JP4422280B2 - 精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法 - Google Patents

精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4422280B2
JP4422280B2 JP2000045227A JP2000045227A JP4422280B2 JP 4422280 B2 JP4422280 B2 JP 4422280B2 JP 2000045227 A JP2000045227 A JP 2000045227A JP 2000045227 A JP2000045227 A JP 2000045227A JP 4422280 B2 JP4422280 B2 JP 4422280B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ash
gas
pipe
pressure
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000045227A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001235134A (ja
Inventor
浩一 田澤
一由 石沢
八郎 上田
浩司 笹津
靖則 内野
正明 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Electric Power Development Co Ltd
IHI Corp
Original Assignee
Electric Power Development Co Ltd
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Electric Power Development Co Ltd, IHI Corp filed Critical Electric Power Development Co Ltd
Priority to JP2000045227A priority Critical patent/JP4422280B2/ja
Publication of JP2001235134A publication Critical patent/JP2001235134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4422280B2 publication Critical patent/JP4422280B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温(200〜900℃)高圧下で脱塵する精密脱塵装置で全量捕集された、微粒の灰(平均粒径サブμm〜20μm)を、減圧方式により安定的に気流搬送する精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加圧流動床ボイラにおいて発生する含塵ガスは、200℃以上の高温状態において、セラミックフィルタ(チューブ型、キャンドル型、ハニカム型)、バグフィルタ等の精密脱塵装置により、高温高圧下で灰の略全量捕集が行われる。
【0003】
かかる精密脱塵装置において捕集される灰は、200〜900℃の高温灰で、かつ平均粒径がサブμm〜20μmの微粒粉体であり、その成分として、脱硫・脱塩剤に用いられる炭酸カルシウム,炭酸マグネシウムから生じるカルシウムやマグネシウムの酸化物,炭酸化物,硫化物などを含有している。従って、流動性・噴流性・固結性が高く、灰の輸送路中の小さな間隙に容易に進入し、付着・凝集・固化するという問題を引き起こす。
【0004】
そこで、加圧流動床ボイラを用いた加圧流動床燃焼システムにおいては、精密脱塵装置により捕集される上記性状の高温微粒灰を安定的に冷却・搬出する精密脱塵装置の灰処理装置が必要とされる。
【0005】
尚、このような灰の性状を考慮した場合、精密脱塵装置の灰処理装置において捕集される灰の冷却及び搬送は気流搬送により行うことが望ましい。
【0006】
加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置で全量捕集された、微粒の灰を気流搬送により冷却・排出処理を行う精密脱塵装置の灰処理装置としては、従来、以下のものが開示されている。
【0007】
1.特開平8−73034号公報に、「高温のガス中に含まれる粉体をフィルタで除去し清澄なガスを得るとともに前記粉体をフィルタ下方のフィルタ下部ホッパ内に滞留させるようにしたフィルタ装置における前記フィルタ下部ホッパからの粉体輸送装置において、前記フィルタ下部ホッパの下部に開口して設置され少なくとも1回の逆洗操作により落下する粉体容積に相当する大きさの粉体抜出ホッパ、及び同粉体抜出ホッパから粉体と灰搬送用ガスを冷却しつつ導くための粉体灰冷却搬送管を備え、粉体を逆洗サイクル内に平均搬送量で排出するように構成したことを特徴とするフィルタ下部ホッパからの粉体輸送装置」が開示されている。
【0008】
図8は特開平8−73034号公報に開示の粉体輸送装置の構成図である。
図8において、100はフィルタ容器、101はフィルタ容器100の内部に配設された精密脱塵装置であるフィルタ、102はフィルタ容器100の上部より含塵ガスを供給する含塵ガス導入管、103はフィルタ容器100の側方に配設されフィルタ100により濾過された排ガスを排出する清澄ガス排出管、104はフィルタ容器100の側方に配設されフィルタ101に逆洗ガスを供給する逆洗ガス管、105はフィルタ容器100の下部に設置されたフィルタ下部ホッパ、106はフィルタ下部ホッパ105の下部に連設された灰抜出部、107は灰抜出部106に灰搬送用ガスを供給する灰搬送固気比調整パージガス管、107aは灰搬送固気比調整パージガス管107を流れる灰搬送用ガスの流量を調節するパージガス流量制御弁、108は二重管により構成され内管内を灰抜出部106内の灰を気流搬送する灰冷却搬送管、108aは灰冷却搬送管108の外管をなし内部に冷却液を通すことにより内管内を搬送される高温灰を冷却する冷却ジャケット部、109は灰冷却搬送管108より搬送される灰を貯留するストレージホッパ、110はストレージホッパ109の上部に配設されたフィルタ、111はフィルタ110に逆洗ガスを供給する逆洗ガス管、112はストレージホッパ109の上部に連設され灰を分離した排気(灰搬送用ガス)を排出する排気管、113aは排気ガスの減圧を行うオリフィス、113bは排気ガスの流量調節を行う排気流量制御弁、114はストレージホッパ109の下部に連設されストレージホッパ109内の灰を排出する灰払出し管である。
【0009】
以上のように構成された特開平8−73034号公報に開示の粉体輸送装置において、以下その動作を説明する。
【0010】
フィルタ容器100内にはフィルタ101が設けられており、含塵ガス導入管102から入ってくる含塵ガスから粉体として灰を分離する。分離された灰は、フィルタ101の逆洗によりフィルタ下部ホッパ105へ落下し、その下方に設けられた灰抜出部106内に滞留する。灰抜出部106内の滞留灰は、灰搬送固気比調整パージガス管107から送入される灰搬送用ガスで適宜攪拌され流動化して灰冷却搬送管108を通してストレージホッパ109へ送られる。このストレージホッパ109へのガスと灰の流れは排気流量制御弁107aにより所定の流速になるように制御される。ストレージホッパ109にはフィルタ110があり、灰を分離し灰払出し管114から排出する。フィルタ110で灰を分離された排気(灰搬送用ガス)は、オリフィス113aで減圧された後、排気流量制御弁113bを経て排気管112より排出される。
【0011】
2.また、特開平7−42910号公報及び特開平7−174327号公報には、ロックホッパ方式の加圧流動床ボイラにおける精密脱塵装置の灰処理装置が開示されている。
【0012】
図9は特開平7−42910号公報及び特開平7−174327号公報に開示の粉体輸送装置の構成図である。
図9において、100はフィルタ容器、101はフィルタ、102は含塵ガス導入管、103は清澄ガス排出管、105はフィルタ下部ホッパ、106は灰抜出部、107は灰搬送固気比調整パージガス管、107aはパージガス流量制御弁、108は灰冷却搬送管、108aは冷却ジャケット部、109はストレージホッパ、110はフィルタ、111は逆洗ガス管、112は排気管、113aはオリフィス、113bは排気流量制御弁であり、これらは図8と同様のものであるため、同一の符号を付して説明は省略する。尚、各部の呼称は図8に合わせて一部変更した。
【0013】
120は灰冷却搬送管108に配設され灰冷却搬送管108内を搬送される高温灰の冷却を行う灰冷却器、121は複数の灰抜出部106からストレージホッパ109へ灰を搬送する時安定した流れを得るために設置された搬送管絞り、122は灰閉塞時の回復用又は起動時のウォーミング等に使用されるパージ空気を供給するパージ空気供給管、123はストレージホッパ109の下部に連設された減圧ホッパ、124は減圧ホッパ123の下部に連設された常圧灰ホッパ、125,126はストレージホッパ109,常圧灰ホッパ124の下部に配設され各ホッパの下部に灰がブリッジにより閉塞した場合に灰のブリッジを破壊するためのブリッジブレーカ空気を供給するブリッジブレーカ空気供給管、127は減圧ホッパ123の下部に連設され減圧ホッパ123に加圧用空気を供給する加圧用空気供給管、128は常圧灰ホッパの下部に連設され常圧灰ホッパに貯留された灰を搬出する常圧系灰搬送ライン、128aは常圧系灰搬送ライン128に搬送用の空気を供給する常圧系空気吸引部、129はストレージホッパ109,減圧ホッパ123,常圧灰ホッパ124の各々の上部に連設され各ホッパ内のガスを排出し減圧を行う減圧放出ライン、130,131はストレージホッパ109と減圧ホッパ123,減圧ホッパ123と常圧灰ホッパ124との間に各々配設されストレージホッパ109,減圧ホッパ123に貯留された灰を減圧ホッパ123,常圧灰ホッパ124に排出する灰払出弁、132,133はストレージホッパ109と減圧ホッパ123,減圧ホッパ123と常圧灰ホッパ124との間に各々配設された気密弁である。
【0014】
以上のように構成された従来の精密脱塵装置の灰処理装置において、以下その動作を説明する。
【0015】
高圧高温の含塵ガスは、フィルタ101に送入され灰が捕集される。フィルタ101において捕集された高温高圧の灰は、灰抜出部106より、冷却水を冷却剤とする灰冷却器120内を通した灰冷却搬送管108を流動しながら減温され、ストレージホッパ109に搬送される。パージ空気供給管122からのパージ空気は、灰閉塞時の回復用または起動時のウォーミング等に使用される。搬送管絞り121は、複数の灰抜出部106からストレージホッパ109へ灰を搬送するとき、安定した流れを得るために設置される。ストレージホッパ109では、サイクロンやバッフル板により、遠心力により灰とガスとが分離される。ガスに随伴される微粒灰はストレージホッパ109の上部に設けられたフィルタ110により完全に除塵され、除塵された排気はオリフィス113aで減圧され排気流量制御弁113bを経て排気管112へ放出される。ストレージホッパ109の下部に堆積した灰は、減圧ホッパ123へ払出され、減圧放出ライン129で大気圧まで減圧後、更に常圧灰ホッパ124へ払出されて常圧系搬送ライン128より灰サイロへ搬送される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の精密脱塵装置の灰処理装置では、以下のような課題を有していた。
【0017】
1.上記従来の精密脱塵装置の灰処理装置では、高温の微粒粉体である捕集灰を安定的に処理するため、フィルタ下部ホッパ内に滞留した灰を、フィルタ下部ホッパ内に送入されるパージガスで局所的に流動化し、固気混合流体としてストレージホッパに気流搬送する。この際、気流搬送における固気混合流体の流速は、ストレージホッパの後流側に備えられた排気流量制御弁により制御されている。このため、灰搬送用のガスはストレージホッパの出口で減圧されており、ストレージホッパの内部は高圧状態となる。
【0018】
一方、加圧流動燃焼ボイラにおいては、燃焼により発生するガスの脱硫・脱塩を行うため、石灰石(CaCO3),ドロマイト(CaMg(CO32),生石灰(CaO),消石灰(Ca(OH)2)等が使用される。そのため、精密脱塵装置において捕集された灰中にはCaOやMgOが多く含有される。CaO,MgOは、CO2の存在化で加熱するとCaCO3,MgCO3に変化する。かかる反応の平衡条件は温度及び炭酸ガス分圧により決定される。
【0019】
図1は灰の周囲ガス温度と炭酸ガス分圧PCO2に対するCaOとCaCO3との相図である。
図1において、FはCaOとCaCO3との平衡線である。精密脱塵装置において捕集された灰中に含まれるカルシウムは、平衡線Fの付近の状態において、CaOとCaCO3との間を行き来する。CaOとCaCO3との平衡線F付近においては、CaOがCaCO3に変化する際、CaOが炭酸化硬化する現象がみられる。この現象はコーティングと呼ばれている。コーティングが発生すると、灰の粒子同士が固結し、灰の輸送経路内に付着し様々なトラブルを発生する。このようなCaOの炭酸化硬化は、図1において示したコーティング生成領域において多く発生する。また、MgOに関してはここには示していないが、CaO同様に炭酸化硬化によるコーティングが発生する。
【0020】
加圧流動床ボイラにおいて発生する含塵ガス中から精密脱塵装置により捕集された灰は、図1の領域Aで示した状態にある。このような状態の灰中には、CaOやMgOがCO2により鎖状に結合した[CaO・CO2nや[MgO・CO2nが多量に含まれている。
【0021】
従来の精密脱塵装置の灰処理装置では、フィルタ下部ホッパからストレージホッパにかけては、精密脱塵装置内と同様、高圧状態である。従って、灰がフィルタ下部ホッパやストレージホッパ内で一旦滞留すると、灰中に含有される[CaO・CO2nや[MgO・CO2nの脱炭酸化により局所的に炭酸ガス分圧が上昇し、コーティングが発生しやすい条件が生じる。このため、フィルタ下部ホッパやストレージホッパ内において、灰がCaOやMgOのコーティングにより固結・付着し、灰搬送系にトラブルを引き起こすという課題を有していた。
【0022】
2.上記従来の精密脱塵装置の灰処理装置では、灰の気流搬送時において、フィルタ下部ホッパ内で、パージガスにより灰を流動化させ、流動化させた灰を吸引排出するものであった。
【0023】
一方、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスより精密脱塵装置で捕集される灰は、平均粒径がサブμm〜20μmである。このように微粒の灰は、Geldartによる粉体分類(Derek Geldart,Powder Technol, 7(1973)p.285)によれば難流動性粉体に分類される。
【0024】
図2は常温・常圧空気雰囲気下についてのGeldartによる粉体分類を表す参考図である。
図2において横軸は粉体の平均粒径dpを表し、縦軸は粉体の比重と空気の密度との差ρp−ρgを表す。精密脱塵装置で捕集される灰は、ガスとの密度差ρp−ρgがおよそ0.1〜3g・cm-3程度、平均粒径dpがサブμm〜20μmなので、難流動性の粉体に分類されることがわかる。かかる難流動性の灰においては、パージガスの吹き込みにより灰を流動化しようとすると、スラッギングを生じ、フィルタ下部ホッパから上方の精密脱塵装置へ灰が逆流してしまい、効率のよい気流搬送ができないという課題を有していた。
【0025】
3.上記従来の精密脱塵装置の灰処理装置では、ストレージホッパの内部は高圧状態となる。従ってストレージホッパ内に貯留された灰を排出するためには、必然的にストレージホッパ下部に減圧ホッパ及び常圧ホッパの2段のホッパを備えたロックホッパ方式の減圧機構が必要とされる。このため、灰処理設備が大型化し、各所で灰の閉塞が生じやすく、メンテナンス性にも欠けるという課題を有していた。
【0026】
4.加圧流動床ボイラより発生する灰中には、CaOやMgOがCO2により鎖状に結合した[CaO・CO2nや[MgO・CO2nが多量に含まれている。このため、精密脱塵装置において捕集された灰がコーティングにより凝結し団塊となり、逆洗時に落下する。従って、捕集された微粉灰中には、このような団塊状の灰塊も含まれる。この団塊状の灰塊により灰冷却搬送管内で、灰が閉塞気味となったり灰による閉塞が生じることがある。しかし、上記従来の精密脱塵装置の灰処理装置では、かかる場合、灰冷却搬送管内の固気混合流体の流速が低下することから、廃棄流量制御弁を開き、更に減圧量を大きくしようとする。このため、更に灰の吸い込み量が増加し、固気比が増加する。これにより、灰冷却搬送管を完全に閉塞させてしまうという課題を有していた。
【0027】
5.上記従来の精密脱塵装置の灰処理装置では、灰冷却搬送管は二重管で構成されており、固気混合流体の流れる内管の周囲から外管内を流れる冷却水により冷却する構成とされている。しかし、この構成のため、摩耗等により内管に穴が空いた場合、冷却水が外管から内管に流入する。このため、灰の輸送が不可能となり、プラント全体が停止するという課題を有していた。
【0028】
本発明の精密脱塵装置の灰処理装置は上記従来の課題を解決するもので、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置において、捕集された微粒の灰を搬送経路内に固着させることなく安定的に搬出を行うことを可能とし、また、装置の小型化が可能でありメンテナンス性にも優れた精密脱塵装置の灰処理装置を提供することを目的とする。
【0029】
また、本発明の精密脱塵装置の灰処理方法は上記従来の課題を解決するもので、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置において、捕集された微粒の灰を搬送経路内に固着させることなく安定的に搬出を行うことを可能とする精密脱塵装置の灰処理方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の精密脱塵装置の灰処理装置は、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰を搬送する精密脱塵装置の灰処理装置において、精密脱塵装置下部に開口して配設された灰受室と、灰受室内部に灰搬送用のガスを供給する灰搬送用ガス供給手段と、一端が灰受室に連通する灰冷却搬送管と、灰冷却搬送管の他端に連設された減圧器と、灰冷却搬送管の減圧器に連設された端部の近傍に設けられた減圧手段と、灰受室の床部をなし床部に複数の置換ガス送気口が形成された灰受室床部と、炭酸ガス分圧低減用のガスである置換ガスを、置換ガス送気口から灰を常時流動化前状態に保持するように灰の最小流動速度以下の流速で灰受室に送気する置換ガス送気手段と、を備えた構成より成る。
【0031】
この構成により、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置において、捕集された微粒の灰を搬送経路内に固着させることなく安定的に搬出を行うことを可能とし、また、装置の小型化が可能でありメンテナンス性にも優れた精密脱塵装置の灰処理装置を提供することができる。
【0032】
また、本発明の精密脱塵装置の灰処理方法は、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰を搬送する精密脱塵装置の灰処理方法において、精密脱塵装置により捕集された灰を灰受室に受け入れるとともに、灰を常時流動化前状態に保持するように前記灰の最小流動速度以下の流速で灰受室の底部から灰中に置換ガスを分散させることで、灰受室内で灰を流動化前状態に保持し同時に灰の周囲の炭酸ガス分圧を低下させ、灰受室内の灰の一部を灰搬送用のガスと混合させ固気混合流体とすることで灰を冷却し同時に灰の周囲の炭酸ガス分圧を更に低下させ、固気混合流体を減圧器により吸引搬送し、固気混合流体を減圧器の前部で減圧し、減圧器に搬送された固気混合流体を灰搬送用のガスと灰とに分離する構成より成る。
【0033】
この構成により、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置において、捕集された微粒の灰を搬送経路内に固着させることなく安定的に搬出を行うことを可能とすることができる精密脱塵装置の灰処理方法を提供することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の精密脱塵装置の灰処理装置は、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰を搬送する精密脱塵装置の灰処理装置において、精密脱塵装置下部に開口して配設された灰受室と、灰受室内部に灰搬送用のガスを供給する灰搬送用ガス供給手段と、一端が灰受室に連通する灰冷却搬送管と、灰冷却搬送管の他端に連設された減圧器と、灰冷却搬送管の減圧器に連設された端部の近傍に設けられた減圧手段と、灰受室の床部をなし床部に複数の置換ガス送気口が形成された灰受室床部と、炭酸ガス分圧低減用のガスである置換ガスを、置換ガス送気口から灰を常時流動化前状態に保持するように灰の最小流動速度以下の流速で灰受室に送気する置換ガス送気手段と、を備えた構成としたものである。
【0035】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1.精密脱塵装置から灰受室の内部に落下した灰は、灰搬送用ガス供給手段により供給される灰搬送用のガス(以下、灰搬送用ガスと呼ぶ。)により固気混合流体とされ、減圧器からの吸引により、灰冷却搬送管を経て減圧器に吸引排出されながら減圧される。
2.精密脱塵装置から灰受室に落下した灰は、灰受室床部に堆積する。灰受室床部では、置換ガス送気口から置換ガスが送気されており、灰周囲の炭酸ガス分圧は常時低い状態に保たれる。これにより、灰受室で灰のコーティングが生じることが防止され、灰受室内から灰を安定的に搬出することが可能となる。
3.加圧流動床ボイラにおいて発生する含塵ガスより精密脱塵装置で捕集される灰は、平均粒径がサブμm〜20μmの難流動性粉体であるが、置換ガス送気手段は、灰の最小流動速度U mf 以下の流速で、置換ガスを灰受室内に供給し、灰受室内の灰を常時流動化前状態に保持しておくようにすることで、灰がスラッギングを生じ灰受室内から外に飛散することを防止することが可能となる。灰受室内の灰は、コーティングの発生が防止されているため、サクションノズルにより安定して吸引排出することができる。
【0036】
加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰受室内部の灰は、200〜800℃の高温状態にある。また、灰受室内部は加圧状態のため、炭酸ガス分圧の高い状態にある。かかる状態の灰に対し、灰搬送用ガスにより急速に炭酸ガス分圧を低減させると同時に急冷し、固気混合流体として灰冷却搬送管内を搬送するため、灰はコーティング生成領域を瞬時に通過し、灰冷却搬送管内での灰のコーティングが防止される。更に、灰冷却搬送管の出口付近(減圧器に連設された端部の近傍)で、固気混合流体は減圧され、減圧器内は常時低圧に維持されている。このため、灰中に含有される[CaO・CO2nや[MgO・CO2nの脱炭酸化により、減圧器内に滞留した灰中において局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じても、灰中のCaOやMgOが再びコーティング生成領域に戻ることが防止され、減圧器内部での灰の固結が防止される。これにより、灰の搬出を安定的に継続して行うことが可能となる。
【0037】
2.減圧器内は常時低圧に維持されているため、減圧器に集蓄された灰を外部に排出する場合、ロックホッパ方式等の減圧機構を必要とせず、灰処理設備の小型化が図られ、メンテナンス性も向上する。
【0038】
ここで、灰搬送用ガス供給手段としては、加圧流動床ボイラの圧力容器内の高圧空気を灰搬送用ガスとして供給させるように構成したものや、高圧空気を生成するポンプにより灰搬送用ガスを供給させるように構成したもの等が使用される。
【0039】
また、灰搬送用ガスとしては、空気や窒素ガス等の炭酸ガス分圧の低いガス又は炭酸ガスをほとんど含有しないガスが使用される。灰受室内部には、炭酸ガス分圧低減用の置換ガスを常時供給することが好ましい。灰受室の内部での灰のコーティングを防止するためである。尚、その際には、置換ガスは灰が流動化しない程度の流速で灰受室内に供給し、灰受室内の灰を常時流動化前状態(分散され浮遊化された状態)に保持しておくことが好ましい。灰受室内の灰は微粒であり、難流動性粉体に分類される粉体であるため、灰がスラッギングを生じ灰受室内から外に飛散することを防止するためである。
【0040】
減圧手段としては、オリフィス,ベンチュリ,バルブ等が用いられる。
特に、減圧手段としてオリフィスを用いるのが好適である。構造が単純で、かつ、灰が詰まり難く、詰まっても簡単に除去し易いためである。
【0044】
ここで、置換ガスとは、灰受室の内部の灰の周囲の炭酸ガス分圧を低下させるために灰受室の底部から供給されるガスのことをいい、空気,窒素ガス等の炭酸ガス分圧の低いガス又は炭酸ガスを含まないガスが使用される。
【0045】
置換ガス送気手段としては、ポンプ,ブロワ等により圧縮された高圧の置換ガス、又は加圧流動床ボイラの圧力容器内から取り出された高圧の置換ガスを灰受室内に送気するガスラインの先端部を複数に分岐させ、分岐した各々のガスラインの先端部を各置換ガス送気口に連通させた構成としたものや、灰受室の下部に置換ガス送気室を配設し、ポンプ,ブロワ等により圧縮された高圧の置換ガス、又は加圧流動床ボイラの圧力容器内から取り出された高圧の置換ガスを灰受室内に送気するガスラインを置換ガス送気室に連通させ、灰受室を置換ガス送気口により置換ガス送気室に連通させた構成としたもの等が使用される。
【0046】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の精密脱塵装置の灰処理装置であって、先端部が開口する内管及び外管からなる二重管で構成され先端部が灰受室内部に延出して設けられたサクションノズルを備え、灰搬送用ガス供給手段は、サクションノズルの外管に灰搬送用のガスを供給し、灰冷却搬送管は、一端がサクションノズルに連設されている構成としたものである。
【0047】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1. 灰搬送用ガス供給手段は、サクションノズルの外管に灰搬送用ガスを供給し、外管先端から灰受室内に送出された灰搬送用ガスは、サクションノズルの先端近傍の灰詰まりを防止すると同時に灰と混合し固気混合流体を形成する。この固気混合流体は、すぐにサクションノズルの内管先端から吸引され、灰冷却搬送管に送出される。このため、灰受室内の灰はサクションノズルの先端近傍以外では流動化することなく、難流動性の粉体である微粉末の灰でも、灰受室内から飛散させることなく安定的に搬出することが可能となる。
【0048】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の精密脱塵装置の灰処理装置であって、サクションノズルの内管に連通する固気比調整用ガス管と、固気比調整用ガス管に固気比調整用のガスを供給する固気比調整用ガス供給手段と、を備えた構成としたものである。
【0049】
この構成により、以下のような作用が得られる。
灰受室内部の灰は、微粒の難流動性粉体であるため、灰受室内部にサクションノズルの先端部から搬送用のガスを多量に噴射すると、灰が飛散し、灰受室の上部の精密脱塵装置に逆流することとなる。従って、サクションノズルの先端部から灰受室に噴射することのできる灰搬送用ガスの流量は制限される。一方、灰冷却搬送管内においては、灰は固気混合流体として飛翔流動状態で搬送されるが、灰の温度の冷却や灰のコーティング防止の面から考えると、ここではできるだけ固気比が小さい方が好ましい。そこで、固気比調整用ガス供給手段により、固気比調整用ガス管から、サクションノズルの内管を通過する固気混合流体(灰と灰搬送用ガスとの固気混合流体)に固気比調整用のガス(以下、固気比調整用ガスと呼ぶ。)を供給することにより、サクションノズルの先端の灰の流動化の際の固気比とは独立に固気混合流体の固気比を搬送に最適な固気比に調節する。これにより、サクションノズルの先端部の固気混合流体の固気比と、灰冷却搬送管内を搬送される固気混合流体の固気比とをともに最適な値に調節することが可能となる。
【0050】
ここで、固気比調整用ガス供給手段としては、加圧流動床ボイラの圧力容器内の高圧空気を固気比調整用ガスとして供給させるように構成したものや、高圧空気を生成するポンプにより固気比調整用ガスを供給させるように構成したもの等が使用される。
【0051】
また、固気比調整用ガスとしては、空気や窒素ガス等の炭酸ガス分圧の低いガス又は炭酸ガスを含有しないガスが使用される。
【0052】
尚、固気比調整用ガス管は、サクションノズルの内管に対し、固気混合流体の搬送方向(下流側)に向かって傾斜させて連通させ、固気混合流体の搬送方向に固気比調整用ガスを供給させるように構成することが好ましい。これにより、エゼクタ効果によりサクションノズル先端からの灰(固気混合流体)の吸引力を強めることが可能となり、灰受室内に灰の流動化のために注入する灰搬送用ガスの流量を減少させることも可能となるからである。
【0053】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の精密脱塵装置の灰処理装置であって、灰冷却搬送管は、下流側に、灰冷却熱交換部を有し、灰冷却熱交換部は、内部を灰と灰搬送用のガスとの固気混合流体が搬送される灰輸送管と、灰輸送管の外周を取り囲んで複数配設された冷却水管と、灰輸送管と各冷却水管との間に充填された伝熱充填材と、を具備する構成としたものである。
【0054】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1.灰受室の内部に落下した灰は、固気混合流体として、灰冷却搬送管の下流側の灰冷却熱交換部において、灰輸送管の内部を通って減圧器側に吸引搬送される。この際、灰輸送管は、その周囲に配設された各冷却水管に通水される冷却水により伝熱充填材を介して冷却される。これにより、灰輸送管の内部を吸引搬送される固気混合流体は冷却されながら減圧される。
【0055】
2.灰輸送管内壁は、固気混合流体が高速で通過するため摩耗量が大きい。従って、この摩耗により、灰輸送管にクレーズやホールが生じる場合がある。しかし、灰輸送管は伝熱充填材を介して冷却水管を通水する冷却水により冷却されているため、仮に灰輸送管にクレーズやホールが発生した場合でも冷却水管に穴が開くことがない。従って、灰輸送管の内部に冷却水が漏れ出す事故が防止され、灰輸送管の内部における冷却水による灰の固結・閉塞等の事故が防止される。
【0056】
ここで、伝熱充填材としては、鉄セメント等が使用される。
【0057】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の精密脱塵装置の灰処理装置であって、灰冷却搬送管の減圧器に連設された側は、各々が減圧器に連設された二以上の下流部灰搬送管に分岐しており、減圧手段は、下流部灰搬送管の各々に配設されており、各下流部灰搬送管の減圧手段の上流側に開閉弁を備えた構成としたものである。
【0058】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1.精密脱塵装置では、その内部のフィルタエレメントの表面に付着・捕集された灰が凝結し、大粒径の灰塊となる場合がしばしば生じる。このような灰塊は、精密脱塵装置の逆洗時に払い落とされ、灰受室に落下し、灰冷却搬送管の内部を通って減圧器に吸引搬送される。従って、灰冷却搬送管の内部を通過する固気混合流体中には、大粒径の灰塊が含まれることがある。しかし、減圧手段は、固気混合流体の減圧のため、流路幅を狭くする等の手段により流路抵抗が大きくなるように構成されている。このような減圧手段を灰塊が通過する場合、灰塊が減圧手段の内部で閉塞を生じることがある。かかる場合、灰冷却搬送管の減圧器に連設された側は、二以上の下流部灰搬送管に分岐しているため、閉塞の生じた減圧手段を有する下流部灰搬送管の開閉弁を閉止し、その間、他の下流部灰搬送管の開閉弁を開弁し、この他の下流部灰搬送管を介して固気混合流体を減圧器に搬送し、その間に、閉塞の生じた減圧手段の灰塊を除去する作業を行うことが可能となる。これにより、減圧手段の閉塞が生じても、精密脱塵装置を停止させることなく連続運転することが可能となる。
【0059】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の精密脱塵装置の灰処理装置であって、高圧パージガスを供給する高圧パージガス管と、各々の下流部灰搬送管の開閉弁の下流側かつ減圧手段の上流側と高圧パージガス管とに連通する複数のパージ管と、各パージ管に配設されたパージ弁と、灰冷却搬送管又は下流部灰搬送管と高圧パージガス管とに連通する切替パージ管と、切替パージ管に配設された切替パージ弁と、を備えた構成としたものである。
【0060】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1.何れかの減圧手段が閉塞した場合、閉塞の生じた減圧手段を有する下流部灰搬送管の開閉弁を閉止し、その間に、閉塞の生じた減圧手段の灰塊を除去する作業を行う必要がある。かかる場合、まず、他の下流部灰搬送管(以下、下流部灰搬送管Bと呼ぶ。)の開閉弁を開弁する。次いで、閉塞の生じた減圧手段を有する下流部灰搬送管(以下、下流部灰搬送管Aと呼ぶ。)の開閉弁を閉止する。この際、下流部灰搬送管Bの開閉弁の上流側には、灰が蓄積している。そこで、次に、切替パージ弁を開弁し、下流部灰搬送管Bの開閉弁の上流側に残存する灰を高圧パージガスにより減圧器内にパージする。その後、切替パージ弁を閉止する。この操作により、固気混合流体の搬送路は灰冷却搬送管から下流部灰搬送管Bを通って減圧器に向かう経路に切り替えられる。そして、下流部灰搬送管Aに連通するパージ弁を開弁し、下流部灰搬送管Aの減圧手段を閉塞する灰塊を高圧パージガスにより減圧器内にパージする。このような操作により、閉塞の生じた減圧手段の灰塊を除去する作業を行うことが可能となり、かかる作業の自動化が可能となる。
【0061】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の精密脱塵装置の灰処理装置であって、高圧パージガス管に配設され高圧パージガス管への高圧パージガスの供給・停止の切替を行う高圧パージ元弁と、一端部が高圧パージガス管に連通するブロー管と、ブロー管に配設された開閉弁であるブロー弁と、を備えた構成としたものである。
【0062】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1.減圧手段に灰塊が閉塞した場合、上述の請求項7で説明した動作では減圧手段を閉塞する灰塊を除去できない場合がある。即ち、減圧手段を閉塞する灰塊は、減圧器側に抜け易く下流部灰搬送管側に抜けにくい場合と、減圧器側に抜け難く下流部灰搬送管側に抜け易い場合とがある。従って、上述の請求項7で説明した動作では、減圧手段を閉塞する灰塊を一律に減圧器側に抜くため、かかる灰塊が減圧器側に抜け難く下流部灰搬送管側に抜け易い場合には、灰塊を除去できない場合がある。そこで、このような場合、まず、高圧パージ元弁を閉止し、下流部灰搬送管Aに連通するパージ管のパージ弁及びブロー弁を開弁する。ブロー管の後流は真空であるため、これにより、減圧器から下流部灰搬送管A,パージ管,ブロー管を通過する気流が発生し、下流部灰搬送管Aの減圧手段に填塞した灰塊をブロー管にパージされる。その後、ブロー弁,パージ弁を閉止しパージを終了する。これにより、灰塊が減圧器側に抜け難く下流部灰搬送管側に抜け易い場合でも、灰塊を除去することが可能となる。
【0063】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の精密脱塵装置の灰処理装置であって、灰冷却搬送管に配設され灰冷却搬送管の熱により加圧流動床ボイラの燃焼用エアを加熱する灰熱回収用熱交換器を備えた構成としたものである。
【0064】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1.灰冷却搬送管を搬送される固気混合流体は、灰熱回収用熱交換器において、加圧流動床ボイラの燃焼用エアにより冷却されるとともに、加圧流動床ボイラの燃焼用エアはこの固気混合流体の熱により加熱される。これにより、精密脱塵装置で捕集された高温の灰の熱を有効に利用することが可能となり、加圧流動床ボイラの熱効率が向上する。
2.灰熱回収用熱交換器で固気混合流体は冷却されるので、その分、系内を減圧することができる。
【0065】
本発明の請求項9に記載の精密脱塵装置の灰処理方法は、加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰を搬送する精密脱塵装置の灰処理方法において、精密脱塵装置により捕集された灰を灰受室に受け入れるとともに、灰を常時流動化前状態に保持するように灰の最小流動速度以下の流速で灰受室の底部から灰中に置換ガスを分散させることで、灰受室内で灰を流動化前状態に保持し同時に灰の周囲の炭酸ガス分圧を低下させ、灰受室内の灰の一部を灰搬送用のガスと混合させ固気混合流体とすることで灰を冷却し同時に灰の周囲の炭酸ガス分圧を更に低下させ、固気混合流体を減圧器により吸引搬送し、固気混合流体を減圧器の前部で減圧し、減圧器に搬送された固気混合流体を灰搬送用のガスと灰とに分離する構成としたものである。
【0066】
この構成により、以下のような作用が得られる。
1.加圧流動床ボイラにおいて発生する含塵ガスより精密脱塵装置で捕集される灰は、平均粒径がサブμm〜20μmの難流動性粉体である。従って、流動化させるために灰の下方から最小流動速度以上の流速でガスを供給すると、スラッギングを生じ、灰は灰受室内から外に飛散する。一方、加圧流動床ボイラにおいて発生する含塵ガスより捕集される灰中には、CaO,MgO等のコーティングを生じやすい物質が多量に含有される。かかる灰をコーティング生成領域の状態で静的に保持すると、灰はコーティングにより凝結・固化し、灰受室の内部等に付着・固結する。そこで、灰が流動化前状態となる流速で灰受室の底部から灰中に置換ガスを分散させることにより、灰がスラッギングを生じ灰受室内から外に飛散することを防止されると同時に、この置換ガスにより灰の周囲の炭酸ガス分圧が低下され、灰受室内の灰はコーティングの発生しにくい状態となる。これにより、灰受室から灰を安定して吸引排出することが可能となる。
【0067】
2.加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰受室内部の灰は、200〜800℃の高温状態にある。また、灰受室内部では、置換ガスにより灰の周囲の炭酸ガス分圧が低下されるが、加圧状態のため、依然炭酸ガス分圧の高い状態にある。一方、加圧流動床ボイラから発生する灰中には[CaO・CO2nや[MgO・CO2n等の脱炭酸化を生じやすい物質が含有されており、これらの物質の脱炭酸化により、搬送中の灰中において局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じる場合がある。かかる場合、搬送中の灰中において局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じると、灰中のCaOやMgOが再びコーティング生成領域に戻りコーティングを生じ、搬送路内で灰の固結が生じる。そこで、上記状態の灰に対し、灰搬送用ガスにより急速に炭酸ガス分圧を低減させると同時に急冷し、固気混合流体として灰冷却搬送管内を搬送するため、灰冷却搬送管内での灰のコーティングが防止される。
【0068】
3.加圧流動床ボイラから発生する灰中には[CaO・CO2nや[MgO・CO2n等の脱炭酸化を生じやすい物質が含有されており、これらの物質の脱炭酸化により、減圧器内に搬送された灰中において局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じる場合がある。減圧器内が高温・高圧状態にある場合、減圧器内で局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じると、灰中のCaOやMgOが再びコーティング生成領域に戻りコーティングを生じ、減圧器内部での灰の固結が生じる。そこで、灰受室から減圧器に気流搬送させる灰の固気混合流体を、減圧器の前部で減圧し、減圧器内部は低圧状態とすることにより、灰中に含有される[CaO・CO2nや[MgO・CO2n等の脱炭酸化により、減圧器内の灰中において局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じても、灰中のCaOやMgOが再びコーティング生成領域に戻ることが防止され、減圧器内部での灰の固結が防止される。これにより、灰受室から灰の搬出を安定的に継続して行うことが可能となる。
【0069】
尚、固気混合流体を減圧器の前部で減圧することで、固気混合流体は断熱膨張により更に温度が低下するため、再度加熱しない限り、再びコーティング生成領域に戻ることはなくなる。
【0070】
4.減圧器内は常時低圧に維持されているため、固気混合流体から分離した灰を外部に排出する場合、ロックホッパ等の減圧機構が不要であり、灰処理設備の小型化が図られ、メンテナンス性も向上する。
【0071】
以下に本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図3は本発明の実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置を用いた加圧流動床燃焼システムの全体構成図である。
【0072】
図3において、1は内部を高圧状態に維持する圧力容器、2は圧力容器1内に配設され高温高圧下で燃料を燃焼させる加圧流動床ボイラ、2aは加圧流動床ボイラ2の内に配設され燃焼熱により内部に通水される水を加熱気化させる伝熱管、2bは加圧流動床ボイラ2の頂部に形成されたボイラ頂部マニホールド、3は加圧流動床ボイラ2の上部のボイラ頂部マニホールド2bの下部に連通して配設された灰循環装置、4はボイラ頂部マニホールド2bと灰循環装置3とに連通し灰循環装置3により粗脱塵された高温高圧の含塵ガスが送気される灰循環装置出口ガス流路、5はボイラ頂部マニホールド2bと加圧流動床ボイラ2とに連通するオリフィスで形成された灰粒径分布調整装置、5'はボイラ頂部マニホールド2bに連通しボイラ頂部マニホールド2b内の高温高圧の含塵ガスが送気されるボイラ出口ガス流路である。
【0073】
灰循環装置3は、サイクロンやルーバ等で構成され、加圧流動床ボイラ2より排出される含塵ガスの灰循環(粗粒灰の循環)を行う。灰粒径分布調整装置5は、加圧流動床ボイラ2において発生する粗粒灰を含有する含塵ガスの一部を灰循環装置3をバイパスさせる。また、灰粒径分布調整装置5には、バイパスさせる粗粒灰を含有する含塵ガスの流量を調節する制御バルブ等の流量調節手段(図示せず)が配設されている。これにより、ボイラ出口ガス流路5'の内部を送気される含塵ガスに含有される灰粒子の粒径分布を調節することができる。
【0074】
6はボイラ出口ガス流路5'の下流側に連設された精密脱塵装置である。精密脱塵装置6は、チューブ型,キャンドル型,ハニカム型等のセラミックフィルタやバグフィルタにより構成され、ボイラ出口ガス流路5'を介して加圧流動床ボイラ2より送気される含塵ガスの精密脱塵を行う。
【0075】
7は精密脱塵装置6の下部に配設され精密脱塵装置6で捕集された灰を一時的に滞留させるアッシュビン、8はアッシュビン7の内部に挿設され先端部がアッシュビン7内に開口する二重管からなるサクションノズルである。サクションノズル8は、外管より灰搬送用ガスをアッシュビン7の内部に送入し、内管よりアッシュビン7内の灰を固気混合状態で吸引すると同時に吸引された固気混合流体の炭酸ガス分圧を灰搬送用ガス等で急速に低下させる。
【0076】
9はサクションノズル8に連通する灰冷却搬送管、10は灰冷却搬送管9の下流側をなす灰冷却熱交換部、11は圧力容器1内に配設され内部に灰冷却搬送管9が貫通された灰熱回収用熱交換器、12は灰冷却搬送管9の下流側端部に連通された減圧器、13は二つに分岐した灰冷却搬送管9の下流部の一方をなす主下流部灰搬送管、13aは主下流部灰搬送管13に配設された開閉弁からなる主管開閉弁、13bは主下流部灰搬送管13の主管開閉弁13aの下流側に配設されオリフィス,減圧弁,ベンチュリ等により構成された主管減圧手段、14は二つに分岐した灰冷却搬送管9の下流部の他方をなす副下流部灰搬送管、14aは副下流部灰搬送管14に配設された開閉弁からなる副管開閉弁、14bは副下流部灰搬送管14の副管開閉弁14aの下流側に配設されオリフィス,減圧弁,ベンチュリ等により構成された副管減圧手段である。
【0077】
灰冷却搬送管9には、サクションノズル8から吸引された灰と灰搬送用ガスとの固気混合流体が送気される。また、灰冷却搬送管9の下流側は、主下流部灰搬送管13及び副下流部灰搬送管14の二つに分岐しており、主下流部灰搬送管13及び副下流部灰搬送管14の各々が減圧器12に連設されている。灰冷却熱交換部10は、その内部を搬送される固気混合流体と冷却水との熱交換を行うことにより、固気混合流体の温度を600℃以下に冷却する。灰熱回収用熱交換器11は、流動床ボイラ2に供給する燃焼用エアと灰冷却搬送管9内を搬送される固気混合流体との熱交換を行い灰熱を回収する。減圧器12は、内部の気圧を略常圧状態に保持しサクションノズル8から灰冷却搬送管9を介して灰を吸引させる。主管減圧手段13b及び副管減圧手段14bは、灰冷却搬送管9と減圧器12との間の差圧を生じさせ、減圧器12の内部を略常圧状態にまで減圧する。
【0078】
15は減圧器12に連設されたサイクロン、16はサイクロン15の下部に連設された一次灰処理灰クーラ、17は一次灰処理灰クーラ16の下部に連設され一次灰処理灰クーラ16により冷却された灰を貯留するフライアッシュホッパである。
【0079】
サイクロン15は、減圧器12に吸引された固気混合流体が送入され、この固気混合流体を灰と灰搬送用ガスとに分離する。また、一次灰処理灰クーラ16は、サイクロン15により分離された灰の冷却を行う。
【0080】
図4は実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置のアッシュビン周辺の構成図である。
図4において、7はアッシュビン、8はサクションノズルであり、これらは図3と同様のものであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
7aはアッシュビン7の上部に形設されアッシュビン7内に灰を流動化前状態(灰が浮遊化され分散された状態)で滞留させる灰受室、7bはアッシュビン7の下部に形設され灰受室7aに灰の炭酸ガス分圧低減用の置換ガスを供給する置換ガス送気室、18は置換ガス送気室7bの下部に連通し置換ガス送気室7b内に置換ガスを送入する置換ガス管、19は灰受室7aと置換ガス送気室7bとの間に配設され多数の置換ガス送気口19aが形成された多孔板からなる灰受室床部、20は灰受室床部19の上面に複数本突設され灰受室床部19に貫設された置換ガス送気口19aに連通し筒側面に複数の噴気孔20aが貫設された散気筒である。
【0082】
サクションノズル8は、灰受室7aの内部に延出し先端部が灰受室7a内に開口している。
【0083】
散気筒20は、置換ガス送気室7bから置換ガス送気口19aを通して送入される置換ガスを、筒側面に貫設された噴気孔20aから灰受室7a内に噴射し、灰受室7a内に滞留された灰を流動化前状態に保持しつつ灰周囲の炭酸ガス分圧を低減させる。
【0084】
21はサクションノズル8の内管を成しアッシュビン7の灰受室7a内の灰を吸引する吸引管、22はサクションノズル8の二重管の外管に連通する灰搬送用ガス管、23は灰吸引管21に連通する固気比調整用ガス管である。
【0085】
置換ガス管18には、置換ガス供給手段(図示せず)により置換ガスが供給される。また、灰搬送用ガス管22には、搬送用ガス供給手段(図示せず)により灰搬送用ガスが供給される。これにより、搬送用ガス供給手段は、灰搬送用ガス管22,サクションノズル8の外管を介してサクションノズル8の先端に搬送用ガスを供給する。更に、固気比調整用ガス管23には、固気比調整用ガス供給手段(図示せず)により固気比調整用ガスが供給される。これにより、固気比調整用ガス供給手段は、固気比調整用ガス管23を介して吸引管21内を搬送される固気混合流体に固気比調整用ガスを供給する。尚、灰搬送用ガス管22よりサクションノズル8の先端に搬送用ガスを供給することにより、サクションノズル8の先端の灰詰まりも防止される。また、固気比調整用ガス管23を介して固気混合流体に供給される固気比調整用ガスは、固気混合流体の冷却も行う。
【0086】
置換ガス供給手段,搬送用ガス供給手段,固気比調整用ガス供給手段としては、加圧流動床ボイラ2の圧力容器1内の高圧空気を置換ガス,搬送用ガス,固気比調整用ガスとして供給させるように構成したものや、高圧空気を生成するポンプにより置換ガス,搬送用ガス,固気比調整用ガスを供給させるように構成したもの等が使用される。
【0087】
図5は実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置に備えられた灰冷却搬送管の灰冷却用熱交換部の断面図である。
【0088】
図5において、10は灰冷却熱交換部、10aは内部を灰と灰搬送用のガスとの固気混合流体が搬送される灰輸送管、10bは灰輸送管を外周を取り囲んで灰輸送管と平行に複数配設され内部を冷却水が通水される冷却水管、10cは灰輸送管10aと各冷却水管10bとの間に充填され鉄セメント等の良熱伝導性の固形充填材からなる伝熱充填材である。
【0089】
灰冷却熱交換部10は、灰輸送管10aの周囲に同心円上に複数の冷却水管10bが灰輸送管10aと平行に配設された構造とされている。灰輸送管10aと各冷却水管10bとの間は、良熱伝導性の伝熱充填材10cが充填されているため、各冷却水管10b内を通る冷却水と灰輸送管10a内を通る固気混合流体との間で熱交換が行われる。これにより、灰輸送管10a内を通る固気混合流体は冷却される。
【0090】
尚、灰輸送管10aと各冷却水管10bとの間には伝熱充填材10cが充填されているため、固気混合流体による摩耗により、灰輸送管10aに穴が開いても各冷却水管10bに穴が開くことがなく、各冷却水管10bの冷却水が灰輸送管10a内に流出することはない。従って、灰輸送管10aの内部に冷却水が漏れ出す事故が防止され、灰輸送管10aの内部における冷却水による灰の固結・閉塞等の事故が防止される。
【0091】
図6は実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置の減圧器周辺の構成図である。
【0092】
図6において、1は圧力容器、9は灰冷却搬送管、11は灰熱回収用熱交換器、12は減圧器、13は主下流部灰搬送管、13aは主管開閉弁、13bは主管減圧手段、14は副下流部灰搬送管、14aは副管開閉弁、14bは副管減圧手段、15はサイクロン、16は一次灰処理灰クーラ、17はフライアッシュホッパであり、これらは図3と同様のものであるため同一の符号を付して説明を省略する。
【0093】
24は主管減圧手段13b又は副管減圧手段14bを閉塞する灰塊をパージするための高圧パージガスを供給する高圧パージガス管、24'は高圧パージガス管24に配設され高圧パージガス管24への高圧パージガスの供給・停止の切替を行う高圧パージガス元弁、24aは副下流部灰搬送管14の副管開閉弁14aの下流側と高圧パージガス管24とに連通した副パージ管、24bは主下流部灰搬送管13の主管開閉弁13aの下流側と高圧パージガス管24とに連通した主パージ管、24cは主下流部灰搬送管13の主管開閉弁13aの上流側と高圧パージガス管24とに連通した切替パージ管、25は副パージ管24aに配設された開閉弁からなる副パージ弁、26は主パージ管24bに配設された開閉弁からなる主パージ弁、27は切替パージ管24cに配設された開閉弁からなる切替パージ弁、28は高圧パージガス管24に連通したブロー管、29はブロー管28に配設された開閉弁からなるブロー弁、30はブロー管28の下流側に連設されブロー管28から排出される灰を分離する灰分離器である。
【0094】
主管減圧手段13b又は副管減圧手段14bを閉塞する灰塊は、後述するように副パージ管24a及び高圧パージガス管24、又は主パージ管24b及び高圧パージガス管24を介してブロー管28に逆流させ排出される。
【0095】
以上のように構成された本実施の形態1の精密脱塵装置の灰処理装置において、以下その灰処理方法を説明する。
【0096】
加圧流動床ボイラ2において燃料の燃焼により高温高圧の含塵ガスが発生する。同時に脱硫・脱塩剤が火炉又は煙道に投入され、ボイラ出口ガス流路5'内の含塵ガス中にはCa,Mgの酸化物,炭酸塩,水酸化物,硫化物,塩化物などが含まれる。
【0097】
灰循環装置3,灰粒径分布調整装置5及び制御バルブは、ボイラ出口ガス流路5'を介して精密脱塵装置6に送気される含塵ガスに含有される灰の粒径分布を平均粒径φave=サブμm〜20μm,最大粒径φtop=100〜250μmに調整する。
【0098】
含塵ガス中の灰に粗粒灰を混合させることで、精密脱塵装置6のフィルタ面における粗粒灰の掻き落とし効果により、精密脱塵装置6のフィルタ差圧Δpの低減・安定化が行われると同時に、アッシュビン7への灰の供給が継続的になり、精密脱塵装置6の逆洗時にアッシュビン7に一気に大量の灰が供給される事態が緩和し、安定運転を継続できる。
【0099】
ボイラ出口ガス流路5'から精密脱塵装置6に送入された含塵ガスは、精密脱塵装置6で灰分とガスとに分離され、ガスは排出され灰は逆洗等によりアッシュビン7の灰受室7a内に落とされる。
【0100】
灰受室7aに落とされた灰は灰受室床部19の散気筒20から散気される置換ガスにより流動化前状態とされる。この置換ガスにより、灰受室7a内の灰の周囲における炭酸ガス分圧が低減される。これにより、灰中に含有されるCaO,CaCO3やMgO,MgCO3等はコーティング生成領域から外れた状態に保たれ、コーティングによる灰の凝結・固化が防止される。
【0101】
尚、置換ガスの流速は、灰の最小流動速度Umfよりも遅い速度に設定される。灰の最小流動速度は、捕集される灰の粒径や比重等により変化するため、一義的には決定できないが、精密脱塵装置において捕集されるそれぞれの灰の性状に対応させて決定すればよい。これにより、灰は流動化前状態に保たれる。また、置換ガスの流速は、灰の最小流動速度Umfにできるだけ近い速度とすることが好ましい。置換ガスをできるだけ多く注入することで、灰中で局所的な炭酸ガス分圧の上昇が起こりにくくなるからである。
【0102】
灰受室7a内の灰は、サクションノズル8の先端部近傍において、灰搬送用ガス管22から噴出される灰搬送用ガスにより流動化され、吸引管21より固気混合流体として吸引される。この際、アッシュビン7の灰受室7a内は高圧状態であり、サクションノズル8に連通する灰冷却搬送管9の下流側は減圧器12により減圧状態とされているため、この気圧差により灰受室7a内の灰は吸引管21に吸引される。
【0103】
尚、上記の置換ガス及び灰搬送用ガスは、圧力容器1内から供給されるエアやN2ガス等が使用される。
【0104】
また、灰搬送用ガスのサクションノズル8の先端部における流速は、サクションノズル8の先端での灰詰まりを防止できる速度とされる。
【0105】
吸引管21に吸引された固気混合流体は、固気比調整用ガス管22から供給される固気比調整用ガスと混合され、更に炭酸ガス分圧が低下されると共に、灰の気流搬送に適した固気比に固気比調節が行われる。これにより、灰は飛翔流動状態で灰冷却搬送管9へ送られる。
【0106】
このとき、固気混合流体は、灰搬送用ガスや固気比調整用ガスと混合されることにより急冷される。この急冷により、灰中の[CaO・CO2n,[MgO・CO2n,CaCO3,MgCO3等の脱炭酸化により、再び固気混合流体の炭酸ガス分圧が上昇したとしても、温度が低下しているため、CaO,CaCO3やMgO,MgCO3等が再びコーティング生成領域に戻ることが防止され、コーティングによる灰の凝結・固化が防止され、各配管内や容器内での灰による閉塞やブリッジ現象が生ずるのを防止でき安定運転を継続できる。
【0107】
尚、固気比調整用ガスは、圧力容器1内から供給されるエアやN2ガス等が使用される。
【0108】
灰冷却搬送管9内に送られた固気混合流体は、灰冷却熱交換部10により冷却水との熱交換が行われ、更に温度が低下される。熱交換に用いられた冷却水は、ボイラ給水として使用され、灰の熱の有効利用が図られる。
【0109】
灰冷却熱交換部10により冷却された固気混合流体は、灰冷却搬送管9内を灰熱回収用熱交換器11に送られ、燃焼用エアと熱交換される。これにより、固気混合流体は更に冷却されるとともに、燃焼用エアは灰の熱により加熱され、灰の熱の回収が行われる。灰の熱を回収した燃焼用エアは、加圧流動床ボイラ2の燃焼に使用されるため、熱の有効利用が図られ、加圧流動床燃焼システムの熱効率を向上させることができる。
【0110】
灰熱回収用熱交換器11により冷却された固気混合流体は、主下流部灰搬送管13を通り主管減圧手段13bで略常圧まで減圧された後、減圧器12に送られる。このように、減圧器12内は常時低圧(略常圧)に維持されるため、固気混合流体の灰中に含有される[CaO・CO2nや[MgO・CO2n等の脱炭酸化により減圧器12内やその下流側で炭酸ガス分圧が再び上昇したとしても、灰中に含有されるCaOやMgOが再度コーティング生成領域に戻ることが防止され、減圧器12内部やその下流側でのコーティングによる灰の固結が防止される。従って、灰の搬出を安定的に継続して行うことが可能となり、装置全体の安定運転を継続することができる。
【0111】
減圧器12に搬送された固気混合流体は、次いで、サイクロン15に送られ、灰搬送用ガスと灰とが分離される。固気混合流体から分離された灰は、一次灰処理灰クーラ16により更に冷却された後、フライアッシュホッパ15内に貯留される。一方、固気混合流体から分離された灰搬送用ガスは、浄化処理が行われた後、大気に排出される。
【0112】
灰中に混入する灰塊が、主下流部灰搬送管13の主管減圧手段13bを閉塞した場合、固気混合流体の搬送路は灰冷却搬送管9から副下流部灰搬送管14を通って減圧器12に通じる経路に切り替えられる。このときの切替動作は以下のようにして行われる。
【0113】
まず、副下流部灰搬送管14の副管開閉弁14aを開弁した後、閉塞の生じた主管減圧手段13bを有する主下流部灰搬送管13の主管開閉弁13aを閉止する。この際、副下流部灰搬送管14の副管開閉弁14aの上流側には、灰が蓄積している。そこで、次に、切替パージ弁27を開弁し、副下流部灰搬送管14の副管開閉弁14aの上流側に残存する灰を高圧パージガスにより減圧器12内にパージする。その後、切替パージ弁27を閉止する。この操作により、固気混合流体の搬送路は灰冷却搬送管9から副下流部灰搬送管14を通って減圧器12に向かう経路に切り替えられる。
【0114】
次に、主下流部灰搬送管13の主管減圧手段13bに填塞した灰をパージする動作は次のようにして行われる。
【0115】
▲1▼まず、主パージ弁26を開弁し、主管減圧手段13bに填塞した灰塊を、高圧パージガス管24からの高圧パージガスにより減圧器12内にパージする。
【0116】
この操作により灰塊は主管減圧手段13bからほぼ除去されるが、上記の動作では減圧手段を閉塞する灰塊を除去できない場合がある。即ち、主管減圧手段13bを閉塞する灰塊は、減圧器12側に抜け易く灰搬送管9側に抜けにくい場合と、減圧器12側に抜け難く灰搬送管9側に抜け易い場合とがある。従って、上記の動作では、主管減圧手段13bを閉塞する灰塊を一律に減圧器12側に抜くため、かかる灰塊が減圧器12側に抜け難く灰搬送管9側に抜け易い場合には、灰塊を除去できない場合がある。
【0117】
そこで、このような場合、減圧器12から主下流部灰搬送管13,主パージ管24bを経てブロー管28へ至る気流を発生させ、主下流部灰搬送管13の主管減圧手段13bに填塞した灰塊をブロー管28にパージする操作を行い灰塊を除去する。
【0118】
これは、具体的には以下のような操作により行われる。
▲2▼高圧パージガス元弁24'を閉止し、ブロー弁29を開弁し、逆に減圧器12から主下流部灰搬送管13,主パージ管42b,ブロー管28を通して灰分離器30に気流を発生させ、主管減圧手段13bに填塞した灰を灰分離器30側にパージする。
▲3▼ブロー弁29,主パージ弁26を閉止しパージを終了する。
【0119】
これにより、灰塊が減圧器12側に抜け難く灰搬送管9側に抜け易い場合でも、灰塊を除去することが可能となり、かかる作業の自動化が可能となる。
【0120】
尚、副下流部灰搬送管14から主下流部灰搬送管13へ切り替える作業及び副下流部灰搬送管14の副管減圧手段14bを閉塞した灰塊を除去する作業も、上記動作に準じて行われる。
【0121】
(実施例1)
図7は本発明の精密脱塵装置の灰処理方法における灰の状態遷移の一例を示した図である。
【0122】
(1).図7において、点P1(温度約800℃,炭酸ガス分圧約1atm)の状態にある灰受室7a内の灰は、置換ガスにより急速に炭酸ガス分圧の降下が行われ、経路C1を経て点P2(温度約800℃,炭酸ガス分圧約0.003atm)の状態となる。このとき、灰はコーティング生成領域を通過するが、瞬時に通過するため、炭酸化硬化は殆ど生じることなくコーティングは発生しない。また、灰受室7a内の炭酸ガス分圧は常時低い状態に保たれるため、灰中の[CaO・CO2nや[MgO・CO2n等の脱炭酸化により、灰中に局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じても、灰中のCaOやMgOが再びコーティング生成領域に戻ることが防止され、灰受室7a内部での灰の固結が防止される。
【0123】
(2).更に、点P2の状態にある灰は、灰搬送用ガス,固気比調整用ガスにより固気混合流体とされるとともに、灰搬送用ガス,固気比調整用ガス,灰冷却熱交換部10により急冷され、経路C2を経て点P3(温度約600℃,炭酸ガス分圧約0.003atm)の状態となる。このとき、灰はコーティング生成領域を通過することがない。
【0124】
(3).更に、点P3の状態にある灰(固気混合流体)は、減圧器12の手前において、常圧付近まで減圧され、経路C3を経て点P4(温度約500℃,炭酸ガス分圧約0.0003atm)の状態となる。尚、この際、固気混合流体の断熱膨張により温度も低下する。この点P4の状態の灰(固気混合流体)が減圧器12に送入される。点P4の状態では、炭酸ガス分圧は、空気中の炭酸ガス分圧(0.00033〜0.00034atm)と略同等であり、灰は完全にコーティング生成領域を脱する。
【0125】
(4).その後、灰中に含有される[CaO・CO2nや[MgO・CO2n等が脱炭酸化により炭酸ガスを放出するため、わずかに炭酸ガス分圧は上昇するものの、灰は既にコーティング生成領域の温度以下に冷却されているため、コーティングを生じることはない。
【0126】
尚、上記(1)の操作の後、灰を除冷した場合、灰中に含有される[CaO・CO2nや[MgO・CO2n等が脱炭酸化により炭酸ガスを放出するため、灰の状態は図5のパスC3'に沿って変化する。従って、灰は斜線で示した領域R1をゆっくりと通過するため、領域R1の通過時に炭酸化硬化を生じ、コーティングが生じる。即ち、本発明の精密脱塵装置の灰処理方法においては、灰受室7aから灰を搬出する際に、灰搬送用ガス,固気比調整用ガス,灰冷却熱交換部10により灰を急冷し、コーティング生成領域外に灰の状態を遷移させ、コーティング生成領域外において灰を操作することが重要な点であることが分かる。
【0127】
【発明の効果】
以上のように本発明の精密脱塵装置の灰処理装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0128】
請求項1に記載の発明によれば、1. 灰と灰搬送用ガスの固気混合流体は、灰冷却搬送管9内を通過中に減圧手段により減圧されるため、減圧器内は常時低圧に維持され、灰の脱炭酸化により減圧器内に滞留した灰中で局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じても、灰中のCaOやMgOが再びコーティング生成領域に戻ることが防止され、減圧器内部での灰の固結が防止される。これにより、精密脱塵装置で捕集される高温・高圧の凝結性の大きい灰の搬出の安定的化が図られ、かかるプラントの運転の安定性・継続性が向上する。
2.減圧器内は常時低圧に維持されているため、減圧器に集蓄された灰を外部に排出する場合、ロックホッパ方式等の減圧機構を必要とせず、灰処理設備の小型化が図られ、メンテナンス性も向上する。
3.灰受室床部に堆積した灰中に置換ガスを送気することで、灰周囲の炭酸ガス分圧が常時低い状態に保たれ、灰受室内での灰のコーティングが防止され、灰受室内からの灰の搬出の安定的化が図られる。
4.加圧流動床ボイラにおいて発生する平均粒径がサブμm〜20μmの難流動性粉体の灰を、灰受室内から外に飛散することを防止しつつ灰周囲の炭酸ガス分圧を常時低い状態に保つことが可能となる。このため、サクションノズルにより安定して吸引排出することができる。
【0130】
請求項2に記載の発明によれば、灰をサクションノズルの先端近傍でのみ流動化し固気混合流体として、サクションノズルの内管先端から吸引し、灰冷却搬送管に送出することで、灰受室内の灰はサクションノズルの先端近傍以外では流動化することなく、難流動性の粉体である灰でも、灰受室内から飛散させることなく安定的に搬出することが可能となる。
【0131】
請求項3に記載の発明によれば、固気比調整用ガス管から、サクションノズルの内管を通過する固気混合流体に固気比調整用ガスを供給することにより、サクションノズルの先端の灰の流動化の際の固気比とは独立に固気混合流体の固気比を搬送に最適な固気比に調節ことが可能となり、灰冷却搬送管内での灰の搬送の安定化と固結・閉塞の防止が図られる。
【0132】
請求項4に記載の発明によれば、1.灰冷却搬送管内を固気混合流体として搬送される灰は、灰冷却熱交換部において、各冷却水管に通水される冷却水により伝熱充填材を介して冷却されるため、灰の急速冷却が助成されるとともに、冷却水により灰熱の回収が図られる。
2.摩耗により、灰輸送管に穴が開いた場合でも、灰輸送管は伝熱充填材を介して冷却水管を通水する冷却水により冷却されているため、冷却水管に穴が開くことがなく、灰輸送管の内部に冷却水が漏れ出す事故が防止され、灰輸送管の内部における冷却水による灰の固結・閉塞等の事故の防止が図られる。
【0133】
請求項5に記載の発明によれば、減圧手段の閉塞が生じても、精密脱塵装置を停止させることなく連続運転することが可能となり、プラントの運転の安定性・継続性が向上する。
【0134】
請求項6に記載の発明によれば、閉塞の生じた減圧手段の灰塊を除去する作業の自動化が可能となり、プラントの運転の操作性・作業性が向上する。
【0135】
請求項7に記載の発明によれば、減圧手段に閉塞した灰塊が減圧器側に抜け難く灰搬送管側に抜け易い場合でも、灰塊を除去することが可能となり、かかる灰の閉塞が解消できないと云うトラブルが減少し、プラントの運転の安定性・継続性が向上する。
【0136】
請求項8に記載の発明によれば、精密脱塵装置で捕集された高温の灰の熱を有効に利用することが可能となり、加圧流動床ボイラの熱効率の向上が図られる。
【0137】
また、本発明の精密脱塵装置の灰処理方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。請求項9に記載の発明によれば、1.加圧流動床ボイラの精密脱塵装置で捕集される難流動性粉体の灰を、灰受室から飛散させず固結させることなく安定して吸引排出することが可能となる。
2.灰搬送用ガスにより急速に炭酸ガス分圧を低減させると同時に急冷し、固気混合流体として灰冷却搬送管内を搬送するため、灰冷却搬送管内での灰のコーティングが防止される。
3.加圧流動床ボイラから発生する灰の脱炭酸化により、減圧器内の灰中において局所的な炭酸ガス分圧の上昇が生じても、減圧器内部での灰の固結が防止され、灰の搬出を安定的に継続して行うことが可能となる。
4.減圧器内は常時低圧に維持されているため、固気混合流体から分離した灰を外部に排出する場合、ロックホッパ等の減圧機構が不要であり、灰処理設備の小型化が図られ、メンテナンス性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】灰の周囲ガス温度と炭酸ガス分圧に対するCaOとCaCO3との相図
【図2】常温・常圧空気雰囲気下についてのGeldartによる粉体分類を表す参考図
【図3】本発明の実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置を用いた加圧流動床燃焼システムの全体構成図
【図4】実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置のアッシュビン周辺の構成図
【図5】実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置に備えられた灰冷却搬送管の灰冷却用熱交換部の断面図
【図6】実施の形態1における精密脱塵装置の灰処理装置の減圧器周辺の構成図
【図7】本発明の精密脱塵装置の灰処理方法における灰の状態遷移の一例を示した図
【図8】特開平8−73034号公報に開示の粉体輸送装置の構成図
【図9】特開平7−42910号公報及び特開平7−174327号公報に開示の粉体輸送装置の構成図
【符号の説明】
1 圧力容器
2 加圧流動床ボイラ
2a 伝熱管
2b ボイラ頂部マニホールド
3 灰循環装置
4 灰循環装置出口ガス流路
5 灰粒径分布調整装置
5' ボイラ出口ガス流路
6 精密脱塵装置
7 アッシュビン
7a 灰受室
7b 置換ガス送気室
8 サクションノズル
9 灰冷却搬送管
10 灰冷却熱交換部
10a 灰輸送管
10b 冷却水管
10c 伝熱充填材
11 灰熱回収用熱交換器
12 減圧器
13 主下流部灰搬送管
13a 主管開閉弁
13b 主管減圧手段
14 副下流部灰搬送管
14a 副管開閉弁
14b 副管減圧手段
15 サイクロン
16 一次灰処理灰クーラ
17 フライアッシュホッパ
18 置換ガス管
19 灰受室床部
19a 置換ガス送気口
20 散気筒
20a 噴気孔
21 吸引管
22 灰搬送用ガス管
23 固気比調整用ガス管
24 高圧パージガス管
24' 高圧パージガス元弁
24a 副パージ管
24b 主パージ管
24c 切替パージ管
25 副パージ弁
26 主パージ弁
27 切替パージ弁
28 ブロー管
29 ブロー弁
30 灰分離器
100 フィルタ容器
101 フィルタ
102 含塵ガス導入管
103 清澄ガス排出管
104 逆洗ガス管
105 フィルタ下部ホッパ
106 灰抜出部
107 灰搬送固気比調整パージガス管
107a パージガス流量制御弁
108 灰冷却搬送管
108a 冷却ジャケット部
109 ストレージホッパ
110 フィルタ
111 逆洗ガス管
112 排気管
113a オリフィス
113b 排気流量制御弁
114 灰払出し管
120 灰冷却器
121 搬送管絞り
122 パージ空気供給管
123 減圧ホッパ
124 常圧灰ホッパ
125,126 ブリッジブレーカ空気供給管
127 加圧用空気供給管
128 常圧系灰搬送ライン
128a 常圧系空気吸引部
129 減圧放出ライン
130,131 灰払出弁
132,133 気密弁

Claims (9)

  1. 加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰を搬送する精密脱塵装置の灰処理装置において、前記精密脱塵装置下部に開口して配設された灰受室と、前記灰受室内部に灰搬送用のガスを供給する灰搬送用ガス供給手段と、一端が前記灰受室に連通する灰冷却搬送管と、前記灰冷却搬送管の他端に連設された減圧器と、前記灰冷却搬送管の前記減圧器に連設された端部の近傍に設けられた減圧手段と、前記灰受室の床部をなし前記床部に複数の置換ガス送気口が形成された灰受室床部と、炭酸ガス分圧低減用のガスである置換ガスを、前記置換ガス送気口から前記灰を常時流動化前状態に保持するように前記灰の最小流動速度以下の流速で前記灰受室に送気する置換ガス送気手段と、を備えたことを特徴とする精密脱塵装置の灰処理装置。
  2. 先端部が開口する内管及び外管からなる二重管で構成され前記先端部が前記灰受室内部に延出して設けられたサクションノズルを備え、前記灰搬送用ガス供給手段は、前記サクションノズルの外管に灰搬送用のガスを供給し、前記灰冷却搬送管は、一端が前記サクションノズルに連設されていることを特徴とする請求項1に記載の精密脱塵装置の灰処理装置。
  3. 前記サクションノズルの内管に連通する固気比調整用ガス管と、前記固気比調整用ガス管に固気比調整用のガスを供給する固気比調整用ガス供給手段と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の精密脱塵装置の灰処理装置。
  4. 前記灰冷却搬送管は、下流側に、灰冷却熱交換部を有し、前記灰冷却熱交換部は、内部を前記灰と前記灰搬送用のガスとの固気混合流体が搬送される灰輸送管と、前記灰輸送管の外周を取り囲んで複数配設された冷却水管と、前記灰輸送管と前記各冷却水管との間に充填された伝熱充填材と、を具備していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の精密脱塵装置の灰処理装置。
  5. 前記灰冷却搬送管の前記減圧器に連設された側は、各々が前記減圧器に連設された二以上の下流部灰搬送管に分岐しており、前記減圧手段は、前記下流部灰搬送管の各々に配設されており、前記各下流部灰搬送管の前記減圧手段の上流側に開閉弁を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の精密脱塵装置の灰処理装置。
  6. 高圧パージガスを供給する高圧パージガス管と、各々の前記下流部灰搬送管の前記開閉弁の下流側かつ前記減圧手段の上流側と前記高圧パージガス管とに連通する複数のパージ管と、前記各パージ管に配設されたパージ弁と、前記灰冷却搬送管又は前記下流部灰搬送管と前記高圧パージガス管とに連通する切替パージ管と、前記切替パージ管に配設された切替パージ弁と、を備えていることを特徴とする請求項5に記載の精密脱塵装置の灰処理装置。
  7. 前記高圧パージガス管に配設され前記高圧パージガス管への前記高圧パージガスの供給・停止の切替を行う高圧パージ元弁と、一端部が前記高圧パージガス管に連通するブロー管と、前記ブロー管に配設された開閉弁であるブロー弁と、を備えていることを特徴とする請求項6に記載の精密脱塵装置の灰処理装置。
  8. 前記灰冷却搬送管に配設され前記灰冷却搬送管の熱により前記加圧流動床ボイラの燃焼用エアを加熱する灰熱回収用熱交換器を備えていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の精密脱塵装置の灰処理装置。
  9. 加圧流動床ボイラから発生する含塵ガスを高温高圧下で脱塵する精密脱塵装置により捕集された灰を搬送する精密脱塵装置の灰処理方法において、前記精密脱塵装置により捕集された前記灰を灰受室に受け入れるとともに、前記灰を常時流動化前状態に保持するように前記灰の最小流動速度以下の流速で前記灰受室の底部から前記灰中に置換ガスを分散させることで、前記灰受室内で前記灰を流動化前状態に保持し同時に前記灰の周囲の炭酸ガス分圧を低下させ、前記灰受室内の前記灰の一部を灰搬送用のガスと混合させ固気混合流体とすることで灰を冷却し同時に前記灰の周囲の炭酸ガス分圧を更に低下させ、前記固気混合流体を減圧器により吸引搬送し、前記固気混合流体を前記減圧器の前部で減圧し、前記減圧器に搬送された前記固気混合流体を前記灰搬送用のガスと前記灰とに分離することを特徴とする精密脱塵装置の灰処理方法。
JP2000045227A 2000-02-22 2000-02-22 精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法 Expired - Fee Related JP4422280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000045227A JP4422280B2 (ja) 2000-02-22 2000-02-22 精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000045227A JP4422280B2 (ja) 2000-02-22 2000-02-22 精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001235134A JP2001235134A (ja) 2001-08-31
JP4422280B2 true JP4422280B2 (ja) 2010-02-24

Family

ID=18567845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000045227A Expired - Fee Related JP4422280B2 (ja) 2000-02-22 2000-02-22 精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4422280B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5678400B2 (ja) * 2007-11-02 2015-03-04 三菱レイヨン株式会社 流動槽、流動槽からの固体粒子の排出方法および被処理物の処理方法
US8066789B2 (en) * 2009-04-20 2011-11-29 Southern Company Continuous fine ash depressurization system
CN102002400A (zh) * 2010-11-25 2011-04-06 山西天和煤气化科技有限公司 一种加压流化床气化高温飞灰冷却及排料的方法
CN103213844B (zh) * 2013-03-29 2015-12-23 成都瑞柯林工程技术有限公司 高炉煤气除尘装置的输排灰方法及设备
CN103215080B (zh) * 2013-05-10 2014-11-05 东南大学 一种针对高温高压灰颗粒的排灰装置及其排灰方法
CN107138282A (zh) * 2017-06-13 2017-09-08 中国华电科工集团有限公司 一种除尘器灰斗连通装置
CN115433798B (zh) * 2022-10-24 2024-01-09 中冶节能环保有限责任公司 一种转炉干法除尘灰f-CaO消解装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001235134A (ja) 2001-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6521171B2 (en) Processing method for high-temperature exhaust gas
JP4422280B2 (ja) 精密脱塵装置の灰処理装置及びその灰処理方法
US4790251A (en) High pressure and high temperature ash discharge system
CA2392938A1 (en) Apparatus and process to extract heat and to solidify molten material particles
CN107019978B (zh) 移动颗粒层过滤器、高温气体过滤除尘系统和方法
JPS6140886B2 (ja)
JP4321823B2 (ja) 流動床ガス化炉の流動媒体分離装置、及び該装置を備えた流動媒体循環機構
JP3422571B2 (ja) フィルタ下部ホッパからの粉体輸送装置
JP2007056100A (ja) 粗粒分離機能付きチャー搬送装置および石炭ガス化システム
JP2003185104A (ja) 流動層ボイラ設備
CN1070924C (zh) 把同运载气体一起从反应容器排出的细粒状固体返回的工艺及装置
JP2000126550A (ja) 燃焼装置及びその排ガス処理方法、並びにそれに用いる灰冷却装置
AU2006211317B2 (en) Apparatus and method for gasifying solid fuel
JP3911599B2 (ja) 加圧流動層ボイラ
JP4105864B2 (ja) 流動層ボイラにおける飛灰の再利用方法
JP2000266306A (ja) 加圧流動層ボイラ
JP2002276916A (ja) サイクロンおよびこれを用いた燃焼装置
JPH0742910A (ja) 加圧流動床ボイラの灰処理装置
JPH0490816A (ja) 焼却炉の排ガス処理方法および同装置
JP2002048332A (ja) 焼却炉用排ガス処理システム
JPH11106761A (ja) ガス化設備
JP2000053249A (ja) 粉粒体の気体輸送方法
JP2613737B2 (ja) 高圧バブリングクーラの構造およびその運転方法
JPS6287440A (ja) 石炭スラグ細粒固化装置
JPH11116972A (ja) 異物分離器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees