実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。従って、リーチ演出は、大当りとなることを示唆する演出であるといえる。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。第1保留記憶表示部9aには、第1保留記憶の各々に対応して第1保留表示が表示される。また、第2保留記憶表示部9bには、第2保留記憶の各々に対応して第2保留表示が表示される。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
さらに、演出表示装置9の下方には、飛行機の形状を模した可動部材76が設けられており、モータ85(図3参照)が回転すると可動部材76が移動動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材76を動作させるためのモータ85を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図9参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2、マルチPC1−1〜マルチPC1−3の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、マルチPC1−4〜マルチPC1−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
また、マルチPC1−1〜マルチPC1−6の変動パターンは、演出図柄の変動表示中にマルチモニタリーチ演出が実行される変動パターンである。マルチモニタリーチ演出が実行される場合、演出図柄の変動表示中にノーマルリーチとなった後、演出表示装置9の表示画面内において恰も擬似的な複数のモニタ画面(以下、擬似モニタ画面)が分割表示されるような演出が実行され、それぞれの擬似モニタ画面内でスーパーリーチが実行されるような態様のリーチ演出が実行される。
マルチPC1−1の変動パターンが選択された場合には、ノーマルリーチとなった後、1つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその1つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、さらに2つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBが実行され、変動時間が経過すると、最後に分割表示された2つ目の擬似モニタ画面内ではずれ図柄が確定表示する。
マルチPC1−2の変動パターンが選択された場合には、ノーマルリーチとなった後、1つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその1つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、次いで2つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、さらに3つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその3つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBが実行され、変動時間が経過すると、最後に分割表示された3つ目の擬似モニタ画面内ではずれ図柄が確定表示する。
マルチPC1−3の変動パターンが選択された場合には、ノーマルリーチとなった後、1つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその1つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、次いで2つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、次いで3つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその3つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、さらに4つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその4つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBが実行され、変動時間が経過すると、最後に分割表示された4つ目の擬似モニタ画面内ではずれ図柄が確定表示する。
マルチPC1−4の変動パターンが選択された場合には、ノーマルリーチとなった後、1つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその1つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、さらに2つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBが実行され、変動時間が経過すると、最後に分割表示された2つ目の擬似モニタ画面内で大当り図柄が確定表示する。
マルチPC1−5の変動パターンが選択された場合には、ノーマルリーチとなった後、1つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその1つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、次いで2つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、さらに3つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその3つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBが実行され、変動時間が経過すると、最後に分割表示された3つ目の擬似モニタ画面内で大当り図柄が確定表示する。
マルチPC1−6の変動パターンが選択された場合には、ノーマルリーチとなった後、1つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその1つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、次いで2つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、次いで3つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその3つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAが実行され、さらに4つ目の擬似モニタ画面が分割表示されてその4つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBが実行され、変動時間が経過すると、最後に分割表示された4つ目の擬似モニタ画面内で大当り図柄が確定表示する。
なお、この実施の形態では、マルチモニタリーチ演出を伴う変動パターンを決定することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でマルチモニタリーチ演出の有無を決定する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でマルチモニタリーチ演出の有無を決定するのではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100側で乱数にもとづく抽選処理を行い、マルチモニタリーチ演出を実行するか否かを決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、マルチモニタリーチ演出が実行される場合に、最後に分割表示される擬似モニタ画面内ではスーパーリーチBが実行され、それより前に分割される擬似モニタ画面内ではスーパーリーチAが実行される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、全ての擬似モニタ画面内でスーパーリーチAを実行したりスーパーリーチBを実行したりするなど、擬似モニタ画面間で実行する演出を統一してもよいし、ロングリーチや全回転リーチなどスーパーリーチ以外のリーチを実行する擬似モニタ画面があってもよい。
また、例えば、同じ3つの擬似モニタ画面に分割表示してマルチモニタリーチ演出を実行する場合であっても、1つ目の擬似モニタ画面ではスーパーリーチAを開始した後、2つ目の擬似モニタ画面では同じスーパーリーチAを開始し、3つ目の擬似モニタ画面からスーパーリーチBを開始する場合と、2つ目の擬似モニタ画面からスーパーリーチBを開始する場合とがあるようにしてもよく、擬似モニタ画面の数が同じであっても、実行される演出のパターンが異なる場合があるように構成してもよい。
上記のように、マルチモニタリーチ演出の実行態様として様々な態様が考えられる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当り(2ラウンドの大当り)と、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての通常大当りおよび確変大当り(15ラウンドの大当り)とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態(高ベース状態)に移行させる大当りである(後述するステップS167,168参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を100回終了すると時短状態が終了する(後述するステップS168,S137〜140参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、100回の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9および図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9および図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9および図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図9および図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11および図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図22参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図13(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図13(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図13(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215A)。
次に、図13(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215B)。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、この実施の形態では、通常大当りにもとづく大当り遊技終了時に時短状態に移行されるときに時短フラグがセットされるとともに、確変大当りにもとづく大当り遊技終了時にも確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行されることから時短フラグがセットされる。従って、ステップS95でYと判定された場合には、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後に時短状態にのみ制御されているときに加えて、確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に確変状態とともに時短状態に制御されているときがある。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として短縮用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で短縮変動の変動パターンが決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当り遊技が通常大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば(ステップS166のY)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合でなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
なお、この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、確変状態に制御される場合には時短状態にも制御されることから、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、および確変状態(高確率/高ベース状態)の3つの状態があることになる。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図24は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図25は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A002(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。この場合、例えば、大当り開始1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A302(H))であれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。この場合、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))であれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS629)。そして、ステップS611に移行する。
図26は、図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図27は、図26に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図27に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図28は、図26に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図29は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図29に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、この実施の形態では、確変大当りとなる場合には左中右が奇数図柄で揃った状態で停止表示されることから、奇数図柄は確変大当りとなることを想起させる。そのように確変大当りとなることを想起させる図柄を確変図柄という。一方、この実施の形態では、通常大当りとなる場合には左中右が偶数図柄で揃った状態で停止表示されることから、偶数図柄は確変大当りとならない(通常大当りとなる)ことを想起させる。そのように確変大当りとならないことを想起させる図柄を非確変図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンドで指定される変動パターンがマルチPC1−1〜マルチPC1−6のいずれかであるか否かを確認する(ステップS8003)。マルチPC1−1〜マルチPC1−6のいずれの変動パターンでもなければ、ステップS8009に移行する。
マルチPC1−1〜マルチPC1−6のいずれかの変動パターンであれば(すなわち、マルチモニタリーチ演出を伴う変動パターンであれば)、演出制御用CPU101は、可動部材76を動作させる役物演出を実行するか否かを決定する(ステップS8004)。図30(A)および図30(B)は、役物演出の有無を決定するための役物演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図30(A)は、はずれ用の役物演出決定テーブルの具体例を示し、図30(B)は、大当り用の役物演出決定テーブルの具体例を示している。図30(A),(B)に示すように、この実施の形態では、マルチモニタリーチ演出が実行される場合に、役物演出が実行された場合には、役物演出が実行されなかった場合と比較して、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高い。なお、大当り信頼度にかぎらず、例えば、役物演出が実行された場合には、確変大当りに対する期待度(確変信頼度)が高くなるように構成するなど、他の信頼度が高くなるように構成してもよい。
ステップS8004では、演出制御用CPU101は、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、今回開始する変動表示が大当りとなるものであるか否かを判定し(変動パターンがマルチPC1−1〜PC1−3であればはずれと判定し、マルチPC1−4〜PC1−6であれば大当りと判定してもよい)、はずれ変動であれば、図30(A)に示すはずれ用の役物演出決定テーブルを選択し、大当り変動であれば、図30(B)に示す大当り用の役物演出決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した役物演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、役物演出の有無を決定する。なお、役物演出を実行することに決定した場合には、例えば、役物演出を実行することを示す役物演出決定フラグをセットするようにすればよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、演出図柄変動中処理のステップS8117の判定処理を実行することによって、役物演出の実行タイミングとなったときに、それが最後に分割表示された擬似モニタ画面に対して役物演出の実行タイミングとなったと判定すれば役物演出を実行し、それより前に分割表示された擬似モニタ画面に対して役物演出の実行タイミングとなったと判定すれば役物演出を実行せず禁則処理を実行する場合を示したが、そのように変動表示の実行中に禁則処理を実行する態様にかぎれない。例えば、変動表示の開始時にステップS8004の役物演出の決定処理において、最後に分割表示される擬似モニタ画面を対象としてのみ役物演出の有無を決定することにより、最後に分割表示される擬似モニタ画面より前に分割表示される擬似モニタ画面を対象としては役物演出を実行しないように禁則をかけるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、後述するように、役物演出が実行される場合には各擬似モニタ画面においてエフェクト表示が実行されるのであるが、上記のように変動開始時に役物演出の決定処理において禁則処理を行うように構成した場合には、例えば、少なくとも1つの擬似モニタ画面を対象として役物演出を実行することが決定されているのであれば、全ての擬似モニタ画面においてエフェクト表示を実行するように構成すればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、操作ボタン120による操作を伴うボタン演出を実行するか否かを決定する(ステップS8005)。図30(C)および図30(D)は、ボタン演出の有無を決定するためのボタン演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図30(C)は、はずれ用のボタン演出決定テーブルの具体例を示し、図30(D)は、大当り用のボタン演出決定テーブルの具体例を示している。図30(C),(D)に示すように、この実施の形態では、マルチモニタリーチ演出が実行される場合に、ボタン演出が実行された場合には、ボタン演出が実行されなかった場合と比較して、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高い。なお、大当り信頼度にかぎらず、例えば、ボタン演出が実行された場合には、確変大当りに対する期待度(確変信頼度)が高くなるように構成するなど、他の信頼度が高くなるように構成してもよい。
ステップS8005では、演出制御用CPU101は、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、今回開始する変動表示が大当りとなるものであるか否かを判定し(変動パターンがマルチPC1−1〜PC1−3であればはずれと判定し、マルチPC1−4〜PC1−6であれば大当りと判定してもよい)、はずれ変動であれば、図30(C)に示すはずれ用のボタン演出決定テーブルを選択し、大当り変動であれば、図30(D)に示す大当り用のボタン演出決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択したボタン演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、ボタン演出の有無を決定する。なお、ボタン演出を実行することに決定した場合には、例えば、ボタン演出を実行することを示すボタン演出決定フラグをセットするようにすればよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、演出図柄変動中処理のステップS8122の判定処理を実行することによって、ボタン演出の実行タイミングとなったときに、それが最後に分割表示された擬似モニタ画面に対して役物演出の実行タイミングとなったと判定すればボタン演出を実行し、それより前に分割表示された擬似モニタ画面に対してボタン演出の実行タイミングとなったと判定すればボタン演出を実行せず禁則処理を実行する場合を示したが、そのように変動表示の実行中に禁則処理を実行する態様にかぎれない。例えば、変動表示の開始時にステップS8005のボタン演出の決定処理において、最後に分割表示される擬似モニタ画面を対象としてのみボタン演出の有無を決定することにより、最後に分割表示される擬似モニタ画面より前に分割表示される擬似モニタ画面を対象としてはボタン演出を実行しないように禁則をかけるように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、チャンスアップ演出の有無および種類を決定する(ステップS8006)。図31は、チャンスアップ演出の有無および種類を決定するためのチャンスアップ演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図31(A)は、はずれ用のチャンスアップ演出決定テーブルの具体例を示し、図31(B)は、大当り用のチャンスアップ演出決定テーブルの具体例を示している。図31に示すように、チャンスアップ演出決定テーブルには、チャンスアップ演出なし、チャンスアップ演出A、チャンスアップ演出B、およびチャンスアップ演出Cに対して、それぞれ判定値が割り振られている。チャンスアップ演出Aは、青色の表示色で表示されるチャンスアップ演出である。また、チャンスアップ演出Bは、緑色の表示色で表示されるチャンスアップ演出である。また、チャンスアップ演出Cは、赤色の表示色で表示されるチャンスアップ演出である。
図31に示すように、この実施の形態では、マルチモニタリーチ演出が実行される場合に、チャンスアップ演出が実行された場合には、チャンスアップ演出が実行されなかった場合と比較して、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高い。また、図31に示すように、この実施の形態では、チャンスアップ演出が実行される場合には、赤色の表示色で実行されるチャンスアップ演出Cが実行される場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、緑色の表示色で実行されるチャンスアップ演出Bが実行される場合が次に大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、青色の表示色で実行されるチャンスアップ演出Aが実行される場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が低くなっている。なお、大当り信頼度にかぎらず、例えば、チャンスアップ演出が実行された場合には、確変大当りに対する期待度(確変信頼度)が高くなるように構成するなど、他の信頼度が高くなるように構成してもよい。
ステップS8006では、演出制御用CPU101は、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、今回開始する変動表示が大当りとなるものであるか否かを判定し(変動パターンがマルチPC1−1〜PC1−3であればはずれと判定し、マルチPC1−4〜PC1−6であれば大当りと判定してもよい)、はずれ変動であれば、図31(A)に示すはずれ用のチャンスアップ演出決定テーブルを選択し、大当り変動であれば、図31(B)に示す大当り用のチャンスアップ演出決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択したチャンスアップ演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、チャンスアップ演出の有無および種類を決定する。なお、チャンスアップ演出を実行することに決定した場合には、例えば、チャンスアップ演出を実行することを示すチャンスアップ演出決定フラグをセットするとともに、決定したチャンスアップ演出の種類(チャンスアップ演出A〜C)をRAMに設けられた格納領域に格納するようにすればよい。
なお、この実施の形態では、マルチモニタリーチ演出が実行される場合に分割表示される複数の擬似モニタ画面のうち最後に分割表示される擬似モニタ画面に対してチャンスアップ演出の有無および種類が決定され、その最後に分割表示される擬似モニタ画面よりも前に分割表示される擬似モニタ画面に対してもその決定結果が反映される。例えば、擬似モニタ画面が3つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2またはマルチPC1−5の変動パターンに従って変動表示される場合)に、ステップS8006で最後の3つ目に分割表示される擬似モニタ画面に対してチャンスアップ演出の実行が決定された場合には、その前に分割表示される1つ目および2つ目の擬似モニタ画面においてもチャンスアップ演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、役物演出、ボタン演出およびチャンスアップ演出の決定結果に応じて、マルチモニタリーチ演出で分割表示する擬似モニタ画面数に応じた動画データを選択する(ステップS8007)。例えば、この実施の形態では、擬似モニタ画面が3つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2またはマルチPC1−5の変動パターンに従って変動表示される場合)には、1つ目および2つ目に分割表示される擬似モニタ画面ではスーパーリーチAが実行され、3つ目に分割表示される擬似モニタ画面ではスーパーリーチBが実行されるので、これらスーパーリーチAおよびスーパーリーチBに応じた動画データをそれぞれ選択する。また、役物演出や、ボタン演出、チャンスアップ演出の実行も決定している場合には、スーパーリーチAやスーパーリーチBとともに、これら役物演出や、ボタン演出、チャンスアップ演出を伴う動画データを選択する。
なお、この実施の形態では、マルチモニタリーチ演出が実行されない場合であっても、演出表示装置9の表示画面においてスーパーリーチAが単独で実行されたり(スーパーPA3−1、スーパーPB3−1、スーパーPA3−3、スーパーPB3−3)、スーパーリーチBが単独で実行されたり(スーパーPA3−2、スーパーPB3−2、スーパーPA3−4、スーパーPB3−4)する場合があり、それぞれスーパーリーチAやスーパーリーチBに応じた動画データが再生表示されるのであるが、マルチモニタリーチ演出が実行される場合も単独でスーパーリーチAやスーパーリーチBが実行される場合と共通の動画データが各擬似モニタ画面内で再生表示される。
次いで、演出制御用CPU101は、マルチモニタリーチ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8008)。そして、ステップS8010に移行する。
ステップS8003でマルチPC1−1〜マルチPC1−6のいずれの変動パターンでもなければ、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8009)。そして、ステップS8010に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8008,S8009で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8010)。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8011)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8012)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8013)。
なお、演出図柄の変動表示中に、例えば、ステップアップ予告演出や、キャラクタ予告演出、群予告演出、モチーフ予告演出など様々な予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、図28に示す演出図柄変動開始処理において、予告演出の有無および種類を決定する予告演出設定処理を実行するように構成してもよい。そして、ステップS8008,S8009において、決定した予告演出に応じたプロセステーブルを選択してステップS80011や後述する演出図柄変動中処理のステップS8106の処理を実行することによって、演出図柄の変動表示中に各種予告演出を実行するように構成すればよい。
図33〜図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。また、演出制御用CPU101は、後述する擬似モニタ画面において実行する演出の演出時間を計測するための各演出時間タイマ(後述するように、演出時間タイマ1〜4がある)がセットされていれば、セットされている各演出時間タイマの値を1減算する(ステップS8103)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8104)、プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8105)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8106)。
次いで、演出制御用CPU101は、新たな擬似モニタ画面の分割表示タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8107)。なお、新たな擬似モニタ画面の分割表示タイミングとなっているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8012でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。新たな擬似モニタ画面の分割表示タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において新たな擬似モニタ画面の分割表示を開始し、その分割表示した擬似モニタ画面内において動画再生を開始する制御を行う(ステップS8108)。
なお、ステップS8108では、例えば、擬似モニタ画面が2つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−1またはマルチPC1−4の変動パターンに従って変動表示される場合)には、1つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には、その1つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAの動画データの再生表示を開始し、2つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には、その2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBの動画データの再生表示を開始する。また、例えば、擬似モニタ画面が3つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2またはマルチPC1−5の変動パターンに従って変動表示される場合)には、1つ目または2つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には、その1つ目または2つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAの動画データの再生表示を開始し、3つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には、その3つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBの動画データの再生表示を開始する。また、例えば、擬似モニタ画面が4つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−3またはマルチPC1−6の変動パターンに従って変動表示される場合)には、1つ目〜3つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には、その1つ目〜3つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチAの動画データの再生表示を開始し、4つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には、その4つ目の擬似モニタ画面内でスーパーリーチBの動画データの再生表示を開始する。
そして、演出制御用CPU101は、新たに分割表示した擬似モニタ画面で実行される演出に対応した演出時間タイマに演出時間に応じた値をセットする(ステップS8109)。
なお、ステップS8109では、例えば、擬似モニタ画面が2つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−1またはマルチPC1−4の変動パターンに従って変動表示される場合)には、1つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ1をセットし、2つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ2をセットする。また、例えば、擬似モニタ画面が3つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2またはマルチPC1−5の変動パターンに従って変動表示される場合)には、1つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ1をセットし、2つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ2をセットし、3つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ3をセットする。また、例えば、擬似モニタ画面が4つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−3またはマルチPC1−6の変動パターンに従って変動表示される場合)には、1つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ1をセットし、2つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ2をセットし、3つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ3をセットし、4つ目の擬似モニタ画面の分割表示を開始する場合には演出時間タイマ4をセットする。
次いで、演出制御用CPU101は、チャンスアップ演出の実行を決定しているか否かを確認する(ステップS8110)。なお、チャンスアップ演出の実行を決定しているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8006でチャンスアップ演出決定フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。チャンスアップ演出の実行を決定していれば、演出制御用CPU101は、チャンスアップ演出の実行タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8111)。なお、チャンスアップ演出の実行タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS8109でセットした演出時間タイマの値を確認することにより判定できる。チャンスアップ演出の実行タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、表示対象の擬似モニタ画面内にチャンスアップ画像(例えば、花の絵柄の画像)を表示する制御を行う(ステップS8112)。
ステップS8112では、例えば、演出時間タイマ1の値がチャンスアップ演出の実行タイミングとなっている場合であれば、1つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にチャンスアップ画像を表示する制御を行う。また、例えば、演出時間タイマ2の値がチャンスアップ演出の実行タイミングとなっている場合であれば、2つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にチャンスアップ画像を表示する制御を行う。また、例えば、演出時間タイマ3の値がチャンスアップ演出の実行タイミングとなっている場合であれば、3つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にチャンスアップ画像を表示する制御を行う。また、例えば、演出時間タイマ4の値がチャンスアップ演出の実行タイミングとなっている場合であれば、4つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にチャンスアップ画像を表示する制御を行う。
また、演出図柄変動開始処理のステップS8006で決定したチャンスアップ演出の種類がチャンスアップ演出Aであれば、例えば、表示対象の擬似モニタ画面内において、チャンスアップ画像として、青色の表示色で花の絵柄の画像を表示する制御を行う。また、決定したチャンスアップ演出の種類がチャンスアップ演出Bであれば、例えば、表示対象の擬似モニタ画面内において、チャンスアップ画像として、緑色の表示色で花の絵柄の画像を表示する制御を行う。また、決定したチャンスアップ演出の種類がチャンスアップ演出Cであれば、例えば、表示対象の擬似モニタ画面内において、チャンスアップ画像として、赤色の表示色で花の絵柄の画像を表示する制御を行う。
次いで、演出制御用CPU101は、役物演出の実行を決定しているか否かを確認する(ステップS8113)。なお、役物演出の実行を決定しているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8004で役物演出決定フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。役物演出の実行を決定していれば、演出制御用CPU101は、役物演出を示唆するエフェクト表示の実行タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8114)。なお、エフェクト表示の実行タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS8109でセットした演出時間タイマの値を確認することにより判定できる。エフェクト表示の実行タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、表示対象の擬似モニタ画面内にエフェクト画像を表示する制御を行う(ステップS8115)。
ステップS8115では、例えば、演出時間タイマ1の値がエフェクト表示の実行タイミングとなっている場合であれば、1つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にエフェクト画像を表示する制御を行う。また、例えば、演出時間タイマ2の値がエフェクト表示の実行タイミングとなっている場合であれば、2つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にエフェクト画像を表示する制御を行う。また、例えば、演出時間タイマ3の値がエフェクト表示の実行タイミングとなっている場合であれば、3つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にエフェクト画像を表示する制御を行う。また、例えば、演出時間タイマ4の値がエフェクト表示の実行タイミングとなっている場合であれば、4つ目に分割表示した擬似モニタ画面内にエフェクト画像を表示する制御を行う。
また、この実施の形態では、役物演出として飛行機の形状を模した可動部材76を動作させる演出が実行されるので、ステップS8115では、例えば、エフェクト画像として、表示対象の擬似モニタ画面内において、エフェクト画像として、飛行機の幻影のような絵柄の画像を表示する制御を行う。
エフェクト表示の実行タイミングとなっていなければ、演出制御用CPU101は、役物演出の実行タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8116)。なお、役物演出の実行タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS8109でセットした演出時間タイマの値を確認することにより判定できる。役物演出の実行タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、その役物演出の実行タイミングとなった擬似モニタ画面が最後に分割表示する擬似モニタ画面であるか否かを確認する(ステップS8117)。
ステップS8117では、例えば、擬似モニタ画面が2つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−1またはマルチPC1−4の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ2の値が役物演出の実行タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1の値が役物演出の実行タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなった場合ではないと判定する。また、例えば、擬似モニタ画面が3つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2またはマルチPC1−5の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ3の値が役物演出の実行タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1〜2のいずれかの値が役物演出の実行タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなった場合ではないと判定する。また、例えば、擬似モニタ画面が4つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−3またはマルチPC1−6の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ4の値が役物演出の実行タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1〜3のいずれかの値が役物演出の実行タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなった場合ではないと判定する。
最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなった場合であれば(ステップS8117のY)、演出制御用CPU101は、モータ85を駆動し、可動部材76を動作させて役物演出を実行する制御を行う(ステップS8118)。
この実施の形態では、ステップS8117の判定処理が実行されることによって、役物演出の実行が決定されている場合であっても、最後に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなった場合にのみ役物演出を実行し、それより前に分割表示する擬似モニタ画面が役物演出の実行タイミングとなっても役物演出を実行しないように禁則をかけている。そのように構成することによって、この実施の形態では、いずれの擬似モニタ画面に対して役物演出が実行されたのかが分からなくなることを防止し、却って役物演出が煩わしくなる事態を防止し、マルチモニタリーチ演出を実行可能に構成した場合に適切な演出制御を実現できるようにしている。
一方で、ステップS8114,S8115の処理が実行されることによって、役物演出を示唆するエフェクト表示に関しては、最後に分割表示する擬似モニタ画面がエフェクト表示の実行タイミングとなった場合だけでなく、それより前に分割表示する擬似モニタ画面がエフェクト表示の実行タイミングとなっている場合であっても実行可能に構成されている。そのように構成することによって、この実施の形態では、役物演出の対象であるか否かにかかわらずエフェクト表示を実行可能であり、役物演出の対象であるか否かにかかわらず共通の演出データを使用することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタン演出の実行を決定しているか否かを確認する(ステップS8119)。なお、ボタン演出の実行を決定しているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8005でボタン演出決定フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。ボタン演出の実行を決定していれば、演出制御用CPU101は、ボタン演出の実行中であることを示すボタン演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8120)。ボタン演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、ボタン演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、ボタン演出における操作有効期間の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8121)。なお、操作有効期間の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS8109でセットした演出時間タイマの値を確認することにより判定できる。操作有効期間の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、その操作有効期間の開始タイミングとなった擬似モニタ画面が最後に分割表示する擬似モニタ画面であるか否かを確認する(ステップS8122)。
ステップS8122では、例えば、擬似モニタ画面が2つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−1またはマルチPC1−4の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ2の値が操作有効期間の開始タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が操作有効期間の開始タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1の値が操作有効期間の開始タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が操作有効期間の開始タイミングとなった場合ではないと判定する。また、例えば、擬似モニタ画面が3つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2またはマルチPC1−5の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ3の値が操作有効期間の開始タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が操作有効期間の開始タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1〜2のいずれかの値が操作有効期間の開始タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が操作有効期間の開始タイミングとなった場合ではないと判定する。また、例えば、擬似モニタ画面が4つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−3またはマルチPC1−6の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ4の値が操作有効期間の開始タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が操作有効期間の開始タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1〜3のいずれかの値が操作有効期間の開始タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が操作有効期間の開始タイミングとなった場合ではないと判定する。
最後に分割表示する擬似モニタ画面が操作有効期間の開始タイミングとなった場合であれば(ステップS8122のY)、演出制御用CPU101は、その最後に分割表示する擬似モニタ画面内において、操作ボタン120の操作を指示する操作指示表示の表示を開始する制御を行う(ステップS8123)。そして、演出制御用CPU101は、ボタン演出実行中フラグをセットする(ステップS8124)。
この実施の形態では、ステップS8122の判定処理が実行されることによって、ボタン演出の実行が決定されている場合であっても、最後に分割表示する擬似モニタ画面がボタン演出の実行タイミングとなった場合にのみボタン演出を実行し、それより前に分割表示する擬似モニタ画面がボタン演出の実行タイミングとなってもボタン演出を実行しないように禁則をかけている。そのように構成することによって、この実施の形態では、却ってボタン演出が煩わしくなる事態を防止し、マルチモニタリーチ演出を実行可能に構成した場合に適切な演出制御を実現できるようにしている。
ボタン演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、ボタン演出の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、ボタン演出における操作有効期間の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8125)。なお、操作有効期間の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS8109でセットした演出時間タイマ(そのうちの最後の分割表示する擬似モニタ画面に対応する演出時間タイマ)の値を確認することにより判定できる。操作有効期間の終了タイミングとなっていなければ、演出制御用CPU101は、操作ボタン120からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS8126)。操作ボタン120からの検出信号を入力していれば、演出制御用CPU101は、操作ボタン120による操作を検出したことを示す操作検出フラグをセットする(ステップS8127)。
操作有効期間の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、最後に分割表示する擬似モニタ画面内に表示されている操作指示表示を消去する制御を行う(ステップS8128)。また、ボタン演出実行中フラグをリセットする(ステップS8130)。次いで、操作検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8130)。操作検出フラグがセットされていれば(すなわち、操作ボタン120による操作を検出していれば)、演出制御用CPU101は、操作検出フラグをリセットし(ステップS8131)、最後に分割表示する擬似モニタ画面内において、大当りとなる可能性を示唆する予告表示の表示を開始する制御を行う(ステップS8132)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の仮停止表示タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8133)。なお、仮停止表示タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS8109でセットした演出時間タイマの値を確認することにより判定できる。仮停止表示タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、実行中の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する(ステップS8134)。なお、実行中の変動表示が大当りとなるものであるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが大当りを指定するものであるか否かを確認することにより判定できる。また、例えば、変動パターンコマンドで指定される変動パターンがマルチPC1−1〜PC1−3であればはずれと判定し、マルチPC1−4〜PC1−6であれば大当りと判定するようにしてもよい。実行中の変動表示が大当り変動であれば(ステップS8134のY)、演出制御用CPU101は、仮停止表示タイミングとなった擬似モニタ画面が最後に分割表示する擬似モニタ画面であるか否かを確認する(ステップS8135)。
ステップS8135では、例えば、擬似モニタ画面が2つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−1またはマルチPC1−4の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ2の値が仮停止表示タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1の値が仮停止表示タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなった場合ではないと判定する。また、例えば、擬似モニタ画面が3つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2またはマルチPC1−5の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ3の値が仮停止表示タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1〜2のいずれかの値が仮停止表示タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなった場合ではないと判定する。また、例えば、擬似モニタ画面が4つ分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−3またはマルチPC1−6の変動パターンに従って変動表示される場合)であれば、演出時間タイマ4の値が仮停止表示タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなったと判定し、演出時間タイマ1〜3のいずれかの値が仮停止表示タイミングとなった場合であれば、最後に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなった場合ではないと判定する。
最後に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなった場合であれば(ステップS8135のY)、演出制御用CPU101は、その最後に分割表示する擬似モニタ画面内において、大当り図柄の組み合わせを仮停止表示させる制御を行う(ステップS8136)。
なお、この実施の形態では、「仮停止表示」とは、演出図柄を揺れ変動させたり上下に微変動させたりして、演出図柄を完全には停止表示させない状態のことである。また、この実施の形態では、リーチとなっている状態において最後に停止する中の演出図柄を仮停止表示させるように制御する。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、左や右の演出図柄も仮停止表示させた状態としてもよい。
実行中の変動表示がはずれ変動であった場合(ステップS8134のN)、または最後に分割表示する擬似モニタ画面よりも前に分割表示する擬似モニタ画面が仮停止表示タイミングとなった場合であれば(ステップS8135のN)、演出制御用CPU101は、その仮停止表示タイミングとなった擬似モニタ画面内において、はずれ図柄の組み合わせ(本例では、リーチはずれ図柄)を仮停止表示させる制御を行う(ステップS8137)。
ステップS8133〜S8137の処理が実行されることによって、この実施の形態では、大当り変動となる変動表示であっても、最後に分割表示する擬似モニタ画面よりも前に分割表示する擬似モニタ画面までははずれ図柄を仮停止表示させ、最後に分割表示する擬似モニタ画面で大当り図柄を仮停止表示させ、マルチモニタリーチ演出において遊技者に注目させる擬似モニタ画面(本例では、最後に分割表示する擬似モニタ画面)を明確にできるようにしている。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8138)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8139)。
図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8309に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8308で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8305,S8306の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8309に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS8302)、セットされていなければ、処理を終了する。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8303)。
次いで、演出制御用CPU101は、今回実行した変動表示がマルチモニタリーチ演出を伴うものであったか否かを確認する(ステップS8304)。なお、今回実行した変動表示がマルチモニタリーチ演出を伴うものであったか否かは、例えば、変動パターンコマンドで指定されている変動パターンがマルチPC1−1〜マルチPC1−6であるか否かを確認することにより判定できる。
マルチモニタリーチ演出を伴う変動表示でなければ(ステップS8304のN)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS8305)。マルチモニタリーチ演出を伴う変動表示であれば(ステップS8304のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されている擬似モニタ画面のうち最後に分割表示した擬似モニタ画面内で仮停止表示されている停止図柄(はずれ図柄(本例では、リーチはずれ図柄)、大当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS8306)。なお、この場合、最後に分割表示した擬似モニタ画面よりも前に分割表示した擬似モニタ画面内で仮停止表示されている停止図柄(本例では、リーチはずれ図柄)に関しては、そのまま仮停止表示されているままの状態とし確定表示させない。
ステップS8305,S8306の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8307のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8315に移行する。
ステップS8305,S8306の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8307のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8308)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8309)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8310)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8311)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8312)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8313)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8314)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8307のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8315)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8316)。
次に、マルチモニタリーチ演出の演出態様について説明する。図37〜図40は、マルチモニタリーチ演出の演出態様を説明するための説明図である。なお、図37〜図40において、(1)(2)(3)・・・の順に表示画面の態様が遷移する。また、図37〜図40に示す例では、マルチPC1−1〜マルチPC1−6の変動パターンのうち、3つの擬似モニタ画面が分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行され大当りとなるマルチPC1−5の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、演出図柄の変動表示中にマルチモニタリーチ演出が実行される場合を示している。なお、その他のマルチPC1−1〜PC1−4,PC1−6の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信した場合も、分割表示される擬似モニタ画面の数が異なったり、最後に確定表示される停止図柄の組み合わせが大当り図柄であったりはずれ図柄であったりするだけで、図37〜図40に示す演出態様と同様の演出態様のマルチモニタリーチ演出が実行される。
マルチPC1−5の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信すると、図37(1)に示すように、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の変動表示が開始される。次いで、ノーマルリーチの発生タイミングとなると、図40(2)に示すように、左および右の図柄として同じ図柄(本例では、図柄「7」)を停止表示させ、リーチ状態とする。
次いで、1つ目の擬似モニタ画面の分割表示タイミングとなると、図37(3)に示すように、演出表示装置9において1つ目の擬似モニタ画面200の分割表示が開始され、その分割表示された1つ目の擬似モニタ画面200内においてスーパーリーチAの動画再生が開始される(ステップS8108参照)。
次いで、2つ目の擬似モニタ画面の分割表示タイミングとなると、図37(4)に示すように、演出表示装置9において2つ目の擬似モニタ画面201の分割表示が開始され、その分割表示された2つ目の擬似モニタ画面201内においてスーパーリーチAの動画再生が開始される(ステップS8108参照)。なお、この実施の形態では、図37(4)に示すように、2つ目の擬似モニタ画面201の分割表示が開始されたことに従って、新たな2つ目の擬似モニタ画面201に注目させるべく、1つ目の擬似モニタ画面200の表示サイズが縮小される。
次いで、3つ目の擬似モニタ画面の分割表示タイミングとなると、図38(5)に示すように、演出表示装置9において3つ目の擬似モニタ画面202の分割表示が開始され、その分割表示された3つ目の擬似モニタ画面202内においてスーパーリーチBの動画再生が開始される(ステップS8108参照)。なお、この実施の形態では、図38(5)に示すように、3つ目の擬似モニタ画面202の分割表示が開始されたことに従って、新たな3つ目の擬似モニタ画面202に注目させるべく、1つ目の擬似モニタ画面200および2つ目の擬似モニタ画面201の表示サイズが縮小される。
次いで、1つ目の擬似モニタ画面200においてエフェクト表示およびチャンスアップ演出の実行タイミングとなると、図38(6)に示すように、1つ目の擬似モニタ画面200内において、エフェクト画像210が表示される(ステップS8115参照)とともに、チャンスアップ画像211が表示される(ステップS8112参照)。この実施の形態では、図38(6)に示すように、エフェクト画像210として飛行機の幻影のような絵柄の画像が表示され、チャンスアップ画像211として青色、緑色または赤色の表示色で花の絵柄の画像が表示される。
次いで、1つ目の擬似モニタ画面200において演出図柄の仮停止表示タイミングとなると、図38(7)に示すように、1つ目の擬似モニタ画面200内において、演出図柄(本例では、リーチはずれ図柄)が仮停止表示される(ステップS8137参照)。
また、2つ目の擬似モニタ画面201においてエフェクト表示およびチャンスアップ演出の実行タイミングとなると、図38(7)に示すように、2つ目の擬似モニタ画面201内において、エフェクト画像212が表示される(ステップS8115参照)とともに、チャンスアップ画像213が表示される(ステップS8112参照)。この実施の形態では、図38(7)に示すように、エフェクト画像212として飛行機の幻影のような絵柄の画像が表示され、チャンスアップ画像213として青色、緑色または赤色の表示色で花の絵柄の画像が表示される。
次いで、2つ目の擬似モニタ画面201において演出図柄の仮停止表示タイミングとなると、図38(8)に示すように、2つ目の擬似モニタ画面201内において、演出図柄(本例では、リーチはずれ図柄)が仮停止表示される(ステップS8137参照)。
また、3つ目の擬似モニタ画面202においてエフェクト表示およびチャンスアップ演出の実行タイミングとなると、図38(8)に示すように、3つ目の擬似モニタ画面202内において、エフェクト画像214が表示される(ステップS8115参照)とともに、チャンスアップ画像215が表示される(ステップS8112参照)。この実施の形態では、図38(8)に示すように、エフェクト画像214として飛行機の幻影のような絵柄の画像が表示され、チャンスアップ画像215として青色、緑色または赤色の表示色で花の絵柄の画像が表示される。
なお、図38(6)〜(8)に示す例では、同じ擬似モニタ画面においてエフェクト表示とチャンスアップ演出とが同じタイミングで実行される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、同じ擬似モニタ画面においてチャンスアップ演出よりもエフェクト表示の方が先のタイミングで実行されるようにしてもよいし、逆にエフェクト表示よりもチャンスアップ演出の方が先のタイミングで実行されるようにしてもよい。
また、図38(7),(8)に示す例では、ある擬似モニタ画面において演出図柄を仮停止表示させるタイミングと、次に分割表示された擬似モニタ画面においてエフェクト表示やチャンスアップ演出が実行されるタイミングとが同じである場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、ある擬似モニタ画面において演出図柄を仮停止表示させた後に、次に分割表示された擬似モニタ画面においてエフェクト表示やチャンスアップ演出を実行してもよいし、ある擬似モニタ画面において演出図柄を仮停止表示させる前に、次に分割表示された擬似モニタ画面においてエフェクト表示やチャンスアップ演出を実行してもよい。
次いで、3つ目の擬似モニタ画面202において役物演出の実行タイミングとなると、図39(9)に示すように、飛行機の形状を模した可動部材76が動作され、役物演出が実行される(ステップS8118参照)。
なお、この実施の形態では、最後に分割表示された3つ目の擬似モニタ画面202より前に分割表示された1つ目および2つ目の擬似モニタ画面200,201において役物演出の実行タイミングとなっても禁則処理が行われる(ステップS8117参照)ので、図37および図38に示すように、1つ目および2つ目の擬似モニタ画面200,201に対しては役物演出は実行されない。
次いで、3つ目の擬似モニタ画面202においてボタン演出の操作有効期間の開始タイミングとなると、図39(10)に示すように、3つ目の擬似モニタ画面202内において、操作ボタン120の操作を指示する操作指示表示216の表示が開始され、ボタン予告演出が開始される(ステップS8123参照)。なお、図39(10)に示す例では、操作指示表示216として、操作ボタン120を模した画像とともに「ボタンを押せ!」などの文字表示が表示される場合が示されている。
なお、この実施の形態では、最後に分割表示された3つ目の擬似モニタ画面202より前に分割表示された1つ目および2つ目の擬似モニタ画面200,201においてボタン演出の操作有効期間の開始タイミングとなっても禁則処理が行われる(ステップS8122参照)ので、図37および図38に示すように、1つ目および2つ目の擬似モニタ画面200,201に対してはボタン演出は実行されない。
次いで、ボタン演出の操作有効期間中に操作ボタン120による操作が検出され(ステップS8126,S8127参照)、その後、ボタン演出の操作有効期間の終了タイミングとなると、図39(11)に示すように、3つ目の擬似モニタ画面202内において予告表示217の表示が開始される(ステップS8132参照)。なお、図39(11)に示す例では、予告表示217として、「激熱!」などの文字表示が表示される場合が示されている。
なお、図39(9)〜(11)に示す例では、役物演出を実行した後にボタン演出を実行する場合を示しているが、演出の実行順は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、ボタン演出を実行した後に役物演出を実行するように構成してもよい。
また、図38(6)〜図39(11)に示す例では、役物演出、ボタン演出、およびチャンスアップ演出の全ての実行が決定され実行される場合を示しているが、例えば、役物演出の実行が決定されなかった場合には、図38(6)〜(8)に示すエフェクト表示は実行されず、図39(9)に示す役物演出も実行されないことになる。また、ボタン演出の実行が決定されなかった場合には、図39(10),(11)に示すボタン演出は実行されないことになる。また、チャンスアップ演出の実行が決定されなかった場合には、図38(6)〜(8)に示すチャンスアップ演出は実行されないことになる。
次いで、3つ目の擬似モニタ画面202において演出図柄の仮停止表示タイミングとなると、図39(12)に示すように、3つ目の擬似モニタ画面202内において、演出図柄(本例では、大当り図柄)が仮停止表示される(ステップS8136,S8137参照)。
そして、その後、変動時間を終了すると、図40(13)に示すように、最後に分割表示された3つ目の擬似モニタ画面202内で仮停止表示されている停止図柄(本例では、大当り図柄)が確定表示される(ステップS8306参照)。なお、図40(13)に示すように、3つ目の擬似モニタ画面202よりも前に分割表示された1つ目および2つ目の擬似モニタ画面200,201内で仮停止表示されている演出図柄(本例では、リーチはずれ図柄)に関しては、そのまま仮停止表示されているままの状態とし確定表示されない。
なお、この実施の形態では、図40(13)に示すように、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面では演出図柄が仮停止表示されているままの状態となる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面は暗転表示(ブラックアウト)して演出図柄が視認できなくしたり、完全に暗転表示しなくても表示を暗くして視認しにくくしたりしてもよく、何らかの形式で最後に分割表示された擬似モニタ画面において確定表示されている演出図柄の組み合わせが最終的な表示結果であることを認識しやすくできるものであればよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されることを示唆する特定演出(本例では、スーパーリーチAやスーパーリーチBなどのリーチ演出)を実行可能であるとともに、複数の特定演出を並行して実行する特別演出(本例では、マルチモニタリーチ演出)を実行可能である。また、特定演出の実行中に、該特定演出が実行される表示手段(本例では、演出表示装置9、擬似モニタ200〜202)とは異なる演出手段(本例では、可動部材76、操作ボタン120)を用いた特殊演出(本例では、役物演出、ボタン演出)を実行可能である。そして、特別演出において、複数の特定演出のうちのいずれか一の特定演出を対象として特殊演出を実行可能であり(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面において役物演出の実行タイミングとなったときに役物演出を実行したり、ボタン演出の操作有効期間の開始タイミングとなったときに、操作指示表示216の表示を開始してボタン演出を開始したりする)、該一の特定演出以外の特定演出に対しては特殊演出を実行しない(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面において役物演出の実行タイミングとなったときやボタン演出の操作有効期間の開始タイミングとなったときには、禁則処理により役物演出を実行せず、禁則処理により操作指示表示216を表示せずボタン演出を実行しない)。そのため、複数の特定演出を並行して実行可能に構成した場合に適切な演出制御を実現でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
具体的には、複数のリーチ演出を並行して実行するマルチモニタリーチ演出を実行可能に構成した場合、それぞれのリーチ演出に対応して特殊演出(役物演出やボタン演出)を実行すると、特殊演出がどのリーチ演出に対応しているのかが不明確となって演出が複雑化し、却って遊技に対する興趣が低下する可能性がある。そこで、この実施の形態では、特別演出(マルチモニタリーチ演出)の実行中においては、複数の特定演出(リーチ演出)のうちのいずれか1つの特定演出(リーチ演出)を対象として特殊演出を実行し、他の特定演出に対しては特殊演出を実行しないように制御することによって、演出の複雑化を抑制しつつ、遊技に対する興趣を向上できるようにしている。
また、この実施の形態によれば、特定演出の実行中に、可動体(本例では、可動部材76)を動作させる可動体演出(本例では、役物演出)を実行可能である。また、特別演出において、複数の特定演出のうちのいずれか一の特定演出を対象として可動体演出を実行可能であり(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面において役物演出の実行タイミングとなったときに役物演出を実行する)、該一の特定演出以外の特定演出に対しては可動体演出を実行しない(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面において役物演出の実行タイミングとなったときには、禁則処理により役物演出を実行しない)。そのため、複数の特定演出を並行して実行可能に構成した場合に可動体演出の適切な演出制御を実現でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、特定演出の実行中に、操作手段(本例では、操作ボタン120)による操作を伴う操作演出(本例では、ボタン演出)を実行可能である。また、特別演出において、複数の特定演出のうちのいずれか一の特定演出を対象として操作演出を実行可能であり(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面においてボタン演出の操作有効期間の開始タイミングとなったときに、操作指示表示216の表示を開始してボタン演出を開始する)、該一の特定演出以外の特定演出に対しては操作演出を実行しない(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面においてボタン演出の操作有効期間の開始タイミングとなったときには、禁則処理により操作指示表示216を表示せずボタン演出を実行しない)。そのため、複数の特定演出を並行して実行可能に構成した場合に操作演出の適切な演出制御を実現でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、特殊演出が可動体演出(本例では、役物演出)や操作演出(本例では、ボタン演出)である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特殊演出として、スピーカ27から特定の効果音を出力する演出を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、マルチモニタリーチ演出が開始されると、マルチモニタリーチ演出専用のBGMなどの音出力に切り替えるように構成し、この実施の形態で示した役物演出やボタン演出と同様に、最後に分割表示される擬似モニタ画面に対してのみ特殊演出としての特定の効果音を出力し、それより前に分割表示される擬似モニタ画面に対しては専用のBGMなどの音出力のみで、特殊演出としての特定の効果音は出力しないように構成してもよい。そのように構成すれば、マルチモニタリーチ演出を実行する場合に出力する音が混在して却って演出音がわからなくなる事態を防止し、適切な演出制御を実現することができる。
また、例えば、特殊演出として、導光板を備える遊技機において導光板を表示させる導光板演出を実行し、最後に分割表示される擬似モニタ画面に対してのみ導光板演出を実行するように構成してもよく、様々な演出態様が考えられる。
また、この実施の形態では、一の特定演出以外の特定演出に対しては特殊演出(可動体演出(本例では、役物演出)や操作演出(本例では、ボタン演出))を全く実行しないように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、特殊演出として可動体演出(本例では、役物演出)を実行する場合に、可動部材76の動作範囲を小さくすることにより特殊演出を制限してもよいし、特殊演出として導光板演出を実行する場合に、導光板の輝度を低下させることにより特殊演出を制限してもよい。また、例えば、特殊としてスピーカ27から特定の効果音を出力する演出を実行する場合に、スピーカ27からの音量を小さくして特殊演出を制限してもよい。さらに、特殊演出を全く実行しないようにするのではなく、特殊演出の実行割合を低下させることにより特殊演出を制限してもよい。そのように、特殊演出を全く実行しないものにかぎらず、何らかの形式で特殊演出が制限されているものであればよい。
また、この実施の形態では、最後の擬似モニタ画面が分割表示された後に役物演出やボタン演出を実行することにより、最後に分割表示された擬似モニタ画面において実行されるリーチ演出に対して役物演出やボタン演出が実行されていることを認識可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、最後に分割表示される擬似モニタ画面よりも前に分割表示される擬似モニタ画面において実行されるリーチ演出に対して役物演出やボタン演出が実行されるように構成してもよい。この場合、例えば、最終的に4つの擬似モニタ画面が分割表示される場合であっても、3つ目の擬似モニタ画面が分割表示された後、4つ目の擬似モニタ画面が分割表示される前に役物演出やボタン演出を実行することによって、3つ目の擬似モニタ画面において実行されるリーチ演出に対して役物演出やボタン演出が実行されていることを認識可能とするものであってもよい。
また、この実施の形態では、複数分割表示される擬似モニタ画面のうちの1つの擬似モニタ画面(本例では、最後に分割表示される擬似モニタ画面)でのみ役物演出やボタン演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、3つの擬似モニタ画面が分割表示されるマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−2,PC1−5の変動パターンの場合)、そのうちの2つの擬似モニタ画面を対象として役物演出やボタン演出を実行したり、4つの擬似モニタ画面が分割表示されるマルチモニタリーチ演出が実行される場合(マルチPC1−3,PC1−6の変動パターンの場合)、そのうちの2つまたは3つの擬似モニタ画面を対象として役物演出やボタン演出を実行したりしてもよく、少なくとも1つの擬似モニタ画面で役物演出やボタン演出を実行しないように禁則をかけるものであればよい。
また、この実施の形態では、1つの演出表示装置9において複数の擬似モニタ画面を分割表示し、それぞれの擬似モニタ画面においてリーチ演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、メイン液晶表示装置とサブ液晶表示装置など複数の表示装置を備え、それぞれの表示装置においてリーチ演出を並行して実行することによりマルチモニタリーチ演出を実行可能に構成した遊技機に、この実施の形態で示した構成を適用してもよい。
例えば、メイン液晶表示装置とサブ液晶表示装置とを備え、そのメイン液晶表示装置とサブ液晶表示装置とでリーチ演出を並行して実行可能に構成し、メイン液晶表示装置にのみシャッタ形状などの可動部材を備える場合に、そのシャッタ形状の可動部材を動作させる役物演出を実行することにより、メイン液晶表示装置において実行されているリーチ演出に対して役物演出が実行されたことを認識可能に構成してもよい。また、例えば、メイン液晶表示装置に加えて、複数のサブ液晶表示装置があり、それぞれの表示装置においてリーチ演出を並行して実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、可動部材を複数備え、それぞれの可動部材に対応する表示装置が区別可能に構成されていることによって、いずれのリーチ演出に対して役物演出が実行されたかを認識可能に構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、操作手段が操作ボタン120である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、操作手段として、傾倒操作が可能なスティックコントローラや、回転操作が可能なジョグダイヤル、十字キー、タッチパネルなどを備え、それらの操作を伴う操作演出を実行可能に構成してもよい。また、遊技者の動作を検出可能な光センサや赤外線センサを備えるように構成し、操作演出に代えて、遊技者の動作を伴う動作演出を実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、擬似モニタ画面が最大で4つまで分割表示されてマルチモニタリーチ演出が実行される場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、擬似モニタ画面が最大で3つまで分割表示されるように構成してもよいし、擬似モニタ画面が最大で5以上分割表示されるように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特殊演出として、可動体(本例では、可動部材76)を動作させる可動体演出(本例では、役物演出)を実行可能であり、特定演出の実行中に、可動体演出の実行を示唆する示唆演出(本例では、エフェクト表示)を実行可能である。また、特別演出において、複数の特定演出のうちのいずれか一の特定演出を対象として示唆演出を実行可能であるとともに(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面においてエフェクト表示の実行タイミングとなったときにエフェクト画像を表示する)、該一の特定演出以外の特定演出に対しても示唆演出を実行可能である(本例では、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面においてエフェクト表示の実行タイミングとなったときにもエフェクト画像を表示する)。そのため、特殊演出の対象であるか否かにかかわらず示唆演出を実行可能であり、特殊演出の対象であるか否かにかかわらず共通の演出データを使用することができる。
なお、この実施の形態では、エフェクト表示に関しては禁則処理を実行せず、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面でエフェクト画像を表示可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト表示に関しても禁則処理を実行して、最後に分割表示された擬似モニタ画面よりも前に分割表示された擬似モニタ画面においてエフェクト画像を表示しないように構成してもよい。
また、この実施の形態では、役物演出を実行する場合に全ての擬似モニタ画面でエフェクト表示を実行する場合を示しているが、全ての擬似モニタ画面で実行する必要はなく、一部の擬似モニタ画面でエフェクト表示を実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態では、エフェクト画像として飛行機の幻影のような絵柄の画像を表示することにより役物演出の実行を示唆する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト画像として操作ボタン120の幻影のような絵柄の画像を表示することにより、ボタン演出の実行を示唆するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特別演出において、複数の特定演出を互いに異なる表示領域において並行して実行可能である(本例では、図37〜図38に示すように、複数の擬似モニタ画面200〜202においてそれぞれスーパーリーチを実行可能である)。そのため、特別演出に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、図37〜図40に示すように、擬似モニタ画面200〜202の一部が互いに重複するように表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、各擬似モニタ画面が全く重複しないように表示するものであってもよい。そのように、「互いに異なる表示領域」とは、リーチ演出を実行する各擬似モニタ画面の一部が重複するものであってもよいし、全く重複しないものであってもよく、擬似モニタ画面間で少なくとも重複しない領域が存在するように構成されていればよい。
また、この実施の形態によれば、表示領域を順次分割表示し、少なくとも、分割表示した第1表示領域において特定演出を実行可能であるとともに、第1表示領域の後に分割表示した第2表示領域において特定演出を実行可能である(本例では、図37(3)〜図38(5)に示すように、例えば、擬似モニタ画面200〜202を順次分割表示し、1つ目に分割表示した擬似モニタ画面200においてスーパーリーチAを実行し、2つ目の分割表示した擬似モニタ画面201においてスーパーリーチAを実行し、3つ目の分割表示した擬似モニタ画面202においてスーパーリーチBを実行する)。また、第2表示領域において、第1表示領域に表示した表示結果よりも有利な表示結果を高い割合により表示する(本例では、図40(13)に示すように、例えば、1つ目および2つ目に分割表示した擬似モニタ画面200,201ではリーチはずれ図柄を仮停止表示したままの状態とし、3つ目に分割表示した擬似モニタ画面202において大当り図柄を確定表示する)。そのため、特別演出において遊技者に注目させる表示領域を明確にすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、「有利な表示結果」として、先に分割表示した擬似モニタ画面ではリーチはずれ図柄を仮停止表示し、後に分割表示した擬似モニタ画面では大当り図柄を仮停止表示および確定表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、先に分割表示した擬似モニタ画面では非確変図柄の組み合わせを仮停止表示し、後に分割表示した擬似モニタ画面では確変図柄の組み合わせを仮停止表示および確定表示することにより、有利な表示結果を表示するものであってもよい。また、例えば、先に分割表示した擬似モニタ画面では突然確変大当り図柄など賞球を期待できない図柄の組み合わせを仮停止表示し、後に分割表示した擬似モニタ画面では15ラウンドの大当り(通常大当りや確変大当り)の賞球を期待できる図柄の組み合わせを仮停止表示および確定表示することにより、有利な表示結果を表示するものであってもよい。また、例えば、先に分割表示した擬似モニタ画面ではラウンド数の少ない大当り(例えば、5ラウンド大当りや7ラウンド大当り)の図柄の組み合わせを仮停止表示し、後に分割表示した擬似モニタ画面ではラウンド数の多い大当り(例えば、15ラウンド大当り)の図柄の組み合わせを仮停止表示および確定表示することにより、有利な表示結果を表示するものであってもよい。そのように何らかの形式で、後に分割表示した擬似モニタ画面の方が有利な表示結果を表示するものであればよい。
また、この実施の形態では、大当りとなる場合に、必ず先に分割表示した擬似モニタ画面ではリーチはずれ図柄を仮停止表示し、後に分割表示した擬似モニタ画面では大当り図柄を仮停止表示および確定表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当りとなる場合であっても、先に分割表示した擬似モニタ画面でも大当り図柄を仮停止表示する場合と、先に分割表示した擬似モニタ画面ではリーチはずれ図柄を仮停止表示する場合との両方が存在するように構成してもよい。そのように何らかの形式で、先に分割表示した擬似モニタ画面よりも後に分割表示した擬似モニタ画面の方が高い割合で有利な表示結果を表示するものであればよい。
また、この実施の形態によれば、特別演出における複数の特定演出のうちのいずれか一の特定演出に対応して所定演出(本例では、チャンスアップ演出)を実行するか否かを決定し(本例では、最後に分割表示される擬似モニタ画面に対してチャンスアップ演出の有無および種類を決定する)、その決定結果にもとづいて、一の特定演出に対応して所定演出を実行可能である(本例では、最後に分割表示される擬似モニタ画面に対してチャンスアップ演出を実行する)。また、その決定結果にもとづいて、一の特定演出以外の特定演出に対応しても所定演出を実行可能である(本例では、最後に分割表示される擬似モニタ画面よりも前に分割表示される擬似モニタ画面に対してもチャンスアップ演出を実行する)。そのため、所定演出の決定処理の簡略化を図りつつ、一の特定演出に対する決定結果を他の特定演出に対しても反映させて、特別演出における見た目の期待感の統一を図ることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、チャンスアップ演出として、青色や緑色、赤色の表示色で花の絵柄のチャンスアップ画像を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、チャンスアップ演出として、青色や緑色、赤色などの表示色でキャラクタのセリフ表示やテロップ表示などを行ってもよく、様々な態様が考えられる。
また、この実施の形態によれば、擬似モニタ画面が順に増加している態様でマルチモニタリーチ演出を実行するので、擬似モニタがいくつまで増加するかに対して期待感を抱かせることができ、遊技者の期待感を煽ることができる。また、この実施の形態によれば、分割表示される全ての擬似モニタ画面においてエフェクト表示やチャンスアップ演出など何らかの動きがあるので、演出に見応えがあり、演出効果を高めることができる。また、この実施の形態によれば、手前に最も大きく表示される擬似モニタ画面において実行される演出が最も期待度の高い演出になるので、遊技者を演出に対して適切に注目させることができる。また、この実施の形態によれば、手前に分割表示する擬似モニタ画面程大きいサイズで表示するので、単に擬似モニタ画面を複数分割表示するよりも、各擬似モニタ画面の大きさにメリハリをつけることができ、各擬似モニタ画面で実行される演出にメリハリをつけることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態において、さらに特定演出(リーチ演出)の実行前に導入演出を実行可能に構成してもよい。以下、特定演出(リーチ演出)の実行前に導入演出を実行可能に構成した第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
まず、この実施の形態のマルチモニタリーチについて説明する。ここでは、4つの擬似モニタを表示するマルチモニタリーチを一例に説明する。図41は、第2の実施の形態における4つの擬似モニタを表示するマルチモニタリーチを実行する変動パターン(マルチPC1−6の変動パターンに相当)の可変表示の内容を示すタイミングチャートである。
図41に示すように、変動(可変表示)が開始すると基本モニタ(演出表示装置9の飾り図柄表示エリア(左中右の図柄表示エリアに相当)において飾り図柄(演出図柄に相当)の変動が実行される。そして、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアに同じ数字の図柄が停止しリーチが成立する。そして、「中」の飾り図柄表示エリアにおいて、飾り図柄がスクロールするノーマルリーチのリーチ演出が実行される。
その後、ノーマルリーチが発展することを示す導入演出が実行される。このとき、演出表示装置9において、画面が分割して飾り図柄の変動を実行する表示領域が増加する増加演出が実行され、2分割目の擬似モニタが生成される。元々ノーマルリーチが実行されていた基本モニタでは、導入演出が実行されたことに対応してロングリーチに発展する。増加した2分割目の擬似モニタでは、例えば基本モニタと同じ数字の図柄が揃ったノーマルリーチのリーチ演出が実行される。
2分割目の擬似モニタでは、その後、ノーマルリーチが発展することを示す導入演出が実行されるとともに、画面が分割して飾り図柄の変動を実行する表示領域が増加する増加演出が実行され、3分割目の擬似モニタが生成される。2分割目の擬似モニタでは、導入演出が実行されたことに対応してスーパーリーチAに発展する。増加した3分割目の擬似モニタでは、例えば基本モニタと同じ数字の図柄が揃ったノーマルリーチのリーチ演出が実行される。
3分割目の擬似モニタでは、その後、ノーマルリーチが発展することを示す導入演出が実行されるとともに、画面が分割して飾り図柄の変動を実行する表示領域が増加する増加演出が実行され、4分割目の擬似モニタが生成される。3分割目の擬似モニタでは、導入演出が実行されたことに対応してスーパーリーチAに発展する。増加した4分割目の擬似モニタでは、例えば基本モニタと同じ数字の図柄が揃ったノーマルリーチのリーチ演出が実行される。
4分割目の擬似モニタを除くモニタでは、導入演出が実行されてリーチが発展した後、所定期間経過後に順次ハズレの組合せとなる飾り図柄が導出表示される。可変表示結果がハズレとなったモニタは、例えば図41に示すように、ブラックアウトさせる等によって当該モニタにおける飾り図柄等の表示態様を視認しづらい状態に変化させる。このようにすることで、未だ変動が実行されているモニタに注目しやすくなる。ハズレとなったモニタにおける飾り図柄等の表示態様を視認しづらい状態に変化させる方法は任意であり、モニタのサイズを縮小したり、遮蔽物により覆うようにしてもよい。
4分割目の擬似モニタでは、その後、ノーマルリーチが発展することを示す導入演出が実行され、スーパーリーチBに発展する。4分割目の擬似モニタでは、その後、所定期間経過後に大当りの組合せとなる飾り図柄が導出表示される。
このように、この実施の形態のマルチモニタリーチでは、増加した少なくとも一の擬似モニタでは、他のモニタと異なるリーチ演出を実行可能になっているとともに、各モニタでは、リーチ演出が同時進行で実行され、増加演出により増加した順番に表示結果が順次導出表示される。これにより、順次リーチ演出が実行される場合と比べて演出の間延びを抑えることができる。また、いずれのモニタにおいて大当りとなるかに注目させることができる。また、各モニタではそれぞれのタイミングで表示結果が導出表示されるので、遊技者が退屈することがない。
図42は、第2の実施の形態における導入演出の演出表示装置9における演出動作例を示す図である。図42(A)は、可変表示結果が導出表示されている状態を示している。その後、始動入賞が発生したことや既に記憶されていた保留データに基づいて、図42(B)に示すように、飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の可変表示が開始される。ここでは、スーパーリーチAを実行する変動パターンに決定されたものとする。この場合、図42(C)に示すように、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアに同じ数字(ここでは「6」)の図柄が停止しリーチが成立し、「中」の飾り図柄表示エリアにおいて、飾り図柄がスクロールするノーマルリーチのリーチ演出が実行される。
その後、図42(D)に示すように、演出表示装置9が光って一時的に飾り図柄を視認できない状態になる導入演出が実行される。その後、図42(E)に示すように、スーパーリーチAに発展する。
図43は、第2の実施の形態における4つの擬似モニタを表示するマルチモニタリーチを実行する変動パターン(マルチPC1−6の変動パターンに相当)の可変表示が実行される場合の演出表示装置9における演出動作例を示す図である。この場合、最初の基本モニタにおいて導入演出が実行される場合は、図42(A)〜(D)に示すような演出動作となる。
マルチモニタリーチが実行される場合には、図42(D)に示すように、導入演出が実行されると、図43(A)に示すように、画面が上下に分割して飾り図柄の変動を実行する表示領域が増加する増加演出が実行され、2分割目の擬似モニタ5−2が生成される。基本モニタ5−1では、導入演出が実行されたことに対応してロングリーチに発展する。
2分割目の擬似モニタ5−2では、基本モニタと同じ数字の図柄が揃ったノーマルリーチのリーチ演出が実行され、その後、図43(B)に示すように、導入演出が実行される。そして、図43(C)に示すように、画面が分割して増加する増加演出が実行され、3分割目5−3の擬似モニタが生成される。2分割目の擬似モニタ5−2では、スーパーリーチAに発展する。3分割目の擬似モニタ5−3では、例えば基本モニタと同じ数字の図柄が揃ったノーマルリーチのリーチ演出が実行される。基本モニタ5−1では、ハズレの組合せとなる飾り図柄が導出表示される。
続いて、図43(D)に示すように、3分割目の擬似モニタ5−3では、導入演出が実行される。そして、図43(E)に示すように、画面が分割して増加する増加演出が実行され、4分割目5−4の擬似モニタが生成される。3分割目の擬似モニタ5−3では、スーパーリーチAに発展する。4分割目の擬似モニタ5−4では、例えば基本モニタと同じ数字の図柄が揃ったノーマルリーチのリーチ演出が実行される。2分割目の擬似モニタ5−2では、ハズレの組合せとなる飾り図柄が導出表示される。
続いて、図43(F)に示すように、4分割目の擬似モニタ5−4において、導入演出が実行され、図43(G)に示すように、スーパーリーチBに発展する。
その後、図43(H)に示すように、3分割目の擬似モニタ5−3において、ハズレの組合せとなる飾り図柄が導出表示され、図43(I)に示すように、4分割目の擬似モニタ5−4において、大当り組合せとなる飾り図柄が導出表示され、図43(J)に示すように、通常サイズの演出表示装置9が表示され(大当りとなったモニタが通常サイズで表示され)、大当りとなることが報知される。
図43(D)〜(I)に示すように4分割目の擬似モニタを除くモニタ5−1〜5−3では、ハズレの組合せとなる飾り図柄が導出表示された後、ブラックアウトさせる。このようにすることで、未だ変動が実行されているモニタに注目しやすくなる。なお、表示結果が導出表示されたモニタのサイズを小さくして、変動中のモニタのサイズを大きくするように制御してもよい。また、導出表示された飾り図柄をモニタから消去することで、該モニタの変動が終了したことを遊技者に知らせることができる。
このように、この実施の形態では、導入演出が実行されるタイミングにおいて、擬似モニタを増加させる増加演出を実行可能であるとともに、増加した複数のモニタにおいてリーチ演出を実行可能である。これにより、導入演出によりリーチが発展することに注目しているときに、増加演出が実行されることがあるので、演出に意外性を持たせることができ、遊技の興趣が向上する。また、複数のモニタにおいてリーチ演出が実行されることで、大当りとなる可能性も増加するような演出が可能となる。また、遊技者が増加演出の実行タイミングを把握しやすくなり、導入演出によりリーチが発展するか増加演出が実行されるかを楽しめるようになる。
なお、導入演出が実行されるタイミングにおいて、擬似モニタを増加させる増加演出を実行可能であるが、導入演出が実行されるタイミングは、完全一致である必要はなく、導入演出に対応したタイミングで増加演出が実行されればよい。例えば、導入演出の開始タイミング、導入演出の実行中、導入演出の終了時等に増加演出を実行するようにしてもよい。なお、増加演出の実行タイミング複数種類のいずれかに決定するようにしてもよい。また、増加演出の実行タイミングにあわせて専用BGMを出力してもよい。このようにすることで、増加演出によりモニタが増加したときに、各モニタでBGMを出力する必要がなく、遊技者を混乱させない。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示領域を分割していくことで、擬似モニタを増加させる増加演出が実行されていたが、演出表示装置9に演出表示装置9よりも小さいサイズの基本モニタ5−1を表示した後に、演出表示装置9に順次擬似モニタを表示することで擬似モニタを増加させる増加演出を実行するようにしてもよい。
図44は、第2の実施の形態における順次擬似モニタを表示する場合の変形例のマルチモニタリーチの演出動作を示す図である。この変形例では、4つの擬似モニタを表示するマルチモニタリーチを実行する変動パターン(マルチPC1−6の変動パターンに相当)のマルチモニタリーチが実行される場合には、図42(D)に示すように、導入演出が実行されると、図44(A)に示すように、演出表示装置9に基本モニタ5−1が表示され、ロングリーチに発展する。そして、図44(B)に示すように、新たに2分割目の擬似モニタ5−2が表示される増加演出が実行される。このとき、導入演出が実行された基本モニタ5−1から2分割目の擬似モニタ5−2から分かれて分割、派生するように表示されてもよい。このようにすることで、導入演出を契機に導入演出が実行されたモニタから新たに擬似モニタが分割して増加するような増加演出を実行することができる。
その後は、図43に示した例と同様に、各モニタにおいて導入演出、リーチ演出が実行される。なお、図43(A)〜(J)の演出内容が、図44(B)〜(I)の演出内容に対応しているため、説明は省略する。
図44に示す例では、新たに表示された擬似モニタは、分割、派生元のモニタよりも大きく表示するとともに、分割、派生元のモニタを縮小し、重ねて表示することで、分割、派生元のモニタより遊技者から見て手前側に表示されるようになっている。このようにすることで、新たに増加したモニタに遊技者が注目しやすくなるとともに、奥行きのある見せ方でマルチモニタリーチの演出効果を高めることができる。なお、この場合であっても、遊技者から見て奥のモニタの表示結果を視認できるようにすることが好ましい。ハズレの表示結果となったモニタについては視認できないようにしてもよい。
また、図44に示す例では、各モニタ5−1〜5−4を表示する演出表示装置9における背景BGの表示色がモニタが増加する毎に変化するようになっている。このようにすることで、モニタの数に連動した演出を実行でき、増加演出やマルチモニタリーチの演出効果が高まる。なお、背景BGの表示色を変化されるのではなく、背景BGに表示される画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。また、モニタが増加する毎に背景BGの表示態様を変化させることに加えて、各モニタの枠の部分の表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、各モニタの枠の部分の表示色を背景BGと同様の色に変化させてもよい。
なお、この実施の形態では、具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、導入演出や増加演出に応じたプロセステーブルを用いて演出図柄変動中処理(ステップS802)を実行することによって、演出図柄の変動表示中にマルチモニタリーチ演出を実行する際に導入演出や増加演出を実行する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、特定演出の実行前に導入演出(本例では、図42(D)や、図43(B)、図43(D)、図43(F)に示す導入演出)を実行可能であり、導入演出が実行される度に、表示領域を増加させる増加演出(本例では、図43(A)や、図43(C)、図43(E)に示す増加演出)を実行可能である。また、増加演出により増加した複数の表示領域において特定演出を実行可能である(本例では、図43(A)や、図43(C)、図43(E)に示すように、増加した擬似モニタでロングリーチやスーパーリーチAなどのリーチ演出が実行される)。そのため、特定演出が実行されることに注目しているときに、増加演出が実行されることがあるので、興趣が向上する。
なお、上記に示した第1の実施の形態〜第2の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせて遊技機を構成することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図2に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。