JP6688697B2 - オーガ式製氷機 - Google Patents

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Description

本発明は、製氷筒の内面で氷結した氷膜をオーガで掻き取って圧縮することにより氷を製造するオーガ式製氷機に関し、なかでも、氷圧縮通路を加熱するベルトヒータを備えるオーガ式製氷機に関する。
この種のオーガ式製氷機は、例えば特許文献1に開示されている。そこでは、回転駆動されるオーガと、オーガを収容する製氷筒(冷凍シリンダ)と、製氷筒の上端内部に3個のボルト(ロックボルト)で固定される押圧頭(押圧頭部)などで、オーガユニットを構成している。製氷筒の上端内面と押圧頭の周面との間に複数個の氷圧縮通路が区画されており、オーガで掻き取られた氷膜は、氷圧縮通路を上昇する間に圧縮されて、氷圧縮通路の上端の出口から排出される。製氷筒の上端部の外周面には、各ボルトの操作頭部が露出しており、またそこには氷圧縮通路を加熱するベルトヒータが巻き付けてある。このベルトヒータは、蛇行状の電熱線をベルト状のシリコン材内にモールドしたものであり、各ボルトを挿通させるための切り抜き孔を有している。各氷圧縮通路をベルトヒータで加熱すると、氷圧縮通路内の氷の表面を融解させて、氷と氷圧縮通路の壁面との摩擦を低減し、氷が氷圧縮通路をスムーズに通過できるようにして、氷の過度な圧縮による異音の発生を抑制することができる。
特開2000−171136号公報
特許文献1のオーガ式製氷機のベルトヒータのように、各ボルトを挿通させるための切り抜き孔を設けると、切り抜き孔を避けるために電熱線の配置パターンが複雑になり、ベルトヒータの製造コストが増加してしまう。また、切り抜き孔が形成されたベルトヒータは、一般には市販されていないことから特注品とせざるを得ず、これを安価に入手することは難しい。さらに、ベルトヒータにおける切り抜き孔の個数や位置は、ボルトの個数や位置に対応して決まることから、これらが異なる複数種のオーガユニットにおいてベルトヒータを共用化できず、その製造コストや管理コストが嵩んでしまう。
本発明の目的は、氷圧縮通路を加熱するベルトヒータの構成を簡素化することにより、ベルトヒータを安価に製造ないし入手できるようにして、オーガ式製氷機の全体の製造コストを削減することにある。また本発明の目的は、押圧頭を固定するボルトの個数や位置が異なる場合でもベルトヒータを共用化して、その製造コストや管理コストを削減することにある。
本発明は、オーガユニット17の製氷部20が、回転駆動されるオーガ21と、オーガ21を収容する製氷筒35と、製氷筒35の上端に配置される排出筒36と、排出筒36の内部に複数個のボルト37で固定される押圧頭38とを備えており、排出筒36の内面と押圧頭38の周面との間に複数個の氷圧縮通路46が区画されているオーガ式製氷機を対象とする。排出筒36の周囲に、氷圧縮通路46を加熱するベルトヒータ57と、ベルトヒータ57を排出筒36に密着させた状態で保形し支持するヒータ支持枠64とを設ける。ベルトヒータ57が、周方向に隣接するボルト37の操作頭部52の間で排出筒36に密着して伝熱する複数個の伝熱部61と、操作頭部52の外面を迂回する状態で折り曲げられる屈曲隅部62とを備えることを特徴とする。
排出筒36の下端部の周囲に、ヒータ支持枠64を支持する支持板88を設け、ヒータ支持枠64を複数個の部分枠65・66で構成して、各部分枠65・66に締結座77・78を形成し、一対の締結座77・78と支持板88の三者を厚み方向へ重ねて、ねじ81で締結固定することができる。
ヒータ支持枠64の1個所のみをねじ81で支持板88に固定することができる。
排出筒36の下端部の周囲に、排出筒36の周面から滴下する結露水を受け止めるドレンパン87を固定し、ドレンパン87の底壁が支持板88を兼ねる形態を採ることができる。
本発明に係るオーガ式製氷機では、オーガユニット17の製氷部20を構成する排出筒36の周囲に、氷圧縮通路46を加熱するベルトヒータ57と、ベルトヒータ57を保形し支持するヒータ支持枠64とを設けた。そしてベルトヒータ57が、周方向に隣接するボルト37の操作頭部52の間で排出筒36に密着する複数個の伝熱部61と、操作頭部52の外面を迂回する状態で折り曲げられる屈曲隅部62とを備えるものとした。これによれば、ベルトヒータ57を排出筒36の周囲に固定するにあたって、従来のようにボルト37用の切り抜き孔を形成する必要が無いので、ベルトヒータ57における電熱線の配置パターンを簡素化して、ベルトヒータ57を安価に製造することができる。また、ベルトヒータ57から切り抜き孔を不要とすると、切り抜き孔を持たない市販の汎用品を適用することが可能となり、ベルトヒータ57を安価に入手することができる。以上のように、ベルトヒータ57を安価に製造ないし入手できると、オーガ式製氷機の全体の製造コストを削減することができる。さらに、ベルトヒータ57から切り抜き孔を不要とすると、排出筒36の外径が近似するオーガユニット17であれば、ボルト37の個数や位置にかかわらず、ベルトヒータ57を共用化できる。従って、ボルト37の個数や位置が異なるオーガユニット17毎に専用のヒータを用意する場合に比べて、ベルトヒータ57の製造コストや管理コストを著しく削減できる。
ヒータ支持枠64を複数個の部分枠65・66で構成し、各部分枠65・66に締結座77・78を形成し、一対の締結座77・78と支持板88の三者を厚み方向へ重ねて、ねじ81で締結固定する。これによれば、部分枠65・66の締結座77・78どうしの連結と、ヒータ支持枠64の支持板88への固定とを同時に行えるので、両者を別々に行う場合に比べて、ヒータ支持枠64とベルトヒータ57を少ない手順で排出筒36の周囲に固定することができる。
ヒータ支持枠64の1個所のみをねじ81で支持板88に固定すると、ヒータ支持枠64とベルトヒータ57をより少ない手順で排出筒36の周囲に固定することができる。ヒータ支持枠64の1個所のみを支持板88に固定するだけでも、排出筒36がベルトヒータ57の各伝熱部61に密着していることと相俟って、排出筒36に対するヒータ支持枠64とベルトヒータ57の移動と回転を確実に規制して、ヒータ支持枠64とベルトヒータ57を排出筒36の周囲に確りと固定できる。
排出筒36の周面から滴下する結露水を受け止めるドレンパン87の底壁が、ヒータ支持枠64を支持する支持板88を兼ねていると、ドレンパン87とは別に支持板88を設ける場合に比べて、オーガユニット17の構成部品を少なくして、その全体コストを抑えることができる。また、ドレンパン87に溜まったドレン水をベルトヒータ57で加熱することが可能となり、ベルトヒータ57を氷圧縮通路46の加熱用だけでなく、ドレン水の蒸発処理用としても利用することができる。
本発明の実施例に係るオーガ式製氷機のオーガユニットの一部を省略した平面図である。 オーガ式製氷機の内部構造を示す縦断正面図である。 オーガ式製氷機の機械室内の左側面図である。 排出筒とその周辺部分の詳細構造を示す縦断正面図である。 排出筒とその周辺部分の詳細構造を示す横断平面図である。 ベルトヒータとヒータ支持枠の分解斜視図である。 図1におけるA−A線断面図である。 本発明の別実施例に係るオーガ式製氷機の要部の横断平面図である。
(実施例) 図1から図7に、本発明に係るオーガ式製氷機の実施例を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図1ないし図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2および図3においてオーガ式製氷機は、四角箱状の製氷機本体1と、その上面全体を覆い調理用テーブルとして使用できる天板2とを備える。製氷機本体1の内部には、製氷ユニットおよび制御ボックス4を収容する左側の機械室5と、断熱壁で囲まれる右側の貯氷室6とが区画されている。機械室5と貯氷室6を左右に隔てる断熱壁の上部には、貯氷室6へ向かって下り傾斜するシュート7が貫通状に設けられており、製氷ユニットで生成された氷は、シュート7を介して貯氷室6へ送出される。貯氷室6の天井には満氷検知スイッチ8が固定されており、同スイッチ8が満氷を検知すると、制御ボックス4内の制御部が製氷ユニットによる製氷を停止させる。機械室5の前面には着脱可能な機械室パネル9が装着されており(図3参照)、貯氷室6の前面には揺動ドアで開閉される氷取出口10が形成されている(図2参照)。
製氷ユニットは、水平な台板からなるユニットベース14と、同ベース14上に搭載される圧縮機15、凝縮器16、およびオーガユニット17と、これら三者15・16・17を接続する不図示の冷媒配管などで構成される。ユニットベース14の後部に圧縮機15が配置され、同ベース14の前部に凝縮器16が配置され、両者15・16の間にオーガユニット17が配置される。機械室パネル9を取り外して機械室5の前面を開放し、オーガユニット17の上部のガイド筒24をシュート7から分離して、製氷ユニットの全体をユニットベース14ごと機械室5の外方へ引き出すことにより、製氷ユニットのメンテナンス作業を簡便に行うことができる。
オーガユニット17は、オーガ21を含む製氷部20と、オーガ21を回転駆動するモータ22および減速機23と、製氷部20の上端に連結されるガイド筒24などで構成される。製氷部20とモータ22は、減速機23の上面に固定されて前後に隣接しており、減速機23は断面ハット状の下フレーム25を介してユニットベース14に固定されている。ガイド筒24は左右に長い角筒からなり、製氷部20で製造された氷をシュート7へ案内する。ガイド筒24の内部における製氷部20の上方には、シュート7へ向かって氷をスムーズに送出するために、オーガ21と同行回転するアジテータ26が設けられている。
モータ22の上方には、製氷部20へ製氷水を供給する給水ユニット29が配置されている。給水ユニット29は、オーガユニット17と凝縮器16の間に架設された階段状の上フレーム30で支持される。給水ユニット29と製氷部20を接続する不図示の給水管には、制御ボックス4内の制御部により開閉制御される給水弁が設けられている。先述の満氷検知スイッチ8が満氷を検知した場合には、この給水弁を閉じて製氷水の供給を遮断する。なお、製氷水の遮断後も、製氷部20へ供給済みの製氷水による製氷は継続され、この製氷が完了した時点でモータ22と圧縮機15が停止される。
図2および図4において製氷部20は、上下に長いオーガ軸33と螺旋刃34からなるオーガ21と、オーガ21を収容する円筒状の製氷筒35と、製氷筒35の上端に連続する排出筒36と、排出筒36の内部に3個のボルト37で固定される押圧頭38と、製氷筒35の外周面に巻回されたコイル状の冷却器(蒸発器)39などで構成される。螺旋刃34は製氷筒35と略同一の上下寸法を有し、その全体が製氷筒35の内部に収容されている。オーガ軸33の上端部は、螺旋刃34の上面から上方へ突出して押圧頭38で軸支されており、その先端にアジテータ26が連結されている。オーガ軸33の下端部は、螺旋刃34の下面から下方へ突出して、減速機23に連結されている。冷却器39は、圧縮機15や凝縮器16に不図示の冷媒配管で接続されており、凝縮器16から不図示の膨張手段を介して冷却器39に低温低圧の冷媒を供給することにより、製氷筒35の内面を氷点以下に冷却することができる。製氷筒35および冷却器39の外面は、発泡樹脂からなる断熱材40で覆われている。図4において符号41は、断熱材40の上面を覆う押え板である。
図1および図4において押圧頭38は、オーガ軸33を軸支する縦長円筒状の軸受部43と、軸受部43の外面から放射状に突設される6個の固定刃44・45とを一体に備えている。より詳しくは、幅広の固定刃44と幅狭の固定刃45が、軸受部43の周方向に沿って3個ずつ交互に配置されている。各固定刃44・45は軸受部43と同一の上下寸法を有しており、径方向における各刃44・45の突端面は排出筒36の内面に当接している。これにより、排出筒36と軸受部43と両固定刃44・45で区画される6個の氷圧縮通路46が、排出筒36の周方向に沿って形成されている。
図4および図5に示すように、幅広の各固定刃44の下部には、ボルト37用のねじ穴49が形成されており、排出筒36の下部には、各ねじ穴49に正対する挿通穴50が形成されている。排出筒36の径方向外側から、各ボルト37のねじ軸51を、挿通穴50を介してねじ穴49にねじ込むことにより、排出筒36と押圧頭38が締結固定されている。各ボルト37の操作頭部52は排出筒36の外周面に露出しており、各操作頭部52と排出筒36の間に介在する座金53は、操作頭部52に密着する平坦な表面と、排出筒36の外周面に密着する湾曲した裏面とを有している。
圧縮機15およびモータ22を起動し、給水管に設けた給水弁を開くと、製氷部20における製氷が開始される。詳しくは、冷却器39により冷却された製氷筒35の内面で、給水ユニット29から供給された製氷水が氷結して、製氷筒35の内面に氷膜が形成される。この氷膜は、モータ22の動力を受けて回転駆動するオーガ21の螺旋刃34で掻き取られる。掻き取られた氷片は、螺旋刃34の送り作用によって、製氷筒35内を上方へ圧縮されつつ搬送される。押圧頭38の下端に至った氷片は、下方から追随してくる氷片により押し上げられて、各氷圧縮通路46へ案内される。そして、氷圧縮通路46を上昇する間に、圧縮された氷片どうしが結着して柱状の氷となり、同通路46の上端の出口から排出される。この柱状の氷は、アジテータ26の周面に突設したピン54で折られて、適当な大きさのチップアイスとなる。こうして生成されたチップアイスは、アジテータ26の送出作用によって、ガイド筒24からシュート7を介して貯氷室6へ搬送される。
各氷圧縮通路46において柱状の氷をスムーズに通過させて、氷の過度な圧縮による異音の発生を抑制するために、氷圧縮通路46を加熱するベルトヒータ57が排出筒36の周囲に配置されている。氷圧縮通路46をベルトヒータ57で加熱すると、同通路46内の氷の表面を融解させて、氷と同通路46の壁面との摩擦を低減して、氷をスムーズに通過させることができる。
図1および図6においてベルトヒータ57は、長尺なベルト状のヒータ本体58と、ヒータ本体58の両端部から導出されたリード線59とを備える市販の汎用品である。ヒータ本体58は、両リード線59に電気的に接続されたニクロム線などの電熱線を、柔軟なベルト状のシリコンゴムで被覆して構成されている。このベルトヒータ57は、後に詳述するヒータ支持枠64により所定の湾曲形状に保持された状態で、排出筒36の下端部の周囲に固定される。具体的には、ヒータ本体58の長手方向の両端部60を除く部分が三角枠状に折り曲げられて、平面視で略直線状の3個の伝熱部61と、伝熱部61どうしを繋ぐ2個の屈曲隅部62とが形成されている。両端部60の一面どうしは密接もしくは僅かな隙間を介して正対している(図7参照)。伝熱部61と屈曲隅部62からなる三角枠状の部分は、平面視で鋭角三角形状に形成されており、より詳しくは、伝熱部61どうしのなす角が約60°である略正三角形状に形成されている。
ヒータ本体58の各伝熱部61は、排出筒36の周方向に隣接するボルト37の操作頭部52の間で、排出筒36の外周面に密着する。この密着部分を介して、ヒータ本体58の熱を排出筒36へ伝導させて、各氷圧縮通路46を加熱することができる。また各密着部分は、2つの氷圧縮通路46を隔てる幅狭の固定刃45の突端面と対向している。これにより、固定刃45の両側の氷圧縮通路46へ熱を均一に伝導させて、各氷圧縮通路46を過不足無く加熱することができる。一方、ヒータ本体58の各屈曲隅部62は、操作頭部52の外面を迂回する状態で折り曲げられて、排出筒36の径方向の外側から操作頭部52を覆う。屈曲隅部62と操作頭部52の間には隙間が設けられており、屈曲隅部62から操作頭部52への直接的な伝熱は無い。ただし本発明では、後述する別実施例にも示すように、屈曲隅部62を操作頭部52に接触させて、ヒータ本体58の熱をボルト37から幅広の固定刃44などへ伝導させてもよい。
ベルトヒータ57を支持するヒータ支持枠64は、平面視においてヒータ本体58よりも一回り大きな略三角フラスコ形状に形成されており、ヒータ本体58の側面に外方から密接して、ヒータ本体58を上記の形状に保形する。このヒータ支持枠64は、耐熱性の板金を素材とする前後一対の部分枠65・66を連結して構成される。前部分枠(前側の部分枠)65は、ヒータ本体58の前半部の側面に密着して取り囲む枠本体67と、該前半部を下面から支持する2個のフランジ壁68とを一体に備えている。後部分枠(後側の部分枠)66は、前部分枠65と前後対称である枠本体69およびフランジ壁70に加えて、ヒータ本体58の両端部60を上下から支持する上支持壁71および下支持壁72を一体に備えている。また前部分枠65は、上支持壁71の上面に重なる押え壁73を一体に備えている(図7参照)。
さらに各部分枠65・66は、水平な第1締結座(締結座)77・78および垂直な第2締結座79・80を一体に備えている。前部分枠65の第1締結座77は、枠本体67の左端部の下縁から前方へ伸びており、後部分枠66の第1締結座78は、下支持壁72の前縁から前方へ伸びている。前部分枠65の第2締結座79は、枠本体67の右端部の後縁から右方へ伸びており、後部分枠66の第2締結座80は、枠本体69の右端部の前縁から右方へ伸びている。第1締結座77・78どうしをねじ81で締結し、さらに第2締結座79・80どうしをねじ82で締結することにより、両部分枠65・66を連結して一体化できる。前部分枠65の両締結座77・79には、バーリング加工によってボス83・84が形成してあり、これらボス83・84の内面に、ねじ81・82と螺合するねじ穴が形成してある。
図4においてヒータ支持枠64は、薄皿状に形成された第1ドレンパン(ドレンパン)87の底壁(支持板)88で支持される。第1ドレンパン87は、排出筒36の下端部を取り囲むように配置されて、押え板41の上側に固定されており、排出筒36の周面やガイド筒24の壁面などから滴下する結露水を受け止める。先述の上フレーム30のオーガユニット17側の端部は、第1ドレンパン87の前端部に連結固定されている(図3参照)。ヒータ支持枠64の各部分枠65・66の第1締結座77・78は、底壁88の上面に重ねられて、これら三者77・78・88がねじ81で締結固定されている(図7参照)。
前後の部分枠65・66の第1締結座77・78を、第1ドレンパン87の底壁88にねじ81で締結固定すると、排出筒36がベルトヒータ57の各伝熱部61に密着していることと相俟って、排出筒36に対するヒータ支持枠64とベルトヒータ57の移動と回転を確実に規制して、ヒータ支持枠64とベルトヒータ57を排出筒36の周囲に確りと固定できる。また、ヒータ支持枠64を第1ドレンパン87の底壁88で支持すると、ドレンパン87に溜まったドレン水をベルトヒータ57で加熱することが可能となり、ベルトヒータ57を氷圧縮通路46の加熱用だけでなく、ドレン水の蒸発処理用としても利用することができる。なお、第1ドレンパン87で蒸発しなかったドレン水は、図2に示すように流下パイプ89を介して第2ドレンパン90へ流下する。第2ドレンパン90は減速機23の下側に設けられて、製氷筒35の周辺の結露水を受け止める。第2ドレンパン90に溜まったドレン水は、図示しない排水パイプで機械室5の外部に排出される。
図8に、上記の実施例の一部を変更した本発明の別実施例を示す。そこでは、ヒータ支持枠64の形状を変更することにより、ベルトヒータ57のヒータ本体58を上記とは別の湾曲形状に保形した。具体的には、ヒータ本体58の各伝熱部61を排出筒36の外周面に沿うように湾曲させて、上記の実施例よりも各伝熱部61と排出筒36の密着面積(伝熱面積)が大きくなるようにした。また、ヒータ本体58の各屈曲隅部62をボルト37の操作頭部52に密着させて、各屈曲隅部62からボルト37への直接的な伝熱を可能とした。ボルト37に伝導した熱は、幅広の固定刃44や排出筒36に伝導して、氷圧縮通路46を加熱する。この別実施例のように、各伝熱部61と排出筒36の伝熱面積を大きくし、また各屈曲隅部62からボルト37へ伝熱させると、ヒータ本体58の熱を上記の実施例よりも効率良く利用して、氷圧縮通路46を加熱することができる。
より詳しくは、この別実施例では、ヒータ本体58の長手方向に沿って伝熱部61と屈曲隅部62が交互に配置されて、4個の伝熱部61と3個の屈曲隅部62が形成されている。ヒータ本体58の長手方向中央寄りの2個の伝熱部61は、それぞれが幅狭の固定刃45とその両側の氷圧縮通路46とに対向して、2個の氷圧縮通路46を加熱する。ヒータ本体58の両端部60寄りの2個の伝熱部61は、それぞれが1個の氷圧縮通路46に対向して同通路46を加熱する。その他の点は上記の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
以上のように、本発明の各実施例に係るオーガ式製氷機では、排出筒36の周囲に、氷圧縮通路46を加熱するベルトヒータ57と、ベルトヒータ57を保形し支持するヒータ支持枠64とを設けた。そしてベルトヒータ57が、周方向に隣接するボルト37の操作頭部52の間で排出筒36に密着する複数個の伝熱部61と、操作頭部52の外面を迂回する状態で折り曲げられる屈曲隅部62とを備えるものとした。これによれば、ベルトヒータ57を排出筒36の周囲に固定するにあたって、従来のようにボルト37用の切り抜き孔を形成する必要が無いので、ベルトヒータ57における電熱線の配置パターンを簡素化して、ベルトヒータ57を安価に製造することができる。また、ベルトヒータ57から切り抜き孔を不要とすると、切り抜き孔を持たない市販の汎用品を適用することが可能となり、ベルトヒータ57を安価に入手することができる。以上のように、ベルトヒータ57を安価に製造ないし入手できると、オーガ式製氷機の全体の製造コストを削減することができる。さらに、ベルトヒータ57から切り抜き孔を不要とすると、排出筒36の外径が近似するオーガユニット17であれば、ボルト37の個数や位置にかかわらず、ベルトヒータ57を共用化できる。従って、ボルト37の個数や位置が異なるオーガユニット17毎に専用のヒータを用意する場合に比べて、ベルトヒータ57の製造コストや管理コストを著しく削減できる。
上記の実施例では、3個のボルト37で押圧頭38を排出筒36に固定したが、本発明においてボルト37の個数はこれに限られない。ボルト37の個数を3個以外に変更する場合は、ベルトヒータ57の湾曲形状を変更するために、ヒータ支持枠64の形状を変更する必要があるが、ベルトヒータ57自体は上記の実施例と同様のものを用いることができる。ベルトヒータ57は、電熱線をシリコンゴムで被覆したものに限られず、例えば湾曲変形が可能な薄いシーズヒータで構成してもよい。ヒータ支持枠64の構造も上記の実施例のものに限られず、例えば、前後の部分枠65・66の第2締結座79・80をねじ82で締結するのに代えて、両枠65・66の右端部どうしをヒンジで連結してもよい。また必要があれば、3個以上の部分枠でヒータ支持枠64を構成してもよい。
17 オーガユニット
20 製氷部
21 オーガ
35 製氷筒
36 排出筒
37 ボルト
38 押圧頭
46 氷圧縮通路
52 操作頭部
57 ベルトヒータ
58 ヒータ本体
61 伝熱部
62 屈曲隅部
64 ヒータ支持枠
65 前側の部分枠
66 後側の部分枠
77 締結座(第1締結座)
78 締結座(第1締結座)
81 ねじ
87 ドレンパン(第1ドレンパン)
88 支持板(底壁)

Claims (4)

  1. オーガユニット(17)の製氷部(20)が、回転駆動されるオーガ(21)と、オーガ(21)を収容する製氷筒(35)と、製氷筒(35)の上端に配置される排出筒(36)と、排出筒(36)の内部に複数個のボルト(37)で固定される押圧頭(38)とを備えており、
    排出筒(36)の内面と押圧頭(38)の周面との間に複数個の氷圧縮通路(46)が区画されており、
    排出筒(36)の周囲に、氷圧縮通路(46)を加熱するベルトヒータ(57)と、ベルトヒータ(57)を排出筒(36)に密着させた状態で保形し支持するヒータ支持枠(64)とが設けてあり、
    ベルトヒータ(57)が、周方向に隣接するボルト(37)の操作頭部(52)の間で排出筒(36)に密着して伝熱する複数個の伝熱部(61)と、操作頭部(52)の外面を迂回する状態で折り曲げられる屈曲隅部(62)とを備えることを特徴とするオーガ式製氷機。
  2. 排出筒(36)の下端部の周囲に、ヒータ支持枠(64)を支持する支持板(88)が設けられており、
    ヒータ支持枠(64)が複数個の部分枠(65・66)で構成されて、各部分枠(65・66)に締結座(77・78)が形成されており、
    一対の締結座(77・78)と支持板(88)の三者が厚み方向へ重ねられて、ねじ(81)で締結固定されている請求項1に記載のオーガ式製氷機。
  3. ヒータ支持枠(64)の1個所のみがねじ(81)で支持板(88)に固定されている請求項2に記載のオーガ式製氷機。
  4. 排出筒(36)の下端部の周囲に、排出筒(36)の周面から滴下する結露水を受け止めるドレンパン(87)が固定されており、
    ドレンパン(87)の底壁が支持板(88)を兼ねている請求項2または3に記載のオーガ式製氷機。
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