JP2011242135A - 鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】建物の基礎11の異常の有無を簡易且つ適切に検出することができる基礎11の異常検出システムを提供する。
【解決手段】雨量センサの検出信号を取得する処理の後、この検出信号に基づいて降雨があるか否かを判断する。そして、降雨があると判断された場合、一対の地上側通電プレート42に直流電源によって電圧を印加する。そして、電流センサによって、電圧を印加した一対の地上側通電プレート42間に電流が検出されることに基づいて、立ち上がり部13の外表面に形成される防水層40の地上部分の亀裂を検出する。一方、地上側通電プレート42と、地中側通電プレート45との間に直流電源によって電圧を印加する。そして、電流センサによって、電圧を印加した地上側通電プレート42と、地中側通電プレート45との間に電流が検出されることに基づいて、防水層40の地中部分の異常を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】雨量センサの検出信号を取得する処理の後、この検出信号に基づいて降雨があるか否かを判断する。そして、降雨があると判断された場合、一対の地上側通電プレート42に直流電源によって電圧を印加する。そして、電流センサによって、電圧を印加した一対の地上側通電プレート42間に電流が検出されることに基づいて、立ち上がり部13の外表面に形成される防水層40の地上部分の亀裂を検出する。一方、地上側通電プレート42と、地中側通電プレート45との間に直流電源によって電圧を印加する。そして、電流センサによって、電圧を印加した地上側通電プレート42と、地中側通電プレート45との間に電流が検出されることに基づいて、防水層40の地中部分の異常を検出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鉄筋コンクリート構造体の異常の有無を検出する鉄筋コンクリート構造体の異常検出システムに関する。
健全な鉄筋コンクリートは、水酸化カルシウムを多量に含むため、強アルカリ性である。その性質によって、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の表面には、不動態皮膜と呼ばれる酸化皮膜が作られる。そして、その酸化皮膜によって鉄筋は酸化から保護されている。ここで空気中や雨水等に含有する二酸化炭素が鉄筋コンクリート内部に侵入すると、炭酸が生成され、この炭酸が水素イオンの供給源となり、水酸化イオンと結合(中和)することによって、鉄筋コンクリートが中性化される。中性化が進行すると、酸化皮膜が破壊され鉄筋の周囲に錆が生じる。鉄筋に錆が生じるとその体積が膨れ上がり、鉄筋周辺のコンクリートを圧迫してコンクリートに亀裂が生じることとなる。
そこで従来、鉄筋コンクリート構造体のコンクリート内部の鋼材に沿って複数の被覆導線を配設し、これら各被覆導線に通電を行い、通電測定値が変化した被覆導線の非被覆箇所の長手方向位置からコンクリート内の亀裂等の発生箇所を予測する技術が提案されている(特許文献1参照)。
一方、鉄筋コンクリート構造体の中には、コンクリート内部に雨水などが浸入することに起因するコンクリート内の亀裂等の発生を防止すべく、コンクリート表面に防水層が形成されるものもある。ここで降雨や紫外線等の外部環境の影響を受けて防水層が経年劣化し、防水層に亀裂等の異常が生じることがある。
そこで従来、防水層(シート防水材)の表面に生じた亀裂をミクロ写真撮影装置によってミクロ撮影し、この撮影結果から得られるデータに基づいてシート防水材の劣化を検出する技術も提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、コンクリート内の亀裂等を予測するための上記特許文献1に記載されている技術では、複数の被覆導線に通電する場合の電流値等をテスター等によって測定する手間が生じたり、亀裂等の進行に対して測定時期が遅れることでコンクリート内の亀裂等を迅速に発見することができなかったりすることが懸念される。一方、防水層の異常を検出するための上記特許文献2に記載されている技術では、防水層がある場所にミクロ写真撮影装置を持参しなければならなかったり、この装置を用いてミクロ撮影したりするなどの手間が生じることとなる。したがって、コンクリート内部や防水層の亀裂等、鉄筋コンクリート構造体の異常を検出する技術に関しては改善の余地を残すものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、鉄筋コンクリート構造体の異常の有無を簡易且つ迅速に検出することのできる鉄筋コンクリート構造体の異常検出システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決すべく、第1の発明は、鉄筋コンクリート構造体の異常の有無を検出する鉄筋コンクリート構造体の異常検出システムであって、前記コンクリート構造体のコンクリート表面に設けられた第1導電部材と、前記コンクリート構造体のコンクリート部により、又は前記コンクリート表面に形成された防水層により前記第1導電部材に対して絶縁された状態で設けられた第2導電部材と、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の間の導電状態を検出する導電検出手段と、前記導電検出手段による検出結果を通知する通知手段と、を備えていることを特徴とする。
鉄筋コンクリートの中性化や、地震等の外力が鉄筋コンクリート構造体に作用することに起因して、鉄筋コンクリート構造体のコンクリート表面へとつながる亀裂がコンクリート内に生じることがある。このような亀裂が生じると、コンクリート表面の亀裂部分を浸入口とした水の浸入経路が形成される。このため、雨などによりコンクリート表面が濡れると、コンクリート表面の亀裂部分から上記浸入経路に雨水等が浸入する。そして、雨水等の浸入によりコンクリート内の亀裂の進行が促進されることなどが懸念される。
一方、コンクリート表面に防水層が形成される鉄筋コンクリート構造体において、防水層に亀裂等の異常が生じることがある。このような異常が生じると、防水層の異常部分を浸入口とした水の浸入経路が形成される。このため、雨などにより防水層表面が濡れると、防水層の異常部分から上記浸入経路に雨水等が浸入する。そして、雨水等の浸入によりコンクリート内の亀裂の進行が促進されることが懸念される。
ここで上記発明では、鉄筋コンクリート構造体のコンクリート表面に第1導電部材を設けるとともに、上記構造体のコンクリート部や防水層により第1導電部材に対して絶縁された状態で第2導電部材を設ける。コンクリート内の亀裂や防水層の異常によって第1導電部材の設置部分から第2導電部材の設置部分まで水の浸入経路が形成されると、雨などによって上記浸入経路に水が浸入する。水が浸入すると、第1導電部材と第2導電部材との間に水によって電気経路が形成され、これら導電部材の間が導通することとなる。このため、第1導電部材及び第2導電部材の間の導電状態を検出することで、コンクリート内の亀裂や防水層の異常等、鉄筋コンクリート構造体の異常の有無を検出することができる。更に上記発明では、通知手段を備えることで、第1導電部材と第2導電部材との間の導電状態の検出結果を通知することもできる。これにより、鉄筋コンクリート構造体の異常の有無を簡易且つ迅速に検出することができ、ひいてはコンクリート内の亀裂が過度に進行するなどの事態の発生を極力抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1導電部材及び前記第2導電部材からなる導電部材対を複数設け、前記導電検出手段は、前記複数の導電部材対ごとに導電状態を検出し、前記通知手段は、前記複数の導電部材対のいずれで導通が生じたかを通知することを特徴とする。
上記発明では、複数の導電部材対ごとに鉄筋コンクリート構造体の異常を検出できるため、鉄筋コンクリート構造体の異常箇所を特定することができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記コンクリート構造体は、建物の基礎であり、前記複数の導電部材対は、前記コンクリート表面において互いに平行に延びる各一対の長尺状導電体よりなり、その各一対の長尺状導電体は、前記基礎の長手方向及び上下方向のうち少なくとも一方向に並べて設けられることを特徴とする。
上記発明では、上記長尺状導電体よりなる複数の導電部材対を上記態様にて設けることで、建物の基礎の異常個所の特定精度を向上させることができる。
なお、基礎の長手方向に互いに平行に延びる各一対の長尺状導電体によれば、基礎の上下方向に生じる防水層の亀裂等を検出することができ、基礎の上下方向に互いに平行に延びる各一対の長尺状導電体によれば、基礎の長手方向に生じる亀裂等を検出することができる。また、これら両方を設ければ、基礎の長手方向及び上下方向のいずれの亀裂等が生じる場合であっても、上記亀裂等を検出することができる。
第4の発明は、第1乃至3のいずれかの発明において、前記第2導電部材は、前記コンクリート部内に設けられた配筋であることを特徴とする。
コンクリートの強度を確保する上で通常、配筋はコンクリート部内において各所に延びて設けられている。この点に鑑み、上記発明では、コンクリート部内に導電部材を新たに設けることなく鉄筋コンクリート構造体の異常を検出することができるとともに、コンクリート部の広域にわたって上記構造体の異常を検出することができる。
第5の発明は、第4の発明において、前記コンクリート構造体は、建物の外縁部に沿って設けられ、複数の配筋が基礎の長手方向に互いに離れて設けられる基礎であり、前記導電検出手段は、前記複数の配筋ごとに導電状態を検出することを特徴とする。
上記発明では、建物の基礎構造として複数の配筋が基礎長手方向に互いに離れて設けられるという構成を利用して、複数の配筋ごとに導電状態を検出する。これにより、建物の外縁部に沿って設けられる基礎の異常発生箇所を適切に特定することができる。
第6の発明は、第1乃至5のいずれかの発明において、前記コンクリート構造体は、少なくともその一部が地中に埋設されるものであり、前記第1導電部材は、前記コンクリート構造体の地中部分に設けられるものであることを特徴とする。
鉄筋コンクリート構造体の地中に埋設される部分について、この部分のコンクリート内の亀裂等の異常を目視で確認することは通常困難である。この点、上記発明では、第1導電部材を鉄筋コンクリート構造体の地中部分に設けることで、地中部分のコンクリート内の亀裂等の有無を検出することができる。これにより、地中部分の異常検出を適切に行うとともに、異常検出のための作業負荷を軽減することができる。
第7の発明は、第6の発明において、前記コンクリート構造体は、フーチング部、立ち上がり部及び基礎配筋を備えて構成される建物の基礎であり、前記第2導電部材は、前記基礎配筋であり、前記第1導電部材は、前記建物の基礎の地中部分であって且つ、前記フーチング部及び前記立ち上がり部との接続部分に設けられるものであることを特徴とする。
建物の基礎の上記接続部分においては、コールドジョイントや地震等の外力によって亀裂が生じやすい。この点、上記発明では、上記接続部分に設けられる第1導電部材と、建物の基礎内に設けられる第2導電部材としての基礎配筋とを用いることで、上記接続部分に生じる亀裂の有無を適切に検出することができる。
第8の発明は、第1乃至7のいずれかの発明において、前記導電検出手段により検出した導電状態に基づいて、前記コンクリート構造体に関する修復の要否を判定する判定手段を備え、前記通知手段は、前記判定手段の判定結果を通知することを特徴とする。
上記発明では、通知手段によって鉄筋コンクリート構造体に関する修復の要否の判定結果を通知することができる。このため、修復が必要となる場合にその後の対応を適切にとることができる。
以下に、本発明を具体化する一実施の形態について図面を参照しながら説明する。はじめに、鉄筋コンクリート造の基礎の構成について説明する。図1は、基礎の断面構造を示す断面図であり、図2は、基礎の配筋構造を示す斜視図である。
基礎11は、住宅等の建物に用いられる鉄筋コンクリート造の布基礎として構成されており、地中に埋設されるフーチング12と、そのフーチング12から上方に延び地上に露出して設けられる立ち上がり部13とを有している。なお、フーチング12の下方には砕石14が敷設されている。また本実施形態では、フーチング12の屋内側上面がグランドレベルに対して低い位置となっている。また、建物の1階床下部分には半地下式の空間が設けられおり、フーチング12の屋内側上面と、上記半地下式の空間のフロアレベルとが略一致している。
基礎11の内部には、基礎配筋が配設されている。本実施形態において、配筋構造はシングル配筋である。詳しくは、基礎配筋は、フーチング部において略水平に設けられるベース配筋部21と、そのベース配筋部21に対して略垂直に立ち上げられた状態で連結されている立ち上がり配筋部31とから構成されている。
ベース配筋部21は、基礎11の長手方向に平行に延びる一対のベース配力筋22と、基礎11の幅方向に延びて前記一対のベース配力筋22に溶接等にて固定されている複数本のベース筋23とを備えている。ベース筋23は、基礎11の長手方向に所定間隔をおいて複数設けられている。ベース配力筋22及びベース筋23は、一般に布基礎に用いられる異形鉄筋により構成されている。
立ち上がり配筋部31は、基礎11の長手方向に延びる横鉄筋としての上端主筋32、腹筋33及び下端主筋34と、鉛直方向に延びる縦鉄筋としてのあばら筋35とを備えている。具体的には、立ち上がり配筋部31の上端には上端主筋32が、下端には下端主筋34が、それらの略中央には腹筋33が、それぞれ平行となるように配設されている。そして、これら上端主筋32、腹筋33及び下端主筋34は、あばら筋35に溶接等によって固定されて間隔保持されている。あばら筋35は、基礎11の長手方向に所定間隔をおいて複数形成されている。ベース筋23とあばら筋35とは略同一の間隔で設置されている。これら上端主筋32、腹筋33、下端主筋34及びあばら筋35は、一般的に布基礎に用いられる異形鉄筋によって構成されている。
立ち上がり配筋部31は、下端主筋34がベース配筋部21のベース筋23の上に載置された状態で設けられている。
基礎11の屋外側外表面には、防水層40が形成されている。詳しくは、フーチング12及び立ち上がり部13の屋外側外表面には、塗膜防水処理によって塗膜防水層が所定の厚みを持って形成されている。なお、塗膜防水処理とは、ウレタン系、ゴムアスファルト系、FRP系の液状の合成樹脂等を母材となるコンクリートにライニングすることで、母材表面に塗膜防水層を形成させるものである。
次に、本実施形態にかかる基礎11の異常検出システムの構成について説明する。
基礎11の屋外側外表面には、複数の通電プレートが防水層40により互いに絶縁された状態で設けられている。詳しくは、複数の通電プレートのうち、立ち上がり部13の屋外側外表面の地上部分には複数の地上側通電プレート42が設けられており、地中部分には複数の地中側通電プレート45が設けられている。これら通電プレート42,45は、薄板状をなす長尺状導電体(金属)であり、防水層40の厚さよりも薄いものとなっている。すなわち、これら通電プレート42,45は、防水層40に覆われている。
図3に、本実施形態にかかる地上側通電プレート42及び地中側通電プレート45の配置態様を示す。詳しくは、図3は図1のA矢視図(正面図)である。なお、図3(a)では、便宜上防水層40の図示を省略している。
図3(a)に示すように、立ち上がり部13の屋外側外表面の地上部分には、防水層40の亀裂を検出すべく、所定間隔をおいて対向する一対の地上側通電プレート42が複数設けられている。詳しくは、一対の地上側通電プレート42として、防水層40の縦方向に生じる亀裂を検出すべく基礎11の長手方向に互いに平行に延びる一対の縦亀裂検出プレート(第1、第2縦亀裂検出プレート43a,43b)と、防水層40の横方向に生じる亀裂を検出すべく基礎11の上下方向に互いに平行に延びる一対の横亀裂検出プレート(第1、第2横亀裂検出プレート44a,44b)とがそれぞれ設けられている。そしてこれら一対の通電プレートのそれぞれは、基礎11の長手方向に所定間隔(等間隔)をおいて複数設けられている。なお、基礎11の屋外側外表面において、一対の縦亀裂検出プレート43a,44bのうち第2縦亀裂検出プレート43bは、第1縦亀裂検出プレート43aよりも下部に設けられている。
一方、立ち上がり部13の屋外側外表面の地中部分には、基礎11の地中部分におけるコンクリート内の亀裂や防水層40の異常を検出すべく、基礎11の長手方向に延びる地中側通電プレート45が複数設けられている。詳しくは、複数の地中側通電プレート45のそれぞれは、フーチング12と立ち上がり部13との接続部分(打ち継ぎ部分)付近に設けられて且つ、基礎11の長手方向に所定間隔(等間隔)をおいて設けられている。具体的には、立ち上がり部13の屋外側外表面において、第2縦亀裂検出プレート43bよりも下部であって且つ、第2縦亀裂検出プレート43bと対向するように設けられている。
なお、一対の縦亀裂検出プレート43a,43b(横亀裂検出プレート44a,44b)同士が離間する間隔が大きいと、防水層40の異常やコンクリート内の亀裂等、基礎11の異常検出精度が低下することが懸念される。一方、上記離間する間隔が小さいと、基礎11の異常検出精度を向上させることができるものの、通電プレートの設置数が多くなることが懸念される。このため、上記離間する間隔は、基礎11の異常検出精度を維持することと、通電プレートの設置数の増大を抑制することとの観点から決定すればよい。
次に、地上側通電プレート42、地中側通電プレート45及び基礎配筋を用いた基礎11の異常検出手法について説明する。
まず、防水層40の異常検出手法について説明する。
防水層40の異常としては、降雨や紫外線等の外部環境の影響を受けて防水層40が経年劣化することに起因して、防水層40に亀裂が生じたり、防水層40の端部が剥がれたりする異常や、防水層40とコンクリートとの間に存在する空気が気温変化によって膨張を繰り返すこと等に起因して防水層40の膨れが生じる異常が挙げられる。このような防水層40の異常が生じると、降雨によって防水層40の亀裂部分や防水層40の端部の剥離部分からコンクリート側へと雨水が浸入することに起因にして、鉄筋コンクリートの中性化が促進され、コンクリート内に亀裂が生じたり、基礎11の打ち継ぎ部分から屋内側へと水が浸入したりするおそれがある。
ここで図3(b)では、防水層40の異常発生態様の一例として、(A)防水層40の横亀裂、(B)防水層40の縦亀裂及び(C)防水層40の亀裂及び地中につながる膨れを示している。
<(A)防水層40の横亀裂の検出手法>
図に示す例では、第1横亀裂検出プレート44aから第2横亀裂検出プレート44bに渡って防水層40に横亀裂が生じることで、これら横亀裂検出プレート44a,44bの一部が外部に露出した状態となる。ここで降雨によって防水層40の横亀裂部分から雨水が浸入する状況下において、第1横亀裂検出プレート44aと、第2横亀裂検出プレート44bとの間に電圧を印加すると、互いに離間する第1横亀裂検出プレート44aと、第2横亀裂検出プレート44bとの間に雨水によって電気経路が形成されて電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、防水層40の横亀裂を検出することができる。
図に示す例では、第1横亀裂検出プレート44aから第2横亀裂検出プレート44bに渡って防水層40に横亀裂が生じることで、これら横亀裂検出プレート44a,44bの一部が外部に露出した状態となる。ここで降雨によって防水層40の横亀裂部分から雨水が浸入する状況下において、第1横亀裂検出プレート44aと、第2横亀裂検出プレート44bとの間に電圧を印加すると、互いに離間する第1横亀裂検出プレート44aと、第2横亀裂検出プレート44bとの間に雨水によって電気経路が形成されて電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、防水層40の横亀裂を検出することができる。
<(B)防水層40の縦亀裂の検出手法>
図に示す例では、第1縦亀裂検出プレート43aから第2縦亀裂検出プレート43bに渡って防水層40に縦亀裂が生じることで、これら縦亀裂検出プレート43a,43bの一部が外部に露出した状態となる。ここで降雨によって防水層40の縦亀裂部分から雨水が浸入する状況下において、第1縦亀裂検出プレート43aと、第2縦亀裂検出プレート43bとの間に電圧を印加すると、防水層40に横亀裂が生じる場合と同様に、一対の縦亀裂検出プレート43a,43b間に電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、防水層40の縦亀裂を検出することができる。
図に示す例では、第1縦亀裂検出プレート43aから第2縦亀裂検出プレート43bに渡って防水層40に縦亀裂が生じることで、これら縦亀裂検出プレート43a,43bの一部が外部に露出した状態となる。ここで降雨によって防水層40の縦亀裂部分から雨水が浸入する状況下において、第1縦亀裂検出プレート43aと、第2縦亀裂検出プレート43bとの間に電圧を印加すると、防水層40に横亀裂が生じる場合と同様に、一対の縦亀裂検出プレート43a,43b間に電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、防水層40の縦亀裂を検出することができる。
<(C)防水層40の地中部分の異常検出手法>
図に示す例では、第2縦亀裂検出プレート43b近傍の防水層40に亀裂が生じることで、第2縦亀裂検出プレート43bの一部が外部に露出した状態となっている。また、防水層40の亀裂箇所から地中側通電プレート45につながる防水層40の膨れが生じることで、上記亀裂箇所から地中側通電プレート45までの水の浸入経路が形成されている。ここで降雨によって防水層40の亀裂部分から雨水が浸入する状況下において、第2縦亀裂検出プレート43bと、地中側通電プレート45との間に電圧を印加すると、防水層40に横・縦亀裂が生じる場合と同様に、第2縦亀裂検出プレート43bと、地中側通電プレート45との間に電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、第2縦亀裂検出プレート43bから地中側通電プレート45に渡る防水層40、すなわち防水層40の地中部分の異常を検出することができる。
図に示す例では、第2縦亀裂検出プレート43b近傍の防水層40に亀裂が生じることで、第2縦亀裂検出プレート43bの一部が外部に露出した状態となっている。また、防水層40の亀裂箇所から地中側通電プレート45につながる防水層40の膨れが生じることで、上記亀裂箇所から地中側通電プレート45までの水の浸入経路が形成されている。ここで降雨によって防水層40の亀裂部分から雨水が浸入する状況下において、第2縦亀裂検出プレート43bと、地中側通電プレート45との間に電圧を印加すると、防水層40に横・縦亀裂が生じる場合と同様に、第2縦亀裂検出プレート43bと、地中側通電プレート45との間に電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、第2縦亀裂検出プレート43bから地中側通電プレート45に渡る防水層40、すなわち防水層40の地中部分の異常を検出することができる。
このように、上述した防水層40の異常検出手法によれば、基礎11の立ち上がり部13の外表面に複数設けられた通電プレートによって防水層40の地上部分や地中部分の異常を検出するとともに、防水層40の異常個所を特定することができる。
次に、図4を用いて、コンクリート内の亀裂検出手法について説明する。
図に示す例では、第2縦亀裂検出プレート43b近傍の防水層40に亀裂が生じることで第2縦亀裂検出プレート43bの一部が露出した状態となっている。また、防水層40の亀裂部分近傍から立ち上がり配筋部31(あばら筋35)へとつながるコンクリート内の亀裂が生じている。これにより、防水層40の亀裂部分からコンクリート内の亀裂を介して立ち上がり配筋部31までの水の浸入経路(A)が形成される。ここで降雨によって上記浸入経路(A)に雨水が浸入する状況下において、第2縦亀裂検出プレート43bと、基礎配筋との間に電圧を印加すると、互いに離間する第2縦亀裂検出プレート43bと、基礎配筋との間に水によって電気経路が形成されて電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、立ち上がり部13の地上部分の外表面から基礎配筋へとつながるコンクリート内の亀裂を検出することができる。
更に、同図に、第2縦亀裂検出プレート43b近傍の防水層40の亀裂部分から地中側通電プレート45につながる防水層40の膨れが生じるとともに、打ち継ぎ部分から立ち上がり配筋部31(あばら筋35)へとつながるコンクリート内の亀裂発生態様を一例として示す。これにより、防水層40の亀裂部分から防水層40の膨れ部分及びコンクリート内の亀裂を介して立ち上がり配筋部31までの水の浸入経路(B)が形成される。ここで降雨によって上記浸入経路(B)に雨水が浸入する状況下において、地中側通電プレート45と、基礎配筋との間に電圧を印加すると、互いに離間する地中側通電プレート45と、基礎配筋との間に水によって電気経路が形成されて電流が流れることとなる。したがって、電流が検出されることに基づいて、打ち継ぎ部分から基礎配筋へとつながるコンクリート内の亀裂を検出することができる。これにより、屋内側に雨水が浸入する以前にコンクリート内の亀裂等を発見することができ、屋内側への漏水を未然に防止することができる。
続いて、本実施形態にかかる基礎11の異常検出システムの電気的構成について図5に基づいて説明する。なお、図5では、一対の縦亀裂検出プレート43a,43b、地中側通電プレート45及び基礎配筋につながる電気経路のみを図示しているが、一対の横亀裂検出プレート44a,44bにつながる電気経路も図5に示す構成と同様のものである。
上記一対の縦亀裂検出プレート43a,44b、地中側通電プレート45及び基礎配筋(下端主筋34)は、スイッチ装置50を介して直流電源51に接続されている。詳しくは、第1縦亀裂検出プレート43a及び地中側通電プレート45のそれぞれは、第1スイッチS1、第3スイッチS3を介して直流電源51の正極側に接続されている。また、第2縦亀裂検出プレート43b及び下端主筋34のそれぞれは、第2スイッチS2、第4スイッチS4を介して直流電源51の負極側に接続されている。なお、基礎配筋を構成する鉄筋同士が溶接等によって固定され電気的に接続されていることに鑑み、直流電源51が接続される基礎配筋を、下端主筋34に限らずその他の鉄筋としてもよい。
上記スイッチ装置50は、建物の屋内に設けられるコントローラ52の出力側に接続されている。コントローラ52は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを備えて構成されている。コントローラ52は、一対の縦亀裂検出プレート43a,43bや、第2縦亀裂検出プレート43b及び地中側通電プレート45、縦亀裂検出プレート及び下端主筋34の間に直流電源51によって電圧を印加すべくスイッチ装置50を操作する。
また、コントローラ52の出力側には、屋内に設けられるモニタ装置55が接続されている。コントローラ52は、モニタ装置55に対して指令信号を出力することで、モニタ装置55の表示状態を操作する。
コントローラ52の入力側には、電流センサ53及び雨量センサ54が接続されている。電流センサ53は、直流電源51から出力される電流を検出するためのものである。また、雨量センサ54は、例えば建物の屋根に設置され、降雨量を示す検出信号を出力する。
次に、図6に、本実施形態にかかる基礎11の異常検出処理の手順を示す。この処理は、コントローラ52によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、雨量センサ54の検出信号を取得する。続くステップS11では、ステップS10において取得された検出信号に基づいて、降雨があるか否かを判断する。この処理は、基礎11の異常検出処理が実行可能な状況か否かを判断するための処理である。
なお、防水層40の異常やコンクリート内の亀裂は徐々に進行すると考えられる。このため、基礎11の異常検出処理が頻繁に実行される事態を回避すべく、降雨があると判断される場合であっても異常検出処理の実行を制限する処理を行ってもよい。具体的には、降雨があると判断される場合であっても、基礎11の異常検出処理が前回実行されてから現在までの期間が規定期間を経過するまでは、異常検出処理を禁止するようにすればよい。ここで地震や台風等の発生によって建物に大きな外力が作用したと判断される場合には、打ち継ぎ部分に大きな応力が作用することによってコンクリート内に亀裂が生じているおそれがある。このため、建物に大きな外力が作用したと判断される場合には、基礎11の異常検出処理の実行頻度を高くすべく上記規定期間を短縮する処理を行ってもよい。
ステップS11において降雨があると判断された場合には、ステップS12に進み、基礎11の異常検出処理を行う。詳しくは、地上部分の防水層40の縦亀裂検出処理は、第1縦亀裂検出プレート43aと、第2縦亀裂検出プレート43bとの間に直流電源51によって電圧を印加すべく、第1スイッチS1及び第2スイッチS2の双方をオンとする処理となる。ここで防水層40の亀裂部分に雨水が浸入することによって一対の縦亀裂検出プレート43a,43b間に電気経路が形成されると、一対の縦亀裂検出プレート43a,43b及び直流電源51を含む閉ループ回路が形成され、電流センサ53によって電流が検出される。このため、電流センサ53によって電流が検出されることに基づいて防水層40の縦亀裂を検出することができる。
なお、地中部分の防水層40の異常検出処理は、第2スイッチS2及び第3スイッチS3の双方のみをオンとすることで実施することができる。また、コンクリート内の亀裂検出処理は、第1スイッチS1及び第3スイッチS3のうち少なくとも一方と、第4スイッチS4とをオンとすることで実施することができる。
ちなみに、基礎11の異常検出処理を、全てのスイッチS1〜S4をオンとすることで実施することもできる。これにより、防水層40の異常及びコンクリート内の亀裂のうち少なくとも一方を簡易に検出することができる。
続くステップS13では、上記ステップS12の処理による基礎11の異常検出結果に基づいて、この検出結果を建物の居住者に報知する処理である報知処理を行う。本実施形態では、報知処理として、基礎11の異常検出結果についての情報をモニタ装置55に表示させる処理を行う。具体的には、防水層40の異常やコンクリート内の亀裂が検出されない場合、モニタ装置55に「基礎11に異常はありませんでした。修復の必要はありません」等と表示させることで居住者にその旨を通知する。一方、例えば防水層40の縦亀裂が検出された場合には、モニタ装置55に「防水層40の地上部分に縦亀裂が生じています」等と表示させることで、居住者に防水層40に亀裂が生じた旨及び亀裂発生箇所を通知する。
更に本実施形態では、上記報知処理として、基礎11の異常が検出された場合に、基礎11の修復についての情報をモニタ装置55に表示させる処理を行う。詳しくは、防水層40のみに異常が生じているか又は防水層40の異常及びコンクリート内の亀裂の双方が生じているかによって上記修復についての情報を変更する。具体的には、防水層40の異常が検出される場合には、「防水層40の亀裂部分を部分的に修復してください」等と表示させる。一方、コンクリート内の亀裂が検出される場合には更に、「コンクリート内の亀裂部分を修復する必要があります。修理業者に連絡してください」等と表示させる。これにより、居住者は、極力早期に基礎11の異常を認識することができ、その後基礎11を修復するための対応を適切にとることができる。
なお、基礎11の異常検出結果についての情報を建物の管理会社に報知する構成としてもよい。具体的には、コントローラ52からインターネットを介して管理会社のコンピュータに通知する構成とすればよい。これにより、管理会社が修理業者に直接基礎11の修復依頼をすることなどができ、基礎11の修復対応に際し居住者の負担を軽減することができる。
上記ステップS11において否定判断された場合や、ステップS13の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
雨量センサ54の検出信号に基づいて降雨があると判断された場合、一対の縦亀裂検出プレート43a,43b間及び一対の横亀裂検出プレート44a,44b間に直流電源51によって電圧を印加した。そして電流センサ53の検出結果に基づいて、防水層40の地上部分の縦亀裂や横亀裂等の異常の有無を検出した。これにより、防水層40の地上部分の異常の有無を適切に検出することができる。
また、第2縦亀裂検出プレート43bと地中側通電プレート45との間に直流電源51によって電圧を印加した。そして電流センサ53の検出結果に基づいて、防水層40の地中部分の異常の有無を検出した。防水層40の地中部分に異常が生じる場合、この異常を目視によって発見することは困難である。また、基礎11の打ち継ぎ部分には特に亀裂が生じやすい。このため、本実施形態にかかる異常検出手法によれば防水層40の地中部分の異常の有無を簡易且つ適切に検出することができる。
ここで本実施形態にかかる異常検出技術に対し、上記特許文献2に記載されている技術によれば、建物の基礎11がある場所にミクロ写真撮影装置を持参しなければならない等の手間が生じることとなる。このため、本実施形態にかかる異常検出手法によれば、コントローラ52によって常に基礎11の異常の有無を監視するため、防水層40の異常検出を行うための装置を持参する手間を省いたり、防水層40の異常を早期に発見したりすることができる等、防水層40の異常検出を簡易且つ迅速に行うことができる。
更に、報知処理によって、モニタ装置55を介して居住者に基礎11の異常個所や修復の要否を報知することができるため、居住者はその後の対応を適切にとることができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、地中側通電プレート45を、基礎11の長手方向に所定間隔をおいて複数設ける構成としたが、これを変更してもよい。例えば、基礎11の長手方向の長さと略同一の長さの地中側通電プレート45を、基礎11の長手方向に1つ設ける構成としてもよい。
・上記実施形態では、コンクリート内の亀裂検出に用いる導電部材を、立ち上がり部13の屋外側外表面に設けられる通電プレートと基礎配筋としたが、これを変更してもよい。例えば、立ち上がり部13の屋内側外表面に通電プレートを設け、立ち上がり部13の屋外側外表面及び屋内側外表面に設けられる通電プレートを用いてもよい。また、コンクリート内の亀裂検出用に設けられる基礎11の内部の導電部材としては、基礎配筋に限らず、例えば通電プレートを採用してもよい。
・上記実施形態では、異常の有無の検出対象となる基礎11の配筋構造をシングル配筋としたがこれに限らず、ダブル配筋としてもよい。また、上記基礎11としては布基礎に限らず、べた基礎としてもよい。
・上記実施形態では、基礎11の異常検出システムを、防水処理として塗膜防水処理が施された基礎11に適用したが、これを変更してもよい。例えば、シート防水処理やアスファルト防水処理が施されたものに適用してもよい。また例えば、防水層40が形成されていない基礎11に適用してもよい。更に、上記システムが適用される鉄筋コンクリート構造体としては、建物の基礎11に限らず、例えば建物の外壁や屋上の床面等としてもよい。
・通電プレートの配置態様としては上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、一対の縦亀裂検出プレート及び一対の横亀裂検出プレートのそれぞれを、基礎11の長手方向に代えて又はこの方向に加えて、基礎11の上下方向に所定間隔(等間隔)をおいて複数設ける構成としてもよい。また例えば、所定間隔をおいて対向する一対の通電プレートを、立ち上がり部13の屋外側外表面において、基礎11の長手方向に対して傾斜した方向に互いに平行に延びるように設けてもよい。これにより、通電プレートの設置数の増大を抑制しつつ、防水層40の縦亀裂及び横亀裂の双方の検出精度を適切なものとすることができる。
・上記実施形態では、通知手段としてのモニタ装置55に、基礎11の異常の有無とともに、基礎11の修復の要否についての情報を表示させる構成としたがこれに限らない。例えば、基礎11の異常の有無のみを表示させる構成としてもよい。また、通知手段としては、モニタ装置55に限らず、例えば光によって異常を通知するランプや、音によって異常を通知する音声発生装置を採用してもよい。
・上記実施形態における基礎11の異常検出システムを、図7に示すように、建物の外縁部に沿って設けられる基礎に適用してもよい。ここで基礎内に配設される複数の配筋H1〜H6のそれぞれが、基礎の長手方向に互いに離れて設けられる(電気的に接続されていない)場合、基礎の異常検出処理によって、複数の配筋H1〜H6のそれぞれが配設される領域のうちいずれに異常が生じているかを検出することができる。これにより、建物の外縁部に沿って設けられる基礎の異常発生箇所を適切に特定することができる。
11…基礎、12…フーチング、13…立ち上がり部、34…基礎配筋としての下端主筋、40…防水層、42…地上側通電プレート、45…地中側通電プレート、51…直流電源、52…コントローラ、53…導電検出手段としての電流センサ、55…通知手段としてのモニタ装置。
Claims (8)
- 鉄筋コンクリート構造体の異常の有無を検出する鉄筋コンクリート構造体の異常検出システムであって、
前記コンクリート構造体のコンクリート表面に設けられた第1導電部材と、
前記コンクリート構造体のコンクリート部により、又は前記コンクリート表面に形成された防水層により前記第1導電部材に対して絶縁された状態で設けられた第2導電部材と、
前記第1導電部材及び前記第2導電部材の間の導電状態を検出する導電検出手段と、
前記導電検出手段による検出結果を通知する通知手段と、
を備えていることを特徴とする鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。 - 前記第1導電部材及び前記第2導電部材からなる導電部材対を複数設け、
前記導電検出手段は、前記複数の導電部材対ごとに導電状態を検出し、
前記通知手段は、前記複数の導電部材対のいずれで導通が生じたかを通知することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。 - 前記コンクリート構造体は、建物の基礎であり、
前記複数の導電部材対は、前記コンクリート表面において互いに平行に延びる各一対の長尺状導電体よりなり、その各一対の長尺状導電体は、前記基礎の長手方向及び上下方向のうち少なくとも一方向に並べて設けられることを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。 - 前記第2導電部材は、前記コンクリート部内に設けられた配筋であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。
- 前記コンクリート構造体は、建物の外縁部に沿って設けられ、複数の配筋が基礎の長手方向に互いに離れて設けられる基礎であり、
前記導電検出手段は、前記複数の配筋ごとに導電状態を検出することを特徴とする請求項4に記載の鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。 - 前記コンクリート構造体は、少なくともその一部が地中に埋設されるものであり、
前記第1導電部材は、前記コンクリート構造体の地中部分に設けられるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。 - 前記コンクリート構造体は、フーチング部、立ち上がり部及び基礎配筋を備えて構成される建物の基礎であり、
前記第2導電部材は、前記基礎配筋であり、
前記第1導電部材は、前記建物の基礎の地中部分であって且つ、前記フーチング部及び前記立ち上がり部との接続部分に設けられるものであることを特徴とする請求項6に記載の鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。 - 前記導電検出手段により検出した導電状態に基づいて、前記コンクリート構造体に関する修復の要否を判定する判定手段を備え、
前記通知手段は、前記判定手段の判定結果を通知することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造体の異常検出システム。
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-
2010
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