JP6693487B2 - 保護シートおよび保護シート付積層体 - Google Patents

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Description

本開示は、保護シートおよび保護シート付積層体に関する。
例えば、フレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuits : FPC)やプリント基板(Printed circuit board : PCB)等の製造工程においては、上記基板の傷つきや薬品による汚染、製造工程中に用いられる薬品または製造工程中の加熱による上記基板の劣化が生じる場合がある。そのため、上記基板の製造工程においては、上述したような傷つきや汚染、劣化等を防止することを目的として、上記基板の表面を保護する保護シートを用いる技術が提案されている(例えば特許文献1〜3)。このような保護シートは、例えば、基材と、上記基材の一方の面に配置された粘着層とを有する。また、保護シートは、被保護部材である製品から、最終的に剥離される部材である。
特許第5361760号 特許第5875318号 特開2017−8173号公報
被保護部材に貼付した保護シートは、最終的に被保護部材から剥離される部材である。そのため、保護シートには、被保護部材から保護シートを剥離することが可能な特性を有する粘着層を用いることが好ましい。このような粘着層としては、従来、粘着力が微粘着である粘着層が用いられている。粘着力が微粘着である上記粘着層は、所定の剥離力を有するという利点を有する一方、初期粘着力が微粘着であることにより、被保護部材へ十分に密着させることができず、被保護部材を保護する機能に課題がある。これに対し、エネルギー線の照射により粘着力を低下させ、剥離力を向上させることが可能な粘着層がある。エネルギー線の照射により粘着力を低下させる上記粘着層は、エネルギー線を照射する前の初期粘着力を高く、かつエネルギー線を照射した後の粘着力を初期粘着力から低下させることができる。したがって、上記粘着層を用いた保護シートは、被保護部材への密着性を高め、かつ被保護部材からの剥離も容易に行うことができる。
近年、被保護部材として種々の製品が用いられているところ、例えば、被保護部材において保護シートを貼付する側の面が幅広の広面積である場合、次のような新規な課題を発見した。すなわち、被保護部材に貼付した保護シートを剥離する際に、被保護部材から保護シートを剥離するのに要する力が増し、被保護部材から容易に保護シートを剥離することができないという新規な課題を発見した。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、エネルギー線の照射により粘着力を低下させることが可能な粘着層を用い、被保護部材からの剥離をより容易に行うことが可能な保護シートを提供することを主目的とする。
本開示においては、粘着層と、上記粘着層の一方の面に配置された基材とを有し、上記粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、上記粘着層は、フッ素樹脂を含有する保護シートを提供する。
また、本開示においては、保護シートと、被保護部材とが積層されてなる保護シート付積層体であって、上記保護シートは、粘着層と、上記粘着層の一方の面に配置された基材とを有し、上記粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、上記粘着層は、フッ素樹脂を含有する保護シート付積層体を提供する。
本開示の保護シートは、エネルギー線の照射により粘着力を低下させることが可能な粘着層を用い、被保護部材からの剥離をより容易に行うことができるという効果を奏する。
本開示の保護シート一例を示す概略断面図である。 本開示の保護シート付積層体の一例を示す概略断面図である。
本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」や「面に」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
以下、本開示の実施の態様を、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転しても良い。
以下、本開示の保護シートおよび保護シート付積層体について、詳細に説明する。
なお、本開示においては、「シート」および「フィルム」を同義として用いる場合がある。
A.保護シート
本開示の保護シートは、粘着層と、上記粘着層の一方の面に配置された基材とを有し、上記粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、上記粘着層は、フッ素樹脂を含有する部材である。
本開示の保護シートについて、図を用いて説明する。図1は本開示の保護シートの一例を示す概略断面図であり、図2は本開示の保護シートを被保護部に積層させた保護シート付積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本開示の保護シート10は、粘着層1と、粘着層1の一方の面に配置された基材2とを有する。また、本開示における粘着層1は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、粘着層1は、フッ素樹脂を含有する。このような本開示の保護シートは、図2に示すように、被保護部材20の表面に貼付され、被保護部材20の表面を保護する部材である。
近年、被保護部材として種々の製品が用いられているところ、例えば、被保護部材において保護シートを貼付する側の面が幅広の広面積である場合、次のような新規な課題を発見した。すなわち、被保護部材に貼付した保護シートを剥離する際に、被保護部材から保護シートを剥離するのに要する力が増し、被保護部材から容易に保護シートを剥離することができないという新規な課題を発見した。
また、近年、各種電子部材等の精密化や複雑化に伴い、被保護部材の薄膜化、機能の集積化や微細化が図られている。そのため、被保護部材自身や被保護部材の表面が破壊しやすい傾向にあり、被保護部材を保護する目的から保護シートが必要とされている。一方、被保護部材自身や被保護部材の表面が破壊しやすい傾向にある場合、仮に保護シートにより被保護部材を保護したとしても、被保護部材から保護シートを剥離する際に、被保護部材に負荷が掛かり、被保護部材が破壊されてしまうといった問題がある。
これに対し、本開示によれば、粘着層が疎水性を有するフッ素樹脂を含有することで、被保護部材に保護シートを貼付した後に、被保護部材から保護シートを剥離する際、粘着層の粘着力をより良好に低下させることができ、良好な剥離性を発揮することが可能となる。そのため、被保護部材において保護シートを貼付する側の面が幅広の広面積である場合であっても、被保護部材に貼付した保護シートを剥離する際に、被保護部材から保護シートを剥離するのに要する力の増大を抑制し、被保護部材から容易に保護シートを剥離することができる。また、被保護部材自身や被保護部材の表面が破壊しやすい場合であっても、被保護部材から保護シートを剥離する際に、被保護部材への負荷を抑え、被保護部材の破壊を抑制することができる。
これは、粘着層にフッ素樹脂を含有することで、粘着層の表面自由エネルギーが低下することに起因すると考えられる。
1.粘着層
本開示における粘着層は、基材の一方の面に配置される部材である。また、粘着層は、被保護部材の表面と密着する部材である。ここで、「粘着」とは、「接着」に含まれる概念である。粘着は一時的な接着現象の意味として用いられるのに対し、接着は永久的な接着現象の意味として用いられる点で区別されることがある(岩波書店 理化学事典第5版)。「粘着性」および「粘着力」とは、感圧により接着する性質およびそのときの接着力を指す。
以下、粘着層の特性および組成について説明する。
(1)特性
本開示における粘着層は、保護シートを被保護部材に貼付するための層である。また、粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有する。換言すると、粘着層は、エネルギー線の照射により、被保護部材から剥離する再剥離性を有する。ここで、粘着層が再剥離性を示すとは、粘着層により被保護部材に保護シートを粘着および密着して固定することができ、かつ、被保護部材から保護シートを剥離する際に、被保護部材を破壊せず、被保護部材表面への糊残りの発生を抑えて剥離可能であることをいう。
本開示における粘着層は、初期粘着力により被保護部材の表面に十分に密着固定することが可能である。また、被保護部材から保護シートを剥離する際には、エネルギー線を粘着層に照射することで、粘着層の粘着力が低下して剥離性が向上するため、被保護部材表面への糊残りの発生を抑え、容易に保護シートを剥離することができる。
ここで、本開示における粘着層がエネルギー線照射により被保護部材から剥離するとは、本開示における粘着層が、エネルギー線照射を受ける前は、強粘着性を示して被保護部材に密着固定することができるが、エネルギー線の照射を受けると、粘着力が著しく低下して被保護部材から容易に剥離可能になることをいう。具体的には、本開示における粘着層は、エネルギー線照射前の粘着力が0.5N/25mm以上20N/25mm以下であり、エネルギー線照射後の粘着力が2.0N/25mm以下であることが好ましい。粘着層の粘着力は、ポリエステルフィルムを基材とし、上記基材の片面に本開示における粘着層を後述する厚さの範囲内となるように形成した粘着性基材を用い、JIS Z0237の規格に準拠した条件で被着体にラミネートし、最後に、試験片を剥離角180°、室温下の条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより測定することができる。また、このような180°剥離強度測定には、例えば、インストロン社製の万能試験機5565を用いることができる。
粘着層に照射するエネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも汎用性等の観点から、紫外線が好ましい。
本開示における粘着層は、所定の光透過性を有することが好ましい。具体的には、本開示における粘着層のJIS K−7136に準拠したヘイズ値が、5%以下であることが好ましく、中でも2%以下であることが好ましく、特に1%以下であることが好ましい。粘着層のヘイズ値が上記範囲内であることにより、良好な光透過性を有する粘着層とすることができる。したがって、被保護部材に保護シートを貼付した後に、保護シートにおける粘着層にエネルギー線を照射して弱粘着化する際、粘着層に十分にエネルギー線を照射することが可能となる。また、粘着層が良好な光透過性を有することで、保護シートとしても光透過性を向上することができる。そのため、保護シートを貼付した被保護部材に対し、製造過程において光照射を行う際、保護シートにより光が遮断されるといった不具合の発生を抑制することができる。なお、粘着層のヘイズ値は、例えば、ヘイズ・透過率計(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM−150)を用いて測定することができる。
(2)組成
本開示における粘着層の組成は、フッ素樹脂を含有し、エネルギー線照射前後で所定の粘着力を示すものであればよい。このような粘着層としては、例えば、フッ素樹脂の他に、樹脂(粘着主剤)、エネルギー線重合性オリゴマー、および重合開始剤を少なくとも含む組成とすることができる。フッ素樹脂を有することで、被保護部材に保護シートを貼付した後に、保護シートにおける粘着層にエネルギー照射をした際、粘着力を十分に低下させ、良好な剥離性を得ることが可能となる。また、エネルギー線の照射により本開示における粘着層に含まれるエネルギー線重合性オリゴマーが硬化して、粘着力を低下させることができ、また、このとき凝集力が高まるため、被保護部材への転着が生じにくくなり、剥離が容易になる。
以下、粘着層を構成する粘着剤組成物に含まれる各組成について説明する。
(a)フッ素樹脂
本開示における「フッ素樹脂」とは、少なくともフッ素を含む樹脂を指す。このようなフッ素樹脂としては、例えば、ポリオール樹脂の骨格中にフッ素基を有する樹脂が挙げられる。上記フッ素基としては、例えば、フルオロアルキレン基が挙げられる。フッ素樹脂のフッ素含有率、すなわちポリオール樹脂の骨格中のフッ素基の含有率は、例えば、0.5質量%以上であることが好ましく、中でも1質量%以上であることが好ましい。ポリオール樹脂の骨格中のフッ素基の含有率が上記下限を有することで、被保護部材に保護シートを貼付した後に、保護シートにおける粘着層にエネルギー照射をした際に、粘着力を十分に低下させ、良好な剥離性を得ることが可能となる。また、フッ素樹脂のフッ素含有率、すなわちポリオール樹脂の骨格中のフッ素基の含有率は、例えば、100質量%以下であることが好ましく、中でも80質量%以下であることが好ましい。ポリオール樹脂の骨格中のフッ素基の含有率が上記上限を有することで、後述するその他の組成物との相溶性の低下を抑制することができる。
ポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、20000以上400000以下とすることができる。ポリオール樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であることで、フッ素樹脂と溶剤や他の架橋剤との相溶性の低下を抑制することができる。
本開示におけるフッ素樹脂は、官能基含有フッ素樹脂であることが好ましい。ここで、官能基含有フッ素樹脂とは、官能基を有するフッ素樹脂を指す。本開示においては、中でもフッ素樹脂が架橋性官能基を有することが好ましい。フッ素樹脂は、架橋性官能基を有することで、当該架橋性官能基が後述する組成物と架橋結合して硬化するため、粘着層の粘着力を低下することができる。架橋性官能基としては、例えば、水酸基またはアルコキシ基等が挙げられ、中でも水酸基であることが好ましい。また、本開示においては、架橋性官能基として水酸基のみを有することが好ましい。フッ素樹脂の水酸基価は、例えば、5mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましく、中でも10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましい。フッ素樹脂の水酸基価が上記下限を有することにより、粘着層の架橋密度の低下を抑制することができるため、所望の粘着力を得ることが可能となる。また、フッ素樹脂の水酸基価が上記上限を有することにより、フッ素樹脂と溶剤との相溶性の低下を抑制することができる。
本開示においては、官能基含有フッ素樹脂が、フッ素樹脂とシロキサンとが複合化されたシロキサングラフト型ポリマーであることが好ましい。具体的には、官能基含有フッ素樹脂が、フッ素樹脂の分子骨格に、シロキサン基をグラフト鎖として有する分子構造であることが好ましい。上記シロキサン基としては、例えば、ジメチルシロキサン基が挙げられる。本開示においては、官能基含有フッ素樹脂が、シロキサングラフト型ポリマーであることにより、被保護部材に保護シートを貼付した後に、保護シートにおける粘着層にエネルギー照射をした際に、粘着力を十分に低下させ、良好な剥離性を得ることが可能となる。フッ素樹脂におけるジメチルシロキサン基の含有率としては、例えば、5質量%以上100質量%以下とすることが好ましく、中でも10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。フッ素樹脂におけるジメチルシロキサン基の含有率が上記範囲内であることにより、被保護部材に保護シートを貼付した後に、保護シートにおける粘着層にエネルギー照射をした際に、粘着力を十分に低下させ、良好な剥離性を得ることが可能となる。
上述したようなフッ素樹脂の具体例としては、例えば、市販品であるZX−007C、ZX―001、ZX−017、ZX−022、ZX−022H、ZX−047D、ZX−058A、ZX−212、ZX−201、ZX−202(T&K TOKA社製 フッ素樹脂−シロキサングラフト型ポリマー)や、KP−911(信越化学工業社製 フッ素シリコーン)、ルミフロンLF−100、LF−200、LF−302、LF−400、LF−554、LF−600、LF−986N(旭硝子社製)等が挙げられる。
また、本開示において、「フッ素樹脂を含有する」とは、粘着層が少なくともフッ素樹脂を含有していることを指す。例えば、粘着層に含まれるフッ素樹脂の含有量は、粘着層の粘着主剤100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、中でも0.5質量部以上であることが好ましく、特に1.0質量部以上であることが好ましい。粘着層中のフッ素樹脂の含有量が上記下限を有することで、粘着層にエネルギー線を照射したときに、粘着層が有する粘着力を、初期粘着力から十分に低下させることができ、粘着層の剥離性を良好に向上させることができる。また、粘着層に含まれるフッ素樹脂の含有量は、粘着層の粘着主剤100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、中でも20質量部以下であることが好ましく、特に10質量部以下であることが好ましい。粘着層中のフッ素樹脂の含有量が上記上限を有することで、粘着層中に含まれるフッ素樹脂が増えすぎることに起因して粘着層の初期粘着力が低下し、被保護部材の表面に保護シートを十分に密着させることができないという問題の発生を抑制することができる。また、粘着層中のフッ素樹脂の含有量が上記上限を有することで、フッ素樹脂が残渣となり、他の組成に悪影響を及ぼすといった不具合の発生を抑制することができる。さらに、粘着層中のフッ素樹脂の含有量が上記上限を有することで、粘着層が白濁することによるヘイズ値の上昇を抑えることができる。
(b)樹脂(粘着主剤)
粘着主剤として用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂については、特に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられるが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルおよび他の単量体の具体例としては、例えば特開2012−31316号公報に開示されるものが挙げられる。他の単量体は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでの主成分とは、共重合割合が51質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上である。
中でも上記アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好適に用いることができる。
共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されず、例えば特開2012−31316号公報に開示される水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーが用いられる。
上記アクリル系樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、20万〜100万の範囲内であることが好ましく、中でも20万〜80万の範囲内であることが好ましい。アクリル系樹脂の質量平均分子量を上記範囲内とすることで、十分な初期粘着力を発揮できるからである。
また、上記アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの(メタ)アクリル酸エステル共重合体である場合、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比としては、51:49〜100:0の範囲内であることが好ましく、中でも75:25〜100:0であることが好ましい。各モノマーの質量比が上記範囲内であれば、エネルギー線照射による効果的な粘着力の低下が期待でき、本開示における粘着層を剥離する際に被保護部材側に糊残りが生じるのを防ぐことができるからである。
(c) エネルギー線重合性オリゴマー
エネルギー線重合性オリゴマーは、エネルギー線の照射を受けて重合するものであれば特に限定されず、例えば、光ラジカル重合性、光カチオン重合性、光アニオン重合性等のオリゴマーが挙げられる。中でも、光ラジカル重合性オリゴマーが好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、更には、硬化前の粘着性や硬化後の剥離性等の物性を容易に制御することができるからである。光ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば特開2012−31316号公報に開示されるものが挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エネルギー線重合性オリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、例えば250〜8000の範囲内、中でも250〜5000の範囲内であることがより好ましい。質量平均分子量が上記範囲内であれば、本開示における粘着層がエネルギー線照射前には所望の粘着性を示し、剥離工程におけるエネルギー線照射後では、被保護部材側への糊残りの発生が抑制され、容易に剥離可能となるからである。
粘着剤組成物は、エネルギー線重合性オリゴマーの量を調整することにより、エネルギー線照射後の本開示における粘着層の粘着力の制御が可能となる。粘着剤組成物中のエネルギー線重合性オリゴマーの含有量としては、アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上180質量部以下であることが好ましく、中でも20質量部以上150質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の本開示の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、粘着剤組成物の凝集力の低下による被保護部材側への糊残りの発生を抑制することができる。
(d)重合開始剤
上記重合開始剤は、一般的な光重合開始剤を用いることができる。例えば、基材の種類や粘着層に照射されるエネルギー線の種類に応じて、その波長に合った任意の重合開始剤中を選択することができる。被保護部材が光学部材である場合には、保護シートに対して光学特性が要求されるため、例えば、イエローインデックス値(YI値)が低い光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤のYI値としては、例えば2.0以下であることが好ましい。なお、YI値は、分光色差計(日本電色社製、SE6000)を用いて測定することができる。このような重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE184(BASF ジャパン社製)等が挙げられる。
粘着剤組成物中の重合開始剤の含有量は、アクリル系樹脂およびエネルギー線重合性オリゴマーの合計100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下、中でも0.5質量部以上7質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の含有量が上記範囲に満たないと、エネルギー線重合性オリゴマーの重合反応が十分起こらず、エネルギー線照射後の本開示における粘着層の粘着力が過剰に高くなり、剥離性を実現することができない場合があり、一方、上記範囲を越えると、エネルギー線照射面の近傍にしかエネルギー線が届かず、本開示における粘着層の硬化が不十分となる場合がある。また、粘着剤組成物の凝集力が低下し、糊残りの発生の原因となる場合もある。なお、粘着剤組成物に、エネルギー線重合性オリゴマーと後述するエネルギー線重合性モノマーとを含有する場合には、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、およびエネルギー線重合性モノマーの合計100質量部に対して、重合開始剤の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(e)架橋剤
架橋剤は、少なくともアクリル系樹脂間を架橋するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤の具体例としては、特開2012−31316号公報に開示されるものが挙げられる。架橋剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができ、アクリル系樹脂の種類等に応じて、適宜選択することができる。
粘着剤組成物中の架橋剤の含有量としては、架橋剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えばアクリル系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下、中でも0.01質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
架橋剤の含有量が上記範囲に満たないと、本開示における粘着層と被保護部材との密着性が劣る場合や、被保護部材から保護シートを剥離する際に、本開示における粘着層が凝集破壊を起こして被保護部材側へ糊残りが生じる場合がある。一方、架橋剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射後の本開示における粘着層中に上記架橋剤が未反応モノマーとして残留することで、凝集力の低下により糊残りの発生の原因となる場合がある。
(f)任意の組成
粘着剤組成物は、上述のエネルギー線重合性オリゴマーに加えてエネルギー線重合性モノマーを含有してもよい。エネルギー線を照射した際に、粘着剤組成物を3次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、粘着剤組成物の凝集力を高めて被保護部材側へ転着させないようにすることができるからである。エネルギー線重合性モノマーとしては、光ラジカル重合性モノマーが好ましく、中でも一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能性アクリレートや多官能性メタクリレートが好ましい。具体的には、特開2010−173091号公報に記載のエネルギー線重合性モノマーが挙げられる。
上記粘着剤組成物中に、上記エネルギー線重合性オリゴマーと上記エネルギー線重合性モノマーとが含有される場合には、その合計含有量としては、アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上180質量部以下、中でも20質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。エネルギー線照射後の架橋密度が十分になり、適正な剥離性を実現することができ、また、粘着剤組成物の凝集力の低下による被保護部材側への糊残りの発生を抑制することができるからである。
粘着剤組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、粘着付与剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、着色剤、耐電防止剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
(3)その他
本開示における粘着層の厚さとしては、十分な粘着力が得られ、且つ、エネルギー線が内部まで透過することが可能な大きさであればよく、具体的には3μm以上125μm以下、中でも5μm以上100μm以下であることが好ましい。
本開示における粘着剤組成物は、上記した各成分を混合し、必要に応じて混練ないし分散して調製することができる。混練ないし分散方法は、特に限定されるものではなく、例えば特開2014−234460号公報で開示される従来公知の混練分散機などが適用できる。また、粘着剤組成物は、粘度調整のため希釈溶剤を加えて各成分を混合してもよい。
2.基材
本開示の保護シートは、粘着層の一方の面に基材を有する。基材は、粘着層を支持できる層であることが好ましい。本開示における基材は、保護シートに耐熱性や耐薬品性等を付与することができる部材である。そのため、例えば、被保護部材の製造工程において、被保護部材の表面が製造過程における加熱や薬品により劣化や汚染されることを抑制するために、被保護部材の表面に基材を有する保護シートを貼付したとき、被保護部材を熱や薬品から良好に保護することができる。
本開示における基材は、耐熱性を有することが好ましい。基材の耐熱性は、例えば基材材料の150℃〜250℃の範囲内における熱膨張係数が5ppm/℃〜50ppm/℃の範囲内、中でも10ppm/℃〜30ppm/℃の範囲内であることが好ましい。
上記基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。この様な基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の無機基材、樹脂フィルム、光学用樹脂板等の樹脂基材等を挙げることができる。
樹脂基材に用いられる樹脂としては、上述の熱膨張係数を示すものが好ましいが、中でも、上記物性に加えて、寸法安定性、エネルギー線透過性、剛性、伸長性、積層適性、耐薬品性にも優れる点から、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ガラスエポキシ樹脂(ガラエポ)であることが好ましい。樹脂基材は、1種の樹脂により構成された単層であってもよく、2種以上の樹脂基材が積層された多層体であってもよい。
基材の厚さは、特に限定されず、材質や可撓性の有無、粘着層の種類に応じて適宜選択することができる。
基材の形態は特に限定されず、可撓性の有無に応じて、例えば板状、シート状、フィルム状、テープ状等が挙げられる。また、上記基材は、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
基材は、透明性を有することが好ましい。基材側から粘着層の粘着力を低下させるのに十分なエネルギー線を照射することができる。このときの基材の光透過率については、所望の量のエネルギー線が透過可能であればよく、適宜設定することができる。
基材は、粘着層との密着性を高めるために、粘着層が形成される面にコロナ処理やプライマー処理等の表面処理が施されていてもよい。
3.その他の構成
本開示の保護シートは、上述した粘着層および基材を有していればよいが、必要に応じてその他の構成を有していてもよい。例えば、本開示の保護シートは、粘着層および基材の間にその他の構成を有していてもよく、基材の粘着層とは反対側の面にその他の構成を有していてもよい。その他の構成としては、例えば、セパレータが挙げられる。なお、セパレータは、通常、基材の粘着層とは反対側の面に配置される。以下、それぞれの構成について説明する。
本開示の保護シートは、粘着層の基材とは反対側の面にセパレータを有していてもよい。セパレータは、粘着層から剥離可能に設けられ、保護シートを被保護部材に貼付する際に、粘着層から剥離される。粘着層の表面にセパレータを設けることにより、粘着層を介して保護シートを被保護部材に貼付するまでの間に、粘着層の表面が汚れたり傷つき、粘着層の初期粘着力が低下するといった不具合の発生を抑制することができる。
このようなセパレータとしては、例えば、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のセパレータを用いることができる。具体的には、ポリプロピレンやポリエチレン、フッ素フィルムなどが挙げられる。また、セパレータは、上記に例示した単層で離型性を有していてもよいが、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面または両面に離型層を形成した積層体を用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、長鎖アルキル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
セパレータは、粘着層と接する面に易剥離処理が施されていることが好ましい。
セパレータは、防湿性を有していてもよい。セパレータが防湿性を有することで、粘着層を介して被保護部材に保護シートを貼付するまでの間、粘着層と湿気との接触を防ぐことができるからである。セパレータが防湿性を有するとは、例えば温度40℃湿度90%RH下におけるセパレータの水蒸気透過度が1g/m/day以下であることが好ましく、中でも0.1g/m/day以下であることが好ましい。水蒸気透過度は、JIS K7129に準拠して測定することができる。防湿性を有するセパレータとしては、例えば、シリコーン等の剥離処理がされたアルミ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、アルミ箔、厚みが0.1mm以上のポリエチレンフィルム、防湿フィラーを含むフィルム等が挙げられる。
セパレータは、粘着層に含有される材料の種類や、施工環境に応じて、遮光性を有していてもよい。粘着層を介して被保護部材に保護シートを貼付するまでの間に、粘着層が紫外線等の照射を受けて劣化するのを抑制することができるからである。遮光性を有するセパレータとしては、例えば、アルミ箔セパレータ、アルミ蒸着フィルムや紙セパレータ、着色セパレータ、紫外線吸収剤入りのフィルムセパレータ等が挙げられる。
4.用途
本開示の保護シートは、被保護部材を保護するための部材として用いることができる。具体的には、被保護部材の加工の際の保護を目的として用いることができる。その他にも、本開示の保護シートは、被保護部材の搬送用の部材として用いても良く、あるいは支持フィルムとして用いても良い。すなわち、本開示の保護シートは、キャリアフィルムとしての用途もある。
B.保護シート付積層体
本開示の保護シート付積層体は、保護シートと、被保護部材とが積層されてなる積層体であって、上記保護シートは、粘着層と、上記粘着層の一方の面に配置された基材とを有し、上記粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、上記粘着層は、フッ素樹脂を含有する積層体である。
本開示の保護シート付積層体の図面を用いた説明については、上述した「A.保護シート」の項で説明した図2の説明と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本開示によれば、上述した保護シートを有することで、エネルギー線の照射により粘着力を低下させることが可能な粘着層を用い、被保護部材からの剥離をより容易に行うことが可能な保護シート付積層体とすることができる。なお、本開示における詳細な効果の説明は、上述した「A.保護シート」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
1.保護シート
本開示における保護シートは、被保護部材に積層される部材である。また、保護シートは、粘着層と、上記粘着層の一方の面に配置された基材とを有し、上記粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、上記粘着層は、フッ素樹脂を含有する部材である。
本開示における保護シートについては、上述した「A.保護シート」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
2.被保護部材
本開示における被保護部材は、上述した保護シートを積層することができる部材であり、特に限定されない。中でも、FPCやPCB等、製造工程において表面の保護が必要となる製品であることが好ましい。その他にも、端子を有するものが好ましく、例えば、ICチップ、LSIチップなどの半導体チップ、半導体パッケージ、チップコンデンサ、チップ抵抗、トランジスタ、インダクタ等が挙げられ、また、画像表示装置等の電子機器、建材や自動車等が挙げられる。本開示においては、被保護部材が、広面積な表面を有する製品であることが好ましい。広面積な表面を有する被保護部材の場合、当該表面に貼付される保護シートは、より良好な剥離性が求められる。そのため、上述した本開示における保護シートを用いることで得られる効果が顕著となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例]
(粘着剤組成物の調製)
アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製 商品名:SKダイン 1811L)100質量部に対して、エネルギー線重合性オリゴマー(新中村化学工業株式会社製 商品名:NKオリゴ U−10PA)50質量部、重合開始剤(BASFジャパン株式会社製 商品名:IRGACURE819)1.5質量部、フッ素樹脂(T&K TOKA株式会社製 商品名:ZX−022)3質量部、架橋剤(綜研化学株式会社製 商品名:L−45)3質量部を、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(DICグラフィックス株式会社製 商品名:KT−11)で固形分比30%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
(保護シートの作製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータ(東洋紡株式会社製 商品名:E7304 厚み:50μm)に、乾燥後の厚みが75μmとなるように、上述した粘着剤組成物をコンマコートにより塗工し、粘着層を形成した。粘着層の乾燥後、基材(東洋紡株式会社製 商品名:A4100 厚み:50μm)をラミネートし、本開示の保護シートを得た。
[比較例]
粘着剤組成物にフッ素樹脂を含有しなかったこと以外は、実施例と同様にして保護シートを得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた保護シートの剥離力について評価した。剥離力の評価は、被保護部材としてカプトン200Hを用い、JIS Z0237に準拠して行った。結果は表1に示す。
Figure 0006693487
実施例および比較例の結果から、粘着層がフッ素樹脂を含有することにより、粘着層の表面自由エネルギーが低下し、エネルギー照射後の粘着力をより低くすることができた。
1 …粘着層
2 …基材
10…保護シート
20…被保護部材
100…保護シート付積層体

Claims (2)

  1. 粘着層と、
    前記粘着層の一方の面に配置された基材と、を有し、
    前記粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、かつ、前記エネルギー線の照射後の粘着力が、2.0N/25mm以下であり、
    前記粘着層は、フッ素樹脂、粘着主剤である樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、および重合開始剤を含有し、
    前記フッ素樹脂が、官能基含有フッ素樹脂であり、
    前記官能基含有フッ素樹脂が、フッ素樹脂とシロキサンとが複合化されたシロキサングラフト型ポリマーであり、
    前記粘着主剤である樹脂が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、かつ質量平均分子量(Mw)が、20万〜80万の範囲内であり、
    前記粘着層は、JIS K−7136に準拠したヘイズ値が、5%以下である保護シート。
  2. 保護シートと、被保護部材とが積層されてなる保護シート付積層体であって、
    前記保護シートは、粘着層と、前記粘着層の一方の面に配置された基材と、を有し、
    前記粘着層は、エネルギー線の照射により初期粘着力から粘着力が低下する特性を有し、かつ、前記エネルギー線の照射後の粘着力が、2.0N/25mm以下であり、
    前記粘着層は、フッ素樹脂、粘着主剤である樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、および重合開始剤を含有し、
    前記フッ素樹脂が、官能基含有フッ素樹脂であり、
    前記官能基含有フッ素樹脂が、フッ素樹脂とシロキサンとが複合化されたシロキサングラフト型ポリマーであり、
    前記粘着主剤である樹脂が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、かつ質量平均分子量(Mw)が、20万〜80万の範囲内であり、
    前記粘着層は、JIS K−7136に準拠したヘイズ値が、5%以下である保護シート付積層体。
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