JP6689011B2 - 多位置フィルタ取り付け装置 - Google Patents

Description

本開示は大まかに言えば、インタンク式ポンプ集成体上に設置するためのインタンク式フィルタに関し、より具体的には、結合するユニット、例えば燃料ポンプに設けられた保持ポストに対する多様な配向のうちのいずれか１つの配向でフィルタを組み付けて位置決めするための多位置的な実用性を有する、インタンク式燃料フィルタ上のコネクタに関する。

本開示は大まかにいえばインタンク式フィルタ、例えば燃料システム内に設置するための燃料フィルタに関する。燃料システムにおいて、コンベンショナルなソックス型のインタンク式燃料フィルタは、濾材と、燃料ポンプにフィルタを取り付けるコネクタとから成っている。濾材は、ソックス構造として形成されており、燃料又は他の液体からの汚染物を濾過又は除去するために使用される。ソックス型フィルタを流過する液体は極めて多くの場合、フィルタの外側から内側へ指向的に流れる。濾材の一部には、金属又はプラスチックのコネクタが取り付けられている。コネクタは、燃料ポンプ又は他の吸い込み流装置にフィルタを取り付けるために使用される。自動車分野では多様な燃料ポンプの構造が使用されており、いくつかの燃料ポンプは、ポンプのエンドプレート上へ鋳造され、成形され、又は組み付けられた保持ポスト又はピンを有している。保持ポストは典型的には外方に向かって延びており、ポンプの流体入口ポートの傍らに配置されている。この保持ポストは、フィルタ上に配置されたコネクタ上へ燃料ポンプを固定して配置するために使用される。フィルタのコネクタは通常、締まり嵌めによってポストに嵌合し、これにより輸送、設置、又は操作中にフィルタが抜け落ちないことを保証する。フィルタのコネクタは、燃料ポンプの入口とのプレス嵌めを維持するように、フィルタの出口の周りに取り付けられた金属膨潤リング（metal swell ring）を有していてもいなくてもよい。

特許文献１及び特許文献２は技術の現況に言及しており、これらは全体的に参照することにより本明細書中に援用される。

米国特許第５，６６５，２２９号明細書 米国特許第８，７１５，４９７号明細書

本開示は、複数のプラスチック保持器位置を備えた１つのフィルタであって、これらのプラスチック保持器位置が、ポンプ入口にフィルタを結合するためにフィルタに取り付けられたプラスチックポート内に組み込まれている、フィルタを提供することによって、それぞれが入口ポート及び保持器の異なる配向を有するいくつかのフィルタを製造する際の付加的なコストを排除する。

一実施態様では、ソックス型フィルタが、フィルタの出口の周りの半径方向の完全な円全体にわたって延びる陥凹溝を備えたコネクタを含む。このような陥凹溝は、ポンプの保持ポストをフィルタのプラスチック成形コネクタ内へ無限に位置決めするのを可能にする。この陥凹溝は、それを通してポンプの保持ポストが取り付けられる位置決めラグ又は穴として機能する。他の変更形では陥凹溝は、３６０度未満にわたって延びていてよいが、しかし、複数の保持ポスト位置を提供し、ひいてはポンプに対する濾材の複数の位置を提供するために、４５度よりも大きい角度にわたって延びることが好ましい。さらなる変更形において、陥凹溝は段状であってよく、すなわち、種々異なるサイズの保持ポストに対応するために、異なる高さにおいて多様な直径を有することができる。

第二実施態様では、ソックス型フィルタは、ホイールのスポークに似た、フィルタの出口の周りの複数のスロット又はポケットを有するプラスチック成形コネクタを含むことにより、フィルタのプラスチック・コネクタ内へポンプの保持ポストを複数の有限の位置で位置決めすることができる。有限のスロットは、それを通してポンプの保持ポストが取り付けられる位置決めラグ又は穴として機能する。

組み付けやすさのために、陥凹溝又はスロットは漏斗状、例えば円錐台形の壁を有することにより、保持ポストが溝又はスロット内へ挿入される際の起点となるポストとコネクタとの最初の係合時にセンタリングガイドとして機能することができる。溝の一方又は両方の壁に畝部を配置することにより、ポストを保持する際により多くの力を得るために保持ポストとの付加的な干渉をもたらすこともできる。

第三実施態様は、出口ポートの周囲に一体的に形成されたタブ及び保持器の構造を用いており、複数のタブが、出口ポートの周りのいくつかの半径方向アパーチャ取り付け位置のうちのいずれか１つにポンプの保持ポストを固定するためのアパーチャ穴を有している。これらのアパーチャ穴は、燃料ポンプの本体に対してフィルタを位置決めするのに役立ち、また、燃料ポンプの保持ポストを把持することによって、燃料ポンプの本体にフィルタを固定するための保持フィーチャとして役立つ。

フィルタの実施態様のいずれにおいても、コネクタ（又はスタック）に回転防止位置決めタブを成形、又は他の形式で取り付けることにより、フィルタを所定の位置又は基準点に位置決めする手段を提供することができる。この基準点は、コネクタのアパーチャ穴をフィルタ本体、又は結合するユニット、例えば燃料ポンプ、モジュール缶、又は燃料タンクの本体に整合させるためのものであってよい。この回転防止位置決めタブは、フィルタ本体を、燃料送達モジュールの本体に対して所要方向に整合させ、そして燃料タンク内で位置決めするための手段を提供する。

前述のものに基づく実施態様は、ポンプの保持ポストに対する多様な配向のうちのいずれか１つに使用することができるフィルタであって、燃料送達モジュールの本体に対する燃料ポンプの多様な配向、及び燃料タンク内の位置のためにただ１つのフィルタ構造を利用するフレキシビリティをもたらすフィルタを提供する。フィルタ上のプラスチック・コネクタは、フィルタを把持してこれをポンプ保持ポストに固定するのに役立つ。このような固定した取り付けは、フィルタが組み付け中、包装中、及び使用中にポンプから外れないことを保証するために必要である。フィルタ上に配置された回転防止位置決めタブは、システム内の基準位置にフィルタを位置決めするのに役立つ。

図１は、本明細書中に記載されたソックス型フィルタを組み入れることができる燃料ポンプ集成体を有する自動車用燃料タンクを示す概略側面図である。 図２は、現行の技術を示す拡大部分断面図である。 図３は、フィルタ本体と平行に位置決めされたポンプ・ポスト取り付け穴を備えたソックス型フィルタを示す絵画図である。 図４は、フィルタ本体に対して１２０度で位置決めされたポンプ・ポスト取り付け穴を備えたソックス型フィルタを示す絵画図である。 図５Ａは、本開示に基づく第１模範実施態様を示す上面詳細図である。 図５Ｂは、本開示に基づく第１模範実施態様を示す側面詳細図である。 図５Ｃは、本開示に基づく第１模範実施態様の取り付け機能を示す側面詳細図である。 図６は、本開示に基づく第１模範実施態様を示す上面図である。 図７は、フィルタ本体及びポンプ保持ポスト本体に取り付けられた第１模範実施態様を示す破断図である。 図８は、第１模範実施態様を示す等角図である。 図９は、第１実施態様の等角図を破断して示す図である。 図１０は、第１模範実施態様の等角図を、係合面の周りに保持畝部を有する状態で破断して示す図である。 図１１Ａは、本開示に基づく第２実施態様を示す上面詳細図である。 図１１Ｂは、本開示に基づく第１実施態様を示す側面詳細図である。 図１１Ｃは、本開示に基づく第１実施態様の４つの壁の取り付け機能を示す上面詳細図である。 図１１Ｄは、本開示に基づく第１実施態様の２つの壁の取り付け機能を示す上面詳細図である。 図１２は、本開示に基づく第２実施態様を示す上面図である。 図１３は、フィルタ本体及びポンプ保持ポスト本体に取り付けられた第２模範実施態様を示す破断図である。 図１４は、第２模範実施態様を示す等角図である。 図１５は、第２模範実施態様を示す破断等角図である。 図１６は、第２模範実施態様を、保持ポストに対する係合面の周りに保持畝部を有する状態で示す破断等角図である。 図１７は、第１模範実施態様を、無限溝が入口の周りで半径方向の完全な円よりも短く終わっている状態で示す等角図である。 図１８は、第２模範実施態様を、無限溝が入口の周りで半径方向の完全な円よりも短く終わっている状態で示す等角図である。 図１９は、本開示に基づく第３模範実施態様を示す等角図である。 図２０は、本開示に基づく第３模範実施態様を示す破断等角図である。 図２１は、本開示に基づく第３模範実施態様を示す側面図である。 図２２は、第３模範実施態様を、本開示に基づく回転防止位置決めタブを有する、４つのアパーチャ穴位置を備えた状態で示す等角図である。 図２３は、第３模範実施態様を、本開示に基づく回転防止位置決めタブを有する、６つのアパーチャ穴位置を備えた状態で示す等角図である。 図２４は、６つのアパーチャ穴位置と本開示に基づく回転防止位置決めタブとを有するソックス型フィルタを示す絵画図である。 図２５は、燃料ポンプの保持ポストに対する回転防止位置決めタブを有するフィルタ・スタックの集成体を示す絵画図である。 図２６は、本開示に基づくリング・膨潤リング集成体を有する、濾材に対する６アパーチャ穴スタックから成る集成体スタックを示す絵画図である。 図２７は、回転防止位置決めタブを有する、組み付けられた４つのアパーチャ穴スタックを示す絵画図である。

全ての図面は例示を目的とするにすぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。図面は概ね原寸に比例しているが、いくつかの特徴は原寸に真に比例していないことがあり、本発明の種々の態様のある特定の詳細を強調するのに役立っている。図面における種々異なる実施態様間の共通の要素は共通の符号を有している。

図１〜４は概ね、燃料タンクのためのソックス型フィルタの従来技術の構造を示している。図１は、フィルタ１０が取り付けられた燃料ポンプ集成体４４を有する自動車用燃料タンクを示す側面図であり、燃料ポンプ集成体４４はモジュール缶４８内部に配置されており、そしてまとめて燃料タンク４０内部に配置されている。インタンク式液体送達システムのためのいくつかの構造形態において、モジュール缶４８は排除され、フィルタ１０は燃料タンク４０と直接に接触した状態で配置される。

図２は、燃料ポンプ集成体４４を示す概略図である。燃料ポンプ集成体４４は、燃料ポンプ４６と、円筒形入口取り付け具１８と、保持ポスト５０とを含む。フィルタ１０はフィルタ本体１２と、フィルタ本体１２に取り付けられた出口ポート１４と、出口ポート１４に一体的に形成された保持器１６とを有している。フィルタ本体１２は、燃料（又は他の液体）から汚染物質を濾過するための濾材を含み、そしてソックス型フィルタ本体１２であることが好ましい。円筒形入口取り付け具１８は燃料ポンプ４６からフィルタ１０へ向かって延びており、そして燃料がフィルタ１０から入口取り付け具１８を通って燃料ポンプ４６内へ流れる全般的な方向を示す中心流れ軸線Ｚを定義している。

保持ポスト５０は、燃料ポンプ４６の本体に対して半径方向に固定的な位置を占めている。保持器１６は、フィルタ本体１２に対して半径方向に固定的な位置を占めている。したがって、燃料ポンプ４６に対するフィルタ本体１２の配向は、保持器１６に対する保持ポスト５０の位置決めによって固定される。「半径方向に」という用語は中心軸線Ｚの周りに配置された位置を示す。フィルタ本体１２は、燃料を濾過するのに適した濾材が充填された多孔質の織布又は不織布のエンベロープから形成されている。保持ポスト５０は好ましくは円筒形であり、燃料ポンプ４６の底部に固定されている。保持ポスト５０は、入口取り付け具１８から所定の間隔を置いて、流れ軸線Ｚに対して平行に延びている。保持ポスト５０と保持器１６との間のこのような固定的な位置決めは、燃料ポンプ４６に対するフィルタ本体１２の位置を定める。燃料ポンプ４６を燃料ポンプ集成体４４に組み付けると、燃料ポンプ４６の半径方向位置が燃料タンク４０に対して固定される。

図３及び４は、ソックス型フィルタ１０の２つの異なる構造を示している。図３は、フィルタの端部にフィルタの最長寸法に対して平行に位置決めされた保持器１６内に穴を備えたソックス型フィルタ１０を示している。図４は、図３の位置からほぼ１２０度のところに配置された保持器１６内に穴を備えたソックス型フィルタ１０を示している。燃料ポンプに組み付けられると、各フィルタ本体は、燃料ポンプ保持ポストに対して外方に向かって異なる方向に延びることになる。

燃料ポンプ集成体４４がタンク内へ組み付けられると、保持器１６（又はコネクタ又はスタック）から外方に向かってフィルタ本体が延びる位置は、モジュール缶４８又は燃料タンク４０に対して固定される。フィルタ本体は、モジュール缶４８及び燃料タンク４０の領域から燃料を吸引し、そして燃料から汚染物を濾過又は除去するために使用される。燃料タンク４０の種々異なるサイズ及び形状、又はモジュール缶４８の種々異なるサイズに対応して、フィルタ本体の寸法形態は、ポンプ・ポスト５０に対して別の位置に、外方に向かって延びる必要がある場合がある。

図５Ａ〜図２７は、本開示の種々の実施態様及び変更形を示している。ただ１つのインタンク式燃料フィルタが開示されており、このフィルタは、燃料ポンプ保持ポスト（例えば図２のポスト５０）に対して２つ以上から無限の数までの半径方向位置／方向でこのフィルタを組み付けることにより、モジュール缶４８又は燃料タンク４０に対して外方に向かって延びるように複数の位置をフィルタ本体に提供することができる。開示されたフィルタは概ね燃料フィルタに関連してはいるものの、フィルタは、種々の液体又は燃料、例えばガソリン、ディーゼル、ディーゼル排気流体、パワーステアリング流体、及び液圧油（しかしこれらに制限されるものではない）のために用いられる他のインタンク式フィルタシステムと一緒に使用することもできる。

図５Ａ，５Ｂ及び５Ｃは、多目的スタック・フィルタ・コネクタ２０の第１模範実施態様を示す上面図、断面図、及び部分破断図である。コネクタ２０は概ね、出口２４と溝２２とを含んでいる。図１〜４の従来技術の構造に関連して、コネクタ２０は、図１〜４の構造における出口ポート１４及び保持器１６の機能を果たす。コネクタ２０は、周知の技術を用いてフィルタ本体、例えば図２のフィルタ本体１２に取り付けられる。コネクタ２０に取り付けられるフィルタ本体は、現在周知の、又は将来開発される任意のインタンク式燃料フィルタであってよく、好ましくはソックス型フィルタである。図５は、保持ポスト又はピン５０と締まり嵌めで係合する、溝２２の２つの壁２７，２９を示している。

図６はさらに、出口２４と、燃料ポンプ４６の保持ポスト５０を位置決めして固定するために使用される溝２２とを有するコネクタ２０の上面図である。溝２２は出口２４の全周にわたって配置されており、これにより無限数の位置決め位置を伴う、保持ポスト５０との締まり嵌めを可能にする。換言すれば、溝２２は環状（すなわちリング状）であり、そして３６０度にわたって延びている。好ましくは、溝２２は円形である。溝２２は溝の互いに対向する壁２７及び２９を含む。これらの壁は、保持ポスト５０を把持し緊密に固定するために役立つ。コネクタ２０に取り付けられたフィルタ材料は図面の簡潔さのために示されていない。

図７の断面図は、（ポンプ４６の）入口取り付け具１８及び保持ポスト５０に対するコネクタ２０の第１実施態様の集成体を示している。また、コネクタ２０がフィルタ１０に取り付けられていることも図示されている。集成体は保持ポスト５０と、フィルタを半径方向に回転させることによる無限の位置決め位置とを示している。保持ポスト５０は、出口２４の周りの全ての無限の位置で溝２２内に保持されることになる。

図８は、出口２４の全周にわたって配置された溝２２を有するコネクタ２０を示す詳細斜視図である．壁２７及び２０は好ましくは垂直（又は同軸的）であり、保持ポスト５０を把持するために３．０〜４．０ｍｍの高さを有している。保持ポスト５０を溝２２内へ挿入するための補助手段として、壁２７及び２９の上側の角隅に最小限の面取り部が示されている。保持ポスト５０は通常、直径が３．８５〜３．９５ｍｍであり、保持ポスト５０の中心から入口２４の中心までが１１．００〜１１．２０ｍｍとなるように位置決めされる。締まり嵌めのために、溝２０の半径方向の幅（壁２７，２９間の半径方向距離）は、保持ポスト５０の直径よりも小さく、例えば３．７０〜３．７５ｍｍであり、好ましくは０．１〜０．２５ｍｍの締まり嵌めを伴う。保持ピン５０の全長は通常、７．８０〜８．０ｍｍである。出口２４の上部から溝の底部までの溝の深さは８．０〜９．０であるべきであり、保持ピン５０の全長を受容するのに充分に深くあるべきである。いくつかの実施形では、より大きい溝幅で同様の締まり嵌めを維持することによって、より大きい保持ポストを使用することができる。溝の有効直径は、ピンが溝内の摩擦によって保持されるのを保証するために、保持ピンの有効直径よりも小さい。あるいは溝の直径は、ポスト直径よりも大きい直径を第１主面に有し、そして連続的又は徐々に減少して、ポスト直径よりも小さい最小有効直径になってもよい。コネクタ２０に取り付けられたフィルタ材料は図面の簡潔さのために示されていない。

図９は、溝２２内部の壁の断面の詳細を示すための図８の破断図である。

図１０は、溝１２２の内壁１２７及び外壁１２９から半径方向内側へ向かって突出する材料の畝部１２１の任意のフィーチャを有するコネクタ１２０を示している。この畝部１２１は保持ポスト５０を固定して把持するのを助け、また溝１２２の一方又は両方の側壁に含まれていてよい。畝部は好ましくは壁から０．２５〜１．００ｍｍ延びて、保持ポスト５０との締まり嵌めのために最小内径３．７０〜３．７５ｍｍを形成する。いくつかの実施形では、より大きい保持ポストをより大きい畝部直径とともに用いて、同様の締まり嵌めを維持することができる。畝部の有効直径は、ピンが畝部によって保持されるのを保証するために、保持ピンの有効直径よりも小さい。

図１１Ａ及び１１Ｂは、多目的スタック・フィルタ・コネクタ２２０の第２模範実施態様を示す上面図、及び断面図である。対向する半径方向壁２２５，２２８を有するリブ２３０によって画定された複数のポケット２３２を有するワゴンホイール型の溝２２６は、フィルタ１２に対する燃料ポンプ４６の真の位置決めが必要とされたときに、位置決めフィーチャをもたらすように、保持ポスト５０に複数の有限の位置決め位置を提供する。真の位置決めの定義は、燃料システム構造仕様によって表されるフィーチャの仮想上の完全な位置決めである。図１１Ｃは、溝２２６の４つの壁２２５／２２７／２２８／２２９が保持ピン５０と締まり嵌めによって係合している状態を示している。溝２２６の４つの壁２２５／２２７／２２８／２２９は図１２に示されている。図１１Ｄは、溝２２６の２つの壁２２７及び２２９が保持ピン５０と締まり嵌めによって係合している状態を示している。

図１２はさらに、ワゴンホイール型溝２２６を備えたコネクタ２２０を示す上面図である。溝２２６は、一体的に成形されたリブ２３０で複数の区分に分離される。これらのリブは、溝２２６の画定された開いたポケット２３２内へ保持ポスト５０を配置して位置決めするために使用される。別の見方をすると、コネクタ２２０の環状溝２２６は、溝２２６を半径方向に横切って延びる複数のリブ２３０を含むことにより、溝を不連続な準環状の複数のポケット２３２に分割する。これらのポケット２３２は、保持ポスト５０を摩擦的に受容するようにサイズ設定される。リブ２３０は種々の厚さを有してよいが、しかし好ましくは５〜２０ｍｍ厚であり、そしてポケットは好ましくは３．２５〜６ｍｍ長である。ポケット２３２は、４つの壁２２５／２２７／２２８／２２９に保持ポスト５０を固定するようにほぼ台形（図１１Ｃ）の形状であるか、又は２つの壁２２７／２２９に保持ポスト５０を固定するようにほぼ方形（図１１Ｄ）の形状であってよい。あるいは、ポケット２３２は個々に平行四辺形、正方形、六角形、八角形、又は円形として成形されていてよく、ポケットの機能の意図を逸脱することはない。締まり嵌めのために、溝２２６の幅は、保持ポスト５０の直径よりも小さく、例えば３．７０〜３．７５ｍｍであり、好ましくは０．１〜０．２５ｍｍの締まり嵌めを伴う。

図１３の断面図は、入口取り付け具１８及び保持ポスト５０に対するコネクタ２２０の第２実施態様の集成体をフィルタ２１０とともに示している。集成体は、保持ポスト５０が、フィルタを半径方向に回転させることによって複数の有限の位置決め位置を有することを示している。保持ポスト５０はポケット２３２内に保持されることになる。図１３はまた、コネクタ２２０に対する濾材１２の取り付けを示している。

図１４は、溝２２６が一体的に成形されたリブ２３０によって有限の複数のポケット２３２に分離され、出口２２４の全周にわたって配置された状態でコネクタ２２０を示す詳細図である。コネクタ２２０に取り付けられたフィルタ材料は図面の簡潔さのために示されていない。図１５は溝２２６の断面を示すための図１４の破断図である。

図１６に示されたコネクタ３２０は、上記コネクタ２２０と類似するが、しかし溝の内壁及び外壁から半径方向内側へ向かって突出する材料の畝部３４０を使用した任意のフィーチャを有している。この畝部３４０は保持ポスト５０を固定して把持するのを助け、またポケット３３０の１つ、２つ、３つ、又は４つの壁に含まれていてよい。畝部は好ましくは壁から０．２５〜１．００ｍｍ延びて、保持ポスト５０との０．１０〜０．２５ｍｍの締まり嵌めのために最小内径３．７０〜３．７５ｍｍを形成する。

図１７及び図１８は、本発明の前述の実施態様の付加的な変化形を示している。これらの図は、出口２４の周りで３６０度未満にわたって延びる溝４２２を有するコネクタ４２０を使用するための選択肢を示す。溝４２２は４０〜３６０度にわたって、そして好ましくは２７０度にわたって延びていてよい。溝はリブ４２８によって複数のポケット４３０に分割されていてよい。

上記及び下記の種々の実施態様に関して、溝の幅、溝の深さ、及び溝２２／１２２／２２６／４２２及び出口２４／１２４／２２４からの距離をカスタマイズして寸法設定することにより、コネクタ２０／１２０／２２０／３２０／４２０を、保持ポスト５０を有する種々の燃料ポンプ上で普遍的に使用することができる。

図１９は、保持ポスト５０を把持するために、タブ５３６及び複数のアパーチャ／保持器５３４を使用するコネクタ５２０のさらに別の実施態様を示している。この構造は、保持ポスト５０を保持するための把持力を増大させることができる。タブ５３６は、それぞれのアパーチャ付き保持器５３４に対していくつかの花弁を有する花形状を有している。タブ５３６は、流れ軸線に対して垂直な平面内で円筒形出口５２４から外方に向かって延びる平面状部材である。各アパーチャ５３４の内側には突起又はラグ５３８が設けられている。これらの突起又はラグは保持ポスト５０の把持のために使用される。あるいは、アパーチャの壁は、漏斗状、例えば円錐台形の壁を有することにより、ポストとコネクタとの最初の係合時にセンタリングガイドとして機能することもできる。アパーチャの構造は米国特許第８，７１５，４９７号明細書に示され記載された通りであることが好ましい。前記明細書は参照により本明細書中に援用される。ここでは、タブ５３６は複数のアパーチャ穴を有して、出口５２４の周囲に形成されており、これらのアパーチャ穴は、保持ポスト５０に固定するために出口５２４の周りの複数の半径方向位置に配置されている。図１９は、出口５２４の周りに等しい間隔を置いて配置された４つの保持器５３４を使用した例を示している。保持器の位置は出口５２４の周りの異なる角度位置で変化することができる。保持器５３４の間の間隔を変化させ、漸減又は漸増させることによって、任意の数の不連続な、等距離又は非等距離の位置を使用することができる。部材の重量及びコストを低減するために、タブ５３６上の保持器５３４間の領域内のプラスチックが取り除かれた（すなわち花弁形状の形成）状態で示されている。

図２０は、タブ５３６に配置された保持器５３４及びラグ５３８を示す破断等角図である。保持器５３４のラグ５３８の構造及び数は、保持ポスト５０を固定する機能を逸脱することなしに他の形状で変更することができる。コネクタ５２０の基部５４０にはフィルタ材料が取り付けられることになるが、しかしフィルタ材料は図面の簡潔さのために示されていない。基部５４０は、流れ軸線に対して垂直な平面内で円筒形出口５２４から外方に向かって延びるフランジ又は平面状部材であり、タブ５３６から長手方向に間隔を置いて位置している。図２１は、出口５２４に対するタブ５３６の配置及び位置決めを示すために、多目的スタック・フィルタ・コネクタ５２０のこの模範実施態様の側面図を示している。

図２２は、図１９〜２１のコネクタ５２０を、基部５４０、出口５２４、及び／又はタブ５３６のうちの１つ又は２つ以上に取り付けられた回転防止位置決めタブ６１０を加えた状態で示している。図２３は、６つの花弁及び６つのアパーチャ保持器５３８Ａを備えたタブ５３６Ａを有する同様のコネクタ５２０Ａを示している。位置決めタブ６１０は保持器５３８／５３８Ａの１つと（例えばタブ５３６／５３６Ａの花弁の頂点で）半径方向に整合して配置されることが好ましい。タブ６１０の底面は基部５４０と同一平面にあることが好ましい。タブ６１０の外縁は、これが出口５２４から基部５４０の近くで最も大きく、そしてタブ５３６の近くで最も小さく突出するようにテーパされている。有限数のアパーチャ穴を使用する構造は、フィルタ本体１２に対するアパーチャ穴の配向を必要とすることがある。回転防止位置決めタブ６１０をスタック（例えばコネクタ５２０の円筒形出口５２４）上に成形することにより、フィルタにコネクタ５２０を組み付けている時にフィルタ本体１２に対してアパーチャを配向するための手段を提供することが好ましい。燃料ポンプの集成体端部上で位置決め部材を使用して燃料ポンプ４６上の配向に対してフィルタをロックするように、回転防止位置決めタブ６１０を使用することもできる。位置決め部材は燃料ポンプから突出するピン、フィン、タブ、又はチャネルであってよく、位置決めタブ１０と係合するようにサイズ設定し位置決めすることができる。

図２４は、コネクタ５２０を備えたソックス型フィルタ１０を示している。この実施態様では、タブはフィルタ本体１２の伸長方向に対して平行に配置されている。この１つのフィルタ１０は、例えば燃料ポンプ集成体４４の６つの異なる形態において使用することができ、そして燃料ポンプ集成体４４をタンク内に組み付けるときに、モジュール缶４８又は燃料タンク４０に対して外方に向かってフィルタ本体が延びる６つの異なる位置を提供することができる。

回転防止位置決めタブ６１０は、図２５に示されているような燃料ポンプにフィルタを組み付けるために、タブと燃料ポンプとの間に充分なクリアランスを許すように構成されている。回転防止位置決めタブ６１０の内縁６１４は、燃料ポンプ保持ポスト５０の最大長さのために空間及びクリアランスを提供するように、円筒形出口５４３から間隔を置いて配置されている。回転防止位置決めタブ６１０の外縁６１５のサイズ及び形状は、燃料ポンプ本体のためのクリアランスを提供する。

濾材にスタックを組み付けることは、周知の組み付け方法、例えば音波溶接、振動溶接、接着、又は当業者に知られた他の方法を用いて、個々の構成部分を取り付けることによって行うことができる。図２６は、個々の構成部分の代表的な組み付け例を示している。コネクタ５２０を、濾材６１１に設けられた穴を通して配置し、組み付けリング６１２をコネクタ５２０（すなわちスタック）に溶接することにより構成部分を一緒に保持する。燃料ポンプをスタックの内径内へ取り付ける。燃料中で膨潤することが知られている材料、例えばナイロン６、ナイロン６−６、又はナイロン１２で形成された保持器５３４を使用する用途の場合、スタックの周りに膨潤リング６１３（例えば金属から成る）を組み付けることにより、スタックの内側寸法を保持し、燃料ポンプに対する緊密な嵌合状態を維持する。

あるいは、コネクタ５２０は、インサート射出成形法を用いて、濾材６１１上へ直接に成形することもできる。濾材に対するスタックの組み付けは図２７に示されている。

コネクタ２０／２２０／３２０／４２０／５２０は、任意の非金属材料、例えば耐燃料性であり、燃料中で寸法安定性であり、そして射出成形により所望の形状にされる熱可塑性材料から形成することができる。好適なプラスチック材料の一例としては、ポリオキシメチレン（ＰＯＭ）が挙げられる。構造的に強化するため、又はコネクタの剛性を高めるために、ガラス繊維、ステンレス鋼繊維、又はガラス球を材料に添加することができる。

本発明は、その思想又は新規の特徴を逸脱することなしに他の形態で具体化してもよい。本出願において開示された実施態様はあらゆる点で例示的且つ非制限的なものと考えなければならない。本発明の範囲は、前記説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味内及び同等範囲内に入る全ての変更がこれに包含されるものとする。

Claims (7)

1. ポンプ入口取り付け具、及びポスト断面を備えた保持ポストに取り付けるためのフィルタであって、
   多孔質材料から形成されたフィルタ本体と、
   前記ポンプ入口取り付け具に前記フィルタを結合するために前記フィルタ本体に取り付けられたプラスチック出口ポートであって、該プラスチック出口ポートが前記フィルタからポンプへの所期流体流方向によって定義された流れ軸線を有している、プラスチック出口ポートと、
   前記プラスチック出口ポートに形成されたプラスチック保持器であって、該プラスチック保持器が、前記流れ軸線に対して垂直な平面内に延びるタブを含み、該タブが、前記ポンプに面する第１面と、該ポンプから離反する第２面とを有し、かつ、前記プラスチック出口ポートの全周にわたって連続的に延びている、プラスチック保持器と、
   を含み、
   前記タブが、前記保持ポストを受容するために前記プラスチック出口ポートの周りに半径方向に配置された少なくとも３つのアパーチャを含み、複数の該アパーチャが前記第１面から前記第２面へ延びており、複数の該アパーチャが、前記第２面を含む前記第１面と前記第２面との間で前記流れ軸線と交差する少なくとも１つの半径方向平面内で、前記保持ポストの断面よりも小さな有効断面を有し、
   個々の前記アパーチャの内側は、前記保持ポストを保持する把持力を増大させると共に、位置決めのための複数の突起又はラグを有し、
   前記タブは、前記少なくとも３つのアパーチャを規定する少なくとも３つの花弁を含む花形状を有し、
   前記少なくとも３つのアパーチャ間の領域は、前記タブ上で花形状の前記少なくとも３つの花弁を形成するために取り除かれている、
   ことを特徴とするフィルタ。
2. 前記タブが、５つ又はそれ以上の花弁にセグメント化され、個々の前記花弁はアパーチャを有し、前記花弁は前記プラスチック出口ポートの周囲に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のフィルタ。
3. 複数の前記アパーチャが、前記プラスチック出口ポートの周囲で円周方向に等間隔に離間していることを特徴とする請求項１に記載のフィルタ。
4. 前記タブが前記プラスチック出口ポートの全周にわたって連続的に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のフィルタ。
5. 前記フィルタが、前記流れ軸線に対する有限数のポスト保持位置を提供することを特徴とする請求項１に記載のフィルタ。
6. プラスチックコネクタが、前記プラスチック出口ポートから半径方向外側に向かって突出する回転防止位置決めタブを含み、前記タブは前記流れ軸線に平行である半径方向平面面に配置されている、請求項１に記載のフィルタ。
7. 前記出口ポートは、円筒形出口と、該円筒形出口から半径方向外側に延びるベースフランジとを有し、前記流れ軸線の方向において、前記タブは前記ベースフランジから長手方向に間隔を置いて位置し、前記回転防止位置決めタブは前記ベースフランジと前記タブに接続し、前記タブは前記出口ポートから半径方向外側に突出し、前記回転防止位置決めタブの内縁は前記円筒形出口から間隔を開けて配置され、前記保持ポストの最大長さのために空間及びクリアランスを提供する、請求項６に記載のフィルタ。

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