JP6689183B2 - 状態推定装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、被験者の生体情報に基づいて、被験者の状態を推定する状態推定装置、方法およびプログラムに関する。
自律神経には、交感神経と迷走神経の2つがある。交感神経および迷走神経は各臓器などに広く分布し、循環や代謝をはじめとする不随意な身体機能を制御する。多くの場合、交感神経と迷走神経が1つの臓器を拮抗的に支配すると言われている。
自律神経活動の1つである交感神経活動は、暗算負荷などのストレス刺激によって亢進することが知られている。
一方、もう1つの自律神経活動である迷走神経活動は、迷走神経が各臓器において主に副交換性の神経活動を担うことから、副交感神経活動と同等に理解されることも多い。なお、迷走神経とは、厳密には脳神経のひとつである第X神経の名称であり、脳から各臓器などに至る当該神経すべてを指す。このため、例えば心臓迷走神経のように、支配対象となっている臓器の名称を付記することで、対象臓器における副交感神経活動を示す場合がある。
自律神経が支配する臓器のひとつに心臓がある。心臓は交感神経および迷走神経によって拮抗的に支配されており、交感神経活動と迷走神経活動の静的なバランスを反映すると言われている(非特許文献3を参照)。
図4は、瞬時心拍(RRI)の一例を示す図である。特に、図4に示すような、時系列で隣接する(以下、単に隣接すると称することがある)2つのR波の間隔である瞬時心拍(RRI:R-R interval)のゆらぎは交感神経活動と迷走神経活動の両方によって変化することが知られている。なお、R波とは、心電図計測によって得られる心電波形のひとつであり、心臓の脱分極活動を反映している(非特許文献4を参照)。
心電図を計測する手段のひとつとして、ホルター心電計などのウェアラブルなデバイスがある。これらのデバイスを用いて取得する心電図は、電極の変形やズレをはじめとする電極異常、あるいは、体動、発汗、静電気など様々な要因によって計測異常が生じる(非特許文献2を参照)。図5は、心電図における計測異常の一例を示す図である。この計測異常は、心電図では図5に示すようなノイズ(W1)やアーチファクト(異常計測状態)(W2)という形で確認できる。
計測異常のうち、アーチファクトとして観測される波形はR波と類似しており、ひとつ以上連続して観測される。このため、心電図を解析してR波を抽出するアルゴリズムが、アーチファクトをR波と誤判断して抽出してしまう場合もある(以降では、このような波形を計測異常R波と表記する)。
瞬時心拍は最も基本的な心拍特徴量であり、すべての心拍特徴量は瞬時心拍から算出される。心拍特徴量には様々なものがあるが、頻回に用いられるものを以下の表1、表2に示す(非特許文献3、5−10を参照)。
表1、表2は、瞬時心拍RRIから算出される心拍特徴量の例を示す。
図6は、ローレンツプロットにおけるLおよびTの一例を示す図である。
表2に示した、CVI、CSIで説明されるローレンツプロットにおけるL,Tは以下の式から算出される。
L:ローレンツプロットのy=x軸上での標準偏差の4倍で表される長軸成分 …式(1)
T:ローレンツプロットのy=−x軸上での標準偏差の4倍で表される短軸成分 …式(2)
表1、表2に記載した特徴量は、解析対象となるすべてのデータが、正常に計測された瞬時心拍のデータであること、すなわち、異常計測R波は少なくとも除外できていることを前提としている。
表1、表2に記載したそれぞれの特徴量の算出式はすべて異なる。このため、それぞれの特徴量は、計測対象あるいは計測器の異常に起因する異常な瞬時心拍データの影響を受けやすい特徴量と、そうでない特徴量とに区分される。
顕著な例として、平均心拍数、HRVLFおよびHRVHFがある。平均心拍数については、解析対象となる瞬時心拍が5%程度欠損しても大きな変動は生じないが、HRVLF/HFは、HRVLFおよびHRVHFの振幅変化により、欠損率6%で1.5倍近く増加したとの報告もある(非特許文献1を参照)。
計測異常のひとつであるアーチファクトをR波と誤判断したものは、その発生機序から心臓の脱分極活動を一切反映しない。このため、解析対象となる瞬時心拍を構成するR波のうち、少なくともひとつが計測異常R波である場合、平均心拍数は、さほど影響を受けなくても、HRVLFおよびHRVHFの振幅が変化する可能性は高い。
このような誤ったHRVLFおよびHRVHF、あるいはHRVLF/HFやHRVHF/(LF+HF)を用いた各種解析結果は、意図しない推定結果や推定誤りを引き起こす恐れがある。
瞬時心拍の異常値を除外する手法として、瞬時心拍の時間特徴量を使用するものがある。具体的な例としては、瞬時心拍の下限値・上限値、および前後の瞬時心拍との差分値に閾値を設定し、当該閾値を逸脱したものを除外する手法(非特許文献1参照)(以降、第1の従来手法と呼ぶ)や、瞬時心拍の正規分布から外れたものを除外する手法(非特許文献2参照)(以降、第2の従来手法と呼ぶ)がある。第2の従来手法の中では、瞬時心拍の平均±標準偏差による異常値検出が最も簡便なものであり、一般的には2σあるいは3σルールが用いられることが多い。
佐久間大輝ら,座位状態での心拍測定を用いたリアルタイムなストレス緩和システム,マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集,pp.1188-1195,2013 横田康成ら,心拍変動時系列変化を用いた敗血症の前駆症状モニタリング,第54回自動制御連合講演会,pp.1258-1261,2011 井上博,循環器疾患と自律神経機能 第2版,医学書院,2001 奥出潤,これならわかる!かんたんポイント心電図 第2版,医学書院,2011 日本光電,雑音混入のメカニズムと対策:きれいな心電図を記録するポイント 〜ホルター心電図編〜,(2016年10月6日確認),http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/point/holter/mechanism.html トライテック,心拍変動パラメータ用語集(2016年10月11日確認),http://www.trytech.co.jp/checkmyheart/glossary.html ストレスと自律神経活動の分析手法(2016年10月12日確認),http://hclab.sakura.ne.jp/stress_nervous.html 藤本ら,音楽鑑賞中におけるアルファ帯域成分と心拍変動の関係,香川県立医療短期大学紀要,Vol.4,pp.129-131,2002 辻裕介,介護リフトの下降運動における被介護者の心理的負担評価に関する研究,三重大学大学院工学研究科 平成25年度修士論文,2014 渡辺重行ら,心電図の読み方パーフェクトマニュアル,羊土社,2006
瞬時心拍は時間の経過とともに変化する値であるため、動的に閾値を設定することが難しい。このため、一般に上記の第1の従来手法では、病理的な異常判断に用いられる値を各種閾値として設定する。すなわち、瞬時心拍の異常値が病理的に正常な範囲内である場合には、当該瞬時心拍を異常として検出できない。
また、上記の第2の従来手法では、正規分布から逸脱した値を検出するため、平均値、標準偏差、中央値、四分位数をはじめとする各種統計値に基づいて閾値を設定する。異常値の判別を行うためには、正常な瞬時心拍に対するこれらの統計値を算出する必要があるが、この段階において正常な瞬時心拍を特定することはできない。よって、異常な瞬時心拍が多くなると、その存在が正常とみなされてしまうため、当該瞬時心拍を異常として検出できなくなる。
また、いずれの従来手法においても、計測器の異常は考慮されていない。すなわち、計測異常R波を少なくともひとつ以上含む瞬時心拍について、時間的な長さが病理的に正常な場合、あるいは正常な瞬時心拍によって仮定される正規分布の範囲内である場合、第1、第2の従来手法による異常な瞬時心拍の検出は不可能である。
さらに、いずれの従来手法においても、異常判別基準に抵触しない瞬時心拍は正常であるとみなし、すべての特徴量計算に同じ瞬時心拍を用いる。このため、各特徴量の値、特に表1の#1〜#3の結果と表1、表2の#5〜#10の結果が互いに反することもあるが、それが計測の異常に起因するものなのか、あるいは新たな知見であるのかを判断することができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、計測異常に由来する心拍特徴量の精度低下を低減することができる状態推定装置、状態推定方法およびプログラムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の実施形態における状態推定装置の第1の態様は、被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出した、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出する算出手段と、前記抽出手段により抽出した、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、当該R波の間隔である、前記算出手段により算出した瞬時心拍の計測状態を評価する評価手段と、前記評価手段により評価した瞬時心拍を、当該評価の種別に応じて、心拍特徴量の種別に応じた複数種類のクラスのいずれかに分類する分類手段と、前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、所望の種別の心拍特徴量が対応するクラスに分類された瞬時心拍を選択する選択手段とを有する装置を提供する。
上記構成の状態推定装置の第2の態様は、第1の態様において、前記R波の計測状態は、前記R波の第1の計測状態および前記R波の第2の計測状態を含み、前記R波の第1の計測状態は、当該R波の電位が条件を満たす大きさとなる異常計測状態であり、前記R波の第2の計測状態は、当該R波の電位が前記条件を満たす大きさとならない正常計測状態である装置を提供する。
上記構成の状態推定装置の第3の態様は、第2の態様において、前記瞬時心拍の計測状態は、前記瞬時心拍の第1の計測状態、および前記瞬時心拍の第2の計測状態を含み、前記瞬時心拍の前記第1の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方および他方のR波の計測状態がいずれも前記正常計測状態であることを示し、前記瞬時心拍の前記第2の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する第1のR波の計測状態および前記構成する第2のR波の計測状態の少なくとも一方が前記異常計測状態であることを示し、前記クラスは、第1のクラス、および第2のクラスを含み、前記分類手段は、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第1のクラスに分類し、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第2のクラスに分類し、前記選択手段は、前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、前記心拍特徴量の所望の種別が第1の種別であるときに、前記第1のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第2の種別であるときに、前記第2のクラスに分類された瞬時心拍を選択する装置を提供する。
上記構成の状態推定装置の第4の態様は、第2の態様において、前記瞬時心拍の計測状態は、前記瞬時心拍の第1の計測状態、前記瞬時心拍の第2の計測状態、および前記瞬時心拍の第3の計測状態を含み、前記瞬時心拍の前記第1の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方および他方のR波の計測状態がいずれも前記正常計測状態であることを示し、前記瞬時心拍の前記第2の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態が前記正常計測状態で、他方の計測状態が前記異常計測状態であることを示し、前記瞬時心拍の前記第3の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方および他方のR波の計測状態がいずれも前記異常計測状態であることを示し、前記クラスは、第1のクラス、第2のクラス、および第3のクラスを含み、前記分類手段は、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第1のクラスに分類し、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第2のクラスに分類し、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第3の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第3のクラスに分類し、前記選択手段は、前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、前記心拍特徴量の所望の種別が第1の種別であるときに、前記第1のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第2の種別であるときに、前記第2のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第3の種別であるときに、前記第3のクラスに分類された瞬時心拍を選択する装置を提供する。
上記構成の状態推定装置の第5の態様は、第1の態様において、前記R波の計測状態は、前記R波の第1の計測状態、前記R波の第2の計測状態、および前記R波の第3の計測状態を含み、前記R波の第1の計測状態は、当該R波の電位が条件を満たす大きさとなる異常計測状態であり、前記R波の第2の計測状態は、当該R波の電位が前記条件を満たす大きさとならない一方で、前記R波の電位の基線の動揺が条件を満たす大きさとなるノイズであり、前記R波の第3の計測状態は、前記異常計測状態および前記ノイズに該当しない正常計測状態であり、前記瞬時心拍の計測状態は、前記瞬時心拍の第1の計測状態、前記瞬時心拍の第2の計測状態、および、前記瞬時心拍の第3の計測状態を含み、前記瞬時心拍の前記第1の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態および他方のR波の計測状態の組み合わせが、第1の条件を満たす組み合わせであることを示し、前記瞬時心拍の前記第の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態および他方のR波の計測状態の組み合わせが、第2の条件を満たす組み合わせであることを示し、前記瞬時心拍の前記第の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態および他方のR波の計測状態の組み合わせが、第3の条件を満たす組み合わせであることを示し、前記クラスは、第1のクラス、第2のクラス、および第3のクラスを含み、前記分類手段は、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第1のクラスに分類し、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第2のクラスに分類し、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第3の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第3のクラスに分類し、前記選択手段は、前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、前記心拍特徴量の所望の種別が第1の種別であるときに、前記第1のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第2の種別であるときに、前記第2のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第3の種別であるときに、前記第3のクラスに分類された瞬時心拍を選択する装置を提供する。
上記構成の状態推定装置の第6の態様は、第2の態様において、前記評価手段は、前記抽出手段により抽出した、時系列で隣接する2つのR波から、前記評価手段により前記異常計測状態にあると判別したR波を棄却した状態で、前記正常計測状態と判別されたR波の間隔である瞬時心拍の計測状態を評価する装置を提供する。
本発明の実施形態における状態推定方法の態様は、装置に適用される方法であって、被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出し、前記抽出した、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出し、前記抽出した、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、当該R波の間隔である、前記算出した瞬時心拍の計測状態を評価し、前記評価した瞬時心拍を、当該評価の種別に応じて、心拍特徴量の種別に応じた複数種類のクラスいずれかに分類し、前記分類された各クラスの瞬時心拍のうち、所望の種別の心拍特徴量が対応するクラスに分類された瞬時心拍を選択する方法を提供する。
本発明の実施形態における状態推定処理プログラムの態様は、第1の態様における状態推定装置の一部分として動作するコンピュータに用いられるプログラムであって、前記コンピュータを、前記抽出手段、前記算出手段、前記評価手段、前記分類手段および前記選択手段として機能させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、計測異常に由来する心拍特徴量の精度低下を低減することが可能になる。
本発明の実施形態における状態推定装置の構成例を示す図。 本発明の実施形態における状態推定装置による処理手順の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態における状態推定装置による瞬時心拍再計算の一例を示す図。 瞬時心拍(RRI)の一例を示す図。 心電図における計測異常の一例を示す図。 ローレンツプロットにおけるLおよびTの一例を示す図。
以下、図面を参照しながらこの発明に係わる実施形態を説明する。
一実施形態では、瞬時心拍を構成する二つのR波の電位情報に基づいて計測状態を評価および分類し、算出対象となる心拍特徴量の特性を踏まえて、特徴量算出に用いる瞬時心拍を選択することで、計測異常に由来する心拍特徴量の精度低下の低減を図る。なお、瞬時心拍の評価においては、電位情報に加えて、従来の時間情報を考慮してもよい。
(構成)
図1は、本発明の実施形態における状態推定装置の構成例を示す図である。図1に示す状態推定装置10は、心電図計測部11および状態推定部12を備える。一例として、状態推定装置10は、心電図計測部11を被験者(ユーザ)に装着可能なウェアラブルデバイスとし、状態推定部12をスマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータデバイスとしたシステムにより実現される。例えば、コンピュータデバイスは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、プロセッサに接続されるメモリと、心電図計測部11と(例えば無線で)通信するための通信インタフェースと、を備える。なお、状態推定装置10の実現形態は、この例に限定されるものではない。例えば、状態推定装置10は1つのデバイスとして実現されてもよい。また、心電図計測部11は状態推定装置10の外部に設けられてもよい。言い換えると、状態推定装置10は、心電図計測部11に相当する外部の心電計測装置から被験者の心電を計測した結果を取得してもよい。
実施形態と従来技術との相違点は、瞬時心拍の時間情報ではなく、瞬時心拍を構成する2つのR波の電位情報に基づいて当該瞬時心拍を評価および分類すること、および、心拍特徴量の特性を踏まえて特徴量算出に用いる瞬時心拍を選択することが挙げられる。
心電図計測部11は、被験者の心電図を計測し、計測結果を状態推定部12に送る。心電は、循環器系の生体信号であり、例えば、心室の収縮と同期した周期的な信号を含む。心電図計測部11は、少なくとも2極の電極によって心電の計測を行う。計測結果は、心電図におけるR波相当の心電を抽出可能なデータを含む。例えば、計測結果は心電図のデータを含む。心電図計測部11は、R波相当の心電波形を計測することができればよく、その実現形態は問わない。例えば、心電図計測部11はホルター心電計からなる。
状態推定部12は、心電図計測部11から計測結果を受け取り、受け取った計測結果に基づいて被験者の状態を推定する。例えば、状態推定部12は、R波抽出部121、R波関連情報記録部122、瞬時心拍算出部123、瞬時心拍記録部124、瞬時心拍評価部125、瞬時心拍再計算部126、瞬時心拍分類部127、瞬時心拍分類基準記録部128、心拍特徴量関連情報記録部130を備える。
R波抽出部121、R波関連情報記録部122、瞬時心拍算出部123、瞬時心拍記録部124、瞬時心拍評価部125、瞬時心拍再計算部126、瞬時心拍分類部127、瞬時心拍分類基準記録部128、心拍特徴量関連情報記録部130の機能は、例えば、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、これらの機能の一部または全部は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの回路によって実現されてもよい。
R波抽出部121は、心電図計測部11で取得した心電図を解析し、R波を抽出する。また、R波抽出部121は、抽出したR波に関連する情報を、R波関連情報記録部122に保存する。
R波関連情報記録部122は、不揮発性メモリなどの記憶媒体を含み、この記憶媒体に対し、R波抽出部121で抽出したR波に関する情報を記録する。本実施形態では、上記の計測異常R波を検出するために、(1)正常計測状態と、(2)アーチファクトの少なくとも2種類が区別可能な情報を記録対象とするが、この記録対象としては、R波の別の計測状態であるノイズ(正常計測状態と比較して電位の基線が一定以上変動している波形)を含んでもよい。例えば、抽出したR波の時間情報に相当する情報をR波関連情報記録部122への記録対象としても良い。また、具体的な記録形式については特に指定しない。
瞬時心拍算出部123は、R波抽出部121で抽出したR波に基づき、隣接する2つのR波間の間隔である瞬時心拍を算出する。瞬時心拍算出部123は、算出した瞬時心拍を示す情報を瞬時心拍記録部124に保存することができる。
瞬時心拍記録部124は、不揮発性メモリなどの記憶媒体を含み、この記憶媒体に対し、瞬時心拍算出部123で算出した瞬時心拍を示す情報を記録する。瞬時心拍記録部124への具体的な記録形式については特に指定しないが、例えば、(1)瞬時心拍の行列や、(2)瞬時心拍を構成する1つ目のR波の時刻情報と瞬時心拍との二つから構成されるデータ行列などが挙げられる。
なお、瞬時心拍記録部124の機能は本実施形態において必須の機能ではない。この機能は、R波の電位情報に加え、瞬時心拍の時間情報も考慮して瞬時心拍を評価する場合のみ必要となる。
瞬時心拍評価部125は、瞬時心拍算出部123で算出した瞬時心拍を評価する。具体的な評価手法については、以下の、実施形態の動作例で述べる。
瞬時心拍再計算部126は、瞬時心拍評価部125による評価の結果に基づき、計測異常R波を含む瞬時心拍を再計算する。瞬時心拍再計算部126による具体的な処理については、後述する動作例で述べる。
なお、瞬時心拍再計算部126の機能は本実施形態において必須の機能ではない。この機能は、計測異常R波を含む複数の瞬時心拍が存在する状況であって、後続処理で使用可能な瞬時心拍を可能な限り多く担保する必要がある場合に必要となる。
瞬時心拍分類部127は、瞬時心拍評価部125で評価を行った瞬時心拍を、瞬時心拍分類基準記録部128に記録される情報を基に、評価の種別に応じて、心拍特徴量の種別に応じた2種類以上のクラスタ(クラス)のいずれかに分類する。各クラスが充足すべき条件は、以下の瞬時心拍分類基準記録部128の説明にて述べる。また、瞬時心拍分類部127による具体的な処理手法については以下の動作例で述べる。
瞬時心拍分類基準記録部128は、不揮発性メモリなどの記憶媒体を含み、この記憶媒体に対し、瞬時心拍分類部127で分類された、瞬時心拍の分類基準に関する情報を記録する。瞬時心拍の具体的な分類基準については定めないが、(1)計測異常R波を含む瞬時心拍と(2)計測異常R波を含まない瞬時心拍との最低でも2種類を区別できる基準とする。後述する動作例では、瞬時心拍分類基準記録部128は、瞬時心拍を3種類以上のクラスに分類する基準に関する情報を記録するものとする。
心拍特徴量関連情報記録部130は、不揮発性メモリなどの記憶媒体を含み、この記憶媒体に対し、心拍特徴量と、当該心拍特徴量の算出に用いる瞬時心拍が満たすべき条件に関する情報とを記録する。この情報は、瞬時心拍分類基準記録部128に記録される分類の数の情報を含み、少なくとも、(1)時間特徴量および計測系に誤りがない瞬時心拍と(2)時間特徴量に誤りがなく、計測系に誤りがある瞬時心拍、の少なくとも2種類のクラスを区別するための情報を含むことを条件とする。後述する動作例では、心拍特徴量関連情報記録部130は、3種類以上のクラスを区別するための情報を記録するものとする。
瞬時心拍選択部129は、心拍特徴量関連情報記録部130に記録される情報に基づき、分類された各クラスの瞬時心拍のうち、所望の種別の心拍特徴量が対応するクラスに分類された瞬時心拍、つまり後続の心拍特徴量算出で用いる瞬時心拍を選択する。この選択の具体的な方法については、後述する動作例で述べる。
次に、実施形態の動作例について説明する。
本実施形態では、以下の表3に示すように、表1、表2に示した各心拍特徴量を3種類のクラス(クラスA、クラスB、クラスC)に分類し、瞬時心拍選択部129で各心拍特徴量のクラスに対応する瞬時心拍を選択する場合について述べる。なお、本実施形態では、計測異常R波を区別するため、R波の計測状態として、(1)正常計測状態および(2)アーチファクトの二種類を仮定する。これらの区別を行うため、R波抽出部121は、R波関連情報記録部122にR波の電位情報を記録する。表3に示すように、クラスBに該当する瞬時心拍はクラスAに該当する瞬時心拍を含み、クラスCに該当する瞬時心拍はクラスA,Bに該当する瞬時心拍を含む。
具体的な処理手順を以下に示す。図2は、本発明の実施形態における状態推定装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
心電図計測部11は、最低でも2極の電極によって心電図の計測を行う(S1)。
R波抽出部121は、心電図計測部11で計測した心電図からR波を抽出する。R波抽出部121は、抽出した各R波の電位情報をR波関連情報記録部122に保存する。
瞬時心拍算出部123は、R波抽出部121で取得したR波に基づき、隣接する2つのR波から瞬時心拍を算出する(S2)。瞬時心拍の時間情報も考慮に入れて評価を行う場合のみ、瞬時心拍算出部123は、算出した瞬時心拍に関する情報を瞬時心拍記録部124に保存する。以下では、瞬時心拍の時間情報に異常がない(時間情報が正常範囲内である)ものとして説明する。
瞬時心拍評価部125は、R波関連情報記録部122に保存した、R波の電位情報に基づき、瞬時心拍算出部123により算出された瞬時心拍を評価する。具体的には、まず、瞬時心拍を構成する2つのR波の電位情報に基づき、瞬時心拍評価部125は、R波の2種類の計測状態として、正常計測状態およびアーチファクトの判別を行う。
本実施形態では、瞬時心拍評価部125の内部メモリは、以下の表4に記載される、R波の計測状態の評価基準を記憶しており、瞬時心拍評価部125は、この評価基準を用い、R波関連情報記録部122に保存した情報で示されるR波の電位が3.5mV以上である場合に、当該R波の計測状態がアーチファクトであると判別する(S3)。なお、同等の判別が行えるのであれば別の評価基準を用いても良い。例えば、瞬時心拍評価部125は、心電図の統計情報に基づいて異常判別を行い、当該異常判別の結果と計測したR波の情報とを組み合わせた情報に基づいて瞬時心拍を評価しても良い。
瞬時心拍評価部125は,アーチファクトではないと判別されたR波を、正常計測状態のR波と判別する(S4)。
次に、瞬時心拍評価部125は、各R波について判別した計測状態に基づき、隣接する2つのR波から構成される瞬時心拍を評価する(S5)。正常計測状態、アーチファクトの2種類の計測状態を考慮する場合、瞬時心拍を構成するR波の計測状態の組み合わせは、表4に示す正常計測状態およびアーチファクトのいずれかとなる。
瞬時心拍評価部125は、以下の表5に示すように、2つのR波の計測結果の判別結果(正常計測状態、アーチファクト)が区別できるような形式で評価結果を内部メモリに保存する。本実施形態では、保存形式は特に指定しない。
本実施形態では、瞬時心拍評価部125は、瞬時心拍の計測状態を、表5における#1に対応する計測状態、#2に対応する計測状態、#3に対応する計測状態、および#4に対応する計測状態のいずれに該当するかを評価するとして説明する。また、本実施形態では、瞬時心拍再計算部126による処理を実現するために、表5にて#2と#3とを分けているが、当該処理を行わない場合には、これらの#2と#3とを分けなくても良い。
表5における判別結果の「R」は正常計測状態を示し、「A」はアーチファクトを示す。つまり、表5における#1に対応する判別結果の「R、R」は、隣接する1つ目および2つ目のR波の計測状態の判別結果がともに正常計測状態であることを示す。表5における#2に対応する判別結果の「R、A」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態で、2つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトであることを示す。表5における#3に対応する判別結果の「A、R」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトで、2つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態であることを示す。表5における#4に対応する判別結果の「A、A」は、隣接する1つ目および2つ目のR波の計測状態がともにアーチファクトであることを示す。
瞬時心拍分類部127は、S5で「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」である瞬時心拍、「状態の詳細」が「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」である瞬時心拍、および「状態の詳細」が「2つともアーチファクト」である瞬時心拍(表5における#1、#2、#3、#4に対応するとして評価された瞬時心拍)を、瞬時心拍分類基準記録部128で規定されるクラスに分類する(S6)。本実施形態では、表3に示すような、瞬時心拍を3種類のクラスに分類する基準に関する情報が瞬時心拍分類基準記録部128に記録されていると仮定し、瞬時心拍分類部127は、以下のように、評価されたそれぞれの瞬時心拍をクラスA、クラスB、クラスCに分類する。
クラスA:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」である瞬時心拍(表5に示す#1に該当すると評価された瞬時心拍
クラスB:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」である瞬時心拍、および「状態の詳細」が「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」である瞬時心拍(表5に示す#1,#2,#3のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)
クラスC:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」である瞬時心拍、「状態の詳細」が「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」である瞬時心拍、および「状態の詳細」が「2つともアーチファクト」である瞬時心拍(表5に示す#1,#2,#3,#4のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)(時間情報が正常である、すべての瞬時心拍)
つまり、表5に示す#1に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスA、B、Cのすべてに分類され、表5に示す#2、#3に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスB、Cの双方に分類され、表5に示す#4に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスCのみに分類される。
瞬時心拍選択部129は、心拍特徴量関連情報記録部130に記録される情報に基づいて、後続処理に引き渡すための瞬時心拍を選択する(S7)。本実施形態では、心拍特徴量関連情報記録部130に記録される、各特徴量が要求する瞬時心拍の条件は表3に記載される条件であり、また、クラスA、クラスB、クラスCのそれぞれに少なくとも1つ以上の瞬時心拍が分類されていると仮定する。
例えば、後続処理が使用する特徴量が平均心拍数である場合、瞬時心拍選択部129は、表3に示す条件を参照し、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスCに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1、#2、#3、#4のいずれかに対応する瞬時心拍の全て)を選択して後続処理に渡す。
同様に、後続処理が使用する特徴量がSDNNである場合は、瞬時心拍選択部129は、表3に示す条件を参照し、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスBに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1、#2、#3のいずれかに対応する瞬時心拍の全て)を選択して後続処理に渡す。
また、後続処理が使用する特徴量がHRVLF/HFである場合は、瞬時心拍選択部129は、表3に示す条件を参照し、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスAに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1に対応する瞬時心拍のみ)を選択して後続処理に渡す。
(クラスが2通りである場合の例)
表3では、クラスがクラスA、B、Cの3種類である場合の例を示したが、これに限らず、例えば、表1、表2に示した各心拍特徴量を、(1)瞬時心拍が計測異常R波を含まない場合と、(2)瞬時心拍が計測異常R波を含む場合との2種類のクラスに分類し、瞬時心拍選択部129で各心拍特徴量の種別に応じた所定のクラスに対応する瞬時心拍を選択するようにしてもよい。この場合の瞬時心拍分類部127や瞬時心拍選択部129の処理については、例えば、表3に示したクラスB、Cが一まとめのクラスであり、表5に示した通し番号#2〜4に対応した状態が一まとめの状態であるとして読み替えることで実施することができる。
(瞬時心拍の選択の別の例)
上記の例では、後続処理が使用する特徴量の種別に応じた選択が3通りであるが、以下のように、後続処理が使用する特徴量の種別に応じた選択が2通りであってもよい。
ここでは、表3に示した特徴量pNN50,CVI,CSI,HRVLF,HRVHF,HRVLF/HF,HRVHF/(LF+HF)がグループ「特徴量α」に属し、表3に示した特徴量SDNN,CVNN,RMSSDがグループ「特徴量β」に属し、表3に示した特徴量平均心拍量がグループ「特徴量γ」に属すると仮定する。
そして、後続処理が使用する特徴量の種別が、上記のグループ「特徴量α」または「特徴量β」に属する場合は、瞬時心拍選択部129は、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスAに分類された瞬時心拍を選択して後続処理に渡し、後続処理が使用する特徴量の種別が、グループ「特徴量γ」に属する場合は、瞬時心拍選択部129は、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスA、B、Cのいずれかに分類された瞬時心拍を選択して後続処理に渡すことができる。
別の例として、後続処理が使用する特徴量の種別が、グループ「特徴量α」に属する場合は、瞬時心拍選択部129は、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスAに分類された瞬時心拍を選択して後続処理に渡し、後続処理が使用する特徴量の種別が、グループ「特徴量β」または「特徴量γ」に属する場合は、瞬時心拍選択部129は、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスA、B、Cのいずれかに分類された瞬時心拍を選択して後続処理に渡すことができる。
(ノイズを考慮する場合の各種処理の例)
次に、正常計測状態およびアーチファクトに加えてノイズを考慮する場合の各種処理について説明する。
ここでは、瞬時心拍評価部125の内部メモリは、以下の表6に記載される、R波の計測状態の評価基準を記憶しており、瞬時心拍評価部125は、この評価基準を用い、R波関連情報記録部122に保存した情報で示されるR波の電位が3.5mV以上である場合に、当該R波の計測状態がアーチファクトであると判別する。
そして、瞬時心拍評価部125は、S3の後で、アーチファクトではないと判別されたR波について、ノイズ(正常計測状態と比較して電位の基線が一定以上変動している波形)であるかどうかの判別を行う。この判別の後は、上記のS4に代えて、瞬時心拍評価部125は,アーチファクトやノイズでないと判別されたR波を、正常計測状態のR波と判別する。
ノイズを考慮する場合、瞬時心拍評価部125は、以下の表7に示すように、2つのR波の計測結果の判別結果(正常計測状態、ノイズ、アーチファクト)が区別できるような形式で評価結果を内部メモリに保存する。本実施形態では、保存形式は特に指定しない。
ここでは、瞬時心拍評価部125は、瞬時心拍の計測状態を、表7における#1に対応する計測状態、#2に対応する計測状態、#3に対応する計測状態、#4に対応する計測状態、#5に対応する計測状態、#6に対応する計測状態、#7に対応する計測状態、#8に対応する計測状態、および#9に対応する計測状態のいずれに該当するかを評価するとして説明する。また、本実施形態では、瞬時心拍再計算部126による処理を実現するために、表7にて#2と#3、#5と#6、#7と#8とをそれぞれ分けているが、当該処理を行わない場合には、これらの#2と#3、#5と#6、#7と#8とを分けなくても良い。また、#2と#3、#5と#6、#7と#8の一部の組み合わせを分け、それ以外の組み合わせは分けない、例えば、#2と#3を分け、#5と#6、#7と#8は分けないようにしてもよい。
表7における判別結果の「R」は正常計測状態を示し、「N」はノイズを示し、「A」はアーチファクトを示す。つまり、表7における通し番号#1に対応する判別結果の「R、R」は、隣接する1つ目および2つ目のR波の計測状態の判別結果がともに正常計測状態であることを示す。表7における通し番号#2に対応する判別結果の「R、N」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態で、2つ目のR波の計測状態の判別結果がノイズであることを示す。表7における通し番号#3に対応する判別結果の「N、R」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果がノイズで、2つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態であることを示す。表7における通し番号#4に対応する判別結果の「N、N」は、隣接する1つ目および2つ目のR波の計測状態の判別結果がともにノイズであることを示す。
表7における通し番号#5に対応する判別結果の「R、A」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態で、2つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトであることを示す。表7における通し番号#6に対応する判別結果の「A、R」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトで、2つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態であることを示す。表7における通し番号#7に対応する判別結果の「N、A」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果がノイズで、2つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトであることを示す。表7における通し番号#8に対応する判別結果の「A、N」は、隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトで、2つ目のR波の計測状態の判別結果がノイズであることを示す。表7における通し番号#9に対応する判別結果の「A、A」は、隣接する1つ目および2つ目のR波の計測状態の判別結果がともにアーチファクトであることを示す。
表7における「状態の詳細」の表現では、瞬時心拍を構成する2つのR波の計測状態の判別結果の組み合わせのみを区別し、時系列の前後を区別しない。つまり、表7に示した例では、計測状態の判別結果の組み合わせは通し番号#1〜#9に対応する9通りであるが、#2、#3に対応する「状態の詳細」は同じ「片方は正常計測状態、他方はノイズ」で、#5、#6に対応する「状態の詳細」は同じ「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」で、#7、#8に対応する「状態の詳細」は同じ「片方はノイズ、他方はアーチファクト」となる。このため、表7における「状態の詳細」は6通りである。
(ノイズを考慮した場合の分類、選択の第1の例)
次に、ノイズを考慮した場合の、瞬時心拍分類部127による分類、および瞬時心拍選択部129による選択の第1の例を説明する。
瞬時心拍分類部127は、表7における#1〜#9に対応するとして評価された瞬時心拍を、瞬時心拍分類基準記録部128で規定されるクラス(以下の表8参照)に分類する。
クラスA:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」である瞬時心拍(表7に示す#1に該当すると評価された瞬時心拍)
クラスB:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」、「片方は正常計測状態、他方はノイズ」、および「2つともノイズ」のいずれかである瞬時心拍(表7に示す#1〜#4のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)
クラスC:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」、「片方は正常計測状態、他方はノイズ」、「2つともノイズ」、「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」、「片方はノイズ、他方はアーチファクト」および「2つともアーチファクト」のいずれかである瞬時心拍(表7に示す#1〜#9のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)(時間情報が正常である、すべての瞬時心拍)
つまり、表7に示す#1に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスA、B、Cのすべてに分類され、表7に示す#2〜#4に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスA、Bの双方に分類され、表7に示す#5〜#9に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスCのみに分類される。
そして、瞬時心拍選択部129は、心拍特徴量関連情報記録部130に記録される情報に基づいて、後続処理に引き渡すための瞬時心拍を選択する。
例えば、後続処理が使用する特徴量がpNN50,CVI,CSI,HRVLF,HRVHF,HRVLF/HF,HRVHF/(LF+HF)(上記のグループ「特徴量α」に属する)である場合、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスAに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1に対応する瞬時心拍のみ)を選択して後続処理に渡す。
後続処理が使用する特徴量がSDNN,CVNN,RMSSD(上記のグループ「特徴量β」に属する)である場合、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスBに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1〜#4のいずれかに対応する瞬時心拍の全て)を選択して後続処理に渡す。
後続処理が使用する特徴量が平均心拍数である場合、瞬時心拍選択部129は、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうちクラスCに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1〜#9のいずれかに対応する瞬時心拍の全て)を選択して後続処理に渡す。
(ノイズを考慮した場合の分類、選択の第2の例)
次に、ノイズを考慮した場合の、瞬時心拍分類部127による選択、および瞬時心拍選択部129による選択の第2の例を説明する。
瞬時心拍分類部127は、表7における#1〜#9に対応するとして評価された瞬時心拍を、瞬時心拍分類基準記録部128で規定されるクラス(以下の表9参照)に分類する。
クラスA:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」である瞬時心拍(表7に示す#1に該当すると評価された瞬時心拍)
クラスB:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」、「片方は正常計測状態、他方はノイズ」、「2つともノイズ」、「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」、および「片方はノイズ、他方はアーチファクト」のいずれかである瞬時心拍(表7に示す#1〜#8のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)
クラスC:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」、「片方は正常計測状態、他方はノイズ」、「2つともノイズ」、「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」、「片方はノイズ、他方はアーチファクト」および「2つともアーチファクト」のいずれかである瞬時心拍(表7に示す#1〜#9のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)(時間情報が正常である、すべての瞬時心拍)
つまり、表7に示す#1に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスA、B、Cのすべてに分類され、表7に示す#2〜#8に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスA、Bの双方に分類され、表7に示す#9に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスCのみに分類される。
そして、瞬時心拍選択部129は、心拍特徴量関連情報記録部130に記録される情報に基づいて、後続処理に引き渡すための瞬時心拍を選択する。
後続処理が使用する特徴量がpNN50,CVI,CSI,HRVLF,HRVHF,HRVLF/HF,HRVHF/(LF+HF)(上記のグループ「特徴量α」に属する)である場合、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスAに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1に対応する瞬時心拍のみ)を選択して後続処理に渡す。
後続処理が使用する特徴量がSDNN,CVNN,RMSSD(上記のグループ「特徴量β」に属する)である場合、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスBに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1〜#8のいずれかに対応する瞬時心拍の全て)を選択して後続処理に渡す。
後続処理が使用する特徴量が平均心拍数である場合、瞬時心拍選択部129は、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうちクラスCに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1〜#9のいずれかに対応する瞬時心拍の全て)を選択して後続処理に渡す。
(ノイズを考慮した場合の分類、選択の第3の例)
次に、ノイズを考慮した場合の、瞬時心拍分類部127による選択、および瞬時心拍選択部129による選択の第3の例を説明する。
瞬時心拍分類部127は、表7における#1〜#9に対応するとして評価された瞬時心拍を、瞬時心拍分類基準記録部128で規定されるクラス(以下の表10参照)に分類する。
クラスA:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」、「片方は正常計測状態、他方はノイズ」、および「2つともノイズ」のいずれかである瞬時心拍(表7に示す#1〜#4のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)
クラスB:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」、「片方は正常計測状態、他方はノイズ」、「2つともノイズ」、「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」、および「片方はノイズ、他方はアーチファクト」のいずれかである瞬時心拍(表7に示す#1〜#8のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)
クラスC:「状態の詳細」が「2つとも正常計測状態」、「片方は正常計測状態、他方はノイズ」、「2つともノイズ」、「片方は正常計測状態、他方はアーチファクト」、「片方はノイズ、他方はアーチファクト」および「2つともアーチファクト」のいずれかである瞬時心拍(表7に示す#1〜#9のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍)(時間情報が正常である、すべての瞬時心拍)(上記の第2の例と同じ)
つまり、表7に示す#1〜#4に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスA、B、Cのすべてに分類され、表7に示す#5〜#8に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスA、Bの双方に分類され、表7に示す#9に該当すると評価された瞬時心拍は、クラスCのみに分類される。
そして、瞬時心拍選択部129は、心拍特徴量関連情報記録部130に記録される情報に基づいて、後続処理に引き渡すための瞬時心拍を選択する。
後続処理が使用する特徴量がpNN50,CVI,CSI,HRVLF,HRVHF,HRVLF/HF,HRVHF/(LF+HF)(上記のグループ「特徴量α」に属する)である場合、評価されたそれぞれの瞬時心拍のうち、クラスAに分類された瞬時心拍(つまり、評価された計測状態が#1〜#4に対応する瞬時心拍)を選択して後続処理に渡す。
後続処理が使用する特徴量がSDNN,CVNN,RMSSD(上記のグループ「特徴量β」に属する)である場合、および、後続処理が使用する特徴量が平均心拍数である場合、瞬時心拍選択部129は、上記の第2の例と同じ選択を行なって後続処理に渡す。
瞬時心拍選択部129による選択の第1、第2、第3の例のいずれかを適用するかについては、R波抽出技術の特性を鑑みて自由に決定してよい。例えば、ノイズの基線変動をR波と誤検出する可能性が高ければ、上記の選択の第1、第2の例を適用してよく、ノイズによるR波抽出技術性能の低下がないなら上記の選択の第1、第2、第3の例を適用してよい。
また、上記のように、特徴量の種別に応じて3通りのいずれかで選択するのではなく、特徴量の種別に応じて2通りのいずれかで選択する場合も、R波抽出技術の特性を鑑みて上記の選択を自由に設定してよい。

以上が基本的な処理であるが、S3とS4との間に、以下の処理を含めても良い。
具体的には、瞬時心拍再計算部126は、瞬時心拍評価部125による評価の結果に基づいて瞬時心拍の再計算を行う。図3は本発明の実施形態における状態推定装置による瞬時心拍再計算の一例を示す図である。
具体的には、瞬時心拍再計算部126は、表5で示す#2、#3および#4のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍を構成する、隣接する2つのR波における、アーチファクトとして判別されたR波を棄却し、残りの正常計測状態と判別されたR波のみを用いて、隣接する2つのR波である瞬時心拍を構成する。
図5に示した例では、再計算前のR波は、時系列に沿って、R波番号「1」、「2」の「R(正常計測状態)」、R波番号「3」の「A(アーチファクト)」、R波番号「4」の「R」、R波番号「5」、「6」、「7」の「A」、R波番号「8」、「9」の「R」と判別されたR波である。
これに対し、瞬時心拍再計算部126は、R波番号「3」、「5」、「6」、「7」の「A」と判別されたR波を棄却し、残りのR波番号「1」、「2」、「4」、「8」、「9」の「R」と判別されたR波を用いて、1つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「1」、「2」に対応する2つのR波で構成)、2つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「2」、「4」に対応する2つのR波で構成)、3つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「4」、「8」に対応する2つのR波で構成)、4つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「8」、「9」に対応する2つのR波で構成)を構成する。
これら再計算後の、瞬時心拍評価部125による、瞬時心拍の計測状態の評価は、表5に示す「#1(2つとも正常計測状態)」のみとなる。
次に、本発明によって生じる効果について説明する。
本発明の実施形態における状態推定装置は、瞬時心拍を構成する二つのR波の電位情報に基づいてR波の計測状態を評価および分類し、後続処理で算出対象となる心拍特徴量の特性に基づいて、分類した瞬時心拍のなかから当該特徴量の算出に用いる瞬時心拍を選択する。これにより、計測異常に由来する心拍特徴量の精度低下を低減することが可能となる。
また、本実施形態における状態推定装置は、瞬時心拍分類基準記録部128および心拍特徴量関連情報記録部130を用いて、(1)計測異常R波を含まない瞬時心拍と、(2)計測異常R波を含まない瞬時心拍の2種類を少なくとも区別できるようにすることで、1つ1つの瞬時心拍の影響を受けやすい、pNN50,CVI,CSI,HRVLF,HRVHF,HRVLF/HF,HRVHF/(LF+HF)(表3に示すクラスAの瞬時心拍に対応する心拍特徴量)の精度を担保することができる。
本実施形態では、最低でも2種類の瞬時心拍((1)計測異常R波を含まない瞬時心拍と、(2)計測異常R波を含まない瞬時心拍)を判別することを要件とするが、本実施形態のように、瞬時心拍分類基準記録部128および心拍特徴量関連情報記録部130に3種類以上のクラスを想定することで、心拍特徴量の精度と解析に使用できる瞬時心拍数の担保をより柔軟に決定することが可能になる。
例えば、実施例のクラスAとクラスBの間に、以下の条件で規定されるクラスを新たに設け、pNN50が対応するクラスとすることで、pNN50の精度を担保しつつ、同じ計測結果の条件のもとで、このクラスを設けない場合と比較して、多くのデータを特徴量pNN50の算出に使用することが可能となる。
(条件)「瞬時心拍を構成する二つのR波が、両方とも計測異常R波であるものを除外した瞬時心拍であって、かつ、隣接する二つの瞬時心拍の差分値が前後と同等であるもの。具体的な例としては、対象となる瞬時心拍の前後n個の瞬時心拍において、隣接する二つの瞬時心拍の差分値が一定以下、例えば40[msec]以下のものについては、R波の一方がアーチファクトであっても許容する。」
さらに、瞬時心拍再計算部126により、瞬時心拍を構成する2つのR波の情報に基づき、計測異常と考えられる異常な瞬時心拍を棄却することで、すべての心拍特徴量の計算で同等の精度を担保することも可能となる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
10…状態推定装置、11…心電図計測部、12…状態推定部、121…R波抽出部、122…R波関連情報記録部、123…瞬時心拍算出部、124…瞬時心拍記録部、125…瞬時心拍評価部、126…瞬時心拍再計算部、127…瞬時心拍分類部、128…瞬時心拍分類基準記録部、129…瞬時心拍選択部、130…心拍特徴量関連情報記録部。

Claims (8)

  1. 被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出した、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出する算出手段と、
    前記抽出手段により抽出した、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、当該R波の間隔である、前記算出手段により算出した瞬時心拍の計測状態を評価する評価手段と、
    前記評価手段により評価した瞬時心拍を、当該評価の種別に応じて、心拍特徴量の種別に応じた複数種類のクラスのいずれかに分類する分類手段と、
    前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、所望の種別の心拍特徴量が対応するクラスに分類された瞬時心拍を選択する選択手段とを備える状態推定装置。
  2. 前記R波の計測状態は、前記R波の第1の計測状態および前記R波の第2の計測状態を含み、
    前記R波の第1の計測状態は、当該R波の電位が条件を満たす大きさとなる異常計測状態であり、
    前記R波の第2の計測状態は、当該R波の電位が前記条件を満たす大きさとならない正常計測状態である請求項1に記載の状態推定装置。
  3. 前記瞬時心拍の計測状態は、前記瞬時心拍の第1の計測状態、および前記瞬時心拍の第2の計測状態を含み、
    前記瞬時心拍の前記第1の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方および他方のR波の計測状態がいずれも前記正常計測状態であることを示し、
    前記瞬時心拍の前記第2の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する第1のR波の計測状態および前記構成する第2のR波の計測状態の少なくとも一方が前記異常計測状態であることを示し、
    前記クラスは、第1のクラス、および第2のクラスを含み、
    前記分類手段は、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第1のクラスに分類し、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第2のクラスに分類し、
    前記選択手段は、
    前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、前記心拍特徴量の所望の種別が第1の種別であるときに、前記第1のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第2の種別であるときに、前記第2のクラスに分類された瞬時心拍を選択する請求項2に記載の状態推定装置。
  4. 前記瞬時心拍の計測状態は、前記瞬時心拍の第1の計測状態、前記瞬時心拍の第2の計測状態、および前記瞬時心拍の第3の計測状態を含み、
    前記瞬時心拍の前記第1の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方および他方のR波の計測状態がいずれも前記正常計測状態であることを示し、
    前記瞬時心拍の前記第2の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態が前記正常計測状態で、他方の計測状態が前記異常計測状態であることを示し、
    前記瞬時心拍の前記第3の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方および他方のR波の計測状態がいずれも前記異常計測状態であることを示し、
    前記クラスは、第1のクラス、第2のクラス、および第3のクラスを含み、
    前記分類手段は、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第1のクラスに分類し、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第2のクラスに分類し、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第3の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第3のクラスに分類し、
    前記選択手段は、
    前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、前記心拍特徴量の所望の種別が第1の種別であるときに、前記第1のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第2の種別であるときに、前記第2のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第3の種別であるときに、前記第3のクラスに分類された瞬時心拍を選択する請求項2に記載の状態推定装置。
  5. 前記R波の計測状態は、前記R波の第1の計測状態、前記R波の第2の計測状態、および前記R波の第3の計測状態を含み、
    前記R波の第1の計測状態は、当該R波の電位が条件を満たす大きさとなる異常計測状態であり、
    前記R波の第2の計測状態は、当該R波の電位が前記条件を満たす大きさとならない一方で、前記R波の電位の基線の動揺が条件を満たす大きさとなるノイズであり、
    前記R波の第3の計測状態は、前記異常計測状態および前記ノイズに該当しない正常計測状態であり、
    前記瞬時心拍の計測状態は、前記瞬時心拍の第1の計測状態、前記瞬時心拍の第2の計測状態、および、前記瞬時心拍の第3の計測状態を含み、
    前記瞬時心拍の前記第1の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態および他方のR波の計測状態の組み合わせが、第1の条件を満たす組み合わせであることを示し、
    前記瞬時心拍の前記第の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態および他方のR波の計測状態の組み合わせが、第2の条件を満たす組み合わせであることを示し、
    前記瞬時心拍の前記第の計測状態は、当該瞬時心拍を構成する一方のR波の計測状態および他方のR波の計測状態の組み合わせが、第3の条件を満たす組み合わせであることを示し、
    前記クラスは、第1のクラス、第2のクラス、および第3のクラスを含み、
    前記分類手段は、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第1のクラスに分類し、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第2のクラスに分類し、
    前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第1の計測状態にあると評価した瞬時心拍、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第2の計測状態にあると評価した瞬時心拍、および、前記評価手段により前記瞬時心拍の前記第3の計測状態にあると評価した瞬時心拍を前記第3のクラスに分類し、
    前記選択手段は、
    前記分類手段により分類された各クラスの瞬時心拍のうち、前記心拍特徴量の所望の種別が第1の種別であるときに、前記第1のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第2の種別であるときに、前記第2のクラスに分類された瞬時心拍を選択し、前記心拍特徴量の所望の種別が第3の種別であるときに、前記第3のクラスに分類された瞬時心拍を選択する請求項1に記載の状態推定装置。
  6. 前記評価手段は、
    前記抽出手段により抽出した、時系列で隣接する2つのR波から、前記評価手段により前記異常計測状態にあると判別したR波を棄却した状態で、前記正常計測状態と判別されたR波の間隔である瞬時心拍の計測状態を評価する請求項2に記載の状態推定装置。
  7. 装置に適用される方法であって、
    被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出し、
    前記抽出した、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出し、
    前記抽出した、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、当該R波の間隔である、前記算出した瞬時心拍の計測状態を評価し、
    前記評価した瞬時心拍を、当該評価の種別に応じて、心拍特徴量の種別に応じた複数種類のクラスいずれかに分類し、
    前記分類された各クラスの瞬時心拍のうち、所望の種別の心拍特徴量が対応するクラスに分類された瞬時心拍を選択する状態推定方法。
  8. 請求項1に記載の状態推定装置の一部分として動作するコンピュータに用いられるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記抽出手段、前記算出手段、前記評価手段、前記分類手段、および前記選択手段
    として機能させるための状態推定処理プログラム。
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