JP6690266B2 - 空間浮遊映像表示光学シート、空間浮遊映像表示装置 - Google Patents
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Description
図1(a)、図1(b)からわかるように、空間浮遊映像表示装置1によれば、映像源2から出射された映像Aが光学シート10を透過することにより、該光学シート10のうち、映像源2とは反対側の空間に像を結び、映像Aが空間中に浮遊するように表示される。
ここで用いられる映像源2は、光学シート10に対して画像や映像を出射することができれば特に限定されることはなく、例えば液晶表示装置やプロジェクション表示装置などを挙げることができる。
基材層としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等を好適に使用できるが、これらの中でも、ポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
なお、本形態では隣り合う光透過部13は長い下底側で連結され、土台部15とされている。従って本形態では当該土台部15が上記溝(光吸収部14)の底部を形成している。土台部15は可能な限り薄いことが好ましい。これにより迷光を抑制することができ、高い画質を得ることができる。
屈折率Nrの値は特に限定されることはなく、光透過部13と同様に考えることができる。
樹脂微粒子は、透明なものも使用できるが、顔料または染料等で着色された樹脂を用いることが好ましく、必要に応じて特定の波長を選択的に吸収するものであってよいが、好ましくは黒色に着色された樹脂微粒子が用いられる。
ここで、樹脂微粒子の屈折率はバインダーの屈折率以上であることが好ましい。これによりバインダーと樹脂微粒子との界面で全反射が起こることを防止することができ、ヘイズが高くなるのを抑えることができる。そして、樹脂微粒子の屈折率はバインダーの屈折率より0.005以内であることがより好ましい。このように屈折率差を小さく抑えることで屈折や反射によるヘイズの上昇をさらに抑制することが可能である。
着色フィラーとしては、例えば、ポリマーに顔料を分散させた着色フィラーを好適に使用することができ、例えば、メタクリル酸メチルやスチレン等のモノマーに顔料を添加し、重合して得られた樹脂等を好適に使用することができる。顔料としては、公知の有機系顔料や無機系顔料を使用でき、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック等の有機系黒色顔料や、銅、鉄、クロム、マンガン、コバルト等を含有した無機系黒色顔料やチタンブラック等を好適に使用することができる。
カーボンブラックは、平均粒子径が10nm以上500nm以下のものを好適に使用することができ、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が使用できる。また、市販のものを使用することもでき、例えば、HCFシリーズ、MCFシリーズ、RCFシリーズ、LFFシリーズ(いずれも三菱化学株式会社製)、バルカンシリーズ(キャボット社製)、ケッチェンシリーズ(ライオン株式会社製)等を好適に使用することができる。
ここで「平均粒子径」とは、光吸収粒子を100個電子顕微鏡で観察してその直径を計り、算術平均した直径を意味する。
また、当該断面は必ずしも等脚台形である必要はなく、一方の脚と他方の脚とが線対称でなく、一方と他方とで傾斜角度や形状が異なるように構成してもよい。
光透過部13、及び光吸収部14の配列ピッチPは20μm以上180μm以下とすることが好ましい。
このとき、光透過部13うち土台部15とは反対側のピッチ方向(幅方向)の大きさDも20μm以上180μm以下が好ましい。同じように土台部15が形成された側とは反対側における光吸収部14のピッチ方向(幅方向)の大きさWは2μm以上30μm以下であることが好ましい。
このうち、光透過部13、及び光吸収部14の厚さT1は20μm以上470μm以下であることが好ましい。
そして土台部15の厚さT2は1μm以上50μm以下であることが好ましい。これにより、迷光を抑制することができる。
さらに、光透過部13と光吸収部14との界面がシート面法線(厚さ方向)と成す角θは0度以上10度以下が好ましい。0度では光透過部及び光吸収部が長方形となる。
はじめに光透過部13を作製する。光透過部の形状を転写することができる金型と基材層11との間に当該光透過部を構成する硬化前の組成物を供給し、適切な方法により硬化させて中間シートを得る。この中間シートは基材層11の一方側の面に土台部15及び光透過部13が形成されたシートであり、光透過部13の間に溝が形成されている。
隣り合う単位反射要素23の間には空気等の気体または単位反射要素より低い屈折率の樹脂で満たされている。
そのため、全反射面となる面を構成する脚部23aが光学シートのシート面法線と成す角α1は0度以上1度以下であることが好ましい。
一方、全反射面とならない側の面を構成する脚部23bが光学シートのシート面法線と成す角βは3度以上30度以下が好ましい。これにより、脚部23bによる面で光が反射することを抑制することができる。
本形態では、全反射面である脚部23aが他方の脚部23bよりも大きく欠かれるように傾斜している。
単位反射要素23の配列ピッチPrは50μm以上300μm以下とすることが好ましい。Prが50μmより小さいと回折の影響や作製のための金型の精度を確保することができないことにより映像の解像性が低下する虞がある。また、Prが300μmより大きくなると成形時の変形が大きくなりこれも映像の解像性低下の原因となると考えられる。
このとき、単位反射要素23のうち、基部21とは反対側に配置された面のピッチ方向(幅方向)の大きさDrは、単位反射要素23の厚さTrとの関係で次式(1)を満たすことが好ましい。
tan−1(Tr/Dr)=sin−1(sin45°/n) (1)
ここで、nは単位反射要素23の屈折率である。好ましい屈折率は上記ルーバー層12の光透過部と同様に考えることができる。これにより、角度45度方向で入光した光を効率よく反射することができる。またTrは20μm以上470μm以下であることが好ましい。
図2〜図5よりわかるように、第一光反射シート20と第二光反射シート30とが、互いの単位反射要素23が対向するように配置されるとともに、光学シート10の平面視で、単位反射要素23が延びる稜線方向が角度90度で交差(図2参照)する向きとされている。
このとき、本形態では基部21とは反対側の面23cが上記のようにγの角度で傾斜しているので、当該面23が他のシートと接触(密着)する面積を小さくおさえることができる。これにより干渉縞の発生を防止することが可能となる。
このとき、光透過部13、光吸収部14が延びる方向は、光学シート10を平面視したときに、第一光反射シート20の単位反射要素23の稜線が延びる方向に対して45°±10°で傾斜していることが好ましい。これにより、生じるゴースト像を抑制し、質のよい映像を表示させることができる。
図8(a)の例にかかる空間浮遊映像表示シート110では、第一光反射シート20の単位反射要素23が第二光反射シート30の基部21に向き合うように配置されている。
図8(b)の例にかかる空間浮遊映像表示シート210では、第一光反射シート20の単位反射要素23がルーバー層12に向き合うように配置され、第二光反射シート30の単位反射要素23は第一光反射シート20の基部21に向き合うように配置されている。
図9の例にかかる空間浮遊映像表示シート310では、第一光反射シート20の単位反射要素23がルーバー層12に向き合うように配置され、第二光反射シート30の基部21と第一光反射シート20の基部21とが向き合うように配置されている。
このとき、本形態では、ルーバー層12が第一光反射シート20及び第二光反射シート30よりも映像源2側に配置されるとともに、ルーバー層12の光透過部13及び光吸収部14が延びる方向が水平に対して傾斜する(45度±10度)方向である。これによりゴースト像の発生を効率よく防止することができる。
なお、図1(b)からわかるように、光学シート10は、映像源2の表示面に対して、入光面が角度φで傾くように配置される。このφの角度は必要に応じて設定することができるが、通常45度程度とされている。
映像源2からの映像光は光学シート10に入射し基材層11及びルーバー層12の光透過部13を透過し、第一光反射シート20及び第二光反射シート30を透過する。その際、初めに図2にL1、図4にL2で例示したように、第一光反射シート20の反射面である脚部23aで全反射する。その反射光が次に図2にL1、図5にL3で例示したように、第二光反射シート30の反射面である脚部23aで全反射する。
これにより、映像源2から拡散しつつ光学シート10に入射した映像光が光学シート10を透過して光学シート10の反対側から出射することで結像し、空間に浮遊したように映像が表示される。
従って、光学シート10及びこれを用いた空間浮遊映像表示装置1により、ゴースト像の発生を防止して質の良い映像を提供することができる。
そのため、全反射面となる面を構成する脚部123aが光学シートのシート面法線と成す角α2は後述する面123cの傾斜角γ2の1/2〜1/8の範囲で角度で傾斜していることが好ましく、より好ましくはγ2の1/3〜1/6の範囲の角度で傾斜している。このように傾斜させることにより、面123cを本形態のように傾斜させることによる屈折角のずれを全反射面(脚部123a)で補正することができる。
一方、全反射面とならない側の面を構成する脚部123bが光学シートのシート面法線と成す角βは3度以上30度以下が好ましい。これにより、脚部123bによる面で光が反射することを抑制することができる。
このような態様よっても、第一光反射シート120が他のシートに重ねられても干渉縞(ニュートンリング)の発生を防止することができる。γ2の角度は0.5度以上5度以下であることが好ましい。0.5度より小さいと干渉縞の発生の防止の効果が低い虞があり、5度より大きいと像のゆがみが大きくなってしまう虞がある。そして全反射面である脚部123aの傾斜角α2は、このγ2を基準に上記ような範囲内で設定される。
2 映像源
10 空間浮遊映像表示光学シート
11 基材層
12 ルーバー層
13 光透過部
14 光吸収部
20、120 第一光反射シート
21 基部
22、122 反射要素部
23、123 単位反射要素
30 第二光反射シート
Claims (7)
- 映像源からの光を透過して、出射側に結像させて映像を空間に表示させる光学シートであって、
基部、及び、前記基部の一方の面に所定の断面を有してシート面に沿って一方向に延び、当該延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で複数配列され、全反射界面を形成する単位反射要素を具備する第一光反射シートと、
基部、及び、前記基部の一方の面に所定の断面を有してシート面に沿って一方向に延び、当該延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で複数配列され、全反射界面を形成する単位反射要素を具備する第二光反射シートと、を備え、
前記第一光反射シートと前記第二光反射シートとは、前記第一光反射シートの前記単位反射要素の稜線が延びる方向と、前記第二光反射シートの前記単位反射要素の稜線が延びる方向と、が前記光学シートの平面視で交差するように重ねられており、
前記単位反射要素のうち前記基部とは反対側の面の全部がシート面に沿った方向に対して傾斜している、空間浮遊映像表示光学シート。 - 前記単位反射要素の配列ピッチが50μm以上300μm以下である請求項1に記載の空間浮遊映像表示光学シート。
- さらに、所定の断面を有してシート面に沿って一方向に延び、当該延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で複数配列される光透過部、及び、隣り合う前記光透過部の間隔に形成され光を吸収する光吸収部を有するルーバー層を備える、請求項1又は2に記載の空間浮遊映像表示光学シート。
- 前記光透過部及び前記光吸収部が延びる方向は、前記第一光反射シートの前記単位反射要素の稜線が延びる方向または前記第二光反射シートの前記単位反射要素の稜線が延びる方向のいずれかに対して、平面視で45度±10度で傾いている、請求項3に記載の空間浮遊映像表示光学シート。
- 映像源と、
前記映像源からの映像光を入射する請求項1乃至4に記載の空間浮遊映像表示光学シートと、を備える、空間浮遊映像表示装置。 - 映像源と、
前記映像源からの映像光を入射する請求項3又は4に記載の空間浮遊映像表示光学シートと、を備え、
前記ルーバー層の前記光透過部及び前記光吸収部が延びる方向が上下方向に対して45度±10度である空間浮遊映像表示装置。 - 前記ルーバー層は前記第一光反射シート及び前記第二光反射シートよりも前記映像源側に配置される請求項6に記載の空間浮遊映像表示装置。
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