいて連打操作が実行されたとみなし、SA6Nに示すように、オート連打開始可能期間が経過した後のオート連打開始不可能期間にプッシュボタン120の長押し操作が開始されても連打操作が実行されたとみなされない。これにより、連打操作有効期間において所定期間が経過するか否かに基づいて、連打操作が実行されたとみなすか、連打操作が実行されたとみなさないかとすることにより、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図42に示すように、自力連打の実行時と、オート連打の実行時とで作用演出の作用度合が異なるので、連打操作演出のバリエーションが豊富化されて演出の面白みが増し、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)図42に示すように、連打操作有効期間の残り期間に応じて、作用演出の作用態様が異なることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図42に示すように、連打操作有効期間の残り期間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなることにより、残り期間が少なくても連打操作演出の面白みを担保することが可能となるので、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) オート連打の実行時には、作用演出の作用度合が一定であり、作用演出の作用度合が自力連打低作用設定期間と自力連打高作用設定期間とで相違するような自力連打の実行時と比べて、演出パターンが異なるので、連打操作演出のバリエーションが豊富化されて、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[特定連打演出と他の演出との組合せ例]
次に、特定連打演出と、前述した各種演出としての他の演出との組合せの一例を説明する。特定連打演出については、例えば、プッシュボタン120のような第1操作手段と、プッシュボタン120以外の操作手段(トリガボタン121等)である第2操作手段との一方または両方で連打操作を実行可能としてもよい。その場合には、連打操作の操作促進演出として、第1操作手段の操作を促進する操作促進表示を、第1態様(例えば小ボタンアイコン表示およびプッシュボタン以外の操作も有効であることを示すメッセージ表示等)、または、第2態様(例えば大ボタンアイコン表示およびプッシュボタン以外の操作は有効であることを示すメッセージ表示等)で実行可能とする。
そして、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、第1操作手段の操作に加え、第2操作手段の操作を有効と判定するが、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、第1操作手段の操作を有効と判定するが、第2操作手段の操作を有効と判定しないようにしてもよい。
このように、特定連打演出と前述した他の演出とは、組合せ可能であり、組合せに基づいて、より面白みがある演出を行なうことができる。このような演出の組合せは、一例であり、特定連打演出と前述した他の演出とは、その他の組合せ態様でも組合せることが可能である。
[第1操作手段および第2操作手段と所定動作および連続動作との関係例]
図38に示すような操作促進表示が行われる第1操作手段による操作は、特定連打演出での所定動作とは異なり、第1操作手段と異なる第2操作手段による操作は、特定連打演出での連続動作とは異なる。しかし、遊技者の操作が遊技者の動作に含まれるので、前記第1操作手段による操作は、遊技者の第1動作に置換えられてもよく、前記第2操作手段の操作は、遊技者の第2動作に置換えられてもよい。たとえば、第1操作手段による操作を、特定連打演出での所定動作または連続動作に置換え、当該動作を対象として、図38(B)および図39(B)のように動作促進表示を第1態様または第2態様で行い、図38(F)および図39(D)のように、動作促進表示の態様に応じて第2動作の有効判定をする制御を実行してもよい。
[変形例]
以下に前述した実施の形態の変形例を示す。
(1) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機1について説明した。しかし、これに限定されず、パチンコ遊技機1とは異なる遊技機、たとえば、スロットマシンが、前述したような、第1操作手段と、第2操作手段と、操作促進表示手段と、演出実行手段とを備え、演出実行手段は、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とするが、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定としないようにしてもよい。
この場合、第1操作手段は、たとえば、前述のパチンコ遊技機1のプッシュボタン120と同様の操作部であり、第2操作手段は、たとえば、プッシュボタン120とは異なる、BETボタンやスタートレバーやストップボタンなどの他の操作部である。操作促進表示手段は、たとえば、スタートレバーが操作されてからフリーズ演出が実行されることで図柄の回転が開始されていないタイミング、または、図柄の第1停止までのタイミングで、操作促進表示を第1態様または第2態様で表示可能であり、演出実行手段は、たとえば、フリーズ演出後に図柄の回転が開始された後のタイミング、または、図柄の第3停止(最後の図柄の停止)までのタイミングで、操作促進表示が実行されたことに基づいて第1操作手段または第2操作手段が操作されたときに演出を実行可能である。
(2) 前述した実施の形態においては、第1操作手段が、プッシュボタン120であり、第2操作手段がプッシュボタン120と異なる操作部であるトリガボタン121およびスティックコントローラ122であることとした。しかし、第1操作手段および第2操作手段が異なる操作部であれば、これに限定されない。たとえば、逆に、第2操作手段が、プッシュボタン120であり、第1操作手段が、トリガボタン121およびスティックコントローラ122であることとしてもよい。また、第1操作手段は、第2操作手段よりも遊技者が操作し難い操作部であってもよい。また、逆に、第1操作手段は、第2操作手段よりも遊技者が操作し易い操作部であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、操作促進表示には、プッシュボタン120が飛出していない状態の外観を模した態様の第1態様、および、プッシュボタン120が飛出している状態の外観を模した態様の第2態様の2つの態様があることとした。しかし、これに限定されず、操作促進表示に2つ以上の態様があることとしてもよい。たとえば、プッシュボタンが複数段階の飛び出している状態のうちの最も飛出している状態の外観を模した態様A、プッシュボタンが複数段階の飛出している状態のうちの中程度に飛出している状態の外観を模した態様B、および、プッシュボタン120が飛出していない状態の外観を模した態様の態様Cが、操作促進表示にあることとしてもよい。
この場合に、特定操作手段の操作促進表示が態様B,Cであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定とし、特定操作手段の操作促進表示が態様Aであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定としないようにしてもよい。また、特定操作手段の操作促進表示が態様Cであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定とし、特定操作手段の操作促進表示が態様A,Bであるときは、特定操作手段以外の操作部の操作を有効判定としないようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるとき第2操作手段の操作の有効判定することが、図31(B),図34のステップS8128,図38(F)で示したように、プッシュボタン120の操作促進画像が飛出し表示でない第1態様であるときは、プッシュボタン120以外の操作に対しても、プッシュボタン120に対するボタンセリフ予告演出画像の第1演出態様,第2演出態様と同じ演出態様の演出が実行されることとした。つまり、第2操作手段の操作を有効判定することが、第2操作手段の操作に対しても第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出態様の演出を実行することとした。
しかし、これに限定されず、第2操作手段の操作を有効判定することが、第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と同じキャラクタであるが動きが異なる演出を実行することとしてもよい。第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と同じ意味内容のセリフをキャラクタが話していることを示す演出を実行することとしてもよい。第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と、大当り期待度が50%以上などの同程度の期待度の演出などの、同種の演出態様の演出を実行することとしてもよい。第2操作手段の操作に対しても、第1操作手段の操作に対する演出と関連する演出、たとえば、一方の操作に対してはプレミアム演出を実行し他方の操作に対しては関連するプレミアムでない演出を実行することとしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるとき第2操作手段の操作を有効判定としないことが、図35のステップS8149,図39(D)で示したように、プッシュボタン120の操作促進画像が飛出し表示である第2態様であるときは、プッシュボタン120以外の操作が無効である旨を報知する演出を実行することとした。つまり、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出を実行しないこととした。
しかし、これに限定されず、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては、何の演出も実行しないこととしてもよい。この場合、表示されていた操作促進表示は操作の有効期間中であれば消去されない。
(6) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第2操作手段の操作を有効判定として、図34のステップS8129で示したように、当該操作に応じて操作促進表示を消去するようにした。一方、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とせず、図35のステップS8149で説明したように、当該操作に応じて操作促進表示は消去しないようにした。しかし、これに限定されず、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とせず、当該操作に応じて操作促進表示を消去するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、図31(B),図31(C)で示すように、ボタンセリフ予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときよりも、ボタンカットイン予告演出の操作促進表示の態様が実行されたときの方が、大当り遊技状態に制御される割合が高いようにした。つまり、実行されたときに遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御される割合が第1態様(ボタンセリフ予告演出の操作促進表示の態様)よりも第2態様(ボタンカットイン予告演出の操作促進表示の態様)の方が高くなるように操作促進表示を実行するようにした。このように有利な態様で操作促進表示が実行される割合が高いと、有利状態に制御される割合も高い。
なお、前述した実施の形態においては、第1態様よりも遊技者に操作を強く促す第2態様で操作促進表示が実行されたときの方が、第1態様で操作促進表示が実行されたときよりも、遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が高いこととした。しかし、これに限定されず、第2態様で操作促進表示が実行されたときの方が、第1態様で操作促進表示が実行されたときよりも、遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が低いこととしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、第1操作手段であるプッシュボタン120が飛出していない通常態様から、飛び出した特定態様に変化可能であることとした。しかし、これに限定されず、第1操作手段の形状、模様もしくは色彩またはこれらの組合せが、通常態様から特定態様に変化可能であるものであってもよい。たとえば、第1操作手段の内部にランプが設けられており、ランプが発光することで第1操作手段の色が変わるように構成されている場合に、通常態様は、白色であり、特定態様は、赤色や虹色であることとしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、第1操作手段が特定態様であるときは、第2操作手段の操作を有効判定としないことが、図35のステップS8149,図39(D)で示したように、プッシュボタン120が飛出した態様である特定態様であるときは、プッシュボタン120以外の操作が無効である旨を報知する演出を実行することとした。つまり、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては第1操作手段の操作に対する演出と同じ演出を実行しないこととした。
しかし、これに限定されず、第2操作手段の操作を有効判定しないことが、第2操作手段の操作に対しては、何の演出も実行しないこととしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、図34のステップS8125,図38(B)等で示したように、演出図柄の変動表示中の説明演出、かつ、操作促進表示の一部として、プッシュボタン120の操作促進表示が飛出していない態様であるときには他の操作部の操作でも有効である旨を表示するようにした。
しかし、これに限定されず、操作促進表示が実行されていないときに、演出図柄の変動表示中(たとえば、リーチ状態となる前まで)の説明演出として、プッシュボタン120の操作促進表示がプッシュボタン120が飛出していない態様であるときには他の操作部の操作でも有効である旨を表示するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、図36のステップS8139A,図39(B)で示したように、演出図柄の変動表示中の説明演出、かつ、操作促進表示の一部として、プッシュボタン120の操作促進表示がプッシュボタン120が飛出している態様であるときには他の操作部の操作が無効である旨を表示するようにした。
しかし、これに限定されず、操作促進表示が実行されていないときに、演出図柄の変動表示中(たとえば、リーチ状態となる前まで)の説明演出として、プッシュボタン120の操作促進表示がプッシュボタン120が飛出している態様であるときには他の操作部の操作が無効である旨を表示するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、第1操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第2操作手段の操作を有効判定とするが、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定としないようにした。
しかし、第2操作手段の操作促進表示が第1態様であるときは、該第1態様に対する第1操作手段の操作を有効判定とするが、第2操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第1操作手段の操作を有効判定としないようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、第1態様および第2態様の操作促進表示がそれぞれ異なるタイミングの演出で実行可能であることとした。具体的には、第1態様の操作促進表示は、ボタンセリフ予告演出が実行されるタイミングで実行可能であり、第2態様の操作促進表示は、ボタンカットイン予告演出が実行されるタイミングで実行可能であることとした。
しかし、これに限定されず、第1態様および第2態様の操作促進表示が、同じ演出において実行可能であることとしてもよい。たとえば、ある予告演出(たとえば、ボタンカットイン予告演出)において、遊技者にとって有利な有利状態とする場合には第1態様よりも高い割合で第2態様の操作促進表示を実行するようにしてもよい。また、逆に、ある予告演出において、遊技者にとって有利な有利状態とする場合には第2態様よりも高い割合で第1態様の操作促進表示を実行するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態において、操作促進表示に対して操作部の操作をしなくても操作促進表示で促されている操作が自動的に実行されたこととみなされる自動操作機能の有効および無効を遊技者が設定することが可能であるように構成してもよい。
このような自動操作機能が有効に設定されている場合であっても、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、該第2態様に対する第2操作手段の操作を有効判定としないようにしてもよいし、さらに、当該自動操作機能により自動的に実行されたとみなされた操作を有効判定としないようにしてもよい。たとえば、第1操作手段の操作促進表示が第2態様であるときは、自動操作機能が有効に設定されている場合であっても無効とされるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、検出有効期間表示(たとえば、図38(B),図39(B)などで示した残存有効期間画像202)は、第1態様および第2態様の操作促進表示のいずれに対しても同じ大きさであることとした。しかし、これに限定されず、第1態様の操作促進表示を実行するときは小さい検出有効期間表示を実行し、第2態様の操作促進表示を実行するときは大きい検出有効期間表示を実行するようにしてもよい。また、逆に、第1態様の操作促進表示を実行するときは大きい検出有効期間表示を実行し、第2態様の操作促進表示を実行するときは小さい検出有効期間表示を実行するようにしてもよい。そして、同一期間を示す際に、大きい検出有効期間表示の減算する速さを小さい検出有効期間表示よりも速めるようにしてもよいし、遅めるようにしてもよい。これにより、検出有効期間表示の大きさにより減算する速さが異なるので、検出有効期間表示に遊技者を注目させることができる。
(16) 前述した実施の形態で示した構成は、いわゆる携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムにも適用できる。携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムは、一般に、所定条件の成立にもとづいて所定情報を出力する遊技機と、遊技機によって出力された所定情報にもとづいて、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を行う特典付与装置とを備える。
具体的には、上記のような遊技用システムでは、遊技機は、変動回数や、大当り回数、いわゆる連荘数(確変状態継続中の大当り回数)、ミッション達成回数などの所定条件の成立を遊技履歴として蓄積し、遊技終了時などに所定情報として2次元コードなどを表示する。また、遊技者は、カメラ機能付き携帯電話機などの携帯端末を用いて、遊技機に表示された2次元コードを撮影し、インターネット上のWebサーバ(特典付与装置)に送信する。そして、Webサーバは、受信した情報にもとづいて遊技者の遊技履歴を管理し、その遊技履歴に応じて所定の特典を付与する処理を行う。例えば、Webサーバは、所定の特典として、画像コンテンツや音楽コンテンツなどのデジタルコンテンツを遊技者の携帯端末に対して送信したり、所定のパスワードを遊技者の携帯端末に送信して遊技者が次回遊技を行うときに遊技機の表示画面を遊技者の嗜好にあわせてカスタマイズできるようにする処理を行う。
上記の実施の形態で示した構成を、上記のような遊技用システムに適用する場合、例えば、第2演出態様のボタンカットイン予告演出が実行されて大当りとなったことを所定条件の成立とし、その回数をWebサーバで遊技履歴として管理するようにすればよい。そして、第2演出態様のボタンカットイン予告演出が実行されて大当りとなった回数に応じて、所定の特典としてデジタルコンテンツを送信したり、遊技機の表示画面をカスタマイズできるようにしたりすればよい。
(17) 前述した実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(18) 前述した実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
(19) 前述した実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(21) 前述した実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
(22) 前述した実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
(23) 前述した実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(24) 前述した実施の形態の構成に加えて、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行するようにしてもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
(25) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。