JP6684634B2 - 鋼管製造設備及び鋼管製造方法 - Google Patents

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本発明は、鋼管の製造設備及び製造方法に関するものであり、特に、ロール成形により大径鋼管を製造する設備及び製造方法に関するものである。
従来、この種の鋼管製造設備においては、素材である鋼板を連続的に払出し、ブレークダウンロール、クラスタロール及びフィンパスロールに順次通して、鋼板の幅方向の両側のエッジ部が対向するように湾曲成形し、対向するエッジ部を溶接することで円形中空状の鋼管を製造する。
この種の鋼管製造設備においては、フィンパスロール通過後のスクイズロールにおいて鋼板のエッジ部を溶接する際に突合せ目違いが発生することから、ブレークダウンロールの上流側に、鋼管の当該エッジ部を曲げ成形するエッジ曲げ装置が設けられている。
しかしながら、この種の鋼管製造設備では、まず、鋼管の当該エッジ部を曲げ成形してから湾曲成形を行うため、当該エッジ部の高さ或いは形状に合わせて、既存のスタンド及び各種ロールの形状等を変更する必要がある。
そこで、特許文献1に示す鋼管製造設備においては、ブレークダウンロールと、クラスタロールと、の間にエッジ曲げ装置を設け、ブレークダウンロールを通過した鋼板がクラスタロールへ導入される前に、エッジ曲げ装置により当該エッジ部の曲げ成形を行うものが開発されている。
特開平6−126337号公報
しかしながら、特許文献1に示す鋼管製造設備においては、鋼板をクラスタロールへ導入する時点で、鋼板の当該エッジ部が搬送方向に対して左右方向にズレる場合があり、特に、大径の鋼管を製造する際には当該ズレが生じ易い。そのため、特許文献1に示すような単に鋼板の当該エッジ部を曲げるエッジ曲げ装置に、左右方向にズレた状態の鋼板が導入されると、左右方向にズレた状態のままで鋼板のエッジ部が曲げられることとなり、鋼板のエッジ部を溶接する際に、依然として突合せ目違いが発生して溶接不良となる。
そこで、本発明は、クラスタロールによる成形中に、鋼板のエッジ部の搬送方向に対するズレを防止して鋼板のエッジ部の曲げ成形を行う鋼管製造設備及び鋼管製造方法を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明の鋼管製造設備は、鋼板をブレークダウンロール、クラスタロール及びフィンパスロールに順次通して、前記鋼板の幅方向の両側のエッジ部が対向するように湾曲成形して円管状の鋼管を成形する鋼管製造設備であって、クラスタロールによる成形中に、前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持して前記鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うともに、前記鋼板の位置決めを行うエッジ曲げ装置を備え、前記エッジ曲げ装置は、前記鋼板の厚さ方向上方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の上方当接ロールと、前記鋼板の厚さ方向下方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の下方当接ロールと、を備え、前記一対の上方当接ロールは、それぞれの上方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、対向する前記上方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、前記一対の下方当接ロールは、それぞれの下方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、対向する前記下方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、前記一対の上方当接ロールと、前記一対の下方当接ロールと、によって前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持することにより前記鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うとともに、前記一対の上方当接ロール又は前記一対の下方当接ロールによって前記鋼板の位置決めを行うものである。
上記構成では、鋼板の位置決めを行った状態で、鋼板のエッジ部の曲げ成形を行う。
また、上記構成では、上方当接ロールと、下方当接ロールと、によって、鋼板の位置決めを行った状態で、鋼板のエッジ部の曲げ成形を行う。
また、本発明の鋼管製造方法は、鋼板をブレークダウンロール、クラスタロール及びフィンパスロールに順次通して、前記鋼板の幅方向の両側のエッジ部が対向するように湾曲成形して円管状の鋼管を成形する鋼管製造設備における鋼管製造方法であって、前記鋼管製造設備は、クラスタロールによる成形中に、前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持して前記鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うとともに、前記鋼板の位置決めを行うエッジ曲げ装置を備え、前記エッジ曲げ装置は、前記鋼板の厚さ方向上方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の上方当接ロールと、前記鋼板の厚さ方向下方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の下方当接ロールと、を備え、前記一対の上方当接ロールは、それぞれの上方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、対向する前記上方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、前記一対の下方当接ロールは、それぞれの下方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、対向する前記下方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、前記一対の上方当接ロールと前記一対の下方当接ロールとが前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持することにより前記鋼板のエッジ部の曲げ成形が行われ、前記一対の上方当接ロール又は前記一対の下方当接ロールによって前記鋼板の位置決めが行われる方法である。
上記方法では、鋼板の位置決めを行った状態で、鋼板のエッジ部の曲げ成形を行う。
本発明の鋼管製造設備及び鋼管製造方法によれば、鋼板の位置決めを行った状態で、鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うことから、クラスタロールによる成形中に、鋼板のエッジ部の搬送方向に対するズレを防止して鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うことができる。そのため、鋼板のエッジ部を溶接する際に、突合せ目違いが発生せず、品質の良い鋼管を製造することができる。
本発明の実施の形態に係る鋼管製造設備を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る鋼管製造設備におけるクラスター装置及びエッジ曲げ装置を示す正面図である。 図2のA−A断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る鋼管製造設備10を図面に基づき説明する。
図1に示すように、鋼管製造設備10は、鋼板12の幅方向(鋼板12の搬送方向に対して水平に直交する方向)の両側のエッジ部12A(図2)が対向するように湾曲成形し、両側のエッジ部12A同士を突き合わせて溶接して円管状の鋼管11を成形する設備である。
鋼管製造設備10においては、円管状の鋼管11を製造するに当たり、この鋼管11に見合う所定の板厚、長さの素材である鋼板12がコイル(ロール)状で準備される。鋼板12は、ピンチローラ等から構成される巻き戻し装置13により巻き戻された後、レベリング装置14により平らに矯正される。そして、鋼板12の巻き戻し先端部分のみが切断装置15により切断除去される。
巻き戻されて連続移動される鋼板12は、トリミング装置16により両側のエッジ部12Aが切断除去される。次いで、鋼板12は、その幅方向の両側のエッジ部12Aが対向するように、プリフォーム装置17によって緩やかなR状に成形された後、複数のブレークダウンロール18Aからなるブレークダウン装置18によって徐々に円弧状に湾曲成形される。
円弧状に湾曲成形された鋼板12は、複数のクラスタロール19Aからなるクラスター装置19において、その上部の一対の垂直板部分が内側へと曲げ成形される。そして、複数のフィンパスロール20Aからなるフィンパス装置20によって徐々に円管状に成形され、その幅方向の両側のエッジ部12A間が当接された円管状の鋼管11がプレス成形される。円管状の鋼管11は高周波抵抗溶接機21に入り、加熱による溶融方式の溶接が施工された後、切削装置22により外面ビートが切削され、シーム溶接部を有する円管状の鋼管11が製造される。
鋼管製造設備10においては、クラスター装置19によって鋼板12全体の曲げ成形を行う際に、鋼板12における幅方向の両側のエッジ部12Aの曲げ成形を行う。図2に示すように、クラスター装置19には、鋼板12のエッジ部12Aの曲げ成形を行うエッジ曲げ装置30が設けられている。エッジ曲げ装置30は、クラスタロール19Aが回動自在に支持されるスタンド19Bの上部に設けられる。エッジ曲げ装置30は、搬送ロール19Cによって搬送される鋼板12のエッジ部12Aを上方及び下方から狭持し、エッジ部12Aの曲げ成形を行う。
エッジ曲げ装置30は、鋼板12の厚さ方向に対して上方から鋼板12のエッジ部12Aに当接する上方当接ロール31と、鋼板12の厚さ方向に対して下方から鋼板12のエッジ部12Aに当接する下方当接ロール35と、から主に構成されている。
上方当接ロール31は、円管状に湾曲成形された鋼板12の外周側に配置され、スタンド19Bにより回動自在に支持される。上方当接ロール31は、鋼板12のエッジ部12Aの上面(円管状に湾曲成形された鋼板12の外周面)に当接する。上方当接ロール31は、鋼板12の幅方向両側のそれぞれのエッジ部12Aに対応して設けられ、一対の上方当接ロール31が互いに対向するように配置される。上方当接ロール31は、鋼板12のエッジ部12Aに上方から当接する上方ロール本体32と、スタンド19Bに支持されて上方ロール本体32を回動自在に支持する上方ロール軸33と、から主に構成される。
上方ロール本体32は、その一端から他端に向けての軸径が、鋼板12のエッジ部12Aの湾曲度合いに合わせて、徐々に大きくなるように成形されている。上方ロール本体32は、鋼板12の上方からエッジ部12Aを押圧することで、エッジ部12Aを曲げ成形する。また、上方ロール本体32の一端(軸径が小さい側の端部)には、鋼板12の位置決めを行うための位置決め部34が形成されている。
位置決め部34は、上方ロール本体32の一端(軸径が小さい側の端部)に、上方ロール本体32の一端(軸径が小さい側の端部)の径より大きく環状に形成される。位置決め部34は、その環状の周端部が鋼板12のエッジ部12Aの先端部(鋼板12の幅方向の端面)に当接することにより、鋼板12の左右方向(鋼板12の搬送方向に対して水平に直交する方向)の位置決めを行う。
図2に示すように、下方当接ロール35は、鋼板12を挟んで上方当接ロール31と対向するように、円管状に湾曲成形される鋼板12の内周側に配置され、スタンド19Bから下方に延設される支持部材19Dにより回動自在に支持される。下方当接ロール35は、鋼板12のエッジ部12Aの下面(円管状に湾曲成形された鋼板12の内周面)に当接する。下方当接ロール35は、鋼板12の幅方向両側のそれぞれのエッジ部12Aに対応して設けられ、一対の下方当接ロール35が互いに対向するように配置される。下方当接ロール35は、鋼板12のエッジ部12Aに下方から当接する下方ロール本体36と、支持部材19Dに支持されて下方ロール本体36を回動自在に支持する下方ロール軸37と、から構成される。
下方ロール本体36は、その一端から他端に向けての軸径が、鋼板12のエッジ部12Aの湾曲度合いに合わせて、徐々に大きくなるように構成されている。下方ロール本体36は、上方から上方ロール本体32により押圧される鋼板12のエッジ部12Aを下方から支持する。すなわち、上方ロール本体32と、下方ロール本体36と、により鋼板12のエッジ部12Aを狭持することにより、鋼板12のエッジ部12Aの曲げ成形を行うとともに、鋼板12の上下方向の位置決めを行う。このように、下方当接ロール35(下方ロール本体36)が、円管状に湾曲成形される鋼板12の内周側に配置されることで、上方当接ロール31(上方ロール本体32)の上方からの押圧によって鋼板12が過度に折り曲げられることを防止できる。
図2及び図3に示すように、上方当接ロール31及び下方当接ロール35は、クラスタロール19Aが配置される位置に合わせて、鋼板12の搬送方向に沿って配置される。また、対向する上方当接ロール31同士の間隔K及び対向する下方当接ロール35同士の間隔Kは、円管状に湾曲成形されて対向する鋼板12のエッジ部12Aの先端(鋼板12の幅方向の端面)の間隔に合わせて設定される。具体的には、上方当接ロール31同士の間隔K及び下方当接ロール35同士の間隔Kは、鋼板12の搬送方向の上流側に配置される上方当接ロール31及び下方当接ロール35より、鋼板12の搬送方向の下流側に配置される上方当接ロール31及び下方当接ロール35の方が狭い。また、当該間隔Kは、鋼板12の搬送方向の下流側に配置される上方当接ロール31及び下方当接ロール35につれて徐々に狭くなるように設定される。
以上のように、上記構成によれば、鋼板12の位置決めを行った状態で、鋼板12のエッジ部12Aの曲げ成形を行うことから、クラスタロール19Aによる成形中に、鋼板12のエッジ部12Aの搬送方向に対するズレを防止して鋼板12のエッジ部12Aの曲げ成形を行うことができる。そのため、鋼板12のエッジ部12Aを溶接する際に、突合せ目違いが発生せず、品質の良い鋼管11を製造することができる。
10 鋼管製造設備
11 鋼管
12 鋼板
12A エッジ部
18A ブレークダウンロール
19A クラスタロール
20A フィンパスロール
30 エッジ曲げ装置
31 上方当接ロール
35 下方当接ロール

Claims (2)

  1. 鋼板をブレークダウンロール、クラスタロール及びフィンパスロールに順次通して、前記鋼板の幅方向の両側のエッジ部が対向するように湾曲成形して円管状の鋼管を成形する鋼管製造設備であって、
    クラスタロールによる成形中に、前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持して前記鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うともに、前記鋼板の位置決めを行うエッジ曲げ装置を備え、
    前記エッジ曲げ装置は、
    前記鋼板の厚さ方向上方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の上方当接ロールと、
    前記鋼板の厚さ方向下方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の下方当接ロールと、
    を備え、
    前記一対の上方当接ロールは、
    それぞれの上方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、
    対向する前記上方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、
    前記一対の下方当接ロールは、
    それぞれの下方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、
    対向する前記下方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、
    前記一対の上方当接ロールと、前記一対の下方当接ロールと、によって前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持することにより前記鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うとともに、前記一対の上方当接ロール又は前記一対の下方当接ロールによって前記鋼板の位置決めを行うこと
    を特徴とする鋼管製造設備。
  2. 鋼板をブレークダウンロール、クラスタロール及びフィンパスロールに順次通して、前記鋼板の幅方向の両側のエッジ部が対向するように湾曲成形して円管状の鋼管を成形する鋼管製造設備における鋼管製造方法であって、
    前記鋼管製造設備は、
    クラスタロールによる成形中に、前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持して前記鋼板のエッジ部の曲げ成形を行うとともに、前記鋼板の位置決めを行うエッジ曲げ装置を備え、
    前記エッジ曲げ装置は、
    前記鋼板の厚さ方向上方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の上方当接ロールと、
    前記鋼板の厚さ方向下方から前記鋼板のエッジ部に当接する一対の下方当接ロールと、
    を備え、
    前記一対の上方当接ロールは、
    それぞれの上方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、
    対向する前記上方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、
    前記一対の下方当接ロールは、
    それぞれの下方当接ロールが前記クラスタロールが配置される位置に合わせて互いに対向して配置され、
    対向する前記下方当接ロール同士の間隔が、円管状に湾曲成形されて対向する前記鋼板のエッジ部の先端の間隔に合わせて設定され、
    前記一対の上方当接ロールと前記一対の下方当接ロールとが前記鋼板のエッジ部を前記鋼板の厚さ方向から狭持することにより前記鋼板のエッジ部の曲げ成形が行われ、
    前記一対の上方当接ロール又は前記一対の下方当接ロールによって前記鋼板の位置決めが行われること
    を特徴とする鋼管製造方法。
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