JP6691971B2 - 慢性骨髄性白血病を治療又は寛解するための医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、有効成分として(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩ならびに4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩を含有する、慢性骨髄性白血病の患者を治療又は寛解するための医薬組成物に関する。
慢性骨髄性白血病(Chronic myelogenous leukemia,CML)は、造血幹細胞が腫瘍化して発症し、白血球の著しい増加が認められる血液腫瘍の一つである。
今日、慢性骨髄性白血病の治療においては、グリベック(登録商標)が第一選択薬として用いられている(非特許文献1)。グリベックは4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−N−[4−メチル−3−[(4−ピリジン−3−イルピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル]ベンズアミド・モノメタンスルホネート(一般名称:イマチニブメシル酸塩)を有効成分とし、慢性骨髄性白血病の増悪に関る、Bcr−Ablのチロシンキナーゼの活性を選択的に阻害することができる。
一方、グリベック投与による治療では、慢性骨髄性白血病が根本的に治癒するのではなく慢性期症状の緩和に止まる。そのため、患者はグリベックを長期間にわたり服用を続ける必要があるが、グリベックの一日の推奨用量が400mg〜600mgと比較的高用量であることから、長期間の服用は患者の経済的負担が大きく、また、副作用の発症を引き起こしやすい。
そのため、患者の経済的及び身体的負担の少ない、慢性骨髄性白血病の新たな治療方法が求められていた。
ベスタチン(登録商標)は、(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸(一般名:ウベニメクス)を有効成分とし、免疫担当細胞表面に存在するアミノペプチダーゼに結合し、癌患者における免疫増強作用を示すことが知られている。ベスタチンは、成人急性非リンパ性白血病の寛解導入後の維持強化療法剤との併用による生存期間の延長の適応で日本の当局に認可され、臨床応用されている(非特許文献2)。また、本発明者らはこれまでに、低用量(10mg/day)のベスタチンの投与により、高齢又は末期の癌患者を治療又は寛解できることを報告している(特許文献1)。
国際公開WO2016/098546号
医薬品インタビューフォーム「抗悪性腫瘍剤 (チロシンキナーゼインヒビター)グリベック(R)錠100mg イマチニブメシル酸塩錠」(ノバルティスファーマ株式会社、2017年7月改訂(第12版)) 医薬品インタビューフォーム「処方せん医薬品 抗悪性腫瘍剤 ベスタチンカプセル10mg ベスタチンカプセル30mg」(日本化薬株式会社、2012年6月(改訂第5版))
本発明は、患者の経済的及び身体的負担の少ない、慢性骨髄性白血病の新たな治療方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来、成人急性非リンパ性白血病の寛解導入後の維持強化療法剤との併用による生存期間の延長の適応で臨床応用されていたベスタチンを、常量(30〜60mg/body/day)より遥かに低い用量で、かつ慢性骨髄性白血病の治療において利用されていたグリベックを、常量(400〜600mg/body/day)より遥かに低い用量で併用投与することによって、慢性骨髄性白血病の患者の治療・寛解に効果的であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づく。
本発明は、以下のとおりである。
[1]有効成分として、(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩、ならびに、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩を含有する、慢性骨髄性白血病の患者を治療又は寛解するための医薬組成物。
[2]1日あたり5〜20mgの(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩、及び1日あたり50〜200mgの4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩が1日1〜3回投与されるように用いられることを特徴とする、 [1]の医薬組成物。
[3]1日あたり10mgの(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩、及び1日あたり100mgの4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩が投与されるように用いられることを特徴とする、[1]または[2]の医薬組成物。
[4]上記投与が、経口投与である、[2]または[3]に記載の医薬組成物。
[5]上記患者の尿のpH値が中性からアルカリ性の範囲にある、[1]〜[4]のいずれかの医薬組成物。
[6]上記2つの有効成分が配合剤の形態で含まれる、[1]〜[5]のいずれかの医薬組成物。
[7]上記2つの有効成分がキット製剤の形態で含まれる、[1]〜[5]のいずれかの医薬組成物。
本発明によれば、慢性骨髄性白血病の患者に対する、副作用の少ない新たな治療手段を提供することができる。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2016−203662号の開示内容を包含する。
この図は、慢性骨髄性白血病患者に対する、グリベック及びベスタチンの低用量・併用療法による、末梢血中の後骨髄球数、白血球数、好中球数、血小板数、リンパ球数、ならびに好中球数とリンパ球数との比(N/L比)の変化を示すグラフ図である。
本発明をさらに具体的に説明する。
本発明は、慢性骨髄性白血病の患者を治療又は寛解するための、有効成分として、(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩、ならびに4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物に関する。
(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸は、一般名をウベニメクスと称し、成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導入後の維持強化化学療法剤との併用による生存期間の延長を効能・効果とする抗悪性腫瘍剤の有効成分として利用できることが知られている。以下、本明細書においては、(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸を「ウベニメクス」と記載する。
本発明において、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩は従来公知の一般的な手法に基づいて製造されたものであってよく、例えば化学的に合成されたものだけでなく、微生物(例えば、Streptomyces olivoreticuli)の培養発酵産物として産生されたものを利用することができる。あるいは「ベスタチン(登録商標)」等の市販品を利用することができる。
ウベニメクスは塩の形態ではないが、薬理学的に許容されるものとして、例えば塩酸、硫酸、リン酸等との塩であってもよい。
4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミドは、慢性骨髄性白血病、KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病、及びFIP1L1−PDGFRα陽性の好酸球増多症候群もしくは慢性好酸球性白血病に対して効能・効果とする抗悪性腫瘍剤の有効成分として利用できることが知られている。以下、本明細書においては、その薬理学的に許容される塩としては、特に限定はされないが、モノメタンスルホン酸塩の形態が公知であり、一般的に利用されている。以下、本明細書においては、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミドを「イマチニブ」と記載し、またそのモノメタンスルホン酸塩を「イマチニブメシル酸塩」と記載する。
本発明において、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩は従来公知の一般的な手法(例えば、米国特許第5,521,184号公報、WO03/066613、米国特許第6,894,051号公報等)に準じて化学的に合成されたものを利用することができる。あるいは、「グリベック(登録商標)」(イマチニブメシル酸塩)等の市販品を利用することができる。
本発明の医薬組成物に含まれる、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩ならびにイマチニブ又はその薬理学的に許容される塩の量は、患者へ下記の範囲の量を投与するのに適した量にて医薬組成物に含めることができ、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩は、1〜20mg、1〜10mg又は1〜5mgの範囲より適宜選択される量にて、また、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩は、1〜200mg、1〜100mg又は1〜50mgの範囲より適宜選択される量にて医薬組成物に含めることができる。例えば、本発明の医薬組成物には、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩を10mg、また、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩を100mg含めることができる。
本発明の医薬組成物は、有効成分であるウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩ならびにイマチニブ又はその薬理学的に許容される塩と共に、医薬の製造において通常用いられている、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を含んでも良く、経口投与又は非経口投与(例えば、静脈内投与、動脈内投与、注射による局所投与、腹腔または胸腔内投与、経肺投与、皮下投与、筋肉内投与、舌下投与、経皮吸収または直腸内投与等)に適した剤型とすることができる。例えば、本発明の医薬組成物は、溶液剤、乳剤、リポソーム製剤、注射剤、懸濁剤、軟膏剤、クリーム剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、粉末剤、顆粒剤、細粒剤、シロップ剤等の剤型とすることができるが、これらに限定されない。これらはそれぞれ当該分野において慣用される方法に従い、調合、成形ないし調製することができる。また、本発明の医薬組成物は、凍結乾燥して保存し易い状態にした後、用時、水、生埋的食塩水、緩衝液等の希釈剤で溶解して適当な濃度に調製した後に使用することもできる。
本発明の医薬組成物は、有効成分であるウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩ならびにイマチニブ又はその薬理学的に許容される塩を共に含む配合剤の形態であってもよいし、あるいは、有効成分であるウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩ならびにイマチニブ又はその薬理学的に許容される塩を併用投与に適した単一のパッケージ内に収容されたキット製剤の形態であってもよい。ここで「併用投与」には、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩と、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩とを同時に投与する場合だけではなく、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩と、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩とを、各有効成分が同時に作用し得る範囲において間隔をあけて投与する場合も含まれる。また、「併用投与」において、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩と、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩の投与経路及び投与手段は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の医薬組成物は、慢性骨髄性白血病の治療又は寛解を目的として慢性骨髄性白血病の患者に投与することができる。
慢性骨髄性白血病は、慢性期、移行期及び急性期のいずれの病期であってもよく、特に限定はされない。
本発明の医薬組成物の投与対象となる慢性骨髄性白血病の患者は、好ましくは尿のpH値が中性〜アルカリ性にある患者である。尿のpH値を指標として確認することができる。それ故、本発明の医薬組成物の投与対象となる慢性骨髄性白血病の患者は、尿のpH値が中性〜アルカリ性にある患者である。患者は、ヒトを含む哺乳動物、好ましくはヒトである。
がん患者の尿のpH値は酸性側にある場合があるが、この場合以下の一又は複数の物質を摂取又は投与することにより尿のpH値を中性〜アルカリ性に整える(すなわち、体質改善する)ことができる。そのような物質としては、例えば黄緑野菜、食用重曹、アルカリ化療法剤(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物配合剤(ウラリット(登録商標)))等を挙げることができる。例えば、黄緑野菜であれば1日あたり350g程度、食用重曹であれば1日に3gを3回程度、アルカリ化療法剤であれば1日に2gを3〜4回程度、摂取することによって、尿のpH値を中性〜アルカリ性に整えることができる。体質改善は患者尿のpH値が中性〜アルカリ性に整えられるまで、継続して行うことが好ましい。
本発明の医薬組成物の慢性骨髄性白血病患者への投与量および投与回数は、当該患者の年齢、体重、疾患の重篤度などの要因によって変化し得るが、有効成分であるウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩の量にして、1〜20mg/body/day、1〜10mg/body/day、5〜15mg/body/dayなど、あるいは1日あたりの合計用量5〜20mg、7〜15mg、8〜13mg、10mgなど、から適宜選択される量、かつ有効成分であるイマチニブ又はその薬理学的に許容される塩の量にして、1〜200mg/body/day、1〜100mg/body/day、50〜150mg/body/dayなど、あるいは1日あたりの合計用量50〜200mg、70〜150mg、80〜130mg、100mgなど、から適宜選択される量を、1日に1〜3回、毎日または1〜21日毎に投与することができる。例えば、本発明の医薬組成物はウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩を10mg、ならびに、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩を100mgの用量にて1日1回、患者に投与することによって、副作用が少ないかほとんどなく、かつ治療・改善効果を達成することができる。
通常、ウベニメクスは、成人急性非リンパ性白血病の完全寛解導入後の維持強化を目的として、化学療法剤との併用において1日1回30mgの用量で用いられる(非特許文献2)。一方、イマチニブ又はその薬理学的に許容される塩は、通常、慢性骨髄性白血病の患者に対して1日1回400mg〜600mg、あるいは1日800mg(400mgを1日2回)の用量で用いられる(非特許文献1)。
したがって、本発明の医薬組成物によれば、ウベニメクス又はその薬理学的に許容される塩ならびにイマチニブ又はその薬理学的に許容される塩はいずれも、従来慢性骨髄性白血病の患者に対して用いられていた投与量と比べて、遥かに低用量で用いることができる。
本発明の医薬組成物の効果は、当該医薬組成物を投与していない又は投与前の患者と比べて当該医薬組成物を投与した患者において、以下の(i)〜(vii)の一又は複数を指標にして評価することができる。
(i)末梢血中の後骨髄球数が低下又は消失していること。
(ii)末梢血中の白血球数が低下していること。
(iii)末梢血中の好中球数が低下していること。
(iv)末梢血中の血小板数が低下していること。
(v)末梢血中の好中球数(N)とリンパ球数(L)の比(NLR)が低下していること。
(vi)末梢血中の血小板数(P)とリンパ球数(L)の比(PLR)が低下していること。
(vii)生存期間の延長(延命効果)が認められること。
本発明の医薬組成物は必要に応じて、既存の慢性骨髄性白血病の治療薬と共に投与することができる。このような治療薬としては例えば、ダサチニブ(商品名:スプリセル(登録商標))、ボスチニブ(商品名:ボシュリフ(登録商標))、ニロチニブ(商品名:タグシナ(登録商標))等が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明はさらに、上記本発明の医薬組成物を用いた慢性骨髄性白血病の患者を治療又は寛解する方法に関する。当該方法により治療又は寛解し得る慢性骨髄性白血病の患者、ならびに上記本発明の医薬組成物の用法および用量は上記したとおりである。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
実施例1:グリベック及びベスタチンの低用量・併用投与
71歳の女性の慢性骨髄性白血病患者に対し、2014年1月9日よりタシグナ(登録商標)(ニロチニブ)を投与していたが強い副作用が認められたため、5日間で投薬は中止された。
そこで、2015年8月より、黄緑野菜の摂取(350g/日)、食用の重曹の服用(3g×3回/日)、あるいはウラリット(クエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウム水和物の配合剤)の服用(2g×3〜4回/日)等による体質改善(指標は、尿の中性〜アルカリ化)を指導しながら、グリベック(100mg/日)及びベスタチン(10mg/日)を共に、通常用量より遥かに低用量にて併用投与した。このグリベック及びベスタチンの併用療法は、2016年7月まで約1年間行われた。
その結果(図1)、慢性骨髄性白血病に伴う患者末梢血中の後骨髄球の消失が認められた。また、患者末梢血中の白血球数、好中球数、血小板数、ならびに好中球数とリンパ球数との比(N/L比)が、いずれも著しく低下したことが認められた。
本患者は芽球の一つである後骨髄球が末梢血中で観察されていたことから、慢性骨髄性白血病の急性期の段階にあったと考えられる。最初に投与されたタシグナ(登録商標)(ニロチニブ)は慢性骨髄性白血病の慢性期から急性期への移行期の段階の治療薬として開発されたものであるが、当該患者においては効果が認められなかった。一方、グリベックは移行期・急性期の段階にある慢性骨髄性白血病に対しては、その効果が十分得られないことが知られている。
しかしながら、低用量のグリベックと共に、低用量のベスタチンを併用する低用量・併用療法によって、慢性骨髄性白血病(より詳細には、グリベックでは十分な治療効果が得られないとされる慢性期でない慢性骨髄性白血病)に対する治療効果及び患者の状態の改善効果が認められた。
また、グリベック及びベスタチンの低用量・併用療法により、臨床上の副作用は認められず、グリベック及びベスタチンの低用量・併用療法が、慢性骨髄性白血病患者に対して副作用を伴わない優しい療法であることが示された。
また、上記体質改善処方前の当該患者の尿のpHは酸性(pHは7未満)であったが、体質改善処方後の当該患者の尿のpHは、中性〜アルカリ性(7.0〜7.5)であった。
以上の結果より、グリベック及びベスタチンの低用量・併用療法が慢性骨髄性白血病患者に対して有効な治療手段であることが確認された。
本発明は、慢性骨髄性白血病患者に対するグリベック及びベスタチンの低用量・併用療法を提供するため、患者の負担を軽減しながら患者の状態を改善することが可能であるため、医療産業上有用である。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (7)

  1. 有効成分として、1日あたりの用量5〜20mgの(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩、ならびに、1日あたりの用量50〜200mgの4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩を含有する、慢性骨髄性白血病の患者を治療又は寛解するための医薬組成物。
  2. 前記(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩、及び前記4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩が1日1〜3回投与されるように用いられることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 1日あたりの用量10mgの(2S)−2−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタン酸又はその薬理学的に許容される塩、及び1日あたりの用量100mgの4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]−ベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩が1日1回投与されるように用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記投与が、経口投与である、請求項2または3に記載の医薬組成物。
  5. 前記患者の尿のpH値が中性からアルカリ性の範囲にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記2つの有効成分が配合剤の形態で含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記2つの有効成分がキット製剤の形態で含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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