JP6685639B2 - 温度測定方法及び温度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、温度測定方法、温度測定装置、プログラム及び記録媒体に関する。
還元鉄を製造するプロセスの一つとして、粉状の鉄鉱石と、粉状の石炭やコークス等の炭材とを混合して、例えばペレットやブリケットのような塊成化物とし、この塊成化物を、炉床が移動しながら塊成化物を還元する還元炉(例えば回転炉床炉など)に装入して高温に加熱することで、鉄鉱石中の酸化鉄を還元して固体状金属鉄を得る方法がある。
上述のような方法において、回転炉床の加熱には一般的にバーナーが用いられ、還元鉄の原料である塊成化物は、バーナー及び還元炉の炉壁からの輻射熱によって、外部から伝熱的に加熱される。
これまでに、塊成化物の温度と金属化率との間に相関があることが確認されており、還元炉内の塊成化物を測温することにより、操業や品質を管理出来る可能性がある。かかる観点のもと、還元炉の一例である回転炉床炉の温度測温を行う技術が開発されている。
例えば、下記の特許文献1には、床面よりも上方に設置された放射温度計により、炉床表面の温度を測定する技術が開示されている。また、下記の特許文献2には、先端が炉床表面から突出しない程度に温度検出器を埋設し、かかる温度検出器の温度信号を炉外へ取り出すことで炉床表面の温度を測定する技術が開示されている。
特開2001−181720号公報 特開2002−328061号公報
しかしながら、回転炉床炉のような還元炉内は、塊成化物よりも高温の輻射が迷光となっているため、上記特許文献1に開示されている技術のように単純に放射温度計で炉床の測温をする場合には、放射温度計が実際の温度よりも高温の出力を検出してしまうという問題がある。
また、上記特許文献2に開示されている技術では、炉床の温度を測定することができるものの、塊成化物と熱電対が接しない場合があるため、塊成化物そのものの温度を信頼して測定することはできない。また、炉幅方向の温度分布を測定するためには、複数の温度検出器を設置する必要があり、工事が煩雑であり、また、装置も大規模なものになるため、実用性に乏しいという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、炉床が移動しながら塊成化物を還元する還元炉において、処理対象である塊成化物の温度を高精度かつ安定的に測定することが可能な、温度測定方法、温度測定装置、プログラム及び記録媒体を提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、複数(特に、3つ以上)の塊成化物が隣接した隙間部分では上記のような迷光の影響が少なく、相対的に精度の高い測定が可能であることに想到した。そして、回転炉床炉のような還元炉内の塊成化物を撮像した画像において、低温部、即ち輝度の低い部分を抽出することにより、上記隙間部分を抽出することに想到した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
即ち、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、炉床が移動しながら塊成化物を還元していく還元炉の観察窓に設置された撮像装置から出力される、当該還元炉内の塊成化物の輝度分布を表す撮像画像に基づいて、前記塊成化物の温度を測定する温度測定方法であって、前記撮像画像から、輝度値が所定の第1の閾値以下である低輝度部を抽出するステップと、抽出された前記低輝度部について、当該低輝度部の形状を表わした形状情報から、当該低輝度部に迷光が入射する立体角の半球の立体角2πに対する割合である迷光寄与割合fを算出するステップと、抽出された前記低輝度部のうち、算出された前記迷光寄与割合f が所定の第2の閾値以下である部分を、温度測定部分として抽出するステップと、抽出された前記温度測定部分の輝度測定値から当該温度測定部分の温度を算出するステップと、を含み、前記迷光寄与割合f を算出するステップでは、塊成化物を平面的に近接した3つの直方体に近似し、前記低輝度部が前記3つの直方体に囲まれた三角形となる直方体モデルを用いて、抽出された前記低輝度部について、前記形状情報に対応する前記低輝度部の輪郭のうち前記撮像装置から最も遠い位置に存在する最遠点が前記三角形の頂点として特定され、前記最遠点を通る前記撮像装置の光軸により2つに区分される前記輪郭のそれぞれについて、当該輪郭のうち、前記最遠点側の所定の範囲を直線近似した前記最遠点を通る近似直線が算出され、算出された2つの前記近似直線のなす角と、前記撮像装置の光軸方向と前記炉床の法線方向とのなす角と、を利用して、前記迷光寄与割合f が算出される温度測定方法が提供される。
前記第2の閾値は、前記迷光寄与割合fの値が1である前記塊成化物の上面の輝度と、前記低輝度部の輝度と、当該低輝度部の迷光寄与割合fと、から算出される前記迷光による温度測定誤差が、所定の許容値以下となるように定められた値であることが好ましい。
前記第2の閾値は、0.05であることが好ましい。
算出された前記温度測定部分の温度から前記迷光による温度測定誤差を差し引くことにより、前記温度測定部分の温度を補正してもよい。
前記撮像装置を前記還元炉の炉床移動方向に設けられた複数の観察窓のそれぞれに設置することにより、当該還元炉内の塊成化物の炉床移動方向の温度分布を求めてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、炉床が移動しながら塊成化物を還元していく還元炉において、当該還元炉の内部における前記塊成化物の温度を測定する温度測定装置であって、前記還元炉の観察窓に設けられ、当該還元炉の内部における前記塊成化物を撮像することで、前記塊成化物の輝度分布を表わす撮像画像を出力する撮像装置と、前記撮像画像に対して所定の演算処理を実施して、前記塊成化物の温度を算出する演算処理装置と、を備え、前記演算処理装置は、前記撮像画像から、輝度値が所定の第1の閾値以下である低輝度部を抽出する低輝度部抽出部と、前記低輝度部抽出部により抽出された前記低輝度部のうち、当該低輝度部の形状を表わした形状情報から、当該低輝度部に迷光が入射する立体角の半球の立体角2πに対する割合である迷光寄与割合fを算出する迷光寄与割合算出部と、前記低輝度部抽出部により抽出された前記低輝度部のうち、前記迷光寄与割合算出部により算出された前記迷光寄与割合fが所定の第2の閾値以下である部分を温度測定部分として抽出する温度測定部分抽出部と、前記温度測定部分抽出部により抽出された前記温度測定部分の輝度測定値から当該温度測定部分の温度を算出する温度算出部と、を有し、前記迷光寄与割合算出部では、塊成化物を平面的に近接した3つの直方体に近似し、前記低輝度部が前記3つの直方体に囲まれた三角形となる直方体モデルを用いて、抽出された前記低輝度部について、前記形状情報に対応する前記低輝度部の輪郭のうち前記撮像装置から最も遠い位置に存在する最遠点が前記三角形の頂点として特定され、前記最遠点を通る前記撮像装置の光軸により2つに区分される前記輪郭のそれぞれについて、当該輪郭のうち、前記最遠点側の所定の範囲を直線近似した前記最遠点を通る近似直線が算出され、算出された2つの前記近似直線のなす角と、前記撮像装置の光軸方向と前記炉床の法線方向とのなす角と、を利用して、前記迷光寄与割合f が算出される温度測定装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、炉床が移動しながら塊成化物を還元する還元炉の内部における塊成化物の温度分布を、高精度かつ安定的に把握することができる。これにより、炉の加熱設定を適正化できるため、耐火物の長寿命化や、燃料の抑制に貢献するなど、塊成化物の効率的な還元処理を実現できる。
本発明の実施形態に係る温度測定装置の構成を示した説明図である。 同実施形態に係る温度測定装置が備える撮像装置について示した説明図である。 同実施形態に係る炉内塊成化物の輝度分布の撮像画像例を示した説明図である。 同実施形態で採用した塊成化物隣接モデルの説明図である。 θ=45°としたときのφとfとの関係を示した説明図である。 と測温誤差との関係を示した説明図である。 同実施形態に係る温度測定装置が備える演算処理装置の画像処理部の構成を示したブロック図である。 特徴点の検出方法及び低輝度部の角度φの計算方法を説明するための説明図である。 同実施形態に係る温度測定方法の流れの一例を示した流れ図である。 本発明の実施形態に係る演算処理装置のハードウェア構成を示したブロック図である。 黒体部の検出例を示した説明図である。 回転炉床炉の各観察窓で得られた撮像画像の温度演算結果を示した説明図である。 塊成化物の平均温度の時間推移を示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<回転炉床炉の温度測定装置について>
まず、本発明の実施形態に係る温度測定装置10について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態に係る温度測定装置10は、炉床が移動しながら塊成化物を還元していく還元炉において、当該還元炉の内部における塊成化物の温度を測定する装置である。なお、以下では、かかる還元炉の一例として、図1に示した回転炉床炉を挙げて、詳細に説明を行うものとする。しかしながら、本実施形態に係る温度測定装置10が設けられる還元炉は、回転炉床炉に限定されるものではない。
回転炉床炉は、図1に模式的に示したように、移動式の炉床の形状が略円形状となっている還元炉であり、炉内は、第1ゾーンから第Nゾーン(N:任意の整数)まで、複数のゾーンに区分けされている。また、回転炉床炉の炉壁(側壁)には、図1に模式的に示したような、炉内を観察するための観察窓が複数設けられている。
本実施形態に係る温度測定装置10は、図1に示すように、撮像装置100及び演算処理装置200を備える。
[撮像装置について]
撮像装置100は、回転炉床炉の炉内塊成化物を撮像して、塊成化物の輝度分布を表わす撮像画像を生成する装置である。撮像装置100は、レンズ等の各種光学素子と、CCD(Charge Coupled Device)、又は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、を有している。ここで、本実施形態に係る撮像装置100は、静止画像を生成可能なものであってもよく、動画像を生成可能なものであってもよい。また、本実施形態に係る撮像装置100は、モノクロ画像を撮像可能なものであってもよいし、カラー画像を撮像可能なものであってもよい。なお、カラー画像を撮像可能な撮像装置を利用する場合には、1チャンネルの画像を生成すればよい。すなわち、画像の生成手段としては、RGB成分のうちR,G,Bのいずれかの成分だけを利用しても良いし、RGB色空間からYCbCr色空間への変換を行い、Y成分のみを利用しても良い。
撮像装置100は、後述する演算処理装置200により制御されており、所定のフレームレート毎に、演算処理装置200から撮像のためのトリガ信号が出力される。撮像装置100は、演算処理装置200から出力されたトリガ信号に応じて、回転炉床炉内の炉内塊成化物の熱放射を撮像し、生成した画像を演算処理装置200に出力する。
図2は、本実施形態に係る撮像装置100の設置状態を説明するための説明図であり、図3は、本実施形態に係る画像の例を示した説明図である。
本実施形態に係る撮像装置100は、炉内の状態を観察するための観察窓に設置されており、約2m先にある炉内塊成化物の熱放射を撮像した画像を得る。撮像装置100は、例えば、角度θで斜め上から見下ろすように炉内を撮像している。ここで、図2に示したように、角度θは、撮像装置100の中心光軸と、回転炉床炉の炉床法線方向とのなす角の大きさとして規定される。
[炉内の塊成化物の迷光寄与を抑えた測温方法について]
炉内での塊成化物は、バーナーや炉壁等による高温の輻射を受けているため、実際よりも輝度値が高くなっている可能性がある。塊成化物の見かけの温度と黒体放射輝度T(K)、L(T)は、塊成化物の実際の温度と輝度をT(K)、L(K)迷光の温度と輝度をT(K)L(K)とすると、塊成化物の放射率をε、迷光寄与割合をfとして、(1)式のように記述される。なお、以下の(1)式では、塊成化物の表面を完全拡散面と仮定している。
ここで、塊成化物の上面は、炉壁を見込む立体角Ω=2πであるから、上記(1)式においてf=1となり、単純に放射温度計で測温をする場合、実際の温度より高温の出力を検出してしまう。ここで、図3に例示したような、撮像装置100により撮像された画像において、複数の、特に3つ以上の塊成化物が隣接した部分は、互いの塊成化物の外形(例えば、塊成化物の上面)により迷光が制限される結果、迷光寄与割合が小さくなる。その結果、例えば、図3において丸で囲った部分のように、撮像画像において輝度が暗い部分が観測されることとなる。
本明細書では、かかる迷光寄与割合を、以下の図4のような塊成化物を直方体で近似したモデルで見積もったので、以下に詳細に説明する。実際の操業に用いられる塊成化物は、例えば30mm×25mm×20mm程度のような大きさを有する回転楕円体であるため、以下で説明するような直方体モデルを用いた場合であっても、実際に観測される現象を十分に説明することができる。
図4は、3つの塊成化物が平面的に近接した状態を示している。撮像装置100に設けられたCCDカメラで、図中矢印方向から塊成化物(1)、塊成化物(2)の隙間を観測した場合を考える。このとき、図2にも示したように、CCDカメラの観測方向と鉛直方向のなす角をθとすると、塊成化物(2)の側面のうち塊成化物(3)の輪郭線に隣接する部分(図4右に、点Qとして示す。)に対しては、図4右のような鉛直方向から角度θの領域の迷光が入る。
一方、平面方向では、点Qには図4左に示す角度φ’の領域の迷光が入る。点Qが、平面図上で塊成化物(1)、塊成化物(2)が交わり、かつ、撮像装置100に設けられたCCDカメラから一番遠くなる点(最遠点)である点Pとは異なる場合には、角度φ’は塊成化物(1)と塊成化物(2)のなす角度φとは異なるものとなる。しかしながら、一般に角度φと角度φ’との差異は小さく、両者が等しいと見なしても迷光の入射量に与える影響は少ないので、角度φ’=角度φとして以降の議論を進める。このとき点Qに入る迷光の立体角Ωは、図4に示した直方体モデルから、以下の(2)式のように表わされる。
よって、迷光寄与割合fは、(2)式のΩを半球の立体角2πで割ることで、以下の(3)式のように表わされることとなる。
ここで、塊成化物上面では、θ=π/2、φ=2πとなるため、f=1となるが、例えばθ=π/4、φ=π/3のとき、f=0.05となり、迷光の寄与は塊成化物上面の5%となる。例えばθ=π/4としたとき、φとfとの関係は、図5のようになっている。
次に、fの値によって迷光による測温誤差がどの程度に抑制されるかを説明する。
炉内の塊成化物の画像から、迷光寄与割合fが1となる塊成化物の上面の高温部の輝度と、迷光寄与割合がfの低温部(すなわち、f≠1である部分)の輝度とを調べた時、両者の輝度は、上記(1)式より、それぞれ(4−1)式、(4−2)式となる。ここで、高温部の輝度は、例えば、(a)画像上の最高輝度や、(b)以下に述べる低温部を中心に塊成化物の辺の2〜3倍程度の長さを一辺とする領域の中の最高輝度、とする。なお、以下の(4−1)式及び(4−2)式において、T(K)、T(K)は、それぞれ高温部及び低温部の見かけの温度であり、Tr1(K)、Tr2(K)は、それぞれ高温部及び低温部の真の温度である。
ここで、Tr1=Tr2と仮定すると、上記(4−1)式及び(4−2)式を連立して、以下の(4−3)式を得ることができる。以下の(4−3)式において、左辺は、塊成化物の黒体輝度に対応し、右辺第一項は、塊成化物の測定輝度に対応し、右辺第二項は、迷光誤差に対応する。以下の(4−3)式から明らかなように、塊成化物の迷光による測温誤差の上限は、高温部及び低温部の測定温度と、低温部の迷光寄与割合fと、で記述することができる。
(4−3)式による迷光寄与割合fと測温誤差との関係のグラフを、図6に示す。T−T=200℃の場合であっても、f≦0.05となる部分の測温を行うことで、迷光による測温誤差が25℃以下と、実用上問題の無い精度で測温することが可能になる。逆に言えば、実際の操業において規定されている測温誤差の最大値に基づき、上記(4−3)式で与えられる迷光による測温誤差がかかる規定値以下となるように、迷光寄与割合fの閾値を設定すればよい。なお、迷光寄与割合fが予め定めた閾値以下の領域を、以後の説明では黒体部と呼ぶこととする。
このように、必要な測温精度に応じてfに閾値を定め、fが閾値以下となる温度抽出部を検出して温度演算をすることで、測温誤差を抑えて測温することが可能である。また、(4−3)式から迷光による測温誤差を見積もり、算出したTより見積もった測温誤差を差し引くことによって、炉内の塊成化物の迷光誤差を補正した測温が可能になる。
なお、(4−3)式はTr1=Tr2という仮定のもとで算出したが、一般にはTr1≧Tr2である。Tr1≧Tr2であるとき、迷光誤差の影響は(4−3)式より小さい。また、(4−1)式及び(4−2)式では、高温部の放射率と低温部の放射率とが等しいとして(4−3)式を算出している。ここで、以下で詳述するように、低温部(黒体部)の放射率は塊成化物上面の高温部より大きく、近似的に1とみなせるため、低温部の迷光による測温誤差は、0℃と(4−3)式で計算される測温誤差との間にある。
なお、以上説明した直方体モデルでは、3つの塊成化物が平面的に近接した状態で考えたが、実際は、塊成化物が2層以上に重なった部分の隙間の輝度を観察する場合も考えられる。その際は、θ、φの値が図4の場合よりも減少するため、迷光の寄与がさらに小さくなる。また、実際の塊成化物の形状は丸みを帯びた形状であるため、θが図4に示す直方体モデルより減少し、その結果迷光の寄与が小さくなる場合が多いと期待される。このように、本実施形態に係る直方体モデルは、黒体部の形状を三角形で近似するモデルであり、また、迷光寄与割合fを一番大きめに見積もるモデルであるといえる。
[演算処理装置の全体構成について]
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係る演算処理装置200の全体構成について説明する。本実施形態に係る演算処理装置200は、撮像装置100により撮像された画像に対して画像処理を実施し、黒体部を検出して温度演算を行う。
この演算処理装置200は、図1に示したように、撮像制御部201と、画像処理部203と、表示制御部205と、記憶部207と、を主に備える。
撮像制御部201は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。撮像制御部201は、本実施形態に係る撮像装置100による回転炉床炉内の撮像制御を実施する。より詳細には、撮像制御部201は、回転炉床炉内の撮像を開始する場合に、撮像装置100に対して撮像を開始させるための制御信号を送出する。
画像処理部203は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。画像処理部203は、撮像装置100から取得した画像の撮像データに対して、以下で説明するような画像処理を行い、温度演算を実施する。画像処理部203は、得られた回転炉床炉の塊成化物の温度情報を、表示制御部205に伝送する。なお、この画像処理部203については、以下で改めて詳細に説明する。
表示制御部205は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置等により実現される。表示制御部205は、画像処理部203から伝送された回転炉床炉の塊成化物の温度情報を、演算処理装置200が備えるディスプレイ等の出力装置や演算処理装置200の外部に設けられた出力装置等に表示する際の表示制御を行う。これにより、温度測定装置10の利用者は、回転炉床炉の塊成化物の温度情報を、その場で把握することが可能となる。
記憶部207は、演算処理装置200が備える記憶装置の一例である。記憶部207には、本実施形態に係る演算処理装置200が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。この記憶部207は、撮像制御部201、画像処理部203、表示制御部205等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
[画像処理部について]
続いて、図7〜図8を参照しながら、本実施形態に係る演算処理装置200が備える画像処理部203について、詳細に説明する。
図7は、本実施形態に係る演算処理装置が有する画像処理部の構成の一例を示したブロック図であり、図8は、特徴点の検出方法及びラベリング部の角度φの計算方法を説明するための説明図である。
本実施形態に係る画像処理部203は、図7に示すように、低輝度部抽出部の一例である2値化画像生成部211及びラベリング部213と、迷光寄与割合算出部の一例である輪郭抽出部215、特徴点抽出部217及び迷光寄与割合計算部219と、温度測定部分抽出部の一例である黒体部検出部221と、温度算出部の一例である温度演算部223と、を主に備える。以下で、各処理部の説明を行う。
2値化画像生成部211は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。2値化画像生成部211は、撮像装置100により生成された撮像画像から、予め指定した覗き孔の付着物等が写りこむ部分を除いた領域を輝度観察領域としたうえで、当該輝度観察領域中の最高輝度の半分の値を第1の閾値として、2値化処理を実施する。これにより、2値化処理前の輝度値が第1の閾値以下であるために2値化後の画素値が0となる低輝度部と、2値化後の画素値が1となる部分と、を含む2値化画像が、生成されることとなる。なお、かかる2値化閾値(第1の閾値)は、2値化後の画素値が0となる画素が全体の5〜10%程度になるように、自動調整してもよい。また、2値化画像生成部211は、輝度観察領域を予め複数の部分領域に分割しておき、画像上の部分領域毎に適当な2値化閾値を定めるようにしてもよい。
ラベリング部213は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。ラベリング部213は、2値化画像生成部211により生成された2値化画像に対してラベリング処理を実施し、2値化画像における輝度値が0である領域をラベル付けする。また、ラベリング部213は、各ラベリング領域の画素数を調べ、画素数が所定値以下(例えば20画素以下)の領域に対しては、ラベリング画素数を0として以下の処理を実施しない。
輪郭抽出部215は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。輪郭抽出部215は、ラベリング部213によってラベル付けされた各ラベリング領域について、ラベリング領域の外形に対応する輪郭点を抽出し、画素毎にその座標値を記憶する。ここで、輪郭点の抽出を行うための処理については、特に限定されるものではなく、一般的なエッジ検出処理を利用することができる。例えば、輪郭抽出部215は、各ラベリング領域に対して、ラプラシアンフィルタ等の微分フィルタを用いたフィルタ処理を実施して、輪郭点を抽出することができる。このようにして抽出された輪郭点の座標値に関する情報が、ラベリング領域の形状を表わした形状情報として用いられる。
特徴点抽出部217は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。特徴点抽出部217は、各ラベリング領域について、輪郭抽出部215によって抽出された輪郭点の座標値に関する情報を利用して、撮像装置から最も遠い位置に存在する輪郭点(最遠点)を特定する。その上で、特徴量抽出部217は、最遠点を通る撮像装置の光軸により2つの部分領域に区分される各ラベリング領域について、それぞれの部分領域に含まれる輪郭点の集合を特徴点とする。以下、図8を参照しながら、具体的に説明する。なお、図8では、回転炉床炉の炉床移動方向(すなわち、炉周方向)をX軸方向とし、撮像装置100の中心光軸方向をY軸方向としている。また、炉中心側から観察窓側(撮像装置100側)に向かう方向を、Y軸の正方向としている。
特徴点抽出部217は、まず、各ラベリング領域の輪郭の座標について、Y座標が最小の点、すなわち、撮像装置100から最も遠い位置に存在する最遠点を、点P(Xp、Yp)として抽出する。その後、特徴点抽出部217は、塊成化物の輪郭のうち、後に述べる直線近似を行うための上記最遠点側の所定の範囲を設定するために、点Pの座標に応じて設定される矩形領域を考える。ここで、点Pの座標に応じて設定される矩形領域の大きさは、炉内に存在する塊成化物の大きさに基づいて設定することができる。
矩形領域の大きさがあまりに小さいと、後に述べる直線近似の際、塊成化物の表面の凹凸等による輪郭の微小な変化の影響を大きく受けてしまう。また、矩形領域の大きさがあまりに大きいと、塊成化物の輪郭全体で直線近似の計算をしてしまうこととなり、点P近傍の輪郭のなす角度を精度よく計算できない。そこで、矩形領域の大きさは、最大でも塊成化物の1辺の大きさよりも小さくなるように設定し、好ましくは、塊成化物の1辺の大きさの1/3程度とすることが好ましい。矩形領域の大きさを塊成化物の1辺の大きさの1/3程度とすることで、以下で詳述するような近似直線の算出処理において、精度よく近似直線を算出することが可能となる。なお、以下では、X方向に20画素×Y方向に15画素の矩形領域を考慮する場合を例に挙げて、具体的に説明する。
特徴点抽出部217は、点Pの座標(Xp、Yp)に基づいて、上記矩形領域のうち、輪郭点の座標がXp−10≦x≦XpかつYp≦y≦Yp+15となる画像上の領域(図8中に領域1として示す。)に含まれる画素集合(塊成化物の輪郭に対応する画素集合)を、直線近似を行うための所定の範囲の輪郭である集合Aとして、特徴点とする。また、特徴点抽出部217は、上記矩形領域のうち、輪郭点の座標がXp≦x≦Xp+10かつYp≦y≦Yp+15となる画像上の領域(図8中に領域2として示す。)に含まれる画素集合(塊成化物の輪郭に対応する画素集合)を、直線近似を行うための所定の範囲の輪郭である集合Bとして、特徴点とする。
迷光寄与割合計算部219は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。迷光寄与割合計算部219は、特徴点抽出部217によって規定された、上記矩形領域のうちの2つの部分領域(例えば、図8における領域1及び領域2)のそれぞれについて、当該部分領域に含まれる輪郭の範囲(すなわち、上記集合A及び集合B)を直線近似した、最遠点を通る近似直線を算出する。より詳細には、迷光寄与割合計算部219は、各部分領域に含まれる輪郭点(換言すれば、集合A及び集合Bとして規定される特徴点)の座標を参照し、各部分領域における輪郭点の分布を直線近似することで、最遠点を通る2つの近似直線を算出する。その後、迷光寄与割合計算部219は、算出した2つの近似直線のなす角φと、撮像装置の光軸方向と炉床の法線方向とのなす角θと、を利用して、上記(3)式に基づき、迷光寄与割合fを算出する。以下では、再び図8を参照しながら、実施される処理について具体的に説明する。
迷光寄与割合計算部219は、まず、特徴点抽出部217により抽出された各ラベリング領域の画素集合A、Bより、点Pを通る2本の近似直線式(すなわち、図8の領域1における近似直線式と、領域2における近似直線式)を求め、Y軸となす角φ1、φ2を求める。ここで、近似直線式を求める方法については、特に限定されるものではなく、例えば、最小二乗法やハフ変換等といった公知の方法により求めることが可能である。その後、迷光寄与割合計算部219は、φ=φ1+φ2として2つの直線のなす角φを求める。算出したφが、図4左に示した角度φに相当する。そして、迷光寄与割合計算部219は、撮像装置100の入射角θ(入射角θは、撮像装置100の設置条件によって決まる定数となる。)と求めたφとから、(3)式より迷光寄与割合fを計算する。
黒体部検出部221は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。黒体部検出部221は、迷光寄与割合計算部219によって求められた各ラベリング領域の迷光寄与割合fと、所定の第2の閾値とを利用して、求められた迷光寄与割合fの閾値判断を行う。すなわち、黒体部検出部221は、迷光寄与割合fが予め定めた第2の閾値以下であれば、着目しているラベリング領域を、黒体部として検出する。
温度演算部223は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。温度演算部223は、黒体部検出部221により黒体部として検出されたラベリング領域について、かかるラベリング領域を構成する画素の輝度値のうち最小輝度値を与える画素を特定する。検出した黒体部の最小輝度値を与える画素は、図4において鉛直方向から角度θ、平面方向角度φとなる点Qに対応する画素となる。そこで、温度演算部223は、かかる画素を温度測定部分と決定して、得られた最小輝度値を温度校正式に代入し、得られた演算結果を、着目している黒体部の塊成化物の温度として出力する。
ここで、上記温度校正式は、輝度値と温度との相関関係を示した、いわゆる検量線に該当するような計算式である。温度校正式は、予め撮像装置100で放射率ε=1の黒体炉を撮像し、撮像装置100が出力する黒体炉の輝度と黒体炉の温度との対応関係の実測値を教師データとして、かかる教師データを用いて、所定の関数を用いて規定される一般式を最適化することで求めることができる。このような温度校正式の関数形は特に限定されるものではなく、例えば、プランクの放射式を用いたものであってもよいし、N乗の指数関数であってもよい。
黒体部は擬似的な黒体と考えられるので、放射率ε=1として、黒体部の最小輝度値を上記の温度校正式に代入して、黒体部の温度を求めることができる。また、先だって説明したような高温部の温度は、検出した高温部の輝度をあらかじめ実験的に求めた塊成化物の放射率ε=0.85で割ることで放射率ε=1の場合の輝度に割戻し、この値を上記の温度校正式に代入して求めることができる。
ここで、温度演算部223は、画像中の複数の黒体部について最小輝度とした画素の座標を入手し、温度と座標を対応させることで画像上の温度分布を求めてもよい。すなわち、温度演算部223は、回転炉床炉の径方向の温度分布を求めることが可能である。また、温度演算部223は、計算した各温度抽出部分の平均温度を計算し、着目している画像の塊成化物の平均温度として出力してもよい。また、温度演算部223は、黒体部の温度と、高温部の温度とから(4−3)式により迷光による測温誤差を見積もり、黒体部の計算温度から見積もった測温誤差を差し引いて、出力してもよい。ここで、先だって説明したように、迷光誤差の影響は(4−3)式で計算される値を上限値として、それよりは小さくなると予想されるため、温度演算部223は、補正値を例えば当該上限値の半分として、上記のような補正計算をしてもよい。
以上、図1〜図8を参照しながら、本実施形態に係る温度測定装置10について、詳細に説明した。
[回転炉床炉の温度測定方法について]
続いて、図9を参照しながら、本実施形態に係る温度測定方法の流れの一例を簡単に説明する。図9は、本実施形態に係る温度測定方法の流れの一例を示した流れ図である。
本実施形態に係る温度測定装置10の撮像装置100は、演算処理装置200における撮像制御部201の制御のもとで回転炉床炉内の塊成化物を撮像して、塊成化物の輝度分布に関する撮像画像を生成し(ステップS101)、生成した画像を演算処理装置200に出力する。
温度測定装置10の演算処理装置200が備える画像処理部203は、撮像装置100から出力された画像を取得すると、取得した画像のデータを2値化画像生成部211に伝送する。2値化画像生成部211は、予め定められた第1の閾値を利用し、取得した画像に対する2値化画像を生成することで低輝度部を抽出し(ステップS103)、得られた抽出結果をラベリング部213に出力する。
ラベリング部213は、2値化した後の輝度値が0である領域についてラベリング処理を行い(ステップS105)、得られた結果を輪郭抽出部215に出力する。
輪郭抽出部215は、ラベリング領域の輪郭を抽出し(ステップS107)、得られた輪郭の座標値を特徴点抽出部217へと出力する。
特徴点抽出部217は、各ラベリング領域の輪郭の座標について、y座標が最小の点を点P(Xp、Yp)として抽出し、輪郭点の座標がXp−10≦x≦XpかつYp≦y≦Yp+15となる画像上の領域に含まれる画素集合をAとして特徴点とするとともに、Xp≦x≦Xp+10かつYp≦y≦Yp+15となる画像上の領域に含まれる画素集合をBとして特徴点とし(ステップS109)、迷光寄与割合計算部219に出力する。
迷光寄与割合計算部219は、各ラベリング領域の画素集合A、Bより、点Pを通る2本の近似直線式を求め、Y軸となす角φ1、φ2を求める。その後、迷光寄与割合計算部219は、φ=φ1+φ2として2つの直線のなす角φを求める。続いて、迷光寄与割合計算部219は、撮像装置の入射角θとφから、(3)式より迷光寄与割合fを計算し(ステップS111)、黒体部検出部221に出力する。
黒体部検出部221は、算出された迷光寄与割合fが予め定められた第2の閾値以下であれば、着目しているラベリング領域を黒体部として検出し(ステップS113)、温度演算部223に出力する。
温度演算部223は、黒体部の最小輝度値を事前の検証により特定した温度校正式に代入し、その部分の塊成化物の温度として出力する(ステップS115)。
以上、図9を参照しながら、本実施形態に係る温度測定方法の流れについて、簡単に説明した。
[ハードウェア構成について]
次に、図10を参照しながら、本発明の実施形態に係る演算処理装置200のハードウェア構成について、詳細に説明する。図10は、本発明の実施形態に係る演算処理装置200のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
演算処理装置200は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、演算処理装置200は、更に、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、またはリムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、演算処理装置200内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるバス907により相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、演算処理装置200の操作に対応したPDA等の外部接続機器923であってもよい。さらに、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。演算処理装置200のユーザは、この入力装置909を操作することにより、演算処理装置200に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置911は、例えば、演算処理装置200が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、演算処理装置200が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置913は、演算処理装置200の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、演算処理装置200に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体921は、例えば、CDメディア、DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体921は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体921は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート917は、機器を演算処理装置200に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS−232Cポート等がある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、演算処理装置200は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置919は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る演算処理装置200の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
以下では、実験例を示しながら、本発明の実施形態に係る温度測定方法及び温度測定装置について、具体的に説明する。なお、以下に示す実験例は、本発明の実施形態に係る温度測定方法及び温度測定装置のあくまでも一例にすぎず、本発明に係る温度測定方法及び温度測定装置が下記に示す例に限定されるものではない。
本実験例では、実際の操業に用いられる30mm×25mm×20mm程度の大きさの塊成化物が装入された操業中の回転炉床炉を、観察窓に設けたCCDカメラにより観察し、得られた画像データに対して本発明に係る画像処理を実施した。なお、図2に示した撮像装置の設置角度θは、45度である。
以下の実験例では、図6から迷光寄与割合fの閾値(第2の閾値)を0.05として、f≦0.05となる部分を黒体部として検出した。黒体部の最小輝度値から、予め求めておいた温度校正式により温度を算出した。
図11に、黒体部の検出例を示した。入力画像に対して、輪郭抽出画像の丸で囲った部分が、検出された黒体部である。検出された黒体部の角度φ(度)及び迷光寄与割合f、画像の最高輝度値の温度換算値T(℃)、黒体部の最小輝度値の温度換算値T(℃)、(4−3)式から求めた塊成化物の温度Tr2(℃)並びに測温誤差の上限T−Tr2(℃)を表にまとめたところ、以下の表1のようになった。
上記表1に示したように、迷光による測温誤差の上限T−Tr2(℃)は、黒体部1で10℃、黒体部2で11℃と見積もることができた。これより、本発明に係る温度測定方法によって、塊成化物の温度を高精度に測定できていることがわかる。
また、回転炉床炉の各ゾーンに設けられた覗き孔で撮像した画像から、上記の画像処理を行い塊成化物の黒体部の温度と画像の最高輝度を温度換算してプロットしたところ、図12のようになった。図12から明らかなように、高温部(最高輝度の温度換算)と黒体部温度とは、操業データ(熱電対による雰囲気温度)と相関が見られることがわかる。
また、図13は、第5ゾーン(5Z)に設けられた観察窓から撮像した画像中の複数の黒体部の平均温度を、時定数10秒で移動平均した時間推移を示したものである。図13から明らかなように、本発明に係る温度測定方法によって、塊成化物温度を定常的に知ることができている。
以上の結果から明らかなように、本発明によって塊成化物温度を高精度かつ安定的に測温することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 温度測定装置
100 撮像装置
200 演算処理装置
201 撮像制御部
203 画像処理部
205 表示制御部
207 記憶部
211 2値化画像生成部
213 ラベリング部
215 輪郭抽出部
217 特徴点抽出部
219 迷光寄与割合計算部
221 黒体部検出部
223 温度演算部

Claims (6)

  1. 炉床が移動しながら塊成化物を還元していく還元炉の観察窓に設置された撮像装置から出力される、当該還元炉内の塊成化物の輝度分布を表す撮像画像に基づいて、前記塊成化物の温度を測定する温度測定方法であって、
    前記撮像画像から、輝度値が所定の第1の閾値以下である低輝度部を抽出するステップと、
    抽出された前記低輝度部について、当該低輝度部の形状を表わした形状情報から、当該低輝度部に迷光が入射する立体角の半球の立体角2πに対する割合である迷光寄与割合fを算出するステップと、
    抽出された前記低輝度部のうち、算出された前記迷光寄与割合f が所定の第2の閾値以下である部分を、温度測定部分として抽出するステップと、
    抽出された前記温度測定部分の輝度測定値から当該温度測定部分の温度を算出するステップと、
    を含み、
    前記迷光寄与割合f を算出するステップでは、
    塊成化物を平面的に近接した3つの直方体に近似し、前記低輝度部が前記3つの直方体に囲まれた三角形となる直方体モデルを用いて、抽出された前記低輝度部について、前記形状情報に対応する前記低輝度部の輪郭のうち前記撮像装置から最も遠い位置に存在する最遠点が前記三角形の頂点として特定され、
    前記最遠点を通る前記撮像装置の光軸により2つに区分される前記輪郭のそれぞれについて、当該輪郭のうち、前記最遠点側の所定の範囲を直線近似した前記最遠点を通る近似直線が算出され、
    算出された2つの前記近似直線のなす角と、前記撮像装置の光軸方向と前記炉床の法線方向とのなす角と、を利用して、前記迷光寄与割合f が算出される、温度測定方法。
  2. 前記第2の閾値は、前記迷光寄与割合fの値が1である前記塊成化物の上面の輝度と、前記低輝度部の輝度と、当該低輝度部の迷光寄与割合fと、から算出される前記迷光による温度測定誤差が、所定の許容値以下となるように定められた値である、請求項1に記載の温度測定方法。
  3. 前記第2の閾値は、0.05である、請求項2に記載の温度測定方法。
  4. 算出された前記温度測定部分の温度から前記迷光による温度測定誤差を差し引くことにより、前記温度測定部分の温度を補正する、請求項2又は3に記載の温度測定方法。
  5. 前記撮像装置を前記還元炉の炉床移動方向に設けられた複数の観察窓のそれぞれに設置することにより、当該還元炉内の塊成化物の炉床移動方向の温度分布を求める、請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度測定方法。
  6. 炉床が移動しながら塊成化物を還元していく還元炉において、当該還元炉の内部における前記塊成化物の温度を測定する温度測定装置であって、
    前記還元炉の観察窓に設けられ、当該還元炉の内部における前記塊成化物を撮像することで、前記塊成化物の輝度分布を表わす撮像画像を出力する撮像装置と、
    前記撮像画像に対して所定の演算処理を実施して、前記塊成化物の温度を算出する演算処理装置と、
    を備え、
    前記演算処理装置は、
    前記撮像画像から、輝度値が所定の第1の閾値以下である低輝度部を抽出する低輝度部抽出部と、
    前記低輝度部抽出部により抽出された前記低輝度部のうち、当該低輝度部の形状を表わした形状情報から、当該低輝度部に迷光が入射する立体角の半球の立体角2πに対する割合である迷光寄与割合fを算出する迷光寄与割合算出部と、
    前記低輝度部抽出部により抽出された前記低輝度部のうち、前記迷光寄与割合算出部により算出された前記迷光寄与割合fが所定の第2の閾値以下である部分を温度測定部分として抽出する温度測定部分抽出部と、
    前記温度測定部分抽出部により抽出された前記温度測定部分の輝度測定値から当該温度測定部分の温度を算出する温度算出部と、
    を有し、
    前記迷光寄与割合算出部では、
    塊成化物を平面的に近接した3つの直方体に近似し、前記低輝度部が前記3つの直方体に囲まれた三角形となる直方体モデルを用いて、抽出された前記低輝度部について、前記形状情報に対応する前記低輝度部の輪郭のうち前記撮像装置から最も遠い位置に存在する最遠点が前記三角形の頂点として特定され、
    前記最遠点を通る前記撮像装置の光軸により2つに区分される前記輪郭のそれぞれについて、当該輪郭のうち、前記最遠点側の所定の範囲を直線近似した前記最遠点を通る近似直線が算出され、
    算出された2つの前記近似直線のなす角と、前記撮像装置の光軸方向と前記炉床の法線方向とのなす角と、を利用して、前記迷光寄与割合f が算出される、温度測定装置。
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