JP6684173B2 - 歯科用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科用組成物に関する。
従来、歯科医療分野において、補綴物を被着体に接着する際に接着剤を用いることが知られている。また、被着体表面に前もってプライマー(表面処理剤)を塗布し、接着剤と被着体との接着力を向上させることも行われている。このような歯科用接着剤や歯科用プライマーとして、硫黄原子を含む化合物を含有させた歯科用組成物が知られている(特許文献1〜3)。
特許第3933779号公報 特開2000−248201号公報 特表2004−525220号公報
一般に、歯科用接着剤や歯科用プライマー等の歯科用組成物は、製造された後、その接着力は時間とともに低下していく。特に、高温で保存されたような場合には、その低下の速度は大きくなる。上記の公知の歯科用組成物においては、そのような接着力の経時的な低下を抑制することについて、つまり保存安定性を高めることについて、さらなる改良の余地があった。
そこで、本発明の一態様は、保存安定性を向上させた歯科用組成物を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有し、前記硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤が、以下の式で表される構造を有する、歯科用組成物である。
Figure 0006684173
[式中、R は非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基、R はそれぞれ独立に非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は非置換若しくは置換の炭素数1〜20のオルガノキシ基であり、R は非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜10の整数である]
本発明の一態様によれば、保存安定性を向上させた歯科用組成物を提供することができる。
[歯科用組成物]
本発明の一態様は、硫黄−ケイ素結合(S−Si結合)を有するシランカップリング剤を含む歯科用組成物である。このような硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤においては、チオール基がSi含有化合物によって安定的に保護されているので、チオール基が歯科用組成物の他の成分と反応して失活することを防ぐことができる。そのため、歯科用組成物が上記の特定のシランカップリング剤を含むことで、歯科用組成物の保存安定性を高めることができる。つまり、長期保存後であっても、歯科用組成物の接着力の低下を最大限に抑えることができる。
上記のような保存安定性は、例えば、調製直後等の初期段階に測定した接着強度を基準として、2週間以上の長期間にわたる保存後に測定した接着強度がどの程度であるかによって評価することができる。
なお、歯科用組成物は、1剤型及び2剤型のいずれであってもよい。
なお、歯科用組成物は、水を実質的に含まないことが好ましい。
本願明細書及び特許請求の範囲において、水を実質的に含まないとは、水の含有量が0.5質量%以下であることを意味する。
歯科用組成物中の水の含有量は、0質量%以上0.4質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。歯科用組成物中の水の含有量が0.5質量%以下であることにより、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤の分解が抑えられ、歯科用組成物の保存安定性をさらに向上させることができる。
(硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤)
本発明の一態様による歯科用組成物が含有する硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤は、具体的には、分子中にS−Si(硫黄−ケイ素)結合を含む基とアルコキシシリル基とを有するものであってよく、チオール基を有さないものとすることが好ましい。
硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤は、次式に示す構造のものとすることができる。
Figure 0006684173
[式中、Rは非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基、Rはそれぞれ独立に非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は非置換若しくは置換の炭素数1〜20のオルガノキシ基であり、Rは非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜10の整数である]
上記のシランカップリング剤の中でも、保存安定性が優れているため、トリメトキシシリルチオプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシリルチオプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシリルチオプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシシリルチオペンチルトリメトキシシランが好ましい。これらの中でも、保存安定性が高く且つ接着強度も高いことから、トリエトキシシリルチオプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
なお、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤は、二種以上併用してもよい。
また、一般に、硫黄原子を含む化合物、特にチオール基を有する化合物を含有する歯科用組成物においては、使用時にそのにおい(メルカプト臭)が不快に感じられるものもある。これに対して、本発明の一態様による歯科用組成物は、上述のようにチオール基が保護された構造を有するシランカップリング剤を含有するため、そのような問題も起こらない。
歯科用組成物中の硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤の含有量は、歯科用組成物の全量に対して0.01質量%以上20質量%以下とすることができる。また、0.1質量%以上10質量%以下であると好ましい。
歯科用組成物中の硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤の含有量を0.01質量%以上とすることで、十分な保存安定性を確保することができる。また、歯科用組成物中のシランカップリング剤の含有量は、20質量%を超えても接着性の低下抑制の効果は変わらないので、20質量%以下とすることで、製造コストを抑えることができる。
本発明の一態様による歯科用組成物は、各種用途に用いることができる。例えば、後述のように、歯科用プライマーとして用いることのできる組成物であってもよく、歯科用接着剤として用いることのできる組成物であってもよい。
歯科用組成物を歯科用プライマーとして用いる場合には、被着体の、補綴物を配置しようとする表面に歯科用組成物(プライマー)を塗布し、乾燥させた後、レジンセメント等の接着剤を載せ、その上に補綴物を配置する。また、歯科用組成物を歯科用接着剤として用いる場合には、被着体の補綴物を配置しようとする表面に直接、歯科用組成物(接着剤)を載せる。
また、本発明の一態様による歯科用組成物によって、長期間にわたる保存安定性が達成される上、硫黄原子を有するが硫黄−ケイ素結合を有さない従来公知の化合物を含有する歯科用組成物と比較した場合でも同等又は向上した接着強度を得ることができる。
なお、被着体として卑金属、貴金属を含む金属を用いた場合、接着力の低下抑制の効果が顕著に発揮される。また、同等以上の接着力が得られるという効果も顕著に表れる。上記金属としては、金、白金、銀、パラジウム、コバルト、クロム、ニッケル、チタン、鉄、錫、亜鉛、銅等の単体又はこれらの合金が挙げられる。但し、被着体は、金属に限られず、歯質、歯科用修復物の材料であるジルコニア、アルミナ等のセラミックスであってもよい。
[歯科用プライマー]
本発明の一態様による歯科用組成物は、上述の硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤と、酸性基含有重合性モノマーと、溶剤とを含有することができ、歯科用プライマーとして用いることができる。この場合、歯科用組成物は、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤と酸性基含有重合性モノマーとが溶剤に溶解された形態となっている。
歯科用組成物を歯科用プライマーとして用いた場合、補綴物の接着のために、レジンセメント(高分子系レジン材料)等の接着剤が用いられる。この場合、歯科用プライマーを被着体に塗布して被着体の表面を処理した後、接着剤を塗布し、補綴物を配置する。
本発明の一態様による歯科用プライマーとしての歯科用組成物においては、一定期間の保存後であっても、被着体に対する歯科用組成物の接着力及び接着剤に対する接着力のどちらか一方又はいずれもが良好に保持されるか、又はその低下を抑えることができる。また、歯科用プライマーは、調製後の初期の段階においても、硫黄原子を有するが硫黄−ケイ素結合を有さない化合物を含む従来のプライマーと同等以上の接着力を有することができる。このような効果は、被着体が金属、具体的には貴金属であり、接着剤が高分子系レジンである場合に、特に顕著に発揮される。
(酸性基含有重合性モノマー)
酸性基含有重合性モノマーは、歯質や、歯科用修復物の材料であるジルコニア、アルミナ等のセラミックスや、貴金属を含む合金に対する接着性を向上させる効果がある。
酸性基含有重合性モノマーとしては、酸性基を有し且つ重合性の官能基を有するものであれば特に限定はされないが、接着性を向上させる効果が高いことから、リン酸基、チオリン酸基又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましく、例えば、1分子中にリン酸基、チオリン酸基又はカルボキシル基を1個又は複数個有する(メタ)アクリレートを使用できる。
本願明細書及び特許請求の範囲において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各種モノマー、オリゴマーあるいはプレポリマーを意味し、メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基を1個以上有する。
リン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート(2−アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート又は2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェートを意味する)、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンホスフェート、18−(メタ)アクリロイルオキシオクタデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、4−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕シクロヘキシルオキシジハイドロジェンホスフェート、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアニシルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリルハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニルハイドロジェンホスフェート、ビス〔1−クロロメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキシルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル2'−ブロモオクチルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルオクチルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルノニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルデシルハイドロジェンホスフェート、−2−(メタ)アクリロイルオキシブチルデシルハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルプロパン−2−ジハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルプロパン−2−フェニルハイドロジェンホスフェート、ビス[5−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル}ペンチル]ハイドロジェンホスフェート等を挙げることができる。
中でも、高い接着力が得られることから、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、5−メタクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェートが好ましい。
チオリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンチオホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンチオホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンチオホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンチオホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンチオホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンチオホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンチオホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンチオホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンチオホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンチオホスフェート、13−(メタ)アクリロイルオキシトリデシルジハイドロジェンチオホスフェート、14−(メタ)アクリロイルオキシテトラデシルジハイドロジェンチオホスフェート、15−(メタ)アクリロイルオキシペンタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンチオホスフェート、17−(メタ)アクリロイルオキシヘプタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、18−(メタ)アクリロイルオキシオクタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、19−(メタ)アクリロイルオキシノナデシルジハイドロジェンチオホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシイコシルジハイドロジェンチオホスフェート等が挙げられる。中でも、接着性の向上及び(メタ)アクリレート自体の安定性の点から10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェートが特に好ましい。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸無水物、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシピロメリット酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。中でも、接着性の向上の点から、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物が特に好ましい。
なお、酸性基含有重合性モノマーは、二種以上併用してもよい。
酸性基含有重合性モノマーの含有量は、歯科用組成物の全量に対して0.001質量%以上50質量%以下とすることができ、0.01質量%以上10質量%以下であると好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であるとさらに好ましい。酸性基含有重合性モノマーの含有量を0.001質量%以上とすることで、歯科用プライマーの接着強度を向上させることができ、50質量%以下とすることで、歯科用プライマーとしての取り扱いが容易になる。
また、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤の質量の、酸性基含有重合性モノマーの質量に対する比の値(硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤の質量/酸性基含有重合性モノマーの質量)は、0.001以上100以下とすることができ、0.01以上20以下であると好ましく、0.1以上5以下であるとさらに好ましい。0.001以上とすることで、保存安定性の向上が得られ、且つ初期の接着強度を適切に確保することができる。また、100以下とすることで、製造コストを抑えることができる。
(溶剤)
溶剤は、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤及び酸性基含有重合性モノマーを十分に溶解し、溶解液中で硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤及び酸性基含有重合性モノマーを変性する反応を起こさないものであれば、特に限定はされない。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−エチルブタノール、イソプロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ブタノン、3−ペンタノン等のケトン、ジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、メタクリル酸メチル等のエステル、ベンゼン、トルエン、キシレン、p−シメン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、オクタン、ペンタン、クロロホルム、ジクロロメタン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等の置換又は非置換の脂肪族炭化水素等、並びにこれらの組合せを挙げることができる。これらの中でも、人体に対する安全性が高いことから、エタノールを用いることが好ましい。
溶剤は揮発性の有機溶剤であることが好ましい。歯科用プライマーは、被着体上に塗布した後に乾燥をさせて用いるが、その乾燥の際に溶剤が蒸発し、残されたシランカップリング剤成分と酸性基含有重合性モノマーとによって、被着体上に被膜が形成される。
歯科用プライマー中の溶剤の含有量は、歯科用プライマーの全量に対して、5質量%以上99.5質量%以下であると好ましく、10質量%以上99質量%以下であるとより好ましい。溶剤の含有量が5質量%以上とすることで、歯科用プライマーの被着体への塗布を容易にすることができる。
(その他の成分)
歯科用プライマーとして用いられる歯科用組成物は、上述の成分の他、硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤を含有していてよい。これにより、保存安定性及び/又は初期の接着強度をさらに向上させることができる。
歯科用プライマーとして用いられる歯科用組成物は、上述の成分の他、硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤を含有していてよい。硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤は、重合性不飽和基を有するものであってよい。例えば、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有するシランカップリング剤であってよく、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の何れも有さないシランカップリング剤であってもよく、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なお、硫黄−ケイ素結合を分子中に有さないシランカップリング剤は、二種以上併用してもよい。
また、上記のように硫黄を含有するシランカップリング剤を含有させることもできるが、メルカプト臭低減の観点からは、チオール基を有するシランカップリング剤を含有しないことが好ましい。
硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤の含有量は、歯科用プライマーの全量に対して0.01質量%以上20質量%以下であると好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であるとさらに好ましい。
また、歯科用プライマーは、酸性基含有重合性モノマー以外の重合性モノマーをさらに含有していてもよい。これにより、歯科用プライマーの保存安定性及び/又は初期の接着強度をさらに向上させることができる。
このような重合性モノマーは、重合性不飽和結合を有するモノマーであれば限定されないが、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル、ビニルエーテル、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体等を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリル酸のエステル(アクリレート又はメタアクリレート)が好ましい。また、酸基を有さない多官能性のモノマーであると好ましい。
酸性基含有重合性モノマー以外の重合性モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルメタアクリレート(2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート(ジ(メタクリロイルオキシ)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N'−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン等を挙げることができる。
中でも、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジ(メタクリロイルオキシ)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタンが好ましく、これらのうち2種以上を併用するとさらに好ましく、これら3種を併用するとさらに好ましい。
このような酸性基含有重合性モノマー以外の重合性モノマーの含有量は、歯科用プライマーの全量に対して、0質量%以上30質量%以下とすることができ、0.1質量%以上10質量%以下であると好ましい。
[歯科用接着剤]
本発明の一態様による歯科用組成物は、上述の硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤と、重合性モノマーと、フィラーとを含有することができ、歯科用接着剤として用いることができる。この場合、歯科用接着剤は、歯科医療での通常の使用において力を加えることで流動可能な程度のペースト状であってよい。
なお、歯科用接着剤を用いる場合には、歯科用接着剤の前にプライマー(表面処理材)を塗布した被着体に対して使用することもできる。
本発明の一態様による歯科用接着剤としての歯科用組成物においては、一定期間の保存後であっても、被着体に対する歯科用組成物の接着力が良好に保持されるか、又はその低下を抑えることができる。また、歯科用接着剤は、調製後の初期の段階においても、硫黄原子を有するが硫黄−ケイ素結合を有さない化合物を含む従来のプライマーと同等以上の接着力を有することができる。このような効果は、被着体が金属、具体的には貴金属である場合に、特に顕著に発揮される。
(重合性モノマー)
重合性モノマーの種類としては、上述の歯科用プライマーの項目で述べた、酸性基含有重合性モノマー以外の重合性モノマーを用いることができる。歯科用接着剤に含有させる重合性モノマーとしては、光硬化性の重合性モノマーが好ましい。
重合性モノマーの含有量は、歯科用接着剤の全量に対して、1質量%以上90質量%以下とすることができ、5質量%以上80質量%以下であると好ましい。重合性モノマーの含有量を1質量%以上とすることで、十分な接着強度を付与することができ、90質量%以下とすることにより、歯科用接着剤としての取り扱いが容易になる。
また、重合性モノマーの質量の、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤の質量との比の値(硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤の質量/重合性モノマーの質量)は、0.001以上100以下とすることができ、0.01以上20以下であると好ましい。0.001以上とすることで、保存安定性の向上が得られ、且つ初期の接着強度を適切に確保することができる。また、100以下とすることで、製造コストを抑えることができる。
(フィラー)
フィラーとしては、特に限定されないが、フュームドシリカ等のシリカ、アルミナ、結晶石英、ヒドロキシアパタイト、酸化チタン、酸化イットリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、フッ化ナトリウム、カオリン、クレー、雲母、マイカ、セラミックス、ガラス等の無機材料、ポリマー等の有機材料、有機無機複合材料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。ガラスとしては、バリウムガラス、ランタンガラス、ストロンチウムガラス、ソーダガラス、リチウムボロシリケートガラス、亜鉛ガラス、アルミノシリケートガラス、フルオロアルミノボロシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、バイオガラス等が挙げられる。これらは、二種以上併用してもよい。
なお、フィラーは必要に応じて、シランカップリング剤等の表面処理剤で処理されていてもよい。
なお、フィラーは、レーザー回折散乱式で測定した数平均粒径が、0.005μ以上15μm以下であるものが望ましい。また、フィラーの含有量は、歯科用組成物の全量に対して0質量%以上85質量%以下であると好ましく、0.5質量%以上75質量%以下であるとより好ましい。85質量%以下とすることで、使用時の適度な流動性を確保することができる。
(その他の成分)
本発明の一態様による歯科用接着剤は、硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤をさらに含んでいてよい。硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤の種類及び量は、上述の歯科用プライマーの項目において述べた通りである。
また、歯科用接着剤はさらに溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、歯科用プライマーの項目において述べたものを使用することができる。歯科用接着剤中の溶剤の含有量は、歯科用接着剤の全量に対して、0質量%以上99質量%以下とすることができる。
なお、本実施形態による歯科用組成物は、歯科用プライマーとして用いる場合でも歯科用接着剤として用いる場合であっても、上述の成分以外に、重合開始剤、重合促進剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調製剤、顔料、染料等をさらに添加することができる。
本実施形態の歯科用組成物が重合開始剤をさらに含むことにより、重合性モノマーの重合開始に必要なエネルギーを大きく下げることができ、かつ重合反応の制御が容易になる。
重合開始剤としては、化学重合開始剤を用いることができる。
化学重合開始剤としては、酸化剤と還元剤との組み合わせを用いることができる。酸化剤を含む一方の剤と、還元剤を含む他方の剤を混合することにより、重合性モノマーの重合が開始し、硬化する特性を有する2剤型の歯科用組成物とすることができる。
なお、歯科用組成物が歯科用プライマー又は1剤型の接着剤である場合、歯科用プライマー又は1剤型の接着剤は、化学重合開始剤における酸化剤と還元剤の一方のみを含み、両方を含まないことが好ましい。歯科用プライマー又は1剤型の接着剤中に化学重合開始剤における酸化剤と還元剤の両方が存在すると、重合性モノマーの重合が開始しやすくなり、歯科用プライマー又は1剤型の接着剤の保存安定性が低下するためである。
化学重合開始剤における酸化剤としては、特に限定されないが、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
歯科用組成物中の化学重合開始剤における酸化剤の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。歯科用組成物中の化学重合開始剤における酸化剤の含有量が0.1質量%以上であることにより、歯科用組成物の接着性が向上し、10質量%以下であることにより、歯科用組成物の保存安定性が向上する。
化学重合開始剤における還元剤としては、特に限定されないが、アミン化合物、スルフィン酸類、チオ尿素類、システイン類、アスコルビン酸類等を挙げることができる。
アミン化合物としては、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、トリエチルアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物、N−フェニルグリシン等を挙げることができる。
スルフィン酸類としては、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルフルオライド、o−トルエンスルホニルイソシアネート、p−アセトアミドベンゼンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素及びチオ尿素の誘導体が挙げられる。
チオ尿素の誘導体としては、エチレンチオ尿素、N−メチルチオ尿素、N−エチルチオ尿素、N−プロピルチオ尿素、N−ブチルチオ尿素、N−ラウリルチオ尿素、N−フェニルチオ尿素、N−シクロヘキシルチオ尿素、N,N−ジメチルチオ尿素、N,N−ジエチルチオ尿素、N,N−ジプロピルチオ尿素、N,N−ジ−ブチルチオ尿素、N,N−ジラウリルチオ尿素、N,N−ジフェニルチオ尿素、N,N−ジシクロヘキシルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N−アセチルチオ尿素、N−ベンゾイルチオ尿素、1−アリル−3−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素、1−(2−テトラヒドロフルフリル)−2−チオ尿素等を挙げることができる。
システイン類としては、システイン及びシステインの誘導体が挙げられる。
システインの誘導体としては、システインメチル、システインエチル、N−メチルシステイン、N−エチルシステイン、N−アセチルシステイン、N,N−ジメチルシステイン、N,N−ジエチルシステイン、N,N−ジアセチルシステイン、グルタチオン等を挙げることができる。
アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩が挙げられる。
アスコルビン酸の塩としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム等を挙げることができる。
バナジウム化合物としては、バナジウムアセチルアセトネート,バナジルアセチルアセトネート,バナジルステアレート,バナジウムナフテネート,バナジウムベンゾイルアセトネート等が挙げられる。
銅化合物としては、アセチルアセトン銅(II)、4−シクロヘキシル酪酸銅(II)、酢酸銅(II)、オレイン酸銅(II)、硫酸銅(II)、塩化銅(II)、グルコン酸銅(II)、オレイン酸銅(II)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム銅(II)、塩化銅(II)、硝酸銅(II)、酢酸銅(II)、アクリル酸銅(II)、メタクリル酸銅(II)等が挙げられる。
なお、化学重合開始剤における還元剤は、二種以上併用してもよい。
歯科用組成物中の化学重合開始剤における還元剤の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。歯科用組成物中の化学重合開始剤における還元剤の含有量が0.1質量%以上である場合、又は、10質量%以下である場合は、歯科用組成物の接着性がさらに向上する。
また、重合開始剤としては、化学重合開始剤に代えて、又は、化学重合開始剤と共に、光重合開始剤を用いることもできる。歯科用組成物が光重合開始剤を含むことにより、光を照射することにより硬化する特性を歯科用組成物に与えることができる。
光重合開始剤としては、特に限定されないが、ケトン系化合物、α−ジケトン系化合物、ケタール系化合物、アントラキノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾインアルキルエーテル系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物等が挙げられる。
ケトン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
α−ジケトン系化合物としては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、アセナフテンキノン、9,10−フェナントラキノン等が挙げられる。
ケタール系化合物としては、例えば、ベンジルケタール、ジアセチルケタール、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルビス(β−フェニルエチル)ケタール、ベンジルビス(2−メトキシエチル)ケタール、4,4'−ジメチル(ベンジルジメチルケタール)等が挙げられる。
アントラキノン系化合物としては、例えば、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン等が挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキシド、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド等が挙げられる。
ベンゾインアルキルエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
アシルホスフィンオキシド系化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
歯科用組成物中の光重合開始剤の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。歯科用組成物中の光重合開始剤の含有量が0.1質量%以上であることにより、歯科用組成物の接着性が向上し、10質量%以下であることにより、歯科用組成物の保存安定性が向上する。
重合開始剤として、光重合開始剤を用いる場合、光重合促進剤を併用してもよい。
光重合促進剤としては、特に限定されないが、N,N−ジメチル−p−トルイジン、トリエタノールアミン、トリルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等の3級アミン、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1,3,5−トリエチルバルビツール酸、5−ブチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸等のバルビツール酸誘導体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
歯科用組成物中の光重合促進剤の含有量は、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上1質量%以下であることがさらに好ましい。歯科用組成物中の光重合促進剤の含有量が0.1質量%以上である場合、又は、5質量%以下である場合は、歯科用組成物の接着性がさらに向上する。
重合禁止剤は特に限定はされず、歯科用組成物に配合するモノマーの種類に応じて、公知のものから選択して使用することができる。また、重合禁止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、6−tert−ブチル−2,4−キシレノール等を用いることができる。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜11、比較例1〜6]
(歯科用プライマーの調製)
トリエトキシシリルチオプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 X−12−1056ES)0.1質量%、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロゲンホスフェート(MDP)1質量%、エタノール98.9質量%を混合して、実施例1の歯科用プライマーを得た。
Figure 0006684173
表1に示した成分及び配合(質量%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜6の歯科用プライマーを調製した。なお、比較例1〜6で使用したその他のシランカップリング剤のうち、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−803)は、硫黄を含有するが硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤である。
(歯科用プライマーの接着試験)
被着体である金属(金銀パラジウム合金、株式会社ジーシー製「キャストウェル」)の表面を#1500耐水研磨紙で研磨した。各実施例、比較例で調製した歯科用プライマーを金属面に塗布し、乾燥後、接着面積を規定するために、直径3mmの穴を開けた厚さ100μmのテープを金属面に貼りつけた。歯科用レジンセメント(株式会社ジーシー製「ジーセムリンクフォース」)を用いてステンレス棒を接着し、30分後に試験片を37℃の水中に入れ、24時間浸漬させた。その後さらに5℃の冷水中と55℃の温水中に各々30秒間ずつ浸漬する熱サイクルを5000回負荷した後に接着強度を測定し、これを初期の接着強度(MPa)とした。
また、歯科用プライマーを調製した後、2週間60℃で保存し、その後、上記と同様にして接着を行い、熱サイクルを付加し、接着強度を測定した。これを、長期保存後の接着強度(MPa)とした。初期の接着強度に対する長期保存後の接着強度を百分率で示し、これを引張接着強度保持率(%)とした。
接着強度の測定には、引張り試験機(オートグラフ、株式会社島津製作所製)を用い、クロス・ヘッドスピード1mm/minの条件で引張接着強度を測定した。結果を表1に示す。
表1において、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する実施例1〜11の引張接着強度保持率は63%以上と高く、優れた保存安定性を示すことが分かる。一方、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有していない比較例1〜6は、実施例1〜11に比べて低い引張接着強度保持率を示した。
なお、比較例1〜6は、硫黄を含有するが硫黄−ケイ素結合を有さないその他のシランカップリング剤(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)を含有しているものの、実施例1〜11に比べて引張接着強度保持率は低い。よって、上記結果から、保存安定性向上の効果に関して、硫黄を含有するシランカップリング剤のうち、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤が優位であることが明らかになった。
また、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する例と、その例と配合成分及び配合割合が同じであるが、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を、硫黄を含有するが硫黄−ケイ素結合を有しないシランカップリング剤に変更した例とを比較した場合、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する例の初期の引張接着強度は、硫黄を含有するが硫黄−ケイ素結合を有しないシランカップリング剤を含有する例の初期の引張接着強度と比較して、同等であるか又は向上していることが分かる。
例えば、実施例1と比較例1とを比較した場合、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する実施例1の初期の引張接着強度は、比較例1の初期の引張接着強度と同等である。また、実施例4と比較例2とを比較した場合、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する実施例4の初期の引張接着強度は、比較例2の初期の引張接着強度に比べて向上していることが確認できる。
(におい試験)
実施例1〜11及び比較例1〜6の歯科用プライマーを、ろ紙に0.01gずつ取り、官能試験を実施した。メルカプト臭がしたものを×、しなかったものを○とした。結果を表1に示す。
硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する実施例1〜11においては、メルカプト臭はせず、一方、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有しない比較例1〜6においては、メルカプト臭が生じていることが分かった。
この結果より、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含む実施例の歯科用組成物においては、特にチオール基を有するシランカップリング剤を含む従来の歯科用組成物において起こり得るにおいの問題が起こらないことが明らかである。
[実施例12〜13、比較例7]
(歯科用接着剤の調製)
トリエトキシシリルチオプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 X−12−1056ES)0.1質量%、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン12質量%、トリエチレングリコールジメタクリレート12質量%、ジ(メタクリロイルオキシ)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン12質量%、カンファーキノン0.3質量%、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル1.2質量%、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.3質量%、6−tert−ブチル−2,4−キシレノール0.2質量%、バリウムガラス(ショット日本社製 K5)60質量%、フュームドシリカ(日本アエロジル社製 R812)1.9質量%を混合して、実施例12の歯科用接着剤を得た。
Figure 0006684173
表2に示した成分及び配合(質量%)に変更したこと以外は実施例12と同様にして、実施例13及び比較例7の歯科用接着剤を調製した。なお、比較例7で使用したその他のシランカップリング剤のうち、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−803)は、硫黄を含有するが硫黄−ケイ素結合を有さないシランカップリング剤である。
(歯科用接着剤の接着試験)
被着体である金属(金銀パラジウム合金、株式会社ジーシー製「キャストウェル」)の表面を#1500耐水研磨紙で研磨した。接着面積を規定するために、直径3mmの穴を開けた厚さ100μmのテープを金属面に貼りつけた。この金属面上に、各実施例、比較例で調製した歯科用接着剤を載せ、ステンレス棒を押し付けた後、歯科治療用光照射器(ジーシー社製、製品名:G−ライトプリマ)を用いて10秒間光照射して硬化させることにより、接着を行った。30分放置後、試験片を37℃の水中に入れ、24時間浸漬させた。その後さらに5℃の冷水中と55℃の温水中に各々30秒間ずつ浸漬する熱サイクルを5000回負荷した後に接着強度を測定し、これを初期の接着強度(MPa)とした。
また、歯科用接着剤を調製した後、2週間60℃で保存し、その後、上記と同様にして接着を行い、熱サイクルを付加し、接着強度を測定した。これを、長期保存後の接着強度(MPa)とした。初期の接着強度に対する長期保存後の接着強度を百分率で示し、これを引張接着強度保持率(%)とした。
接着強度の測定には、引張り試験機(オートグラフ、株式会社島津製作所製)を用い、クロス・ヘッドスピード1mm/minの条件で引張接着強度を測定した。結果を表2に示す。
表2において、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する実施例12、13の引張接着強度保持率は52%以上と高く、優れた保存安定性を示すことが分かる。一方、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有していない比較例7は、実施例11、12に比べて低い引張接着強度保持率を示した。
なお、比較例7は、硫黄を含有するが硫黄−ケイ素結合を有さないその他のシランカップリング剤(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)を含有しているものの、実施例11、12に比べて引張接着強度保持率は低い。よって、上記結果から、保存安定性向上の効果に関して、硫黄を含有するシランカップリング剤のうち、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤が優位であることが明らかになった。
また、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する例と、その例と配合成分及び配合割合が同じであるが、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を、硫黄を含有するが硫黄−ケイ素結合を有しないシランカップリング剤に変更した例とを比較した場合、つまり、実施例12及び比較例7を比較した場合、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含有する実施例12の初期の引張接着強度は、比較例7の初期の引張接着強度と同等であることが確認できる。
(歯科用接着剤のにおい試験)
実施例12、13及び比較例7の歯科用接着剤を、ろ紙に0.01gずつ取り、官能試験を実施した。メルカプト臭がしたものを×、しなかったものを○とした。結果を表2に示す。
硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含む実施例12、13においては、メルカプト臭はせず、一方、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含まない比較例7においては、メルカプト臭が生じていることが分かった。
この結果より、硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含む実施例の歯科用組成物においては、特にチオール基を有するシランカップリング剤を含む従来の歯科用組成物において起こり得るにおいの問題が起こらないことが明らかである。

Claims (3)

  1. 硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤を含み、
    前記硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤が、以下の式で表される構造を有する、歯科用組成物。
    Figure 0006684173
    [式中、R は非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基、R はそれぞれ独立に非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は非置換若しくは置換の炭素数1〜20のオルガノキシ基であり、R は非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜10の整数である]
  2. 前記硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤と、酸性基含有重合性モノマーと、溶剤とを含有する、請求項に記載の歯科用組成物。
  3. 前記硫黄−ケイ素結合を有するシランカップリング剤と、重合性モノマーと、フィラーとを含有する、請求項に記載の歯科用組成物。
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