JP6689137B2 - 鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット - Google Patents
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Description
このボールコック100(図7参照)は、弁体として、配管パイプの内径と同径の貫通孔を有するボールがボディ内部に配置されており、このボールとボディ外部に配置された操作レバー100bとが、ステム100aによって連結された構造を有している。そして、操作レバー100bを90°回転させ、配管パイプとボールの貫通孔との位相を変化させることで、ボールコック100の流路は全開ないし閉止状態となる。ボールコックの開閉操作は、通常は作業者の手作業により行われるものであり、操作性を考慮して、作業者が床下に潜り込むことなく開閉操作ができるように、車両の妻面ないし側面の近傍に、かつ、作業者の手が容易に届く位置に配置されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ボールコックの開閉操作を作業者の操作性に優れた位置において行うことを可能としつつ、鉄道車両の床下配管を構成するための継手及び直管の数の増加を防ぐことにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、床下配管に組み込まれたボールコックのステムが、ステムに装着されたステム装着部の、ステムと一体に回転可能に連結される連結部を介して、操作部により回転操作されるものである。この際、操作部の、ステム装着部とは離間した位置において回転可能に配置された操作ハンドルの回転動作が、動作伝達部によってステム装着部の連結部に伝達される。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、ワイヤロープを保持するブラケットにより、鉄道車両の床下設置物を避けるように湾曲させることで、ワイヤロープの引き回し経路を、鉄道車両の床下機器のレイアウトに応じ、適切に設定するものとなる。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、ブラケットが、ワイヤロープの引き回し経路に沿って延びるものであることから、ワイヤロープは、鉄道車両の床下機器のレイアウトに応じ適切に引き回されることとなる。又、ブラケットがワイヤロープに対して鉄道車両の妻面寄りに配置されていることから、ブラケットがワイヤロープの保護カバーとしても機能し、鉄道車両の走行中に飛散物等がワイヤロープに衝突して、不具合が生じることを回避するものとなる。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、ステム装着部に設けられた、連結部と一体に回転可能に固定されたステム側ハンドルが、ステムの回転を受けて回転するものである。このステム側ハンドルは、操作部の操作ハンドルによるボールコックの開閉動作に応じて回転することから、作業者が、ボールコックの開閉動作を、ボールコックの設置場所から離れた位置において、目視により確認し得るものとなる。又、操作部によるボールコックの開閉操作に支障が生じるような場合であっても、ステム側ハンドルを用いて連結部を回転させることで、ボールコックの開閉操作を行い得るものとなる。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、上記(1)項の構成において、ステム装着部に設けられた、連結部と一体に回転可能に固定されたステム側ハンドルが、ステムの回転を受けて回転するものである。このステム側ハンドルは、操作部の操作ハンドルによるボールコックの開閉動作に応じて回転することから、作業者が、ボールコックの開閉動作を、ボールコックの設置場所から離れた鉄道車両の妻面、側面ないし床下の位置において、目視により確認し得るものとなる。又、操作部によるボールコックの開閉操作に支障が生じるような場合であっても、ステム側ハンドルを用いて連結部を回転させることで、ボールコックの開閉操作を行い得るものとなる。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、動作伝達部が、弾性を有して湾曲可能な線状部材からなるものであり、湾曲して鉄道車両の床下設置物を避けるように配置されて、その一端部が連結部に、他端部が操作ハンドルに接続されることで、連結部の軸線と操作ハンドルの回転軸の軸線とが一致していなくとも、操作ハンドルの回転動作が、動作伝達部によってステム装着部の連結部に伝達されるものである。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、ワイヤロープを保持するブラケットにより、鉄道車両の床下設置物を避けるように湾曲させることで、ワイヤロープの引き回し経路を、鉄道車両の床下機器のレイアウトに応じ、適切に設定するものとなる。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、ブラケットが、ワイヤロープの引き回し経路に沿って延びるものであることから、ワイヤロープは、鉄道車両の床下機器のレイアウトに応じ適切に引き回されることとなる。又、ブラケットがワイヤロープに対して鉄道車両の妻面寄りに配置されていることから、ブラケットがワイヤロープの保護カバーとしても機能し、鉄道車両の走行中に飛散物等がワイヤロープに衝突して、不具合が生じることを回避するものとなる。
(11)上記(5)、(8)から(10)項において、前記ワイヤロープを二本備え、前記ステム側ハンドルと前記操作ハンドルとは同方向又は逆方向に回転するよう選択可能に、前記ステム側プーリの回転対称位置に、前記二本のワイヤロープの各一端部が係合され、前記操作部側プーリの回転対称位置に、前記二本のワイヤロープの各他端部が係合されている鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット(請求項8)。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、二本のワイヤロープをその案内経路の途中で交差させて、ステム側プーリに対する各端部の位置を入れ替え、又は、操作部側プーリに対する各他端部の位置を入れ替えるように係合させることにより、ステム側ハンドルと操作ハンドルとが同方向又は逆方向に、選択的に回転するように構成されるものである。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、一つのステム装着部と組をなす操作部を二つ備え、いずれの操作部によってもステム装着部を介したボールコックの開閉操作が可能なものである。しかも、二つの操作部が離間した異なる位置、例えば、鉄道車両の両妻面寄りないし両側面寄りの位置や、一方が車外に他方が車内に配置されていることで、作業者において操作が容易な適切な位置にて、ボールコックの開閉操作が可能なものである。
本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニットは、床下配管には複数のボールコックが組み込まれ、このうち少なくとも二つのボールコックのステムにステム装着部が装着されていることから、これらステム装着部が装着されたボールコックについては、ボールコックの位置の如何にかかわらず、ボールコックの開閉操作が、作業者の操作性に優れた位置において行われるものとなる。又、各ステム装着部と組をなす操作部が、鉄道車両の特定個所(例えば、鉄道車両の両妻面寄りないし両側面寄りの位置)に集中して配置されていることで、複数のボールコックの開閉操作を、鉄道車両の特定個所において行い得るものとなる。
ステム装着部12は、ステム100aと一体に回転可能に連結される連結部16を備えている。図示の例では、連結部16として、適切な構造によりボールコック100のステム100aを延長する態様で、ステム100aと一体に回転可能に固定される、軸体状の延長ステムが用いられている。一方、操作部14は、ステム装着部12とは離間した位置において、回転可能に配置される操作ハンドル18と、操作ハンドル18の回転動作をステム装着部12の連結部16に伝達する、動作伝達部20とを備えている。
更に、ステム装着部12には、連結部16と一体に回転可能に固定され、ステム側ハウジング24の外部に露出する、ステム側ハンドル36が設けられている
なお、ワイヤロープ26は、合成樹脂材料や金属メッシュ等で構成された保護チューブ52に被覆されており、保護チューブの両端部には、ステム側ハウジング24及び操作部側ハウジング40の、ワイヤロープ26の相通穴に対して、着脱可能に装着されるアタッチメント54が設けられている。
このブラケット56は、ワイヤロープ26の引き回し経路に沿って延び、かつ、ワイヤロープ26に対して鉄道車両の妻面寄り(図3を参酌すると、紙面手前寄り)に配置されている。図示の例では、適切に湾曲した板材からなる二つのブラケット56A、56Bが用いられており、これらのブラケット56A、56Bは、鉄道車両の床下構造部58(図3にその一部が表れている)に、適切に固定されている。そして、ブラケット56A、56Bに装着された複数の適切な取付金具(図示省略)によって、ワイヤロープ26の中間部の適切な位置が、ブラケット56A、56Bに固定されている。ブラケット56A、56Bには、取付金具60を装着するための、複数の開孔56hが形成されており、適宜、取付金具60の位置を調整可能である。又、ブラケット56Bは支持部材50に固定されており、ブラケット56Bに対してステー49が固定されている。
図4には、図3に例示される配管構成、すなわち、図7に示される従来の鉄道車両の床下配管に、図1から図3に示されるボールコックの操作ユニット10を採用して、配管構成した場合の配管図11が示されている。
更に、床下配管に複数のボールコック100が組み込まれる場合には、このうち少なくとも二つのボールコック100のステム100aにステム装着部12が装着され、各ステム装着部12と組をなす操作部14が、鉄道車両の特定個所、例えば先頭妻面近傍に集中して配置されるように構成することとしてもよい。
操作部74は、ステム装着部72とは離間した位置において、回転可能に配置される操作ハンドル78と、操作ハンドル78の回転動作をステム装着部72の連結部76に伝達する動作伝達部80としての、上述したフレキシブルシャフトを備えている。この動作伝達部80は、弾性を有して湾曲可能な線状部材であり、なおかつ、操作ハンドル78の回転動作を連結部76に伝達可能な剛性を有するものであれば良い。そして、動作伝達部80は、鉄道車両の床下設置物を避けるようにして適切に湾曲し、一端部が連結部76に、他端部が操作ハンドル78に接続されているものである。図5、図6の例では、動作伝達部80は直線状に伸びているが、適宜、動作伝達部80が鉄道車両の床下設置物を避けるように湾曲して延びることで、床下設置物のレイアウトの如何に関わらず、操作ハンドル78は、ボールコック100の開閉操作を作業者が行うに際して、操作性に優れた位置に配置される。
図6には、図7に示される従来の鉄道車両の床下配管に、図5に示されるボールコックの操作ユニット70を採用して、配管構成した場合の配管図11’が示されている。
すなわち、本項に記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット10、70は、床下配管11、11’に組み込まれたボールコック100のステム100aが、ステム100aに装着されたステム装着部12、72の、ステム100aと一体に回転可能に連結される連結部16、76を介して、操作部14、74により回転操作されるものである。この際、操作部14、74の、ステム装着部12、72とは離間した位置において、回転可能に配置された操作ハンドル18、78の回転動作が、動作伝達部20、80によってステム装着部12、72の連結部16、76に伝達される。又、動作伝達部20、80は、弾性を有して湾曲可能な線状部材からなるものであり、湾曲して鉄道車両の床下設置物を避けるように配置されて、その一端部が連結部16、76に、他端部が操作ハンドル18、78に接続されることで、操作ハンドル18、78の回転動作が、動作伝達部20、80によってステム装着部12、72の連結部16、76に伝達されるものである。
従って、従来の配管構成を示す図7と、本発明の実施の形態に係る配管構成を示す図4、図6との比較から明らかなように、ボールコック100の開閉操作を、作業者の操作性に優れた位置において行うことを可能とする位置に、操作ハンドル18、78を配置しつつ、配管構成の複雑化を防いで、必要な継手102及び直管104の数を減少させることが可能となる。このため、これらの接続に要する作業工数も減少させることが可能となり、総じて、鉄道車両の床下配管の、コスト削減に寄与することが可能となる。特に、図1から図4に示される実施の形態は、動作伝達部20を床下設置物のレイアウトに応じて柔軟に変形させて設置することにより、ステム装着部12及び操作部14のレイアウトの自由度が高くなり、必要な継手102及び直管104減少効果も、より高いものとなる。
更に、図5、図6の例では、動作伝達部80を構成する線状部材として、弾性変形可能な材料からなるフレキシブルシャフトを用いた場合を例示して説明したが、鋼管等の剛体を動力伝達部80に採用することとしても良い。この場合においても、連結部76の軸線(ステム100aの軸線)と操作ハンドル78の回転軸の軸線と一致させた状態で、かつ、動作伝達部80が鉄道車両の床下設置物と干渉することなく配置されることで、上記実施例と同様の作用効果が得られるものとなる。又、図1から図4の例においても、ワイヤロープ26に換えて、ロッド等を用いる場合も同様である。
Claims (10)
- 鉄道車両の床下配管に組み込まれたボールコックの操作ユニットであって、
前記ボールコックのステムに装着され該ステムを回転駆動するステム装着部と、該ステム装着部を介して前記ステムを回転操作する操作部とを含み、
前記ステム装着部は、前記ステムと一体に回転可能に連結される連結部と、該連結部と一体に回転可能に固定されたステム側プーリと、該ステム側プーリを内部に収容するステム側ハウジングとを備え、
前記操作部は、前記ステム装着部とは離間した位置において、回転可能に配置される操作ハンドルと、該操作ハンドルと一体に回転可能に固定された操作部側プーリと、該操作部側プーリを内部に収容する操作部側ハウジングと、前記操作ハンドルの回転動作を前記ステム装着部の連結部に伝達する動作伝達部とを備え、
該動作伝達部は、鉄道車両の床下設置物と干渉することなく、その一端部が前記連結部に、他端部が前記操作ハンドルに接続される線状部材を備え、
該線状部材として、一端部が前記ステム側ハウジング内部に案内されて前記ステム側プーリに連結され、他端部が前記操作部側ハウジング内部に案内されて前記操作部側プーリに連結されるワイヤロープを備え、
該ワイヤロープを、鉄道車両の床下設置物を避けるように湾曲させて保持するブラケットを含み、
該ブラケットは、前記ワイヤロープの引き回し経路に沿って延び、かつ、前記ワイヤロープに対して鉄道車両の妻面寄りに配置されていることを特徴とする鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。 - 前記ステム装着部には、前記連結部と一体に回転可能に固定された、ステム側ハンドルが設けられていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。
- 鉄道車両の床下配管に組み込まれたボールコックの操作ユニットであって、
前記ボールコックのステムに装着され該ステムを回転駆動するステム装着部と、該ステム装着部を介して前記ステムを回転操作する操作部とを含み、
前記ステム装着部は、前記ステムと一体に回転可能に連結される連結部を備え、
前記操作部は、前記ステム装着部とは離間した位置において、回転可能に配置される操作ハンドルと、該操作ハンドルの回転動作を前記ステム装着部の連結部に伝達する動作伝達部とを備え、
該動作伝達部は、線状部材であって、鉄道車両の床下設置物と干渉することなく、その一端部が前記連結部に、他端部が前記操作ハンドルに接続され、前記ステム装着部には、前記連結部と一体に回転可能に固定された、ステム側ハンドルが設けられ、該ステム側ハンドルが前記床下設置物に遮られることなく目視により確認可能となる鉄道車両の妻面、側面ないし床下の位置に、前記操作部が配置されていることを特徴とする鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。 - 前記動作伝達部は、弾性を有して湾曲可能な線状部材であって、鉄道車両の床下設置物を避けるようにして湾曲し、その一端部が前記連結部に、他端部が前記操作ハンドルに接続されていることを特徴とする請求項3記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。
- 前記ステム装着部は、前記連結部と一体に回転可能に固定されたステム側プーリと、該ステム側プーリを内部に収容するステム側ハウジングとを備え、
前記操作部は、前記操作ハンドルと一体に回転可能に固定された操作部側プーリと、該操作部側プーリを内部に収容する操作部側ハウジングと、前記動作伝達部として、一端部が前記ステム側ハウジング内部に案内されて前記ステム側プーリに連結され、他端部が前記操作部側ハウジング内部に案内されて前記操作部側プーリに連結されるワイヤロープと、を備えることを特徴とする請求項4記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。 - 前記ワイヤロープを、鉄道車両の床下設置物を避けるように湾曲させて保持するブラケットを含むことを特徴とする請求項5記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。
- 前記ブラケットは、前記ワイヤロープの引き回し経路に沿って延び、かつ、前記ワイヤロープに対して鉄道車両の妻面寄りに配置されていることを特徴とする請求項6記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。
- 前記ワイヤロープを二本備え、前記ステム側ハンドルと前記操作ハンドルとは同方向又は逆方向に回転するよう選択可能に、前記ステム側プーリの回転対称位置に、前記二本のワイヤロープの各一端部が係合され、前記操作部側プーリの回転対称位置に、前記二本のワイヤロープの各他端部が係合されていることを特徴とする請求項2、5から7のいずれか1項記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。
- 一つの前記ステム装着部と組をなす前記操作部を二つ備え、該二つの操作部が離間した異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。
- 前記床下配管には複数のボールコックが組み込まれ、このうち少なくとも二つのボールコックのステムに前記ステム装着部が装着され、各ステム装着部と組をなす前記操作部が、鉄道車両の特定個所に集中して配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の鉄道車両用配管のボールコックの操作ユニット。
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