JP6692935B2 - 車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム - Google Patents

車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムに関する。
従来、車両がETC(Electronic Toll Collection System)レーンを通過する際に車両を制御する技術が知られている。これに関連し、ETCカードが未装着であり、且つ車両がETCレーンを走行中である場合に、ETCレーンを走行中である旨を報知し、車両がETCゲートに進入する場合に車両を停止させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−115531号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、ETCカードが未装着である状態から車載器に装着された場合や、ETCカードが車載器に装着された状態から車載器から抜かれた場合に、車両が通過するゲートを変化させることができないため、ETCカードの装着状態の変化に応じて車両の走行を制御することができない可能性があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、例えばETCカードなどの媒体の装着状態に応じて車両の走行を適切に制御することができる車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムを提供することを目的の一つとする。
請求項1記載の発明は、有料道路を通過するための認証情報が格納された媒体(EC)を装着可能である装着部(42)と、前記装着部に前記媒体が装着されている状態であるか、前記装着部に前記媒体が装着されていない状態であるかを検出する検出部(44)と、自動運転を行う自動運転制御部であって、前記検出部による検出結果に基づいて、前記自動運転の制御内容を変更する自動運転制御部(100、60)と、を備える車両制御装置(1)である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置であって、前記自動運転制御部は、有料道路に設けられた複数のゲートの中から選択した目標ゲートに自動的に向かうように車両を制御し、前記検出部により検出された前記装着状態が変化した場合に、前記目標ゲートを変更するか否かを決定する、ものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の車両制御装置であって、前記自動運転制御部は、車両が前記目標ゲートに自動的に向かうための目標軌道を生成し、前記検出部により検出された装着状態の変化に基づいて、前記目標軌道を変更するものである。
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の車両制御装置であって、前記自動運転制御部は、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻と、前記車両が前記目標ゲートに到達することが予測される時刻との関係、または、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻における車両の位置と前記目標ゲートの位置との関係に基づいて、前記目標ゲートを変更するか否かを決定するものである。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の車両制御装置であって、前記自動運転制御部は、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻と、車両が前記目標ゲートに到達することが予測される時刻との差が所定時間よりも長い場合、または、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻における前記車両の位置と前記目標ゲートの位置との距離が所定距離よりも長い場合、前記目標ゲートを変更し、且つ、前記目標ゲートまでの目標軌道を変更するものである。
請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載の車両制御装置であって、前記自動運転制御部は、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻と、車両が前記目標ゲートに到達することが予測される時刻との差が所定時間以下である場合、または、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻における前記車両の位置と前記目標ゲートの位置との距離が所定距離以下である場合、前記目標ゲートを変更することなしに、前記目標ゲート付近の位置に前記車両を停止させるものである。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の車両制御装置であって、前記自動運転制御部は、前記目標ゲートを変更することなしに、前記目標ゲート付近の位置に前記車両を停止させた場合に、前記目標ゲートを通過することができないことを通知部(30、48、52)により通知させるものである。
請求項8記載の発明は、請求項6または7に記載の車両制御装置であって、前記自動運転制御部は、前記目標ゲートを変更することなしに、前記目標ゲート付近の位置に前記車両を停止させる前に、手動運転を実行することを通知部(30、48、52)により通知させるものである。
請求項9記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記自動運転制御部は、前記媒体が使用されずに車両が有料道路に入場した後、前記有料道路からの退出時において、前記装着状態の変化に拘わらず、前記媒体を使用せず通過可能なゲートを前記目標ゲートとして維持するものである。
請求項10記載の発明は、コンピュータが、有料道路を通過するための認証情報が格納された媒体が装着部に装着されている状態であるか、前記装着部に前記媒体が装着されていない状態であるかを検出し、検出結果に基づいて、自動運転の制御内容を変更する、車両制御方法である。
請求項11記載の発明は、コンピュータに、有料道路を通過するための認証情報が格納された媒体が装着部に装着されている状態であるか、前記装着部に前記媒体が装着されていない状態であるかを検出させ、検出結果に基づいて、自動運転の制御内容を変更させる、車両制御プログラムである。
請求項1、10、または11記載の発明によれば、媒体の装着状態の検出結果に基づいて自動運転の制御内容を変更するので、例えばETCカードなどの媒体の装着状態に応じて車両の走行を適切に制御することができる。
請求項2または3記載の発明によれば、媒体の装着状態の変化に基づいて目標ゲートを変更するので、変更された目標ゲートを通過するように車両の走行を制御することができる。
請求項4、5、または6記載の発明によれば、媒体の装着状態の変化した時の車両の位置とゲートの位置との関係に基づいて目標ゲートを変更するので、より適切に車両の走行を制御することができる。
請求項7記載の発明によれば、目標ゲート付近の位置に車両を停止させた場合に目標ゲートを通過することができないことを通知するので、乗員に与える違和感を抑制することができる。
請求項8記載の発明によれば、目標ゲート付近の位置に車両を停止させる前に、手動運転を実行することを通知するので、利便性を高くすることができる。
自動運転制御ユニット100を含む車両システム1の構成図である。 自車位置認識部122により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。 目標車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。 料金所通過イベントにおいて目標軌道が生成される様子を示す図である。 自車両Mの位置と、有料道路の入口ゲート位置および出口ゲートの位置との関係の一例を示す図である。 自車両Mの位置と、自車両Mの走行状態と、装着状態の変化と、制御内容(C1)〜(C14)との関係を示す図である。 自動運転を開始する前において自車両Mが通過するゲートを設定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 自動運転を実行している最中にETCカードの装着状態が変化した場合における制御の流れの一例を示すフローチャートである。 料金所の直前においてETCカードの装着状態が変化した場合の他の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 手動運転を実行することが可能な状況の一例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムの実施形態について説明する。図1は、自動運転制御ユニット100を含む車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、ETC(Electronic Toll Collection system)車載器40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Micro-Processing Unit)60と、車両センサ70と、運転操作子80と、自動運転制御ユニット100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両(以下、自車両Mと称する)の任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。レーダ装置12は、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
ファインダ14は、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。ファインダ14は、自車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御ユニット100に出力する。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いはVICS(登録商標)などの無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。HMI30におけるタッチパネル、スイッチ、キーなどの操作部が、自車両Mの運転モードを、自動運転モードに切り替える操作を受け付ける受付部として機能する。自動運転モードは、例えば、自車両Mの操舵または加減速の少なくとも一方を制御することで、目的地までの経路に沿って自車両Mを自動的に走行させる運転モードである。
ETC車載器40は、ETCカード(EC)が装着される装着部42と、装着部42にETCカードMが装着されているか否かを検出する検出部44と、有料道路のゲートに設けられたETC路側器と通信する無線通信部46と、通知部48を備える。ETCカードは、自車両Mが有料道路を通過するための認証情報(AI(authentication information))が格納された媒体である。なお、無線通信部46は、通信装置20と共通化されてもよい。
装着部42は、ETCカードを装着および抜き取りが可能である挿抜機構を備える。装着部42において、ETCカードが装着された状態またはETCカードが抜き取られた状態のいずれであるかが、検出部44により検出される。検出部44は、検出結果を、自動運転制御ユニット100に出力する。なお、検出部44は、ETCカードの有効期限などに基づくETCカードの有効または無効を検出する機能部を備えていて良い。この場合、検出部44は、ETCカードが有効である場合、ETCカードが装着されている状態であると判定し、ETCカードが無効である場合、ETCカードが装着されていない状態であると判定してもよい。
無線通信部46は、ETC路側器から受信した要求に応じて、ETCカードに格納された認証情報をETC車載器に送信する。無線通信部46は、ETC路側器から受信した認証結果に基づいて、ETC路側器が設けられたゲート通過の可否、入口料金所や出口料金所などの情報を取得する。ETC路側器は、ETC車載器から受信した情報を元に自車両Mの乗員に対する課金額を決定し、請求処理を進める。
通知部48は、音声を出力するスピーカや、インジケータなどである。通知部48は、ETCカードの装着状態、無線通信部46により取得した認証結果を乗員に通知する。
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路探索部53とを備え、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ70の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。
ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。ナビHMI52は、乗員の操作に基づいて、目的地などの情報を受け付ける。
経路探索部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路を、第1地図情報54を参照して決定する。経路探索部53は、自車両Mの現在位置が探索した経路から所定距離以上離れている場合に、経路を再計算する。経路探索部53により決定された経路は、MPU60に出力される。また、ナビゲーション装置50は、経路探索部53により決定された経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。
第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。
なお、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから返信された経路を取得してもよい。
MPU60は、例えば目標車線決定部61および目標ゲート決定部62として機能し、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報63を保持している。目標車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報63を参照してブロックごとに目標車線を決定する。目標車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。目標車線決定部61は、経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な走行経路を走行できるように、目標車線を決定する。
目標ゲート決定部62は、例えば、ETCカードの装着状態その他の情報に基づいて、経路探索部53により探索された経路において並列に設けられた複数のゲートの中からいずれかの目標ゲートを選択する。並列に設けられた複数のゲートは、自車両Mが一つのゲートを選択的に走行することができるように建築された一連のゲート群である。一連のゲート群には、ETCカードに格納された認証情報に基づいて自車両Mの通過の可否が判定されるETCゲート、チケットの受け取りまたは手動による支払いを条件として自車両Mの通過が許可される一般ゲート、ETCゲートと一般ゲートの機能を併せ持つETC/一般ゲートが含まれる。目標ゲート決定部62は、ETCカードが装着部42に装着されている場合、原則としてETCゲートを選択する。目標ゲート決定部62は、ETCカードが装着部42に装着されていない場合、原則として一般ゲートを選択する。目標ゲート決定部62は、閉鎖しているゲートが存在する場合や、他車両の存在などに基づいて、ETC/一般ゲートを選択しても良い。さらに、目標ゲート決定部62は、認証情報に基づいて選択された目標ゲートが複数存在する場合、目的地までの経路、他車両の存在、車線変更の有無などに基づいて、一つの目標ゲートを決定する。
第2地図情報63は、ナビゲーション装置50における第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報63は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報63には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。第2地図情報63には、有料道路におけるゲートがETCゲート、一般ゲート、またはETC/一般ゲートのうちいずれかの種別を表す種別情報、各ゲートの位置、などの情報が含まれる。第2地図情報63は、通信装置20を用いて他装置にアクセスすることにより、随時、アップデートされてよい。
車両センサ70は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイールその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御ユニット100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一方または双方に出力される。
自動運転制御ユニット100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部140とを備える。第1制御部120と第2制御部140は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、以下に説明する第1制御部120と第2制御部140の機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
第1制御部120は、例えば、外界認識部121と、自車位置認識部122と、行動計画部130とを備える。
外界認識部121は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14から物体認識装置16を介して入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両の位置は、その周辺車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、周辺車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、周辺車両の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部121は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
自車位置認識部122は、例えば、自車両Mが走行している車線(走行車線)、並びに走行車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢を認識する。自車位置認識部122は、例えば、第2地図情報63から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINS(Inertial Navigation System)による処理結果が加味されてもよい。
自車位置認識部122は、例えば、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。図2は、自車位置認識部122により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。自車位置認識部122は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および自車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部122は、自車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部122により認識される自車両Mの相対位置は、目標車線決定部61および行動計画部130に提供される。
行動計画部130は、料金所通過制御部132と、目標軌道生成部134とを備える。 行動計画部130は、目標車線決定部61により決定された目標車線を走行するように、且つ、自車両Mの周辺状況に対応できるように、自動運転において順次実行されるイベントを決定する。イベントには、例えば、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、前走車両に追従する追従走行イベント、車線変更イベント、合流イベント、分岐イベント、料金所通過イベント、緊急停止イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベントなどがある。また、これらのイベントの実行中に、自車両Mの周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄など)に基づいて、回避のための行動が計画される場合もある。料金所通過制御部132は、料金所通過イベントにおいて、目標車線決定部61により決定された目標車線および目標ゲート決定部62によって決定された目標ゲートを走行させる。
目標軌道生成部134は、自車両Mが将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、自車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、所定の走行距離ごとの自車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
図3は、目標車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。図示するように、目標車線は、目的地までの経路に沿って走行するのに都合が良いように設定される。行動計画部130は、目標車線の切り替わり地点の所定距離手前(イベントの種類に応じて決定されてよい)に差し掛かると、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベント、料金所通過イベントなどを起動する。各イベントの実行中に、障害物を回避する必要が生じた場合には、図示するように回避軌道が生成される。目標軌道生成部134は、例えば、目標軌道の候補を複数生成し、安全性と効率性の観点に基づいて、その時点での最適な目標軌道を選択する。このように、自動運転モードは、目的地までの経路に沿って、自車両Mを走行させる。
第2制御部140は、走行制御部141を備える。走行制御部141は、行動計画部130によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、およびブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、走行制御部141から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、走行制御部141から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
以下、料金所通過イベントについて説明する。図4は、料金所通過イベントにおいて目標軌道が生成される様子を示す図である。行動計画部130は、料金所の所定距離手前に差し掛かると、料金所通過イベントを起動する。目標軌道生成部134は、目標車線決定部61により決定された目標車線から、目標ゲート決定部62により決定された目標ゲートを通過する目標軌道を生成する。目標軌道生成部134は、目標ゲートの候補としてETCゲート(G1)、(G5)、および(G6)が選択された場合、目標軌道(T1)、(T5)、および(T6)を生成する。料金所通過制御部132は、他車両の存在などの安全性と、走行距離などの効率性の観点に基づいて、目標軌道(T1)、(T5)、および(T6)のうち最適な目標軌道を確定する。目標軌道生成部134は、目標ゲートの候補として一般ゲート(G2)および(G3)が選択された場合、目標軌道(G2)および(G3)を生成する。料金所通過制御部132は、他車両の存在などの安全性と、走行距離などの効率性の観点に基づいて、目標軌道(T2)および(T3)のうち適した目標軌道を確定する。
以下、ETCカードの装着状態が変化した場合に、自車両Mの走行を制御することについて説明する。図5は、自車両Mの位置と、有料道路の入口ゲートの位置および出口ゲートの位置との関係の一例を示す図である。図6は、自車両Mの位置と、自車両Mの走行状態と、装着状態の変化と、制御内容(C1)〜(C14)との関係を示す図である。
まず、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合における制御について説明する。自車両Mの位置が出発地P1からの出発前において、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートを一般ゲートからETCゲートに変更する(C1)。自車両Mが有料道路までの一般道路を走行している場合において、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートを一般ゲートからETCゲートに変更する(C2)。なお、自車両Mの位置が出発地P1付近や料金所の入口位置Piから所定距離(D1+D2)より離れている場合、目標軌道には影響しないので、目標車線の変更は行わない。
自車両Mの位置が料金所入口付近(P3からP4まで)である場合において、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートを一般ゲートからETCゲートに変更すると共に、目標車線決定部61は、変更した目標ゲートの位置に基づいて自車両Mの走行車線を変更する(C3)。例えば、図4において、目標ゲートを一般ゲート(G3)からETCゲート(G6)に変更した場合、目標車線決定部61は、目標車線を、一般ゲート(G3)に近い左側車線から、ETCゲート(G6)に近い右側車線に変更する。目標軌道生成部134は、変更された目標車線に基づいて目標軌道を変更する。「自車両Mの位置が料金所の付近である」とは、自車両Mの位置と料金所までの距離が所定距離(D1+D2、第1の所定距離)以内であって、自車両Mの車線変更が可能な距離であることを言う。「自車両Mの位置が料金所付近である」とは、ETCカードの装着状態が変化した時刻から自車両Mが目標ゲートに到達することが予測される時刻までの期間が、自車両Mの車線変更が可能な期間である、と言い換えることができる。
自車両Mの位置が料金所入口直前(P4からPiまで)である場合において、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートを一般ゲートからETCゲートに変更しない。料金所通過制御部132は、変更されていない一般ゲートまで自車両Mを走行させ、当該一般ゲートに自車両Mを停止させる(C4)。「自車両Mの位置が料金所直前である」とは、自車両Mの位置と料金所までの距離が所定距離(D2、第2の所定距離)以下であり、自車両Mの車線変更が不能な距離であることを言う。また、「自車両Mの位置が料金所直前である」とは、ETCカードの装着状態が変化した時刻から自車両Mが目標ゲートに到達することが予測される時刻までの期間が、自車両Mの車線変更が不能な期間である(所定時間以下である)、と言い換えることができる。一般ゲートにおける自車両Mの停止位置は、例えば、乗員が一般ゲートの作業員と料金支払いの作業を実施することができる位置である。また、料金所通過制御部132は、HMI30を用いて、自動運転で一般ゲートを通過することができないことを通知する(C4)。なお、料金所通過制御部132は、HMI30に限らず、通知部48またはナビHMI52のどちらか一方を用いて通知を行ってもよく、HMI30、通知部48、またはナビHMI52の少なくとも一つを用いて通知を行ってよい。
自車両Mが有料道路の入口(Pi)から料金所付近(P6)までの有料道路(P5)を走行している場合において、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートを一般ゲートに維持する(C5)。自車両Mの位置が料金所出口付近(P6からP7まで)である場合において、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートを一般ゲートのままに維持する(C6)。自車両Mの位置が料金所出口直前(P7からPoまで)である場合において、ETCカードが非装着状態から装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートを一般ゲートのままに維持する(C5)。
次に、ETCカードが装着状態から非装着状態に変化した場合における制御について説明する。自車両Mの位置が出発地P1からの出発前において、ETCカードが装着状態から非装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートをETCゲートから一般ゲートに変更する(C8)。自車両Mが有料道路までの一般道路を走行している場合において、ETCカードが装着状態から非装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートをETCゲートから一般ゲートに変更する(C9)。
自車両Mの位置が料金所入口付近(P3からP4まで)である場合において、ETCカードが装着状態から非装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートをETCゲートから一般ゲートに変更すると共に、目標車線決定部61は、変更した目標ゲートの位置に基づいて自車両Mの走行車線を変更する(C10)。例えば、図4において、目標ゲートをETCゲート(G6)から一般ゲート(G3)に変更した場合、目標車線決定部61は、目標車線を、ETCゲート(G6)に近い右側車線から、一般ゲート(G3)に近い左側車線に変更する。目標軌道生成部134は、変更された目標車線に基づいて目標軌道を変更する。
自車両Mの位置が料金所入口直前(P4からPiまで)である場合において、ETCカードが装着状態から非装着状態に変化した場合、目標ゲート決定部62は、目標ゲートをETCゲートから一般ゲートに変更しない。料金所通過制御部132は、変更されていないETCゲートまで自車両Mを走行させ、当該ETCゲートに自車両Mを停止させる(C11)。また、料金所通過制御部132は、HMI30を用いて、ETCゲートを通過することができないことを通知する(C11)。
自車両Mが有料道路の入口(Pi)から料金所付近(P6)までの有料道路(P5)を走行している場合において、ETCカードが装着状態から非装着状態に変化した場合、料金所通過制御部132は、ETCカードを装着部42に挿入することを通知する(C12)。自車両Mの位置が料金所出口付近(P6からP7まで)である場合において、ETCカードが装着状態から非装着状態に変化した場合、料金所通過制御部132は、ETCカードを装着部42に挿入することを通知する(C13)。自車両Mの位置が料金所出口直前(P7からPoまで)である場合において、ETCカードの装着状態が装着状態から非装着状態に変化した場合、料金所通過制御部132は、ETCゲートまで自車両Mを走行させ、当該ETCカードに自車両Mを停止させる(C14)。また、料金所通過制御部132は、HMI30を用いて、自動運転でETCゲートを通過することができないことを通知する(C14)。
なお、上述したように、車両システム1は、ETCカードの装着状態に基づいて目標ゲートを変更するが、これに限定されず、車両システム1は、ETCカードの装着状態の検出結果に基づいて自動運転の制御内容を変更すればよい。車両システム1は、ETCカードの装着状態の検出結果に基づいて自車両Mの速度を制御して良い。車両システム1は、例えば、ETCカードが装着部42に装着された状態から非装着に変化した場合、ETCカードが非装着になったことを通知すると共に、ETCカードを再装着する時間的な余裕を作るために、自車両Mの速度を減速しても良い。
以下、ETCカードの装着状態に基づいて自車両Mが通過するゲートを変更する動作の流れについて説明する。図7は、自動運転を開始する前において自車両Mが通過するゲートを設定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ナビゲーション装置50は、目的地までの経路を探索する(ステップS100)。次に、料金所通過制御部132は、探索された経路に有料道路が含まれているか否かを判定する(ステップS102)。料金所通過制御部132は、経路に有料道路が含まれていない場合、目標ゲートを設定することなしに、本フローチャートの処理を終了する。
料金所通過制御部132は、経路に有料道路が含まれている場合、検出部44を用いて、ETCカードの装着状態を検出する(ステップS104)。料金所通過制御部132は、ETCカードが装着部42に装着されているか否かを判定する(ステップS106)。目標ゲート決定部62は、ETCカードが装着部42に装着されている場合、料金所入口における目標ゲートおよび料金所出口における目標ゲートを、ETCゲートに設定する(ステップS108)。目標ゲート決定部62は、ETCカードが装着部42に装着されていない場合、料金所入口における目標ゲートおよび料金所出口における目標ゲートを、一般ゲートに設定する(ステップS110)。
図8は、自動運転を実行している最中にETCカードの装着状態が変化した場合における制御の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図8を参照して説明する処理は、図7の処理を実行することで目標ゲートが設定されている状態で開始されるものとする。料金所通過制御部132は、自車両Mが経路に沿って自動運転を実行している最中において(ステップS200)、ETCカードの装着状態が変化したか否かを判定する(ステップS202)。料金所通過制御部132は、ETCカードの装着状態が変化していない場合、ステップS230に処理を進める。
料金所通過制御部132は、ETCカードの装着状態が変化した場合、自車両Mの位置を検出する(ステップS204)。次に、料金所通過制御部132は、自車両Mが一般道路を走行しているか否かを判定する(ステップS206)。料金所通過制御部132は、自車両Mが有料道路を走行している場合、ステップS220に処理を進める。
料金所通過制御部132は、自車両Mが一般道路を走行している場合、自車両Mの位置が料金所入口の直前であるか否かを判定する(ステップS208)。料金所通過制御部132は、自車両Mの位置が料金所入口の直前である場合、目標ゲートを変更せずに、目標ゲートの位置で自車両Mを停止させると共に通知を行う(ステップS216)。ステップS216の処理は、制御内容(C4)または(C8)に相当する。料金所通過制御部132は、自車両Mの位置が料金所入口の直前ではない場合、自車両Mの位置が料金所入口の付近であるか否かを判定する(ステップS210)。目標ゲート決定部62は、自車両Mの位置が料金所入口の付近である場合、変化した装着状態に基づいて目標ゲートを変更し、目標車線決定部61は、変更した目標ゲートの位置に基づいて走行車線を変更する(ステップS214)。ステップS216の処理は、制御内容(C3)または(C9)に相当する。目標ゲート決定部62は、自車両Mの位置が料金所入口の付近ではない場合、変化した装着状態に基づいて目標ゲートを変更する(ステップS212)。ステップS216の処理は、制御内容(C1)、(C2)、(C10)または(C11)に相当する。その後、自車両Mは、目標ゲートを通過する(ステップS218)。
次に料金所通過制御部132は、自車両Mが有料道路を走行している最中にETCカードの装着状態が非装着状態に変化したか否かを判定する(ステップS220)。料金所通過制御部132は、ETCカードの装着状態の変化が、非装着状態から装着状態への変化である場合、ステップS230に処理を進める。すなわち、目標ゲート決定部62は、自車両Mが有料道路を走行している最中にETCカードがETC車載器40に装着されても、目標ゲートを一般ゲートのまま維持する。この処理は、制御内容(C5)、(C6)、または(C7)に相当する。
料金所通過制御部132は、ETCカードが非装着状態に変化した場合、ETCカードをETC車載器40に装着することを通知する(ステップS222)。次に、料金所通過制御部132は、自車両Mの位置が料金所出口の直前であるか否かを判定する(ステップS224)。自車両Mの位置が料金所出口の直前ではない場合、ステップS230に処理を進める。自車両Mの位置が料金所出口の直前である場合、料金所通過制御部132は、ETCカードが装着部42に装着されたか否かを判定する(ステップS226)。料金所通過制御部132は、ETCカードが装着された場合、ステップS230に処理を進める。すなわち、料金所通過制御部132は、目標ゲートを通過するために自動運転を継続する。料金所通過制御部132は、ETCカードが装着されていない場合、ETCゲートの位置で自車両Mを停止させると共に通知を行う(ステップS228)。ステップS216の処理は、制御内容(C14)に相当する。
次に、料金所通過制御部132は、有料道路出口を通過したか否かを判定する(ステップS230)。料金所通過制御部132は、料金所出口を通過していない場合、ステップS220以降の処理を繰り返す。料金所通過制御部132は、料金所出口を通過した場合、本フローチャートの処理を終了する。
なお、図8のフローチャートで説明した処理の中で、ステップS220においてETCカードが非装着状態に変化したと判定され、ステップS222においてETCカードをETC車載器40に装着することが通知された後、所定時間の間、ETCカードが装着されない場合(料金所出口の直前に到達してしまった場合を除く)、一般ゲートに目標ゲートを変更して自動運転を継続してもよい。ETCゲートで入場して一般ゲートから退出するのは可能だからである。こうすれば、意図せず自車両Mが停止してしまうのを抑制することができる。
また、図8のフローチャートで説明した処理の中で、ステップS220においてETCカードが非装着状態に変化したと判定され、ステップS222においてETCカードをETC車載器40に装着することが通知された後、ステップS224で「自車両Mの位置が料金所出口の直前である」と判定される少し前の(所定時間または所定距離前の)タイミングで、一般ゲートに目標ゲートを変更して自動運転を継続してもよい。こうすれば、上記と同様に、意図せず自車両Mが停止してしまうのを抑制することができる。
また、図8のフローチャートで説明した処理のうちステップS220以降の処理は、自車両Mが一般ゲートから入場した場合(ETCカードを使用せずETC/一般ゲートから入場した場合を含む)には省略されてよい。すなわち、ETCカードを使用せず有料道路に入場した場合、ETCカードの装着状態に拘わらず、一般ゲートを目標ゲートとして維持してよい。このような場合、ETCゲートからの退出は不可であるからである。
図8のフローチャートで説明した処理では、料金所の直前においてETCカードの装着状態が変化した場合、料金所通過制御部132は、目標ゲートの位置で自車両Mを停止させる(S216、S228)こととしたが、この処理(S216、S228)において、自動運転から手動運転に切り替えてもよい。図9は、料金所の直前においてETCカードの装着状態が変化した場合の他の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
料金所通過制御部132は、料金所の直前において手動運転が可能か否かを判定する(ステップS300)。料金所通過制御部132は、例えば、自車両Mからゲートまでの距離、および自車両Mの車速に基づいて、乗員が手動運転を行うことで自車両Mを乗員が所望するゲートに走行させることができるか否かを判定する。図10は、手動運転を実行することが可能な状況の一例を示す図である。自車両Mの目標ゲートがETCゲート(G5)である場合において、料金所の直前においてETCゲートが抜き取られたものとする。料金所通過制御部132は、時刻t1において自車両M(t1)が複数の他車両に後続して走行しているために自車両Mの速度が低い場合、手動運転を実行することで自車両Mを一般ゲート(G3)に走行させることができることを判定する。
料金所通過制御部132は、手動運転が可能ではない場合、目標ゲートの位置で自車両Mを停止させると共に、通知を行う(ステップS308)。料金所通過制御部132は、手動運転が可能である場合、手動運転を開始することを要求する(ステップS302)。料金所通過制御部132は、運転操作子80に対する操作が有ったか否かを判定する(ステップS304)。料金所通過制御部132は、運転操作子80に対する操作がない場合、目標ゲートの位置で自車両Mを停止させると共に、通知を行う(ステップS308)。料金所通過制御部132は、運転操作子80に対する操作が有った場合、自動運転を終了して、運転モードを自動運転から手動運転に切り替える(ステップS306)。
以上説明したように、車両システム1は、ETCカードの装着状態が変化した場合に、自動運転の制御内容を変更するので、ETCカードの装着状態に応じて自車両Mの走行を適切に制御することができる。具体的に、車両システム1は、目標ゲートを変更するか否かを決定するので、ETCカードの装着状態の変化に応じて目標ゲートを変更することができる。
また、車両システム1によれば、ETCカードの装着状態が変化した時刻と、自車両Mが目標ゲートに到達することが予測される時刻との関係に基づいて、前記目標ゲートを変更するか否かを決定することができる。また、車両システム1によれば、ETCカードの装着状態が変化した時刻における自車両Mの位置と目標ゲートの位置との関係に基づいて、目標ゲートを変更するか否かを決定することができる。車両システム1によれば、ETCカードの装着状態が変化した時刻における自車両Mの位置と目標ゲートの位置との距離が所定距離よりも長い場合、目標ゲートを変更し、且つ、目標ゲートまでの目標軌道を変更するので、ETCカードの装着状態に応じて自車両Mの走行をより適切に制御することができる。
車両システム1によれば、ETCカードの装着状態が変化した時刻における自車両Mの位置と目標ゲートの位置との距離が所定距離よりも短い場合、目標ゲートを変更することなしに、目標ゲート付近の位置に自車両Mを停止させるので、車線変更が困難な状況において目標ゲートを変更することを回避することができる。また、車両システム1によれば、目標ゲート付近の位置に自車両Mを停止させた場合に、目標ゲートを通過することができないことを通知するので、自車両Mが停止したことに対する乗員に与える違和感を抑制することができる。さらに、車両システム1によれば、目標ゲート付近の位置に自車両Mを停止させる前に、手動運転を実行することを通知するので、自車両Mの通過するゲートを変更したい乗員にとっての利便性を高くすることができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1‥車両システム
30‥HMI
40‥ETC車載器
42‥装着部
44‥検出部
46‥無線通信部
50‥ナビゲーション装置
51‥GNSS受信機
52‥ナビHMI
53‥経路探索部
54‥第1地図情報
60‥MPU
61‥目標車線決定部
62‥目標ゲート決定部
63‥第2地図情報
100‥自動運転制御ユニット
120‥第1制御部
130‥行動計画部
132‥料金所通過制御部
134‥目標軌道生成部
140‥第2制御部

Claims (7)

  1. 有料道路を通過するための認証情報が格納された媒体を装着可能である装着部と、
    前記装着部に前記媒体が装着されている状態であるか、前記装着部に前記媒体が装着されていない状態であるかを検出する検出部と、
    自動運転を行う自動運転制御部であって、前記検出部による検出結果に基づいて、前記自動運転の制御内容を変更する自動運転制御部と、を備え、
    前記自動運転制御部は、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻と、有料道路に設けられた複数のゲートの中から選択した目標ゲートに車両が到達することが予測される時刻との関係、または、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻における車両の位置と前記目標ゲートの位置との関係に基づいて、前記目標ゲートを変更するか否かを決定する、
    車両制御装置。
  2. 前記自動運転制御部は、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻と、車両が前記目標ゲートに到達することが予測される時刻との差が所定時間よりも長い場合、または、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻における車両の位置と前記目標ゲートの位置との距離が所定距離よりも長い場合、前記目標ゲートを変更し、且つ、前記目標ゲートまでの目標軌道を変更する、
    請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記自動運転制御部は、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻と、車両が前記目標ゲートに到達することが予測される時刻との差が所定時間以下である場合、または、前記検出部により検出された装着状態が変化した時刻における前記車両の位置と前記目標ゲートの位置との距離が所定距離以下である場合、前記目標ゲートを変更することなしに、前記目標ゲート付近の位置に前記車両を停止させる、
    請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. 前記自動運転制御部は、前記目標ゲートを変更することなしに、前記目標ゲート付近の位置に前記車両を停止させた場合に、前記目標ゲートを通過することができないことを通知部により通知させる、
    請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記自動運転制御部は、前記目標ゲートを変更することなしに、前記目標ゲート付近の位置に前記車両を停止させる前に、手動運転を実行することを通知部により通知させる、
    請求項3または4に記載の車両制御装置。
  6. コンピュータが、
    有料道路を通過するための認証情報が格納された媒体が装着部に装着されている状態であるか、前記装着部に前記媒体が装着されていない状態であるかを検出し、
    検出結果に基づいて、自動運転の制御内容を変更し、
    前記検出された装着状態が変化した時刻と、有料道路に設けられた複数のゲートの中から選択した目標ゲートに車両が到達することが予測される時刻との関係、または、前記検出された装着状態が変化した時刻における車両の位置と前記目標ゲートの位置との関係に基づいて、前記目標ゲートを変更するか否かを決定する、
    車両制御方法。
  7. コンピュータに、
    有料道路を通過するための認証情報が格納された媒体が装着部に装着されている状態であるか、前記装着部に前記媒体が装着されていない状態であるかを検出させ、
    検出結果に基づいて、自動運転の制御内容を変更させ、
    前記検出された装着状態が変化した時刻と、有料道路に設けられた複数のゲートの中から選択した目標ゲートに車両が到達することが予測される時刻との関係、または、前記検出された装着状態が変化した時刻における車両の位置と前記目標ゲートの位置との関係に基づいて、前記目標ゲートを変更するか否かを決定させる、
    車両制御プログラム。
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