JP6684805B2 - 測定装置/制御装置用の選択的な並列運転方法 - Google Patents

測定装置/制御装置用の選択的な並列運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、測定装置/制御装置用の選択的な並列運転方法に関する。当該方法は、複数の変圧器を並列運転制御するために使用される。このため、複数の変圧器が、並列に接続されて配置されている。1つの測定/制御装置と1つの負荷時タップ切換器とが、それぞれの変圧器に割り当てられている。これらの負荷時タップ切換器の全ての測定/制御装置が、1つの通信接続部を通じて互いに接続されている。
主に2つの方法が、複数のタップ付き変圧器の並列制御のために認識されている。
第1の方法、いわゆる同期制御は、同じ電圧、電力、短絡電圧、タップ電圧及びタップ数の複数の変圧器の場合だけで実行され得る。この方法の場合、並列なそれぞれのグループの全ての変圧器が、同じ動作位置に存在する必要がある。さらに、「マスター・フォロワー法(Master−Follower Verfahren)」としても周知であるこの方法は、三相交流グループ内の複数の単相変圧器を並列運転するためのただ1つの方法である。
欧州特許出願公開第2389723号明細書に開示されている第2の方法は、いわゆる回路無効電流法(Kreisblindstrommethode)にしたがって実行される。この種類の並列運転制御は、異なるタップ数と異なるタップ電圧とを有する複数の変圧器の並列運転時に主に使用される。当該並列制御方法は、電圧制御装置に加えて追加の機器も必要としない。その結果、並列運転する複数の変圧器の複数の測定変換器間の電流を通電する相互接続が省略され得る。さらに、当該並列運転する複数の変圧器が、その他の変圧器の並列運転に影響せず、複数の測定/制御装置の設定時の変更を不要にすることが保証される。このとき、電流変換器又は電圧変換器によって取得される全ての測定値が、数学的に導き出される。これにより、並列運転する複数の変圧器を制御するために必要な全ての電気パラメータを、非常に簡単な変換器回路によって提供することが可能である。したがって、当該複数の測定変換器と当該それぞれの測定/制御装置との間の配線が、最小に減少される。その結果、複数の変圧器の並列制御の場合でも、それぞれ1つの電流変換器及び1つの電圧変換器だけが、それぞれの変圧器に対して必要とされる。当該個々の変圧器の測定/制御装置の全てが、1つのCANバスを通じて互いに接続されている。したがって、当該測定値が、当該個々の測定/制御装置間で相互に交換される。当該CANバスが遮断する場合、当該並列回路が、非常時運転に移行するか、又は最悪の場合には当該並列回路が、電源から切り離される。
国際公開第93/17480号パンフレットは、複数の変圧器の並列運転時の電圧を制御するための装置を開示する。それぞれの変圧器が、1つの負荷時タップ切換器を有する。この負荷時タップ切換器は、タップ電圧を制御する、マイクロプロセッサ制御のデジタル制御装置(測定/制御装置)に接続されている。さらに、それぞれのデジタル制御装置は、インタフェースを有する。これらのデジタル制御装置は、当該インタフェースを通じて1つのリングに接続されていて、これらのデジタル制御装置は、このリングを通じて当該測定値及び制御値を相互に交換する。これらのデジタル制御装置は、これらの値によってこれらの変圧器間に通電する補償電流を最小に制御する。当該個々の変圧器の負荷時タップ切換器が、1つの動作位置に自動的に移行される。この動作位置では、これらの変圧器間の回路無効電流が、この動作位置で最小になる。
欧州特許出願公開第0482361号明細書は、任意の切り換えの組み合わせで二重母線システム(Zweischienensammelsystem)に作用する複数のタップ付き変圧器を並列制御するための方法を開示する。この場合、付随する電動機駆動部に作用する独立した1つの制御装置が、それぞれのタップ付き変圧器に割り当てられている。同様に、当該電動機駆動部は、付随する負荷時タップ切換器を操作する。当該方法の場合、最初に、実際の変圧器の構成が、並列制御装置内で把握される。引き続き、全てのタップ付き変圧器の電圧及び電流の実際の振幅値及び位相値が、この並列制御装置に伝送される。部分負荷及び回路無効電流が、それぞれのタップ付き変圧器ごとにこの並列制御装置から算出され、それぞれの測定/制御装置ごとの外乱変数が、当該部分負荷及び回路無効電流から生成される。
独国特許第4004671号明細書は、異なる複数の母線に任意に並列接続される、異なるタップ数及び電圧タップを有し得る複数のタップ付き変圧器の場合に、設備の構成をコンピュータ支援で自動的に認識するための方法及び当該方法の制御を開示する。この場合、それぞれのタップ付き変圧器に割り当てられた制御装置が、電流及び電圧の有効成分及び無効成分をサイクルごとに取得する。それぞれの変圧器と対応する母線との間の割り当てが、マスター制御装置内で実行される。引き続き、全ての母線に接続された変圧器の回路無効電流が、当該全ての母線ごとに連続して算出される。最後に、補正された電圧値が、新しい目標値として当該制御装置に戻される。
独国特許出願公開第10039918号明細書は、並列に接続された複数の三相交流変圧器によって電源で発生する回路電流を最小にするための自己適合式の力率制御(PF制御)を開示する。これらの変圧器の起電力(EMK)が、算出された値に応じて変更される。当該算出された値は、それぞれの変圧器の給電点のcosφ(cosφsoll)を当該電源の目標cosφと比較することによって得られる。この場合、回路電流の最小値の設定時に一度だけ正しく入力されたcosφsollが、その後に続く電源の挙動の経時変化に自動的に適合される。
欧州特許出願公開第2389723号明細書 国際公開第93/17480号パンフレット 欧州特許出願公開第0482361号明細書 独国特許第4004671号明細書 独国特許出願公開第10039918号明細書
本発明の課題は、複数の測定/制御装置と複数の変圧器との間の通信の停止時に、当該並列に接続された複数の変圧器がさらに稼働する場合に、電力損失を引き起こす非常に大きい回路無効電流の発生の危険が回避されるように、当該複数の変圧器の並列運転を制御するための方法を提供することにある。
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する方法によって解決される。
本発明の方法は、それぞれの測定/制御装置の少なくとも1つの測定値が通信接続部を通じてN−1個の測定/制御装置に伝送されることを特徴とする。回路無効電流によって引き起こされる制御偏差の算定が、当該複数の測定/制御装置の測定値に基づいて、それぞれの測定/制御装置ごとに実行される。当該回路無効電流の最小化が、それぞれの変圧器ごとに実行されるように、当該それぞれの変圧器に割り当てられている負荷時タップ切換器が、当該算定された制御変数に基づいて操作される。当該通信接続部が遮断されると、信号の消滅が、当該複数の測定/制御装置のうちの少なくとも1つの測定/制御装置によって示され、その他の全ての測定/制御装置によって確認される。当該通信接続部の当該遮断によって影響を受けた少なくとも1つの変圧器の、回路無効電流を最小にするために必要な制御偏差が算出される。このことは、当該通信接続部を通じて事前に受信した、少なくとも1つの別の変圧器のうちの当該割り当てられた測定/制御装置によって伝送された測定値に基づいて実行される。この場合、この少なくとも1つの測定/制御装置は、当該遮断によって影響を受けない。当該遮断によって影響を受けた測定/制御装置は、当該実際に測定された個々の測定値と一緒に当該制御偏差を算出するために算入される。
本発明の方法の利点は、並列回路の個々の変圧器のための制御工程が進行し続き、当該個々の変圧器に対する回路無効電流を最小にするため、可能ならば0にするため、対応する制御信号が、当該個々の変圧器に割り当てられた複数の負荷時タップ切換器によって供給されることである。
1つの実施の形態では、当該並列回路のそれぞれの測定/制御装置で測定されるそれぞれの変圧器の測定値は、時間と共に変化する有効電流及び時間と共に変化する無効電流である。
当該通信接続部の遮断によって分離されている測定/制御装置の測定値が、当該遮断の期間中に維持され、必要な制御偏差の算定が、当該回路無効電流を最小にするために、当該実際に測定された個々の測定値と、当該遮断の時点にその遮断の直前に最後に伝送された一定とみなされた当該その他の測定/制御装置の測定値とを用いて実行される。すなわち、当該並列回路の全ての変圧器のこの並列回路の並列運転制御の動特性が維持されたままである。したがって、当該遮断によって影響を受ける「分離された変圧器」の測定/制御装置が、それぞれの変圧器のそれぞれの測定/制御装置によって最後に測定された(すなわち、当該「分離された変圧器」に伝送された)値を受け取る。
当該方法の実行の可能性は、1つの測定/制御装置とその他の測定/制御装置との通信の完全な遮断の場合に、この測定/制御装置が、当該その他の測定/制御装置の最後の測定値を用いて、本発明にしたがって回路無効電流を最小にする方法を続行することである。1つの測定/制御装置が、少なくとも1つの別の測定/制御装置と依然として通信する限り、これらの測定/制御装置は、当該回路無効電流を最小にする方法を、依然として通信している測定/制御装置だけと実行する。場合によっては、通信の停止によって影響を受けるその他の測定/制御装置が、依然として通信している測定/制御装置によって考慮されない。
当該方法の1つの実施の形態によれば、当該通信接続部を通じて依然として互いに接続されている複数の測定/制御装置の場合に、当該制御偏差の算定が、当該回路無効電流を最小にするために、当該実際に測定された個々の測定値と、当該通信接続部を通じて依然として接続されているその他の測定/制御装置の、実際に測定される測定値とを用いて実行され得る。
当該方法の別の可能な実施の形態によれば、当該通信接続部を通じて依然として互いに接続されている複数の測定/制御装置の場合に、当該制御偏差の算定が、当該回路無効電流を最小にするために、当該実際に測定された個々の測定値と、当該通信接続部を通じて依然として接続されているその他の測定/制御装置の、実際に測定される測定値とを用いて実行され得る。さらに、当該通信接続部を通じて依然として互いに接続されている測定/制御装置が、当該通信接続部の遮断によってその時点又は連続する複数の時点に分離したとみなされた測定/制御装置の一定とみなされる測定値を使用する。
このことには、当該制御偏差を算定するためのより多くの測定値が当該回路無効電流を最小にするために使用されるという利点がある。すなわち、当該測定/制御装置が、実際に測定される測定値を使用し、当該並列制御の或る時点以降は一定とみなすべき測定値を使用する。当該一定とみなすべき測定値は、複数の変圧器から成る並列回路のその他の測定/制御装置と通信接続していない少なくとも1つの測定/制御装置に由来するものである。当該遮断の時点前に当該その他の測定/制御装置に送信された測定値が、別の制御工程のために使用される。その他の測定/制御装置が、当該通信接続部を通じて依然として接続されている測定/制御装置との通信接続を遮断しなければならない場合、分離したとみなすべき測定/制御装置の当該遮断の前に送信された測定値が、当該制御工程のために使用される。
別の実施の形態では、1つの並列回路内に設けられている変圧器の数は、2以上で、16以下である。
当該方法の1つの実施の形態によれば、当該通信接続部を通じて伝送される測定/制御装置の信号は、当該それぞれの測定/制御装置の待機信号と、当該それぞれの測定/制御装置の測定値とから成る。この場合、当該待機信号の消滅及び/又は当該それぞれの測定/制御装置の測定値の消滅は、当該遮断を示す。このことは、当該遮断によって影響を受けた少なくとも1つの測定/制御装置が分離していて、当該遮断の時点前にこの測定/制御装置から送信された制御工程のための測定値が一定とみなされることを示す。
当該測定/制御装置によって送信される待機信号は、当該測定値の送信周波数よりも高い周波数か又は当該測定値の送信周波数に等しい周波数で当該測定/制御装置から送信され得る。
本発明の利点は、当該並列回路の1つの変圧器[n]の測定/制御装置が停止されないことである。複数の部分電流(無効電流成分及び有効電流成分)の和の[n−1]個の成分だけが、一定とみなされる。しかしながら、このことは、当該変圧器[n]に直接に割り当てられている測定/制御装置だけに対して成立する。この測定装置は、通信を実行せず、測定可能な無効電流IBiと有効成分IWiとの個々の成分だけを、負荷の位相角の算定に一緒に算入する。この場合、i=1、...Nである。
したがって、
Figure 0006684805
が成立し、
この場合、
Figure 0006684805
であり、
Figure 0006684805
が成立し、
Figure 0006684805
この場合、
Figure 0006684805
である。
その結果、全てのその他の測定/制御装置が、同じ算定規則にしたがって稼働でき、当該制御回路の少なくとも一部の動特性が維持されているので、回路無効電流の発生の危険が十分に回避される。電圧帯域のさらなる監視が、通信の障害時に並列運転する複数の変圧器の運転状態を確保するための別の手段である。
当該測定/制御装置は、負荷時タップ切換器の特に電圧制御装置として構成されている。
以下に、本発明及び本発明の利点を添付図面を参照してより詳しく説明する。
並列回路の変圧器で測定される電圧と制御電圧との経時変化を示す。 従来の技術から既知の3つの変圧器から成る並列回路の概略図である。 複数の負荷時タップ切換器を有する複数の変圧器を並列制御するための、従来の技術から既知の方法の工程の概略図である。 電気ベクトル図において全ての有効電流と全ての無効電流とから成るベクトルの角度φΣを算定するための概略図である。 2つの変圧器の並列運転時の負荷条件と発生するそれぞれの制御偏差との概略図である。 図3による3つの変圧器から成る並列回路の概略図である。当該並列回路の場合、本発明の方法が使用され、第2変圧器の負荷時タップ切換器の測定/制御装置だけが、遮断によって影響される。
これらの図では、同じ符号が、本発明の同じ要素又は同様に作用する要素に使用されている。さらに、分かりやすくするため、それぞれの図の描写のために必要である符号だけが、個々の図に示されている。
図1は、複数の変圧器から成る並列回路の1つの変圧器の、上電圧レベル5と下電圧レベル6とによって限定された間隔3内で観察される期間にわたって進行する測定電圧Uの経時変化を示す。電圧の目標値1が、上電圧レベル5と下電圧レベル6との間に存在する。負荷時タップ切換器が、当該変圧器の二次側を一ステップ若しくは複数ステップだけ高く切り換えることなしに、又は当該変圧器の二次側を一ステップ若しくは複数ステップだけ低く切り換えることなしに、制御すべき電圧URegelが、当該目標値1の周りで変動し得る。制御すべき電圧URegelが、既定の時間間隔7に対して、上電圧レベル5を上回るか又は下電圧レベル6を下回るときに初めて、当該負荷時タップ切換器が切り換わる。制御すべき電圧URegelは、当該負荷時タップ切換器を操作することによって、図1に示されているように、間隔3に再び移行される。同様に、図1に示されているように、制御電圧UREGELは、測定電圧Uと回路無効電流に起因する電圧成分ΔUKBSと電圧補償成分ΔUKOMPとから成る。
Figure 0006684805
が、制御電圧UREGELに対して成立する。
図2は、3つの変圧器T1、T2及びT3から成る並列回路10の概略図である。以下の本発明の方法に関する説明は、3つの変圧器に関するものであるが、当該3つの変圧器に限定されるものと解するべきでない。本発明は、基本的に同じ種類の任意の数の変圧器T1、T2,...TNに対しても使用され得ることは、当業者にとって自明である。好適な実施の形態によれば、少なくとも2個から最大で16個の変圧器が、並列に接続されている。測定/制御装置12が、それぞれの変圧器T1、T2及びT3のそれぞれの出力部9に割り当てられている。測定/制御装置12は、それぞれの変圧器T1、T2及びT3の出力部9で電流測定11と電圧測定13とを実行する。さらに、個々の変圧器T1、T2及びT3の測定/制御装置12は、共通の通信接続部14を通じて互いに接続されている。通信接続部14は、例えばCANバスでもよい。
それぞれの測定/制御装置12による電流及び電圧の測定は、実際に印加される電圧、例えば230kVの電圧、約100Aの電流に基づいて実行されない。すなわち、「計器用変圧器」(図示せず)が、電圧を測定するために使用される。当該計器用変圧器は、例えば230kVの電圧を、例えば100Vに下げる。「計器用変流器」(図示せず)が、電流を測定するために使用される。当該計器用変流器は、例えば100Aの電流を、例えば1Aに下げる。当該計器用変圧器の二次側電圧UVT_SECと当該計器用変流器の二次側電流ICT_SECとが、さらに演算処理される。
最初に、図3に示された方法の全体を説明する。無効電流を可能な限り小さく、ほぼ零に維持するため、並列制御が、図2に示された3つの変圧器T1、T2及びT3から成る並列回路によって実行される。全ての変圧器の電流の角度が、全電流の角度に等しいときに、当該無効電流は、零である。当該方法は、複数の個々の方法ステップから成る。
最初に、第1方法ステップ100では、有効電流I1W、I2W及びI3B並びに無効電流I1B、I2B及びI3Bに対する個々の測定値が、それぞれの測定/制御装置12によって算出され、別の変圧器T1、T2及びT3の別の測定/制御装置12に伝送される。
第2方法ステップ200では、並列に接続された全ての変圧器T1、T2及びT3の測定値が周期的に収集され評価される。この方法ステップに対しては、個々の測定/制御装置12が、並列に接続されたそれぞれの変圧器T1、T2及びT3に割り当てられていて、全ての測定/制御装置12が、情報伝達のために共通の通信接続部14、例えばCANバスを通じて互いに接続されている点が重要である。このいわゆるCANバス(コントローラエリアネットワーク)は、高い通信速度に加えて、簡単な搭載にもかかわらず、最大限に可能な伝送保護を提供する。それ故に、全ての測定/制御装置12が、並列に接続された変圧器T1、T2及びT3の別の測定/制御装置12と情報を交換し得る。
引き続き、第3方法ステップ300では、全ての変圧器の全ての有効電流と全ての無効電流とから成るベクトル20が、当該収集された測定値から電気ベクトル図(図4参照)に変換されて記録される。ベクトル20は、当該電気ベクトル図のX軸に対して角度φΣを成す。
それぞれの測定/制御装置12が、並列に接続された全ての変圧器T1、T2及びT3の全ての有効電流の和ΣIと無効電流の和ΣIとを算出する。

1W+I2W+I3W+…+INW=ΣI 方程式(2)

及び

1B+I2B+I3B+…+INB=ΣI 方程式(3)

引き続き、第4ステップ400では、個々の目標無効電流I1BSollが、それぞれの測定/制御装置12によって、個々の有効電流I1Wと、全ての有効電流の和Iと全ての無効電流の和ΣIとから成る比とから算出される。
Figure 0006684805
Figure 0006684805
負荷時タップ切換器の切り換え時に、並列に接続されたこれらの変圧器T1、T2、…、T3のうちの1つの変圧器で、例えば無効電流I1Bだけが、対応する変圧器T1によって変化し(接続されている負荷は、一定のままである)、その測定/制御装置12が、当該対応する変圧器T1の有効電流I1Wを認識すると仮定すると、測定される有効電流I1Wと一緒に、全ての有効電流と全ての無効電流とから成るベクトル20と平行にさせるために必要である無効電流I1BSOLLの大きさが算定され得る。
第5ステップ500では、それぞれの測定/制御装置12の個々の回路無効電流I1B_KBSの算定が、当該算定された目標無効電流I1B_SOLLと当該個々の無効電流I1Bとから実行される。なお、ここでの説明と以下での説明とでは、当該算定は、特にi=1だけに対して、すなわち変圧器T1に対して記載されているが、当該算定は、並列回路の全ての変圧器T1、T2、…、TN、i=1、…、Nに対して同様に実行される。
当該先行する方法ステップ500の結果として、測定/制御装置12は、負荷が要求する目標無効電流I1B_SOLLと、割り当てられた変圧器T1がこの変圧器T1に対して供給する無効電流I1Bの占有率とを認識する。
回路無効電流が、それぞれの変圧器の目標無効電流I1B_SOLLと無効電流I1Bとの差から、当該両電流の符号を考慮して算定され得る。
Figure 0006684805
Figure 0006684805
Figure 0006684805
上記の複数の方程式は、並列に接続された変圧器T1、T2及びT3(図2参照)に対するそれぞれの回路無効電流
Figure 0006684805
の算定を表している。
変圧器T1の目標無効電流I1B_SOLLと無効電流I1Bとのこの差は、回路無効電流
Figure 0006684805
であり、負荷時タップ切換器を操作することによって、割り当てられたそれぞれの変圧器T1、T2、…、TNで、ここでは具体的にはT1で最小にされなければならない。
Figure 0006684805
は、変圧器T1に対する制御偏差である。
第6ステップ600では、電圧差ΔUKBSが、変換によって
Figure 0006684805
から導き出される。
当該制御偏差が、零に等しくなく、当該制御偏差の大きさが、予め設定されている限界値を上回る場合、その測定/制御装置12は、無効電流I1Bが変圧器T1によって最小である、最善の状態では零であるそれぞれの変圧器の位置又はタップに、負荷時タップ切換器が移動することを当該負荷時タップ切換器に指示する。それぞれの変圧器T1、T2、…、TNに通電する電流の主に誘導成分が、当該負荷時タップ切換器を操作することによって影響される。このことは、それぞれの変圧器T1、T2、…、TNの縦方向インピーダンスの増大及び減少が、回路無効電流
Figure 0006684805
を打ち消すように作用することを意味する。
当該負荷時タップ切換器を操作する場合、制御コイルの巻線が、主巻線に接続されるか又はこの主巻線から切り離される。
この制御偏差が、それぞれの変圧器T1、T2、T3ごとに並列に接続されたそれぞれの測定/制御装置12によって符号付きで算定されるので、全ての測定/制御装置12は、それぞれの回路無効電流
Figure 0006684805
が最小である、最善の状態では零である当該負荷時タップ切換器の位置に移動させることを、当該変圧器T1、T2又はT3に割り当てられた当該全ての測定/制御装置12の負荷時タップ切換器に指示する。
したがって、一方の負荷時タップ切換器が、より高い負荷時タップ切換器位置に移動される一方で、他方の負荷時タップ切換器は、より低い位置に移動される。
図4に開示された電気ベクトル図は、X軸と、全ての有効電流と全ての無効電流とから成る収集された測定値から成るベクトル20とが成す角度φΣを示す。このため、以下のそれぞれの有効電流Iとそれぞれの無効電流Iに対する値(表1参照)が、3つの変圧器T1、T2及びT3に対する有効電流に関する測定値から得られる。
Figure 0006684805
したがって、図4から分かるように、6Aの値が、全ての有効電流の和ΣIと全ての無効電流の和ΣIとのそれぞれに対して得られる。変圧器T1、T2又はT3の並列制御の目的は、電気ベクトル図25の、有効電流軸Wに対するそれぞれの電流の角度が、同じ値をとるように、それぞれの有効電流I1W、I2W又はI3Wの成分及びそれぞれの無効電流I1B、I2B又はI3Bの成分を変更することである。図4に示された具体例では、φ1>φΣ、φ2=φΣ及びφ3<φΣである。変圧器T1、T2又はT3のタップが、測定される値に応じてこれらの変圧器の負荷時タップ切換器によって切り換えられるので、回路無効電流が適合されるか又は最小にされる。変圧器T1、T2、…、TNのそれぞれの測定/制御装置12に対する電流
Figure 0006684805
の制御偏差が算定され得る。したがって、この制御偏差は、当該ベクトル図の個々の電流I、I及びI、特にこれらの電流I、I及びIのベクトルの観察から得られる。
その結果、最小の回路無効電流が、当該制御工程の終了後に、並列に接続された全ての変圧器に常に通電する。
図5は、2つの変圧器T1及びT2の並列運転時の負荷条件と発生するそれぞれの制御偏差との概略図である。2つの変圧器T1及びT2の並列回路の負荷15に対する(図4のφΣに相当する)位相角
Figure 0006684805
が、これらの変圧器T1及びT2の特性によって予め設定され、測定/制御装置12とこれに付随する変圧器T1又はT2とによって影響され得いない。
それぞれの変圧器T1及びT2に割り当てられている負荷時タップ切換器が、縦方向制御装置として、変圧器T1又はT2に通電する全電流のうちのほぼ誘導成分(無効電流)だけに作用する。このことは、当該誘導成分(無効電流)が有効成分(有効電流)よりも遥かに大きいという関係に起因する。
割り当てられ、並列運転する変圧器T1又はT2のそれぞれの測定/制御装置12に対する制御偏差
Figure 0006684805
が、個々の変圧器T1又はT2に対する無効電流を観察することによって算定される。
Figure 0006684805
この場合、
Figure 0006684805
は、
Figure 0006684805
と、第1変圧器T1の誘導成分(無効電流成分)とから得られる。同様に、
Figure 0006684805
が成立する。
この場合、
Figure 0006684805
が、
Figure 0006684805
と、第2変圧器T2の誘導成分(無効電流成分)とから得られる。
第1変圧器T1で測定される位相角φ1又は第2変圧器T2で測定される位相角φ2が、この第1変圧器T1又はこの第2変圧器T2の並列回路の(図4のφΣに相当する)負荷の
Figure 0006684805
に等しいときに、当該制御偏差は、最小(理想的には零に等しく)になる。
このことは、それぞれの変圧器T1及びT2に割り当てられている負荷時タップ切換器を用いてそれぞれの変圧器T1又はT2の縦方向インピーダンスを変更することによって達成される。制御コイルの巻線が、当該負荷時タップ切換器を操作することによって主巻線に接続されるか、又は主巻線から切り離される。
図6は、図3による3つの変圧器から成る並列回路10の概略図である。当該並列回路10の場合、本発明の方法が、通信接続部14の遮断16にもかかわらず継続される。それぞれの変圧器T1、T2及びT3のそれぞれの測定/制御装置12が、規則的な時間間隔で、通信接続部14を通じて、残りの変圧器T1、T2又はT3の測定値I(有効電流)とI(無効電流)とに関する情報を受け取る。進行している稼働中に、既に上述したように、個々の変圧器T1、T2及びT3の回路無効電流が、最小になるように、最適では零に等しくなるように、変圧器T1、T2及びT3から成る並列回路10が、当該測定値に基づいて制御される。それぞれの測定/制御装置12は、通信接続部14を通じて、この通信接続部14を通じて依然として取得可能であるその他の測定/制御装置12の情報を受け取る。このため、全ての測定/制御装置12自体が、所定の時間間隔で信号(待機信号)を送信する。信号が、これらの測定/制御装置12のうちの1つ又は複数の測定/制御装置12からもはや来ない場合、このことは、当該1つ又は複数の測定/制御装置12にもはやアクセス不可能であること、及び通信接続部14の遮断16が存在することを意味する。
図6に示された構成では、通信接続部14の遮断16は、例えば、第2変圧器T2の測定/制御装置12に存在する。このことは、第1変圧器T1の測定/制御装置12から、及び第3変圧器T3の測定/制御装置12から、情報が第2変圧器T2の測定/制御装置12に送信され得ないことを意味する。逆に言えば、第1変圧器T1と第3圧器T3との測定/制御装置12が、第2変圧器T2の測定/制御装置12から情報を受け取らない。このことは、測定値が遮断16に起因して第2変圧器T2の測定/制御装置12から提供されないので、当該第2変圧器T2の測定/制御装置12の値を考慮することなしに、第1変圧器T1と第3変圧器T3との両測定/制御装置12が最小の回路無効電流の設定を再び実行することを意味する。
第2変圧器T2の測定/制御装置12は、第1変圧器T1と第3変圧器T3との測定/制御装置12の最後に伝送された値を再び使用して、最小の回路無効電流を設定するための上記方法を実行する。
本発明の利点は、遮断16によって停止している測定/制御装置12の測定値が、その他の測定/制御装置12によって一定とみなされることである。したがって、測定/制御装置12の遮断16が発生した変圧器が、並列運転中に依然として考慮される。その他の測定/制御装置12との通信をもはや実行しない測定/制御装置12は、当該その他の測定/制御装置12の最後の値を一定とみなし、回路無効電流を最小にする上記方法を実行する。少なくとも1つのその他の測定/制御装置12との通信を依然として実行している測定/制御装置12が、当該回路無効電流を最小にする上記方法を続行する、すなわち当該通信に関与する測定/制御装置12だけによって続行する。
換言すれば、このことは、ここで具体的に説明されている場合では、当該(分離された)第2変圧器T2が、通信接続部14によって最後に伝送された測定値を用いて、当該第2変圧器T2に付随する測定/制御装置12を介して制御されることを意味する。
上記に提唱され改良されている解決策(図6参照)によれば、第2変圧器T2の測定/制御装置12は遮断されてはならない。ここに示された場合には、複数の部分電流(無効電流及び有効電流成分)の和の一部が、第1変圧器T1の測定/制御装置12と第3変圧器T3の測定/制御装置12とによって一定とみなされる。
その結果、全てのその他の測定/制御装置12が、同じ算定規則にしたがって稼働でき、当該制御回路の一部の動特性が、その遮断にも関わらず維持されているので、回路無効電流の発生の危険が十分に回避される。
上記の方程式から分かるように、当該遮断前の測定/制御装置12によって算出された有効電流Iと無効電流Iとに対する値が、当該通信接続部14の遮断の場合にΔUKBSの算定で一緒に演算処理される。これらの値は、通信接続部14の復旧まで一定に維持される。その結果、全ての有効電流の和ΣIと全ての無効電流の和ΣIとが、当該遮断の期間に対しても算定され得る。
本発明を1つの実施の形態に関して説明した。別紙の特許請求の範囲の保護範囲から離れることなしに、変更及び修正が実行され得ることは、当業者にとって明らかである。
1 目標値
3 間隔
5 上電圧レベル
6 下電圧レベル
7 時間間隔
9 出力部
10 並列回路
11 電流測定
12 測定/制御装置
13 電圧測定
14 通信接続部
15 負荷
16 遮断
20 ベクトル
25 電気ベクトル図
T1 変圧器
T2 変圧器
T3 変圧器

Claims (8)

  1. 並列回路(10)内の複数の変圧器(T1,T2,...,TN)を並列運転制御するための方法であって、1つの測定/制御装置(12)を有する1つの負荷時タップ切換器が、それぞれの前記変圧器(T1,T2,...,TN)に割り当てられていて、全ての測定/制御装置(12)が、1つの通信接続部(14)を通じて互いに接続されている当該方法において、以下の、
    ・それぞれの前記変圧器(T1,T2,...,TN)のそれぞれの前記測定/制御装置(12)の少なくとも1つの測定値が、前記通信接続部(14)を通じてN−1個の測定/制御装置(12)に伝送されるステップと、
    ・回路無効電流によって引き起こされる制御偏差の算定が、それぞれの測定/制御装置(12)ごとに、前記測定/制御装置(12)の測定値に基づいて実行されるステップと、・前記それぞれの変圧器(T1,T2,...,TN)ごとの回路無効電流の最小化が実行されるように、前記それぞれの変圧器(T1,T2,...,TN)に割り当てられた前記負荷時タップ切換器が、当該算定された制御偏差に基づいて、前記測定/制御装置(12)によって操作されるステップと、
    ・少なくとも1つの測定/制御装置(12)の少なくとも1つの信号の消滅が、前記通信接続部(14)の遮断(16)によって、或る時点(t)に引き起こされ、少なくとも1つの測定/制御装置(12)の少なくとも1つの信号の前記消滅が、その他の全ての測定/制御装置(12)によって確認されるステップと、
    ・前記通信接続部(14)の前記遮断(16)によって影響を受けた少なくとも1つの測定/制御装置(12)の、回路無効電流を最小化するために必要な前記制御偏差が、少なくとも1つの別の変圧器(T1,T2,...,TN)に割り当てられた測定/制御装置(12)から送信され、或る時点(t)の前に前記通信接続部(14)を通じて受信した測定値に基づいて算出され、前記遮断によって影響を受けた少なくとも1つの変圧器の前記測定/制御装置(12)の、実際に測定された個々の測定値が、当該算出に算入されるステップと、を特徴とする方法。
  2. 前記並列回路(10)のそれぞれの前記測定/制御装置(12)で測定される前記それぞれの変圧器(T1,T2,...,TN)の測定値は、時間と共に変化する有効電流(I1W,I2W,...,INW)及び時間と共に変化する無効電流(I1B,I2B,...,INB)である請求項1に記載の方法。
  3. 前記並列回路(10)の全ての変圧器(T1,T2,...,TN)のこの並列回路(10)の並列運転制御の動特性が維持されたままであるように、前記通信接続部(14)の前記遮断(16)によって分離されている前記測定/制御装置(12)が、前記遮断(16)の期間に、前記実際に測定された個々の測定値と、前記遮断の時点(t)に一定とみなされたその他の前記測定/制御装置(12)の測定値とを、前記回路無効電流を最小にするために必要な前記制御偏差の算定に使用する請求項1に記載の方法。
  4. 前記通信接続部(14)を通じて依然として互いに接続されている複数の測定/制御装置(12)の場合に、前記回路無効電流を最小にするために必要な前記制御偏差の算定のために、前記実際に測定された個々の測定値と、前記通信接続部(14)を通じて依然として接続されているその他の測定/制御装置(12)の実際に測定される測定値とが演算処理される請求項3に記載の方法。
  5. 前記通信接続部(14)を通じて依然として互いに接続されている複数の測定/制御装置(12)の場合に、前記回路無効電流を最小にするために必要な前記制御偏差の算定のために、前記実際に測定された個々の測定値と、前記通信接続部(14)を通じて依然として接続されているその他の測定/制御装置(12)の実際に測定される測定値と、前記通信接続部(14)の前記遮断(16)によってその時点(t)に分離したとみなされた前記測定/制御装置(12)の一定とみなされる測定値とが演算処理される請求項3に記載の方法。
  6. 1つの並列回路(10)内に設けられている前記変圧器(T1,T2,...,TN)の数は、少なくとも2個であり、且つ16個以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記通信接続部(14)を通じて伝送される前記測定/制御装置(12)の信号は、前記それぞれの測定/制御装置(12)の待機信号と、前記それぞれの測定/制御装置(12)の測定値とから成り、
    前記待機信号の消滅及び/又は前記それぞれの測定/制御装置(12)の測定値の消滅は、前記遮断(16)を示し、該当する測定/制御装置(12)が、このために分離されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記測定/制御装置(12)の前記待機信号は、前記測定/制御装置(12)の測定値の送信周波数よりも高い周波数か又は前記測定/制御装置(12)の測定値の送信周波数に等しい周波数で前記測定/制御装置(12)から送信される請求項に記載の方法。
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