JP6684134B2 - 衛生薄葉紙の製造装置及び衛生薄葉紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、保湿剤等を含む薬液を含有する薄葉紙に関するものである。
風邪や花粉症などが原因で鼻水が出る場合には、鼻をかむために衛生薄葉紙としてのティッシュペーパーが一般に使用されるが、その使用頻度が高くなると、鼻の表皮の油分が失われてこすれによる痛みを感じるようになる。このため、近年は、保湿成分であるグリセリン等を含んだローションが塗布され、滑性が良く、肌触りが滑らかなティッシュペーパーが流通している(例えば、特許文献1参照)。
また、ローションに粉体を加えることにより、従来よりも滑らかな品質を備えたティッシュペーパーも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2007−534386号公報 特開2015−223468号公報
一般に、ローションが塗布されたティッシュペーパーは、ティッシュペーパーの原紙に対して、グラビア印刷などの印刷技術を用いてローションの塗布が行われている。
しかしながら、従来のローション薬液に鉱物の粉体を混入させた場合、その比重差により、経時的に粉体が沈殿するため、ローション薬液の保管期間が短くなってしまうという問題があった。
また、従来のローション薬液に小麦粉等植物の粉体を混入させた場合には、粉体の膨潤によりローション薬液の物性が変化し、製品品質に影響する問題があった。
さらに、粉体は、印刷技術を用いた塗布装置内の配管や部品に凝着して、洗浄を困難とすることから、ティッシュペーパーの製造工程おいて、製造品種の切り替えを行う場合に、切り替え作業に手間と時間を要し、生産性が低下するという問題があった。
なお、上記の問題は、ティッシュペーパーに限らず、広く衛生薄葉紙全体について生じ得る問題である。
本発明は、衛生薄葉紙に付されるローション薬液の長寿命化を図り、衛生薄葉紙の製品品質の安定化をもたらし得る衛生薄葉紙の製造方法及び製造装置を提供することをその目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、衛生薄葉紙の製造装置において、
衛生薄葉紙の原紙に対してローション薬液を塗布する液体塗布装置と、
前記液体塗布装置によりローション薬液が塗布された衛生薄葉紙の原紙の塗布面に対して粉体を塗布する粉体塗布装置と、
前記粉体を原紙の前記塗布面に定着させる定着装置とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生薄葉紙の製造装置において、
前記粉体塗布装置は、前記粉体を静電塗布により前記原紙に塗布することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衛生薄葉紙の製造装置において、
前記液体塗布装置が、グラビア印刷装置であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生薄葉紙の製造装置において、
前記粉体塗布装置は、
前記粉体を原紙の前記塗布面に散布する散布ローラと、
前記散布ローラに対して前記原紙の搬送方向上流側と下流側とに接する二つの飛散防止ローラと、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、衛生薄葉紙の製造方法において、
衛生薄葉紙の原紙に対してローション薬液を塗布する液体塗布工程と、
ローション薬液が塗布された衛生薄葉紙の原紙の塗布面に対して粉体を塗布する粉体塗布工程と、
前記粉体を原紙の前記塗布面に定着させる定着工程とを備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の衛生薄葉紙の製造方法において、
前記粉体塗布工程は、前記粉体が静電塗布により前記原紙に塗布されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の衛生薄葉紙の製造方法において、
前記液体塗布工程が、グラビア印刷方式により行われることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5から7のいずれか一項に記載に記載の衛生薄葉紙の製造方法において、
前記粉体塗布工程は、前記原紙の表面と裏面とに個々の粉体塗布装置により塗布することを特徴とする。
本発明にかかる衛生薄葉紙の製造装置又は製造方法によれば、ローション薬液に粉体を混入させる必要がないので、ローション薬液には粉体の沈殿が生じ得ないことから、ローション薬液を長期間保存することが可能となる。
また、ローション薬液に粉体を混入させる必要がないことから、ローション薬液の物性変化を防ぎ、製品品質の安定化を図ることが可能となる。
さらに、ローション薬液に粉体を混入させないので、液体塗布装置又は液体塗布工程を実行する設備内の配管や部品への粉体の付着、凝着を回避することができ、洗浄が容易となる。さらに、これにより、衛生薄葉紙の製造工程おいて、製造品種の切り替えを行う場合でも、切り替え作業を容易且つ迅速に行うことができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施形態である衛生薄葉紙の製造装置の概略構成図である。 図1の製造装置の粉体塗布装置の詳細を示す構成図である。 図3(A)は衛生薄葉紙の製造方法における用紙供給工程を示す説明図、図3(B)は液体塗布工程を示す説明図、図3(C)は粉体塗布工程を示す説明図、図3(D)は定着工程を示す説明図である。 実施例と比較例と従来例とによる操業性及び官能評価の比較試験の条件及び結果を示す図表である。
[発明の実施の形態の概略]
本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態である衛生薄葉紙の製造装置の概略構成図である。
この衛生薄葉紙の製造装置10は、衛生薄葉紙の原紙に対してローション薬液と粉体とを塗布することを主たる目的とする製造装置である。
[衛生薄葉紙の原紙]
本発明の衛生薄葉紙の原紙としては、JIS P 8124(1998)による坪量が10〜18g/m2であるクレープ紙を積層して2プライとしたものであるのが望ましい。また、JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて製品状態のまま(つまり、2プライの製品ならば2プライのまま)で測定した紙厚は80〜250μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは130〜180μmとするのが望ましい。JIS P 8113(1998)に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)の縦方向が、2プライで200〜700cN/25mm、好ましくは250〜600cN/25mm、特に好ましくは300〜600cN/25mmとされ、他方、横方向が、2プライで50〜250cN/25mm、好ましくは80〜220cN/25mm、特に好ましくは100〜200cN/25mmとされる。乾燥引張強度が低すぎると、製造時及び使用時の断紙や伸び等のトラブルが発生し易くなり、高過ぎると使用時にごわごわした肌触りとなる。なお、本発明における衛生薄葉紙としては、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパタオルなどが挙げられる。
また、本発明に係る原紙は、その原料は公知のものが使用できるが、特に、パルプ原料は、NBKPとLBKPとで構成されているのが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、水系のローション薬液との相性がよく、得られる風合いの点でも望ましいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=10:90〜70:30がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
[衛生薄葉紙に塗布するローション薬液]
本発明では、衛生薄葉紙の原紙中にローション薬液が塗布される。ローション薬液の塗布は、複数のプライに積層された原紙の両面に対して行なうのが望ましいが、片面のみに対して行っても良い。そして、本発明におけるローション薬液の塗布量は、原紙重量(坪量)の20〜30重量%の範囲とすることが望ましい。
ローション薬液としては、水及びポリオールを含有するものとする。特には、ポリオールを70〜90%、水分を10〜20%を含むもの、特に好ましくは、さらに機能性薬剤を0.01〜22%含むものである。かかる水系薬液は、原紙のクレープを伸ばす作用があり、保湿性とともに衛生薄葉紙の表面の滑らかさをも向上させる。
なお、ポリオールはグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類を含む。
機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤は衛生薄葉紙に柔軟性を与えたり表面を滑らかにしたりする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
また機能性薬剤として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、ローション薬液の発泡を抑え塗布を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などを適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とする場合には、ローション薬液の粘度、塗布量を安定させる点で、塗布の点で好ましい。
[衛生薄葉紙に塗布する粉体]
一方、本発明では、粉体がローション薬液とは別に原紙に塗布される。粉体の塗布量は、衛生薄葉紙の原紙1[m2]に対して0.01〜1.0[g/m2]とすることが好ましい。塗布量を0.01[g/m2]未満とした場合には肌触りに与える効果が低くなり、1.0[g/m2]超とした場合には粉体の脱落が生じ易くなり、また、ざらつきが生じるようになり好ましくない。
本発明の粉体としては、後述する衛生薄葉紙の製造装置10の粉体塗布装置40による静電塗布に適したものであることが望ましい。例えば、セルロースナノファイバー、ナイロンパウダー、シルクパウダー等の天然又は合成繊維から製造された粉体やタルク、カオリン等の鉱物を粉砕して得られた粉体、或いはこれらの混合物など好ましい。
なお、本発明の粉体の平均粒子径は、平均粒子径に関しては、好ましくは8〜20μm、特に好ましくは8〜16μmである。この平均粒子径は、レーザー回析・散乱法による。このレーザー回析・散乱法による測定は、例えば、島津製作所SALD−2000Jを用いて測定可能である。
[衛生薄葉紙の製造装置:全体構成]
衛生薄葉紙の製造装置10は、図1に示すように、原紙Pのロールを保持して原紙の繰り出しを行う原紙供給装置20と、原紙Pに対してローション薬液を塗布する液体塗布装置30と、原紙Pに対して表面改質剤からなる粉体を塗布する粉体塗布装置40と、原紙Pをプレスする定着装置50と、原紙Pを折り畳みながら積み重ねる積層装置60とを備えている。
[原紙供給装置]
衛生薄葉紙の原紙Pは、製造装置10の前段階として、先ず、抄紙装置においてパルプ繊維(望ましくは古紙パルプを含まないバージンパルプ100%のパルプ繊維)から薄葉紙を抄造し、必要によりクレープを施し、カレンダー処理を施した上で、これを巻き取り、一次原反ロール(一般にジャンボロールともいわれている)を製造し、次いで図示しないが、この一次原反ロールを公知のプライマシンにセットし、複数の一次原反ロールから繰り出した一次連続シートを重ね合わせて巻き取るとともに輪切り(幅方向に複数に分割)にし、複数枚のプライからなる二次原反ロールを製造する。
原紙供給装置20は、プライマシンで製造された二つの二次原反ロール21を回転可能に保持し、それぞれの二次原反ロールから二次連続シートを原紙Pとして繰り出しを行う。
かかる原紙供給装置20は、各二次原反ロール21から繰り出される原紙Pを個別に搬送する搬送ローラ22と、各搬送ローラ22により形成されるそれぞれの搬送経路の途中に設けられたテンションローラ23とを備えている。
上記テンションローラ23は、搬送ローラ22により搬送される原紙Pに加えられる張力を制御するためのものである。
[液体塗布装置]
液体塗布装置30は、グラビア印刷方式のグラビア印刷装置としての構成を採っており、原紙供給装置20の2ルートから個別に供給される2プライの原紙Pを個別にニップするプライ接合部31と、プライ接合部31を通過した原紙Pにローション薬液を塗布する転写装置32とを備えている。
各プライ接合部31は、それぞれ、エンボスローラと受けローラとを備え、これらの間を通過する原紙Pを押圧によりニップする。
転写装置32は、図示しない薬液パンに浸されて外周の溝にローション薬液を担持するグラビアローラと原紙Pをグラビアローラに圧着させる圧着ローラとを備え、これらの間を通過する原紙Pに対してローション薬液の塗布を行う。
なお、転写装置32は、2ルートで搬送されるそれぞれの原紙Pについて、表面に塗布を行うものと裏面に塗布を行うものとがそれぞれ設けられている。
[粉体塗布装置]
粉体塗布装置40は、粉体をローション薬液に混入させることなく原紙Pに塗布するものであって、2ルートで搬送されるそれぞれの原紙Pについて、表面に粉体の塗布を行うものと裏面に粉体の塗布を行うものとで合計四基の塗布ユニット41を備えている。なお、粉体の表面への塗布は、表面または裏面の一方のみに対して行っても良い。
各塗布ユニット41は、図2に示すように、粉体が充填された粉体貯留部42と、粉体貯留部42の下部に配置されて充填された粉体に外周面の上部が曝された散布ローラ43と、散布ローラ43の外周面に摺接して付着した粉体を均一な膜状とするドクターブレード44と、散布ローラ43に対して原紙Pの搬送方向上流側と下流側とに接する二つの飛散防止ローラ45と、散布ローラ43と二つの飛散防止ローラ45のそれぞれの外周に摺接する放電線46と、搬送される原紙Pの下側に配置された帯電器47とを備えている。
粉体貯留部42はその下部が広く開口し、当該開口部を塞ぐように散布ローラ43が配置されている。これにより、散布ローラ43の外周面の上部が粉体貯留部42の内部に充填された粉体に曝された状態となり、当該散布ローラ43が回転を行うことによってその外周面の周全体に粉体が付着する。
ドクターブレード44は、散布ローラ43に対して原紙Pの搬送方向の上流側と下流側とにそれぞれ設けられており、回転を行う散布ローラ43の外周面に付着した粉体を均一な厚さに薄層化する。
二つの飛散防止ローラ45は、散布ローラ43に摺接して回転を行う。散布ローラ43の下側は、当該散布ローラ43と二つの飛散防止ローラ45とに囲まれた粉体散布領域が形成されている。
そして、二つの飛散防止ローラ45の外周の下部に対して僅かな隙間をあけた状態で原紙Pが搬送される。この時、粉体散布領域内で散布ローラ43と二つの飛散防止ローラ45にそれぞれ摺接する放電線46が除電を行うことにより、粉体が散布ローラ43及び二つの飛散防止ローラ45の外周面から掻き落とされ、原紙P側に落下する。
また、原紙Pの下側に配置された帯電器47が帯電状態となることにより、粉体散布領域内の粉体を原紙P側に引き寄せるので、原紙Pに対してより効果的に粉体の塗布を行うことができる。
[定着装置]
定着装置50は、図1に示すように、例えば、スチールローラから形成される第1ローラ51とスチールローラの外周表面にシリコン系ゴムを被覆した第2ローラ52とからなるローラ対を2ルートで搬送されるそれぞれの原紙Pについて備えている。
そして、第1ローラ51と第2ローラ52の間に原紙Pを通過させることにより、塗布されたローション薬液を均一に行き渡らせると共に塗布された粉体を定着させる。
[積層装置]
積層装置60は、2ルートで搬送されるそれぞれの原紙Pに個別にエンボス加工を行う二つのエンボスローラ61と、それぞれの原紙Pを折り畳みながら積み重ねる積層部62とを備えている。これらは周知のものと同一であるため詳細な説明は省略する。
[衛生薄葉紙の製造方法]
図3は衛生薄葉紙の製造工程を順番に示した説明図である。製造装置10を用いた衛生薄葉紙の製造方法を図1〜図3に基づいて説明する。
まず、パルプ繊維から抄造された2プライの衛生薄葉紙からなる原紙Pが巻かれた二つの二次原反ロール21が用意され、原紙供給装置20にセットされる。そして、原紙Pが2ルートで下流側に供給される。この時、それぞれの原紙Pは、テンションローラ23により所定の張力が付与された状態で液体塗布装置30に送られる(図3(A):用紙供給工程)。
次いで、各原紙Pは液体塗布装置30において、プライ接合部31にニップされ、さらに、搬送される原紙Pの両側に配置されたそれぞれの転写装置32によって、その両面にローション薬液が塗布される(図3(B):液体塗布工程)。塗布されたローション薬液は原紙Pの内側に浸透する。なお、図3(B)中の符号lはローション薬液を示す。
次いで、各原紙Pは粉体塗布装置40において、表面と裏面とに個々の塗布ユニット41により粉体の塗布が行われる。粉体塗布装置40は静電塗布を行うので、ローション薬液の水分と静電気力とにより粉体は原紙Pの平面に付着する(図3(C):粉体塗布工程)。なお、図3(C)中の符号pは粉体を示す。
次いで、各原紙Pは定着装置50において、第1ローラ51と第2ローラ52に圧着され、塗布されたローション薬液が全体に均一に行き渡り、塗布された粉体は表面及び裏面に定着される(図3(D):定着工程)。また、原紙Pの表面が滑らかに加工される。
次いで、各原紙Pは積層装置60において、各エンボスローラ61によりエンボスが付与され、さらに、積層部62により折り畳まれて積み重ねられる(積層工程)。
このようにして折り畳まれ、積層された原紙Pは、最終的には、後段設備において製品幅と同幅の間隔をおいて裁断され、箱詰め、包装等の処理を経て製品(衛生薄葉紙)となる。
[発明の実施の形態の技術的効果]
上記衛生薄葉紙の製造装置10は、原紙Pにローション薬液を塗布する液体塗布装置30と、当該液体塗布装置30とは別の工程で原紙Pに粉体を塗布する粉体塗布装置40とを備えているので、液体塗布工程と粉体塗布工程とがそれぞれ別工程で行われることとなる。
このため、ローション薬液に粉体を混入させて塗布する場合と異なり、ローション薬液には粉体の沈殿が生じ得ないことから、ローション薬液を長期間保存することが可能となる。
また、ローション薬液に粉体を混入させる必要がないことから、ローション薬液の物性変化を防ぎ、製品品質の安定化を図ることが可能となる。
さらに、ローション薬液に粉体を混入させないので、液体塗布装置30内の配管や部品への粉体の付着、凝着を回避することができ、洗浄が容易となる。さらに、これにより、衛生薄葉紙の製造工程おいて、製造品種の切り替えを行う場合でも、切り替え作業を容易且つ迅速に行うことができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
また、製造装置10の粉体塗布装置40は、その塗布ユニット41が放電線46と帯電器47とを備え、粉体を静電塗布により原紙Pに塗布するので、粉体塗布工程を静電塗布により行うことができる。
これにより、粉体のローション薬液への混入を不要としつつも、粉体塗布の際に粉体が粉塵化して周囲に拡散することを効果的に抑制することが可能となる。
また、製造装置10の液体塗布装置30は、グラビア印刷装置であることから、液体塗布工程においてグラビア印刷方式によりローション薬液の塗布を行うことができる。
これにより、スプレー方式等によりローション薬液の塗布を行う場合と異なり、ローション薬液の噴霧による周囲への拡散を効果的に抑制することが可能となる。
また、グラビア印刷方式であれば、原紙Pの平面全体を塗布しやすく、均一な品質を得ることが可能である。
また、製造装置10では、粉体塗布装置40を液体塗布装置30に対して、原紙Pの搬送方向下流側に配置して、ローション薬液の塗布が完了した原紙Pに対して粉体の塗布を行われるなっている。つまり、粉体塗布工程が液体塗布工程の後で行われる。
これにより、湿潤状態の原紙Pの平面に対して粉体が付着しやすくなり、塗布を良好に行うことが可能となる。
[その他]
なお、上記製造装置10の液体塗布装置30による液体塗布工程は、グラビア印刷方式に限定されない。例えば、フレキソ印刷方式、ロール転写方式、インクジェット方式、スプレー方式、ローターダンプニング方式等の他の液体塗布方法を利用しても良い。
また、粉体塗布装置40により粉体塗布工程は、静電塗布に限定されない。例えば、静電吹き付け方式、スプレー方式等の他の粉体塗布方法を利用しても良い。
また、静電力を利用しない方式を採用する場合には、粉体は、静電塗布に適したものに限らず、より広範囲の種類の粉体を使用することが可能である。
また、粉体としては表面改質剤を例示したが、これに限らず、衛生用薄葉紙に対して何らかの機能を有する他の粉体を塗布しても良い。
(実施例1〜3、比較例1及び従来例1)
図4の図表に示す各種の2プライティッシュペーパー(実施例1〜3、比較例1及び従来例1)を製造し、表中に記したローション薬液及び紛体を塗布し、操業性及び官能評価を行った。
なお、ローション薬液は5.6g/m、粉体はナイロンパウダーを0.8〜1.0g/m(平均粒子径10μm)を塗布した。
なお、実施例1,2は、いずれもローション薬液の塗布後に粉体の塗布が行われ、実施例3は粉体塗布後にローション薬液の塗布が行われている。
また、比較例1は、ローション薬液に粉体を混合させた状態でこれらの塗布を行い、従来例1はローション薬液のみが塗布され、粉体の塗布は行われていない。
(柔らかさの官能評価)
柔らかさ及び滑らかさの官能評価については、被験者10名により、紙の表面を手で触った際の柔らかさ、滑らかさについて5点満点(5点:とても良い、4点:良い、3点:どちらでもない、2点:悪い、1点:とても悪い)で点数をつけて平均点を算出し、その平均点が、4点以上の場合を「◎」、3点以上4点未満の場合を「〇」、3点未満を「×」とそれぞれ評価した。
(薬液切り替え時間)
薬液の切り替え時間は、0.8mのタンクから0.5mのローション薬液を抜き取り、系内の紛体を水で洗い流した上でタンク内に薬液を0.5m入れた際の所要時間が0.5時間未満の場合を「◎」、0.5時間以上1.0時間未満の場合を「〇」、1.0時間以上の場合を「×」とした。
図4の図表からもわかる通り、本発明に係る実施例1及び実施例2は、他の例に比べて、優れた柔らかさ、滑らかさを示し、実施例1〜3は薬液の切り替え時間を飛躍的に短縮することができた。
10 製造装置
20 原紙供給装置
21 二次原反ロール
22 搬送ローラ
23 テンションローラ
30 液体塗布装置
31 プライ接合部
32 転写装置
40 粉体塗布装置
41 塗布ユニット
42 粉体貯留部
43 散布ローラ
44 ドクターブレード
45 飛散防止ローラ
46 放電線
47 帯電器
50 定着装置
51 第1ローラ
52 第2ローラ
60 積層装置
61 エンボスローラ
62 積層部
P 原紙
l ローション薬液
p 粉体

Claims (8)

  1. 衛生薄葉紙の原紙に対してローション薬液を塗布する液体塗布装置と、
    前記液体塗布装置によりローション薬液が塗布された衛生薄葉紙の原紙の塗布面に対して粉体を塗布する粉体塗布装置と、
    前記粉体を原紙の前記塗布面に定着させる定着装置とを備えることを特徴とする衛生薄葉紙の製造装置。
  2. 前記粉体塗布装置は、前記粉体を静電塗布により前記原紙に塗布することを特徴とする請求項1記載の衛生薄葉紙の製造装置。
  3. 前記液体塗布装置は、グラビア印刷装置であることを特徴とする請求項1又は2記載の衛生薄葉紙の製造装置。
  4. 前記粉体塗布装置は、
    前記粉体を原紙の前記塗布面に散布する散布ローラと、
    前記散布ローラに対して前記原紙の搬送方向上流側と下流側とに接する二つの飛散防止ローラと、
    を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生薄葉紙の製造装置。
  5. 衛生薄葉紙の原紙に対してローション薬液を塗布する液体塗布工程と、
    ローション薬液が塗布された衛生薄葉紙の原紙の塗布面に対して粉体を塗布する粉体塗布工程と、
    前記粉体を原紙の前記塗布面に定着させる定着工程とを備えることを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
  6. 前記粉体塗布工程は、前記粉体が静電塗布により前記原紙に塗布されることを特徴とする請求項5記載の衛生薄葉紙の製造方法。
  7. 前記液体塗布工程は、グラビア印刷方式により行われることを特徴とする請求項5又は6記載の衛生薄葉紙の製造方法。
  8. 前記粉体塗布工程は、前記原紙の表面と裏面とに個々の粉体塗布装置により塗布することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
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