JP6693792B2 - 建具 - Google Patents
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Description
そして、ガラスパネルの下端部の室外側の面はパッキンを介して室外側下框に保持され、屋内側の面はパッキンを介して室内側下框の上部に装着した押縁によって押圧保持されている。室外側下框と室内側下框と押縁とはガラスパネルの下端部を押圧保持するパネル嵌合溝を構成している。この押縁はパネル嵌合溝に開口しているため外気に連通する外圧空間を構成している。
特許文献1では室外側下框と室内側下框を連結するブリッジ材の凹状部に排水孔を設けて下枠に排水しているが、ブリッジ部材の上部には室外側下框と室内側下框の上部に着座するガラスパネル受け台とが設置されているため排水性は十分でなく、押縁内に雨水が溜まるおそれがあった。
また、室内側下框と押縁はアルミ合金製であり、両者の係合部はメタルタッチとされ、押縁の内壁に結露するため押縁内に結露水が溜まるおそれがあった。
本発明による建具によれば、下部押縁及び下框で形成された外圧空間は外圧空間の最下部に設けた穴部によって外気に通気しており、パネル嵌合溝を通して雨水が下部押縁及び下框で仕切られた空間内に流れ込んだり下部押縁の壁面に結露した結露水が流れ落ちたりしても第二係合部を通して屋内側に流れ込むことを阻止でき、最下部に設けた穴部を通して外部に排水できる。
また、気密ピースは下部押縁及び下框で形成した外圧空間の両側を気密に封止しているため、下部押縁の組み立てに際して下部押縁の一端と他端を順次取り付ける際に気密ピースが押されて弾性変形するのでけんどん代を確保できる。
下部押縁の両端部に形成した外圧空間の両端を封止する気密ピースとして弾性体を設けたことで、確実に気密性を確保できる。
本発明による建具は、枠体内に障子を納めた建具において、前記障子の下框に設けられていてパネルが収納されたパネル嵌合溝と、前記下框のパネル嵌合溝の屋内側に取り付けられた下部押縁と、前記下部押縁及び下框とで仕切られた空間における前記下部押縁及び下框を係合する屋外側の第一係合部及び屋内側の第二係合部とを備え、前記空間内の第二係合部より下側の最下部に外気に連通する穴部を形成し、前記下部押縁及び下框の空間が前記穴部に連通する外圧空間と屋内側圧力を有する内圧空間とに仕切られており、前記下部押縁の両端部に前記外圧空間の両端を封止する気密ピースを設置したことを特徴とする。
図1に示す実施形態による縦辷り出し窓1は例えばアルミ合金等の金属部材と樹脂部材の複合建具からなっている。この縦辷り出し窓1は、躯体の開口部2にそれぞれアルミ合金及び樹脂からなる上枠3と下枠4と左右の縦枠5、6とが四角形枠状に形成された枠体7を取り付けている。
枠体7内に開閉可能に納めた障子9は、それぞれアルミ合金と樹脂からなる上框10及び下框11と左右の縦框12,13とが略四角形枠状に形成された框体14を有している。框体14の内部にはパネルとして例えば二層ガラス等の複層ガラスからなるガラスパネル15を納めている。障子9の吊元は枠体7の見付け方向の一端部である縦枠6近傍に設けられ、その軸線は上下方向に延びて上枠3と下枠4に支持されている。
また、図3に示す横断面図において、戸先側(図3において左側)に設けた縦枠5は屋外側に設けたアルミ合金からなる金属縦枠5aと屋内側に設けた樹脂縦枠5bとが互いに係合されている。吊元側に設けた縦枠6は屋外側に設けたアルミ合金からなる金属縦枠6aと屋内側に設けた樹脂縦枠6bとが互いに係合されている。
金属上框17と金属下框18に形成したパネル嵌合溝17a、18aの屋内側にはパッキン22を介してガラスパネル15の屋内側の側面を押圧保持するための上部押縁24、下部押縁25がそれぞれ取り付けられている。
同様に下部押縁25も金属押縁片25aと樹脂押縁片25bが係合部a,b,c,dで係合され、金属押縁片25aとパネル嵌合溝18aとで断面略コの字状とされてガラスパネル15を保持する。
そのため、上框10は金属上框17と上部押縁24で構成され、下框11は金属下框18と下部押縁25で構成されている。
右側の金属縦框20にはガラスパネル15の右側端部を嵌合するための断面略L字状のパネル嵌合溝20aが形成され、ゴム等のシール材からなるパッキン22によってガラスパネル15の右側端部の両面を保持している。
そして、右側の金属縦框20に形成した断面略L字状のパネル嵌合溝20aの屋内側にはパッキン22を介してガラスパネル15を押圧保持するための縦部押縁28が取り付けられている。
また、金属縦枠6aの屋内側端部には略L字状に屈曲する屋外側を向く部分に受け部6aaが形成され、この受け部6aaにシール部材26cが取り付けられている。閉鎖状態にある障子9の金属縦框20の屋内側端部がシール部材26cに当接して気密にシールする。
また、吊先側の金属縦枠5aの屋内側端部には略L字状に屈曲して屋外側を向く部分に受け部5aaが形成され、この受け部5aaに気密性を確保するシール部材26dが取り付けられている。閉鎖状態にある障子9の金属縦框19の屋内側端部がシール部材26dに当接して気密にシールする。
その一方で、障子9の框体14における上框10と下框11と吊元側の縦框13には金属上框17、金属下框18、吊元側の金属縦框20にそれぞれ屋内側から内押縁として上部押縁24、下部押縁25、縦部押縁28が設置されていることで、各パネル嵌合溝17a,18a、20aとの間でガラスパネル15を屋内側から押圧して固定している。この場合も、障子9のハンドル30を設けない上框10、下框11、吊元側の縦框13の3方にそれぞれ上部押縁24、下部押縁25、縦部押縁28を固定したことで、上框10、下框11、吊元側の縦框13の見付け方向の幅を小幅してもガラスパネル15の高い保持強度を得られる。
また、図2において、金属上枠3aと金属上框17の間には障子9の開放範囲を規制するフリクションアーム33が連結され、金属下枠4aと金属下框18の間にも障子9の開放範囲を規制するフリクションアーム34が連結されている。
係合部cは起立片部25aaの下端部の円弧状フック部25abが金属下框18の爪部18bに係合しており、メタルタッチを構成している。メタルタッチは雨水等が流通可能である。
下部押縁25内の金属押縁片25aと樹脂押縁片25bで仕切る空間は屋内側に連通する内圧空間38を形成し、樹脂押縁片25bで仕切られた複数のホロー部も内圧空間を形成する。また、外圧空間37の屋内側で金属押縁片25aと金属下框18で仕切られた屋内側空間も内圧に設定された内圧空間39を形成する。
縦辷り出し窓1において、屋外側のパッキン22とその両側のガラスパネル15やパネル嵌合溝18aとの当接面から雨水等が滲み込むことがある。その場合、雨水がメタルタッチとなる第二係合部c´の円弧状フック部25abと爪部18bの当接部から下部押縁25内に流れ込んで外圧空間37内に流入しても、排水穴36から排水可能である。
建物の躯体開口部に屋内側から枠体7と障子9の框体14をセットで取り付ける。或いは、先に躯体開口部に枠体7を取り付け、次に障子9の框体14を屋内側から枠体7に取り付ける。この状態で吊先側の縦框12の屋内側の見込み面19baにハンドル30が固定されている。
次に、ガラスパネル15を框体14に収納する際、図3においてガラスパネル15を框体14に対向して保持する。ハンドル30を備えた吊先側の縦框12の金属縦框19に形成したパネル嵌合溝19a内に、ガラスパネル15のハンドル30側の縦側端部を挿入して押し込む。次いで、傾斜姿勢のガラスパネル15における他方の縦側端部を吊元側の縦框13に押し込んで、金属縦框20のパネル嵌合溝20a内に摺動させて位置決めする。
障子9のハンドル30を設置しない吊元側の金属縦框20、金属上框17、金属下框18の3カ所に縦部押縁28、上部押縁24、下部押縁25を押し込み固定することで框体14にガラスパネル15を強固に装着できる。しかも、ハンドル30がガラスパネル15の装着の邪魔にならない。
雨水等が縦辷り出し窓1のガラスパネル15に吹き付ける等した場合、屋外側のパッキン22とこれに当接するガラスパネル15またはパネル嵌合溝18aとの間から雨水等が滲み込むことがある。この場合、図4に示すように、雨水はパネル嵌合溝18aの底部に流れ落ちて貯留される。そして、パネル嵌合溝18aと下部押縁25の金属押縁片25aとの第一係合部c、即ち円弧状フック部25abと爪部18bのメタルタッチから雨水が滲み込んで外圧空間37内に流入する。
このとき、下部押縁25の金属押縁片25aと金属下框18の下部片部18cとで仕切る外圧空間37内は外気圧であるため、雨水が下部押縁25を通して比較的低圧の屋内側に流入することを阻止できる。
また、外圧空間37を形成する金属押縁片25aや金属下框18の壁面は外気の影響で結露することがある。この場合、結露水は外圧空間37の底面に流れ落ちるが、底面の下部片部18cに形成した排水穴36を通して雨水と同様に外部に排出される。
図5及び図6に示す縦辷り出し窓1では、枠体7の下枠4と吊元側の縦枠6とが略直交して設置されている。金属下枠4aの内側に設置した障子9の下框11の金属下框18に形成したパネル嵌合溝18aと吊元側の縦框13の金属縦框20に形成したパネル嵌合溝20a内とにガラスパネル15が設置されている。図5、図6ではガラスパネル15は省略されている。
金属下框18上に取り付けた下部押縁25は金属押縁片25aを示しており、その上に取り付ける樹脂押縁片25bは省略されている。また、図6に示す縦部押縁28は金属押縁片28aのみが設置され、樹脂押縁片28bは省略されている。
外圧空間37を形成する金属押縁片25aと金属下框18の吊元側の一方の端部では、金属縦框20の下端部との間の角部の隙間に弾性を有する気密ピース40が設置されている。通常、金属押縁片25a及び金属下框18の両端部と金属縦框20との間の当接部はメタルタッチになっている。そのため、金属押縁片25a及び金属下框18の長さの誤差によって気密性への影響が大きいという課題がある。しかし、本変形例では気密ピース40によって金属押縁片25a及び金属下框18の端部と金属縦框20との間の気密性を安定して確保することができる。
第一気密ピース部40aの上面は金属押縁片25aの外圧空間37を有する領域より上方に突出しており、第二気密ピース部40bの上面は金属押縁片25aの起立片部25aaと同等な高さまで延びている。また、気密ピース40の下面は第一気密ピース部40aで外圧空間37を封止できるように下方に延びており、例えば下枠4の金属下框18に当接するまで延びている。
また、図6に示すように、気密ピース40の第二気密ピース部40bはパネル嵌合溝18aとパネル嵌合溝20aとの角部に突出している。第二気密ピース部40bは第一気密ピース部40aと共にガラスパネル15を納めるパネル嵌合溝18a、20aの角部と屋内との間を封止して気密ラインとして外気が屋内側に通気することを防止している。
そして、外圧空間37を形成する金属押縁片25a及び金属下框18の吊先側の他方の端部においても、同様に金属縦框19との角部の隙間に気密ピース40が嵌合されている。そのため、金属押縁片25a及び金属下框18の長手方向に延びる外圧空間37の両端を気密ピース40によってそれぞれ気密液密に封止している。しかも、下部押縁25の金属押縁片25aは金属下框18と同等な長さを有していて、両端に設置した気密ピース40の厚さ分だけ短い長さに設定されている。
そして、金属押縁片25aの一方の端部を挿入して一方側の気密ピース40の保持枠41を押圧する。次いで、他方の端部を押し込んで他方側の気密ピース40の保持枠41を押圧しながら、両側の気密ピース40間に金属押縁片25aを弾性的に嵌合する。嵌合状態で、金属押縁片25aと金属下框18を第一係合部c、第二係合部dで係合させる。
そして、各気密ピース40の上面に右側の縦部押縁28の下端部を当接させる。金属押縁片25aの両端の気密ピース40は樹脂押縁片25bと縦框12や縦框13の樹脂縦框28bを取り付けることで外部から見えないように隠すことができる。
また、上述の実施形態では、外圧空間37を金属押縁片25aと金属下框18とで仕切って形成したが、金属押縁片25aだけで仕切った空間または金属押縁片25aと樹脂押縁片25bとで仕切った空間を外圧空間としてその底面に排水穴36を設けてもよい。
なお、上述した実施形態による縦辷り出し窓1は金属部材と樹脂部材からなる複合建具としたが、アルミ合金製等の金属部材で構成した金属建具や樹脂部材で構成した樹脂建具等でもよい。
また、本発明による建具として縦辷り出し窓1を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、引き違い窓等各種の建具にも適用できる。
7 枠体
9 障子
12、13 縦框
15 ガラスパネル
17a,18a,19a,20a パネル嵌合溝
19 金属縦框
19ba 見込み面
24 上部押縁
25 下部押縁
28 縦部押縁
30 ハンドル
36 排水穴
37 外圧空間
40 気密ピース
40a 第一気密ピース部
40b 第二気密ピース部
41 保持枠
42 スポンジ
Claims (3)
- 枠体内に障子を納めた建具において、
前記障子の下框に設けられていてパネルが収納されたパネル嵌合溝と、
前記下框のパネル嵌合溝の屋内側に取り付けられた下部押縁と、
前記下部押縁及び下框とで仕切られた空間における前記下部押縁及び下框を係合する屋外側の第一係合部及び屋内側の第二係合部とを備え、
前記空間内の第二係合部より下側の最下部に外気に連通する穴部を形成し、
前記穴部の屋内側に、該穴部よりも上方に立ち上がる縦壁が形成され、
前記下部押縁及び下框の空間が前記穴部に連通する外圧空間と屋内側圧力を有する内圧空間とに仕切られており、前記下部押縁の両端部に前記外圧空間の両端を封止する気密ピースを設置したことを特徴とする建具。 - 前記気密ピースは弾性体からなる請求項1に記載された建具。
- 枠体内に障子を納めた建具において、
前記障子の下框に設けられていてパネルが収納されたパネル嵌合溝と、
前記下框のパネル嵌合溝の屋内側に取り付けられた下部押縁と、
前記下部押縁及び下框とで仕切られた空間における前記下部押縁及び下框を係合する屋外側の第一係合部及び屋内側の第二係合部とを備え、
前記空間内の第二係合部より下側の最下部に外気に連通する穴部を形成し、
前記下部押縁及び下框の空間が前記穴部に連通する外圧空間と屋内側圧力を有する内圧空間とに仕切られており、前記下部押縁の両端部に前記外圧空間の両端を封止する気密ピースを設置したことを特徴とする建具。
Priority Applications (2)
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JP2016073243A Active JP6693792B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 建具 |
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2016
- 2016-03-31 JP JP2016073243A patent/JP6693792B2/ja active Active
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