JP6692444B2 - 誘導性負荷通電制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外部バッテリからコネクタの端子経由で電源供給を受けて、誘導性負荷に通電を行う機能を備えた誘導性負荷通電制御装置に関する。誘導性負荷通電制御装置は、例えば車両や船舶や航空機などの移動体に組み込まれて使用される。
車載制御装置は、誘導性負荷通電制御装置の一種であり、外部に設置された抵抗負荷やインダクタンス負荷(誘導性負荷)の通電制御を行うことで車両を制御する。車載制御装置は、外部バッテリからコネクタ端子を通じて電源供給を受け、電圧レギュレータによりマイクロコンピュータやその他IC(Integrated Circuit)などが動作するのに必要な電圧を生成する。車載制御装置のマイクロコンピュータは、この車載制御装置の外部に設置された各種センサからの信号を受信する。
車載制御装置によって通電制御されるインダクタンス負荷は、例えばリニアソレノイドであり、所望の電流の通電により車両を制御している。この時、インダクタンス負荷に発生する逆起電力に基づく還流電流を流している場合があるが、その還流電流の経路は、車載制御装置が外部バッテリから電源供給を受けるためのコネクタ端子を利用する場合がある。そのため、コネクタ端子に接触不良などが起き、オープン故障が発生した場合には、外部バッテリの電源供給経路と、インダクタンス負荷に所望の電流を流すための還流電流経路とが、切断されてしまう。
本発明の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1の要約書の解決手段には、「グランド端子104が断線すると、電源端子103bとグランド端子104との間に接続された電源コンデンサ113が断続駆動されている誘導性負荷の転流電流によって充電されて電圧上昇し、これが所定の閾値を超過したことによってグランド配線の断線異常を検出して、給電開閉素子140a,140bを一斉遮断する。」と記載されている。
特開2015−77818号公報
しかし、特許文献1に記載の発明では、全ての給電開閉素子に対して通電率100%の完全導通指令が与えられるようなことがあれば、誘導性負荷の正側電位が上昇して、電源コンデンサおよび定電圧電源に対する給電が停止する無給電状態となる。この無給電状態が持続すると電源コンデンサの充電電圧が放電減衰し、やがてマイクロプロセッサなどの処理手段が不作動状態になる。
本発明は前記課題を解決するために鑑みてなされたものであり、外部バッテリから電源供給を行う経路であると共に、誘導性負荷の還流電流の経路でもあるコネクタ端子がオープン故障した際であっても処理手段による動作を継続させて、誘導性負荷通電制御装置が完全な機能失陥になるのを防ぐことを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の誘導性負荷通電制御装置は、外部バッテリと接続するバッテリ端子と、前記バッテリ端子に入力側が接続された電圧レギュレータと、前記電圧レギュレータの入力側とグランドとの間に設けられる入力コンデンサと、誘導性負荷の通電を制御する駆動素子と、前記電圧レギュレータの入力側と前記駆動素子との間に設けられて、前記電圧レギュレータの入力側から前記駆動素子への電流を制限可能な制限素子と、前記駆動素子をオン・オフ制御すると共に前記バッテリ端子がオープン故障しているか否かを判定する処理手段とを備える。前記処理手段は、前記バッテリ端子がオープン故障していると判定すると、前記駆動素子をオン・オフ制御して、前記誘導性負荷と前記駆動素子と前記制限素子と前記入力コンデンサとで構成される昇圧回路により前記電圧レギュレータの入力電圧を所定の電圧値に維持する。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、外部バッテリから電源供給を行う経路であると共に、誘導性負荷の還流電流の経路でもあるコネクタ端子がオープン故障した際であっても処理手段による動作を継続させて、誘導性負荷通電制御装置が完全な機能失陥になるのを防ぐことができる。
第1の実施形態における、車載制御装置の構成図である。 車載制御装置の動作説明用のタイミングチャートである。 第1の実施形態における故障検出処理のフローチャートである。 第2の実施形態における、車載制御装置の構成図である。 第3の実施形態における、車載制御装置の構成図である。 第3の実施形態における故障検出処理のフローチャートである。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
《第1の実施形態》
図1は、第1の実施形態における車載制御装置113の構成図である。
第1の実施形態の車載制御装置113(誘導性負荷通電制御装置)は、外部に設置された外部バッテリ100の正極からコネクタのバッテリ端子101を通じて電源供給を受け、この外部バッテリ100の正極と出力端子114との間に接続されるインダクタンス負荷112(誘導性負荷)を通電制御する。これにより車載制御装置113は、車両の制御を行う。
バッテリ端子101は、外部バッテリ100の正極に接続される端子である。なお、外部バッテリ100の負極は、グランドを介して接続される。
インダクタンス負荷112は、例えばリニアソレノイドであり、所望の電流の通電により車両を制御している。車載制御装置113は、インダクタンス負荷112の逆起電力に基づく還流電流を流す。その還流電流の経路は、車載制御装置113が外部バッテリ100から電源供給を受けるためのバッテリ端子101を利用している。
この車載制御装置113は、入力コンデンサ102、マイクロコンピュータ107、ASIC(application specific integrated circuit)117を備えている。ASIC117は、電圧レギュレータ106、制御部108、制限素子109、駆動素子110、電流検出素子111、電圧監視部103と電流検知部104を含む故障検知部105を含んで構成される。
電圧レギュレータ106の入力側は、バッテリ端子101に接続される。電圧レギュレータ106の入力側とグランドとの間には、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを安定化させるために入力コンデンサ102が接続される。
電圧レギュレータ106は、マイクロコンピュータ107と、ASIC117が動作するのに必要な電圧を生成している。マイクロコンピュータ107は、この車載制御装置113の外部に設置された各種センサからの信号を受信する。
また、車載制御装置113のASIC117は、インダクタンス負荷112に通電を行うためのスイッチ素子として制限素子109と駆動素子110を備える。制限素子109と駆動素子110の接続ノードは、出力端子114を通じてインダクタンス負荷112に接続している。
駆動素子110は、インダクタンス負荷112の通電を制御する。制限素子109は、インダクタンス負荷112の逆起電力に基づく還流電流を出力端子114からバッテリ端子101へ流し、その逆方向の電流を制限する。これら駆動素子110と制限素子109は、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)を用いて構成される。
駆動素子110のドレインは出力端子114に接続され、駆動素子110のソースはグランドに接続される。駆動素子110のゲートは、制御部108に接続される。
制限素子109のソースは、電流検出素子111を通じて駆動素子110のドレインと出力端子114に接続される。制限素子109のソースからドレインに向けて寄生ダイオードが形成される。これにより、駆動素子110のオンと制限素子109のオンとの間に設けられたデットタイム(不図示)において、インダクタンス負荷112の逆起電力に基づく環流電流を制限素子109の寄生ダイオードを通じて流すことができる。制限素子109のドレインは、出力端子114および電圧レギュレータ106の入力側に接続される。制限素子109のゲートは、制御部108に接続される。制限素子109は、電圧レギュレータ106の入力側から駆動素子110への電流を制限可能である。
マイクロコンピュータ107は、インダクタンス負荷112に所望の電流を流すためにPWM(Pulse Width Modulation)信号を制御部108に対して出力する。制御部108は、入力されたPWM信号を基に制限素子109と駆動素子110を交互に導通(以下、オンとする)と非導通(以下、オフとする)に切り替える。これにより、車載制御装置113は、インダクタンス負荷112に所望の電流を流すことができる。
具体的には、駆動素子110がオンし、制限素子109がオフしている時、外部バッテリ100からインダクタンス負荷112、出力端子114、駆動素子110、グランドの順番に電流が流れる。これによりインダクタンス負荷112にエネルギが蓄積される。
駆動素子110がオフし、制限素子109がオンしている時、インダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づき、インダクタンス負荷112、出力端子114、制限素子109、バッテリ端子101の経路に還流電流が流れる。このようなオン・オフ制御により車載制御装置113は、インダクタンス負荷112に通電を行う。
故障検知部105は、バッテリ端子101のオープン故障を検知するものであり、電圧監視部103と電流検知部104とを備える。バッテリ端子101のオープン故障を検出した場合、故障検知部105は、制御部108に故障を通知する。制御部108は、バッテリ端子101のオープン故障が通知されると、駆動素子110と制限素子109を所定の状態に移行させる制御を行う。
電流検出素子111は、例えばシャント抵抗であり、制限素子109に流れる電流Ioを検出している。電流検知部104は、電流検出素子111によって検出された電流Ioが所定の範囲内にあるか否かを検知して、制御部108に出力する。これにより故障検知部105は、制御部108に故障を通知することができる。
電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを監視するためのものである。電圧監視部103は、入力電圧Viに係る情報を制御部108に出力すると共に、入力電圧Viが所定の過電圧閾値を超え、または低電圧閾値を下回ったならば、その旨を制御部108と電流検知部104に通知する。
外部バッテリ100は、バッテリ端子101を通じて車載制御装置113へ電源を供給している。そのため、バッテリ端子101の接触不良などが起き、バッテリ端子101にオープン故障が発生した場合には、外部バッテリ100から車載制御装置113への電源供給の経路が切断されてしまう。また、バッテリ端子101は、駆動素子110のターンオフによりインダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づく還流電流を流す経路としても使われている。バッテリ端子101にオープン故障が発生すると、還流電流の経路も切断されてしまう。
しかしながら、バッテリ端子101のオープン故障により外部バッテリ100から車載制御装置113への電源供給経路が切断されても、駆動素子110がオフの時には、外部バッテリ100からインダクタンス負荷112、出力端子114、制限素子109を経由して、電圧レギュレータ106の入力に外部バッテリ100が接続される経路が存在する。そのため、バッテリ端子101のオープン故障が発生した後は、外部バッテリ100からインダクタンス負荷112、出力端子114、制限素子109を経由して、電圧レギュレータ106の入力側に電流が流れることになる。この電流は、マイクロコンピュータ107とASIC117の消費電流である。
この時、インダクタンス負荷112と制限素子109に流れる電流Ioによる電圧降下が発生し、電圧レギュレータ106の入力電圧Viは、外部バッテリ100の出力電圧Vccよりも低い電圧となる。この電圧降下は、マイクロコンピュータ107とASIC117(処理手段)の消費電流によって発生する。
電圧レギュレータ106は、入力電圧Viに応じた電圧を出力して、マイクロコンピュータ107とASIC117に印加する。電圧レギュレータ106の出力電圧が、マイクロコンピュータ107とASIC117を動作させるのに必要な電圧よりも高ければ、マイクロコンピュータ107とASIC117は動作の継続が可能となる。入力電圧Viが、この条件を満たす最低入力電圧値より高ければ、ASIC117に組み込まれた電圧監視部103と制御部108は、電圧監視処理を継続して行える。マイクロコンピュータ107は、故障検知ランプなどを通じた車両の乗員への異常発生の報知、通信手段を用いた他の車載制御装置への異常発生の通知、車両を安全な状態へ移行させるための処理などの制御を継続して行える。
なお、駆動素子110がオンの時には、外部バッテリ100からインダクタンス負荷112、出力端子114、制限素子109を経由した電圧レギュレータ106への電源供給もできなくなる。
制限素子109と駆動素子110が周期的かつ交互にオンとオフを繰り返すと、駆動素子110のオン期間中にインダクタンス負荷112にエネルギが蓄積され、制限素子109のオン期間中、インダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づき、入力コンデンサ102が充電される。入力コンデンサ102は、マイクロコンピュータ107とASIC117に電力を供給するのに十分な静電容量を持っており、このマイクロコンピュータ107に動作を継続させることが可能である。
一方、インダクタンス負荷112と制限素子109による電圧降下が大きい場合には、電圧レギュレータ106は、マイクロコンピュータ107を動作させるための電圧を生成することができず、マイクロコンピュータ107の動作が停止する。
しかし、外部バッテリ100とインダクタンス負荷112と制限素子109と駆動素子110と入力コンデンサ102を用いると、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを上昇させる昇圧回路を構成可能である。制限素子109と駆動素子110が周期的かつ交互にオンとオフさせて、この昇圧回路を動作させることにより、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを、マイクロコンピュータ107を動作させるのに必要な電圧を生成可能な、所定の設定電圧Vdにまで昇圧させることが可能である。
具体的には、駆動素子110と制限素子109を周期的かつ交互にオン・オフさせる。駆動素子110のオン期間にインダクタンス負荷112にエネルギを蓄積し、この駆動素子110のターンオフによりインダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づく電流により、制限素子109を通じて入力コンデンサ102に充電させる。これにより電圧レギュレータ106の入力電圧Viを昇圧させる。更に電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを検出する。制御部108は、電圧監視部103が検出する入力電圧Viが所定の設定電圧Vdになるように、駆動素子110のオン・デューティを変化させてオン・オフ制御を行う。
以下、図2(a)〜(e)を参照して車載制御装置113の動作を説明する。更に図3を参照して、故障検出処理を説明する。
図2に示した期間P1は、バッテリ端子101のオープン故障が発生する前である。期間P2は、バッテリ端子101のオープン故障が発生した後、制限素子109と駆動素子110の動作を停止するまでの期間である。期間P3は、制限素子109と駆動素子110のオン・オフ制御を停止して故障要因を判定する期間である。期間P4は、外部バッテリ100とインダクタンス負荷112と制限素子109と駆動素子110と入力コンデンサ102から成る昇圧回路を動作させて、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを昇圧させる期間である。
図2(a)は、制限素子109のオン・オフ状態を示している。
図2(b)は、駆動素子110のオン・オフ状態を示している。
図2(c)は、出力端子114の電圧Voを示している。
図2(d)は、制限素子109に流れる電流Ioを示している。
図2(e)は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを示している。
図3は、故障検出処理を説明するフローチャートである。
《期間P1の説明》
図2の期間P1は、バッテリ端子101のオープン故障が発生する前の状態を示している。以下、期間P1における代表的な信号の状態を説明する。
期間P1において、図2(a),(b)に示すように、制限素子109と駆動素子110は、周期的かつ交互にオンとオフを繰り返してインダクタンス負荷112に通電させる(図3のステップS10)。
期間P1において、図2(c)に示すように、制限素子109がオフで駆動素子110がオンの時、出力端子114の電圧Voは、グランド近傍の電圧となる。制限素子109がオンで駆動素子110がオフの時に、電圧Voは、インダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づいて上昇すると共に、外部バッテリ100の出力電圧Vccによりクランプされる。そのため電圧Voは、出力電圧Vcc近傍となる。
期間P1において、図2(d)に示すように、制限素子109がオンで駆動素子110がオフの時、制限素子109には、駆動素子110のターンオフによりインダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づく電流Ioが流れる。この電流Ioは還流電流である。制限素子109がオフで駆動素子110がオンの時、制限素子109には還流電流は流れず、電流Ioは、ほぼ0アンペアとなる。
期間P1において、電圧レギュレータ106の入力側は、外部バッテリ100に電気的に接続されている。そのため、図2(e)に示すように、電圧レギュレータ106の入力電圧Viは、外部バッテリ100の出力電圧Vccに等しくなる。
《期間P2の説明》
図2の時刻T1は、バッテリ端子101がオープン故障した時刻を示している。図2の期間P2は、時刻T1以降、かつ制限素子109と駆動素子110のオン・オフ動作が停止する時刻T2までを示している。以下、図2の期間P2における代表的な信号の状態を説明する。
期間P2において、図2(a),(b)に示すように、制限素子109と駆動素子110は、交互にオンとオフを繰り返してインダクタンス負荷112に通電させる(図3のステップS10)。
時刻T1においてバッテリ端子101がオープン故障すると、インダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づく還流電流を流す経路は切断される。よって、還流電流は流れなくなる。その結果、駆動素子110のターンオフによりインダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づく電流は、オンしている制限素子109を経由して入力コンデンサ102に充電される。そのため、図2(e)に示す通り、電圧レギュレータ106の入力電圧Viは上昇する。一方、駆動素子110がオンし、制限素子109がオフ時には、入力コンデンサ102に充電されたエネルギからマイクロコンピュータ107に電力を供給するため、電圧レギュレータ106の入力電圧Viは低下する。
図2(c)に示すように、出力端子114の電圧Voは、期間P2かつ制限素子109がオフで駆動素子110のオン時、グランド近傍の電圧である0Vとなる。制限素子109がオンで駆動素子110がオフ時に、出力端子114の電圧Voは、バッテリ端子101のオープン故障のため外部バッテリ100の出力電圧Vccにクランプされなくなる。更に駆動素子110のターンオフによりインダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づき、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが上昇してゆくため、出力端子114の電圧Voも上昇してゆく。
図2(d)に示す通り、インダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づき制限素子109に流れる電流Ioは、制限素子109がオンで駆動素子110がオフの時には入力コンデンサ102へ充電される。この電流Ioにより電圧レギュレータ106の入力電圧Viが次第に上昇し、電流Ioは次第に減少してゆく。制限素子109がオフで駆動素子110がオンの時に、制限素子109の電流Ioは流れないため、ほぼ0アンペアとなる。
バッテリ端子101がオープン故障した後、電圧レギュレータ106には、外部バッテリ100からバッテリ端子101を経由した電源供給が行われなくなる。図2(e)に示した通り、電圧レギュレータ106の入力電圧Viは上昇してゆく。電圧レギュレータ106は、マイクロコンピュータ107が動作するのに必要な電圧を生成し続ける。マイクロコンピュータ107はインダクタンス負荷112に所定の電流を流すためにPWM信号を制御部108に送信し続ける。その結果、インダクタンス負荷112には連続的に逆起電力が発生し続けることになる。よって、電圧レギュレータ106の入力電圧Viは更に上昇を続け、最終的には電圧レギュレータ106の破壊電圧まで上昇する。これにより、電圧レギュレータ106が永久故障するおそれがある。
そのため、電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを検出し(図3のステップS11)、電圧レギュレータ106の破壊電圧よりも低く設定した所定の電圧(以下、過電圧閾値Vuとする)を超えた場合に過電圧と判定して、制御部108に通知する(図2の時刻T2:図3のステップS11→Yes)。過電圧の通知を受けた制御部108は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viの上昇を防止するため、制限素子109をオンに、駆動素子110をオフに固定させる(図3のステップS12)。つまり、制御部108は、制限素子109と駆動素子110のオン・オフ制御を停止する。
《期間P3の説明》
図2の時刻T2は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが過電圧閾値Vuを超える時刻である。図2の期間P3は、時刻T2以降、かつ電圧レギュレータ106の入力電圧Viが低電圧閾値Vbを下回るまでの期間である。
時刻T2において電圧監視部103が、電圧レギュレータ106の入力の過電圧を検出する要因として、バッテリ端子101のオープン故障の他に、電圧レギュレータ106の入力にサージ電圧が重畳される場合がある。
一般的にサージ電圧の発生は一時的であり、サージ電圧の発生後は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viは、外部バッテリ100の出力電圧Vccに復帰する(図2(e)の期間P3における破線)。よって、復帰後はステップS10の処理に戻り、インダクタンス負荷112の通電制御を再開させることが望ましい。
一方、バッテリ端子101がオープン故障すると、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが過電圧を超えて、電圧レギュレータ106が永久故障に至るおそれがある。このような場合には、入力電圧Viが所定電圧になるように制限素子109と駆動素子110をオン・オフ制御することが望ましい。
つまり、電圧レギュレータ106の入力に過電圧が発生した要因ごとに、制限素子109と駆動素子110の制御を分けることが望ましく、そのためには、過電圧が発生した要因がバッテリ端子101のオープン故障に因るものか否かを判定する必要がある。
過電圧が発生した要因がバッテリ端子101のオープン故障に因るものか否かを判定するために、本実施形態では、電流検出素子111と電流検知部104により制限素子109に流れる電流Ioを検知している。
この時、過電圧が発生した要因がバッテリ端子101のオープン故障である場合には、マイクロコンピュータ107とASIC117の消費電流Iuが、外部バッテリ100からインダクタンス負荷112、出力端子114、制限素子109、電圧レギュレータ106を経由して流れる。電流検出素子111は、マイクロコンピュータ107とASIC117による消費電流Iuを検出することになる(図2(d)の期間P3における実線)。
一方、過電圧が発生した要因がサージ電圧に因るものである場合には、マイクロコンピュータ107とASIC117の消費電流Iuは、外部バッテリ100からバッテリ端子101、電圧レギュレータ106を経由して流れる。電流検出素子111が検出する電流Ioは、0アンペア近傍になる(図2(d)の期間P3における破線)。
よって、期間P3において、電流検知部104は、電流検出素子111によって制限素子109に流れる電流Ioを検出する(ステップS13)。この電流Ioがマイクロコンピュータ107とASIC117の最小消費電流よりも低く設定された所定の電流閾値以上であった場合(ステップS13→No)、電流検知部104は、その旨を制御部108に通知してステップS14に進む。電流Ioが電流閾値未満であった場合(ステップS13→Yes)、電流検知部104は、その旨を制御部108に通知する。制御部108は、サージ電圧による過電圧であると判定し、ステップS10の処理に戻る。
ステップS14において電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが低電圧閾値Vbを下回ったか否かを判定し、制御部108に通知する。電圧レギュレータ106の入力電圧Viが低電圧閾値Vb以上ならば(ステップS14→No)、制御部108は、ステップS13の処理に戻る。
図2の時刻T3に示すように、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが低電圧閾値Vbを下回ったならば(ステップS14→Yes)、制御部108は、バッテリ端子101のオープン故障であったと判定し、ステップS15の処理に進む。
《期間P4の説明》
図2の時刻T3は、電圧レギュレータ106の入力が低電圧閾値Vbを下回った時刻である。図2の期間P4は、時刻T3以降の期間を示している。
期間P4において制御部108は、ステップS15の処理を行う。つまり制御部108は、制限素子109と駆動素子110を、ステップS10のオン・オフ制御時よりも高い周波数でオン・オフ制御して昇圧動作を行う(ステップS15)。ステップS15におけるオン・オフ制御の周波数は、ステップS10におけるオン・オフ制御の周波数よりも数倍から数十倍高い。なお、図2では、パルス周期やデューティを模式的に示している。
インダクタンス負荷112と制限素子109と駆動素子110と入力コンデンサ102により、昇圧回路を形成することができる。この昇圧動作において、電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを検出して制御部108に出力する。制御部108は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが所定の設定電圧Vdになるように駆動素子110のオン・デューティを変化させてフィードバック制御する。
設定電圧Vdは、マイクロコンピュータ107とASIC117を動作させるのに必要な電圧を生成するための最低入力電圧値より高い。よって、インダクタンス負荷112と制限素子109による電圧降下や、マイクロコンピュータ107とASIC117の消費電流、外部バッテリ100の劣化による出力電圧Vccの低下などに影響されず、マイクロコンピュータ107やASIC117の動作を継続させることができる。
電圧レギュレータ106の入力電圧Viを昇圧させる原理は、図2の期間P2で示したものと同一である。制御部108は、マイクロコンピュータ107からのPWM信号に基づかず、電圧監視部103で検出される入力電圧Viが所定の設定電圧Vdに維持されるように、制限素子109と駆動素子110のオン・オフ制御を実施する。制御部108は、期間P4において、期間P1よりも高い周波数で制限素子109と駆動素子110とをオン・オフ制御する。これにより、入力電圧Viの変動を抑制することができる。
ステップS15の処理により、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを所定の設定電圧Vdに維持し、マイクロコンピュータ107とASIC117は動作の継続が可能となる。その結果、バッテリ端子101がオープン故障した後でも、ASIC117に組み込まれた電圧監視部103と制御部108は、電圧監視処理が継続して行える。マイクロコンピュータ107は、故障検知ランプなどを通じた車両の乗員への異常発生の報知、通信手段を用いた他の車載制御装置への異常発生の通知、車両を安全な状態へ移行させるための処理などの制御を継続して行える。
《第2の実施形態》
図4は、本発明の第2の実施形態における車載制御装置113Aの構成図である。
第1実施形態との相違点は、MOSFETである制限素子109を、ダイオードである制限素子109Aに置き換えている点であり、その他の同等部分は同一符号を付して説明は省略する。
車載制御装置113A(誘導性負荷通電制御装置)は、制限素子109Aにダイオードを用いた場合であっても、第2の実施形態に記載したMOSFETの制限素子109と同等の機能を持たせることが可能である。制限素子109Aにダイオードを用いた場合、MOSFETを用いた場合に比べ、インダクタンス負荷112に発生する逆起電力に基づく還流電流が流れた時に、電圧降下が大きく消費電力が大きくなるという問題がある。しかし、制御部108が制限素子109のオン・オフ制御を行う必要がなくなるので、車載制御装置113Aの回路が簡略化され、インダクタンス負荷112の通電制御を簡略化できるという特徴がある。
《第3の実施形態》
図5は、本発明の第3の実施形態に係る、車載制御装置113Bの構成図である。
第1実施形態の車載制御装置113が駆動するインダクタンス負荷112は1つであり、このインダクタンス負荷112と組み合わせる制限素子109、駆動素子110、電流検出素子111、出力端子114は1組である。
第3の実施形態の車載制御装置113B(誘導性負荷通電制御装置)が駆動するのは、第1インダクタンス負荷112bおよび第2インダクタンス負荷112cである。第1インダクタンス負荷112bと組み合わせるのは、第1制限素子109b、第1駆動素子110b、第1電流検出素子111b、第1出力端子114bである。第2インダクタンス負荷112cと組み合わせるのは、第2制限素子109c、第2駆動素子110c、第2電流検出素子111c、第2出力端子114cである。
第1制限素子109bと第1駆動素子110bの組み合わせと、第2制限素子109cと第2駆動素子110cの組み合わせは、制御部108によって、それぞれオン・オフの制御が行われる。車載制御装置113Bは更に、第1電流検出素子111bが検出する電流Io1と、第2電流検出素子111cが検出する電流Io2とを加算する加算部115を備えている。その他の第1実施形態の車載制御装置113との同等部分は、同一符号を付して説明は省略する。
車載制御装置113Bの正常動作時、マイクロコンピュータ107は、第1インダクタンス負荷112bおよび第2インダクタンス負荷112cのそれぞれに所望の電流値を通電させるため、それぞれに対応したPWM信号を制御部108に出力する。制御部108は、入力されたそれぞれのPWM信号に応じて第1制限素子109bと第1駆動素子110b、第2制限素子109cと第2駆動素子110cのオン・オフ制御を行う。
次に、電圧監視部103が電圧レギュレータ106の入力の過電圧を検出した場合には、第1実施形態に示した通り、過電圧発生の要因がバッテリ端子101のオープン故障に因るものか否かを判定するために、第1制限素子109bをオンし、第1駆動素子110bをオフし、第2制限素子109cをオンし、第2駆動素子110cをオフする。更に第1制限素子109bに流れる電流Io1を第1電流検出素子111bによって検出し、第2制限素子109cに流れる電流Io2を第2電流検出素子111cによって検出する。マイクロコンピュータ107とASIC117の消費電流は、第1制限素子109bと第2制限素子109cの2つに流れる。
ここで、過電圧発生の要因がバッテリ端子101のオープン故障であった場合には、加算部115により電流Io1,Io2を加算した電流値は、マイクロコンピュータ107とASIC117の最小消費電流よりも低く設定された所定の電流閾値以上となる。一方、過電圧発生の要因が電圧レギュレータ106の入力に重畳されたサージ電圧であった場合、算出された消費電流値は、ほぼ0アンペアになり、所定の電流閾値未満となる。
電圧監視部103が電圧レギュレータ106の入力の低電圧を検出した際に、過電圧発生の要因がバッテリ端子101のオープン故障であると判定したならば、第1実施形態と同様に、昇圧回路により電圧レギュレータ106の入力を所定の電圧値にまで昇圧させて維持する。
ここで、昇圧回路は、インダクタンス負荷と制限素子と駆動素子の組み合わせのうち一方と、入力コンデンサ102により構成可能である。そのため、他方の組み合わせと入力コンデンサ102による昇圧回路を構成しなくてもよい。
以下、具体例として、第1インダクタンス負荷112bと第1制限素子109bと第1駆動素子110bの組み合わせと入力コンデンサ102により昇圧回路を構成し、第2インダクタンス負荷112cと第2制限素子109cと第2駆動素子110cの組み合わせでは昇圧回路を構成しない場合を示す。
昇圧回路は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを外部バッテリ100の出力電圧Vccよりも高い電圧に昇圧し維持するが、この時、第2制限素子109cは過電圧発生の要因がバッテリ端子101のオープン故障に因るものか否かを判定する電流検出のためにオンになっている。そのため、電圧レギュレータ106の入力側から第2制限素子109c、第2出力端子114c、第2インダクタンス負荷112cを通じて外部バッテリ100に流れ出てしまう。
よって、バッテリ端子101のオープン故障確定後、第1インダクタンス負荷112bと第1制限素子109bと第1駆動素子110bの組み合わせと入力コンデンサ102により昇圧動作が行われている間は、第2制限素子109cをオフして、電圧レギュレータ106の入力から外部バッテリ100に流れる電流を防止する。
また、昇圧回路に用いる構成は、第1インダクタンス負荷112bと第1制限素子109bと第1駆動素子110bの組み合わせと、第2インダクタンス負荷112cと第2制限素子109cと第2駆動素子110cの組み合わせのうち、いずれか1つを用いるが、どちらの組み合わせを用いるかは、第1インダクタンス負荷112bと第2インダクタンス負荷112cの用途に応じて決定する。
第3の実施形態の第1インダクタンス負荷112bは、例えば車両の省エネ動作に係るものであり、昇圧動作による電流が流れても車両の制御には大きな影響はない。これに対して第2インダクタンス負荷112cは、例えばトランスミッションの動作に係るものであり、昇圧動作による電流が流れると車両の制御に大きな影響が発生する。
よって、第3の実施形態では、第1インダクタンス負荷112bと第1制限素子109bと第1駆動素子110bの組み合わせと入力コンデンサ102により昇圧動作を行うとよい。
図6は、故障検出処理を説明するフローチャートである。
制御部108は、第1制限素子109bと第1駆動素子110bをオン・オフ制御して、第1インダクタンス負荷112bに通電させる(ステップS10b)。制御部108は、ステップS10bの処理と並行して、第2制限素子109cと第2駆動素子110cをオン・オフ制御して、第2インダクタンス負荷112cに通電させる(ステップS10c)。
バッテリ端子101がオープン故障すると、第1インダクタンス負荷112bに発生する逆起電力に基づく還流電流の経路と、第2インダクタンス負荷112cに発生する逆起電力に基づく還流電流の経路は切断される。よって、還流電流は流れなくなる。その結果、第1駆動素子110bのターンオフにより第1インダクタンス負荷112bに発生する逆起電力に基づく電流は、オンしている第1制限素子109bを経由して入力コンデンサ102に充電される。第2駆動素子110cのターンオフにより第2インダクタンス負荷112cに発生する逆起電力に基づく電流は、オンしている第2制限素子109cを経由して入力コンデンサ102に充電される。これにより電圧レギュレータ106の入力電圧Viが次第に上昇し、電流Io1,Io2は次第に減少してゆく。
電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを検出し(ステップS11)、電圧レギュレータ106の破壊電圧よりも低く設定した所定の電圧(以下、過電圧閾値Vuとする)を超えた場合に過電圧と判定して、制御部108に通知する(図3のステップS11→Yes)。過電圧の通知を受けた制御部108は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viの上昇を防止するため、第1制限素子109bをオンに、第1駆動素子110bをオフに固定させる(ステップS12b)。更に制御部108は、ステップS12bの処理と並行して第2制限素子109cをオンに、第2駆動素子110cをオフに固定させる(ステップS12c)。
第1電流検出素子111bは、第1制限素子109bに流れる電流Io1を検出する。第2電流検出素子111cは、第2制限素子109cに流れる電流Io2を検出する。加算部115は、これら電流Io1,Io2の和を算出する。この電流Io1,Io2の和がマイクロコンピュータ107とASIC117の最小消費電流よりも低く設定された所定の電流閾値未満であった場合(ステップS13B→Yes)、電流検知部104はその旨を制御部108に通知する。制御部108は、サージ電圧による過電圧であると判定し、ステップS10b,S10cの並行処理に戻る。電流Io1,Io2の和が所定の電流閾値以上であった場合(ステップS13B→No)、電流検知部104はその旨を制御部108に通知し、制御部108は、ステップS14の処理に進む。
ステップS14において電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが低電圧閾値Vbを下回ったか否かを判定し、その旨を制御部108に通知する。電圧レギュレータ106の入力電圧Viが低電圧閾値Vb以上ならば(ステップS14→No)、制御部108は、ステップS13Bの処理に戻る。電圧レギュレータ106の入力電圧Viが低電圧閾値Vbを下回ったならば(ステップS14→Yes)、制御部108は、バッテリ端子101のオープン故障であったと判定し、ステップS15b,S15cの並行処理に進む。
制御部108は、第1制限素子109bと第1駆動素子110bを、ステップS10よりも高い周波数でオン・オフ制御して昇圧動作を行う(ステップS15b)。第1インダクタンス負荷112bと第1制限素子109bと入力コンデンサ102により、昇圧回路を形成することができる。更に制御部108は、ステップS15bの処理と並行に、第2制限素子109cと第2駆動素子110cとをオフに固定する(ステップS15c)。
この昇圧動作において、電圧監視部103は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viを検出して制御部108に出力する。制御部108は、電圧レギュレータ106の入力電圧Viが所定の設定電圧Vdになるように、所定のデューティでフィードバック制御する。
設定電圧Vdは、マイクロコンピュータ107とASIC117を動作させるのに必要な電圧を電圧レギュレータ106が生成するための最低入力電圧値より高い。よって、第1インダクタンス負荷112bと第1制限素子109bによる電圧降下や、第2インダクタンス負荷112cと第2制限素子109cによる電圧降下や、マイクロコンピュータ107やASIC117の消費電流、外部バッテリ100の劣化による出力電圧Vccの低下に影響されず、マイクロコンピュータ107やASIC117の動作を継続させることができる。
その結果、ASIC117に組み込まれた電圧監視部103と制御部108は、電圧監視処理が継続して行える。マイクロコンピュータ107は、故障検知ランプなどを通じた車両の乗員への異常発生の報知、通信手段を用いた他の車載制御装置への異常発生の通知、車両を安全な状態へ移行させるための処理などの制御が継続して行える。
第3の実施形態において、設定電圧Vdは、外部バッテリ100の出力電圧Vccから、MOSFETの寄生ダイオードの順方向電圧降下分を減じた電圧以上に設定されることが必要である。この電圧よりも設定電圧Vdが低いと、外部バッテリ100は、通電制御していない方のインダクタンス負荷と制限素子の寄生ダイオードを通じて、バッテリ端子101に放電し、減衰してしまうためである。
なお、図示しないが、インダクタンス負荷と制限素子と駆動素子の組み合わせが3つ以上ある場合においても第3の実施形態と同様である。この場合は、車両の制御に大きな影響を与えないインダクタンス負荷と、制限素子と駆動素子の組み合わせで昇圧回路を構成し、その他の組み合わせに係る制限素子と駆動素子とはオフにするとよい。
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュ
メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
各実施形態において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の変形例として、例えば、次の(a)〜(g)のようなものがある。
(a) 電圧監視部103と電流検知部104を含む故障検知部105は、ASIC117の内部に構成されるが、これに限られず、マイクロコンピュータ107が実行するソフトウェアによって具現化されてもよい。
(b) マイクロコンピュータ107と、これによって実行されるソフトウェアの機能は、ASIC117によって具現化されてもよい。
(c) 駆動素子110は、MOSFETに限定されず、スイッチ素子であればよい。
(d) 制限素子109は、MOSFETに限定されず、スイッチ素子とダイオードの並列回路、またはダイオードであればよい。
(e) 本発明の誘導性負荷通電制御装置は、車載制御装置に限定されず、船舶、航空機、などの移動体に搭載されてもよく、更に建築物や家電装置などに搭載されて誘導性負荷の通電制御を行ってもよい。
(f) 複数の誘導性負荷の通電制御を行う構成においても、各制限素子をダイオードで構成してもよい。
(g) 図2のステップS14の判定は、電圧レギュレータ106の入力側の電圧判定に限定されず、ステップS12の後、予め定められた時間が経過したことを判定条件としてもよい。
100 外部バッテリ
101 バッテリ端子
102 入力コンデンサ
103 電圧監視部
104 電流検知部
105 故障検知部 (処理手段の一部)
106 電圧レギュレータ
107 マイクロコンピュータ (処理手段の一部)
108 制御部 (処理手段の一部)
109 制限素子
109A 制限素子
109b 第1制限素子
109c 第2制限素子
110 駆動素子
110b 第1駆動素子
110c 第2駆動素子
111 電流検出素子
111b 第1電流検出素子
111c 第2電流検出素子
112 インダクタンス負荷
112b 第1インダクタンス負荷
112c 第2インダクタンス負荷
113,113A,113B 車載制御装置 (誘導性負荷通電制御装置)
114 出力端子
114b 第1出力端子
114c 第2出力端子
115 加算部 (処理手段の一部)
117,117A,117B ASIC (処理手段の一部)

Claims (15)

  1. 外部バッテリと接続するバッテリ端子と、
    前記バッテリ端子に入力側が接続された電圧レギュレータと、
    前記電圧レギュレータの入力側とグランドとの間に設けられる入力コンデンサと、
    誘導性負荷の通電を制御する駆動素子と、
    前記電圧レギュレータの入力側と前記駆動素子との間に設けられて、前記電圧レギュレータの入力側から前記駆動素子への電流を制限可能な制限素子と、
    前記駆動素子をオン・オフ制御すると共に前記バッテリ端子がオープン故障しているか否かを判定する処理手段と、を備え、
    前記処理手段は、前記バッテリ端子がオープン故障していると判定すると、前記駆動素子をオン・オフ制御して、前記誘導性負荷と前記駆動素子と前記制限素子と前記入力コンデンサとで構成される昇圧回路により前記電圧レギュレータの入力電圧を所定の電圧値に維持する、
    ことを特徴とする誘導性負荷通電制御装置。
  2. 前記処理手段は、前記電圧レギュレータが生成した所定電圧で動作する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  3. 前記処理手段は、
    前記電圧レギュレータの入力側の電圧を監視する電圧監視部と、
    前記制限素子に流れる電流を検知する電流検知部と、
    を備え、
    前記処理手段は、前記電圧監視部により所定閾値よりも高い電圧であると判定したならば前記駆動素子のオン・オフ制御を停止する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  4. 前記処理手段は、前記駆動素子のオン・オフ制御を停止した際に、前記電流検知部により検知した電流が所定電流値未満であると判定したならば、サージによる電圧異常であると判定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  5. 前記処理手段は、前記駆動素子のオン・オフ制御を停止した際に、前記電流検知部により検知した電流が所定電流値未満であると判定したならば、前記誘導性負荷の通電を制御するための前記駆動素子のオン・オフ制御を再開する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  6. 前記処理手段は、前記駆動素子のオン・オフ制御を停止した際に、前記電流検知部により検知した電流が所定電流値以上であると判定し続け、かつ前記電圧レギュレータの入力側の電圧が所定の低電圧閾値未満に低下したならば、前記バッテリ端子がオープン故障していると判定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  7. 前記処理手段は、前記駆動素子のオン・オフ制御を停止した際に、前記電流検知部により検知した電流が所定電流値以上であると判定し続け、かつ前記電圧レギュレータの入力側の電圧が所定の低電圧閾値未満に低下したならば、前記駆動素子をオン・オフ制御して、前記誘導性負荷と前記駆動素子と前記制限素子と前記入力コンデンサとで構成される昇圧回路により前記電圧レギュレータの入力電圧を所定の電圧値に維持する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  8. 前記制限素子は、前記駆動素子のオフ時に発生する前記誘導性負荷の逆起電力に基づく電流を、前記バッテリ端子と前記電圧レギュレータの入力側との接続ノードに流すスイッチ素子である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  9. 前記処理手段は、前記駆動素子と前記制限素子とを交互にオン・オフ制御することで前記誘導性負荷の通電を制御する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  10. 前記制限素子は、前記駆動素子のオフ時に発生する前記誘導性負荷の逆起電力に基づく電流を、前記バッテリ端子と前記電圧レギュレータの入力側との接続ノードに流す整流素子である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  11. 他の誘導性負荷をそれぞれ通電させる他の駆動素子と、
    前記電圧レギュレータの入力側と前記他の駆動素子との間に設けられ、前記電圧レギュレータの入力側から前記他の駆動素子への電流を制限可能なスイッチ素子である他の制限素子と、を備えており、
    前記制限素子は、前記駆動素子のオフ時に発生する前記誘導性負荷の逆起電力に基づく電流を、前記バッテリ端子と前記電圧レギュレータの入力側との接続ノードに流すスイッチ素子であり、
    前記処理手段は、前記バッテリ端子がオープン故障していると判定すると、前記駆動素子および前記制限素子、または前記他の駆動素子と前記他の制限素子のうちいずれかの組み合わせをオン・オフ制御して、前記組み合わせに係る誘導性負荷と制限素子と、前記入力コンデンサとで構成される昇圧回路により前記電圧レギュレータの入力電圧を所定の電圧値に維持する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  12. 前記処理手段は、前記電圧レギュレータの入力側が所定閾値よりも高い電圧であると判定したならば前記駆動素子および前記他の駆動素子をオフする、
    ことを特徴とする請求項11に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  13. 前記処理手段は、前記駆動素子および前記制限素子、または前記他の駆動素子と前記他の制限素子のうちいずれかの組み合わせをオン・オフ制御して、前記電圧レギュレータの入力電圧を所定の電圧値に維持すると共に、オン・オフ制御していない方の組み合わせに係る駆動素子と制限素子とをオフする、
    ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  14. 他の誘導性負荷をそれぞれ通電させる他の駆動素子と、
    前記電圧レギュレータの入力側と前記他の駆動素子との間に設けられ、前記電圧レギュレータの入力側から前記他の駆動素子への電流を制限可能なダイオードである他の制限素子と、を備えており、
    前記制限素子は、前記駆動素子のオフ時に発生する前記誘導性負荷の逆起電力に基づく電流を、前記バッテリ端子と前記電圧レギュレータの入力側との接続ノードに流すダイオードであり、
    前記処理手段は、前記バッテリ端子がオープン故障していると判定すると、前記駆動素子および前記制限素子、または前記他の駆動素子と前記他の制限素子のうちいずれかの組み合わせをオン・オフ制御して、前記組み合わせに係る誘導性負荷と制限素子と、前記入力コンデンサとで構成される昇圧回路により前記電圧レギュレータの入力電圧を所定の電圧値に維持する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷通電制御装置。
  15. 前記処理手段は、前記駆動素子および前記他の駆動素子のうちいずれかをオン・オフ制御して、前記電圧レギュレータの入力電圧を所定の電圧値に維持すると共に、オン・オフ制御していない方の駆動素子をオフする、
    ことを特徴とする請求項14に記載の誘導性負荷通電制御装置。
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