JP6693665B1 - Ponシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法 - Google Patents

Ponシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同一の光ファイバケーブルに分岐接続される複数のONUのうち、いずれかのONUが常時発光状態に陥ったとしても、他のONUの光通信に対する影響を排除し、OLT向けの上り通信を正常な状態に維持することができるPONシステムを提供する。【解決手段】1台のOLT100と、該OLT100と多機能スプリッタ300を介して接続される複数のONU500,501,502とを備えた構成において、多機能スプリッタ300は、複数の前記ONUのうち、いずれかのONUからOLT100に向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥ったことを受光検知部372にて検知した際に、P2MP通信を実現する通常の通信径路11を介して複数の前記ONUそれぞれからOLT100に向けて送信する上りデータを、通常の通信径路11とは異なる代替通信径路12を介して、OLT100に向けて再送信する代理再送信機能を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、PONシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法に関し、特に、複数のONU(Optical Network Unit)のいずれかが常時発光状態に陥っても、OLT(Optical Line Terminal)に向かう上り通信を正常な状態に維持することを可能にするPONシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法に関する。
まず、現状の技術におけるPON(Passive Optical Network)システムについて、図9を参照して説明する。図9は、現状の技術におけるPONシステムのシステム構成を示すシステム構成図である。PONシステムは、図9に示すように、通信局舎とエンドユーザとの間を、光ファイバケーブル200を用いて接続する光アクセス回線の一つの方式であって、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現するシステムである。すなわち、PONシステムは、光ファイバケーブル200による伝送路を途中に設けられた光スプリッタ330によって複数の光ファイバケーブル400,401,402に分岐させることによって、通信局舎側の終端装置であるOLT(Optical Line Terminal)100の1台に対してエンドユーザ側の終端装置であるONU(Optical Network Unit)500,501,502を複数収容することを可能にするシステムである。したがって、PONシステムは、通信局舎や伝送路の設備を削減することによる経済的な優位性があり、現状の光アクセスサービスの主要な形態となっている。
このようなPONシステムを実現するためには、共有されている伝送路すなわち光ファイバケーブル200において各ONU500,501,502それぞれから送信される上り信号の衝突を避ける必要があり、各ONU500,501,502は、OLT100からの指示に従って決められたタイミング、期間にだけ光信号を送信するという仕組みを採用している。
しかし、PONシステムにおいて、複数のONU500,501,502のうちいずれかのONUの故障等により、該ONUに常時発光状態や光信号の送信動作を制御することができない状態が発生したときには、他のONUが送信する上り信号と衝突することによって、上り通信を正常な状態に維持することができなくなるという問題が発生する。かかる問題が発生すると、例えば緊急通報を発出することができなくなるなど、生命への致命的な危機を引き起こしてしまう可能性がある。
前述のような問題に対する対策として、例えば特許文献1の特許第6381058号公報「PONシステムおよび通信制御方法」に記載の技術が提案されている。該特許文献1に記載の技術においては、緊急通報が発出されたことをONUにて検知した際に、多機能スプリッタにおいて他のONUの回線を強制的に遮断することにより、緊急通報を発出しようとするONUの回線を最優先に回復させて、緊急通報を実現させるという仕組みを採用している。
しかしながら、該特許文献1に記載の技術には、次のような解決するべき課題があった。
第1の課題は、緊急通報を発出しようとするONUの回線を最優先に回復させようとするときにも、緊急通報が必要とするONUの回線以外の回線の通信を維持することである。
第2の課題は、緊急通報を検知してからの対処となるため、リアルタイム性を維持することができなくなるという特許文献1に記載の技術の問題への対応である。
第3の課題は、多機能スプリッタに加えて、ONUの機能拡張が必要であり、機能拡張を要する規模が大きくなってしまうという特許文献1に記載の技術の問題に対処することである。
特許第6381058号公報
図9に前述した現状のPONシステムの構成について、改めて説明する。通信局舎に設置されるOLT100は、光ファイバケーブル200を介して、例えば電柱上などに設置される光スプリッタ330と接続される。光スプリッタ330は、OLT100からの光回線を複数に分岐させ、光ファイバケーブル400,401,402それぞれを介して、エンドユーザの各家庭等に設置されているONU500,501,502それぞれに接続される。
このように、PONシステムは、前述したように、P2MP(Point to Multi−Point)システムを構成する仕組みであり、近隣の複数のエンドユーザの光回線を一つに束ねて、光ファイバケーブル200やOLT100を共有することによって、経済的優位性を確保している。かくのごときネットワークトポロジにおいて、上下方向の通信を正常な状態に維持するためには、以下のような工夫がなされている。
OLT100からの下り光信号は、光スプリッタ330を介して、全ONU500〜502へ到着する。各ONU500〜502においては、受信した下り光信号内のデータを解析して自ノード宛か否かを判断する。自ノード宛の場合は、受信したデータを下位装置へ透過し、自ノード宛ではない場合は、受信したデータを破棄する。一方、各ONU500〜502から出力される上り光信号は、伝送路が共有される光ファイバケーブル200の区間において衝突しないように、OLT100による各ONU500〜502からの出力タイミングの指示に従ってそれぞれの上り光信号を送信する。これによって、同一PONシステム内のすべての光回線は、安定した通信環境が保障される。
なお、図9に示した例においては、現状における一般的なサービス形態として、分岐した光回線の回線数が3回線の場合について示しているが、回線数および機器の数については、この限りではない。
しかしながら、図9に示したPONシステムにおいては、ONU500〜502のいずれかが故障すると、OLT100の制御が及ばず、故障したONU500〜502は常に発光し続ける状態に陥ることがある。このようなケースにおいては、前述したように、故障したONUからの光が該ONU以外の他のONUの光送信タイミングと重なることになって、1本の光ファイバケーブル200に接続されている他のONU500〜502の上り通信を阻害してしまう。その結果、例えば、ONU500〜502のいずれにおいても、配下に接続された電話機端末から緊急通報を発信することができなくなり、生命への致命的な危機を引き起こしてしまう可能性がある。
かかる事態に対応するために、前記特許文献1に記載されたような技術が現状技術として提案されているが、しかし、該特許文献1に記載された技術に関しても、前述したような解決するべき課題があり、実用化することは困難であった。
(本開発の目的)
本開発の目的は、かかる課題に鑑み、同一の光ファイバケーブルに分岐接続される複数のONUのうち、いずれかのONUが常時発光状態に陥ったとしても、他のONUの光通信に対する影響を排除し、OLT向けの上り通信を正常な状態に維持することができるPONシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法を提供することである。
前述の課題を解決するため、本発明によるPONシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明によるPONシステムは、
1台のOLT(Optical Line Terminal)と、該OLTと多機能スプリッタを介して接続される複数のONU(Optical Network Unit)と、を有するPON(Passive Optical Network)システムであって、
前記多機能スプリッタは、
複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、
を有していることを特徴とする。
(2)本発明による多機能スプリッタは、
1台のOLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)とを分岐接続するPON(Passive Optical Network)システムに実装される多機能スプリッタであって、
複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、
を有していることを特徴とする。
(3)本発明による通信制御方法は、
1台のOLT(Optical Line Terminal)と、該OLTと多機能スプリッタを介して接続される複数のONU(Optical Network Unit)と、を有するPON(Passive Optical Network)システムにおける通信制御方法であって、
前記多機能スプリッタは、
複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、
を有していることを特徴とする。
本発明のPONシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法によれば、主に、以下のような効果を奏することができる。
第1の効果は、複数のONUのうちいずれかのONUが常時発光状態に陥って通常の通信径路において他のONUの上り通信に影響を及ぼす状況が発生する場合であっても、多機能スプリッタに実装した代理再送信機能により、OLTと複数のONUとの間の上り通信を正常な状態に維持することができることである。
第2の効果は、正常な状態の上り通信を維持するために、常時発光状態のONUや異常回線を特定したり、該ONUや異常回線を回復させたりするための物理的な対処を行う必要がないので、通信不能となる遮断時間を最小限に抑えることができることである。
第3の効果は、多機能スプリッタの代理再送信機能という機能だけで、正常な状態の上り通信を維持することができるので、OLTや複数のONUそれぞれの機能の拡張を行う必要がないことである。
本発明に係るPONシステムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 図1に示した多機能スプリッタ内の受光検知部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示した多機能スプリッタ内の代理再送信部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示した多機能スプリッタ内の上りデータ格納部に保存した上りデータの遷移例を説明するための説明図である。 図1に示した複数のONUのいずれかが常時発光状態に陥っていることを検知した際の多機能スプリッタ内の代替通信径路上における上りデータの一例を説明するための説明図である。 本発明に係るPONシステムのシステム構成の図1とは異なる例を示すシステム構成図である。 図6に示した多機能スプリッタ内の受光検知部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図6に示した多機能スプリッタ内の代理再送信部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 現状の技術におけるPONシステムのシステム構成を示すシステム構成図である。
以下、本発明によるPONシステム、多機能スプリッタおよび通信制御方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことは言うまでもない。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、PON(Passive Optical Network)システムを介した通信サービスにおいて、任意のONU(Optical Network Unit)が常時発光となる障害により光ファイバケーブルの共有区間における通信帯域の干渉が発生する状況が生じても、上り通信が遮断された状態に陥ることを防止し、OLT(Optical Line Terminal)と常時発光状態のONU以外の全ONUとの間の上り通信を正常な状態に維持することを可能にすることを、主要な特徴としている。
すなわち、本発明においては、PONシステムを構成する光分岐部に、現状の光スプリッタの分岐機能の他に、さらに、常時発光状態が発生した際には各ONUが送信する上りデータを、各ONU(Optical Network Unit)に代わってOLT(Optical Line Terminal)に向けて再送信を行う代理再送信機能も実装した多機能スプリッタを採用していることを主要な特徴としている。
つまり、該多機能スプリッタは、通常の通信径路として光信号の分波・合波を行いP2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する現状の光スプリッタの分岐機能に加えて、いずれかのONUの常時発光状態が発生した際に前記通常の通信径路を代替する代替通信径路を経由して各ONUからの上りデータを各ONUに代わってOLTに向けて再送信することにより、上り通信を正常な状態に維持する代理再送信機能を有していることを主要な特徴としている。
より具体的には、ONUの常時発光状態の発生時においても上り通信の正常状態を維持する代理再送信機能を実現する回路部として、多機能スプリッタは、前記代替通信径路を構成するために、各ONUからの上り光信号(上りデータ)の受光パワーを確認してONUの常時発光状態の発生の有無を検知する受光検知部と、各ONUからの上りデータを一時的にバッファリングする上りデータ格納部と、一時的にバッファリングしている上りデータをOLTに向けて再送信する代理再送信部と、を少なくとも有している構成を採用する。
なお、多機能スプリッタは、該代理再送信機能を実現する各回路部を組み込むために、前記代理再送信部と通常の通信径路を形成する前記光スプリッタとからのそれぞれの光信号を合波させてOLTへの光信号とする上位側分岐部と、各ONUの通常の通信径路を形成する光伝送路上に配置して、各ONUからの光信号を2分岐させて前記光スプリッタと前記受光検知部とに送信する下位側分岐部と、をさらに有している。
ここで、ONUの常時発光状態において前記代替通信径路を介して前記代理再送信部からOLTに到着した際の光信号の受光パワーレベルが、正常な状態にある場合に使用する前記通常の通信径路を経由してONUからOLTへ到着した際の光信号の受光パワーレベルよりも大きくなる場合には、前記代理再送信部とOLTとの間の上り通信を、各ONUとOLTとの間の前記通常の通信径路を代替した代替通信径路として正常な状態に維持することが可能になるという特性がある。
そこで、かかる特性を利用するために、多機能スプリッタの構成を、前記通常の通信径路における各ONUとOLTとの間に配置される光分岐部の挿入数よりも、前記代替通信径路を形成する前記代理再送信部とOLTとの間に配置される光分岐部の挿入数を少なくする構成とする。その結果、前記代理再送信部とOLTとの間の上り通信の通信環境を正常な状態に確保することが可能になる。
その上で、さらに、いずれかのONUに常時発光モードによる故障が発生したこと(すなわち常時発光状態に陥ったこと)を前記受光検知部において検知した場合には、各ONUから送信されてくる上りデータを、前記受光検知部に到着した順番に、前記上りデータ格納部に一旦保存する。そして、前記代理再送信部が、各ONUの代理として、前記上りデータ格納部に一旦保存されたデータを、各ONUから到着した順番通りに、各ONUと同等以上の発光パワーを用いて、OLTに向けて再送信する。
而して、多機能スプリッタのかかる代理再送信機能を用いることにより、いずれかのONUが常時発光状態に陥っても、多機能スプリッタの配下に接続されるその他のONU(常時発光状態に陥っていないONU)とOLTとの間の上り通信を正常な状態に維持させることが可能になる。つまり、同一PONシステム内の任意のONUが常時発光状態となり、通常の通信径路として全ONUが共有する光回線に異常が生じる事態が発生した場合であっても、代理再送信機能を実現する代替通信径路を利用して常時発光状態のONU以外の全ONUの上り通信を正常な状態に維持することを可能にしている。
なお、本発明は、通常のPON(Passive Optical Network)システムに限るものではなく、GE−PON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)システムや10G−EPON(10Gigabit-Ethernet Passive Optical Network)システムであっても、全く同様に適用することができることは言うまでもない。
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明に係るPONシステムのシステム構成の一例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るPONシステムのシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、本発明に係るPONシステムの主要部を構成する多機能スプリッタに焦点を当ててその内部構成についてもその一例を示している。
図1に示すPONシステムは、上位の1つのOLT100に光ファイバケーブル200を介して多機能スプリッタ300が接続され、多機能スプリッタ300の配下に光ファイバケーブル400,401,402それぞれを介してONU500,501,502それぞれが接続された構成からなっている。
つまり、多機能スプリッタ300は、上位側に1つの光IF(Interface)を有し、下位側に複数の光IFを有していて、上位側の光回線を複数に分岐して下位側に接続する機能を有している。そして、多機能スプリッタ300の上位側の光IFには、光ファイバケーブル200を介して、光回線の終端およびPONシステム全体を制御するOLT100が接続され、下位側の複数の光IFには、それぞれ、光ファイバケーブル400,401,402を介して、ONU500,501,502が接続されている。
ここで、多機能スプリッタ300は、現状の技術として図9に示した光スプリッタ330と同様のP2MP(Point to Multi−Point)通信を実現するための通常の通信径路11を形成する分岐機能を有するとともに、ONU500,501,502のいずれかが常時発光状態に陥ったとしても、代替通信径路12により、その他のONUのOLT100向けの上り通信に対する影響を与えることなく、上り通信を維持する上り通信維持機能(言い換えると、後述するような代理再送信機能)もさらに有している。
なお、図1には、ONUの台数が3台で、各ONUに接続する光回線が3回線の場合の一般的なサービスの形態として、ONU500,501,502の3台のONUが多機能スプリッタ300に接続されている例を示しているが、本発明は、かかる台数に限るものではなく、任意の台数のONUを、それぞれの光回線を介して接続しても構わないことは言うまでもない。
そして、多機能スプリッタ300は、図1に例示するように、通常の通信径路11を形成する分岐機能として、光スプリッタ330を内蔵し、該光スプリッタ330の上り方向にはOLT100に接続するための光伝送路321が接続され、下り方向には、配下のONU500,501,502それぞれに分岐接続するための光伝送路340,341,342それぞれが接続される。
つまり、光スプリッタ330は、上位側の光回線を複数に分岐接続して、下り方向の光信号を分波し、上り方向の光信号を合波する機能を有している。そして、光スプリッタ330の上位側光IF(Interface)は、光伝送路321を介して、OLT100に接続するために、上位側分岐部310と接続し、下位側の複数の光IF(図1に示す例では3つの光IF)は、それぞれ、光伝送路340,341,342を介して、配下のONU500,501,502それぞれに接続するために、下位側分岐部360,361,362それぞれと接続する。
また、多機能スプリッタ300は、ONU常時発光状態における上り通信維持機能(すなわち代理再送信機能)を実現するための代替通信径路12として、各ONU500,501,502からの上り光信号の受光パワーを確認していずれかのONUが常時発光状態に陥ったことを検知する受光検知部372と、各ONU500,501,502からの上りデータを一時的にバッファリングする上りデータ格納部371と、該上りデータ格納部371にバッファリングされた上りデータを代理でOLT100に向けて再送信する代理再送信部370と、を内蔵し、代理再送信部370と上りデータ格納部371との間、および、上りデータ格納部371と受光検知部372との間をそれぞれ互いに接続している。
つまり、代理再送信部370は、下位側に接続された上りデータ格納部371に各ONU500〜502からの上りデータが保存されている時に、各ONU500,501,502から到着した順番通りに、OLT100向けに再度送信するために、保存されている該上りデータを、各ONU500,501,502に代わって、上位側分岐部310に光信号として送信する機能を有している。このため、代理再送信部370の上位側光IFは、光伝送路320を介して上位側分岐部310と接続し、下位側IFは、上りデータ格納部371と接続する。
また、上りデータ格納部371は、下位側に接続された受光検知部372から受信した上りデータを、到着した順番通りに一時的に格納する機能を有しており、上位側光IFは代理再送信部370と接続し、下位側IFは受光検知部372と接続する。
また、受光検知部372は、各ONU500,501,502からの受光パワーに基づいて常時発光状態になっているか否かを検知する機能を有している。さらに、受光検知部372は、いずれかのONUが常時発光状態になっていることを検知した場合には、それぞれ、光伝送路350,351,352、下位側分岐部360,361,362および光ファイバケーブル400,401,402を介して、各ONU500,501,502から受信した上りデータを、該上りデータが到着した順番を示す識別子とともに、上りデータ格納部371へ送信する機能を有している。このため、受光検知部372の上位側IFは上りデータ格納部371と接続し、下位側の複数の光IFは、光伝送路350,351,352それぞれを介して下位側分岐部360,361,362それぞれと接続する。
さらに、多機能スプリッタ300は、OLT100に接続される光ファイバケーブル200を2分岐して、代替通信径路12を形成する代理再送信部370と通常の通信径路11を形成する光スプリッタ330とに接続するための上位側分岐部310を内蔵している。そして、上位側分岐部310と代理再送信部370との間は、光伝送路320を介して接続し、上位側分岐部310と光スプリッタ330との間は、前述したように、光伝送路321を介して接続している。
つまり、上位側分岐部310は、上位側の光回線(光ファイバケーブル200)を2分岐接続して、下り方向の光信号を分波し、上り方向の光信号を合波する機能を有しており、上位側光IFは光ファイバケーブル200を介してOLT100と接続し、一方、下位側の2つの光IFのうち、一方の光IFは光伝送路320を介して代理再送信部370と接続し、他方の光IFは光伝送路321を介して光スプリッタ330と接続する。
さらに、多機能スプリッタ300は、ONU500,501,502それぞれに接続される光ファイバケーブル400,401,402それぞれを2分岐して、受光検知部372と光スプリッタ330とに接続するための下位側分岐部360,361,362を内蔵している。そして、下位側分岐部360,361,362それぞれと受光検知部372との間は、光伝送路350,351,352を介して接続し、下位側分岐部360,361,362それぞれと光スプリッタ330との間は、前述したように、光伝送路340,341,342それぞれを介して接続する。
つまり、下位側分岐部360,361,362は、それぞれ、下位側の光回線を2分岐接続して、下り方向の光信号を合波し、上り方向の光信号を分波する機能を有しており、上位側の2つの光IFのうち、一方の光IFは、それぞれ、光伝送路340,341,342を介して、光スプリッタ330と接続し、他方の光IFは、それぞれ、光伝送路350,351,352を介して、受光検知部372と接続する。また、下位側光IFは、それぞれ、光ファイバケーブル400,401,402を介して、ONU500,501,502と接続する。
なお、図1に示す構成例においては、前述したように、一例としてONU側に分岐する光回線が3回線の場合について示しているが、該光回線の回線数および関連機器の構成はかかる場合に限りものではなく、任意の回線数および関連機器の台数であっても構わない。
次に、多機能スプリッタ300の上り通信維持機能について、その一例をさらに説明する。まず、常時発光状態の場合の代替通信径路12を形成する代理再送信部370は、OLT100との間の光分岐部の挿入数が、通常の通信径路11を形成する光スプリッタ330を経由した場合のONU500,501,502それぞれとOLT100との間の光分岐部の挿入数よりも少なくなるように配置させる。その理由は、OLT100において、代理再送信部370からの受光パワーの方が通常の通信径路11を介してONU500,501,502それぞれから受光する受光パワーのレベルよりも確実に大きくなるからである。而して、ONU500,501,502のうち、いずれかのONUが常時発光状態に陥ったとしても、代替通信径路12を形成する代理再送信部370とOLT100との間の光通信を正常な状態に維持させることが可能になる。
なお、図1の例においては、代理再送信部370とOLT100との間の光分岐部の挿入数が ‘1’(上位側分岐部310のみの1個)であるのに対して、ONU500,501,502それぞれとOLT100との間の光分岐部の経由数は、いずれも‘3’ (上位側分岐部310、光スプリッタ330、下位側分岐部360,361,362の3個)になっている。したがって、代理再送信部370から送信する上りデータの発光パワーレベルをONU500,501,502それぞれの発光パワーレベルと同等以上のレベルに設定することにより、ONU500,501,502のうち、いずれかのONU(例えばONU500)が常時発光状態に陥ったとしても、代理再送信部370とOLT100との間の光通信を確実に正常な状態に維持させることを可能とする構成になっている。
また、受光検知部372は、下位側分岐部360,361,362それぞれを介して受信したONU500,501,502それぞれから送信されてくる上りデータの受光パワーを検知することにより、ONU500,501,502が常時発光状態に陥っているか否かを判断する。そして、ONU500,501,502のいずれかが常時発光状態に陥っていると判断した場合には、受光検知部372は、到着した順番に、各ONU500,501,502からの上りデータを一時的に上りデータ格納部371へ保存する。上りデータ格納部371に上りデータを一時的に保存すると、代理再送信部370は、上りデータ格納部371に保存された各ONU500,501,502からの上りデータを、到着した順番通りに、上位側分岐部310を経由してOLT100に向けて再送信する。
かくのごとく、ONU500,501,502のいずれかの常時発光によって、光スプリッタ330から光伝送路321、上位側分岐部310を介した通常の通信径路11の上り方向の通信が遮断されてしまう場合においては、かかる状態の通常の通信径路11に代替する代替通信径路12として、多機能スプリッタ300の代理再送信部370が、光伝送路320を介して、上りデータ格納部371に保存された各ONU500,501,502からの上りデータを代理でOLT100に向けて再送信することによって、上り通信を正常な状態に維持させることが可能になっている。
(実施形態の動作の説明)
次に、本発明の一実施形態として図1に示したPONシステムの動作に関して、本発明特有の構成からなる多機能スプリッタ300の動作に着目しながら、その一例を、図2、図3、図4および図5を用いて詳細に説明する。
ここで、図2は、図1に示した多機能スプリッタ300内の受光検知部372の動作の一例を説明するためのフローチャートである。また、図3は、図1に示した多機能スプリッタ300内の代理再送信部370の動作の一例を説明するためのフローチャートである。また、図4は、図1に示した多機能スプリッタ300内の上りデータ格納部371に保存した上りデータの遷移例を説明するための説明図である。また、図5は、図1に示した複数のONU500,501,502のいずれかが常時発光状態に陥っていることを検知した際の多機能スプリッタ300内の代替通信径路12上における上りデータの一例を説明するための説明図である。
まず、図2のフローチャートを用いて、図1に示した多機能スプリッタ300内の受光検知部372の動作の一例を説明する。受光検知部372は、下位側IFに接続されている下位側分岐部360,361,362を経由して、ONU500,501,502それぞれから送信されてくる光信号に関する受光パワーを常時検知する動作を行っている(ステップS101)。
受光パワーの検知結果として、下位側分岐部360,361,362を経由して受光するONU500,501,502それぞれからの受光パワーが、いずれも、常時発光している状態ではなく、あらかじめ定めた時間閾値以内に、途切れる状態が存在している場合には(ステップS102のNO)、ONU500,501,502それぞれは、いずれも、正常な発光状態にあるものと判断して、ステップS101に戻って、受光パワー検知動作を継続する。
そして、ONU500,501,502それぞれが、いずれも、正常な発光状態にある場合には、ONU500,501,502それぞれからの上りデータは、多機能スプリッタ300内の通常の通信径路11として、下位側分岐部360,361,362それぞれを経由して、光スプリッタ330から、上位側分岐部310を介して、OLT100向けに送信される。
これに対して、下位側分岐部360,361,362それぞれを経由して受光するONU500,501,502のうち、いずれかのONU(例えばONU500)からの受光パワーが、途切れることなく、前記時間閾値を超えて受光し続けた場合には(ステップS102のYES)、該当するONU(例えばONU500)は故障により常時発光状態に陥ったものと判断する。
そして、受光検知部372は、下位側分岐部360,361,362それぞれを経由して、ONU500,501,502それぞれから送信されてくる上りデータを受信すると、受信した上りデータを到着した順番を示す識別子とセットにして、上りデータ格納部371へ保存する(ステップS103)。なお、この時、受光検知部372は、常時発光状態に陥ったONU(例えばONU500)を除外して、正常な状態にある他のONU(例えばONU501,502)それぞれからの上りデータを到着した順番を示す識別子とセットにして、上りデータ格納部371へ保存するように動作しても良い。
なお、受光検知部372は、該受光検知部372がいずれかのONU(例えばONU500)の常時発光状態を検知している間は、上りデータ格納部371への上りデータの保存動作を継続して実施する。つまり、ONU500,501,502のいずれかが常時発光状態に陥った場合には、常時発光状態が継続する限り、ONU500,501,502それぞれからの上りデータは、多機能スプリッタ300内の下位側分岐部360,361,362それぞれを経由して通常の通信径路11である光スプリッタ330向けに送信されるだけでなく、下位側分岐部360,361,362それぞれから代替通信径路12である受光検知部372を経由して上りデータ格納部371にも保存される。
図2のフローチャートの説明に戻って、しかる後、ステップS101に戻って、受光検知部372は、ONU500,501,502の受光パワーの検知動作を繰り返す。
なお、上りデータ格納部371への保存動作においては、図5の常時発光状態における代替通信径路12上の上りデータに関する説明図に示すように、ONU500,501,502それぞれからの上りデータは、受光検知部372において、到着順を示す識別子とセットにした状態にして、上りデータ格納部371に順次保存される。
図5に示す表示例においては、例えば、ONU500からの上りデータは‘#1−1’、‘#1=2’の順番に送信され、かつ、ONU500からの第1番目の上りデータ‘#1−1’は、他のONU501およびONU502それぞれからの第1番目の上りデータ‘#2−1’および‘#3−1’のいずれよりも早く受光検知部372に到着している例を示している。したがって、受光検知部372は、ONU500からの第1番目の上りデータ‘#1−1’には、到着順を示す識別子として‘1’を付して(‘1、#1−1’として)、該識別子‘1’とセットにして、該第1番目の上りデータ‘#1−1’を上りデータ格納部371に保存するように動作する。
次に、図3のフローチャートを用いて、図1に示した多機能スプリッタ300内の代理再送信部370の動作の一例を説明する。代理再送信部370は、下位側IFに接続されている上りデータ格納部371に上りデータが保存されているか否かを常時確認している(ステップS201)。上りデータ格納部371に上りデータが保存されていなかった場合には(ステップS202のNO)、ステップS201に戻って、上りデータ格納部371の保存状態の確認動作を継続する。
これに対して、上りデータ格納部371に上りデータが保存されていた場合には(ステップS202のYES)、代理再送信部370は、上りデータとセットにして保存されている到着順を示す識別子を、まず、確認する。そして、代理再送信部370は、受光検知部372に最も早く到着した上りデータから順番に上りデータ格納部371から取り出して、光信号として、上位側分岐部310を介してOLT100に向けて送信する(ステップS203)。
なお、代理再送信部370から上りデータとして送信する光信号の光送信パワーは、本実施形態においては、代替通信径路12における上り通信を正常な状態に維持するために、IEEE802.3規格として規定されたレベルもしくはそれ以上のレベル(つまりONU500,501,502の発光パワーレベルと同等以上の発光パワーレベル)に設定される。
また、代替通信径路12を形成する代理再送信部370からOLT100に至るまでの光通信路に存在する光分岐部の挿入数は、上位側分岐部310の1個のみである。これに対して、通常の通信径路11を形成する光スプリッタ330を経由したONU500,501,502それぞれからOLT100に至るまでの光通信路に存在する光分岐部の挿入数は、図1に示すように、3個である。
したがって、OLT100における受光パワーは、代替通信径路12を形成する代理再送信部370からの受光パワーレベルの方が、通常の通信径路11からの受光パワーレベルよりも大きい値になる。その結果、通常の通信径路11から常時発光状態のONUからの光信号がOLT100に届く状態になっても、OLT100は、代替通信径路12を形成する代理再送信部370からの光信号を正しく受信することが可能である。
図3のフローチャートの説明に戻って、ステップS203において、上りデータ格納部371に保存されている上りデータのOLT100向けの送信動作を完了すると、代理再送信部370は、送信済みの上りデータを上りデータ格納部371から到着順を示す識別子とともに削除する(ステップS204)。しかる後、ステップS201に復帰して、上りデータ格納部371に保存されている全ての上りデータの送信を完了するまで、上りデータ格納部371から上りデータを到着順に順番にOLT100に向けて送信する動作を繰り返す。
図3のフローチャートに示した以上のような動作を行うことによって、代替通信径路12を形成する上りデータ格納部371および代理再送信部370からOLT100へ送信された上りデータの流れの一例を、図5の上り通信径路の説明図に示している。図5に示すように、代理再送信部370は、上りデータ格納部371に上りデータとセットにして格納されている到着順を示す識別子を参照した結果として、ONU500の第1上りデータ‘#1−1’、ONU502の第1上りデータ‘#3−1’、ONU501の第1上りデータ‘#2−1’の順番に、すなわち、受光検知部372に到着した順番に、OLT100に向けて送信する。
次に、図5の説明図に記載したような上りデータの送信を行った際に、図2および図3のフローチャートに示した動作結果として、上りデータ格納部371に保存している上りデータが遷移する一例について、図4の説明図を用いて補足して説明する。
まず、図4(A)は、図5の説明図に記載されているように、到着順識別子が‘1’のONU500の第1上りデータ‘#1−1’、到着順識別子が‘2’のONU502の第1上りデータ‘#3−1’、到着順識別子が‘3’のONU501の第1上りデータ‘#2−1’が、受光検知部372によって、到着した順番にしたがって、上りデータ格納部371の先頭から順番に格納されている状態を示している。
また、図4(B)は、図4(A)に示す上りデータ格納部371の格納状態において、代理再送信部370が、第1番目に到着していた到着順識別子が‘1’のONU500の第1上りデータ‘#1−1’を、OLT100に向けて送信した後、送信済みになった第1上りデータ‘#1−1’を到着順識別子‘1’とともに上りデータ格納部371から削除した状態を示している。つまり、図4(B)は、OLT100に向けてまだ未送信の状態にある到着順識別子が‘2’のONU502の第1上りデータ‘#3−1’、到着順識別子が‘3’のONU501の第1上りデータ‘#2−1’が、上りデータ格納部371にまだ残っている状態になっている場合を示している。
また、図4(C)は、図4(B)に示す上りデータ格納部371の格納状態において、代理再送信部370が、到着順が最も早い上りデータをOLT100に向けて送信した後、該上りデータを上りデータ格納部371から削除する一方、受光検知部372が、後続して到着してきた上りデータを、到着した順番にしたがって、上りデータ格納部371の後続する空き状態にある位置から順番に格納している状態を示している。
すなわち、図4(C)は、代理再送信部370が、図4(B)に示すような上りデータの格納状態にある上りデータ格納部371から、到着順が最も早い上りデータとして格納されている到着順識別子が‘2’のONU502の第1上りデータ‘#3−1’を、OLT100に向けて送信した後、該第1上りデータ‘#3−1’を到着順識別子‘2’とともに上りデータ格納部371から削除した状態を示している。
さらに、図5のONU500,501,502それぞれと受光検知部372との間の光伝送路上に示すように、それぞれの第1上りデータに後続して、到着してきた到着順識別子が‘4’のONU500の第2上りデータ‘#1−2’、到着順識別子が‘5’のONU502の第2上りデータ‘#3−2’、到着順識別子が‘6’のONU501の第2上りデータ‘#2−2’が、順番に到着してきている。したがって、図4(C)は、受光検知部372が、それぞれの第1上りデータに後続して到着してきた到着順識別子が‘4’のONU500の第2上りデータ‘#1−2’、到着順識別子が‘5’のONU502の第2上りデータ‘#3−2’、到着順識別子が‘6’のONU501の第2上りデータ‘#2−2’を、到着した順番にしたがって、上りデータ格納部371の後続する位置から順番にさらに保存した状態を示している。
なお、図4(C)に示すように、上りデータ格納部371は、上りデータをサーキュラーバッファリング方式で保存するように構成されている。すなわち、上りデータが、上りデータ格納部371の最後尾まで保存された場合には、以降の上りデータは、上りデータ格納部371の先頭へ戻って順番に保存される。また、上りデータの到着順を示す到着順識別子は、連番形式で付与されていて、それぞれの第1上りデータに後続して到着してくる第2上りデータに関しては、図4、図5の説明図に示すように、第1上りデータの到着順識別子の最終の番号‘3’に後続する‘4’から順番に付与されるように設定されている例を示している。
図2〜図5を用いて説明した以上のような動作を行うことにより、複数のONU(例えばONU500,501,502)のうちいずれか任意のONU(例えばONU500)が常時発光状態に陥った場合であっても、OLT100に向かう上り通信を正常な状態に維持することができる。何故ならば、かくのごとき常時発光状態が発生した場合には、多機能スプリッタ300が、代理再送信機能として、通常の通信径路11に代わって、代替通信径路12を経由して、複数のONU(例えばONU500,501、502)それぞれからの上りデータを、複数のONU(例えばONU500,501、502)それぞれに代わって、光信号の発光パワーレベルを再設定して再送信するからである。而して、OLT100は、複数のONU(例えばONU500,501、502)それぞれから送信されてくる上りデータを正しく受光することができる。
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては以下に記載するような効果を奏することができる。
第1の効果は、複数のONU(例えばONU500,501、502)のうちいずれかのONUが常時発光状態に陥って通常の通信径路11において他のONUの上り通信に影響を及ぼす状況が発生する場合であっても、多機能スプリッタ300に実装した代理再送信機能として、代替通信径路12を経由して再送信することにより、OLT100と複数のONU(例えばONU500,501、502)との間の上り通信を正常な状態に維持することができることである。
第2の効果は、正常な状態の上り通信を維持するために、常時発光状態のONUや異常回線を特定したり、該ONUや異常回線を回復させたりするための物理的な対処を行う必要がないので、通信不能となる遮断時間を可及的に短い時間に抑えることができることである。
第3の効果は、多機能スプリッタ300の代理再送信機能という機能だけで、正常な状態の上り通信を維持することができるので、OLT100や複数のONU(例えばONU500,501、502)それぞれの機能の拡張を行う必要がないことである。
(本発明の他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態として、図1に示した多機能スプリッタ300とは異なり、代理再送信部において、代理再送信機能による代理再送信動作を開始するトリガーとして、受光検知部から代理再送信部へ常時発光状態の検知を通知することにより、代理再送信動作を開始させる構成例について、図6を用いて説明する。図6は、本発明に係るPONシステムのシステム構成の図1とは異なる例を示すシステム構成図である。図6のPONシステムの基本的な構成は、図1のシステム構成の場合と同様であるが、図6に示す多機能スプリッタ300Aの内部構成の一部が、図1の多機能スプリッタ300とは異なっている。
すなわち、図6に示す多機能スプリッタ300Aにおいては、代理再送信部370Aにおいて代理再送信動作を開始するトリガーとして、受光検知部372Aから代理再送信部370Aに対していずれかのONUの常時発光状態を検知したことを通知するインタフェースを、図1の多機能スプリッタ300に対してさらに追加している。
したがって、受光検知部372Aは、いずれかのONUの常時発光状態を検知した際に、その旨を代理再送信部370Aに対して通知する機能を、図1の受光検知部372に対してさらに追加している。また、代理再送信部370Aは、図1の場合の代理再送信部370とは異なり、代理再送信動作を開始するトリガーとして、上りデータ格納部371に上りデータが格納されていることを検出した際に代理再送信動作を開始するという動作は行わない。
すなわち、図6に示す代理再送信部370Aにおいては、代理再送信動作を開始するトリガーとして、上りデータ格納部371の格納状態を常時監視する代わりに、受光検知部372Aから出力されてくる常時発光状態の検知通知を監視するという動作を行う。多機能スプリッタ300Aのその他の内部構成に関しては、図1の多機能スプリッタ300と全く同様である。
次に、図7のフローチャートを用いて、図6に示した多機能スプリッタ300A内の受光検知部372Aの動作の一例を説明する。図7は、図6に示した多機能スプリッタ300A内の受光検知部372Aの動作の一例を説明するためのフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、前述した実施形態に多機能スプリッタ300内の受光検知部372の動作例として示した図2のフローチャートと全く同様の動作を行う各ステップ(すなわちステップS101,S102,S103)に関しては、図2と同じステップ番号を付して、ここでの説明は簡潔な説明に留めることにする。
図7のフローチャートにおいて、受光検知部372Aは、下位側分岐部360,361,362それぞれを介してONU500,501,502それぞれから送信されてくる光信号に関する受光パワーを常時検知する動作を行い(ステップS101)、いずれからの受光パワーも、あらかじめ定めた時間閾値以内に、途切れる状態が存在している場合には(ステップS102のNO)、ONU500,501,502それぞれのいずれも正常な発光状態にあるものと判断する。
これに対して、ONU500,501,502のうちいずれかのONU(例えばONU500)からの受光パワーが、途切れることなく、前記時間閾値を超えて受光し続けた場合には(ステップS102のYES)、該当するONU(例えばONU500)は故障により常時発光状態に陥ったものと判断する。
そして、受光検知部372Aは、常時発光状態を検知した以降において、ONU500,501,502それぞれから送信されてくる上りデータを受信すると、受信した上りデータを到着した順番を示す識別子とセットにして、上りデータ格納部371へ保存する(ステップS103)。ここで、上りデータ格納部371への上りデータの保存動作は、受光検知部372AがいずれかのONU(例えばONU500)の常時発光を検知している間は継続して実施される。
図2のフローチャートにおける受光検知部372の動作と同じステップS101〜ステップS103までの以上の動作が終了して、常時発光状態を検知した場合には、さらに、受光検知部372Aは、いずれかのONUの常時発光状態を検知した旨を、代理再送信動作を開始するトリガーとして、代理再送信部370Aに対して通知する(ステップS104)。
次に、図8のフローチャートを用いて、図6に示した多機能スプリッタ300A内の代理再送信部370Aの動作の一例を説明する。図8は、図6に示した多機能スプリッタ300A内の代理再送信部370Aの動作の一例を説明するためのフローチャートである。図8のフローチャートにおいても、前述した実施形態に多機能スプリッタ300内の代理再送信部370の動作例として示した図3のフローチャートと全く同様の動作を行う各ステップ(すなわちステップS203,S204)に関しては、図3と同じステップ番号を付して、ここでの説明は簡潔な説明に留めることにする。
図8のフローチャートにおいて、代理再送信部370Aは、接続されている受光検知部372AからいずれかのONUの常時発光状態を検知した旨を示す検知通知が届いたか否かを常時確認している(ステップS201A)。受光検知部372Aから該検知通知が届いていない場合には(ステップS202AのNO)、ステップS201Aに戻って、該検知通知の確認動作を継続する。
これに対して、いずれかのONUの常時発光状態を検知した旨を示す該検知通知が届いた場合には(ステップS202AのYES)、代理再送信部370Aは、該検知通知をトリガーとして、代理再送信動作を開始し、上りデータとセットにして上りデータ格納部371に保存されている到着順を示す識別子を、まず、確認する。そして、代理再送信部370Aは、受光検知部372Aに最も早く到着した上りデータから順番に上りデータ格納部371から取り出して、ONU500,501,502の発光パワーレベルと同等以上の発光パワーレベルで発光する光信号として、上位側分岐部310を介してOLT100に向けて送信する(ステップS203)。
そして、上りデータ格納部371に保存されている上りデータの送信を完了すると、代理再送信部370Aは、送信済みの上りデータを上りデータ格納部371から到着順を示す識別子とともに削除する(ステップS204)。しかる後、ステップS201に復帰して、上りデータ格納部371に保存されてする全ての上りデータの送信を完了するまで、上りデータ格納部371から上りデータを到着順に順番にOLT100に向けて送信する動作を繰り返す。
以上のように、図6に示した多機能スプリッタ300Aにおいては、受光検知部372Aが、ONU500,501,502のいずれかの常時発光状態を検知した際に、その旨を示す検知通知を代理再送信部370Aに対して送信している。したがって、代理再送信部370Aは、受光検知部372Aからの該検知通知をトリガーにして、直ちに、OLT100に向けて、上りデータ格納部371に保存されている上りデータを再送信する動作を開始することが可能になる。
而して、図1に前述した多機能スプリッタ300とは異なり、上りデータ格納部371に上りデータが保存されているか否かを確認するための動作を行う必要がないので、図1の多機能スプリッタ300に比して、常時発光状態における上り回線の遮断時間をさらに短縮することが可能になるという効果が得られる。
(付記)
以上に、本発明に係る実施形態について、詳細に説明したことからも明らかなように、前述の実施形態の一部または全部は、以下の各付記のようにも記載することができる。しかし、本発明はかかる場合に限るものではないことは言うまでもない。
(付記1)
1台のOLT(Optical Line Terminal)と、
該OLTと多機能スプリッタを介して接続される複数のONU(Optical Network Unit)と、
を有するPON(Passive Optical Network)システムであって、
前記多機能スプリッタは、
複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、を有している
ことを特徴とするPONシステム。
(付記2)
前記多機能スプリッタは、
前記代理再送信機能を実現する前記代替通信径路を形成するために、
複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータに関する光信号の受光パワーを確認して、複数の前記ONUのいずれかが前記常時発光状態に陥ったことを検知する受光検知部と、
複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを前記受光検知部に到着した順番に保存する上りデータ格納部と、
複数の前記ONUそれぞれに代わって、前記上りデータ格納部に格納されている前記上りデータを、前記受光検知部に到着した順番に前記OLTに向けて再送信する代理再送信部と、
を有していることを特徴とする付記1に記載のPONシステム。
(付記3)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーは、
複数の前記ONUそれぞれから送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーレベルと同等以上のレベルに設定される、
ことを特徴とする付記2に記載のPONシステム。
(付記4)
前記多機能スプリッタの前記代替通信径路は、
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号が前記OLTに到達した際の前記OLTにおいて受光される該光信号の受光パワーレベルが、
前記通常の通信径路を経由して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに到達した際の前記OLTにおける受光パワーレベルよりも大きくなるように構成される、
ことを特徴とする付記2または3に記載のPONシステム。
(付記5)
前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
複数の前記ONUのうちいずれかのONUから送信されてくる前記上りデータに関する光信号があらかじめ定めた時間閾値を超えて発光状態を継続していることを検知することにより、該ONUが前記常時発光状態に陥っていることを検知する、
ことを特徴とする付記2ないし4のいずれかに記載のPONシステム。
(付記6)
前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
前記常時発光状態を検知した以降においては、該常時発光状態を検知しなくなるまで、複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを、該上りデータの到着順を示す識別子とセットにして前記上りデータ格納部に送信して、該上りデータ格納部に保存させる、
ことを特徴とする付記2ないし5のいずれかに記載のPONシステム。
(付記7)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信した後、該上りデータを前記上りデータ格納部から削除する、
ことを特徴とする付記2ないし6のいずれかに記載のPONシステム。
(付記8)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信する動作を開始する契機として、前記上りデータ格納部に前記上りデータが保存されていることを検出したタイミング、または、前記受光検知部から前記常時発光状態を検知した旨を示す検知通知を受け取ったタイミング、のいずれかとする、
ことを特徴とする付記2ないし7のいずれかに記載のPONシステム。
(付記9)
1台のOLT(Optical Line Terminal)と
複数のONU(Optical Network Unit)と
を分岐接続するPON(Passive Optical Network)システムに実装される多機能スプリッタであって、
複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、
を有していることを特徴とする多機能スプリッタ。
(付記10)
前記多機能スプリッタは、
前記代理再送信機能を実現する前記代替通信径路を形成するために、
複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータに関する光信号の受光パワーを確認して、複数の前記ONUのいずれかが前記常時発光状態に陥ったことを検知する受光検知部と、
複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを前記受光検知部に到着した順番に保存する上りデータ格納部と、
複数の前記ONUそれぞれに代わって、前記上りデータ格納部に格納されている前記上りデータを、前記受光検知部に到着した順番に前記OLTに向けて再送信する代理再送信部と、
を有していることを特徴とする付記9に記載の多機能スプリッタ。
(付記11)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーは、
複数の前記ONUそれぞれから送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーレベルと同等以上のレベルに設定される、
ことを特徴とする付記10に記載の多機能スプリッタ。
(付記12)
前記多機能スプリッタの前記代替通信径路は、
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号が前記OLTに到達した際の前記OLTにおいて受光される該光信号の受光パワーレベルが、
前記通常の通信径路を経由して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに到達した際の前記OLTにおける受光パワーレベルよりも大きくなるように構成される、
ことを特徴とする付記10または11に記載の多機能スプリッタ。
(付記13)
前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
複数の前記ONUのうちいずれかのONUから送信されてくる前記上りデータに関する光信号があらかじめ定めた時間閾値を超えて発光状態を継続していることを検知することにより、該ONUが前記常時発光状態に陥っていることを検知する、
ことを特徴とする付記10ないし12のいずれかに記載の多機能スプリッタ。
(付記14)
前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
前記常時発光状態を検知した以降においては、該常時発光状態を検知しなくなるまで、複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを、該上りデータの到着順を示す識別子とセットにして前記上りデータ格納部に送信して、該上りデータ格納部に保存させる、
ことを特徴とする付記10ないし13のいずれかに記載の多機能スプリッタ。
(付記15)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信した後、該上りデータを前記上りデータ格納部から削除する、
ことを特徴とする付記10ないし14のいずれかに記載の多機能スプリッタ。
(付記16)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信する動作を開始する契機として、前記上りデータ格納部に前記上りデータが保存されていることを検出したタイミング、または、前記受光検知部から前記常時発光状態を検知した旨を示す検知通知を受け取ったタイミング、のいずれかとする、
ことを特徴とする付記10ないし15のいずれかに記載の多機能スプリッタ。
(付記17)
1台のOLT(Optical Line Terminal)と、
該OLTと多機能スプリッタを介して接続される複数のONU(Optical Network Unit)と、
を有するPON(Passive Optical Network)システムにおける通信制御方法であって、
前記多機能スプリッタは、
複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、を有している
ことを特徴とする通信制御方法。
(付記18)
前記多機能スプリッタは、
前記代理再送信機能を実現する前記代替通信径路を形成するために、
複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータに関する光信号の受光パワーを確認して、複数の前記ONUのいずれかが前記常時発光状態に陥ったことを検知する受光検知部と、
複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを前記受光検知部に到着した順番に保存する上りデータ格納部と、
複数の前記ONUそれぞれに代わって、前記上りデータ格納部に格納されている前記上りデータを、前記受光検知部に到着した順番に前記OLTに向けて再送信する代理再送信部と、
を有していることを特徴とする付記17に記載の通信制御方法。
(付記19)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーは、
複数の前記ONUそれぞれから送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーレベルと同等以上のレベルに設定される、
ことを特徴とする付記18に記載の通信制御方法。
(付記20)
前記多機能スプリッタの前記代替通信径路は、
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号が前記OLTに到達した際の前記OLTにおいて受光される該光信号の受光パワーレベルが、
前記通常の通信径路を経由して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに到達した際の前記OLTにおける受光パワーレベルよりも大きくなるように構成される、
ことを特徴とする付記18または19に記載の通信制御方法。
(付記21)
前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
複数の前記ONUのうちいずれかのONUから送信されてくる前記上りデータに関する光信号があらかじめ定めた時間閾値を超えて発光状態を継続していることを検知することにより、該ONUが前記常時発光状態に陥っていることを検知する、
ことを特徴とする付記18ないし20のいずれかに記載の通信制御方法。
(付記22)
前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
前記常時発光状態を検知した以降においては、該常時発光状態を検知しなくなるまで、複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを、該上りデータの到着順を示す識別子とセットにして前記上りデータ格納部に送信して、該上りデータ格納部に保存させる、
ことを特徴とする付記18ないし21のいずれかに記載の通信制御方法。
(付記23)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信した後、該上りデータを前記上りデータ格納部から削除する、
ことを特徴とする付記18ないし22のいずれかに記載の通信制御方法。
(付記24)
前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信する動作を開始する契機として、前記上りデータ格納部に前記上りデータが保存されていることを検出したタイミング、または、前記受光検知部から前記常時発光状態を検知した旨を示す検知通知を受け取ったタイミング、のいずれかとする、
ことを特徴とする付記18ないし23のいずれかに記載の通信制御方法。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
11 通常の通信径路
12 代替通信径路
100 OLT(Optical Line Terminal)
200 光ファイバケーブル
300 多機能スプリッタ
300A 多機能スプリッタ
310 上位側分岐部
320 光伝送路
321 光伝送路
330 光スプリッタ
340 光伝送路
341 光伝送路
342 光伝送路
350 光伝送路
351 光伝送路
352 光伝送路
360 下位側分岐部
361 下位側分岐部
362 下位側分岐部
370 代理再送信部
370A 代理再送信部
371 上りデータ格納部
372 受光検知部
372A 受光検知部
400 光ファイバケーブル
401 光ファイバケーブル
402 光ファイバケーブル
500 ONU(Optical Network Unit)
501 ONU(Optical Network Unit)
502 ONU(Optical Network Unit)

Claims (7)

  1. 1台のOLT(Optical Line Terminal)と、該OLTと多機能スプリッタを介して接続される複数のONU(Optical Network Unit)と、を有するPON(Passive Optical Network)システムであって、
    前記多機能スプリッタは、
    複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、
    を有し
    前記多機能スプリッタは、
    前記代理再送信機能を実現する前記代替通信径路を形成するために、
    複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータに関する光信号の受光パワーを確認して、複数の前記ONUのいずれかが前記常時発光状態に陥ったことを検知する受光検知部と、
    前記常時発光状態に陥ったONUを除外して、複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを前記受光検知部に到着した順番に保存する上りデータ格納部と、
    複数の前記ONUそれぞれに代わって、前記上りデータ格納部に格納されている前記上りデータを、前記受光検知部に到着した順番に前記OLTに向けて再送信する代理再送信部と、
    を有し、
    前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーは、
    複数の前記ONUそれぞれから送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーレベルと同等以上のレベルに設定され、
    前記多機能スプリッタの前記代替通信径路は、
    前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号が前記OLTに到達した際の前記OLTにおいて受光される該光信号の受光パワーレベルが、
    前記通常の通信径路を経由して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに到達した際の前記OLTにおける受光パワーレベルよりも大きくなるように構成される、
    ことを特徴とするPONシステム。
  2. 前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
    複数の前記ONUのうちいずれかのONUから送信されてくる前記上りデータに関する光信号があらかじめ定めた時間閾値を超えて発光状態を継続していることを検知することにより、該ONUが前記常時発光状態に陥っていることを検知する、
    ことを特徴とする請求項に記載のPONシステム。
  3. 前記多機能スプリッタの前記受光検知部は、
    前記常時発光状態を検知した以降においては、該常時発光状態を検知しなくなるまで、複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを、該上りデータの到着順を示す識別子とセットにして前記上りデータ格納部に送信して、該上りデータ格納部に保存させる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のPONシステム。
  4. 前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
    前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信した後、該上りデータを前記上りデータ格納部から削除する、
    ことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載のPONシステム。
  5. 前記多機能スプリッタの前記代理再送信部は、
    前記上りデータ格納部に保存されている前記上りデータを前記OLTに向けて再送信する動作を開始する契機として、前記上りデータ格納部に前記上りデータが保存されていることを検出したタイミング、または、前記受光検知部から前記常時発光状態を検知した旨を示す検知通知を受け取ったタイミング、のいずれかとする、
    ことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載のPONシステム。
  6. 1台のOLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)とを分岐接続するPON(Passive Optical Network)システムに実装される多機能スプリッタであって、
    複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、
    を有し
    前記多機能スプリッタは、
    前記代理再送信機能を実現する前記代替通信径路を形成するために、
    複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータに関する光信号の受光パワーを確認して、複数の前記ONUのいずれかが前記常時発光状態に陥ったことを検知する受光検知部と、
    前記常時発光状態に陥ったONUを除外して、複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを前記受光検知部に到着した順番に保存する上りデータ格納部と、
    複数の前記ONUそれぞれに代わって、前記上りデータ格納部に格納されている前記上りデータを、前記受光検知部に到着した順番に前記OLTに向けて再送信する代理再送信部と、
    を有し、
    前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーは、
    複数の前記ONUそれぞれから送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーレベルと同等以上のレベルに設定され、
    前記多機能スプリッタの前記代替通信径路は、
    前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号が前記OLTに到達した際の前記OLTにおいて受光される該光信号の受光パワーレベルが、
    前記通常の通信径路を経由して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに到達した際の前記OLTにおける受光パワーレベルよりも大きくなるように構成される、
    ことを特徴とする多機能スプリッタ。
  7. 1台のOLT(Optical Line Terminal)と、該OLTと多機能スプリッタを介して接続される複数のONU(Optical Network Unit)と、を有するPON(Passive Optical Network)システムにおける通信制御方法であって、
    前記多機能スプリッタは、
    複数の前記ONUのうち、いずれかのONUから前記OLTに向かう上り回線が常時光信号を送信する常時発光状態に陥った際に、P2MP(Point to Multi−Point)通信を実現する通常の通信径路を介して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに向けて送信する上りデータを、前記通常の通信径路とは異なる代替通信径路を介して、前記OLTに向けて再送信する代理再送信機能、
    を有し
    前記多機能スプリッタは、
    前記代理再送信機能を実現する前記代替通信径路を形成するために、
    複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータに関する光信号の受光パワーを確認して、複数の前記ONUのいずれかが前記常時発光状態に陥ったことを検知する受光検知部と、
    前記常時発光状態に陥ったONUを除外して、複数の前記ONUそれぞれから送信されてくる前記上りデータを前記受光検知部に到着した順番に保存する上りデータ格納部と、
    複数の前記ONUそれぞれに代わって、前記上りデータ格納部に格納されている前記上りデータを、前記受光検知部に到着した順番に前記OLTに向けて再送信する代理再送信部と、
    を有し、
    前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーは、
    複数の前記ONUそれぞれから送信される前記上りデータに関する光信号の発光パワーレベルと同等以上のレベルに設定され、
    前記多機能スプリッタの前記代替通信径路は、
    前記多機能スプリッタの前記代理再送信部から再送信される前記上りデータに関する光信号が前記OLTに到達した際の前記OLTにおいて受光される該光信号の受光パワーレベルが、
    前記通常の通信径路を経由して複数の前記ONUそれぞれから前記OLTに到達した際の前記OLTにおける受光パワーレベルよりも大きくなるように構成される、
    ことを特徴とする通信制御方法。
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