実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
また、プッシュボタン120には、プッシュボタン用LED29が設けられている。プッシュボタン用LED29は、複数の態様により発光可能であり、後述するように、オートボタン機能が有効に設定されているときに、所定の態様により発光する。
この実施の形態では、プッシュボタン120は、スティックコントローラ122と一体的に設けられている。そのため、スティックコントローラ122を振動動作すると、同時にプッシュボタン120も振動動作する。なお、このような構成に限らず、スティックコントローラ122とプッシュボタン120とをそれぞれ別に設けるようにしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われたりするなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽したりすることはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を第1始動入賞口13に遊技球を導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるようにしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、実行中の変動表示に対応するアクティブ表示を表示するアクティブ表示部18dが設けられている。この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、未だ変動表示が開始されていない保留記憶に対応する保留表示が行われるとともに、保留記憶にもとづいて変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対応する保留表示を、合算保留記憶表示部18cとは異なるアクティブ表示部18dにおいて、アクティブ表示として表示する。なお、この実施の形態では、アクティブ表示は、保留表示と同様の態様により表示されるが、必ずしも保留表示と同様の態様である必要はなく、例えば、図形やキャラクタなどにより構成される独自の態様であってもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に枠LED28が設けられている。枠LED28は、複数の態様により発光可能である。この実施の形態では、枠LED28は、白色、青色、緑色および赤色に発光可能である。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28などの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、フレームメモリを介して、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図8参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図7(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8および図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8および図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(5)保留記憶数減算指定コマンドを設けない代わりに、変動パターンコマンドを送信することにより、保留記憶数が減少したことを示すようにする。つまり、演出制御基板80側では、変動パターンコマンドを受信すると、保留記憶数が減少したと判断して処理を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図8および図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図8および図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図10および図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図21参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図12(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図12(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図12(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215A)。
次に、図12(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215B)。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成されているが、このような構成に限らず、例えば、合算保留記憶数に関わらず、時短状態(高ベース状態)においては、第2保留記憶数が3以上である場合に、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよいし、通常状態(低ベース状態)においては、第1保留記憶数が3以上である場合に、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の変動パターンが決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、またははずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図17は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を1加算する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図22は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図23は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8および図9参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図24は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を2加算しておく(ステップS613)。値を2加算するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した大当り開始指定コマンドに応じた大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。具体的には、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を受信した場合であれば大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を受信した場合であれば大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットし、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を受信した場合であれば小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した大当り終了指定コマンドに応じた大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。具体的には、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を受信した場合であれば大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を受信した場合であれば大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットし、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を受信した場合であれば小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS625)。そして、ステップS611に移行する。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンドを受信した場合には第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットし、第2図柄変動指定コマンドを受信した場合には第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。
図25は、図22に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図26は、図25に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図26に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図27は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図28は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図28に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において各種予告演出の有無や実行する場合の演出態様の決定などを行う予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8003)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図29は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図29に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8003において実行する予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、ステップS8005の処理に伴い、合算保留記憶表示部18cにおいて各保留表示をシフトさせるとともに、アクティブ表示部18dにおいて新たなアクティブ表示を表示する表示制御を行う。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8007)。
ここで、予告演出について説明する。図30は、各予告演出の実行タイミングの具体例を示す説明図である。この実施の形態では、予告演出として、装飾ランプ演出、アクティブ表示変化演出、カットイン演出、ステップアップ演出およびボタン演出を、図30に示す順序により実行可能である。またカットイン演出およびステップアップ演出は、リーチ成立後に、ボタン演出は、スーパーリーチへ移行した後に実行される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、再変動ごとに予告演出を実行可能である。この場合、再変動ごとに同じ予告演出を繰り返し実行するようにしてもよいし、異なる予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、後述する予告演出設定処理において、再変動ごとに、実行する予告演出の種類や演出態様、アイテム付与パターンを決定し、決定内容にしたがって演出を実行することにより実現できる。
なお、この実施の形態では、図30に示す順序により各予告演出を実行可能であるが、このような構成に限らず、各予告演出の順序を入れ替えてもよいし、各予告演出を複数のタイミングから抽選により決定可能としてもよい。
装飾ランプ演出は、枠LED28を発光させることにより、期待度が高い変動表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示であること)であることや、大当りとなることを示唆する演出である。この実施の形態では、装飾ランプ演出は、他のアクティブ表示変化演出やカットイン演出、ステップアップ演出、ボタン演出とは異なり、一の演出態様により実行されるが、複数の演出態様(例えば、発光色や発光パターンが異なる)により実行可能としてもよい。この場合には、演出態様により大当りに対する期待度が異なるようにしてもよい。なお、詳細については後述するが、アクティブ表示変化演出、カットイン演出、ステップアップ演出およびボタン演出は、演出態様に応じて、大当りに対する期待度が異なるように構成されている。
アクティブ表示変化演出は、アクティブ表示の表示態様が変化する演出である。この実施の形態では、通常態様および第1〜第3特別態様のいずれかの演出態様によりアクティブ表示変化演出を実行可能である。アクティブ表示変化演出が通常態様により実行されると、アクティブ表示が変化することを示唆する変化示唆表示(例えば、図35(3)の「変化?」の文字表示から構成される変化示唆表示38f)が表示されるが、アクティブ表示は通常態様(本例では白色)のまま変化しない。また、アクティブ表示変化演出が第1特別態様により実行されると、変化示唆表示が表示された後にアクティブ表示が第1特別態様(本例では青色)に変化し、アクティブ表示変化演出が第2特別態様により実行されると、変化示唆表示が表示された後にアクティブ表示が第2特別態様(本例では赤色)に変化し、アクティブ表示変化演出が第3特別態様により実行されると、変化示唆表示が表示された後にアクティブ表示が第3特別態様(本例ではフルーツ柄)に変化する。なお、この実施の形態の構成例に代えて、例えば、アクティブ表示変化演出が通常態様により実行されると、アクティブ表示を通常態様から別の態様(例えば、白色のアクティブ表示の内部に「変化?」の文字表示が表示される)に変化させ、その後、アクティブ表示変化演出が第1特別態様により実行されると、アクティブ表示を第1特別態様(本例では青色)に変化させるようにしてもよい。また、詳細については後述するが、フルーツ柄は、要素E1(バナナ),要素E2(メロン),要素E3(リンゴ),要素E4(スイカ),要素E5(イチゴ)等を含んで構成される。
カットイン演出は、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中に所定画像をカットインさせる表示制御を行う演出である。この実施の形態では、通常態様および第1〜第3特別態様のいずれかの演出態様によりカットイン演出を実行可能である。カットイン演出が通常態様により実行されると、演出表示装置9においてカットイン表示が通常態様(本例では白色)により表示され(図36(3)参照)、カットイン演出が第1特別態様により実行されると、カットイン表示が第1特別態様(本例では青色)により表示され、カットイン演出が第2特別態様により実行されると、カットイン表示が第2特別態様(本例では赤色)により表示され(図36(5)参照)、カットイン演出が第3特別態様により実行されると、カットイン表示が第3特別態様(本例ではフルーツ柄)により表示される。
ステップアップ演出は、段階的に演出が発展していく内容の演出である。例えば、1段階目の演出としてキャラクタが登場した後に、2段階目の演出として異なるキャラクタが登場したりする演出であり、背景画像が順次切り替えられていく演出や、同じキャラクタが段階的に変化していくような演出である。この実施の形態では、通常態様および第1〜第3特別態様のいずれかの演出態様によりステップアップ演出を実行可能である。例えば、ステップアップ演出が通常態様により実行されると、通常態様(本例では白色の枠)のステップアップ表示が順次表示される表示制御が行われ、ステップアップ演出が第1特別態様により実行されると、第1特別態様(本例では青色の枠)のステップアップ表示が順次表示される表示制御が行われ、ステップアップ演出が第2特別態様により実行されると、第2特別態様(本例では赤色の枠)のステップアップ表示が順次表示される表示制御が行われ、ステップアップ演出が第3特別態様により実行されると、第3特別態様(本例ではフルーツ柄の枠)のステップアップ表示が順次表示される表示制御が行われる。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常態様および第1〜第3特別態様のいずれの演出態様によりステップアップ演出が実行されるかに応じて、大当りに対する期待度が異なるように構成されているが、このような構成に加えて、ステップアップ演出が複数段階のいずれかまで発展し(例えば、最大4段階のうち第4段階まで発展する態様の他、第3段階や第2段階まで発展する態様、第1段階のまま発展しない態様がある)、段階を追う毎に大当りに対する期待度が高くなる(すなわち大当りである場合に高い段階まで発展することが多い)ように構成されている。
ボタン演出は、プッシュボタン120の操作有効期間中に操作を検出したことにもとづいて、予告表示(例えば、「チャンス!」などの文字表示)を表示する演出である。この実施の形態では、通常態様および第1〜第3特別態様のいずれかの演出態様によりボタン予告演出を実行可能である。ボタン予告演出が通常態様により実行されると、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促す操作促進表示(例えば、プッシュボタン120の外観を模した画像)が通常態様(本例では白色)により表示され、操作が検出されると予告表示が通常態様(本例では白色)により表示される。また、ボタン予告演出が第1特別態様により実行されると、操作促進表示が第1特別態様(本例では青色)により表示され、操作が検出されると予告表示が第1特別態様(本例では青色)により表示される。また、ボタン予告演出が第2特別態様により実行されると、操作促進表示が第2特別態様(本例では赤色)により表示され、操作が検出されると予告表示が第2特別態様(本例では赤色)により表示される。また、ボタン予告演出が第3特別態様により実行されると、操作促進表示が第3特別態様(本例ではフルーツ柄)により表示され、操作が検出されると予告表示が第3特別態様(本例ではフルーツ柄)により表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常態様および第1〜第3特別態様のいずれの演出態様によりボタン演出が実行されるかに応じて、大当りに対する期待度が異なるように構成されているが、このような構成に加えて、プッシュボタン120の操作を検出したときに、複数の予告表示(例えば、「激熱!」や「チャンス!」などの文字表示)のいずれかが表示されるようにするとともに、いずれの予告表示が表示されるかに応じて大当りに対する期待度が異なるように構成されている。
また、この実施の形態では、予告演出として、アイテムを用いたアイテム演出を実行可能である。アイテム演出には、アイテムを付与するアイテム付与演出と、アイテムを変化させるアイテム変化演出と、付与されたアイテムを他の予告演出に作用させるアイテム作用演出とが含まれる。
図30に示すように、アイテム付与演出は、変動開始後、他の予告演出よりも前に実行される。アイテム付与演出が実行されることにより、第1〜第3アイテムのうちのいずれかまたは複数が付与され、貯留される。アイテムの貯留とは、演出制御用マイクロコンピュータ100に搭載されているRAMに形成された記憶領域にアイテムを特定可能なデータを記憶すること、また、対応するアイテム表示を演出表示装置9の特定領域(例えば、表示画面の右上の領域。図35(2)参照)において表示することである。貯留されたアイテムは、アイテム作用演出に用いられると消滅する。すなわち、記憶領域から対応するデータが消去されるとともに、対応するアイテム表示が消去される。また、貯留されたアイテムは、アイテム作用演出に用いられなくても、変動表示が終了したときに消滅する。なお、貯留されたアイテムが消滅するタイミングは、この実施の形態の例に限らず、例えば、アイテムが付与された変動表示が終了しても、次回以降の変動表示においてアイテム作用演出で用いられるまで消滅しないようにしてもよい。また、アイテム付与演出の実行タイミング、すなわちアイテムを付与するタイミングは、この実施の形態の例に限らず、例えば、擬似連演出時やリーチ演出時などの任意のタイミングであってもよい。また、この実施の形態では、貯留されているアイテムが使用されると、対応するアイテム表示が消去されるが、例えば、使用されたことが判別可能な態様によりアイテム表示を表示する(具体的には、使用されたアイテムを使用前よりも薄い色彩の表示態様や暗い色彩の表示態様で表示したり、×印が付された表示態様で表示したりする)ようにしてもよい。
アイテム付与演出により、アイテムが付与されると、付与されたアイテムに対応するアイテム表示が演出表示装置9において表示される。この実施の形態では、第1アイテムに対応する第1アイテム表示として、青色の球体画像が表示される(図35(2)参照。なお、図35(2)の例では第1アイテム表示200aは縦縞模様の円形で表現されている)。また、第2アイテムに対応する第2アイテム表示として、赤色の球体画像が表示される(図35(2)参照。なお、図35(2)の例では第2アイテム表示200bは横縞模様の円形で表現されている)。また、第3アイテムに対応する第3アイテム表示として、フルーツ柄(図40参照)の球体画像が表示される。
アイテム作用演出は、貯留されているアイテムを他の予告演出(具体的には、アクティブ表示変化演出、カットイン演出、ステップアップ演出およびボタン演出のいずれか)に作用させ、作用させた予告演出の演出態様を変化させる演出である。なお、この実施の形態では、図30に示すように、他の予告演出が開始された後にアイテム作用演出が実行され、予告演出にアイテムが作用するように構成されているが、このような構成に限らず、他の予告演出とアイテム作用演出とを同時に開始するようにしてもよいし、アイテム作用演出が実行されることを示唆した後に他の予告演出が開始されるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1アイテムをアクティブ表示変化演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第1アイテム表示(青色の球体画像)が移動してアクティブ表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、アクティブ表示が通常態様(白色)から第1特別態様(青色)に変化する。また、第2アイテムをアクティブ表示変化演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第2アイテム表示(赤色の球体画像)が移動してアクティブ表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、アクティブ表示が第2特別態様(赤色)に変化する。また、第3アイテムをアクティブ表示変化演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第3アイテム表示(フルーツ柄の球体画像)が移動してアクティブ表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、アクティブ表示が第3特別態様(フルーツ柄)に変化する。
また、通常態様によりカットイン演出が実行されているときに、第1アイテムをカットイン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第1アイテム表示(青色の球体画像)が移動してカットイン演出により表示されているカットイン表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、カットイン表示が通常態様(白色)から第1特別態様(青色)に変化する。また、第2アイテムをカットイン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第2アイテム表示(赤色の球体画像)が移動してカットイン演出により表示されているカットイン表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、カットイン表示が第2特別態様(赤色)に変化する。また、第3アイテムをカットイン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第3アイテム表示(フルーツ柄の球体画像)が移動してカットイン演出により表示されているカットイン表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、カットイン表示が第3特別態様(フルーツ柄)に変化する。
また、通常態様によりステップアップ演出が実行されているときに、第1アイテムをステップアップ演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第1アイテム表示(青色の球体画像)が移動してステップアップ演出により表示されているステップアップ表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、ステップアップ表示が通常態様(本例では白色の枠)から第1特別態様(本例では青色の枠)に変化する(以降、順次表示されるステップアップ表示の枠は青色になる)。また、第2アイテムをステップアップ演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第2アイテム表示(赤色の球体画像)が移動してステップアップ演出により表示されているステップアップ表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、ステップアップ表示が第2特別態様(本例では赤色の枠)に変化する(以降、順次表示されるステップアップ表示の枠は赤色になる)。また、第3アイテムをステップアップ演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第3アイテム表示(フルーツ柄の球体画像)が移動してステップアップ演出により表示されているステップアップ表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、ステップアップ表示が第3特別態様(本例ではフルーツ柄の枠)に変化する(以降、順次表示されるステップアップ表示の枠はフルーツ柄になる)。
また、通常態様によりボタン演出が実行されているときに、第1アイテムをボタン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第1アイテム表示(青色の球体画像)が移動してボタン演出により表示されている操作促進表示または予告表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、操作促進表示または予告表示が通常態様(白色)から第1特別態様(青色)に変化する。また、第2アイテムをボタン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第2アイテム表示(赤色の球体画像)が移動してボタン演出により表示されている操作促進表示または予告表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、操作促進表示または予告表示が第2特別態様(赤色)に変化する。また、第3アイテムをボタン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、第3アイテム表示(フルーツ柄の球体画像)が移動してボタン演出により表示されている操作促進表示または予告表示に作用する表示(本例では衝突する表示)が行われた後に、操作促進表示または予告表示が第3特別態様(フルーツ柄)に変化する。
上述のように、アイテム作用演出によって、貯留されているアイテムが他の予告演出(具体的には、アクティブ表示変化演出、カットイン演出、ステップアップ演出およびボタン演出のいずれか)に作用すると、予告演出の演出態様が変化するように構成されている。そのため、アイテム付与演出により付与されるアイテムは、予告演出をより期待度が高い演出態様に変化させることができるという特典でもある。また、アイテム作用演出に用いられる第1〜第3アイテムに応じて、作用後の予告演出の演出態様が異なるように構成されている。本例では、第1〜第3アイテムの特徴(具体的には色彩や模様)と、アイテム作用後の予告演出の第1〜第3特別態様の特徴(具体的には色彩や模様)とが密接に関連している。そのため、付与されるアイテムの種類は、いずれの演出態様に変化させることができるかを示すものでもある。
なお、この実施の形態では、アイテムが付与されたものの、アイテム作用演出により用いられることなく、そのまま消滅する場合もあるように構成されているが、このような構成に限らず、付与されたアイテムは必ずアイテム作用演出に用いられるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、アイテム作用演出について、アイテム表示が予告演出の対象となる表示(例えば、アクティブ表示やカットイン表示、ステップアップ表示、操作促進表示、予告表示など。以下、予告演出表示ともいう)に衝突し、予告演出の演出態様を変化させる例を用いて説明しているが、アイテムが予告演出に作用する態様はこれに限らず、例えば、アイテム表示が予告演出表示と結合したり、アイテム表示が予告演出表示に吸収されたり、アイテム表示が予告演出表示を覆ったりすることで、予告演出の演出態様を変化させるような態様であってもよい。また、アイテムが予告演出に作用することにより、予告演出の演出態様を変化させる態様に限らず、予告演出の種類を変化させる態様(例えば、アクティブ表示変化演出からカットイン演出に変化させる態様や、プッシュボタン120の操作にもとづいて予告表示を表示するボタン演出から、より大当りに対する期待度が高い、プッシュボタン120の連打操作や長押し操作にもとづいて予告表示を表示するボタン演出に変化させる態様、プッシュボタン120の操作にもとづいて予告表示を表示するボタン演出から、より大当りに対する期待度が高い、スティックコントローラ122の操作にもとづいて予告表示を表示する演出に変化させる態様など)であってもよい。すなわち、アイテムが予告演出に作用するとは、アイテム表示が予告演出の対象となる表示に衝突し予告演出の演出態様を変化させることに限らず、アイテムが予告演出に力を及ぼして影響を与えることを意味する。
なお、アイテム表示が予告演出表示に衝突する表示が行われたものの、予告演出の演出態様が変化しないような、作用演出と演出の一部が共通する偽アイテム作用演出を実行可能としてもよい。この実施の形態では、アイテムが付与されたものの、用いられることなく変動停止時に消滅する場合があるように構成されているが、このようなアイテムが偽アイテム作用演出で用いられるようにしてもよい。
図31は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(ステップS8002)を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、予告演出の有無および種類を決定するための予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、予告演出の実行の有無および実行する場合の予告演出の種類を決定する(ステップS6501)。
図32(A)は、予告演出実行決定テーブルの具体例を示す説明図である。予告演出実行決定テーブルでは、変動パターンに応じて、各決定事項(「演出なし」、「装飾ランプ演出」、「アクティブ表示変化演出」、「カットイン演出」、「ステップアップ演出」および「ボタン演出」)にそれぞれ判定値が割り振られているが、図32(A)に示す例では、割り当てられている判定値の割合(すなわち、変動パターンごとの決定割合)が示されている。
図32(A)に示すように、この実施の形態では、「ボタン演出」>「ステップアップ演出」>「カットイン演出」>「アクティブ表示変化演出」>「装飾ランプ演出」>「演出なし」の順に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。このような構成により、予告演出の実行の有無、実行される予告演出の種類に関心を持たせることができる。なお、この実施の形態では、変動パターンがスーパーリーチ大当りの場合には、「演出なし」には判定値が割り当てられていないが、割り当てるようにしてもよい。このようにすることにより、予告演出が実行されない場合に、はずれが確定してしまうことを回避することができる。
次いで、ステップS6501において「装飾ランプ演出」以外の予告演出の実行を決定した場合(ステップS6502のY)には、ステップS6503に移行し、「装飾ランプ演出」以外の予告演出の実行を決定しなかった場合(ステップS6502のN)、すなわち、「装飾ランプ演出」または「演出なし」と決定した場合には、そのまま予告演出設定処理を終了する。装飾ランプ演出は一の演出態様により実行されるため、以降の演出態様を決定する処理等が省略される。なお、装飾ランプ演出を実行すると決定した場合には、アイテムが付与されないように構成されているが、付与されることがあるようにしてもよい。この場合には、アイテムは付与されるものの、用いられることはない。
ステップS6503では、演出制御用CPU101は、予告演出態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、予告演出の演出態様を決定する。
図32(B)は、予告演出態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。予告演出態様決定テーブルでは、変動パターンに応じて、各決定事項(「通常態様」、「第1特別態様」、「第2特別態様」および「第3特別態様」)にそれぞれ判定値が割り振られているが、図32(B)に示す例では、割り当てられている判定値の割合(すなわち、変動パターンごとの決定割合)が示されている。
図32(B)に示すように、この実施の形態では、「第3特別態様」>「第2特別態様」>「第1特別態様」>「通常態様」の順に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。このような構成により、実行される予告演出の演出態様に関心を持たせることができる。
また、この実施の形態では、通常態様のときには白色基調の予告演出が実行され、第1特別態様のときには青色基調の予告演出が実行され、第2特別態様のときには赤色基調の予告演出が実行され、第3特別態様のときにはフルーツ柄基調の予告演出が実行される。このような構成により、予告演出の種類が違う場合にも、直感的に大当りに対する期待度(信頼度)を把握することができる。
なお、ステップS6507では、ステップアップ演出を実行すると決定している場合には、変動パターンにもとづいて、複数段階のうちのいずれの段階まで発展させるかを決定し、ボタン演出を実行すると決定している場合には、変動パターンにもとづいて、複数の予告表示(例えば、「激熱!」や「チャンス!」などの文字表示)のうちのいずれを表示するかを決定する。これにより、ステップアップ演出がいずれの段階まで発展するか、またはボタン演出によりいずれの予告表示が表示されるかに応じて、大当りに対する期待度が異なることになる。
この実施の形態では、アクティブ表示変化演出、カットイン演出、ステップアップ演出およびボタン演出のいずれについても、通常態様の他に第1〜第3特別態様により実行可能に構成されているが、このような構成に限らず、予告演出ごとに適用可能な演出態様が異なるようにしてもよい。例えば、期待度が高いボタン演出は、第2特別態様および第3特別態様のいずれかのみにより実行可能とし、期待度が低いアクティブ表示変化演出は、通常態様および第1特別態様のいずれかのみにより実行可能としてもよい。また、予告演出ごとに、演出態様の決定割合が異なるようにしてもよい。例えば、期待度が高いボタン演出は、期待度が高い第2特別態様や第3特別態様に決定される割合が高く、期待度が低いアクティブ表示変化演出は、期待度が低い通常態様や第1特別態様に決定される割合が高くなるようにしてもよい。このように構成することにより、予告演出の期待度を分かりやすくすることができる。
また、図32(B)に示す例に限らず、例えば、通常態様および第1〜第3特別態様に加えて、大当りの場合にのみ選択される(すなわち、大当り確定となる)演出態様や演出態様に対応するアイテム(例えば、虹色基調の演出態様や虹色のアイテム)を設けるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、アイテム付与パターン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、アイテム付与パターンを決定する(ステップS6504)。
図32(C)は、アイテム付与パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。アイテム付与パターン決定テーブルでは、予告演出の演出態様に応じて、各決定事項(「付与なし」、「第1アイテム(青)」、「第1アイテム(青)+第2アイテム(赤)」、「第2アイテム(赤)+第3アイテム(フルーツ柄)」および「第1アイテム(青)→第3アイテム(フルーツ柄)」)にそれぞれ判定値が割り振られているが、図32(C)に示す例では、割り当てられている判定値の割合(すなわち、ステップS6503で決定した予告演出の演出態様ごとの決定割合)が示されている。
図32(C)のアイテム付与パターン決定テーブルにおいて、「付与なし」は、アイテム付与演出を実行しないことを示し、「第1アイテム(青)」は、第1アイテムを付与するアイテム付与演出を実行することを示し、「第1アイテム(青)+第2アイテム(赤)」は、第1アイテムおよび第2アイテムを付与するアイテム付与演出を実行することを示し、「第2アイテム(赤)+第3アイテム(フルーツ柄)」は、第2アイテムおよび第3アイテムを付与するアイテム付与演出を実行することを示し、「第1アイテム(青)→第3アイテム(フルーツ柄)」は、一旦第1アイテムを付与し、貯留中に第1アイテムから第3アイテムに変化させるアイテム付与演出およびアイテム変化演出を実行することを示す。
図32(C)のアイテム付与パターン決定テーブルでは、予告演出の演出態様が通常態様(白色基調)に決定されているときには、95%の割合で「付与なし」に決定され、5%の割合で「第1アイテム」に決定される。この場合、「付与なし」に決定されると、変動開始後にアイテム付与演出が実行されることなく、いずれかの予告演出が通常態様で実行されることになる。また、「第1アイテム」に決定されると、変動開始後に第1アイテム(本例では青色の球体画像)を付与するアイテム付与演出が実行され、その後、いずれかの予告演出が通常態様(白色基調)で実行される。しかし、貯留されている第1アイテムを用いたアイテム作用演出は実行されることなく、予告演出は通常態様のまま実行される。すなわち、付与された第1アイテムは用いられることなく、変動停止時に消滅することになる。なお、このような場合には、第1アイテムを用いて偽アイテム作用演出を実行するようにしてもよい。そのようにすることにより、アイテムが用いられることなく消滅するよりも、納得感を持たせることができる。
予告演出の演出態様が第1特別態様(青色基調)に決定されているときには、10%の割合で「付与なし」に決定され、85%の割合で「第1アイテム」に決定され、5%の割合で「第1アイテム+第2アイテム」に決定される。この場合、「付与なし」に決定されると、アイテム付与演出およびアイテム作用演出が実行されることなく、決定された演出態様により予告演出が実行される。また、「第1アイテム」に決定されると、変動開始後に第1アイテム(本例では青色の球体画像)を付与するアイテム付与演出が実行され、その後、いずれかの予告演出が通常態様(白色基調)で実行される。そして、貯留されている第1アイテム(本例では青色の球体画像)を用いたアイテム作用演出が実行され、予告演出が第1特別態様(青色基調)に変化する。また、「第1アイテム+第2アイテム」に決定されると、変動開始後に第1アイテム(本例では青色の球体画像)と第2アイテム(本例では赤色の球体画像)とを付与するアイテム付与演出が実行され、その後、いずれかの予告演出が通常態様(白色基調)で実行される。そして、貯留されている第1アイテム(本例では青色の球体画像)を用いたアイテム作用演出は実行され、予告演出が第1特別態様(青色基調)に変化する。しかし、その後貯留されている第2アイテム(本例では赤色の球体画像)を用いたアイテム作用演出は実行されることなく、予告演出は第1特別態様(青色基調)のまま実行される。すなわち、付与された第2アイテムは用いられることなく、変動停止時に消滅することになる。
予告演出の演出態様が第2特別態様(赤色基調)に決定されているときには、5%の割合で「付与なし」に決定され、90%の割合で「第1アイテム+第2アイテム」に決定され、5%の割合で「第2アイテム+第3アイテム」に決定される。この場合、「付与なし」に決定されると、アイテム付与演出およびアイテム作用演出が実行されることなく、決定された演出態様により予告演出が実行される。また、「第1アイテム+第2アイテム」に決定されると、変動開始後に第1アイテム(本例では青色の球体画像)と第2アイテム(本例では赤色の球体画像)とを付与するアイテム付与演出が実行され、その後、いずれかの予告演出が通常態様(白色基調)で実行される。そして、貯留されている第1アイテム(本例では青色の球体画像)を用いたアイテム作用演出が実行され、予告演出が第1特別態様(青色基調)に変化する。さらに、貯留されている第2アイテム(本例では赤色の球体画像)を用いたアイテム作用演出が実行され、予告演出が第2特別態様(赤色基調)に変化する。また、「第2アイテム+第3アイテム」に決定されると、変動開始後に第2アイテム(本例では赤色の球体画像)と第3アイテム(本例ではフルーツ柄の球体画像)とを付与するアイテム付与演出が実行され、その後、いずれかの予告演出が通常態様(白色基調)で実行される。そして、貯留されている第2アイテム(本例では赤色の球体画像)を用いたアイテム作用演出が実行され、予告演出が第2特別態様(赤色基調)に変化する。しかし、その後貯留されている第3アイテム(本例ではフルーツ柄の球体画像)を用いたアイテム作用演出は実行されることなく、予告演出は第2特別態様(赤色基調)のまま実行される。すなわち、付与された第3アイテムは用いられることなく、変動停止時に消滅することになる。
予告演出の演出態様が第3特別態様(フルーツ柄基調)に決定されているときには、95%の割合で「第2アイテム+第3アイテム」に決定され、5%の割合で「第1アイテム→第3アイテム」に決定される。この場合、「第2アイテム+第3アイテム」に決定されると、変動開始後に第2アイテム(本例では赤色の球体画像)と第3アイテム(本例ではフルーツ柄の球体画像)とを付与するアイテム付与演出が実行され、その後、いずれかの予告演出が通常態様(白色基調)で実行される。そして、貯留されている第2アイテム(本例では赤色の球体画像)を用いたアイテム作用演出が実行され、予告演出が第2特別態様(赤色基調)に変化する。さらに、貯留されている第3アイテム(本例ではフルーツ柄の球体画像)を用いたアイテム作用演出が実行され、予告演出が第3特別態様(フルーツ柄基調)に変化する。また、「第1アイテム→第3アイテム」に決定されると、変動開始後に第1アイテム(本例では青色の球体画像)を付与するアイテム付与演出が実行される。そして、予告演出が開始される前に、貯留されている第1アイテム(本例では青色の球体画像)が第3アイテム(本例ではフルーツ柄の球体画像)に変化するアイテム変化演出が実行される。次いで、いずれかの予告演出が通常態様(白色基調)で実行される。そして、貯留されている第3アイテム(本例ではフルーツ柄の球体画像)を用いたアイテム作用演出が実行され、予告演出が第3特別態様(フルーツ柄基調)に変化する。
この実施の形態では、第3アイテムを用いてアイテム作用演出が実行されると、予告演出は第3特別態様に変化し、第2アイテムを用いてアイテム作用演出が実行されると、予告演出は第2特別態様に変化し、第1アイテムを用いてアイテム作用演出が実行されると、予告演出は第1特別態様に変化する。また、予告演出の演出態様は、第3特別態様>第2特別態様>第1特別態様の順に大当りに対する期待度が高い。そのため、アイテムごとに期待度が異なることになる。具体的には、第3アイテム>第2アイテム>第1アイテムの順に期待度が高くなる。
そこで、この実施の形態では、複数のアイテムが付与された場合には、期待度が低いアイテムから先に用いられるように構成されている(後述するステップS8109,S8110や図35参照)。このような構成により、期待感を段階的に高めることができ、演出効果を向上させることができる。なお、この実施の形態では、アイテム付与演出により複数のアイテムが同時に付与されるように構成されているが、このような構成に限らず、例えば、それぞれ異なるタイミングで複数のアイテムが付与されるようにしてもよい。すなわち、アイテム付与演出を複数回実行可能な構成としてもよい。例えば、一の変動表示中において、アイテムを2つ付与するアイテム付与演出を実行し、貯留している2つのアイテムのうちの1つを予告演出に作用させるアイテム作用演出を実行する。その後、さらにアイテムを1つ付与するアイテム付与演出を実行し、貯留している2つのアイテムを予告演出に作用させるアイテム作用演出を実行するようにしてもよい。そのような構成において、例えば、第2アイテムが付与された後に第1アイテムが付与された場合でも、期待度が低い第1アイテムが先に用いられるようにすることが望ましい。また、この実施の形態の構成に限らず、複数付与されたアイテムのうち、期待度が高いアイテムが先に用いられることがあるようにしてもよい。この場合には、期待度が高いアイテムよりも期待度が低いアイテムの方が先に用いられる割合が高いことが望ましい。期待度が高いアイテムが先に用いられた場合には、その後、期待度が低いアイテムが用いられないようにしてもよいし、用いられるようにしてもよい。また、期待度が高いアイテムが先に用いられると、期待度が低いアイテムは消滅するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図30や図35〜図39に示すように、予告演出が開始された後に(例えば、期待度が高くない演出態様により予告演出が開始された後に)、アイテム作用演出が実行されることによって、予告演出がより期待度が高い演出態様に変化するように構成されている。このような構成により、予告演出の期待度が変化したことを効果的に演出することができる。なお、この実施の形態の例に限らず、予告演出の開始当初から決定された演出態様により実行される場合があるようにしてもよい。例えば、カットイン演出を第1特別態様により実行すると決定したときに、カットイン演出を開始当初から第1特別態様により実行するようにしてもよい。この場合には、アイテムは付与されないようにしてもよいし、アイテムは付与されるものの用いられない、または偽アイテム作用演出に用いられるようにしてもよい。また、この実施の形態では、予告演出は通常態様により開始されるが、通常態様に限らず、他の演出態様(ただし、決定された演出態様よりも大当りに対する期待度が低いものであることが望ましい)により開始される場合があるようにしてもよい。例えば、カットイン演出を第2特別態様により実行すると決定したときに、カットイン演出を第1特別態様により開始するようにしてもよい。この場合には、第2アイテムが付与され、第2アイテムがカットイン演出に作用することにより、第1特別態様から第2特別態様に演出態様が変化する。
また、この実施の形態では、アイテム作用演出の対象となる予告演出として、アクティブ表示変化演出、カットイン演出、ステップアップ演出およびボタン演出を実行可能であり、ボタン演出>ステップアップ演出>カットイン演出>アクティブ表示変化演出の順に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。そのため、同等の演出態様であっても(例えば、同じ第3特別態様であっても)、ボタン演出>ステップアップ演出>カットイン演出>アクティブ表示変化演出の順に大当りに対する期待度(信頼度)が高い。ゆえに、同じアイテムが付与された場合であっても、いずれの予告演出に作用するかによって、期待度が異なることになる。このような構成により、付与されたアイテムがいずれの予告演出に作用するかに着目させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、アイテム付与パターンが「第1アイテム→第3アイテム」に決定された場合には、付与されたアイテムが貯留中に期待度が高いアイテムに変化するアイテム変化演出が実行される。このような構成により、アイテム付与演出により期待度が低いアイテムが付与された場合であっても、期待度が高いアイテムに変化することに期待を持たせることができるため、期待感を維持することができ、演出効果を向上させることができる。なお、この実施の形態では、「第1アイテム→第3アイテム」となるアイテム変化演出が実行されるが、これに限らず、「第1アイテム→第2アイテム」や「第2アイテム→第3アイテム」、「第2アイテム→第1アイテム」となるアイテム変化演出が実行されてもよい。
アイテム変化演出として、キャラクタ(ここでは、後述するアイテムと対応付けられたキャラクタとは別のキャラクタ)が登場し、キャラクタがアイテムに作用する表示が行われることによりアイテムが変化するようにしてもよいし、プッシュボタン120の操作を促し、操作を検出したことにもとづいてアイテムが変化するようにしてもよい。また、アイテム変化演出として、貯留されているアイテムが変化することを示唆し(例えば、アイテム表示付近にキャラクタを登場させたり、プッシュボタン120の操作を促したりする)、その後に変化させるパターンと、変化させないパターンとが設けられていてもよい。
また、アイテム変化演出は、例えば、付与された複数のアイテムを統合して期待度が高い1つのアイテムに変化させる態様であってもよい。具体的には、第1アイテムが複数付与されたとき、または第1アイテムと第2アイテムとが付与されたときに、それらを統合して第3アイテムに変化させるものであってもよい。このような構成において、例えば、統合可能なアイテムと統合不可能なアイテムとを設け、統合可能なアイテムは個々の状態では極めて期待度が低いが、統合されると期待度が高くなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、最も期待度が高い第3アイテムが付与されたものの、アイテム作用演出で用いられずにそのまま消滅すると、遊技者を大きく落胆させてしまうおそれがあるため、第3アイテムが付与されると必ずアイテム作用演出で用いられるように構成されているが、このような構成に限らず、第3アイテムがアイテム作用演出で用いられずに、そのまま消滅する場合があるようにしてもよい。
次いで、アイテムを付与すると決定した場合には(ステップS6505のY)、演出制御用CPU101は、ステップS6501において実行すると決定した予告演出に追加して、別の予告演出の実行の有無と、実行する場合の別の予告演出の種類とを決定する。(ステップS6506)。また、アイテムを付与しないと決定した場合には(ステップS6505のN)、そのまま予告演出設定処理を終了する。
ステップS6506では、演出制御用CPU101は、ステップS6501において実行すると決定した予告演出の種類に応じて、図32(D)〜(G)に示す第1〜第4追加予告演出実行決定テーブルのいずれかを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、追加して実行する予告演出の実行の有無、実行する場合の別の予告演出の種類を決定する。その後、予告演出設定処理を終了する。
図32(D)〜(G)は、追加予告演出実行決定テーブルの具体例を示す説明図である。各追加予告演出実行決定テーブルでは、変動パターンに応じて、各決定事項(「演出なし」、「装飾ランプ演出」、「アクティブ表示変化演出」、「カットイン演出」、「ステップアップ演出」および「ボタン演出」)にそれぞれ判定値が割り振られているが、図32(D)〜(G)に示す例では、割り当てられている判定値の割合(すなわち、変動パターンごとの決定割合)が示されている。
ステップS6501において「アクティブ表示変化演出」を実行すると決定している場合には、図32(D)に示す第1追加予告演出実行決定テーブルを用い、「カットイン演出」を実行すると決定している場合には、図32(E)に示す第2追加予告演出実行決定テーブルを用い、「ステップアップ演出」を実行すると決定している場合には、図32(F)に示す第3追加予告演出実行決定テーブルを用い、「ボタン演出」を実行すると決定している場合には、図32(G)に示す第4追加予告演出実行決定テーブルを用いる。
ステップS6506の処理により追加して実行する予告演出は、アイテム作用演出が作用可能な種類の予告演出のいずれかであるが、アイテム作用演出が作用することはない。そのため、追加して実行する予告演出は、通常態様により実行され、そのまま演出態様が変化することはない。以下、ステップS6506の処理により追加して実行する予告演出を非変化予告演出ともいう。
この実施の形態では、付与されたアイテムがいずれの予告演出に作用するかによって期待度が異なるため、アイテムが付与されたときには、どの予告演出が実行されるかについて関心が高まる。しかし、アイテムが貯留されているときに、アイテムが作用可能な予告演出が実行されると、その予告演出に対して、必ずアイテム作用演出が実行されるような構成では、十分に注目度を高めることができないおそれがある。そこで、この実施の形態では、アイテムが作用可能な種類ではあるが作用されない非変化予告演出を実行可能としている。このような構成により、アイテムが貯留されているときに、アイテムが作用可能な予告演出が開始されても、アイテム作用演出が実行されるかどうか分からないため、予告演出とアイテム作用演出とに対する注目度を高めることができる。
また、この実施の形態では、ステップS6505〜S6506の処理により、アイテムを付与すると決定されている場合に、非変化予告演出を実行する割合を高くしている。このような構成により、アイテムが貯留されているときに、どの予告演出に対してアイテムが作用するか分かり難くすることができ、予告演出とアイテム作用演出とに対する注目度を高めることができる。
また、この実施の形態では、図30に示すように、各予告演出の実行順序が定められている。そのため、図32(D)〜(G)に示すように、追加して実行される非変化予告演出は、アイテム作用演出が作用する予告演出よりも前のタイミングで実行される予告演出のいずれかである。このように構成することにより、アイテム作用演出が作用した予告演出の後に(すなわちアイテムが用いられた後に)、非変化予告演出が実行されることにより、演出の流れが悪くなってしまうことを防止することができる。また、この実施の形態では、早いタイミングで実行される予告演出の方が、期待度が低いため、期待度が高い予告演出にアイテムが作用せず、その後、期待度が低い予告演出にアイテムが作用することにより、却って興趣を低下させてしまうことを防止することができる。なお、この実施の形態の構成に限らず、アイテム作用演出が作用した予告演出の後に(すなわちアイテムが用いられた後に)非変化予告演出が実行されることがあるようにしてもよいが、アイテム作用演出が作用する予告演出の前に(すなわちアイテムが用いられる前に)非変化予告演出が実行される割合よりも低い割合であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、非変化予告演出は通常態様により実行されるが、通常態様以外の演出態様により実行するようにしてもよい。ただし、後のタイミングで実行される予告演出よりも期待度が低いまたは同程度であることが望ましい。
この実施の形態では、ステップS6501の処理において、複数種類の予告演出のいずれを実行するかを決定するように構成されているが、このような構成に限らず、例えば、各予告演出の実行の有無(および演出態様)をそれぞれ独立して決定するようにしてもよい。すなわち、複数種類の予告演出を実行可能としてもよい。さらに、実行すると決定した各予告演出の中から、アイテムを作用させて演出態様を途中で変化させるものを決定するようにしてもよい。この場合、アイテムを作用させない予告演出については、開始当初から決定された演出態様により実行するようにしてもよいし、開始から所定期間経過するとアイテムが作用されることなく演出態様が変化するようにしてもよい。具体的には、カットイン演出を第1特別態様により実行すると決定するとともに、カットイン演出にアイテムを作用させないと決定した場合には、開始当初から第1特別態様により実行するようにしてもよいし、開始から所定期間経過するとアイテムが作用することなく通常態様から第1特別態様に変化するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、複数のアイテムが付与された場合には、同一の予告演出に順次作用するように構成されているが、このような構成に限らず、それぞれ別の予告演出に作用可能としてもよい。例えば、ステップS6501において、実行する予告演出を複数決定可能とし、ステップS6503において、実行する決定した予告演出ごとに演出態様を決定するとともに、アイテムを作用させて演出態様を途中で変化させるか否かを決定する。そして、ステップS6504において、各予告演出に用いられるアイテムに応じて、付与するアイテムを決定し、決定内容にしたがって演出を実行するように構成することにより実現できる。この場合にも、期待度が低いアイテムから先に用いられることが望ましい。このように構成することにより、複数のアイテムが付与された場合に、1つ目のアイテムが、期待度が低い予告演出に対して作用したとしても、2つ目のアイテムが、期待度が高い予告演出に対して作用することに期待を持たせることができるため、期待感を維持することができ、演出効果を向上させることができる。また、アイテムを作用させる複数の予告演出に加えて、ステップS6506において、追加予告演出の実行の有無(1つまたは複数)を決定し、決定内容にしたがって演出を実行するようにしてもよい。この場合には、実行タイミングが早い追加予告演出(すなわち期待度が低い非変化予告演出)の方が実行される割合が高くなることが望ましい。
また、図32(D)〜(G)の例では、スーパーリーチ大当りの場合は、非変化予告演出が必ず実行されるように判定値が割り当てられているが、このような構成に限らず、スーパーリーチ大当りの場合にも、「演出なし」に決定されるように判定値を割り当ててもよい。
また、図32(A),(B),(D)〜(G)に示す例に限らず、変動パターンがノーマルリーチであるときには、表示結果が大当りの場合と、はずれの場合とで判定値の振り分けを異ならせるようにしてもよい。このように構成することにより、大当りに対する期待度をより正確に示唆することができる。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、アイテムを付与するタイミングであれば(ステップS8106のY)、予告演出設定処理において決定したアイテム付与パターンによりアイテム付与演出を実行する(ステップS8107)。また、アイテム付与演出により付与し、貯留するアイテムを特定可能なデータをRAMに形成された記憶領域に記憶させる。なお、この実施の形態では、アイテムを付与するタイミングは、変動パターンごとに固定的に定められているが、例えば、複数のタイミングから抽選により決定するようにしてもよい。また、この場合、いずれのタイミングであるかに応じて、大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、アイテムを変化させるタイミングであれば(ステップS8107aのY)、予告演出設定処理において決定したアイテム付与パターンによりアイテム変化演出を実行する(ステップS8107b)。また、アイテム変化演出により変化させたアイテムを特定可能なデータをRAMに形成された記憶領域に記憶させる。なお、この実施の形態では、アイテムを変化するタイミングは、変動パターンごとに固定的に定められているが、例えば、複数のタイミングから抽選により決定するようにしてもよい。また、この場合、いずれのタイミングであるかに応じて、大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、アイテムを作用させるタイミングであれば(ステップS8108のY)、貯留しているアイテムのうち最も期待度が低いアイテムを選択し(ステップS8109)、選択したアイテムを用いたアイテム作用演出を実行する(ステップS8110)。
ステップS8108では、予告演出設定処理において決定したアイテムを作用させる予告演出の開始から所定期間経過しているときに、アイテムを作用させるタイミングであると判定する。なお、この実施の形態では、アイテムを作用させるタイミングは、対象となる予告演出ごとに固定的に定められているが、例えば、複数のタイミングから抽選により決定するようにしてもよい。また、この場合、いずれのタイミングであるかに応じて、大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。
ステップS8109では、例えば、第1アイテムと第2アイテムとが貯留されている場合には、第1アイテムが選択される。そして、ステップS8110の処理により、アイテム作用演出が実行され、実行中の予告演出の演出態様が変化する。なお、この実施の形態では、貯留しているアイテムのうち最も期待度が低いアイテムを選択するように構成されているが、このような構成に限らず、抽選によりアイテムを選択するようにしてもよい。すなわち、最も期待度が低いアイテム以外のアイテムが選択されることがあるようにしてもよい。この場合には、最も期待度が低いアイテムが選択される割合を高くすること(または期待度が高いアイテムが先に選択される割合を低くすること)が望ましい。
また、複数のアイテムを複数の予告演出にそれぞれ作用させる場合には、予告演出の実行順に対応して作用させるアイテムが選択されるため、例えば、最初に比較的期待度が高いアイテムが選択されて比較的期待度が低い予告演出に作用した後に、比較的期待度が低いアイテムが選択されて比較的期待度が高い予告演出に作用することがあるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、図30に示すように変動表示中の早いタイミングである程、期待度が低い予告演出が実行され、図32(B)に示すように期待度が高い変動パターンである程、期待度が高い演出態様(色彩または模様)が選択されるように構成されている(ステップS6503参照)。さらに、図32(C)に示すように選択された予告演出の演出態様(色彩または模様)に対応してアイテムを付与するように構成されている(ステップS6504参照)。このような構成により、この実施の形態では、期待度が低いアイテムほど、先に使用されやすくなっている。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8112)。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。また、演出制御用CPU101は、ステップS8302の処理に伴い、アクティブ表示部18dのアクティブ表示を消去する制御を行う。なお、停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御およびアクティブ表示を消去する制御については、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、すなわち確定コマンド受信フラグがセットされていることにもとづいて行うようにしてもよい。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図26のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
次に、予告演出およびアイテム演出を実行する場合の表示態様について説明する。図35は、予告演出(アクティブ表示変化演出)およびアイテム演出の具体例を示す説明図である。図35において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。
図35(1),(2)に示すように、演出図柄の変動表示が停止すると、保留表示が1つ消去され、新たな演出図柄の変動表示が開始される。このとき、第1アイテムおよび第2アイテムを付与するアイテム付与演出が実行され、第1アイテム表示200aおよび第2アイテム表示200bが出現する表示がなされる。なお、第1アイテム表示200aは青色の球体画像であるが、図35(2)では縦縞模様の円形で表現されている。また、第2アイテム表示200bは赤色の球体画像であるが、図35(2)では横縞模様の円形で表現されている。
次いで、アクティブ表示変化演出が開始されると、図35(3)に示すように、アクティブ表示の表示態様が変化することを示唆する「変化?」の文字表示を含む変化示唆表示18fがアクティブ表示18eの上方に表示される。
ここで、第1アイテムをアクティブ表示変化演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、図35(4),(5)に示すように、第1アイテム表示200aが移動してアクティブ表示18dに衝突する表示が行われた後に、アクティブ表示18eが通常態様(白色)から第1特別態様(青色)に変化する。なお、図35(5)では、第1特別態様(青色)のアクティブ表示18eは縦縞模様の円形で表現されている。
次いで、第2アイテムをアクティブ表示変化演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、図35(6),(7)に示すように、第2アイテム表示200bが移動してアクティブ表示18dに衝突する表示が行われた後に、アクティブ表示18eが第1特別態様(青色)から第2特別態様(赤色)に変化する。なお、図35(7)では、第2特別態様(赤色)のアクティブ表示18eは横縞模様の円形で表現されている。
図35に示すように、この実施の形態では、複数のアイテムが付与された場合には、期待度が低いアイテムから先に用いられるように構成されている。このような構成により、期待感を段階的に高めることができ、演出効果を向上させることができる。
なお、例えば、図35(2)に示すタイミングにおいて、第1アイテムが付与されたこと(または第1アイテムが貯留されたこと)に応じて、第1付与用効果音が出力され、第2アイテムが付与されたこと(または第2アイテムが貯留されたこと)に応じて、第2付与用効果音が出力されるようにしてもよい。また、例えば、図35(4),(5)に示すタイミングにおいて、第1アイテムが予告演出に作用したこと(または予告演出が第1特別態様に変化したこと)に応じて、第1作用用効果音が出力され、図35(6),(7)に示すタイミングにおいて、第2アイテムが予告演出に作用したこと(または予告演出が第2特別態様に変化したこと)に応じて、第2作用用効果音が出力されるようにしてもよい。アイテムが予告演出に作用するときには遊技者の注目度が高まるため、作用用効果音を付与用効果音に比べて派手な効果音(例えば、音量が大きい効果音)としてもよい。また、同一アイテムに関連する付与用効果音と作用用効果音とで(例えば、第1アイテムに関連する第1付与用効果音と第1作用用効果音とで)関連性を持たせ、いずれのアイテムが付与され、作用されたかを分かりやすくするようにしてもよい。
図36は、予告演出(カットイン演出)およびアイテム演出の具体例を示す説明図である。図36において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。
図36(1),(2)に示すように、演出図柄の変動表示が停止すると、保留表示が1つ消去され、新たな演出図柄の変動表示が開始される。このとき、第2アイテムを付与するアイテム付与演出が実行され、第2アイテム表示200bが出現する表示がなされる。なお、第2アイテム表示200bは赤色の球体画像であるが、図36(2)では横縞模様の円形で表現されている。
次いで、カットイン演出が開始されると、図36(3)に示すように、「チャンス」の文字表示を含むカットイン表示201が通常態様(本例では白色)により表示される。
ここで、第2アイテムをカットイン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、図36(4),(5)に示すように、第2アイテム表示200bが移動してカットイン表示201に衝突する表示が行われた後に、カットイン表示201が通常態様から第2特別態様(本例では赤色。図36(5)では横縞模様で表現されている)に変化する。なお、このとき、カットイン表示201の文字表示も変化する(例えば、「チャンス」から「激熱」に変化する)ようにしてもよい。
図36に示すように、この実施の形態では、予告演出が開始された後にアイテム作用演出を実行することにより、実行されている予告演出をより期待度が高い演出態様に変化させることができるように構成されている。このような構成により、期待感が変化したことを効果的に演出することができる。
図37は、予告演出(ステップアップ演出)およびアイテム演出の具体例を示す説明図である。図37において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。
図37(1),(2)に示すように、演出図柄の変動表示が停止すると、保留表示が1つ消去され、新たな演出図柄の変動表示が開始される。このとき、第2アイテムを付与するアイテム付与演出が実行され、第2アイテム表示200bが出現する表示がなされる。なお、第2アイテム表示200bは赤色の球体画像であるが、図37(2)では横縞模様の円形で表現されている。
次いで、ステップアップ演出が開始されると、図37(3)に示すように、「SU1」の文字表示を含む第1段階のステップアップ表示202が通常態様(本例では白色の枠)により表示される。そして、所定期間経過すると、図37(4)に示すように、「SU2」の文字表示を含む第2段階のステップアップ表示202が通常態様(本例では白色の枠)により表示される。
さらに所定期間経過すると、「SU3」の文字表示を含む第3段階のステップアップ表示202が通常態様(本例では白色の枠)により表示される。ここで、第2アイテムをステップアップ演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、図37(5),(6)に示すように、第2アイテム表示200bが移動してステップアップ表示202に衝突する表示が行われた後に、ステップアップ表示202が通常態様から第2特別態様(本例では赤色。図37(6)では横縞模様の枠で表現されている)に変化する。なお、図37には示されていないが、第4段階以降のステップアップ表示202は、第2特別態様により表示される。
アイテム作用演出の実行タイミングを複数のタイミングから抽選により決定する構成とする場合、実行タイミングに応じて、大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。例えば、同じアイテムをステップアップ演出(または最終的な発展段階も同じステップアップ演出)に作用させる場合であっても、ステップアップ演出が第1段階のときにアイテム作用演出が実行されるときと、第2段階のときにアイテム作用演出が実行されるときとで、大当りに対する期待度が異なるようにしてもよい。
図38は、予告演出(ボタン演出)およびアイテム演出の具体例を示す説明図である。図38において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。
図38(1),(2)に示すように、演出図柄の変動表示が停止すると、保留表示が1つ消去され、新たな演出図柄の変動表示が開始される。このとき、第2アイテムを付与するアイテム付与演出が実行され、第2アイテム表示200bが出現する表示がなされる。なお、第2アイテム表示200bは赤色の球体画像であるが、図38(2)では横縞模様の円形で表現されている。
次いで、ボタン演出が開始されると、図38(3)に示すように、プッシュボタン120を模した操作促進表示203が通常態様(本例では白色)により表示される。
ここで、第2アイテムをボタン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、図38(4),(5)に示すように、第2アイテム表示200bが移動して操作促進表示203に衝突する表示が行われた後に、操作促進表示203が通常態様から第2特別態様(本例では赤色。図38(5)では横縞模様で表現されている)に変化する。
なお、ボタン演出に対しアイテム作用演出を実行する場合には、プッシュボタン120の操作を検出したことに応じて予告表示(例えば、「激熱!」や「チャンス!」などの文字表示)が表示された後に、アイテムを作用させて、予告表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。
また、操作促進表示203の表示タイミングと、プッシュボタン120の検出有効期間の開始タイミングとは必ずしも一致していなくてもよい。例えば、操作促進表示203を表示し、アイテム作用演出を実行した後に(操作促進表示203の表示態様が変化した後に)、プッシュボタン120の検出有効期間を開始するようにしてもよい。また、アイテム作用演出が実行されたことにより、操作促進表示203や予告表示の色彩や模様に加えて、表示サイズや動作等の表示態様が変化するようにしてもよい。
また、プッシュボタン120の操作の検出に応じて予告表示を行うボタン演出に加えて、スティックコントローラ122等の他の動作検出手段による遊技者の動作の検出に応じて予告表示を行う動作検出演出を実行可能とし、アイテム作用演出が実行されたことにより、操作促進表示がプッシュボタン120を模した画像からスティックコントローラ122を模した画像に変化するようにしてもよい。すなわち、他の動作検出演出に変化させるようにしてもよい。この場合にも、変化後の動作検出演出の方が大当りに対する期待度が高くなることが望ましい。
この実施の形態では、アイテム付与演出により、所定の色彩や模様と対応付られたアイテムを付与するように構成されているが、付与可能とするアイテムはこれに限られない。例えば、所定のキャラクタと対応付られたアイテムを付与するようにしてもよい。以下、キャラクタと対応付られたアイテムを付与する例について説明する。
図39は、予告演出(ボタン演出)およびキャラクタと対応付られたアイテムを用いるアイテム演出の具体例を示す説明図である。図39において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。
図39(1),(2)に示すように、演出図柄の変動表示が停止すると、保留表示が1つ消去され、新たな演出図柄の変動表示が開始される。このとき、キャラクタと対応付られたアイテムを付与するアイテム付与演出が実行され、キャラクタ画像により構成されるアイテム表示200cが出現する表示がなされる。また、このとき、キャラクタと対応付けられたアイテムが貯留されたことに応じて、キャラクタ貯留用効果音が出力されるようにしてもよい。
次いで、ボタン演出が開始されると、図39(3)に示すように、プッシュボタン120を模した操作促進表示203が通常態様(本例では白色かつ周囲にキャラクタ不在である)により表示される。
ここで、アイテムをボタン演出に作用させるアイテム作用演出が実行されると、図39(4)に示すように、キャラクタ画像により構成されるアイテム表示200cが操作促進表示203の隣まで移動する表示が行われるとともに、「チャンスだ押せ!」の文字表示が表示される。図39(4)に示すように表示されることにより、操作促進表示203が通常態様(本例では、周囲にキャラクタ不在である)で表示されるときよりも、大当りに対する期待度が高いことが示唆されることになる。
図39に示すように、アイテム付与演出として、キャラクタと対応付られたアイテムを付与可能とし、アイテム作用演出として、実行中の予告演出にキャラクタを作用させるようにしてもよい。また、色彩または模様と対応付けられたアイテムとキャラクタと対応付られたアイテムとのいずれも付与および貯留可能とし、それぞれ予告演出に作用可能としてもよい。
また、図39に示す例の他に、例えば、所定のミッションのクリアを目指す態様の予告演出にキャラクタを作用させることにより、ミッションのクリアをキャラクタが助けるようになる(すなわちミッションをクリアする可能性が高まるとともに、大当りに対する期待度が高まる)ものであってもよい。この場合、複数のキャラクタのいずれが作用するかにより、ミッションをクリアする可能性が異なる(すなわち、いずれのキャラクタと対応付られたアイテムが用いられるかにより、アイテム作用後の予告演出の期待度が異なる)ようにしてもよい。このように構成することにより、予告演出およびアイテム演出の多様性を高めることができるとともに、相乗的に演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、複数のアイテムが付与されると、順次アイテムを用いるように構成されているが、このような構成に加えて、複数のアイテムを同時に用いることができるようにしてもよい。例えば、キャラクタAと対応付られたアイテムと、キャラクタBと対応付られたアイテムとが付与されたときに、所定のミッションのクリアを目指す態様の予告演出に対して、キャラクタAを単独で作用させるときと、キャラクタBを単独で作用させるときと、キャラクタAおよびキャラクタBを同時に作用させるときとがあり、それぞれミッションをクリアする可能性が異なる(すなわち、アイテム作用後の予告演出の期待度が異なる)ようにしてもよい。このように構成することにより、アイテム作用演出の態様にも着目させることができる。
また、この実施の形態では、アイテム付与演出が実行されると、演出表示装置9の表示画面右上にアイテム表示が出現する表示がなされるが、このような態様に限らず、例えば、アイテムが付与されることを示唆した後(例えば、示唆する画像の表示や効果音の出力等を行った後)に、アイテムを付与する(または付与しない)ようにしてもよいし、プッシュボタン120の操作を促し、プッシュボタン120の操作を検出したことに応じて、アイテムを付与する(または付与しない)ようにしてもよい。
また、この実施の形態の構成に限らず、例えば、アイテム付与演出やアイテム作用演出を、いわゆる先読み予告演出として、実行可能とするようにしてもよい。先読み予告演出は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、始動入賞時に大当りとなるか否か、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるか等を判定するとともに、判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)を送信する入賞時判定処理を実行し、演出制御用マイクロコンピュータ100において、受信した始動入賞時のコマンドにもとづいて先読み予告演出の実行の有無や、種類、実行タイミングを決定し、実行することにより実現される。
この場合、この実施の形態では、一の変動表示中にアイテムを付与して貯留し、当該一の変動表示を対象とする予告演出にアイテムを作用させるように構成されているが、例えば、一の変動表示の開始前に先読み予告演出によりアイテムを付与して貯留し(以下、先読みアイテム付与演出ともいう)、先読み対象である当該一の変動表示中に当該一の変動表示を対象とする予告演出にアイテムを作用させるようにしてもよい。この場合には、付与されたアイテムが複数の変動に亘って貯留されることになる。アイテム付与演出と、先読みアイテム付与演出とは、同じ態様であってもよいし、異なる態様であってもよい。
また、例えば、一の変動表示中に付与され貯留しているアイテムを、当該一の変動表示以降に実行される変動表示を対象とする先読み予告演出(例えば、対象となる変動表示に対応する保留表示の表示態様が変化する保留変化演出や、対象となる変動表示まで複数の変動表示に亘って連続的に実行される先読み連続予告など)に作用させるようにしてもよいし、当該一の変動表示を対象とする先読み予告演出(例えば、当該一の変動表示の開始前から実行されている一連の演出)に作用させるようにしてもよい(以下、先読みアイテム作用演出ともいう)。例えば、一の変動表示中に付与されたアイテムが、保留表示に作用することにより保留表示の表示態様が変化したり(すなわち保留表示により特定される変動表示の大当り期待度が高まる)、先読み連続予告に作用することにより先読み連続予告の演出態様が変化したりするようにしてもよい。また、一の変動表示中に付与されたアイテムが、先読み予告演出により変化した保留表示時の表示態様(例えば、青色であって、アクティブ表示の第1特別態様に相当する)を引き継いで表示されているアクティブ表示(例えば、第1特別態様)に作用することにより、アクティブ表示の表示態様が変化したりするようにしてもよい。
また、例えば、先読みアイテム付与演出により付与され貯留しているアイテムを、未だ開始されていない変動表示を対象とする先読み予告演出(例えば、対象となる変動表示に対応する保留表示の表示態様が変化する保留変化演出や、対象となる変動表示まで複数の変動表示に亘って連続的に実行される先読み連続予告など。)に作用させる(すなわち、先読みアイテム作用演出を実行する)ようにしてもよいし、実行中の変動表示を対象とする予告演出に作用させるようにしてもよい。この場合、先読みアイテム付与演出と、先読み予告演出または予告演出とは、同じ変動表示を予告対象とすることになる。またこの場合、先読み予告演出は、先読みアイテム付与演出が実行される変動表示を基準としたときに、基準となる変動表示より前の変動表示中に開始されるものであってもよいし、基準となる変動表示中に開始されるものであってもよいし、基準となる変動表示以降の変動表示中に開始されるものであってもよい。
また、一の変動表示を予告対象とする先読みアイテム付与演出および先読みアイテム作用演出を複数回それぞれ異なるタイミングで実行するようにしてもよい。例えば、一の変動表示を予告対象とする先読み予告演出が、一の変動表示の2つ前の変動表示中から開始されるときに、3つ前の変動表示中に先読みアイテム付与演出によりアイテムが付与され、2つ前の変動表示中にアイテムを先読み予告演出に作用させるアイテム作用演出が実行されるとともに、新たにアイテムが付与される先読みアイテム付与演出が実行されるようにしてもよい。そして、さらに1つ前の変動表示中にアイテムを先読み予告演出に作用させるアイテム作用演出が実行されるようにしてもよい。
ここで、各種演出にフルーツ柄の表示態様を適用する場合の表示例について説明する。なお、この実施の形態では、予告演出においてフルーツ柄の表示態様を適用可能に構成されているが、フルーツ柄の表示態様を上述の予告演出以外の演出にも適用可能としてもよい。
上述の各予告演出に加えて、大当り遊技状態等の有利状態に制御される期待度を示唆する示唆表示を行なう示唆演出を実行可能とする。示唆演出には、第1示唆演出(シャッター演出)と第2示唆演出(リーチタイトル演出)とがある。第1示唆演出としてのシャッター演出では、変動開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、第2示唆演出としてのリーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される画像のことである。複数種類の要素としては、要素E1のバナナ画像,要素E2のメロン画像,要素E3のリンゴ画像,要素E4のスイカ画像,要素E5のイチゴ画像が含まれる。これら要素E1〜E5を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E1〜E5の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E1〜E5の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E1〜E5のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
図40は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図40(a)〜(f)は、スーパーリーチ実行時にシャッター演出およびリーチタイトル演出が実行される場合の例である。
図40(a)に示すように、シャッター演出が実行されると、画面上にはシャッター画像94が表示される。シャッター画像94には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ27による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに演出用ランプの発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図40(b)に示すように、演出図柄の変動表示が開始される。下向きの矢印が左,中,右図柄の変動表示を示している。左図柄および右図柄の変動表示が仮停止すると、図40(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図40(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。変動表示は画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像95が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像95には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像95には、バトルリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
ここで、バトルリーチ演出とは、敵キャラと味方キャラとが戦い、味方キャラが勝利すると大当りとなることが示され、敵キャラに味方キャラが敗北するとはずれとなることが示される演出である。リーチタイトル演出では、このようなバトルリーチを含む複数種類のリーチ演出の内容が、当該リーチ演出が実行される前にリーチタイトル画像95により示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ27による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに演出用ランプの発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り期待度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図40(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による変動表示画面に戻る。図40(d)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図40(a),(d)に示すように、シャッター画像94およびリーチタイトル画像95のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E1〜E5を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像94とリーチタイトル画像95とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り期待度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
なお、示唆演出においてフルーツ柄の表示態様が適用される場合について説明したが、上記の各予告演出においても同様に適用することにより、いずれの演出においてもフルーツ柄画像を好適に表示することができる。
例えば、フルーツ柄の表示態様がステップアップ演出とカットイン演出とに適用される場合には、ステップアップ表示の枠部分(図37(6)参照)およびカットイン表示全体(図36(5)参照)において、フルーツ柄画像を構成する全ての要素E1〜E5を含んで表示される。また、ステップアップ表示の枠部分の方がカットイン表示全体よりも表示サイズが小さいため、ステップアップ表示の枠部分における要素E1〜Eは、カットイン表示全体における要素E1〜Eよりも小さく表示される。このように適用することにより、いずれの演出においてもフルーツ柄画像を好適に表示することができる。
また、図40(a)に示すシャッター画像94の表示サイズは、図40(d)に示すリーチタイトル画像95の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像94の表示サイズとリーチタイトル画像95の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図40(a)に示すシャッター画像94と図40(d)に示すリーチタイトル画像95とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、第1アイテムおよび第2アイテムを含む複数種類のアイテム(例えば、第1〜第3アイテム。図32(C)参照)を複数貯留可能なアイテム貯留手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100に搭載されているRAMに形成された記憶領域。アイテムを特定可能なデータを記憶する)と、アイテム貯留手段により貯留されているアイテムを用いる特定演出(例えば、アイテム作用演出)を実行可能な演出実行手段とを備えている。
そして、演出実行手段は、第1アイテム(例えば、第1アイテム(青))を用いる特定演出よりも第2アイテム(例えば、第2アイテム(赤))を用いる特定演出の方が期待度が高くなるように特定演出を実行可能であり(例えば、図32(B)参照)、第1アイテムおよび第2アイテムが貯留されているときには、第2アイテムを用いる特定演出よりも第1アイテムを用いる特定演出を先に実行する割合が高い(例えば、図35参照)。そのため、期待感を段階的に高めることができ、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、複数の態様(例えば、通常態様および第1〜第3特別態様のいずれかの演出態様)により予告演出を実行可能であり、予告演出に対し特定演出を実行することにより、当該予告演出よりも期待度が高い態様により予告演出を実行可能である(例えば、予告演出は期待度が低い通常態様により開始されるが、アイテムが作用することにより、期待度が高い第1特別態様や第2特別態様、第3特別態様に変化する。図35〜図38参照。)。そのため、予告演出の期待度が変化したことを効果的に演出することができ、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、複数種類の予告演出(例えば、アクティブ表示変化演出やカットイン演出、ステップアップ演出、ボタン演出など)を実行可能であり、予告演出に対し特定演出を実行することにより、当該予告演出よりも期待度が高い予告演出を実行可能であり(例えば、予告演出は期待度が低い通常態様により開始されるが、アイテムが作用することにより、期待度が高い第1特別態様や第2特別態様、第3特別態様に変化する。図35〜図38参照。)、同じアイテムを用いる特定演出であっても複数種類の予告演出のうちのいずれの予告演出に対して実行されるかに応じて期待度が異なるように特定演出を実行可能である(例えば、図32(A),(B)参照。同じ演出態様であっても予告演出により大当りに対する期待度は異なるため、同じアイテムを作用させるアイテム作用演出であっても(例えば、同じ第3特別態様に変化させる場合であっても)、いずれの予告演出に作用するかによって期待度が異なる)。そのため、いずれの予告演出に対して特定演出が実行されるかに着目させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、アイテムは、所定の色彩または模様(例えば、青色、赤色およびフルーツ柄)と対応付けられ、演出実行手段は、期待度に応じて色彩または模様が異なる予告演出を実行可能であり(例えば、第1特別態様(青色基調)、第2特別態様(赤色基調)および第3特別態様(フルーツ柄基調)により予告演出を実行可能である。図32(B)参照)、予告演出に対し特定演出を実行することにより、当該特定演出で用いられるアイテムと対応付けられた色彩または模様に変化させて当該予告演出を実行可能である(例えば、図35〜図38参照)。そのため、特定演出と予告演出との関連性を高めることができ、相乗的に演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、アイテムは、所定のキャラクタと対応付けられ(例えば、キャラクタ画像により構成されるアイテム表示200c、図39(2)参照)、演出実行手段は、複数の態様により予告演出を実行可能であり、予告演出対し特定演出を実行することにより、当該特定演出で用いられるアイテムと対応付けられたキャラクタが作用する態様により当該予告演出を実行可能である(例えば、図39(4)参照)ようにしてもよい。そのようにすることにより、予告演出および特定演出の多様性を高めることができるとともに、相乗的に演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、アイテムを用いることが可能な第1予告演出(例えば、アクティブ表示変化演出やカットイン演出、ステップアップ演出、ボタン演出など)とアイテムを用いることが不可能な第2予告演出(例えば、装飾ランプ演出など)とを含む複数種類の予告演出を実行可能であり、アイテム貯留手段によりアイテムが貯留されているときには、貯留されていないときよりも第1予告演出を実行する割合が高い。そのため、アイテムが付与されたときに、特定演出がどの予告演出に作用するかについて注目させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、アイテム貯留手段により貯留されているアイテムを変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段(例えば、「第1アイテム(青)→第3アイテム(フルーツ柄)」のアイテム付与パターンに決定されたときに実行される。図32(C)参照)を備えている。そのため、期待度が低いアイテムが貯留されている場合であっても、期待度が高いアイテムに変化することに期待を持たせることができるため、期待感を維持することができ、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御される期待度を示唆する示唆表示として、表示サイズが第1サイズである第1示唆表示(例えば、図40(a)に示すシャッター演出時に表示する第1サイズのシャッター画像94による表示等)と、表示サイズが第2サイズである第2示唆表示(例えば、図40(d)に示すリーチタイトル演出時に表示する第2サイズのリーチタイトル画像95等)とを表示可能な表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100や演出表示装置9等により実現される)を備え、表示手段は、態様の異なる複数種類の要素(図40(a),(d)に示す要素E1(バナナ),要素E2(メロン),要素E3(リンゴ),要素E4(スイカ),要素E5(イチゴ)等)を含んで構成された特定画像(図40(a),(d)に示すフルーツ柄等)を表示可能であり、特定画像を含むパターンにて第1示唆表示および第2示唆表示のいずれを表示するときにも、複数種類の要素が第1示唆表示および第2示唆表示のいずれにも含まれるように表示する(図40(a),(d)に示すシャッター画像94、リーチタイトル画像95のいずれにも要素E1〜E5が含まれるように表示する等)ようにしてもよい。そのようにすることにより、示唆表示の表示サイズに関わらず特定画像を好適に表示することができる。これにより、特定画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。