JP6685816B2 - スラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法 - Google Patents

スラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、石炭等の炭素含有固体燃料を熱分解させてガス化するガス化炉のスラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法に関する。
石炭、木質ペレット等のバイオマス燃料、ペットコーク等の炭素含有固体燃料を熱分解することより可燃性ガスを生成するガス化炉では、炭素含有固体燃料の灰分が溶融し、スラグとしてガス化炉の底部に設けられたスラグホッパに堆積する。スラグホッパにはスラグ冷却水が貯留されており、スラグはこのスラグ冷却水中に落下して急冷されることにより固化し、破砕される。
このように固化・破砕されてスラグホッパ内に溜まったスラグは、ガス化炉の外部に設けられたロックホッパを経てガス化炉の系外へと排出される。スラグはスラグ冷却水に比べて密度が大きいため、従来はスラグホッパからロックホッパへスラグを移動させる際、重力により自然落下させていた。例えば、特許文献1に、ガス化炉の下方にロックホッパを配置したスラグ排出システムが開示されている。
ところが、上述したスラグ排出システムによれば、ガス化炉の下方にロックホッパを設けるためにガス化炉の配置位置が高くなる。したがって、プラントの設置面からガス化炉上部までの高さが増すこととなる。ガス化炉の配置位置が高くなることにより、ガス化炉を支持する支持架台や操作架台などの配置位置が高くなる。
そこで、特許文献2に開示されているようなスラグ排出システムが提案されている。このスラグ排出システムでは、ロックホッパをガス化炉の側方に配置し、ガス化炉底部のスラグホッパからロックホッパへと連通するスラグ排出ライン(スラグ冷却水循環ライン)を設け、循環ポンプによってスラグ排出ライン内にスラグホッパからロックホッパへの水流を形成し、この水流によってスラグホッパ内のスラグをロックホッパへ排出するようにしている。
こうすることにより、スラグをスラグ冷却水の流れに乗せてスラグホッパからロックホッパに移送することができるため、ロックホッパをガス化炉の側方に配置することが可能となり、プラントの設置面からガス化炉上部までの高さを低く抑えることができる。
特開2011−74274号公報 特許第5743093号公報
上記のように、特許文献2に示される従来のスラグ排出システムでは、ガス化炉底部のスラグホッパに落下したスラグを、スラグホッパに貯留されたスラグ冷却水と共にスラグ排出ラインで吸い出している。スラグホッパからスラグを吸い出すスラグ排出ラインの吸出口は、鉛直下方を向いてスラグホッパの底面に向かって開口している。
ガス化炉の通常運転時は、スラグホッパ内に落下するスラグが順次スラグ排出ラインの吸出口から吸い出されて排出されるため、吸出口にスラグが堆積することはない。しかし、ガス化炉の起動時や一時的な運転停止後には吸出口の上までスラグが堆積することがある。この状態でスラグ排出ラインからのスラグ吸い出しを再開した場合、スラグの密度が高過ぎてスラグ排出ラインが詰まり、閉塞してしまう懸念がある。このように、スラグ排出ラインを閉塞させる事象は、主にスラグ排出システムの起動時に起こりやすく、そうなるとガス化炉の運転に支障を来す。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ガス化炉の底部からスラグを吸い出すスラグ吸出口がスラグによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉の起動および運転を順調に行うことのできるスラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用する。
即ち、本発明の第1態様に係るスラグ排出システムは、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受容するとともに、該スラグを急冷するスラグ冷却水が貯留されたスラグホッパと、前記スラグホッパ内部に設けられ、前記スラグホッパの底部に堆積する前記スラグと前記スラグ冷却水とを吸い出すスラグ吸出口と、前記スラグ吸出口から吸い出された前記スラグと前記スラグ冷却水とをスラグ分離装置に送り、該スラグ分離装置にて前記スラグを分離させるスラグ冷却水送水ラインと、前記スラグホッパの底部付近から前記ガス化炉の側方へ延出して前記ガス化炉の外部に通じるスラグ払い出しラインと、前記スラグ払い出しラインに設けられたスラグ払い出し弁と、を備えてなり、前記スラグ払い出しラインの開口端部は、前記スラグホッパ内で前記スラグホッパの底部よりも上方に離間し、かつ、前記スラグ吸出口よりも下方に離間した前記スラグ吸出口の近傍に位置する。
上記構成のスラグ排出システムによれば、ガス化炉の起動時または運転時にスラグ払い出し弁を所定時間(例えば数秒間)開くことにより、ガス化炉の内部圧力とスラグ払い出しラインの内部圧力(例えば大気圧)との圧力差により、スラグホッパからスラグ払い出しライン内に流れ込む流れが形成される。このため、スラグホッパに堆積したスラグの少なくとも一部がスラグ払い出しライン内に放出される。
したがって、スラグ吸出口が堆積したスラグ中に埋没したり、スラグ吸出口の周辺におけるスラグ密度が高い状態であっても、上記のようにスラグの少なくとも一部を放出することでスラグ吸出口付近におけるスラグの密度を低下させ、スラグ吸出口からスラグとスラグ冷却水との混合物を吸い込みやすくできる。これにより、スラグ吸出口がスラグによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉の起動および運転を順調に行うことができる。
スラグをスラグ払い出しラインからスラグ貯蔵タンク等へ直接移送せずに、スラグ払い出しラインに所定の長さを付与し、その中にスラグを一時的に貯留するようにしてもよい。こうすることで、ガス化炉の内圧と、スラグ貯蔵タンクの内圧(大気圧)との圧力差を緩和し、後から流れ込むスラグの勢いを緩衝して、スラグ払い出しラインに設けられる弁や、スラグ貯留タンク等の払い出し用設備を破損から保護することができる。
また、このようにスラグをスラグ払い出しライン内に一時的に貯留するにあたり、スラグ払い出しラインの出口側にスラグ出口弁を設けることにより、スラグ払い出しラインに所定の容量を確保することができ、スラグ払い出し弁を開とするだけで所望量のスラグを排出することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグ払い出し弁の下流側で前記スラグ払い出しラインに接続され、前記スラグ払い出しラインの内部に流体を供給する流体供給ラインをさらに備えた構成としてもよい。
ガス化炉の起動時および運転時にスラグ払い出し弁を開くと、上記のようにスラグホッパに堆積したスラグが圧力差によってスラグ払い出しライン内に移送される。その後、スラグ払い出し弁を閉じて流体供給ラインからスラグ払い出しライン内に流体を送給することにより、スラグ払い出しライン中のスラグが流体によって外部に流し出される。したがって、スラグ払い出しライン内に移送されたスラグの流れを促進させて確実に外部に払い出すことができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記流体供給ラインの下流側で前記スラグ払い出しラインに設けられたスラグ出口弁をさらに備えた構成としてもよい。
ガス化炉の運転時にスラグ払い出し弁を開くと、ガス化炉の内部圧力と外部圧力(大気圧)との圧力差により、スラグホッパ内のスラグが勢い良くスラグ払い出しラインに放出される。この勢いが強過ぎると、スラグ払い出しラインの下流側に繋がるスラグ貯留タンク等の払い出し用設備が破損する虞がある。
そこで、スラグ払い出しラインにおける流体供給ラインの接続部の下流側にスラグ出口弁を設け、このスラグ出口弁を閉じておくことにより、ガス化炉とスラグ払い出しラインとの圧力差を低減し、ガス化炉からスラグ払い出しラインに移送されるスラグの勢いを緩衝するバッファ機能を奏させることができ、払い出し用設備の破損等を防止することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグ払い出し弁と、前記スラグ出口弁との距離は所定の長さ以上あることが好ましい。これにより、スラグ払い出し弁が開かれた際に、スラグ払い出しラインの中に流れ込むスラグの量を、スラグ吸出口を閉塞させているスラグ量と同程度以上とし、スラグ吸出口を閉塞させているスラグの全量をスラグ払い出しラインに払い出し可能にしてスラグ吸出口の閉塞を確実に抑制または解消することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記流体は気体であり、該流体は前記スラグ払い出し弁が開く前に予め前記流体供給ラインから前記スラグ払い出しラインの内部に供給され、前記流体の供給によって前記スラグ払い出しラインの内部圧力が前記ガス化炉の内部圧力と大気圧との間の圧力に設定されるようにしてもよい。
このように、スラグ払い出しラインの内部に空気や窒素ガス等の気体状の流体を予め供給してスラグ払い出しラインの内部圧力を大気圧よりも高めることにより、ガス化炉の内外の圧力差を小さくし、スラグ払い出し弁を開いた時のスラグ放出速度を低下させて払い出し用設備の破損を防止することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記流体は液体であり、該流体は前記スラグ払い出し弁が開く前に予め前記流体供給ラインから前記スラグ払い出しラインの内部に供給され、前記流体によって前記スラグ払い出しラインの内部空間の少なくとも一部が満たされるようにしてもよい。
このように、液体状の払い出し流体を予めスラグ払い出しライン内に供給しておけば、スラグ払い出し弁の開弁と同時にスラグ払い出しライン内に放出されるスラグの放出速度が、液体状の払い出し流体の粘性によって減衰される。このため、前述のような払い出し用設備の破損を防止することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグ払い出しラインに、その管路内径を部分的に拡大させた拡径部を設けてもよい。
このような拡径部をスラグ払い出しラインに設けることにより、スラグ払い出し弁が開かれた時にスラグ払い出しライン内に放出されるスラグの放出速度(流速)が拡径部の部分で減衰する。このため、前述のような払い出し用設備の破損を防止することができる。しかも、スラグ払い出しラインの管路長あたりの内容積が増加するため、スラグ払い出しラインの中に貯留できるスラグの量を増加させてバッファ機能を高めることができる。あるいは、るスラグの貯留量を減らすことなくスラグ払い出しラインの管路長を短縮してスラグ排出システムをコンパクト化することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグ分離装置を介して前記スラグ冷却水送水ラインと接続され、前記スラグ分離装置にて前記スラグを分離された前記スラグ冷却水を前記スラグホッパに循環させるスラグ冷却水循環ラインと、前記スラグ冷却水循環ラインに接続されている循環ポンプと、前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を計測する圧力計と、前記圧力計により計測された圧力データを入力され、該圧力データが所定の閾値に達した時に、前記スラグ払い出し弁の開閉制御を行う制御部と、をさらに備えた構成としてもよい。
ガス化炉の起動時、あるいは運転中に、スラグ吸出口が、堆積したスラグ中に埋没したり、スラグ吸出口周辺のスラグ密度が高い状態になると、スラグ冷却水送水ラインに通じるスラグ冷却水循環ラインに接続された循環ポンプの吸込み側の圧力が低下する。
この圧力データが圧力計に計測されて制御部に入力され、この圧力データが所定の閾値を超えると、制御部はスラグ払い出し弁を所定時間開く。これにより、スラグホッパのスラグの一部がスラグ払い出しラインに放出され、スラグ吸出口の閉塞が解消または予防される。
このように、スラグ冷却水循環ラインに接続された循環ポンプの吸い込み側に圧力計を設け、その圧力データを制御部に入力して制御部にスラグ払い出し弁を開閉させるという簡素な構成により、スラグ吸出口の閉塞を自動的に抑制または解消することができる。
本発明の第2態様に係るガス化炉は、前記のいずれかのスラグ排出システムを備えているため、ガス化炉の底部からスラグを吸い出すスラグ吸出口がスラグによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉の起動および運転を順調に行うことができる。
本発明の第3態様に係るスラグ排出システムの運転方法は、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部のスラグホッパに落下したスラグをスラグ冷却水と共に前記スラグホッパ内部に設けられたスラグ吸出口から吸い出し、スラグ冷却水送水ラインを通してスラグ分離装置に送るスラグ排出システムの運転方法であって、前記スラグ吸出口が前記スラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、前記スラグホッパから前記ガス化炉の外部の側方へ延出させたスラグ払い出しラインから前記スラグを払い出すスラグ払い出し工程を備え、前記スラグ払い出しラインの開口端部は、前記スラグホッパ内で前記スラグホッパの底部よりも上方に離間し、かつ、前記スラグ吸出口よりも下方に離間した前記スラグ吸出口の近傍に位置するものである。
上記のスラグ排出システムの運転方法によれば、スラグ吸出口がスラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、スラグホッパから外部に延出させたスラグ払い出しラインからスラグを払い出すスラグ払い出し工程を行うことにより、ガス化炉の内部圧力と外部圧力との圧力差によって前記スラグホッパに堆積している前記スラグの少なくとも一部が外部に払い出される。
したがって、スラグ吸出口が、堆積したスラグ中に埋没したり、スラグ吸出口周辺のスラグ密度が高い状態であっても、上記のようにスラグの少なくとも一部をスラグ払い出しラインから放出することでスラグ吸出口付近のスラグの密度を低下させ、スラグ吸出口からスラグとスラグ冷却水との混合物を吸い込みやすくできる。これにより、スラグ吸出口がスラグによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉の起動および運転を順調に行うことができる。
上記の運転方法において、前記スラグ払い出しラインに流体を供給する流体供給工程をさらに備えてもよい。このように、スラグ払い出しラインに流体を供給することにより、スラグ払い出しラインの内部圧力をスラグの払い出しに適した圧力にしたり、スラグ払い出しラインにおけるスラグの通過性を向上させることができる。
上記の運転方法において、前記スラグ払い出し工程の後に、前記流体供給工程を実行するようにしてもよい。これにより、スラグホッパからスラグ払い出しラインに移送されたスラグを流体によって確実に外部に排出することができる。
上記の運転方法において、前記流体供給工程の実行時に、前記スラグ払い出しラインの上流部に設けられたスラグ払い出し弁の下流側に所定の距離を置いて設けられたスラグ出口弁を閉じる工程を実行するようにしてもよい。
これにより、所定の内容積を有するスラグ払い出しラインの出口であるスラグ出口弁が閉ざされた状態で、スラグ払い出しラインの内部にスラグホッパからスラグが払い出されるので、ガス化炉とスラグ払い出しラインとの圧力差を低減し、ガス化炉からスラグ払い出しラインに移送されるスラグの勢いを緩衝するバッファ機能を奏させて、払い出し用設備の破損等を防止することができる。
上記の運転方法において、前記スラグ払い出し工程の実行時に、前記スラグ払い出し弁を所定時間開いて閉じた後、前記流体供給工程を実行するようにしてもよい。これにより、払い出すスラグの量をコントロールすることができる。
また、前記スラグ分離装置を介して前記スラグ冷却水送水ラインと接続され、前記スラグ分離装置にて前記スラグを分離された前記スラグ冷却水を前記スラグホッパに循環させるスラグ冷却水循環ラインをさらに備えたスラグ排出システムの運転方法において、前記スラグ冷却水循環ラインの圧力を測定する圧力測定工程と、前記圧力測定工程により測定した圧力データに基づいて、前記スラグ吸出口の閉塞状態を判定する閉塞判定工程と、をさらに備え、前記閉塞判定工程にて前記スラグ吸出口が閉塞したと判定された時、または閉塞の予兆がある時と判定された時に、前記スラグ払い出し工程を実行するようにしてもよい。
ガス化炉の起動時、あるいは運転中に、スラグ冷却水送水ラインのスラグ吸出口が、堆積したスラグ中に埋没したり、スラグ吸出口周辺のスラグ密度が高い状態になると、スラグ冷却水送水ラインに通じるスラグ冷却水循環ラインの圧力が低下する。
したがって、この圧力を測定する圧力測定工程を実行することで、スラグ吸出口が閉塞している、あるいは閉塞しつつあることを閉塞判定工程にて判定することができる。例えば、スラグ冷却水循環ラインの圧力が所定の閾値まで低下した場合に、閉塞判定工程においてスラグ吸出口が閉塞したと判定され、スラグ払い出し工程が実行される。この運転方法によれば、簡素な構成によってスラグ吸出口の閉塞を自動的に抑制または解消することができる。
上記運転方法において、前記スラグ払い出し工程の実行時に、前記スラグ吸出口および前記スラグ冷却水送水ラインによる前記スラグの吸い出しを停止させるようにしてもよい。
こうすれば、スラグ吸出口に吸着されたもののスラグ吸出口の内部に入れずに滞っていたスラグがあったとしても、このスラグは、スラグ冷却水送水ラインによる吸い出しが停止することからスラグ吸出口付近に拘束されることがなくなり、スラグ払い出し工程の実行時にスラグ吸出口から離れてスラグ払い出しラインに吸い込まれる。このため、スラグ吸出口の閉塞を確実に解消することができる。
上記運転方法において、前記流体は気体であり、当該気体の充填圧力を前記ガス化炉の内部圧力と大気圧との間の圧力に設定してもよい。こうすれば、ガス化炉の内外の圧力差を小さくし、スラグ払い出し弁を開いた時のスラグ放出速度を低下させて払い出し用設備の破損を防止することができる。
上記運転方法において、前記流体は液体としてもよい。液体状の流体をスラグ払い出しラインに供給することにより、スラグ払い出しの実行時にスラグ払い出しライン内に放出されるスラグの放出速度が、液体状の払い出し流体の粘性によって減衰される。このため、前述のような払い出し用設備の破損を防止することができる。
以上のように、本発明に係るスラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法によれば、ガス化炉の底部からスラグを吸い出すスラグ吸出口がスラグによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉の起動および運転を順調に行うことができる。
本発明の第1実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。 本発明に係るスラグ排出システムの運転制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。このスラグ排出システム1Aは、例えば石炭ガス化複合発電プラント(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)において、石炭(炭素含有固体燃料)をミル等で粉砕した微粉炭を空気や酸素等のガス化剤とともに炉内に投入して熱分解し、ガス化するガス化炉2(ガス化炉)に備えられている。なお、石炭ガス化炉に限らず、例えば間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、古タイヤ等のバイオマス燃料など、他の炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉に置き換えてもよい。また、このスラグ排出システム1Aは、発電プラントに限らず、例えば化学プラントにおけるガス化炉等にも適用することができる。
ガス化炉2は、例えば加圧型噴流床式のガス化炉となっており、内側容器2aと、この内側容器2aの周囲を包囲する外側容器2bとを備えている。内側容器2aには、一部の微粉炭を燃焼させてガス化反応に必要な熱量を得るコンバスタ2cと、コンバスタ2cからの熱量を得て微粉炭をガス化するリダクタ2dとが上下二段に配置されている。
ガス化炉2の底部にはスラグホッパ5が設けられており、その内部にスラグ冷却水Wが貯留されている。ガス化炉2に投入された微粉炭中の灰分はコンバスタ2cで溶融後、液体状の溶融スラグとしてコンバスタ2c下部のスラグホール(非図示)から重力によりスラグホッパ5のスラグ冷却水W中に落下し、急冷されることにより固化して破砕され、荒い粒子状の固形のスラグSとなる。このスラグSはスラグ排出システム1Aによってガス化炉2の系外に排出される。スラグ排出システム1Aは、次のように構成されている。
スラグホッパ5にはスラグライン7が接続されている。このスラグライン7は、スラグホッパ5の底部5aから、破砕されたスラグSを排出するスラグ冷却水送水ライン7Aと、一端がスラグ分離装置10を介してスラグ冷却水送水ライン7Aに接続され、他端がスラグホッパ5に戻るように接続されたスラグ冷却水循環ライン7Bとを備えて構成されている。
スラグ冷却水送水ライン7Aの上流端はスラグ吸出口7pとされ、スラグホッパ5の底部5aよりも上方に離間して鉛直下方に向かって開口している。このスラグ吸出口7pからスラグホッパ5内の破砕されたスラグSとスラグ冷却水Wとの混合物であるスラグスラリーが吸い出される。スラグ冷却水送水ライン7Aの内部にはガス化炉2の運転圧力と同等の圧力が作用する。
スラグライン7の途中に接続されたスラグ分離装置10は、スラグスラリーからスラグSを分離するものであり、例えば遠心分離装置(液体サイクロン等)が好適であるが、ストレーナやフィルタのような濾過式の分離手段を用いてもよい。スラグ吸出口7pから吸い出されたスラグスラリーは、スラグ冷却水送水ライン7Aを流れる水流によってスラグ分離装置10に移送される。
スラグ分離装置10の下部にはロックホッパ12と排出弁14とが接続されている。ロックホッパ12は、スラグ分離装置10にてスラグ冷却水Wから分離されたスラグSを所定量貯留するホッパであり、定期的に排出弁14が開かれてスラグの払い出しが行われる。払い出されたスラグSは図示しない運搬車両等によってガス化炉2の系外に搬出される。
スラグ冷却水循環ライン7Bにおいて、スラグ分離装置10の下流側には、圧力計16と循環ポンプ18と冷却器20とがこの順で接続されている。スラグ冷却水循環ライン7Bの下流端はスラグホッパ5におけるスラグ冷却水Wの浅層部に相当する高さに接続されている。即ち、スラグライン7は、スラグホッパ5から延出して再びスラグホッパ5の還流部5bに繋がるループ状の管路に構成されている。
スラグホッパ5の底部5a付近からは、ガス化炉2の外部に通じるスラグ払い出しライン24が所定の長さに亘って延出している。このスラグ払い出しライン24の、ガス化炉2への直近位置にスラグ払い出し弁26が設けられ、このスラグ払い出し弁26から下流側に所定の長さLを置いた位置にスラグ出口弁28が設けられている。上記の長さLとしては、後述するようにスラグ吸出口7pを閉塞させているスラグSを回収可能な内容積を弁26,28間のスラグ払い出しライン24に付与する長さとされる。スラグホッパ5の内部におけるスラグ払い出しライン24の開口端部の位置は、スラグ吸出口7pの近傍とするのが好ましい。スラグ払い出しライン24の下流端部は、例えば図示しないスラグ貯蔵タンクに接続されている。
さらに、スラグ払い出しライン24には、スラグ払い出し弁26の直下流部付近に流体供給ライン30が接続され、この流体供給ライン30に流量調整弁32が設けられている。流体供給ライン30は、スラグ払い出しライン24内に流体SFを供給する管路である。流体SFとしては、空気や窒素ガス等の気体、あるいは水等の液体を用いることが考えられる。
スラグ払い出し弁26、スラグ出口弁28、流量調整弁32は手動で開閉されるものでもよいが、本実施形態では制御部35によって電気的に開閉制御されるようになっている。さらに、循環ポンプ18も制御部35に制御されて作動するようになっている。
以上のように構成されたスラグ排出システム1Aは、通常運転モードと、スラグ払い出し運転モードの2つの運転モードを備えている。どちらの運転モードも、ガス化炉2の起動時および運転時に実行される。スラグ払い出し運転モードは、起動時および運転時にスラグ冷却水送水ライン7AがスラグSによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に実行される運転モードである。
後に説明するように、スラグ排出システム1Aの起動時および運転時には、図2に示す圧力測定工程と、閉塞判定工程と、スラグ払い出し工程と、流体供給工程の4工程が実行される。
制御部35は、通常運転モードでは、スラグ払い出し弁26とスラグ出口弁28と流量調整弁32を閉じて循環ポンプ18を作動させる。これにより、スラグ冷却水送水ライン7A内に、スラグ吸出口7pからスラグ分離装置10への水流が形成され、スラグホッパ5の底部5aに堆積したスラグスラリーがスラグ冷却水送水ライン7Aのスラグ吸出口7pから吸い出され、スラグ冷却水送水ライン7Aを経てスラグ分離装置10に送給される。
スラグ分離装置10においてスラグスラリー中のスラグSはスラグ冷却水Wから分離されてロックホッパ12に貯留され、定期的に排出弁14から排出されてガス化炉2の系外に搬出される。そして、スラグSを除去されたスラグ冷却水Wのみがスラグ冷却水循環ライン7Bに流れて循環ポンプ18に吸入・吐出され、さらに冷却器20で所定の温度まで冷却されてから還流部5bを経てスラグホッパ5に還流する。還流したスラグ冷却水Wは再びスラグホッパ5の底部5aに堆積したスラグSと混合してスラグスラリーとなり、スラグ冷却水送水ライン7Aのスラグ吸出口7pから吸い出されてスラグ分離装置10に送給される。
また、制御部35は、スラグ払い出し運転モードでは、スラグ払い出し弁26を所定時間(例えば数秒間)開いて閉じた後(スラグ払い出し工程)、スラグ出口弁28と流量調整弁32を開き、流体供給ライン30からスラグ払い出しライン24内に流体SFを供給する(流体供給工程)。この時、循環ポンプ18を停止させてスラグライン7(7A,7B)の水流を停止させる場合もある。
ガス化炉2の運転時にスラグ払い出し弁26が開かれることにより、ガス化炉2の内部圧力とスラグ払い出しライン24の内部圧力(例えば大気圧)との圧力差により、スラグホッパ5からスラグ払い出しライン24内に流れ込む流れが形成される。このため、スラグホッパ5に堆積したスラグSの少なくとも一部がスラグ払い出しライン24内に放出される。
したがって、例えば起動時および運転時にスラグ吸出口7pがスラグSによって閉塞していたり、閉塞気味であったりしても、上記のようにスラグSの少なくとも一部をスラグ払い出しライン24へ放出することでスラグ吸出口7p付近におけるスラグSの密度を低下させ、スラグ吸出口7pからスラグスラリーを吸い込みやすくできる。これにより、スラグSによるスラグ吸出口7pの閉塞を抑制または解消し、ガス化炉2の起動および運転を順調に行うことができる。
その後、スラグ払い出し弁26が閉じられてスラグ出口弁28が開かれ、流体供給ライン30からスラグ払い出しライン24内に流体SFが送給されることにより、スラグ払い出しライン24中のスラグSが流体SFによって外部に流し出され、図示しないスラグ貯蔵タンク等に搬送される。したがって、スラグ払い出しライン24内に移送されたスラグSを確実に外部に払い出すことができる。また、スラグ払い出しライン24内に払い出し流体SFを供給することにより、スラグ払い出しライン24の内部圧力をスラグSの払い出しに適した圧力にすることができる。
本実施形態では、スラグSをスラグ払い出しライン24からスラグ貯蔵タンク等へ直接移送せずに、スラグ払い出しライン24に所定の長さLを付与し、その中にスラグSを一時的に貯留するようにしている。こうすることで、ガス化炉2の内圧と、スラグ貯蔵タンクの内圧(大気圧)との圧力差を緩和し、後から流れ込むスラグSの勢いを緩衝して、スラグ払い出しライン24に設けられる弁26,28や、スラグ貯留タンク等の払い出し用設備を破損から保護することができる。
また、このようにスラグSをスラグ払い出しライン24内に一時的に貯留するにあたり、スラグ払い出しライン24に所定の長さLを付与するとともに、その出口側にスラグ出口弁28を設けた。これにより、スラグ払い出しライン24に、スラグ吸出口7pを閉塞させているスラグSの全量を収容可能な容量を確保させることができ、スラグ払い出し弁26を開とするだけで、この所望量のスラグSを払い出し可能にして、スラグ吸出口7pの閉塞を確実に抑制または解消することができる。
スラグ払い出しライン24における流体供給ライン30の接続部の下流側にスラグ出口弁28を設け、このスラグ出口弁28を閉じておくことにより、ガス化炉2と流体供給ライン30との圧力差を低減し、ガス化炉2からスラグ払い出しライン24に移送されるスラグSの勢いを緩衝するバッファ機能を奏させることができ、払い出し用設備の破損等を防止することができる。
スラグ払い出し弁26とスラグ出口弁28との間に所定の距離Lを設け、この距離Lを、スラグ吸出口7pを閉塞させているスラグSを回収可能な内容積を弁26,28間のスラグ払い出しライン24に付与する長さとしたため、スラグ払い出し弁26が開かれた際に、スラグ払い出しライン24に流れ込むスラグSの勢いを緩衝するバッファ機能を増大させることができる。
通常運転モード、スラグ払い出し運転モードの切り替えは、オペレーターがスラグ吸出口7pの状態を監視しながら制御部35を操作することによって人為的に行ってもよいが、循環ポンプ18の吸い込み側の圧力を計測する圧力計16のデータを基にして制御部35に自動的に行わせることもできる。
つまり、ガス化炉2の起動時および運転中にスラグ吸出口7pが堆積したスラグS中に埋没したり、スラグ吸出口7p周辺のスラグ密度が高い状態になると、スラグ吸出口7pが閉塞または閉塞気味になり、スラグ吸出口7pの上流側に繋がっている循環ポンプ18の吸込み側の圧力(スラグ冷却水循環ライン7Bの圧力)が低くなる。
この圧力データが圧力計16に計測されて制御部35に入力され(圧力測定工程)、制御部35はこの圧力データに基づいて、スラグ吸出口7pの閉塞状態を判定し(閉塞判定工程)、該圧力データが所定の閾値に達すると、制御部35は通常運転モードからスラグ払い出し運転モードに切り替えて上記のようにスラグホッパ5内のスラグSを一部払い出し(スラグ払い出し工程)、スラグSによるスラグ吸出口7pの閉塞を抑制または解消させる。
このように、スラグ冷却水循環ライン7Bの循環ポンプ18の吸い込み側に圧力計16を設け、その圧力データを制御部35に入力して制御部35にスラグ払い出し弁26を開閉させるという簡素な構成により、スラグ吸出口7pの閉塞を自動的に抑制または解消することができる。
スラグ払い出し運転モードにおいて、流体供給ライン30からスラグ払い出しライン24内に流体SFとして空気や窒素ガス等の気体を供給する場合には、スラグ払い出し弁26とスラグ出口弁28とが開かれる前に予め流体供給ライン30からスラグ払い出しライン24内に流体SFを充填しておき(流体供給工程)、スラグ払い出しライン24の内部圧力をガス化炉2の内部圧力と大気圧との間の圧力に設定しておくのが好ましい。
ガス化炉2の起動時および運転時にスラグ払い出し弁26を開くと、ガス化炉2の内部圧力と外部圧力(大気圧)との圧力差により、スラグホッパ5内のスラグSが勢い良くスラグ払い出しライン24に放出される。この勢いが強過ぎると、スラグ払い出しライン24の他端に設けられたスラグ出口弁28やスラグ貯留タンク等の払い出し用設備が破損する虞がある。
上記のように、気体状の流体SFを予めスラグ払い出しライン24内に充填しておき、スラグ払い出しライン24の内部圧力をガス化炉2の内部圧力と大気圧との間の圧力に設定しておくことにより、ガス化炉2の内外の圧力差を小さくし、スラグ払い出し弁26を開いた時のスラグ放出速度を低下させて払い出し用設備の破損を防止することができる。但し、内外の圧力差をあまり小さくしてしまうと、スラグSを放出する勢いが低下してしまうため、この内外圧力差(流体SFの充填圧力)は適宜設定する必要がある。
あるいは、流体SFを水等の液体とし、この液体状の流体SFをスラグ払い出し運転モードにおいてスラグ払い出し弁26とスラグ出口弁28とが開く前に予め流体供給ライン30からスラグ払い出しライン24内に供給しておいてもよい。その供給量は、必ずしもスラグ払い出しライン24の内部を満たす量でなくてもよく、スラグ払い出しライン24の内部に液面が形成されればよい。
このように、液体状の流体SFを予めスラグ払い出しライン24内に供給しておけば、スラグ払い出し弁26の開弁と同時にスラグ払い出しライン24内に放出されるスラグSの放出速度が、液体状の流体SFの粘性によって減衰される。このため、スラグSの放出速度が過大になることによる払い出し用設備の破損を防止することができる。
ところで、スラグ払い出し運転モードにおいては、スラグ冷却水送水ライン7AによるスラグSの吸い出しを停止させておくのが好ましい。具体的には、スラグ払い出し弁26を開く時にスラグ冷却水循環ライン7Bに設けられた循環ポンプ18を停止させる。
こうすれば、スラグ吸出口7pに吸着されてスラグ吸出口7pの内部に入れずに滞っていたスラグSがあったとしても、このスラグSは、スラグ冷却水送水ライン7Aによる吸い出しが停止することからスラグ吸出口7p付近に拘束されることがなくなり、スラグ払い出し運転の実行時にスラグ吸出口7pから離れてスラグ払い出しライン24に吸い込まれる。このため、スラグ吸出口7pの閉塞を確実に抑制または解消することができる。この効果は、スラグホッパ5の内部におけるスラグ払い出しライン24の開口端部の位置をスラグ吸出口7pの近傍とした場合に顕著になる。
図2は、スラグ排出システム1Aの運転制御の流れを示すフローチャートである。この流れを説明すると、ガス化炉2の起動時、および運転開始後に、圧力計16により循環ポンプ18の吸い込み側の圧力を計測して制御部35に入力する圧力測定工程が実行される(ステップS1)。次に、制御部35において、入力された圧力データに基づきスラグ吸出口7pの閉塞状態を判定する閉塞判定工程が実行される(ステップS2)。
閉塞判定工程S2においてスラグ吸出口7pが閉塞していないと判定された場合、即ち循環ポンプ18の吸い込み側の圧力が所定の閾値に達していない場合には、制御は元に戻り、圧力測定工程S1と閉塞判定工程S2とが反復される。また、閉塞判定工程S2においてスラグ吸出口7pが閉塞している、または閉塞の予兆があると判定された場合、即ち循環ポンプ18の吸い込み側の圧力が所定の閾値に達した場合には、スラグ払い出し工程が実行され(ステップS3)、流体供給工程が実行される(ステップS4)。
スラグ払い出し工程S3が実行されることにより、前述のようにスラグ吸出口7pの周囲近傍にあるスラグSがスラグ払い出しライン24から払い出され、スラグSによるスラグ吸出口7pの閉塞が回避もしくは解消される。
なお、スラグ払い出し工程S3と流体供給工程S4の前後関係はこのフローチャートの通りとは限らず、前後逆になったり、同時に行われたりすることもある。その後、制御は元に戻り、運転中は各ステップS1〜S4が反復される。
このように、スラグ冷却水循環ライン7Bの圧力を測定する圧力測定工程S1と、この圧力測定工程S1により測定した圧力データに基づいて、スラグ吸出口7pの閉塞状態を判定する閉塞判定工程S2と、をさらに備え、閉塞判定工程S2にてスラグ吸出口7pが閉塞したと判定された時、または閉塞の予兆がある時と判定された時に、スラグ払い出し工程S3を実行するようにした。
この運転方法によれば、ガス化炉2の起動時、あるいは運転中に、スラグ吸出口7pがスラグS中に埋没したり、スラグ吸出口7p周辺のスラグ密度が高い状態になると、スラグ冷却水送水ライン7Aに通じるスラグ冷却水循環ライン7Bの圧力が低下するが、この圧力を測定する圧力測定工程S1を実行することで、スラグ吸出口7pが閉塞している、あるいは閉塞しつつあることを閉塞判定工程S2にて判定することができる。したがって、簡素な構成によりスラグ吸出口7pの閉塞を自動的に抑制または解消することができる。
ところで、流体供給工程S4をスラグ払い出し工程S3の後に実行することにより、スラグホッパ5からスラグ払い出しライン24に移送されたスラグSを流体SFによって確実に外部に排出することができる。
また、流体供給工程S4の実行時に、スラグ払い出し弁26の下流側に所定の距離Lを置いて設けられているスラグ出口弁28を閉じるようにしてもよい。これにより、所定の内容積を有するスラグ払い出しライン24の出口であるスラグ出口弁28が閉ざされた状態で、スラグ払い出しライン24の内部にスラグホッパ5からスラグSが払い出されるので、ガス化炉2とスラグ払い出しライン24との圧力差を低減し、ガス化炉2からスラグ払い出しライン24に移送されるスラグSの勢いを緩衝するバッファ機能を奏させて、払い出し用設備の破損等を防止することができる。
さらに、スラグ払い出し工程S3の実行時に、スラグ払い出し弁26を所定時間開いて閉じた後、流体供給工程S4を実行するようにしてもよい。これにより、払い出すスラグSの量をコントロールすることができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態を示すガス化炉2およびスラグ排出システム1Bの概略構成図である。このスラグ排出システム1Bは、スラグ払い出しライン24に拡径部24aが設けられている点において第1実施形態のスラグ排出システム1Aと相違し、その他の点において同一である。したがって、同一構成の各部には同一符号を付して重複する説明は省略する。
拡径部24aは、スラグ払い出しライン24の中間部の管路内径を部分的に拡大させたものである。この拡径部24aは、できるだけガス化炉2の近傍に設けるのが望ましい。
このような拡径部24aをスラグ払い出しライン24に設けることにより、スラグ払い出し弁26が開かれた時にスラグ払い出しライン24内に放出されるスラグSの放出速度(流速)が拡径部24aの部分で低下する。このため、前述のような払い出し用設備の破損を防止することができる。しかも、スラグ払い出しライン24の管路長あたりの内容積が増加するため、管路長を短縮してスラグ排出システム1Bをコンパクト化することができる。なお、拡径部24aをガス化炉2の近傍に設けることにより、スラグ払い出しライン24の内部がスラグSにより閉塞されることを防止することができる。
以上に説明したように、上記第1、第2実施形態に係るスラグ排出システム1A,1Bおよびこれを備えたガス化炉2によれば、簡素な構成により、ガス化炉2の底部からスラグSを吸い出すスラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7AがスラグSによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉2の起動および運転を順調に行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。例えば、上記各実施形態における各構成部材の接続順序や設置位置等は適宜変更することが考えられる。
例えば、上記実施形態では、スラグホッパ5の内部にスラグ吸出口7pおよびスラグ払い出しライン24が1つずつ設けられた例について説明したが、スラグ吸出口7pおよびスラグ払い出しライン24は複数設けられていてもよい。
1A,1B スラグ排出システム
2 ガス化炉
5 スラグホッパ
5a スラグホッパの底部
7A スラグ冷却水送水ライン
7B スラグ冷却水循環ライン
7p スラグ吸出口
10 スラグ分離装置
16 圧力計
18 循環ポンプ
24 スラグ払い出しライン
24a 拡径部
26 スラグ払い出し弁
28 スラグ出口弁
30 流体供給ライン
35 制御部
S スラグ
SF 流体
S1 圧力測定工程
S2 閉塞判定工程
S3 スラグ払い出し工程
S4 流体供給工程
W スラグ冷却水

Claims (18)

  1. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受容するとともに、該スラグを急冷するスラグ冷却水が貯留されたスラグホッパと、
    前記スラグホッパ内部に設けられ、前記スラグホッパの底部に堆積する前記スラグと前記スラグ冷却水とを吸い出すスラグ吸出口と、
    前記スラグ吸出口から吸い出された前記スラグと前記スラグ冷却水とをスラグ分離装置に送り、該スラグ分離装置にて前記スラグを分離させるスラグ冷却水送水ラインと、
    前記スラグホッパの底部付近から前記ガス化炉の側方へ延出して前記ガス化炉の外部に通じるスラグ払い出しラインと、
    前記スラグ払い出しラインに設けられたスラグ払い出し弁と、
    を備えてなり、
    前記スラグ払い出しラインの開口端部は、前記スラグホッパ内で前記スラグホッパの底部よりも上方に離間し、かつ、前記スラグ吸出口よりも下方に離間した前記スラグ吸出口の近傍に位置するスラグ排出システム。
  2. 前記スラグ払い出し弁の下流側で前記スラグ払い出しラインに接続され、前記スラグ払い出しラインの内部に流体を供給する流体供給ラインをさらに備えた請求項1に記載のスラグ排出システム。
  3. 前記流体供給ラインの下流側で前記スラグ払い出しラインに設けられたスラグ出口弁をさらに備えた請求項2に記載のスラグ排出システム。
  4. 前記スラグ払い出し弁と、前記スラグ出口弁との距離が所定の長さ以上ある請求項3に記載のスラグ排出システム。
  5. 前記流体は気体であり、該流体は前記スラグ払い出し弁が開く前に予め前記流体供給ラインから前記スラグ払い出しラインの内部に供給され、前記流体の供給によって前記スラグ払い出しラインの内部圧力が前記ガス化炉の内部圧力と大気圧との間の圧力に設定される請求項3に記載のスラグ排出システム。
  6. 前記流体は液体であり、該流体は前記スラグ払い出し弁が開く前に予め前記流体供給ラインから前記スラグ払い出しラインの内部に供給され、前記流体によって前記スラグ払い出しラインの内部空間の少なくとも一部が満たされる請求項3に記載のスラグ排出システム。
  7. 前記スラグ払い出しラインに、その管路内径を部分的に拡大させた拡径部が設けられている請求項1に記載のスラグ排出システム。
  8. 前記スラグ分離装置を介して前記スラグ冷却水送水ラインと接続され、前記スラグ分離装置にて前記スラグを分離された前記スラグ冷却水を前記スラグホッパに循環させるスラグ冷却水循環ラインと、
    前記スラグ冷却水循環ラインに接続されている循環ポンプと、
    前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を計測する圧力計と、
    前記圧力計により計測された圧力データを入力され、該圧力データが所定の閾値に達した時に、前記スラグ払い出し弁の開閉制御を行う制御部と、をさらに備えた請求項1に記載のスラグ排出システム。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のスラグ排出システムを備えたガス化炉。
  10. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部のスラグホッパに落下したスラグをスラグ冷却水と共に前記スラグホッパ内部に設けられたスラグ吸出口から吸い出し、スラグ冷却水送水ラインを通してスラグ分離装置に送るスラグ排出システムの運転方法であって、
    前記スラグ吸出口が前記スラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、前記スラグホッパから前記ガス化炉の外部の側方へ延出させたスラグ払い出しラインから前記スラグを払い出すスラグ払い出し工程を備え、
    前記スラグ払い出しラインの開口端部は、前記スラグホッパ内で前記スラグホッパの底部よりも上方に離間し、かつ、前記スラグ吸出口よりも下方に離間した前記スラグ吸出口の近傍に位置するスラグ排出システムの運転方法。
  11. 前記スラグ払い出しラインに流体を供給する流体供給工程をさらに備える請求項10に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  12. 前記スラグ払い出し工程の後に、前記流体供給工程を実行する請求項11に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  13. 前記流体供給工程の実行時に、前記スラグ払い出しラインの上流部に設けられたスラグ払い出し弁の下流側に所定の距離を置いて設けられたスラグ出口弁を閉じる工程を実行する請求項11に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  14. 前記スラグ払い出し工程の実行時に、前記スラグ払い出し弁を所定時間開いて閉じた後、前記流体供給工程を実行する請求項13に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  15. 前記スラグ分離装置を介して前記スラグ冷却水送水ラインと接続され、前記スラグ分離装置にて前記スラグを分離された前記スラグ冷却水を前記スラグホッパに循環させるスラグ冷却水循環ラインをさらに備えたスラグ排出システムの運転方法において、
    前記スラグ冷却水循環ラインの圧力を測定する圧力測定工程と、
    前記圧力測定工程により測定した圧力データに基づいて、前記スラグ吸出口の閉塞状態を判定する閉塞判定工程と、をさらに備え、
    前記閉塞判定工程にて前記スラグ吸出口が閉塞したと判定された時、または閉塞の予兆がある時と判定された時に、前記スラグ払い出し工程を実行する請求項10に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  16. 前記スラグ払い出し工程の実行時に、前記スラグ吸出口および前記スラグ冷却水送水ラインによる前記スラグの吸い出しを停止させる請求項15に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  17. 前記流体は気体であり、当該気体の充填圧力を前記ガス化炉の内部圧力と大気圧との間の圧力に設定する請求項13に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  18. 前記流体は液体である請求項11に記載のスラグ排出システムの運転方法。
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