JP6690047B1 - 摩擦伝動ベルト及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦伝動ベルトの圧縮層表面を被覆する編布(補強布)の接合部分の強度を向上させることである。【解決手段】Vリブドベルト1(摩擦伝動ベルト)の圧縮層4(リブ部2)の表面が、編布6で被覆されており、この編布6は、当該編布6の一端と他の一端が重なったオーバーラップ部62を有し、このオーバーラップ部62は、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着する接着領域63を有する構成にする。【選択図】図6

Description

本発明は、圧縮層表面を編布で被覆した摩擦伝動ベルト及び前記摩擦伝動ベルトの製造方法に関するものである。
自動車の補機駆動用や農用機械の駆動用として、摩擦伝動ベルトが広く用いられている。摩擦伝動ベルトとしては、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルトなどが例示でき、摩擦伝動ベルトはプーリの歯部とベルトの歯部との機械的な嵌合により動力を伝達する歯付ベルトをはじめとするかみ合い伝動ベルトとは区別して用いられている。中でも、Vリブドベルトは伝動容量の高さと耐屈曲疲労性を両立できることから、自動車の補機駆動用として汎用されている。
Vリブドベルトの中には、耐摩耗性を高めたり、摩擦係数を調整したりするために、摩擦伝動面を補強布で被覆したものがある。補強布には織布、編布、不織布などが適用でき、これらの補強布を構成する繊維としては、耐摩耗性や吸水性などの要求に合わせて、種々の繊維を用いることができる。
例えば、特許文献1には、リブ表面(摩擦伝動面)が帆布(補強布)により被覆され、帆布が所定の2方向に伸縮自在であり、この帆布が弾性ヤーンと少なくとも1種類の非弾性ヤーンを含み、この非弾性ヤーンがセルロースベースのファイバまたはヤーンを含むことを特徴とするVリブドベルトが開示されている。このようなベルトに使用する帆布(補強布)として、シームレスまたはシームされた筒状帆布が例示されている(特許文献1の段落0020参照)。
一般的に、補強布は、ベルト本体のゴム組成物との接着性を高めるために、接着処理が施される。その際、特許文献1に例示されているシームレスの筒状帆布では、連続的な接着処理が適用できないため、生産性が低下したり、ベルト長さに応じた周長のシームレスの筒状帆布を用意する必要があるので仕掛品が多くなるという問題がある。
そこで、補強布の連続的な接着処理を可能とし、生産性を向上するために、連続的な接着処理を可能とする長尺の補強布に接着処理を施し、接着処理を終えた後の補強布をシーム(接合)して筒状の補強布を作製することが行われている。この場合、補強布の接合方法としては熱溶着や超音波溶着が利用されてきた。
特表2010−539394号公報
しかしながら、熱溶着や超音波溶着による接合は、補強布(編布)のエッジ部分同士が突き合わせ状態であるために強度が不十分となって接合部分に割れが発生したり、割れを起点として補強布がリブ表面から剥離したりする虞があった。また、溶着による接合部分は繊維が溶け固まった状態となるために補強布の伸縮性が低下する。伸縮性が低下した補強布の接合部分においては、ベルト屈曲時に応力が集中するために、リブ部を形成するゴムにクラックが発生しやすくなる虞があった。そのため、これらの問題点を改善することが求められていた。
そこで、本発明の課題は、摩擦伝動ベルトの圧縮層表面を被覆する編布(補強布)の接合部分の強度を向上させることである。
上記の課題を解決するために、本発明の摩擦伝動ベルトは、圧縮層および編布を有する摩擦伝動ベルトであって、
圧縮層表面が、前記編布で被覆されており、
前記編布は、前記編布の一端と他の一端が重なったオーバーラップ部を有し、
前記オーバーラップ部は、前記編布の一端と他の一端を接着する接着成分を含んだ接着領域を有することを特徴としている。
摩擦伝動ベルトの圧縮層表面を被覆する編布が、オーバーラップ部を有しない突き合わせにより接合されている場合、編布の接合部分の強度を十分に高めることが難しく、接合部分に割れが発生して、編布が圧縮層表面から剥離しやすくなる。また、編布がオーバーラップ部を有する場合であっても、接着領域がないと、編布が含有する接着成分だけでは、編布の接合部分の強度が十分ではなく、同じく編布が圧縮層表面から剥離しやすい。そこで、オーバーラップ部において、編布の一端と他の一端と(一端の上面側と他の一端の下面側との間)を接着する接着成分を含んだ接着領域を設けることにより、接合部分を補強し、編布が圧縮層表面から剥離し難くすることができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、前記オーバーラップ部が、更に、前記編布の一端と他の一端が接着されていない非接着領域を有してもよい。
編布の一端と他の一端が重なったオーバーラップ部の全部が接着領域であって非接着領域が存在しない場合には、編布が強く拘束されることによって伸縮性が低下する。その結果、摩擦伝動ベルト屈曲時にオーバーラップ部の接合部分に応力が集中して、圧縮層にクラックが発生しやすくなる虞がある。そこで、オーバーラップ部に、接着領域とあわせて非接着領域を設けることにより、編布の一端と他の一端の接着力を十分なものとしながら、応力集中を緩和して、圧縮層のクラックの発生を抑制することができる。その結果、ベルト寿命が向上する。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
複数の前記接着領域を有してもよく、
各接着領域は、ベルト幅方向に不連続に配置されてもよい。
上記構成によれば、オーバーラップ部において、接着領域が配置された場合、その接着領域が配置されたベルト幅方向には必ず非接着領域が配置されることから、オーバーラップ部のベルト長手方向の特定の箇所において、ベルト幅方向全体にわたって応力が集中することを緩和して、圧縮層のクラックの発生を抑制することができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
複数の前記接着領域を有してもよく、
複数の前記非接着領域を有してもよく、
前記複数の接着領域と前記複数の非接着領域とが市松模様状に配置されてもよい。
上記構成によれば、接着領域と非接着領域とが交互に市松模様状に配置されていることから、オーバーラップ部のベルト長手方向の特定の箇所において、ベルト幅方向全体にわたって応力が集中することを緩和して、圧縮層のクラックの発生を抑制することができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記接着領域が波状又は稲妻状であってもよい。
上記構成によれば、接着領域が波状又は稲妻状に配置されていることから、オーバーラップ部において、接着領域と非接着領域とが交互に配置され、オーバーラップ部のベルト長手方向の特定の箇所において、ベルト幅方向全体にわたって応力が集中することを緩和して、圧縮層のクラックの発生を抑制することができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記接着領域の総面積は、前記オーバーラップ部の面積の10〜50%であってもよい。
接着領域の総面積が、オーバーラップ部の面積の10%よりも少ない場合、編布のオーバーラップ部の接合部分の強度を十分に高めることができず、接合部分に割れが発生して、編布が圧縮層表面から剥離してしまう場合ある。一方、接着領域の総面積が、オーバーラップ部の面積の50%よりも大きい場合、編布が必要以上に強く拘束されてしまい、伸縮性が低下し、摩擦伝動ベルト屈曲時にオーバーラップ部の接合部分に応力が集中して、圧縮層にクラックが発生しやすくなる虞がある。そこで、接着領域の総面積を、オーバーラップ部の面積の10〜50%にすることにより、オーバーラップ部の接合部分の強度を十分に高めつつ、編布の伸縮性も保持して、編布の圧縮層表面からの剥離、及び、圧縮層でのクラックの発生をバランスよく防止することができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記編布は、イソシアネートが含浸されていてもよい。
編布にイソシアネートを含浸させることにより、オーバーラップ部の耐摩耗性や接着性を向上させることができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記接着領域で、前記編布の一端と他の一端は前記イソシアネートを除く接着成分により接着されていてもよい。
上記構成によれば、編布には耐摩耗性や接着性を向上させるためにイソシアネートが含浸されており、更に接着領域には、編布に含浸させたイソシアネートとは別の接着成分を使用することにより、オーバーラップ部の接合部分の十分な接着力を確保することができ、オーバーラップ部を起点として、編布が圧縮層表面から剥離するのを防ぐことができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記接着成分は、熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。
接着成分に、熱可塑性エラストマーを使用した場合、接着領域の接着成分にゴム組成物を使用した場合よりも圧縮層のクラックの発生を抑制することができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタンであってもよい。
接着領域の接着成分に使用する熱可塑性エラストマーに、汎用性が高い熱可塑性ポリウレタンを使用することにより製造コストを下げることができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記熱可塑性エラストマーは、流動開始点が100℃以上、かつ160℃以下であってもよい。
熱可塑性エラストマーの流動開始点が100℃未満の場合は、摩擦伝動ベルトの使用中に接着領域の強度が低下して、編布の剥離が発生しやすくなる虞がある。また、熱可塑性エラストマーの流動開始点が160℃以下の場合は、摩擦伝動ベルトの加硫中に熱可塑性エラストマーが軟化して編布との密着性が向上して、接着力を向上できるのに対して、流動開始点が160℃を超える場合は、前記効果が得られずに接着力を十分に向上できない虞がある。そこで、接着領域に使用する熱可塑性エラストマーの流動開始点が100℃以上、かつ160℃以下の範囲が好ましい。
なお、流動開始点は、JIS K7210−1(2014)に記載の高化式フローテスタ(押出形プラストメータ)を用いて測定できる。内径1mmおよび長さ10mmの孔を有するダイを取り付けたシリンダーに約2gの熱可塑性エラストマーを充填し、294Nの荷重を負荷する。初期温度100℃から6℃/分の速度で昇温し、熱可塑性エラストマーがダイから流出し始める温度を流動開始点とする。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、前記接着成分が、セルロースナノファイバーを含んでいてもよい。
この場合、接着成分に、セルロースナノファイバーが含まれない場合と比較して耐久寿命を向上させることができる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトにおいて、
前記オーバーラップ部のベルト周方向における長さは、2mm以上、かつ10mm以下であってもよい。
オーバーラップ部のベルト周方向における長さが2mm未満の場合は接合部分の強度が不足して、接合部分の割れや編布の剥離が発生しやすくなる虞がある。一方、オーバーラップ部のベルト周方向における長さが10mmを超えるとオーバーラップ部の段差の影響が大きくなって、外観品質の低下及び異音や張力変動などの不具合が発生する虞がある。そこで、オーバーラップ部のベルト周方向における長さが、2mm以上、かつ10mm以下の範囲が好ましい。
また、本発明は、圧縮層表面が、一端と他の一端が重なったオーバーラップ部を有する編布で被覆された、摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
ゴム組成物を溶媒に溶解したゴム糊を、前記編布の一端の上側と前記編布の他の一端の下側の少なくともいずれか一方に、塗布またはスプレーする工程を含んでもよい。
編布の一端の上側と他の一端の下側の少なくともいずれか一方に、ゴム組成物を溶媒に溶解したゴム糊を塗布またはスプレーすることにより、接合部分を補強し、編布が圧縮層表面から剥離し難くすることができる。
また、本発明は、圧縮層表面が、一端と他の一端が重なったオーバーラップ部を有する編布で被覆された、摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
50〜150μmの厚みを有するゴム組成物のシートを、前記編布の一端の上側と前記編布の他の一端の下側との間に配置する工程を含んでもよい。
編布の一端の上側と編布の他の一端の下側との間にゴム糊を塗布またはスプレーするよりも取り扱い性に優れるシート状のゴム組成物を配置することで生産性を向上することができる。また、シート状のゴム組成物の厚みを50〜150μmにすることで十分な接着性を確保しながら、オーバーラップ部の段差を最小限に抑えて、外観品質の低下及び異音や張力変動などの不具合を抑制することができる。
また、本発明は、圧縮層表面が、一端と他の一端が重なったオーバーラップ部を有する編布で被覆された、摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
溶融した熱可塑性エラストマーを、前記編布の一端の上側と前記編布の他の一端の下側との間に配置する工程を含んでもよい。
編布の一端の上側と前記編布の他の一端の下側との間に、熱可塑性エラストマーを熱可塑性の特性を活かして形や量を自在に制御しながら配置することができる。
摩擦伝動ベルトの圧縮層表面を被覆する編布(補強布)の接合部分の強度を向上させることができる。
図1は本実施形態に係るVリブドベルトを用いたベルト伝動装置の例を説明する概略斜視図である。 図2は図1のA−A´断面に沿ったVリブドベルトの横断面図である。 図3は本実施形態に係るVリブドベルトにおける編布のオーバーラップ部を示す説明図である。 図4は本実施形態に係るVリブドベルトにおける編布のオーバーラップ部を示す説明図である。 図5は本実施形態に係るVリブドベルトにおける編布のオーバーラップ部を示す説明図である。 図6の(a)〜(c)はオーバーラップ部における、接着領域及び非接着領域の態様を例示した説明図である。 図7の(a)、(b)はオーバーラップ部における、接着領域及び非接着領域の態様を例示した説明図である。 図8の(a)〜(c)はオーバーラップ部における、接着領域及び非接着領域の態様を例示した説明図である。 図9の(a)、(b)はオーバーラップ部における、接着領域及び非接着領域の態様を例示した説明図である。 図10の(a)〜(c)はVリブドベルトの製造方法を説明する概念図である。 図11は実施例に係る耐久試験で使用する多軸走行試験機のレイアウトである。 図12は実施例1〜8に係る耐久試験の結果を示す図である。 図13は比較例1〜2に係る耐久試験の結果を示す図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態の一例を説明する。図1は、本発明に係る摩擦伝動ベルトの一例としてVリブドベルト1を用いた補機駆動用のベルト伝動装置を示す。このベルト伝動装置は、1つずつの駆動プーリ21と従動プーリ22を備え、これらの駆動プーリ21と従動プーリ22と間にVリブドベルト1を巻き掛けた最も簡単な例である。無端状のVリブドベルト1は、内周側にベルト周方向に延びる複数のV字状リブ部2が形成されており、駆動プーリ21、及び、従動プーリ22の外周面には、Vリブドベルト1の各リブ部2が嵌り込む複数のV字状溝23が設けられている。
(Vリブドベルト1の構成)
図2に示すように、Vリブドベルト1は、外周側のベルト背面を形成する伸張層3と、伸張層3の内周側に設けられた圧縮層4と、伸張層3と圧縮層4との間に埋設されたベルト周方向に延びる心線5とを備え、圧縮層4にベルト周方向に延伸する複数のV字状のリブ部2が形成され、摩擦伝動面となるリブ部2の表面が、一端と他の一端を重ねて接着させたオーバーラップ部62(図3参照)を有する編布6で被覆されている(詳細は後述)。伸張層3と圧縮層4は、後述するように、いずれもゴム組成物で形成されている。なお、必要に応じて、伸張層3と圧縮層4の間に接着層を設けてもよい。この接着層は、心線5の伸張層3及び圧縮層4との接着性を向上させる目的で設けられるが、必須のものではない。接着層の形態としては、接着層に心線5全体を埋設する形態でもよく、接着層と伸張層3との間又は接着層と圧縮層4との間に心線5を埋設する形態でもよい。
(圧縮層4)
圧縮層4を形成するゴム組成物のゴム成分としては、加硫又は架橋可能なゴム、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーなど)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
これらのうち、硫黄や有機過酸化物を含むゴム組成物で未加硫ゴム層を形成し、未加硫ゴム層を加硫又は架橋したものが好ましく、特に、有害なハロゲンを含まず、耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有し、経済性にも優れる点から、エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−α−オレフィン系ゴム)が好ましい。エチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン−α−オレフィンゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムなどが挙げられる。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの原料となるジエンモノマーとしては、非共役ジエン系単量体、例えば、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどが挙げられる。これらのジエンモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
エチレン−α−オレフィンエラストマーの代表例としては、エチレン−α−オレフィンゴム(エチレン−プロピレンゴム)、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)などが挙げられる。エチレン−α−オレフィンエラストマーにおいて、エチレンとα−オレフィンとの割合(前者/後者の質量比)は、例えば40/60〜90/10、好ましくは45/55〜85/15、さらに好ましくは55/45〜80/20の範囲がよい。また、ジエンの割合は、4〜15質量%の範囲から選択でき、例えば、4.2〜13質量%、好ましくは4.4〜11.5質量%の範囲とするとよい。なお、ジエン成分を含むエチレン−α−オレフィンエラストマーのヨウ素価は、例えば、3〜40、好ましくは5〜30、さらに好ましくは10〜20の範囲とするとよい。ヨウ素価が小さ過ぎると、ゴム組成物の加硫が不十分となって摩耗や粘着が生じやすくなり、ヨウ素価が大き過ぎると、ゴム組成物のスコーチが短くなってゴム組成物が扱い難くなるとともに耐熱性が低下する傾向がある。
未加硫ゴム層を架橋する有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド(ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなど)などが挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、有機過酸化物は、1分間の半減期を得るための分解温度が例えば150℃〜250℃、好ましくは175℃〜225℃程度のものがよい。
未加硫ゴム層の加硫剤又は架橋剤(特に有機過酸化物)の割合は、ゴム成分(エチレン−α−オレフィンエラストマーなど)100質量部に対して、固形分換算で例えば1〜10質量部、好ましくは1.2〜8質量部、さらに好ましくは1.5〜6質量部とするとよい。
ゴム組成物は加硫促進剤を含んでいてもよい。加硫促進剤としては、チウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ビスマレイミド系促進剤、ウレア系促進剤などが挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。加硫促進剤(複数種を組み合わせる場合は合計量)の割合は、固形分換算で、ゴム成分100質量部に対して、例えば0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは2〜5質量部とするとよい。
また、ゴム組成物は、架橋度を高め、粘着摩耗等を防止するために、さらに共架橋剤(架橋助剤又は共加硫剤)を含んでいてもよい。共架橋剤としては、慣用の架橋助剤、例えば、多官能(イソ)シアヌレート(トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなど)、ポリジエン(1,2−ポリブタジエンなど)、不飽和カルボン酸の金属塩((メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウムなど)、オキシム類(キノンジオキシムなど)、グアニジン類(ジフェニルグアニジンなど)、多官能(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど)、ビスマレイミド類(N,N'−m−フェニレンビスマレイミドなど)などが挙げられる。これらの架橋助剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。架橋助剤(複数種を組み合わせる場合は合計量)の割合は、固形分換算で、ゴム成分100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜8質量部とするとよい。
また、ゴム組成物は、必要に応じて、短繊維を含んでいてもよい。短繊維としては、セルロース系繊維(綿、レーヨンなど)、ポリエステル系繊維(PET、PEN繊維など)、脂肪族ポリアミド繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維、46ナイロン繊維など)、芳香族ポリアミド繊維(p−アラミド繊維、m−アラミド繊維など)、ビニロン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などが挙げられる。これらの短繊維は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの短繊維は、ゴム組成物中での分散性や接着性を高めるため、慣用の接着処理又は表面処理、例えばRFL液などによる処理を施してもよい。短繊維(複数種を組み合わせる場合は合計量)の割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば1〜50質量部、好ましくは5〜40質量部、さらに好ましくは10〜35質量部とするとよい。
さらに、ゴム組成物は、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、加硫助剤、加硫遅延剤、補強剤(カーボンブラック、含水シリカ等の酸化ケイ素など)、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど)、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)、可塑剤(パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、プロセスオイル等のオイル類など)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィン、脂肪酸アマイドなど)、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲亀裂防止剤、オゾン劣化防止剤など)、着色剤、粘着付与剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、熱安定剤など)、潤滑剤(グラファイト、二硫化モリブデン、超高分子量ポリエチレンなど)、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。金属酸化物は架橋剤として作用させてもよい。これらの添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの添加剤の割合は、種類に応じて慣用の範囲から選択でき、例えば、ゴム成分100質量部に対して、補強剤(カーボンブラック、シリカなど)の割合は10〜200質量部(好ましくは20〜150質量部)、金属酸化物(酸化亜鉛など)の割合は1〜15質量部(好ましくは2〜10質量部)、可塑剤(パラフィンオイル等のオイル類)の割合は1〜30質量部(好ましくは5〜25質量部)、加工剤(ステアリン酸など)の割合は0.1〜5質量部(好ましくは0.5〜3質量部)とするとよい。
(伸張層3)
伸張層3は、圧縮層4と同様のゴム組成物(エチレン−α−オレフィンエラストマー等のゴム成分を含むゴム組成物)で形成してもよく、帆布等の布帛(補強布)で形成してもよい。補強布としては、織布、広角度帆布、編布、不織布などの布材が挙げられる。これらのうち、平織、綾織、朱子織などの形態で製織した織布や、経糸と緯糸との交差角が90°〜130°程度の広角度帆布や編布が好ましい。補強布を構成する繊維としては、前記短繊維と同様の繊維を利用できる。補強布は、RFL液で処理(浸漬処理など)した後、コーティング処理などを施してゴム付帆布としてもよい。
伸張層3は、圧縮層4と同様のゴム組成物で形成するのが好ましい。伸張層3のゴム組成物のゴム成分としては、圧縮層4のゴム成分と同系統又は同種のゴムを使用することが多い。また、加硫剤又は架橋剤、共架橋剤、加硫促進剤などの添加剤の割合も、それぞれ圧縮層4のゴム組成物と同様の範囲から選択できる。
伸張層3のゴム組成物には、背面駆動時に背面ゴムの粘着による異音の発生を抑制するために、圧縮層4と同様の短繊維が含まれていてもよい。短繊維の形態は直線状でもよく、一部屈曲させた形状(例えば、特開2007−120507号公報に記載のミルドファイバー)のものでもよい。Vリブドベルト1の走行時には、伸張層3においてベルト周方向に亀裂が生じ、Vリブドベルト1が輪断する恐れがあるが、短繊維をベルト幅方向又はランダムな方向に配向させることでこれを防止することができる。また、背面駆動時の異音の発生を抑制するためには、伸張層3の表面(ベルト背面)に凹凸パターンを設けてもよい。凹凸パターンとしては、編布パターン、織布パターン、スダレ織布パターン、エンボスパターン(例えばディンプル形状)などが挙げられ、大きさや深さは特に限定されない。
(心線5)
心線5としては特に限定されず、ポリエステル繊維(ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維、ポリエチレンナフタレート繊維など)、脂肪族ポリアミド(ナイロン)繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維、46ナイロン繊維など)、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維(コポリパラフェニレン・3,4'オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維など)、ポリアリレート繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、PBO繊維などで形成されたコードを用いることができる。これらの繊維は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの繊維は、後述する可撓性ジャケット51の膨張率に応じて適宜選択される。例えば、可撓性ジャケット51の膨張率が2%を超えるような高伸張の場合は、弾性率の低いポリエステル繊維(特に低弾性ポリブチレンテレフタレート繊維)、ナイロン繊維(特に66ナイロン繊維、46ナイロン繊維)が好ましい。これは、アラミド繊維、PBO繊維などの弾性率が高い繊維では、可撓性ジャケット51が膨張しても繊維は十分に伸張することができず、Vリブドベルト1に埋設される心線5のピッチラインが安定しなかったり、適正なリブ部2の形状が形成されなかったりするためである。このため、弾性率の高い繊維を使用するには、可撓性ジャケット51の膨張率を低く設定(例えば1%程度)するのが好ましい。
(編布6:構成材料)
編布6は、緯編であっても経編であってもよい。緯編は伸縮性に優れるので、編布6が緯編である場合にはリブ部2で凹凸が形成された摩擦伝動面に編布6をより容易に添わせることができる。緯編で単層に編成されたものとしては、平編(天竺編)、ゴム編、タック編、パール編などが挙げられ、多層に編成されたものとしては、スムース編、インターロック編、ダブルリブ編、シングルピケ編、ポンチローマ編、ミラノリブ編、ダブルジャージ編、鹿の子編(表鹿の子、裏鹿の子、両面鹿の子)などが挙げられる。経編で単層に編成されたものとしては、シングルデンビー、シングルコードなどが挙げられ、多層に編成されたものとしては、ハーフトリコット、ダブルデンビー、ダブルアトラス、ダブルコード、ダブルトリコットなどが挙げられる。
また、編布6を編成する糸には、単一の種類の繊維からなる糸(単一の糸)や複数の種類の繊維からなる糸(複合糸)を用いることができる。これらはそれぞれ単独で用いることができるが、編布6に異なる特性を付与できることから、組み合わせて用いることが好ましく、例えば、編布6はポリエステル系複合糸とセルロース系天然紡績糸(例えば綿糸)とで編成されていてもよい。ポリエステル系複合糸はポリエステル繊維と、ポリエステル繊維以外の繊維とを含む複合糸である。ポリエステル系複合糸は嵩高加工糸であってもよい。嵩高加工糸は、繊維にちぢれ(捲縮性)を生じさせたり、芯糸を別の糸でカバリングしたりして、断面の嵩を大きくした加工糸である。嵩高加工糸には、コンジュゲート糸、カバリング糸、捲縮加工糸、ウーリー加工糸、タスラン加工糸、インタレース加工糸などがあるが、ポリエステル系複合糸としては、コンジュゲート糸やカバリング糸が好ましい。
コンジュゲート糸は、2種類のポリマーを繊維軸方向に貼り合わせた断面構造を持ち、製造時や加工時に熱が加わると、両ポリマーの収縮率の違いにより捲縮が生じて嵩高い糸となる。例えばポリトリメチレンテレフタレート(PTT)とポリエチレンテレフタレート(PET)からなるコンジュゲート糸(PTT/PETコンジュゲート糸)や、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)からなるコンジュゲート糸(PBT/PETコンジュゲート糸)がある。また、カバリング糸は、芯糸の周囲を別の糸で覆う(カバリング)することにより、糸全体の断面の嵩を大きくした糸である。例えば、伸縮性に優れたポリウレタン(PU)糸を芯として、その表面をポリエチレンテレフタレート(PET)で覆ったカバリング糸(PET/PUカバリング糸)や、PUを芯として、その表面をポリアミド(PA)で覆ったカバリング糸(PA/PUカバリング糸)がある。これらのうち、編布6に含まれるポリエステル系複合糸としては、伸縮性や耐摩耗性に優れる、PTT/PETコンジュゲート糸又はPET/PUカバリング糸が好ましい。
セルロース系天然紡績糸は、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維(綿繊維(コットンリンター)、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻など)などの天然植物由来のセルロース繊維(パルプ繊維)、羊毛、絹、ホヤセルロースなどの動物由来のセルロース繊維、バクテリアセルロース繊維、藻類のセルロースなどを紡績した糸が例示できる。このうち、特に吸水性に優れる点で、綿繊維が好ましい。
セルロース系天然紡績糸の編成比率は好ましくは50〜95質量%とされている。また、編布6の編布組織は単層又は多層を使用することができ、ベルト本体のゴムの滲み出しをより確実に防止するためには多層の編布組織が好ましい。
嵩高加工糸を含んで編布を編成することにより、編布の嵩高性を大きくすることができる。編布6の嵩高性は、2.0cm3/g以上が好ましく、より好ましくは2.4cm3/g以上である。上限は特に限定されないが、例えば4.0cm3/g以下、又は3.5cm3/g以下であってよい。なお、嵩高性(cm3/g)は、編布6の厚み(cm)を単位面積当たりの質量(g/cm2)で除したものである。また、ベルト本体のゴムの摩擦伝動面への滲み出しをより確実に防止するためには、摩擦伝動面に前記編布の嵩高い層を設けることも好ましい。
編布6を多層の編布組織とする場合は、編布6の厚み方向で、吸水性に優れるセルロース系天然紡績糸を摩擦伝動面側の層に多く配することにより、摩擦伝動面での吸水性をより高めることができる。多層の編布を編成する場合に、一方の層をセルロース系天然紡績糸のみ、又は、セルロース系天然紡績糸とポリエステル系複合糸で編成し、他方の層をポリエステル系複合糸のみで編成することにより、一方の層にセルロース系天然紡績糸を多く配した多層編布を編成することもできる。セルロース系天然紡績糸を多く配した層を摩擦伝動面側に配置することにより、摩擦伝動面での吸水性をより高めることができる。
編布6には、親水化処理剤として界面活性剤や親水性柔軟剤を含有又は付着させることができる。このように親水化処理剤を編布6に含有又は付着させた場合、摩擦伝動面(編布6)に水滴が付着すると、該水滴は、親水化処理された編布6の表面に速やかに濡れ拡がって水膜となり、さらに、編布6のセルロース系天然紡績糸に吸水されて、摩擦伝動面上に水膜がなくなる。したがって、ウェット状態での摩擦伝動面の摩擦係数の低下がより抑制される。
親水化処理剤としては界面活性剤や親水性柔軟剤を用いることができる。これらの親水化処理剤を編布に含有又は付着させる方法としては、編布に親水化処理剤をスプレーする方法、編布に親水化処理剤をコーティングする方法、又は、編布を親水化処理剤に浸漬する方法を採用することができる。また、親水化処理剤を界面活性剤とする場合は、後述するベルトの製造方法において、内周面に複数のリブ型が刻設された筒状外型の内周表面に界面活性剤を塗布してベルトを加硫成形することで、界面活性剤を編布に含有させる方法も採用することができる。これらの方法のうち、簡便かつより均一に親水性柔軟剤を含有、付着させることができることから、編布を親水化処理剤に浸漬する方法が好ましい。
界面活性剤とは、水となじみ易い親水基と、油となじみ易い疎水基(親油基)とを分子内に持つ物質の総称であり、極性物質と非極性物質とを均一に混合する働きを有する以外に、表面張力を小さくして濡れ性を高めたり、物質と物質との間に界面活性剤が介在して、界面の摩擦を小さくしたりする作用がある。
界面活性剤の種類は特に限定されず、イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤などが使用できる。非イオン界面活性剤は、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤又は多価アルコール型非イオン界面活性剤であってもよい。
ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤は、高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸、多価アルコール高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、ポリプロピレングリコールなどの疎水基を有する疎水性ベース成分にエチレンオキシドが付加して親水基が付与された非イオン界面活性剤である。
疎水性ベース成分としての高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、オクタデシルアルコール、アラルキルアルコールなどのC10-30飽和アルコール、オレイルアルコールなどのC10-26不飽和アルコールなどが例示できる。アルキルフェノールとしては、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのC4-16アルキルフェノールなどが例示できる。
疎水性ベース成分の高級脂肪酸としては、飽和脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸などのC10-30飽和脂肪酸、好ましくはC12-28飽和脂肪酸、さらに好ましくはC14-26飽和脂肪酸、特にC16-22飽和脂肪酸など;ヒドロキシステアリン酸などのオキシカルボン酸など)、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、エルカ酸、エルシン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸などのC10-30不飽和脂肪酸など)などが例示できる。これらの高級脂肪酸は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
多価アルコール高級脂肪酸エステルは、多価アルコールと前記高級脂肪酸とのエステルであって、未反応のヒドロキシル基を有している。多価アルコールとしては、アルカンジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのC2-10アルカンジオールなど)、アルカントリオール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなど)、アルカンテトラオール(ペンタエリスリトール、ジグリセリンなど)、アルカンヘキサオール(ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビットなど)、アルカンオクタオール(ショ糖など)、これらのアルキレンオキサイド付加体(C2-4アルキレンオキサイド付加体など)などが例示できる。
以下に、「オキシエチレン」、「エチレンオキサイド」又は「エチレングリコール」を「EO」で表し、「オキシプロピレン」、「プロピレンオキサイド」又は「プロピレングリコール」を「PO」で表すと、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリEO高級アルコールエーテル(ポリEOラウリルエーテル、ポリEOステアリルエーテルなどのポリEOC10-26アルキルエーテル)、ポリEOポリPOアルキルエーテルなどのC10-26高級アルコール−EO−PO付加体;ポリEOオクチルフェニルエーテル、ポリEOノニルフェニルエーテルなどのアルキルフェノール−EO付加体;ポリEOモノラウレート、ポリEOモノオレエート、ポリEOモノステアレートなどの脂肪酸−EO付加体;グリセリンモノ又はジ高級脂肪酸エステル−EO付加体(グリセリンモノ又はジラウレート、グリセリンモノ又はジパルミテート、グリセリンモノ又はジステアレート、グリセリンモノ又はジオレートなどのグリセリンモノ又はジC10-26脂肪酸エステルのEO付加体)、ペンタエリスリトール高級脂肪酸エステル−EO付加体(ペンタエリスリトールジステアレート−EO付加体などのペンタエリスリトールモノ乃至トリC10-26脂肪酸エステル−EO付加体など)、ジペンタエリスリトール高級脂肪酸エステル−EO付加体、ソルビトール高級脂肪酸エステル−EO付加体、ソルビット高級脂肪酸エステル−EO付加体、ポリEOソルビタンモノラウレート、ポリEOソルビタンモノステアレート、ポリEOソルビタントリステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル−EO付加体、ショ糖高級脂肪酸エステル−EO付加体などの多価アルコール脂肪酸エステル−EO付加体;ポリEOラウリルアミノエーテル、ポリEOステアリルアミノエーテルなどの高級アルキルアミン−EO付加体;ポリEO椰子脂肪酸モノエタノールアマイド、ポリEOラウリン酸モノエタノールアマイド、ポリEOステアリン酸モノエタノールアマイド、ポリEOオレイン酸モノエタノールアマイドなどの脂肪酸アミド−EO付加体;ポリEOヒマシ油、ポリEO硬化ヒマシ油などの油脂−EO付加体;ポリPO−EO付加体(ポリEO−ポリPOブロック共重合体など)などが挙げられる。これらのポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
多価アルコール型非イオン界面活性剤は、前記多価アルコール(特に、グリセロール、ペンタエリスリトール、ショ糖、ソルビトールなどのアルカントリオール乃至アルカンヘキサオール)に高級脂肪酸などの疎水基が結合した非イオン界面活性剤である。多価アルコール型非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエートなどのグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリストールモノステアレート、ペンタエリストールジ牛脂脂肪酸エステルなどのペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトールモノステアレートなどのソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、椰子脂肪酸ジエタノールアマイドなどのアルカノールアミン類の脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシドなどが挙げられる。これらの多価アルコール型非イオン界面活性剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、前記ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤と組み合わせて使用してもよい。
なお、イオン界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、長鎖脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリEOアルキルエーテル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルリン酸塩などのアニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などのカチオン界面活性剤、アルキルベタイン、イミダゾリン誘導体などの両性界面活性剤などであってもよい。
好ましい界面活性剤は、非イオン界面活性剤、特に、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤(例えば、ポリEOC10-26アルキルエーテル、アルキルフェノール−EO付加体、多価アルコールC10-26脂肪酸エステル−EO付加体など)である。
親水化処理剤としての親水性柔軟剤は、編布、織布等の繊維部材に柔軟性を持たせるために使用される柔軟剤に親水性を付与したものである。一般的な柔軟剤は、繊維部材をしなやかにする、滑りを良くする、しわを防止する、縮みを防止するといった様々な効果がある。親水性柔軟剤は、ベルト被水時の耐発音性では、界面活性剤にやや劣るものの、編布の柔軟性を向上させることができるので、編布のしわ防止やベルト製造時に編布を巻き付けやすくなる、リブ部2で凹凸が形成された摩擦伝動面に編布をより容易に添わせることができる等の効果がある。
親水性柔軟剤としては、特に限定されないが、ポリエーテル変性シリコーン系柔軟剤や、ポリエステル系柔軟剤を使用することができる。ポリエーテル変性シリコーン系柔軟剤は、親水性のポリエーテル基で変性したシリコーンを含む柔軟剤である。ポリエーテル変性シリコーン系柔軟剤は、シリコーンを界面活性剤とともに水に分散させたエマルジョンであってもよい。
ポリエステル系柔軟剤は、親水性ポリエステル樹脂を界面活性剤とともに水に分散させたエマルジョンの柔軟剤であり、ポリエステル繊維と親和性が高いので、編布中のポリエステル系複合糸の親水性を高めることができる。
本実施形態では、一部の編布6について、親水化処理剤に編布6を浸漬する浸漬処理によって、界面活性剤又は親水性柔軟剤を含有、付着させてもよい。界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤を用い、処理液の濃度は0.5〜30質量%としてもよい。また、親水性柔軟剤としては、ポリエーテル変性シリコーン系柔軟剤とポリエステル系柔軟剤を用い、処理液の濃度は1〜10質量%としてもよい。親水化処理剤を含む処理液の溶媒は特に限定されず、水、炭化水素類、エーテル類、ケトン類などの汎用の溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は混合溶媒としてもよい。
いずれの浸漬処理の場合も、浸漬時間は特に限定されない。浸漬処理温度も特に限定されず、常温下又は加温下で行ってもよい。また、浸漬処理後、必要に応じて乾燥処理を行ってもよい。乾燥処理は、例えば50℃以上、好ましくは100℃以上程度の加温下で行ってもよい。
また、編布6には、圧縮層4を構成するゴム組成物(リブ部2の表面を形成するゴム組成物)との接着性を向上させる目的で、接着処理を施してもよい。このような編布6の接着処理としては、エポキシ化合物又はイソシアネート化合物を有機溶媒(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等)に溶解させた樹脂系処理液への浸漬処理、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)への浸漬処理、ゴム組成物を有機溶媒に溶かしたゴム糊への浸漬処理が挙げられる。この他の接着処理の方法として、例えば、編布6とゴム組成物とをカレンダーロールに通して編布6にゴム組成物を刷り込むフリクション処理、編布6にゴム糊を塗布するスプレディング処理、編布6にゴム組成物を積層するコーティング処理等も採用することができる。このように編布6を接着処理することにより、圧縮層4との接着性を向上させて、Vリブドベルト1の走行時の編布6の剥離を防止することができる。また、接着処理をすることで、リブ部2の耐摩耗性を向上させることもできる。
(編布6:オーバーラップ部62の、接着領域63及び非接着領域64)
詳細は後述するVリブドベルト1の製造方法の項目で説明するが、本実施形態のVリブドベルト1で使用される編布6は、長尺の編布6に接着処理を施し、接着処理を施した編布6の一端と他の一端が重なり合うようにオーバーラップさせ(図4及び図5参照)、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着して筒状の編布6を作製した後、未加硫の伸張層用シート3S及び未加硫の圧縮層用シート4Sに巻き付けられ、加硫処理されることにより、Vリブドベルト1の摩擦伝動面となるリブ部2の表面を被覆している。なお、編布6は複数の編布の一端と他の一端を接着することで構成されてもよく、一つの編布の両端を接着することで構成されてもよい。
ここで、図3〜図5に示すように、Vリブドベルト1で使用される編布6は、長尺の編布6の一端と他の一端をオーバーラップさせ、接着させたオーバーラップ部62を有している。このオーバーラップ部62では、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着する、接着成分を含んだ接着領域63を有している。また、オーバーラップ部62は、接着領域63に加えて、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着しない、接着成分を含まない非接着領域64を有しているのが好ましい。
なお、編布6の端と端とが重なり合うようにオーバーラップさせた場合のベルト周方向の重なり部分の長さである、オーバーラップ長さL(オーバーラップ部62のベルト周方向の長さ、図4及び図5参照)は特に限定されないが、2mm以上、かつ10mm以下が好ましい。オーバーラップ長さLが2mm未満であるとオーバーラップ部62の強度を高める効果が十分ではない場合があり、逆にオーバーラップ長さLが10mmを超えると外観品質の低下や異音並びに張力変動などが発生しやすくなる懸念がある。
下記に、オーバーラップ部62における、接着領域63及び非接着領域64の態様について、図6〜図9を参照して例示する。
例えば、図6の(a)に示すオーバーラップ部62は、ベルト幅方向に所定間隔で配置された、4つの円形状(ドット状)の接着領域63と、オーバーラップ部62において4つの接着領域63以外の非接着領域64とを有し、4つの接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。なお、円形状の接着領域63の数は、4個に限らず、4個よりも少なくてもよく、4個よりも多くてもよい。また、接着領域63は、円形状に限らず、四角形状でも三角形状でも楕円形状でもよい。
また、図6の(b)に示すオーバーラップ部62には、ベルト幅方向に所定間隔で1列に配置された、4つの円形状の接着領域63が、ベルト周方向に3列設けられ、更に、オーバーラップ部62において接着領域63以外を非接着領域64として、12個の接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。図6の(b)に示すオーバーラップ部62では、各列に配列された、4つの円形状の接着領域63は、隣り合う列に配列された4つの接着領域63とは、ベルト周方向から見て互い違いになるように、ずらして配置されている。なお、ベルト幅方向に配列された、円形状の接着領域63の数は、4個に限らず、4個よりも少なくてもよく、4個よりも多くてもよい。また、ベルト幅方向に配列された複数の接着領域63は、ベルト周方向に2列設けられていてもよいし、3列よりも多く設けられていてもよい。
また、図6の(c)に示すオーバーラップ部62には、ベルト幅方向に所定間隔で1列に配置された、4つの四角形状(角ドット状)の接着領域63が、ベルト周方向に3列設けられ、更に、オーバーラップ部62において接着領域63以外を非接着領域64として、12個の接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。図6の(c)に示すオーバーラップ部62では、各列に配列された、4つの四角状の接着領域63は、隣り合う列に配列された4つの接着領域63とは、ベルト周方向から見て互い違いになるように、ずらして配置されている。なお、接着領域63は、四角形状に限らず、三角形状でも楕円形状でもよい。
また、図7の(a)に示すオーバーラップ部62は、複数の接着領域63と複数の非接着領域64とが市松模様状に配置されており、複数の接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。
また、図7の(b)に示すオーバーラップ部62は、接着領域63が波状(又は稲妻状)に配置されており、この波状の接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。
また、図8の(a)に示すオーバーラップ部62は、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが重なる部分全てが接着領域63にされている。この場合、オーバーラップ部62は、非接着領域64を有しない構成になる。
また、図8の(b)に示すオーバーラップ部62は、2列の接着領域63がベルト幅方向に連続して配置され、その2列の接着領域63の間に非接着領域64が配置されており、2列の接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。なお、オーバーラップ部62は、2列の接着領域63に限らず、ベルト幅方向に一列または3列以上の接着領域63を有していてもよい。
また、図8の(c)に示すオーバーラップ部62には、ベルト幅方向に所定間隔で1列に配置された、4つの円形状の非接着領域64が、ベルト周方向に3列設けられ、更に、オーバーラップ部62において非接着領域64以外を接着領域63として、その接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。図8の(c)に示すオーバーラップ部62では、各列に配列された、4つの円形状の非接着領域64は、隣り合う列に配列された4つの非接着領域64とは、ベルト周方向から見て互い違いになるように、ずらして配置されている。なお、ベルト幅方向に配列された、円形状の非接着領域64の数は、4個に限らず、4個よりも少なくてもよく、4個よりも多くてもよい。また、ベルト幅方向に配列された複数の非接着領域64は、ベルト周方向に3列よりも少なく設けられていてもよいし、3列よりも多く設けられていてもよい。
また、図9の(a)に示すオーバーラップ部62は、ベルト周方向に連続して配置された、接着領域63(5行)と非接着領域64(6行)とが交互に配置されており、その接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。なお、オーバーラップ部62は、5行の接着領域63に限らず、ベルト周方向に4行以下の接着領域63を有していてもよいし、6行以上の接着領域63を有していてもよい。
また、図9の(b)に示すオーバーラップ部62は、ベルト周方向に対して斜めに連続して配置された、5つの接着領域63と6つの非接着領域64とが交互に配置されており、その接着領域63の接着成分により編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とが接着されている。なお、オーバーラップ部62は、5つの接着領域63に限らず、ベルト周方向に対して斜めに連続して配置された、4つ以下の接着領域63を有していてもよいし、6つ以上の接着領域63を有していてもよい。
上記オーバーラップ部62における、接着領域63及び非接着領域64の態様による効果を以下に説明する。
Vリブドベルト1の圧縮層4の表面を被覆する編布6が、オーバーラップ部62を有しない突き合わせにより接合されている場合、編布6の接合部分の強度を十分に高めることが難しく、接合部分に割れが発生して、編布6が圧縮層4の表面から剥離しやすくなる。また、編布6がオーバーラップ部62を有する場合であっても、接着領域63がないと、編布6が含有する接着成分だけでは、編布6の接合部分の強度が十分ではなく、同じく編布6が圧縮層4の表面から剥離しやすい。そこで、オーバーラップ部62において、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着する接着領域63を設けることにより、接合部分を補強し、編布6が圧縮層4の表面から剥離し難くすることができる。
また、図8の(a)に示すように、編布6の一端と他の一端が重なったオーバーラップ部62の全部が接着領域63であって非接着領域64が存在しない場合には、編布6が強く拘束されることによって、編布6の伸縮性が低下する。その結果、Vリブドベルト1の屈曲時にオーバーラップ部の接合部分に応力が集中して、圧縮層4にクラックが発生しやすくなる虞がある。そこで、オーバーラップ部62に、接着領域63とあわせて非接着領域64を設けることにより、編布6の一端と他の一端の接着力を十分なものとしながら、応力集中を緩和して、圧縮層4のクラックの発生を抑制することができる。その結果、Vリブドベルト1の寿命が向上する。
また、図6の(a)〜(c)、図7の(a)、(b)及び図9の(a)、(b)に示すオーバーラップ部62のように、接着領域63が、ベルト幅方向に連続して配置されていない構成にすれば、接着領域63が配置されたベルト幅方向には必ず非接着領域64が配置されることから(接着領域63と非接着領域64とが、ベルト幅方向に交互に配置される)、オーバーラップ部62のベルト周方向の特定の箇所において、ベルト幅方向全体にわたって応力が集中することを緩和して、圧縮層4のクラックの発生を抑制することができる。
また、図7の(a)に示すオーバーラップ部62のように、接着領域63と非接着領域64とが交互に市松模様状に配置されていることから、オーバーラップ部62のベルト周方向の特定の箇所において、ベルト幅方向全体にわたって応力が集中することを緩和して、圧縮層4のクラックの発生を抑制することができる。
また、図7の(b)に示すオーバーラップ部62のように、接着領域63が波状又は稲妻状に配置されていることから、オーバーラップ部62において、接着領域63と非接着領域64とが交互に配置され、オーバーラップ部62のベルト周方向の特定の箇所において、ベルト幅方向全体にわたって応力が集中することを緩和して、圧縮層4のクラックの発生を抑制することができる。
また、図6の(a)〜(c)、図7の(a)、(b)、図8の(b)及び図9の(a)、(b)に示すオーバーラップ部62は、接着領域63の総面積が、オーバーラップ部62の面積の10〜50%であると好ましい。接着領域63の総面積が、オーバーラップ部62の面積の10%よりも少ない場合、編布6のオーバーラップ部62の接合部分の強度を十分に高めることができず、接合部分に割れが発生して、編布6が圧縮層4の表面から剥離してしまう場合ある。一方、接着領域63の総面積が、オーバーラップ部62の面積の50%よりも大きい場合、編布6が必要以上に強く拘束されてしまい、編布6の伸縮性が低下し、Vリブドベルト1の屈曲時にオーバーラップ部の接合部分に応力が集中して、圧縮層4にクラックが発生しやすくなる虞がある。そこで、接着領域63の総面積を、オーバーラップ部62の面積の10〜50%にすることにより、オーバーラップ部62の接合部分の強度を十分に高めつつ、編布6の伸縮性も保持して、編布6の圧縮層4の表面からの剥離、及び、圧縮層4でのクラックの発生をバランスよく防止することができる。
(接着領域63の接着成分)
接着領域63の接着成分としては、主にゴム成分や熱可塑性エラストマーなどを使用できる。
接着領域63の接着成分となるゴム成分の例としては、圧縮層4を形成するゴム成分として説明したゴム成分が使用できる。特に、圧縮層4を形成するゴム成分と同種(特に同一)のゴム成分を用いることで、圧縮層4の変形にともなって接着領域63も同様に変形できることから応力集中を緩和することができるので好ましい。特に、圧縮層4を形成するためのゴム組成物をそのまま接着成分として用いることで、接着領域63の接着成分用の新たなゴム組成物を調製する必要がなくなるので好ましい。
接着領域63の接着成分は、編布6のオーバーラップ部62に配置されることから、厚みを薄くするのが好ましく、具体的には50〜150μm程度であるのが好ましい。このような厚みの接着領域63を配置する方法としては、あらかじめ上記厚みに薄く延ばしたゴム組成物のシートを用意しておく方法や、ゴム組成物を溶媒(トルエンなど)に溶かしてゴム糊を調製し、ゴム糊を塗布、スプレーするなどして編布6に付着させる方法が考えられる。ゴム糊を使用する方法は塗布後に乾燥する手間がかかり、生産性が低下する虞があるので、あらかじめゴム組成物のシートを用意しておく方法が好ましい。ゴム組成物のシートを調製する方法としては、ゴム組成物を溶媒に溶かしてゴム糊を調製し、ゴム糊を離型紙上に薄く延ばした後に乾燥して調製してもよい。
また、接着領域63の接着成分となる熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂)の例としては、汎用の熱可塑性エラストマーを用いることができ、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどが例示できる。これらのうち、比較的低温で溶融させて編布6に付着させやすく、Vリブドベルト1の加硫中にも溶融して編布6の内部にまで浸透して接着力を向上させやすい点から、100〜160℃程度の流動開始点(または軟化点)をもつ熱可塑性エラストマーが好ましい。特にハロゲンを含まず、接着力と強度にも優れることから、熱可塑性ポリウレタンを用いるのが好ましい。熱可塑性ポリウレタンはエーテル系またはエステル系であってもよく、強度や耐水性を考慮して選択してもよい。上記のように、接着領域63の接着成分に使用する熱可塑性エラストマーに、汎用性が高い熱可塑性ポリウレタンを使用することによりベルトの製造コストを下げることができる。
上記のように、接着領域63の接着成分となる熱可塑性エラストマーは、流動開始点が100℃以上、かつ160℃以下であることが好ましい。熱可塑性エラストマーの流動開始点が100℃未満の場合は、Vリブドベルト1の使用中に接着領域63の強度が低下して、編布6の剥離が発生しやすくなる虞がある。また、熱可塑性エラストマーの流動開始点が160℃以下の場合は、Vリブドベルト1の加硫中に熱可塑性エラストマーが軟化して編布6との密着性が向上して、接着力を向上できるのに対して、流動開始点が160℃を超える場合は、前記効果が得られずに接着力を十分に向上できない虞がある。そこで、接着領域63に使用する熱可塑性エラストマーの流動開始点が100℃以上、かつ160℃以下の範囲のものを使用することが好ましい。
また、熱可塑性エラストマーを編布6に付着させる方法としては、汎用のディスペンサー(グルーガン、ホットメルトガン)などを用いて、溶融させた熱可塑性エラストマーを直接編布6に付着させてもよい。上記のように、接着領域63の接着成分に、熱可塑性エラストマーを使用した場合、接着領域63の接着成分にゴム組成物を使用した場合よりも圧縮層4のクラックの発生を抑制することができる。
その他に、接着領域63の接着成分として、熱硬化性エラストマー(熱硬化性樹脂)や各種の汎用接着剤(アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの反応系接着剤、EVA(エチレン-酢酸ビニル樹脂)、フェノール樹脂、メラミン樹脂などの溶液系接着剤など)が挙げられる。接着領域63の接着成分として、熱硬化性エラストマーや溶液系接着剤を用いる場合、加硫処理時に加えられる熱を利用して硬化反応や溶媒除去を促進することができるため、接着領域63の接着力の向上や工程の簡素化を図ることができる。
また、接着領域63の接着成分として、CNF(セルロースナノファイバー)を分散させたゴム組成物を用いてもよい。この場合、CNFを分散させていないゴム組成物を使用する場合と比較して耐久寿命を向上させることができる。また、接着領域63の接着成分として、CNFを分散させた熱可塑性ポリウレタン(TPU)を用いてもよい。この場合、CNFを分散させていない熱可塑性ポリウレタンと比較して耐久寿命を向上させることができる。
ここで、使用するCNFは、植物の細胞壁の主成分であるセルロースをナノサイズまで微細に解きほぐして製造される。原料セルロースとしては、木材パルプ、稲ワラ、麦ワラ等が挙げられる。CNFは幅4nm程度のセルロースミクロフィブリル(シングルセルロースナノファイバー)、シングルセルロースナノファイバーが数本の束となった幅10〜20nm程度のセルロースミクロフィブリル束、セルロースミクロフィブリル束がさらに収束した幅数十〜数百nmのミクロフィブリル化セルロース(MFC)に分類できる。これらのCNFのうちいずれのCNFを用いてもよく、これらのCNFが混合したCNFを用いてもよい。CNFは、凝集を防ぐために化学修飾を施したCNFを好適に用いることができる。化学修飾の方法としては、TEMPO酸化、カルボキシメチル化などが挙げられる。
また、CNFをゴム組成物およびTPUに分散させる方法としては、ホモジナイザー法を用いることができる。ホモジナイザー法としては、超音波式、攪拌式、高圧式などが挙げられる。CNFをゴム組成物に分散させる場合は、ゴム組成物を溶媒に溶かしてゴム糊を調製し、ゴム糊にCNFを添加した後にホモジナイザー法で分散させる方法が挙げられる。CNFをTPUに分散させる場合は、加熱溶融したTPUにCNFを添加した後にホモジナイザー法で分散させる方法が挙げられる。また、CNFを水に分散させた水分散液を使用してもよい。この場合、例えばCNFを水に分散させた水分散液を編布6に塗布、乾燥させた後に、接着領域63に接着成分を配置する。次いで、接着領域63を熱プレス(100℃、20秒)することで、CNFと接着成分を一体化させる。
また、接着成分中および水分散液中のCNFの含有濃度は、0.01質量%〜2質量%程度であることが好ましい。濃度が0.01質量%未満では接着力が十分に向上せず、濃度が2質量%を超えるとCNFを均一に分散させるのが困難になるからである。
上記のように、接着領域63には、イソシアネートを除く接着成分を使用することが好ましい。編布6には耐摩耗性や接着性を向上させるためにイソシアネートが含浸されており、更に接着領域63には、編布6に含浸させたイソシアネートとは別の接着成分を使用することにより、オーバーラップ部62の接合部分の十分な接着力を確保することができ、オーバーラップ部62を起点として、編布6が圧縮層4の表面から剥離するのを防ぐことができる。
(Vリブドベルト1の製造方法)
以下では、Vリブドベルト1の製造方法を説明する。まず、長尺の編布6に接着処理を施す。そして、接着処理を施した編布6の端と端とが重なり合うようにオーバーラップさせ(図5参照:オーバーラップ部62)、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着領域63を介して接着する工程(接着工程)を経て、筒状の編布6を作製する。
上記接着工程では、圧縮層4と同成分のゴム組成物を溶媒(トルエンなど)に溶かしてゴム糊を調製し、調製したゴム糊を、接着領域63として、編布6の一端の上面側に塗布、又は、スプレーするなどして付着させた後、編布6の他の一端の下面側を、編布6の一端の上面側に重ねることにより、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着領域63を介して接着する。これにより、オーバーラップ部62の接合部分を補強し、編布6が圧縮層4の表面から剥離し難くすることができる。なお、上記調製したゴム糊は、編布6の一端の下面側に塗布、又は、スプレーするなどして付着させた後、編布6の他の一端の上面側を、編布6の一端の下面側に重ねることにより、編布6の一端の下面側と他の一端の上面側とを接着領域63を介して接着してもよい。
また、上記接着工程の別の方法として、50〜150μmの厚みを有するゴム組成物のシートを、編布6の一端の上面側と編布6の他の一端の下面側との間に接着領域63として配置することにより、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着領域63を介して接着してもよい。これにより、編布6の一端の上面側と編布6の他の一端の下面側との間にゴム糊を塗布またはスプレーするよりも取り扱い性に優れるシート状のゴム組成物を配置することで生産性を向上することができる。また、シート状のゴム組成物の厚みを50〜150μmにすることで十分な接着性を確保しながら、オーバーラップ部62の段差を最小限に抑えて、外観品質の低下及び異音や張力変動などの不具合を抑制することができる。
また、上記接着工程の別の方法として、熱可塑性エラストマーを溶融しながら、編布6の一端の上面側と編布6の他の一端の下面側との間に接着領域63として配置することにより、編布6の一端の上面側と他の一端の下面側とを接着領域63を介して接着してもよい。これにより、編布6の一端の上面側と編布6の他の一端の下面側との間に、接着領域63を、熱可塑性エラストマーの熱可塑性の特性を活かして形や量を自在に制御しながら配置することができる。
次に、図10の(a)に示すように、外周面に可撓性ジャケット51を装着した内型52に、未加硫の伸張層用シート3Sを巻き付けて、この上に心線5を螺旋状にスピニングし、さらにその上に未加硫の圧縮層用シート4Sと上記接着工程を経て作製した筒状の編布6とを順次巻き付けて、成形体10を作製する。この後、内周面に複数のリブ型53aを刻設した外型53の内周側に、成形体10を巻き付けた内型52を同心状にセットする。このとき、外型53の内周面と成形体10の外周面との間には所定の間隙が設けられる。
つぎに、図10の(b)に示すように、可撓性ジャケット51を外型53の内周面に向かって所定の膨張率(例えば1〜6%)で膨張させ、成形体10の圧縮層用シート4Sと編布6を外型53のリブ型53aに圧入して、その状態で加硫処理(例えば160℃、30分)を行う。
最後に、図10の(c)に示すように、内型52を外型53から抜き取り、複数のリブ部2を有する加硫ゴムスリーブ10Aを外型53から脱型した後、カッターを用いて加硫ゴムスリーブ10Aを周方向に沿って所定の幅にカットして、Vリブドベルト1に仕上げる。なお、Vリブドベルト1の製造方法は上記方法に限らず、例えば、特開2004−82702号公報等に開示された他の公知の方法を採用することもできる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、摩擦伝動ベルトの例としてVリブドベルト1について説明したが、本発明内容は、摩擦伝動ベルトであれば、平ベルトやVベルトなどでも採用することができる。
次に、図12及び図13に示す、接着領域形状で接着したオーバーラップ部を有する、実施例1〜8、及び、比較例1〜2に係るVリブドベルトを作製し、耐久試験を行った。
実施例1〜8、及び、比較例1〜2に係るVリブドベルトの材料および構成等を以下に説明する。
表1に、実施例1〜8、及び、比較例1〜2に係るVリブドベルトの伸張層、圧縮層及び接着領域の接着成分で使用したゴム組成物の構成を示す。
(伸張層、圧縮層及び接着領域の接着成分を構成するゴム組成物)
Figure 0006690047
EPDMポリマー:デュポン・ダウエラストマージャパン社製、「ノーデルIP3640」
パラフィン系オイル:出光興産(株)製、「ダイアナプロセスオイル」
老化防止剤:精工化学(株)製、「ノンフレックスOD3」
有機過酸化物:化薬アクゾ(株)製、「パーカドックス14RP」
圧縮層用ゴム組成物硬度:87度
(接着領域の接着成分)
接着領域の接着成分用熱可塑性樹脂には、日本ミラクトラン(株)製「E780MSTJ」、エステル系熱可塑性ポリウレタン、硬度80度、流動開始温度120℃ を使用した。
(心線)
心線には、 1100dtex/1×4構成のアラミドコードを使用し、RFL処理及びゴム糊によるオーバーコート処理を実施した。
(編布)
編布には、吸水性繊維としての綿紡績糸(40番手、1本)と、第2の繊維としてのPTT/PETコンジュゲート複合糸(繊度84dtex)とを編成し、編組織が緯編(鹿の子、2層)の編布(繊維部材)を使用した。そして、熱反応型イソシアネート(第一工業製薬(株)製「エラストロンBN−27」、解離温度180℃、固形分濃度30質量%)を固形分濃度が5質量%となるように水で希釈した浸漬液に、上記の編布を10秒間浸漬した後、100℃で5分間乾燥し、熱反応型イソシアネートが含浸した編布(繊維部材)を調製した。
(実施例1〜8及び比較例1〜2に係るVリブドベルトの構成)
以下に実施例1〜8及び比較例1〜2に係る接着領域形状で接着したオーバーラップ部を有するVリブドベルトの構成について、図12及び図13を参照して説明する。
(実施例1)
オーバーラップ長さLを8mmとし、オーバーラップ部を接着領域で補強した。接着領域に使用したゴム組成物としては、表1の接着成分用ゴム組成物を厚み80μmに薄く成形したテープ状のゴム組成物から、直径2mmの円形に打ち抜いたゴム組成物をオーバーラップ部に均一に分散させて並べた。接着領域の占める面積(円形のゴム組成物を並べた箇所の総面積)とオーバーラップ部のうち接着領域を除いた領域である非接着領域の占める面積の割合は、それぞれ25%と75%であった。その後、オーバーラップ部をローラーで圧着して、オーバーラップ部で接着した接合部分を有する編布を形成した。そして、上記実施形態に示す製造方法で3PK1200(リブ形状:K形、リブ数3、周長1200mm)の実施例1に係るVリブドベルトを得た(図6の(b)の接着領域形状に相当)。
(実施例2)
実施例2に係るVリブドベルトは、オーバーラップ長さLを4mmとし、接着領域の占める面積と非接着領域の占める面積の割合をそれぞれ15%と85%とした以外は実施例1と同様である(図6の(a)の接着領域形状に相当)。
(実施例3)
実施例3に係るVリブドベルトは、オーバーラップ長さLを8mmとし、オーバーラップ部に8mm幅のテープ状のゴム組成物を配置することで、オーバーラップ部全体に接着領域となるゴム組成物を配した以外は実施例1と同様である(図8の(a)の接着領域形状に相当)。
(実施例4)
実施例4では、接着領域の接着成分として、実施例1で使用したゴム組成物の替わりに、熱可塑性ポリウレタン(TPU)をディスペンサーで溶融させながら編布に直径2mmの円形ドット状に付着させた以外は実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタンで補強された接着領域25%(非接着領域75%)を有するVリブドベルトを得た(図6の(b)の接着領域形状に相当)。
(実施例5)
実施例5に係るVリブドベルトは、オーバーラップ長さLを4mmとし、接着領域に使用する接着成分を熱可塑性ポリウレタンにした以外は実施例2と同様である(図6の(a)の接着領域形状に相当)。
(実施例6)
実施例6に係るVリブドベルトは、オーバーラップ長さLを8mmとし、接着領域の接着成分に熱可塑性ポリウレタンを使用し、この熱可塑性ポリウレタンを波線状(線の幅約2mm)に付着させた。この場合の接着領域の面積は約40%(非接着領域の面積は約60%)であった(図7の(b)の接着領域形状に相当)。
(実施例7)
実施例7では、接着領域の接着成分として、実施例1で使用した接着成分用ゴム組成物に、0.1質量%のCNF(日本製紙(株)製「サンローズSLD−F1」、カルボキシメチル化CNF(粉末状)、純度99%以上)をホモジナイザー法により分散させたゴム組成物を使用した以外は実施例1と同様にして、CNFを分散させたゴム組成物で補強された接着領域25%(非接着領域75%)を有するVリブドベルトを得た(図6の(b)の接着領域形状に相当)。
(実施例8)
実施例8では、接着領域の接着成分として、実施例4で使用した熱可塑性ポリウレタンに、0.1質量%のCNF(日本製紙(株)製「サンローズSLD−F1」、カルボキシメチル化CNF(粉末状)、純度99%以上)をホモジナイザー法により分散させた熱可塑性ポリウレタンを使用した以外は実施例4と同様にして、CNFを分散させた熱可塑性ポリウレタンで補強された接着領域25%(非接着領域75%)を有するVリブドベルトを得た(図6の(b)の接着領域形状に相当)。
(比較例1)
比較例1に係るVリブドベルトは、編布の端と端とが重なり合わないように突き合わせて、超音波溶着で編布の一端と他の一端を接合したベルトであり、オーバーラップ部も接着領域も存在しない構成である(図13参照)。
(比較例2)
比較例2に係るVリブドベルトは、オーバーラップ長さLが8mmのオーバーラップ部を有するものの、接着領域が存在しない構成(非接着領域が100%)である(図13参照)。
(耐久試験方法)
耐久試験は、それぞれ直径50mmの、駆動プーリ(Dr.)、アイドラプーリ(Id)、従動プーリ(Dn)、テンションプーリ(Ten)を、図11に示したレイアウトで配した多軸走行試験機を用いて行った。具体的には、多軸走行試験機の各プーリに3PK1200(リブ形状:K形、リブ数3、周長1200mm)の各Vリブドベルトを掛架し、駆動プーリの回転数を5600rpm、従動プーリ及びアイドラプーリは無負荷とし、ベルト張力は294N/3リブとして走行させた。試験温度(雰囲気温度)は100℃とし、200時間を上限として編布の剥離やリブゴムのクラックの発生の有無を確認した。耐久試験の結果を図12及び図13に示す。
(耐久試験結果の考察)
従来の超音波溶着で編布の一端と他の一端を接合した比較例1は、接合部分の編布の伸縮性が低下して応力が集中するためか、接合部分においてリブゴムにクラックが発生し、72時間で寿命となった。また、オーバーラップ部に接着領域が存在しない比較例2では、15時間という短時間で編布がリブ表面から剥離する不具合が発生した。
一方、編布の接合部分においてオーバーラップ部と接着領域とを有する実施例1〜8は耐久試験において100時間以上の寿命を有し、剥離やクラックの発生を抑制する効果を示した。実施例3はオーバーラップ部全体に接着領域となるゴム組成物を配して補強した例であるが、実施例1及び実施例2と比較するとクラック発生までの時間が短かった。これは、接着領域の接着成分による補強によって編布の伸縮性が阻害されたためにVリブドベルトの屈曲時にオーバーラップ部の接合部分に応力が集中したことが原因と考えられる。実施例1及び実施例2のように、ベルトがオーバーラップ部において接着領域と非接着領域との両方を有する形態とすることで、より寿命を延ばすことができると考えられる。
実施例4〜6は、接着領域の接着成分として熱可塑性エラストマーを用いた例であるが、いずれも耐久試験200時間の時点で剥離やクラックの発生はなく、接着領域の接着成分としてゴム組成物を用いた場合よりも良好な結果を示した。熱可塑性エラストマーで良好な結果が得られる理由は定かではないが、接合強度や応力分散のバランスがよいといったことが考えられる。
実施例7は、接着領域の接着成分としてCNFを分散させたゴム組成物を用いた例であるが、実施例1と比較して耐久試験寿命が向上した。また、実施例8は、接着領域の接着成分としてCNFを分散させた熱可塑性ポリウレタンを用いた例であるが、実施例4と比較して耐久試験寿命が向上した。これは、接着領域の接着成分にCNFを添加することで、CNFが接着成分と一体化しつつ編布の繊維間に入り込み、CNFと編布の繊維とが絡み合うことで、編布と接着成分との接着力が向上するためであると考えられる。
1 Vリブドベルト
2 リブ部
3 伸張層
4 圧縮層
5 心線
6 編布
62 オーバーラップ部
63 接着領域
64 非接着領域
10 成形体
21 駆動プーリ
22 従動プーリ
23 V字状溝
51 可撓性ジャケット
52 内型
53 外型
53a リブ型
L オーバーラップ長さ

Claims (15)

  1. 圧縮層および編布を有する摩擦伝動ベルトであって、
    圧縮層表面は、前記編布で被覆されており、
    前記編布は、前記編布の一端と他の一端が重なったオーバーラップ部を有し、
    前記オーバーラップ部は、前記編布の一端と他の一端を接着する接着成分を含んだ接着領域、及び、前記編布の一端と他の一端が接着されていない非接着領域を有する、摩擦伝動ベルト。
  2. 複数の前記接着領域を有し、
    各接着領域は、ベルト幅方向に不連続に配置されている、請求項に記載の摩擦伝動ベルト。
  3. 複数の前記接着領域を有し、
    複数の前記非接着領域を有し、
    前記複数の接着領域と前記複数の非接着領域とが市松模様状に配置されている、請求項に記載の摩擦伝動ベルト。
  4. 前記接着領域が波状又は稲妻状である、請求項に記載の摩擦伝動ベルト。
  5. 前記接着領域の総面積は、前記オーバーラップ部の面積の10〜50%である、請求項1〜4の何れか一項に記載の摩擦伝動ベルト。
  6. 前記編布は、イソシアネートが含浸されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の摩擦伝動ベルト。
  7. 前記接着領域において、前記編布の一端と他の一端はイソシアネートを除く接着成分により接着されている、請求項1〜6の何れか一項に記載の摩擦伝動ベルト。
  8. 前記接着成分は、熱可塑性エラストマーを含む、請求項に記載の摩擦伝動ベルト。
  9. 前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタンである、請求項に記載の摩擦伝動ベルト。
  10. 前記熱可塑性エラストマーは、流動開始点が100℃以上、かつ160℃以下である、請求項8または9に記載の摩擦伝動ベルト。
  11. 前記接着成分は、セルロースナノファイバーを含む、請求項1〜10の何れか一項に記載の摩擦伝動ベルト。
  12. 前記オーバーラップ部のベルト周方向における長さは、2mm以上、かつ10mm以下である、請求項1〜11の何れか一項に記載の摩擦伝動ベルト。
  13. 圧縮層表面が、編布で被覆され、当該編布は、前記編布の一端と他の一端を接着する接着成分を含んだ接着領域、及び、前記編布の一端と他の一端が接着されていない非接着領域を備えたオーバーラップ部を有する、摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
    ゴム組成物を溶媒に溶解したゴム糊を、前記編布の一端の上側と前記編布の他の一端の下側の少なくともいずれか一方の前記接着領域に、塗布またはスプレーする工程を含む、摩擦伝動ベルトの製造方法。
  14. 圧縮層表面が、一端と他の一端が重なったオーバーラップ部を有する編布で被覆された、摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
    50〜150μmの厚みを有するゴム組成物のシートを、前記編布の一端の上側と前記編布の他の一端の下側との間に配置する工程を含む、摩擦伝動ベルトの製造方法。
  15. 圧縮層表面が、編布で被覆され、当該編布は、前記編布の一端と他の一端を接着する接着成分を含んだ接着領域、及び、前記編布の一端と他の一端が接着されていない非接着領域を備えたオーバーラップ部を有する、摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
    溶融した熱可塑性エラストマーを、前記編布の一端の上側と前記編布の他の一端の下側との間の前記接着領域に配置する工程を含む、摩擦伝動ベルトの製造方法。
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