JP7291673B2 - Vリブドベルト及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Vリブドベルト及びその製造方法に関する。
自動車の補機駆動用のベルトとしては、Vリブドベルトが汎用されている。Vリブドベルトは、ベルト周方向に沿って延びるV字状のリブ部を有し、このリブ部の側面がプーリの溝の側面と摩擦係合することで動力伝達が行われる。従来、Vリブドベルトは、ベルト本体のゴム組成物が剥き出しになっているものが主流であった。
しかし、このような従来製品では、ゴム組成物が剥き出しのリブ部は、プーリとの摩擦によって摩耗が進みやすく、耐久性に問題があった。また、ゴム組成物が剥き出しである場合、ベルト速度の大きな変動やベルトへの高負荷によって、ベルトがプーリとの間でスリップする際のスリップ音が生じ、耐発音性でも問題があった。特に、雨天走行時等には、エンジンルーム内に水が入り、ベルトとプーリとの間に水が付着するとベルトの摩擦係数が低下し、スリップ音が多発することもある。
このような問題を解消するベルトとして、リブ表面が編布で被覆されたベルトが知られている。例えば、特許文献1に開示されたVリブドベルトは、リブ部の表面が、弾性ヤーンとセルロースベースのファイバまたはヤーンとを含む、シームレスの筒状横編み編布によって被覆されている。
特許第5337795号
しかしながら、図3(b)に示すように、一般に、編布100は糸をループ状に絡ませながら編まれるという特徴がある。このため、編布100の糸と糸との間には必然的に大きな隙間が存在する。この隙間の存在は、特にモールド工法でベルトを製造する際に問題となる。モールド工法では、ゴム組成物からなるベルト成形体を外側に拡張させて金型に押し付けることによって、ベルトのリブ形状を形成する。このとき、リブ部の保護層として編布100を採用すると、ゴム組成物が編布100の糸と糸との隙間を透過して外へ露出しやすくなる。これにより、Vリブドベルトの摩擦伝動面において、ゴム組成物が編布で覆われていない箇所が発生する。このため、摩擦伝動面における、ゴム組成物が剥き出しのリブ部とプーリとが接触する部分の占める割合が増大し、ベルトの耐久性及び耐発音性を十分に確保することができない。
そこで、本発明の課題は、Vリブドベルトにおいて、ゴム組成物の保護層からの露出を抑制することである。
本発明のVリブドベルトは、それぞれベルト長手方向に延び、且つ、ベルト幅方向に並ぶ複数のV字状のリブ部を有し、前記リブ部の摩擦伝動面が、3本以上の組糸を組み合わせて形成された組物で構成され、前記組糸は、嵩高加工糸と前記嵩高加工糸よりも伸縮性の低い保形糸とを合糸した糸からなることを特徴とする。
上記構成によれば、組物においては、複数の組糸が密に配置されるため、糸と糸との隙間は編布と比べて小さくなる。また、組糸が、伸縮性の高い嵩高加工糸と伸縮性の低い保形糸とを合糸した糸からなっている。このため、組物を形成する際に、組糸にかかる張力の大部分を伸縮性の低い保形糸が担うことになる。これによって、嵩高加工糸が伸び切ることを防ぎ、糸と糸との隙間が広がるのを抑制できる。したがって、本発明では、摩擦伝動面を構成する保護層として上記組物が採用されているため、ゴム組成物の保護層からの露出を抑制できる。
また、本発明のVリブドベルトにおいて、前記保形糸は、熱可塑性であることが好ましい。
上記構成によれば、組糸で組物を組んだ後、熱処理を行うことで保形糸が溶融するため、保形糸を含む組糸で組まれた組物を目的の形状に成形しやすくなる。また、組物の成形後、冷却を行うことで保形糸が固化し、組物の形状が安定化する。これにより、ベルトの製造工程において、ベルト成形体に組物を被せる作業を容易に行うことができる。
また、本発明のVリブドベルトにおいて、前記保形糸は、融点が100℃以上、且つ、180℃以下であることが好ましい。
上記構成によれば、保形糸の融点は100℃以上である。これによると、ベルト使用時において、保形糸は溶融することがないため、異音や伝動不良が生じるのを回避できる。また、保形糸の融点は180℃以下である。これによると、加硫処理時において、保形糸は溶融するため、組糸の伸張が発現し、リブ形状を安定して形成することができる。
また、本発明のVリブドベルトにおいて、前記組物は、シームレスの筒状組物であることが好ましい。
上記構成によれば、組物にシーム(継ぎ目)が存在しないため、つなぎ目から組物に亀裂が入り、組物が圧縮層と保護層との界面から剥離してしまうことが起きにくい。
また、本発明のVリブドベルトにおいて、前記組物は、前記組物の筒軸方向に平行な軸糸を有し、前記軸糸は、伸縮性糸又は溶融糸を含むことが好ましい。
筒状組物に軸糸が配置されていると、組物はその筒軸方向において形状が安定する。そのため、ベルトの製造工程における取り扱いが容易になる。また、軸糸が伸縮性糸を含む場合、組物の伸縮性が高くなる。軸糸が溶融糸を含む場合、組糸で組物が組まれた後に熱処理が行われると溶融糸が溶融又は軟化して組物の伸縮性が高くなる。そのため、金型にゴム組成物を押し付けたときの追従性が良好となり、リブ部を精度よく形成できる。
また、本発明のVリブドベルトにおいて、前記組物は、前記軸糸を、8本以上含むことが好ましい。
さらに、本発明のVリブドベルトにおいて、前記組物は、前記組糸を30本以上含むことが好ましい。
また、本発明のVリブドベルトにおいて、前記軸糸は、前記伸縮性糸としてポリウレタン弾性糸を含むことが好ましい。
また、本発明のVリブドベルトにおいて、前記組糸は、前記嵩高加工糸としてナイロンのウーリー加工糸を含んでもよい。
また、本発明のVリブドベルトは、隣り合う前記組糸の、中心線の間の距離である組ピッチが、15mm以下であることが好ましい。
組ピッチが15mm以下である組物であれば、組糸と組糸との間の隙間が小さく、ゴム組成物が摩擦伝動面に露出しにくい。
また、本発明のVリブドベルトは、1本の前記組糸の総繊度が、500dtex以上であることが好ましい。
組糸の総繊度が500dtex以上である組物であれば、糸と糸との間の隙間が小さく、ゴム組成物が摩擦伝動面に露出しにくい。
本発明のVリブドベルトの製造方法は、筒状のベルト成形体の径方向外側に前記組物を配置し、前記組物の前記径方向外側に、内周面に複数のリブ型が設けられた金型をさらに配置し、前記ベルト成形体を前記径方向外側に拡張させて、前記ベルト成形体と前記金型とに挟まれた前記組物を前記金型に押し付けることによって、前記ベルト成形体にリブ形状を形成することを特徴とする。
本発明では、筒状のベルト成形体の外側に組物を配置してから、ベルト成形体を外へ拡張し、組物を間に挟んだ状態でベルト成形体の外面を金型に押し付ける。このとき、組糸が密に配置された組物では糸と糸との間の隙間が小さいため、ベルト成形体を構成するゴム組成物が組物を透過しにくい。従って、保護層からのゴム組成物の露出量が少ないベルトが得られる。
また、本発明のVリブドベルトの製造方法において、前記組物はシームレスの筒状組物であり、且つ、前記保形糸は熱可塑性であり、マンドレルの外周上で3本以上の前記組糸を組み合わせることによって前記組物を形成し、形成した前記組物に対して、第1所定温度で熱処理を所定時間行った後、第2所定温度となるまで冷却することが好ましい。
上記構成によれば、筒状組物がマンドレルの外周上で組み合わせられる。これにより、1つの筒状組物において組糸と組糸との間の隙間が均一になる。また、組糸で組物を組んだ後、熱処理を行うことで保形糸が溶融するため、保形糸を含む組糸で組まれた組物を目的の形状に成形しやすくなる。さらに、組物の成形後、冷却を行うことで保形糸が固化し、組物の形状が安定化する。これにより、ベルト成形体に組物を被せる作業を容易に行うことができる。
また、本発明のVリブドベルトの製造方法において、前記マンドレルの外周長が、前記ベルト成形体の外周長よりも長いことが好ましい。
筒状組物をマンドレルから引き抜いた後に筒状組物は収縮する。しかし、上記構成によれば、収縮を見越して予め長い周長になるように筒状組物を形成することにより、筒状組物をベルト成形体に被せる作業が困難になることはない。
また、本発明のVリブドベルトの製造方法は、前記ベルト成形体の外周上で3本以上の前記組糸を組み合わせることによって前記組物を形成することが好ましい。
上記構成によれば、ベルト成形体の外周上において、直接組物を形成することができ、マンドレルから引き抜く必要がないため、組物の形状安定性を考慮する必要がない。よって、組物に形状安定性を与えるための熱処理及びその後の冷却が不要となり、作業の工程を簡略化できる。
Vリブドベルトにおける、ゴム組成物の保護層からの露出を抑制することができる。
本実施形態に係るVリブドベルトを用いたベルト伝動装置の例を説明する概略斜視図である。 図1のI-I断面図であり、Vリブドベルトの断面図である。 (a)本実施形態において保護層として使用される組物を示す図である。(b)組物の比較対象の編布を示す図である。 (a)本実施形態の組機の概略図である。(b)組機で組物を作製する際の、スピンドルの軌道図である。 Vリブドベルトの製造方法を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(ベルト伝動装置14)
図1は、本実施形態に係るVリブドベルト1を用いた補機駆動用のベルト伝動装置14を示している。このベルト伝動装置14は、駆動プーリ15と、従動プーリ16と、無端状のVリブドベルト1とを有しており、駆動プーリ15及び従動プーリ16にVリブドベルト1が巻き掛けられている。無端状のVリブドベルト1には、内周側にベルト周方向に延び、且つ、ベルト幅方向に沿って並ぶ複数のV字状のリブ部2が形成されている。駆動プーリ15と従動プーリ16の外周面には、複数のV字状溝151、161が形成されており、複数のV字状溝151、161にVリブドベルト1の各リブ部2が嵌り込んでいる。
(Vリブドベルト1)
図2に示すように、Vリブドベルト1は、外周側のベルト背面を形成する伸張層4と、伸張層4よりも内周側に設けられた圧縮層3と、伸張層4と圧縮層3との間に埋設され、ベルト周方向に延びる心線5とを備えている。圧縮層3の内周側には、ベルト周方向にそれぞれ延び、かつ、ベルト幅方向に並ぶ複数のV字状のリブ22が形成されている。リブ22の表面は、保護層6で被覆されている。すなわち、リブ22の表面は、圧縮層3と保護層6との界面21となっている。なお、後ほど詳述するが、保護層6は組物7である。また、リブ22と保護層6とは、それぞれベルト長手方向に延び、且つ、ベルト幅方向に並ぶ複数のV字状のリブ部2を構成している。リブ部2の表面は、プーリ15、16に接触する部分であり、Vリブドベルト1とプーリ15、16との間で動力を伝達する摩擦伝動面61として機能する。
圧縮層3と伸張層4とは、後述するように、いずれもゴム組成物で形成されている。なお、心線5の、圧縮層3及び伸張層4との接着性を向上させる目的で、圧縮層3と伸張層4との間に接着層を設けてもよい。接着層の形態としては、接着層に心線5全体を埋設する形態でもよく、接着層と圧縮層3との間、又は接着層と伸張層4との間に心線5を埋設する形態でもよい。
(圧縮層3)
圧縮層3を形成するゴム組成物のゴム成分としては、加硫又は架橋可能なゴム、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーなど)、エチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
これらのうち、硫黄や有機過酸化物を含むゴム組成物で未加硫ゴム層を形成し、未加硫ゴム層を加硫又は架橋したものが好ましく、特に、耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有し、経済性にも優れる点から、エチレン-α-オレフィンエラストマー(エチレン-α-オレフィン系ゴム)が好ましい。エチレン-α-オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン-α-オレフィンゴム(エチレン-プロピレンゴム)、エチレン-α-オレフィン-ジエンゴム(エチレン-プロピレン-ジエン共重合体)などが挙げられる。α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどが挙げられる。これらのα-オレフィンは、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの原料となるジエンモノマーとしては、非共役ジエン系単量体、例えば、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどが挙げられる。これらのジエンモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
エチレン-α-オレフィンエラストマーにおいて、エチレンとα-オレフィンとの割合(前者/後者の質量比)は、40/60~90/10、好ましくは45/55~85/15、さらに好ましくは55/45~80/20の範囲がよい。また、ジエンの割合は、4~15質量%の範囲から選択でき、例えば、4.2~13質量%、好ましくは4.4~11.5質量%の範囲とするとよい。なお、ジエン成分を含むエチレン-α-オレフィンエラストマーのヨウ素価は、例えば、3~40、好ましくは5~30、さらに好ましくは10~20の範囲とするとよい。ヨウ素価が小さ過ぎると、ゴム組成物の加硫が不十分となって摩耗や粘着が生じやすくなり、ヨウ素価が大き過ぎると、ゴム組成物のスコーチが短くなって扱い難くなるとともに耐熱性が低下する傾向がある。
未加硫ゴム層を形成する有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド(ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ-イソプロピル)ベンゼン、ジ-t-ブチルパーオキサイドなど)などが挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、有機過酸化物は、熱分解による半減期が1分間である温度範囲が150℃~250℃、好ましくは175℃~225℃程度のものがよい。
未加硫ゴム層の加硫剤又は架橋剤(特に有機過酸化物)の割合は、ゴム成分(エチレン-α-オレフィンエラストマーなど)100質量部に対して、固形分換算で1~10質量部、好ましくは1.2~8質量部、さらに好ましくは1.5~6質量部とするとよい。
ゴム組成物は加硫促進剤を含んでいてもよい。加硫促進剤としては、チウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ビスマレイミド系促進剤、ウレア系促進剤などが挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。加硫促進剤の割合は、固形分換算で、ゴム成分100質量部に対して、0.5~15質量部、好ましくは1~10質量部、さらに好ましくは2~5質量部とするとよい。
また、ゴム組成物は、架橋度を高め、粘着摩耗等を防止するために、さらに共架橋剤(架橋助剤又は共加硫剤)を含んでいてもよい。共架橋剤としては、慣用の架橋助剤、例えば、多官能(イソ)シアヌレート(トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなど)、ポリジエン(1,2-ポリブタジエンなど)、不飽和カルボン酸の金属塩((メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウムなど)、オキシム類(キノンジオキシムなど)、グアニジン類(ジフェニルグアニジンなど)、多官能(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど)、ビスマレイミド類(N,N'-m-フェニレンビスマレイミドなど)などが挙げられる。これらの架橋助剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。架橋助剤(複数種を組み合わせる場合は合計量)の割合は、固形分換算で、ゴム成分100質量部に対して、0.01~10質量部、好ましくは0.05~8質量部とするとよい。
また、ゴム組成物は、必要に応じて、短繊維を含んでいてもよい。短繊維としては、セルロース系繊維(綿、レーヨンなど)、ポリエステル系繊維(PET、PEN繊維など)、脂肪族ポリアミド繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維、46ナイロン繊維など)、芳香族ポリアミド繊維(p-アラミド繊維、m-アラミド繊維など)、ビニロン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維などが挙げられる。これらの短繊維は、ゴム組成物中での分散性や接着性を高めるため、慣用の接着処理又は表面処理、例えばRFL液などによる処理を施してもよい。短繊維の割合は、ゴム成分100質量部に対して、1~50質量部、好ましくは5~40質量部、さらに好ましくは10~35質量部とするとよい。
さらに、ゴム組成物は、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、加硫助剤、加硫遅延剤、補強剤(カーボンブラック、含水シリカ等の酸化ケイ素など)、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど)、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)、可塑剤(パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、プロセスオイル等のオイル類など)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィン、脂肪酸アマイドなど)、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲亀裂防止剤、オゾン劣化防止剤など)、着色剤、粘着付与剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、熱安定剤など)、潤滑剤(グラファイト、二硫化モリブデン、超高分子量ポリエチレンなど)、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。金属酸化物は架橋剤として作用させてもよい。これらの添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの添加剤の割合は、種類に応じて慣用の範囲から選択でき、例えば、ゴム成分100質量部に対して、補強剤(カーボンブラック、シリカなど)の割合は10~200質量部(好ましくは20~150質量部)、金属酸化物(酸化亜鉛など)の割合は1~15質量部(好ましくは2~10質量部)、可塑剤(パラフィンオイル等のオイル類)の割合は1~30質量部(好ましくは5~25質量部)、加工剤(ステアリン酸など)の割合は0.1~5質量部(好ましくは0.5~3質量部)とするとよい。
(伸張層4)
伸張層4は、圧縮層3と同様のゴム組成物で形成されている。このゴム組成物のゴム成分としては、圧縮層3のゴム成分と同系統又は同種のゴムを使用する。また、加硫剤又は架橋剤、共架橋剤、加硫促進剤などの添加剤の割合も、それぞれ圧縮層3のゴム組成物と同様の範囲から選択できる。
伸張層4のゴム組成物には、背面駆動時に伸張層4のゴム組成物の粘着による異音の発生を抑制するために、圧縮層3と同様の短繊維が含まれていてもよい。短繊維の形態は直線状でもよく、一部屈曲させた形状のもの(例えば、特開2007-120507号公報に記載のミルドファイバー)でもよい。Vリブドベルト1の走行時には、伸張層4においてベルト周方向に亀裂が生じ、Vリブドベルト1が輪断する恐れがあるが、短繊維をベルト幅方向又はランダムな方向に配向させることでこれを防止することができる。また、背面駆動時の異音の発生を抑制するためには、伸張層4の表面(ベルト背面)に凹凸パターンを設けてもよい。凹凸パターンとしては、編布パターン、織布パターン、スダレ織布パターン、エンボスパターン(例えばディンプル形状)などが挙げられ、大きさや深さは特に限定されない。
なお、伸張層4は、帆布等の布帛(補強布)で形成してもよい。補強布としては、織布、広角度帆布、編布、不織布などの布材が挙げられる。これらのうち、平織、綾織、朱子織などの形態で製織した織布や、経糸と緯糸との交差角が90°~130°程度の広角度帆布や編布が好ましい。補強布を構成する繊維としては、前記短繊維と同様の繊維を利用できる。補強布は、RFL液で処理(浸漬処理など)した後、コーティング処理などを施してゴム付帆布としてもよい。
(心線5)
心線5としては特に限定されず、ポリエステル繊維(ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維、ポリエチレンナフタレート繊維など)、脂肪族ポリアミド(ナイロン)繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維、46ナイロン繊維など)、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維(コポリパラフェニレン・3,4'オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド繊維など)、ポリアリレート繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、PBO繊維などで形成されたコードを用いることができる。これらの繊維は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの繊維は、後述する可撓性ジャケット181の拡張率に応じて適宜選択される。例えば、拡張率が2%を超えるような高伸張の場合は、弾性率の低いポリエステル繊維(特に低弾性ポリブチレンテレフタレート繊維)、ナイロン繊維(特に66ナイロン繊維、46ナイロン繊維)が好ましい。これは、アラミド繊維、PBO繊維などの弾性率が高い繊維では、可撓性ジャケット181が拡張しても繊維は十分に伸張することができず、Vリブドベルト1に埋設される心線5のピッチラインが安定しなかったり、適正なリブ部2の形状が形成されなかったりするためである。このため、弾性率の高い繊維を使用するには、可撓性ジャケット181の拡張率を低く設定(例えば1%程度)するのが好ましい。
(保護層6)
先にも少し触れたが、図2に示すように、本実施形態のVリブドベルト1のリブ部2の表面、即ち、ベルトの摩擦伝動面61は、保護層6で構成されている。これにより、圧縮層3と保護層6との界面21の摩耗が抑制され、耐久性が向上する。また、ゴム組成物の摩擦伝動面61への露出が抑えられることから、耐発音性の向上も期待できる。
(組物7)
ところで、本実施形態では、この摩擦伝動面61を構成する保護層6として、特に、組物7が使用されている。組物とは、3本以上の組糸を組み合わせてなる布であり、糸をループ状に絡ませながら編み上げる編布100や経糸と緯糸を直交させて織り上げる織物とは繊維構造が大きく異なる。組物の特徴としては、伸縮性の高さと糸密度の高さの2点が挙げられる。まず、組物は、経糸と緯糸で織成された織布と比べると、組物の繊維構造から、伸縮性が格段に高い。一方、編布100の伸縮性は組物の伸縮性と同様に高い。しかし、組物は、組糸が密に配置される点で編布100とは決定的に異なる。図3(b)に示すように、編布100では、糸をループ状に絡ませながら編むという特徴から、糸と糸との間には必然的に大きな隙間が存在する。これに対して、図3(a)に示すように、組物は、糸が密に配置されているため、編布100と比べて糸と糸との隙間が小さい。
また、本実施形態で使用される組物7は、継ぎ目がなく強度に優れるシームレスの筒状組物7である。組物7にシーム(継ぎ目)が存在しないため、継ぎ目から組物7に亀裂が入ることによる、保護層6(組物7)の圧縮層3と保護層6との界面21からの剥離が起きにくい。組物は、複数の組糸のみで形成することも可能ではあるが、本実施形態では、筒状組物7の保形性の向上、後述するベルト製造工程での取り扱い性向上等の観点から、筒状組物7の軸方向に平行な軸糸72が使用されている。即ち、本実施形態の組物7は、3本以上の組糸71と軸糸72を互いに組み合わせることで形成される。組糸71は、組物7の軸方向に対して所定の組角度θを有して交差している。
(組糸71)
組糸71は、嵩高加工糸と嵩高加工糸よりも伸縮性の低い保形糸とを合糸した糸からなる。組糸71は、伸縮性の高い嵩高加工糸によって、組物7に伸縮性を持たせることができる。また、組糸71は、伸縮性の低い保形糸が組糸71にかかる張力を担うことで、嵩高加工糸が伸び切るのを防ぎ、組物7の糸と糸との隙間が広がるのを防ぐことができる。すなわち、保形糸は、組糸71に係る張力を担う張力負担部材として機能し、組物7の形状の保持に寄与する。
また、保形糸は、熱可塑性である。組糸71で組物7を組んだ後、熱処理を行うことで保形糸が溶融又は軟化するため、保形糸を含む組糸71で組まれた組物7を目的の形状に成形しやすくなる。また、組物7の成形後、冷却を行うことで保形糸が固化し、組物7の形状が安定化する。これによって、後述するベルトの製造工程において、ベルト成形体17に組物7を被せる作業を容易に行うことができる。さらに、保形糸は、融点が100℃~180℃である。これによると、ベルト使用時において、保形糸は溶融することがないため、異音や伝動不良が生じるのを回避できる。また、ベルト製造工程において、後述する筒状のベルト成形体17と組物7とを、リブ型19a(図5参照)を有する金型に圧入した状態で加硫処理を行うと、保形糸が溶融又は軟化するため、嵩高加工糸の伸張は、保形糸によって阻害されることなく進行する。これによって、組糸71の伸張が発現し、ベルト成形体17とともに形成される組物7のリブ形状を安定して形成することができる。すなわち、保形糸は、熱処理又は加硫処理によって溶融又は軟化する溶融糸として機能し、組物7の形状の保持に寄与する。
嵩高加工糸としては、例えば、ナイロンのウーリー加工糸を採用することができる。また、保形糸としては、例えば、低融点ナイロン糸やポリプロピレン糸などを採用することができる。なお、嵩高加工糸と保形糸とを合糸した糸は、嵩高加工糸と保形糸とを単に引き揃えた糸でもよく、嵩高加工糸と保形糸とを引き揃えた後に撚りをかけた撚糸でもよい。さらに、上記の何れかの糸をさらに熱処理して、嵩高加工糸と保形糸とを一体化した糸でもよい。
また、もともと、その繊維構造からして、編布と比べて糸が密に配置される組物7であるが、圧縮層3と保護層6との界面21の保護等の効果を高めるには、糸の間隔はできるだけ小さくすることが望ましい。本実施形態において、組物7を形成する組糸71の本数は30本以上である。また、隣り合う組糸71の、中心線の間の距離である組ピッチdが、15mm以下であり、好ましくは10mm以下である。1本の組糸71の総繊度は、500dtex以上であり、好ましくは800dtex以上であり、特に好ましくは1000dtex以上である。
(軸糸72)
保形性を確保するという観点から、軸糸72は、ある程度の数、周方向に配置されていることが好ましい。例えば、8本以上の軸糸72が含まれていることが好ましい。後述するモールド工法でのベルト製造を考慮し、本実施形態では、軸糸72には、良好な伸縮性を有する伸縮性糸が採用されている。伸縮性糸としては、ポリウレタン弾性糸を採用できる。ポリウレタン弾性糸としては、例えば、スパンデックス(登録商標)やロイカ(登録商標)を使用することができる。また、軸糸72として、熱処理又は加硫処理によって溶融又は軟化する溶融糸を採用してもよい。溶融糸は伸縮性を示さないものの、溶融又は軟化するとシームレスの筒状組物7である組物7の筒軸方向への伸びを阻害しなくなるため、伸縮性糸と同様の効果が得られる。溶融糸としては、例えば、組糸71の保形糸として用いられる低融点ナイロン糸やポリプロピレン糸などの熱可塑性の糸があげられる。
あるいは、軸糸72として、伸縮性糸である嵩高加工糸(断面の嵩を大きくした加工糸)を採用してもよい。嵩高加工糸として、例えば、ウーリー加工糸、タスラン加工糸、コンジュゲート糸、カバリング糸を採用することができる。
ウーリー加工糸は構造的な面から伸縮性を有する糸であり、例えば、ウーリー加工糸として、繊維を仮撚した後に熱固定し、これを解撚することで得られる縮れを有する糸を使用してもよい。
コンジュゲート糸は、熱収縮率の異なる2種類以上のポリマーを繊維軸方向に貼り合わせた断面構造を持ち、製造時や加工時に熱が加わると、各ポリマーの収縮率(熱収縮率)の違いにより捲縮が生じて嵩高い糸となる。例えば、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)とポリエチレンテレフタレート(PET)をコンジュゲートした複合糸(PTT/PETコンジュゲート糸)や、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)をコンジュゲートした複合糸(PBT/PETコンジュゲート糸)がある。上記のように、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むコンジュゲート糸を使用することができる。
また、カバリング糸は、芯糸の周囲を別の糸で覆う(カバリングする)ことにより、糸全体の断面の嵩を大きくした糸である。例えば、伸縮性に優れたポリウレタン(PU)糸を芯として、その表面にポリエチレンテレフタレート(PET)をカバリングした複合糸(PET/PUカバリング糸)や、PUを芯としてポリアミド(PA)をカバリングした複合糸(PA/PUカバリング糸)がある。これらの複合糸のうち、伸縮性や耐摩耗性に優れる、PTT/PETコンジュゲート糸又はPET/PUカバリング糸が好ましい。
嵩高加工糸の材質については、例えば、吸水性繊維(例えば、セルロース系繊維)、ポリアミド繊維(例えば、ナイロン繊維やアラミド繊維)、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維やポリブチレンテレフタレート繊維)、ポリウレタン弾性糸を含む繊維等の材質の嵩高加工糸を用いることができる。なお、セルロース系繊維は、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維(綿繊維(コットンリンター)、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻など)などの天然植物由来のセルロース繊維(パルプ繊維)、羊毛、絹、ホヤセルロースなどの動物由来のセルロース繊維、バクテリアセルロース繊維、藻類のセルロースなどが例示できる。このうち、特に吸水性に優れる点で、綿繊維が好ましい。
組物7には、ゴム組成物で形成される、圧縮層3と保護層6との界面21との接着性を向上させる目的で、接着処理を施すことができる。このような組物7の接着処理としては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物などの樹脂成分を、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、水などの溶媒(分散媒)に溶解(分散)させた樹脂系処理液への浸漬処理、レゾルシン-ホルマリン-ラテックス液(RFL液)への浸漬処理、ゴム組成物を有機溶媒に溶かしたゴム糊への浸漬処理が挙げられる。この他の接着処理の方法として、例えば、組物7とゴム組成物とをカレンダーロールに通して組物7にゴム組成物を刷り込むフリクション処理、組物7にゴム糊を塗布するスプレディング処理、組物7にゴム組成物を積層するコーティング処理等も採用することができる。
このように、組物7に接着処理を施すことにより、保護層6(組物7)と圧縮層3との接着性を向上させて、Vリブドベルト1の走行時の保護層6(組物7)の剥離を防止することができる。また、接着処理をすることで、リブ部2の耐摩耗性を向上させることもできる。上記接着処理により、保護層6(組物7)に圧縮層3を構成するゴム組成物を接着させることで、圧縮層3のゴム組成物が保護層6から露出しにくい。
図4(a)に示すように、組物7は、組機8を用いて作製される。軸糸72は固定された筒10を通って組機8の下部から供給され、組糸71はスピンドル11に巻き付けられている。組機8の中心には円筒形のマンドレル9が設置されており、マンドレル9の上部の外周上で組糸71及び軸糸72を組み合わせて組物7を形成する。図4(b)に示すように、スピンドル11が軌道12に沿って動くことにより、組糸71及び軸糸72が組み合わされていき、マンドレル9の上部に組物7が形成され、組物7は巻き上げ装置13で巻き上げられる。なお、マンドレル9の外周長は、後述する筒状のベルト成形体17の外周長よりも長い。
上記のように、マンドレル9の外周上で組物7を組むとき、伸縮性の低い保形糸が組糸71にかかる張力を担うことによって、嵩高加工糸が伸び切るのを防ぎ、組物7の糸と糸との間の隙間が広がるのを防ぐことができる。すなわち、保形糸は、組糸71にかかる張力を担う張力負担部材として機能し、組物7の形状の保持に寄与する。
上記で述べた組物7の作製方法は、マンドレル9の外周上で組糸71と軸糸72を互いに組み合わせる。これにより、1つの筒状組物7において組糸71と組糸71との間の隙間が均一になる。
また、筒状組物7をマンドレル9から引き抜いた後に筒状組物7が収縮するが、収縮を見越して予め長い周長になるように筒状組物7を形成することにより、筒状組物7をベルト成形体17に被せる作業が困難になることはない。
また、マンドレル9の外周上で組物7を形成した後、組物7に対して、第1所定温度で熱処理を所定時間行い、その後、第2所定温度となるまで冷却する。組糸で組物を組んだ後、熱処理を行うことで保形糸が溶融又は軟化するため、保形糸を含む組糸で組まれた組物を目的の形状に成形しやすくなる。また、組物の成形後、冷却を行うことで保形糸が固化し、組物の形状が安定化する。これにより、ベルト成形体に組物を被せる作業を容易に行うことができる。すなわち、保形糸は、熱処理によって溶融又は軟化する溶融糸として機能し、組物7の形状の保持に寄与する。なお、熱処理を行う際の第1所定温度とは、保形糸の「融点-20℃」から「融点+50℃」の範囲内の任意の温度である。また、所定時間とは、第1所定温度に応じて決定される。すなわち、第1所定温度が高い場合、所定時間は短くなり、第1所定温度が低い場合、所定時間は長くなる。当該第1所定温度及び所定時間によれば、保形糸が溶融又は軟化するため、組物の成形を容易に行うことができる。また、第2所定温度は、保形糸が固化する温度であれば何れの値でもよい。また、「第2所定温度となるまで冷却」とは、冷却装置などによって行われてもよく、常温で放置することによる自然冷却でもよい。
(Vリブドベルト1の製造方法)
以下に、図5(a)~(c)に基づいて、Vリブドベルト1の製造方法を説明する。一般的なモールド工法によるベルト製造工程を例に挙げて説明する。まず、図5(a)に示すように、金型の外周面に可撓性ジャケット181を装着した内型18に、未加硫の伸張層用シート4Sを巻き付けて、この上に心線5を螺旋状にスピニングし、さらにその上に未加硫の圧縮層用シート3Sとを順次巻き付けて、ベルト成形体17を作製する。この後、ベルト成形体17に筒状組物7をその軸方向が内型18の軸方向と一致するように被せて、筒状のベルト成形体17の外側に組物7を配置する。そして、この後、内周面に複数のリブ型19aが刻設された金型の外型19の内周側に、組物7及びベルト成形体17を巻き付けた内型18を同心状にセットする。このとき、外型19の内周面とベルト成形体17の外周面との間には所定の間隙が設けられる。
続いて、図5(b)に示すように、可撓性ジャケット181を、外側に、つまり外型19の内周面に向かって所定の拡張率(例えば1~6%)で拡張させて、ベルト成形体17を、組物7を挟んで金型に押し付ける。これにより、ベルト成形体17の圧縮層用シート3Sと組物7が外型19のリブ型19aに圧入されて、ベルト成形体17にリブ形状が形成される。その状態で加硫処理(例えば160℃、30分)を行う。
上記のように、ベルト成形体17と組物7とをリブ型19aに圧入した状態で加硫処理を行うと、保形糸が溶融又は軟化するため、嵩高加工糸の伸張は、保形糸によって阻害されることなく進行する。これによって、組糸71の伸張が発現し、ベルト成形体17とともに形成される組物7のリブ形状を安定して形成することができる。すなわち、保形糸は、加硫処理によって溶融又は軟化する溶融糸として機能し、組物7の形状の保持に寄与する。
最後に、図5(c)に示すように、内型18を外型19から抜き取り、複数のリブ部2を有する加硫ゴムスリーブ17Aを外型19から脱型した後、カッターを用いて加硫ゴムスリーブ17Aをその周長方向に平行に所定の幅にカットして、Vリブドベルト1に仕上げる。なお、Vリブドベルト1の製造方法は上記方法に限らず、例えば、特開2004-82702号公報等に開示された他の公知の方法を採用することもできる。
(効果)
上記のモールド工法において、ベルト成形体17を外型19のリブ型19aに押し付けたときに、保護層6の伸縮性が小さいと、ベルト成形体17のリブ型19aへの圧入が阻害されて、リブ形状がきちんと形成されない。よって、リブ部2の表面である摩擦伝動面61を構成する保護層6には伸縮性が必要である。保護層6には伸縮性が必要なので、伸縮性に富む組物7は保護層6に適している。
上記のモールド工法では、特に、筒状組物7の軸方向はVリブドベルト1の幅方向と一致しているため、ゴム組成物が外型19に刻印されたリブ型19aに流れ込むのに、筒状組物7は追従する必要があり、筒状組物7はその軸方向に良好な伸縮性を有する必要がある。そのため、軸糸72として、良好な伸縮性を有する伸縮性糸であるポリウレタン弾性糸を採用している。または、軸糸72として、熱処理又は加硫処理によって溶融又は軟化する溶融糸である低融点ナイロン糸やポリプロピレン糸などを採用してもよい。可撓性ジャケット181を拡張させる段階では、圧縮層用シート3Sと組物7とをリブ型19aに圧入させやすくするために約120℃の熱がかけられる。このときの熱によって溶融糸である軸糸72が溶融又は軟化することにより、伸縮性糸と同様の効果を示すことができる。可撓性ジャケット181を外型19の内周面に向かって拡張させて筒状組物7が外型19の内周面に沿うようにするため、筒状組物7はその周長方向にも伸縮性を有する必要がある。ただし、筒状組物7は、その軸方向に必要とされる伸縮性に比べると、その周長方向に必要とされる伸縮性は小さい。組糸71には、嵩高加工糸であるナイロンのウーリー加工糸を採用することができる。
編布のように隙間が大きい構造の布を保護層6として用いた場合、加硫時にベルト成形体17のゴム組成物が保護層6の糸の間を透過して、露出してしまう。この点、組糸71が密に配置される組物7は保護層6に適している。さらに、組ピッチdや、組糸71の本数、組糸71の総繊度を工夫することで、糸間隔を小さくすることが好ましい。
組物を組糸71だけで構成した場合、筒状組物の保形性が低く、ベルト製造工程においてベルト成形体17に被せにくくなるなど取り扱い性が悪い。したがって、組物は軸糸72を有することが好ましい。
なお、組物7は、ベルト成形体17の外周上で組糸71のみを組み合わせることによって、又は、組糸71と軸糸72とを組み合わせることによって形成されてもよい。この場合、マンドレル9の外周上で組糸71と軸糸72を互いに組み合わせる作業は行われず、したがって、形成した組物7に対して熱処理を行うことも不要である。ベルト成形体17の外周上で組物7を組むとき、伸縮性の低い保形糸が組糸71にかかる張力を担うことによって、嵩高加工糸が伸び切るのを防ぎ、組物7の糸と糸との間の隙間が広がるのを防ぐことができる。すなわち、保形糸は、組糸71にかかる張力を担う張力負担部材として機能し、組物7の形状の保持に寄与する。また、ベルト成形体17の外周上で組物7が組まれたとき、図5(a)に示す状態となっており、その後の金型への圧入、加硫処理及び脱型処理は、上述のVリブドベルト1の製造方法と同様である。
(実施例)
次に、実施例1~10及び比較例1~3のVリブドベルト1に係る筒状組物7を64打ち2Step方式の丸組機を用いて作製した。なお、マンドレル9の寸法は直径200mm、外周長628mmであった。筒状組物7の作製後、実施形態のVリブドベルト1と同じ製造方法で、リブ部2を3つ有し周長600mmであるVリブドベルト1を作製した。
ここで、実施例1~10及び比較例1~3のVリブドベルト1に係る組物7を構成する、組糸71と軸糸72の材質を、次に挙げる。ウーリー加工糸(FORMOSA CHEMICALS&FIBRE CORPORATION社製ナイロン6のウーリー加工糸)、ナイロン原糸(旭化成(株)製ナイロン66の繊維束)、低融点ナイロン糸(東レ(株)製エルダー)、ポリウレタン弾性糸(旭化成(株)製ロイカ)、ポリプロピレン糸(タイレ(株)製リプロン)。また、低融点ナイロン糸であるエルダーの融点は110℃であり、軟化点は60℃である。ポリプロピレン糸であるリプロンの融点は約170℃である。
実施例1~10及び比較例1~3に係る組物7について、各組物7を構成する組糸71及び軸糸72の構成を下記の表1に示した。実施例1~5、7~9及び比較例3に係る組物7は、組糸71として、44dtexの繊維束を5本集め、これをさらに4本集めた総繊度880dtexのウーリー加工糸と、総繊度330dtexの低融点ナイロン糸とを引き揃えた合糸を用いた。実施例6に係る組物7は、組糸71として、44dtexの繊維束を5本集め、これをさらに4本集めた総繊度880dtexのウーリー加工糸と、総繊度330dtexのポリプロピレン糸とを引き揃えた合糸を用いた。実施例10に係る組物7は、組糸71として、44dtexの繊維束を5本集め、これをさらに2本集めた総繊度440dtexのウーリー加工糸と、総繊度110dtexの低融点ナイロン糸とを引き揃えた合糸を用いた。比較例2に係る組物7は、組糸71として、総繊度940dtexのナイロン原糸と、総繊度330dtexの低融点ナイロン糸とを引き揃えた合糸を用いた。比較例1に係る組物7は、組糸71として、合糸していない総繊度880dtexのウーリー加工糸を用いた。実施例1及び比較例1に係る組物7は、32本の組糸71を含む。実施例2~10、比較例2、3に係る組物7は、64本の組糸71を含む。また、実施例1、2、6~10及び比較例3に係る組物7は、軸糸72として、繊度150dtexのポリウレタン弾性糸を芯として繊度125dtexのナイロン原糸でカバリングした複合糸(PA/PUカバリング糸)を使用した。実施例3に係る組物7は、軸糸72として、44dtexの繊維束を5本集めた総繊度220dtexのウーリー加工糸を使用した。実施例5に係る組物7は、軸糸72として、総繊度330dtexの低融点ナイロン糸を使用した。比較例1及び2に係る組物7は、軸糸72として、総繊度470dtexのポリウレタン弾性糸を使用した。実施例4に係る組物7は、軸糸72を使用していない。実施例1及び比較例1に係る組物7は、16本の軸糸72を含む。実施例2、3、5~10、比較例2及び3に係る組物7は、32本の軸糸72を含む。また、実施例1~6、10、比較例1~3に係る組糸71の組ピッチdは8mmである。実施例7に係る組糸71の組ピッチdは12mmである。実施例8に係る組糸71の組ピッチdは15mmである。実施例9に係る組糸71の組ピッチdは16mmである。
実施例1~3、5~10、比較例1~3は、マンドレル9の外周上で組糸71と軸糸72とを組み合わせて組物7を組んだ後、組物7をマンドレル9から引き抜いてベルト成形体17に被せる脱型工法でVリブドベルト1を作製した。実施例4は、ベルト成形体17の外周上で組糸71を組んで筒状組物7を形成する直接成形工法でVリブドベルト1を作製した。また、実施例1~3、5、7~10及び比較例2では、マンドレル9の外周上で組物7を組んだ後、120℃の熱風を1分間当てること(熱処理)によって、低融点ナイロン糸を溶融又は軟化させた。そして、その後、10分間自然冷却してから、筒状組物7をマンドレル9から引き抜いた。実施例6では、マンドレル9の外周上で組物7を組んだ後、180℃の熱風を1分間当てること(熱処理)によって、ポリプロピレン糸を溶融又は軟化させた。そして、その後、10分間自然冷却してから、筒状組物7をマンドレル9から引き抜いた。すなわち、実施例1~3、5~10及び比較例2では、熱処理脱型工法によりVリブドベルト1が作製される。比較例1及び3では、マンドレル9の外周上で組物7を組んだ後、熱処理を行うことなく、筒状組物7をマンドレル9から引き抜いた。すなわち、比較例1及び3では、非熱処理脱型工法によりVリブドベルト1が作製される。実施例4では、ベルト成形体17の外周上で組物7を組んだ後、熱処理を行っていない。
Figure 0007291673000001
上記の表1に、実施例1~10、比較例1~3のVリブドベルト1の作製時の形状安定性、作製したVリブドベルト1のリブ形状、及びゴム組成物の保護層6からの露出量の評価結果を示している。表1において、○は良好、◎は特に良好、×は不良の結果を表している。組糸71として合糸していないウーリー加工糸を用いた比較例1は、筒状組物7をマンドレル9から引き抜いた際に筒状組物7の形状が乱れ、ベルトを作製することができなかった。このため、比較例1に対してはリブ形状及びゴム露出量の評価を行っていない。組糸71としてナイロン原糸と低融点ナイロン糸とを合糸した比較例2は、筒状組物7の形状安定性は良好であったものの、加硫処理の際に必要とされる伸びが不十分であったためにリブ形状が不良となり、ゴム組成物が保護層から露出した。組糸71としてウーリー加工糸と低融点ナイロン糸とを合糸したものの、マンドレル9上での熱処理を行わなかった比較例3は、筒状組物7をマンドレル9から引き抜いた際に組物の形状が乱れ、ベルトを作製することができなかった。このため、比較例3に対してはリブ形状及びゴム露出量の評価を行っていない。
一方、組糸71としてウーリー加工糸と低融点ナイロン糸との合糸を用い、32本の組糸71と16本の軸糸72とを組み合わせて組物7を組み、熱処理脱型工法によって作製した実施例1のVリブドベルト1は、筒状組物7をマンドレル9から引き抜いた際の形状安定性は特に良好であり、リブ形状は良好であって、ゴム組成物の保護層からの露出も見られなかった。64本の組糸71と32本の軸糸72を用いた実施例2のVリブドベルト1は、形状安定性、リブ形状はともに特に良好であり、ゴム組成物の保護層からの露出はさらに抑制され、ゴム露出量も特に良好であった。軸糸72にウーリー加工糸を使用した実施例3、軸糸72に低融点ナイロン糸を使用した実施例5、組糸71としてウーリー加工糸とポリプロピレン糸との合糸を用いた実施例6、組糸71の組ピッチdが12mmである実施例7、及び、組糸71の組ピッチdが15mmである実施例8のVリブドベルト1についても、形状安定性、リブ形状、ゴム露出量のいずれも特に良好の結果を示した。また、組糸71としてウーリー加工糸と低融点ナイロン糸とを合糸し、ベルト成形体上で組物7を形成する直接成形工法によって作製した実施例4のVリブドベルト1は、リブ形状、ゴム露出量ともに特に良好の結果を示した。実施例4のVリブドベルト1は、ベルト成形体上で組物7を形成しているため、組物7の形状安定性を考慮する必要はない。このため、形状安定性の評価については不要とした。組糸71の組ピッチdが16mmである実施例9、及び、組糸71の総繊度が実施例1~9と比較して小さい実施例10のVリブドベルト1は、形状安定性及びリブ形状はともに特に良好の結果を示した。実施例9及び実施例10のVリブドベルト1のゴム露出量は良好の結果を示し、実用上問題はないものの、実施例2~8と比較するとやや劣っていた。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、これらの例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
上記実施形態では、マンドレル9の外周上で組糸71と軸糸72とを組み合わせることで筒状組物7を作製している。しかしながら、例えば、平面状に組み上げられた平打ち組物7をつなぎ合わせて筒状の組物7を作製し、この筒状組物7を用いてVリブドベルト1を作製してもよい。また、マンドレル9の外周上で3本以上の組糸71のみを組み合わせることで筒状組物7を作製してもよい。但し、筒状組物7の形状の安定性の観点から、組糸71と軸糸72とを組み合わせることで筒状組物7を作製することが好ましい。
また、上記実施形態では、ベルト成形体17の外周上で、直接組糸71を組んで筒状組物7を形成する場合(実施例4)、軸糸72は使用していない。しかしながら、ベルト成形体17の外周上で、組糸71と軸糸72とを組み合わせて筒状組物7を組んでもよい。但し、ベルト成形体17の外周上で直接筒状組物7を形成する場合、筒状組物7の筒軸方向の形状安定性を考慮する必要がない。このため、ベルト製造工程における作業の簡略化という観点からは、軸糸72は使用しない方が好ましい。
1 Vリブドベルト
2 リブ部
21 界面
22 リブ
3 圧縮層
4 伸張層
5 心線
6 保護層
61 摩擦伝動面
7 組物(筒状組物)
71 組糸
72 軸糸
8 組機
14 ベルト伝動装置
17 ベルト成形体
18 内型
19 外型

Claims (15)

  1. それぞれベルト長手方向に延び、且つ、ベルト幅方向に並ぶ複数のV字状のリブ部を有し、
    前記リブ部の摩擦伝動面が、3本以上の組糸を組み合わせて形成された組物で構成され、
    前記組糸は、嵩高加工糸と前記嵩高加工糸よりも伸縮性の低い保形糸とを合糸した糸からなることを特徴とするVリブドベルト。
  2. 前記保形糸は、熱可塑性であることを特徴とする請求項1に記載のVリブドベルト。
  3. 前記保形糸は、融点が100℃以上、且つ、180℃以下であることを特徴とする請求項2に記載のVリブドベルト。
  4. 前記組物は、シームレスの筒状組物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のVリブドベルト。
  5. 前記組物は、前記組物の筒軸方向に平行な軸糸を有し、
    前記軸糸は、伸縮性糸又は溶融糸を含むことを特徴とする請求項4に記載のVリブドベルト。
  6. 前記組物は、前記軸糸を8本以上含むことを特徴とする請求項5に記載のVリブドベルト。
  7. 前記軸糸は、前記伸縮性糸としてポリウレタン弾性糸を含むことを特徴とする請求項5または6に記載のVリブドベルト。
  8. 前記組物は、前記組糸を30本以上含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のVリブドベルト。
  9. 前記組糸は、前記嵩高加工糸としてナイロンのウーリー加工糸を含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のVリブドベルト。
  10. 隣り合う前記組糸の、中心線の間の距離である組ピッチが、15mm以下であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のVリブドベルト。
  11. 1本の前記組糸の総繊度が、500dtex以上であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のVリブドベルト。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載のVリブドベルトの製造方法であって、
    筒状のベルト成形体の径方向外側に前記組物を配置し、
    前記組物の前記径方向外側に、内周面に複数のリブ型が設けられた金型をさらに配置し、
    前記ベルト成形体を前記径方向外側に拡張させて、前記ベルト成形体と前記金型とに挟まれた前記組物を前記金型に押し付けることによって、前記ベルト成形体にリブ形状を形成することを特徴とするVリブドベルトの製造方法。
  13. 前記組物はシームレスの筒状組物であり、且つ、前記保形糸は熱可塑性であり、
    マンドレルの外周上で3本以上の前記組糸を組み合わせることによって前記組物を形成し、
    形成した前記組物に対して、第1所定温度で熱処理を所定時間行った後、第2所定温度となるまで冷却することを特徴とする請求項12に記載のVリブドベルトの製造方法。
  14. 前記マンドレルの外周長が、前記ベルト成形体の外周長よりも長いことを特徴とする請求項13に記載のVリブドベルトの製造方法。
  15. 前記ベルト成形体の外周上で3本以上の前記組糸を組み合わせることによって前記組物を形成することを特徴とする請求項12に記載のVリブドベルトの製造方法。
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