JP6691877B2 - ひび割れ検知システム及びひび割れ検知方法 - Google Patents

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本発明は、測定対象に発生するひび割れを検知させるひび割れ検知システム及びひび割れ検知方法に関するものである。
特許文献1,2に開示されているように、鉄筋コンクリート製のコンクリート構造物の表面に導電塗料を塗布することによって、ひび割れなどの変状の発生を検知させる方法が知られている。
すなわち、導電塗料をコンクリート構造物の表面に塗布することによって電気回路を形成し、ひび割れの発生や拡大などによって電気回路が破断した場合に検知される構成となっている。
特開2016−24139号公報 特開2016−24138号公報
しかしながら導電塗料を塗布して形成された電気回路によってひび割れを検知させる場合、ひずみゲージなどによる検知よりも検知誤差が大きくなる場合があり、検知精度の向上が求められていた。
そこで、本発明は、導電塗料によって形成される検知部の検知精度を向上させることが可能なひび割れ検知システム及びひび割れ検知方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のひび割れ検知システムは、測定対象に発生するひび割れを検知させるひび割れ検知システムであって、導電塗料によって破断し易い状態に形成された検知部と、前記検知部に接続される導線部と、前記導線部に接続されるデータ収集部とを備え、前記検知部は、前記測定対象のひび割れを検知させたい検知領域に複数列が設けられることを特徴とする。
ここで、前記導線部は、導電塗料によって破断しにくい状態に形成されることが好ましい。また、前記検知領域は、前記測定対象の複数箇所に設けられる構成とすることができる。例えば、前記測定対象はプレストレストコンクリート構造物であって、PC鋼材の配置パターン及び列車通過時に作用する動的な応答の再現計算に適用できるように前記検知領域を設けることができる。
また、ひび割れ検知方法の発明は、測定対象に発生するひび割れを検知させるひび割れ検知方法であって、導電塗料によって破断し易い状態の検知部を設ける工程と、前記検知部に連続して導電塗料によって破断しにくい状態の導線部を設ける工程と、前記導線部の端部にデータ収集部を接続して電気回路を形成する工程と、前記データ収集部において検知部による検知情報を収集する工程と、前記データ収集部に記憶された検知情報からひび割れの有無を判定する工程とを備えていることを特徴とする。
このように構成された本発明のひび割れ検知システムは、導電塗料によって破断し易い状態に形成された検知部が、測定対象のひび割れを検知させたい検知領域に複数列、設けられる。
このため、1列の検知部では検知誤差が発生したとしても、複数列の検知部による検知結果を併せることで、導電塗料によって形成される検知部の検知精度を向上させることができる。
また、検知部に加えて導線部も導電塗料によって破断しにくい状態に形成されている場合は、同じく導電塗料によって形成された検知部に接続させ易いうえに、外観を同質にすることができる。
このような検知部が設けられる検知領域は、測定対象の複数箇所に設けることができる。例えば、測定対象がプレストレストコンクリート構造物であって、PC鋼材の配置パターン及び列車通過時に作用する動的な応答の再現計算に適用できるように検知領域が設けられると、PC鋼材の不良箇所や破断箇所が推定できるようになる。
また、本発明のひび割れ検知方法では、導電塗料によって設けられる検知部に連続して導電塗料によって導線部を設け、検知部によって検知された検知情報をデータ収集部に記憶させ、その検知情報に基づいてひび割れの判定を行わせる。このため、目視などの検査よりも客観的にひび割れの判定を行うことができるようになる。
本実施の形態のひび割れ検知システムの概略構成を示した説明図である。 測定対象となるPC桁の構成を説明する斜視図である。 導線部及び検知部の構成を説明する断面図である。 検知部及び導線部の配線パターンを例示する説明図である。 ひび割れが発生していないときの検知情報を例示した説明図である。 ひび割れが発生しているときの検知情報を例示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のひび割れ検知システムの概略構成を説明するための斜視図、図2はひび割れ検知システムの測定対象となるPC桁1の構成を説明するための斜視図である。
まず図2を参照しながら、PC桁1の構成について説明する。プレストレストコンクリート構造物であるPC桁1には、複数のPC鋼材11A,11B,11C,11Dによってプレストレスト力が導入されている。
このPC鋼材11A−11Dの周囲には、グラウトが充填されているが、施工時のグラウトの充填不足や劣化などが起因して、PC鋼材11A−11Dの一部が破断することがある。
ここで、PC鋼材11A−11Dの一部が破断しても、破断位置から離れた箇所ではプレストレスト力が残存しており、直ちに問題が発生することはない。しかしながら、PC桁1の耐力は、破断箇所周辺で低下することになるため、早期に補強などの対策を行うことが望ましい。
一方、PC桁1が鉄道橋梁に設けられている場合、列車が通過することによる列車走行荷重が動的に作用すると、PC桁1にたわみが生じて曲げひび割れなどのひび割れCが瞬間的に発生することがある。この一時的にひび割れが発生する段階でPC桁1の劣化度合いを判断できれば、早期に補強対策を行うことができるようになり、長寿命化が図れたり、劣化の拡大を抑えたりすることができるようになる。
そして、PC桁1にひび割れCが発生する箇所によって、いずれのPC鋼材11A−11Dが破断しているのか、どの位置に不良状態が存在しているのかなどがわかることがある。
特に、鉄道橋梁では、列車走行荷重が動的荷重として特定できるため、その影響によって発生するひび割れCの位置から、耐力が低下している位置が再現計算によって推定でき、その位置に配置されたPC鋼材11A−11Dが破断していることを特定することが可能になる。
そこで、ひび割れの発生箇所が特定できるように、本実施の形態のひび割れ検知システムでは、図1に示すように、検知部3,・・・をずらして複数箇所に配置する。ここで、PC桁1の曲げひび割れは、桁下面12に最初に発生するため、検知部3を桁下面12に設ける。
検知部3の端部からは、橋脚2上に設置されたPC桁1の桁端部14に向けて、導線部4を設ける。通常、橋脚2には、階段や足場が存在するなど管理者がアクセスしやすい状態となっている。
そこで、橋脚2の側面21の上部にデータ収集部5を取り付け、導線部4の端子4a,4bにリード線51,51により繋げる。データ収集部5には、後述する検知部3の検知情報が記憶されることになる。
データ収集部5に記憶された検知情報は、例えば定期的に無線によって、管理棟などに設置された解析部6に送信される。解析部6は、パーソナルコンピュータなどによって構成されており、接続されたモニタ61によって、検知情報やひび割れの判定結果などを確認することができる。
図3に、導線部4及び検知部3の構成を説明する断面図を示した。導線部4は、帯状に形成された伸縮性を有するテープ本体部42と、そのテープ本体部42の表面に形成された伸縮性を有する導電塗料層43とによって主に構成される。
テープ本体部42は、高い伸縮性を有する素材によって形成される。例えば、テープ本体部42として、ポリオレフィン系樹脂材料が使用できる。具体的には耐熱性の高いファインラインテープ(製品番号2800、3M社製)などが使用できる。また、ナイロンなどの伸縮性のある素材によってテープ本体部42を形成することもできる。
このような伸縮性に優れた合成樹脂材料で形成されたテープ本体部42は、伸縮が繰り返されたとしても破断することなく、変形に追従することができる。また、導電塗料層43及び後述する下塗り材41との相性が良く、密着性を高め剥離し難くすることができる。
一方、導電塗料層43は、伸縮性に優れた配合とされる。導電塗料によってひび割れを検知させるためには、引っ張り抵抗を小さくして破断しやすくする必要がある。例えば、検知箇所に使用される導電塗料には、伸縮性に乏しいポリエステルなどが配合される。
これに対して、導電塗料層43には、伸縮性に優れた樹脂が配合される。例えば、フィラーとなる銀粉と、伸縮性の高いウレタン樹脂と、有機溶剤とが配合される。有機溶剤には、シンナーなどの希釈剤が使用される。
導電塗料層43の配合としては、例えば銀粉の混合割合が55-65重量%、ウレタン樹脂の混合割合が5-15重量%、有機溶剤の混合割合が25-35重量%とすることができる。
さらに、導電塗料層43の表面は、必要に応じてコーティング層44によって被覆させることができる。アクリル樹脂などのコーティング層44で被覆することで、耐紫外線性や防水性などの耐久性を向上させることができる。
また、導電塗料層43の表面をコーティング層44で被覆することで、導線部4が伸縮を繰り返しても、導電塗料層43がテープ本体部42から剥離しにくくすることができる。
テープ本体部42と桁下面12との間に介在させる下塗り材41には、エポキシ樹脂などが使用できる。下塗り材41をプライマーとして介在させることによって、PC桁1などのコンクリート表面(桁下面12)のように凹凸がある測定対象との不陸が調整できるうえに、PC桁1側への漏電を防ぐことができる。
要するに導線部4は、導電塗料によって構成される電気回路を形成することが可能な帯状の導電素材となる。このため、データ収集部5のリード線51,51の端部を導線部4の導電塗料層43の両端に接続すれば、通電状態にすることができる。
一方、ひび割れを検知させる検知部3は、導電塗料によって破断しやすい状態に形成される。すなわち検知部3は、帯状に形成された破断しやすいテープ部32と、そのテープ部32の表面に形成された破断しやすい検知塗料層33とによって主に構成される。
テープ部32には、不織布テープやポリエステル製のマスキングテープなどが使用できる。破断しにくい素材でテープ部32を構成する場合は、スリットなどの切り込みを入れるなどして、所望する力が作用した際に破断されるようにしておく。
また、検知塗料層33には、例えば、フィラーとなる銀粉と伸縮性に乏しいポリエステル樹脂と有機溶剤とが配合される。有機溶剤には、シンナーなどの希釈剤が使用される。
検知部3の下塗り材31とコーティング層34については、導線部4と同様の材料を使用することができる。例えば、下塗り材31にはエポキシ樹脂、コーティング層34にはアクリル樹脂が使用できる。
図4は、桁下面12に設けられた検知部3及び導線部4の配線パターンを例示する説明図である。ここで、桁下面12のひび割れを検知させたい領域を、桁端部14からスパン中央13に向けて複数の検知領域PA,PB,PC,PD,PEに区画する。すなわち、検知領域PA−PEのどこでひび割れが発生したかによって、どのPC鋼材11A−11Dがどの位置で破断しているかを、解析によって推定することができるようにする。
検知領域PAには、平行に3列の検知部3A1,3A2,3A3を設ける。検知部3A1,3A2,3A3は、それぞれコ字状に配線される。コ字状の検知部3A1,3A2,3A3の端部となる端子3a,3bは、それぞれデータ収集部5のリード線51,51に接続される。
3列の検知部3A1,3A2,3A3は、いずれも同じ検知領域PAに発生するひび割れを検知させるために配置されるが、単独ではなく3列にすることで、検知精度を向上させることができる。以下、重複する説明は、適宜省略する。
検知領域PAに隣接する検知領域PBには、平行に3列の検知部3B1,3B2,3B3を設ける。検知部3B1,3B2,3B3は、それぞれコ字状に配線され、その両端にはそれぞれ導線部4B1,4B2,4B3が接続される。導線部4B1,4B2,4B3の端部となる端子4a,4bは、それぞれデータ収集部5のリード線51,51に接続される。
同様にして検知領域PCには検知部3C1,3C2,3C3が設けられて導線部4C1,4C2,4C3に接続され、検知領域PDには検知部3D1,3D2,3D3が設けられて導線部4D1,4D2,4D3に接続され、検知領域PEには検知部3E1,3E2,3E3が設けられて導線部4E1,4E2,4E3に接続される。このような配線パターンとすることによって、いずれの検知領域PA−PEでひび割れが発生しても、高い検知精度でひび割れを検知することができるようになる。
ここで、図3に示すように、検知部3で検知したいひび割れC1が発生する前に、導線部4の敷設区間に亀裂C2が発生していたとする。亀裂C2に跨って配置された導線部4は、伸縮性に優れているため、亀裂C2が開閉を繰り返したり、幅が広がったりしても、破断されることなく通電し続けることができる。例えば、亀裂C2が1mm程度広がっても、導線部4は破断することなく通電状態を維持することができる。
一方、ひび割れC1が発生又は広がった場合は、検知部3が破断することで通電が遮断されて、その検知情報がデータ収集部5に記憶される。すなわち、検知部3のテープ部32及び検知塗料層33は、伸縮性に乏しいため、ひび割れC1の発生又は拡大によって作用する引張力に対抗しきれず、破断を起すことになる。例えば、0.3mm程度のひび割れC1が発生した場合に、検知部3は破断される。但し、25%程度の検知誤差があると言われている。
次に、本実施の形態のひび割れ検知システムを使用したひび割れ検知方法及びそれらの作用について説明する。
図2に示すように、測定対象となるPC桁1に発生するひび割れCを検知させるために、桁下面12に検知部3及び導線部4を配置する。このPC桁1には、鉛直方向に間隔を置いて4段のPC鋼材11A−11Dが橋軸方向に向けて配置されている。
そこで、4段のいずれのPC鋼材11A−11Dが破断したか、さらにはどの位置で破断したかが再現計算によって推定できるように、図4に示すように、桁下面12の桁端部14からスパン中央13までを5つの検知領域PA−PEに区画して、それぞれの検知領域PA−PEでのひび割れの発生が検知できるようにする。なお、5つの検知領域PA−PEに区画したのは一例であって、それよりも少なくても多くてもよい。
導線部4を敷設するためには、図3に示すように、まずPC桁1の桁下面12にエポキシ樹脂を下塗り材41として塗布する。検知部3を設ける箇所の表面にも、同様にエポキシ樹脂を下塗り材31として塗布する。
そして、検知部3とする箇所には、下塗り材31の上に幅5mm程度のテープ部32を貼り付ける。また、導線部4とする箇所には、下塗り材41の上に幅5mm程度のテープ本体部42を貼り付ける。
続いて、導電塗料層43を形成するために、テープ本体部42の表面に、銀粉とウレタン樹脂と有機溶剤とが配合された導電塗料を、小口径のスプレーガンで吹き付ける。また、テープ部32の表面には、銀粉とポリエステル樹脂と有機溶剤とが配合された導電塗料を吹き付けて、検知塗料層33を形成する。吹き付けによる検知塗料層33の厚さ(膜厚)は、0.05mm程度である。導電塗料層43の膜厚は、検知塗料層33よりも厚くすることができる。
ここで、導電塗料層43と検知塗料層33は、配合は異なるが同質の導電塗料の吹き付けによって形成されるため、容易に連続性を確保することができる。導電塗料層43と検知塗料層33との接続箇所は、設置作業後は近付きにくくなる場合があるが、一体性の高い接続がされることで管理負担を減らすことができる。
さらに、導電塗料層43と検知塗料層33の表面には、アクリル樹脂を吹き付けることによってコーティング層44,34を形成する。コーティング層44,34を設けることで、耐久性を向上させることができる。
そして、導線部4の端子4a,4b(検知部3A1−3A3については端子3a,3b)には、図1に示すように、データ収集部5のリード線51を接続させる。
リード線51と導電塗料層43(又は検知塗料層33)との接続は、管理者がアクセスしやすい橋脚2近くで行われるため、リード線51の腐食や外れなどの不具合などが発生すれば、すぐに見つけることができる。
そして、データ収集部5は、足場が存在する橋脚2の側面21に取り付けられる。このようにして導線部4と検知部3とデータ収集部5とによって形成された電気回路を使用して、データ収集部5によるひび割れの検知情報の計測が行われる。
このデータ収集部5に記憶された検知情報のデータは、定期的、例えば1日に1回、無線で管理棟に設置された解析部6に送信される。あるいは、管理者がデータ取得用の端末(タブレット端末やスマートフォンなど)を持ってデータ収集部5の近くまで来たときに、無線(ZigBee(登録商標)や携帯電話のデータ通信機能など)によって検知情報のデータを取得する構成とすることもできる。
図5A及び図5Bは、検知情報となる電気回路の電圧をPC桁1に発生するたわみと合せて解析部6のモニタ61に表示させた例を示している。図5Aでは、PC桁1にたわみが発生してもすべての時刻で電圧値が一定の値を示しており、通電状態にあることがわかる。すなわち、いずれの検知部3A1−3E3においても、ひび割れが検知されていない状態を示している。
これに対して図5Bでは、PC桁1に大きなたわみが発生した際に、電圧値が低下した(通電していない)表示となっており、破断が起きたことがわかる。すなわち、いずれかの検知部3A1−3E3でひび割れが検知された状態であることを示している。いずれの検知部3A1−3E3でひび割れが検知されたかは、検知情報に付与された識別子から容易に確認することができる。
そして、ひび割れが発生した箇所が特定できれば、その時間に通過した列車を動的荷重とした解析(再現計算)を行うことで、いずれのPC鋼材11A−11Dがどの位置で破断した可能性が高いか(破断本数と破断位置)を推定することができる。
このように構成された本実施の形態のひび割れ検知システムは、導電塗料によって破断し易い状態に形成された検知部3が、測定対象となるPC桁1の桁下面12のひび割れを検知させたい検知領域PA−PEのそれぞれに複数列(上述した例では3列ずつ)、設けられる。
このため、1列の検知部(例えば3A1)では検知誤差が発生したとしても、複数列の検知部(例えば3A2,3A3)による検知結果を併せることで、導電塗料によって形成される検知部3の検知精度を向上させることができる。
一例を示すと、導電塗料によって形成された検知部3で0.3mm以上のひび割れが検知できない誤差率は25%程度である。これに対して一つの検知領域PAに対して3列の検知部3A1,3A2,3A3を平行に設けることで、検知成功率を98%(=1-(0.25)3×100=98.4%)に向上させることができる。
さらに、導線部4が伸縮性を有するテープ本体部42の表面に伸縮性を有する導電塗料層43が形成された構成であることによって、検知を予定していない箇所でひび割れが発生したり、亀裂C2が開閉したりしても、破断することがなく、電気回路の通電状態を維持させることができる。
また、導電塗料を塗布することによって構成された検知部3と導線部4の導電塗料層43とは馴染みが良く、容易に検知部3の検知塗料層33に連続させることができる。
さらに、導電塗料層43と検知塗料層33とは同じ銀粉をフィラーとする導電塗料であるため、外観が同質になり、PC桁1の桁下面12に露出していても美観が損なわれるのを抑えることができる。
そして、プレストレストコンクリート構造物であるPC桁1の複数箇所に、PC鋼材11A−11Dの配置パターンに合わせて検知領域PA−PEを設けることで、PC鋼材11A−11Dの不良箇所や破断箇所が推定できるようになる。
このようにしてひび割れの発生箇所を迅速に特定することができれば、ひび割れの発生箇所のみを鋼板補強などで部分的に補強するなどして、合理的かつ経済的に補強対策を行うことが可能になる。
また、導電塗料によって設けられる検知部3に連続して導電塗料によって導線部4を設け、検知部3によって検知された検知情報をデータ収集部5に記憶させ、その検知情報に基づいてひび割れの判定を行わせる方法であれば、管理者が目視や打音によって検査する場合と比べて、客観的にひび割れの有無の判定を行うことができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば前記実施の形態では、各検知領域PA−PEにコ字状の検知部3を3列ずつ配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、2列又は4列以上の検知部3を設けることもできる。
また、前記実施の形態では、導電塗料によって破断しにくい状態に形成された導線部4について説明したが、これに限定されるものではなく、電線を導線部とすることもできる。
1 PC桁(プレストレストコンクリート構造物)
11A−11D PC鋼材
12 桁下面(測定対象)
3 検知部
4 導線部
4a,4b 端子(端部)
5 データ収集部
6 解析部
C,C1 ひび割れ
PA−PE 検知領域

Claims (4)

  1. 測定対象に発生するひび割れを検知させるひび割れ検知システムであって、
    導電塗料によって破断し易い状態に形成された検知部と、
    前記検知部に接続される導線部と、
    前記導線部に接続されるデータ収集部とを備え、
    前記導線部は、伸縮性を有するテープ本体部とその表面に形成された導電塗料層とによって破断しにくい状態に形成されるとともに、
    前記検知部は、前記測定対象のひび割れを検知させたい検知領域に、平行な複数列のコ字状の個別配線によって設けられることを特徴とするひび割れ検知システム。
  2. 前記検知領域は、前記測定対象の複数箇所に設けられることを特徴とする請求項1に記載のひび割れ検知システム。
  3. 前記測定対象はプレストレストコンクリート構造物であって、PC鋼材の配置パターン及び列車通過時に作用する動的な応答の再現計算に適用できるように前記検知領域が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のひび割れ検知システム。
  4. 測定対象に発生するひび割れを検知させるひび割れ検知方法であって、
    導電塗料によって破断し易い状態の検知部を設ける工程と、
    前記検知部に連続して、伸縮性を有するテープ本体部とその表面の導電塗料によって破断しにくい状態の導線部を設ける工程と、
    前記導線部の端部にデータ収集部を接続して電気回路を形成する工程と、
    前記データ収集部において検知部による検知情報を収集する工程と、
    前記データ収集部に記憶された検知情報からひび割れの有無を判定する工程とを備え
    前記検知部は、前記測定対象のひび割れを検知させたい検知領域に、平行な複数列のコ字状の個別配線によって設けられることを特徴とするひび割れ検知方法。
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