JP6683565B2 - 泡・霧切替式吐出器 - Google Patents
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Description
前方へ突出する射出筒を有し、トリガーで操作できる吐出器本体と、
基板の後面から2重筒状の内筒及び外筒を後方突出し、その内筒を前記射出筒の外周面に嵌合するとともに、内筒内側の基板部分に射出孔を開口し、かつ前記基板の外周部から案内筒部を前方突出した基盤部材と、
前記案内筒部の外周面にスライド可能に嵌合させたスライド筒の前端から内向きフランジを介して発泡筒部を後方突出させた発泡手段と
を具備し、前記スライド筒の前後方向の進退により、射出孔から霧状の吐出された液体が発泡筒に衝突して泡として放出される泡吐出モードと、発泡筒に衝突せずに霧状のまま放出される霧吐出モードとを切り替えることが可能な泡・霧切替式吐出器が知られている(特許文献1)。
特許文献1の吐出器での発泡の仕組みは構造が複雑であり、こうした小型のタイプの吐出器に適していない。
前記射出筒34の外周面へ筒軸方向Xへの進退が可能に嵌合されたスライド筒52を含み、かつこのスライド筒52が射出筒34の先端36よりも前記筒軸方向X外方へ突出できるように形成した発泡手段50と、
を具備し、
スライド筒52が筒軸方向X外方へ最も進んだ第2ポジションで射出孔44から吐出される液体がスライド筒52に当たって発泡し、かつスライド筒52が筒軸方向X内方へ最も退いた第1ポジションで射出筒34から吐出される液体がスライド筒52に衝突せずに霧状のままで外方へ放出されるように構成された泡・霧切替式吐出器であって、
前記スライド筒52は、その筒軸方向Xの内外両側部分である基部52a及び先部52cの間に空気孔Hを開口する中間部52bを有し、
前記スライド筒52は、前記基部52aと先部52cと中間部52bとからなる単一の筒壁として、かつ少なくとも前記基部52aが常に射出筒34の外周面に嵌合されているように形成されており、
前記第2ポジションで前記射出孔44から吐出された液体が前記先部52cに当たるとともにこの先部内の空間Bが前記空気孔Hに連通しているように、前記第1ポジションを定める第1位置決め手段A1及び前記第2ポジションを定める第2位置決め手段A2を設けた。
本明細書において、“先端”或いは“先部”とは、本体から外方へ突出する射出筒或いはこれに嵌合させたスライド筒の両端或いは両側のうち突出方向外側にある方をいい、“基端”又は“基部”とは、突出方向と反対側にある方をいうものとする。
前記第2位置決め手段A2は、前記射出筒34の先端36寄りの外周面から突設された第2ストッパ38Bと、前記スライド筒52の基部52a内面に付設された、第2ストッパとの係合用突部56とからなる。
前記スライド筒52の内面に先部52cから基部52aに亘って前記第2ストッパ38Bを案内するための案内溝54が延びており、
案内溝54は、前記スライド筒52の筒軸方向X内方の基端面53Bに開口された第2ストッパ38B用の挿入口58を有しており、
当該基部52aの内面には、案内溝54内に位置させて前記係合用突部56が設けられており、
前記挿入口58から挿入された第2ストッパ38Bが係合用突部56を乗り越えて前記先部52cの案内溝54部分内へ移動可能に形成した。
第1位置決め手段A1は、スライド筒52が第1ポジションにあるときに、当該スライド筒52の先端面53Aが射出筒34の先端36と筒軸方向Xの同一位置或いは当該先端より内側の位置に在るように形成されており、
前記発泡手段50は、前記先部52c外周面に付設された指掛け用突部60を有する。
また前記発泡手段50は、前記先部52c外周面に付設された指掛け用突部60を有するので、スライド筒52を操作する際に射出孔44に触ってしまうことを回避できる。
第1位置決め手段A1は、前記スライド筒52の筒軸方向内側の基端面53Bと、射出筒34の外周面に付設された第1ストッパ38Aとを相互に当接可能に配置させてなる。
第2の手段に係る発明によれば、第2位置決め手段A2は、前記射出筒34の先端36寄りの外周面から突設された第2ストッパ38Bと、前記スライド筒52の基部52a内面に付設された係合用突部56とで形成したから、射出筒34及びスライド筒52の構造が複雑となることがない。
第3の手段に係る発明によれば、スライド筒52の内面を延びる案内溝54の挿入口58から第2ストッパ38Bを導入することができるから、射出筒34をスライド筒52に組み付ける作業が容易である。
第4の手段に係る発明によれば、スライド筒52が第1ポジションにあるときに、当該スライド筒52の先端面53Aが射出筒34の先端36と筒軸方向Xの同一位置或いは当該先端より内側の位置に在るから、射出筒34の外周面にスライド筒52を嵌合した簡易な構成でも霧吐出モードを容易に実現することができる。また前記スライド筒52先端側に指掛け用突部60を付設したから、この指掛け用突部60に指を掛けてスライド筒52を射出筒34上で進退させる際に指先が射出孔44付近に触れて液体が着くことを避けることができる。
第5の手段に係る発明によれば、第1位置決め手段A1を、前記スライド筒52の筒軸方向内側の基端面53Bと、射出筒34の外周面に付設された第1ストッパ38Aで形成したから、射出筒34及びスライド筒52の構造が複雑となることがない。
説明の便宜上、まず本発明の基本的な構成から解説する。
シリンダ4の下部内面には第1逆止弁V1を設けている。図示例の第1逆止弁V1は、シリンダ周壁の下部であるテーパ状部と玉弁とで形成している。
保持部材10は、前記取付筒部6aに嵌合させた保持筒部10aを有し、この保持筒部10a上面に付設したリング状頂壁の内周から案内筒部10bを起立している。
ここで実施形態では、便宜的に図1の左側に向かう方向を“前方”、同図の右側を“後方”と称するものとする。前記保持筒部10aの後部側から支持突片10cを起立しており、この上端にカバー部材12との枢着部10dを有する。
カバー部材12は、前記枢着部10dを介して前記支持突片10cの上端に枢着され、かつこの枢着部よりも前方へトリガー13を突出している。カバー部材12には射出筒34を挿通するための窓孔が開口されている。なお、カバー部材12と保持部材10との間には、カバー部材ロック用のストッパ部材14が設けられており、当該ロックを解除しない限り、トリガーの操作ができないようにしている。
前記第1筒状部材16aは、その上半部と下半部との各内部を仕切る仕切り壁部17を有し、この仕切り壁部17の一部に通液孔17aを形成している。第1筒状部材16aの上半部は、前記シリンダ4の下部に嵌合されている。
また前記第2筒状部材16bは、上下方向中間部が括れた形状としており、当該括れ箇所に連通口20を有する。第2筒状部材16bの上半部は前記第1筒状部材16aの下半部に嵌挿されており、かつ第2筒状部材16bの下半部内には、吸上げパイプが嵌合されている。この吸上げパイプの下端には正立時用吸込口19が開口されている。また第2筒状部材16bの上半部内に倒立時用補助逆止弁V3が、かつその下半部内には、正立時用補助逆止弁V4がそれぞれ形成されている。
また前記連通口20は、第1筒状部材16a及び第2筒状部材16bの各上半部の間に形成された共通流路22及び前記通液孔17aを介して前記第1逆止弁V1に連通可能に設けられている。
前記ピストンガイド26は、下端閉塞の縦筒部26aの下端に鍔状の弁座26bを付設するとともに、弁座の下方へ横断面十字形の垂下板部26cを垂設している。前記縦筒部26aの下部には連絡孔27が開口されている。弁座26bとシリンダ4との間にはコイルスプリングCが介装されている。
前記ステム30の上半筒部は、前記縦筒部26aに嵌着されて縦筒部の上方へ延びている。ステム30の下方筒部は、上方筒部から拡開して下方へ延び、前記シリンダ4の上部内へ挿入されている。
前記筒状ピストン28は、ピストンガイド26の縦筒部26a外面に嵌挿され、前記シリンダ4の内面に摺接されている。筒状ピストン28は、弁座26bとステム30の下方筒部との間で相対的に上下動できるように形成されている。そして筒状ピストン28と弁座26bの上面とで第2逆止弁V2を形成している。
ヘッド32は、前記カバー部材12の窓孔を介して前方へ突出する射出筒34を有し、その突出方向の先端36に、液体を霧状の吐出することが可能な射出孔44を開口している。
図示例の射出筒34は、筒体34aと、筒体34a内に挿入された棒状のインサート部34bと、筒体34aの先端側に嵌挿されたスピン部材34cとで形成されている。
前記インサート部34bの外周面には長手方向に延びる複数の当接リブfが付設されており、これら当接リブfが筒体34aの内周面に接することで、筒体34aとの間に液体流路である間隙gを形成している。
前記スピン部材34cは、中央部に射出孔44を有するオリフィス板42と、このオリフィス板の外周部から突設した嵌合筒部40とからなり、この嵌合筒部40を筒体34aとインサート部34bとの間に嵌合させている。前記射出孔44は間隙gに連通しており、またオリフィス板の裏面には公知のスピン機構が形成されている。
前記射出筒34の先端部の外周面には、図2に示す如く、後述のスライド筒52の動きを規制するための一対の第1ストッパ38A及び第2ストッパ38Bが突設されている。前記射出筒34の先端36の比較的近くに第2ストッパ38Bが、遠くに第1ストッパ38Aが射出筒の筒軸方向に一定の距離を於いて配置されている。図示例では、第2ストッパ38Bの背を低く、第1ストッパ38Aの背を高く形成している。
第2ストッパ38Bの前側(先端36に近い側)には、傾斜面Saが形成されている。
前記スライド筒部52は、射出筒34の外周面に対して筒軸方向(図示例では略前後方向)Xへの進退が可能に嵌合されており、かつ図4に示す如く前進した状態(第2ポジション)で射出筒34の先端36よりも突出可能に形成されている。
スライド筒52は、基部52aと中間部52bと先部52cとを含む。
前記基部52aは、図示例においてスライド筒52の筒壁の後部であり、前記射出筒34の外周面に常時嵌合されている嵌合筒の役割を有する。もっとも射出筒34からの基部52aの抜け出しを防止するのは、後述の第2位置決め手段A2の機能である。
前記先部52cは、図示例においてスライド筒52の筒壁の前部であり、射出孔44から吐出される液体を衝突させて発泡させる発泡筒の役割を有する。
前記中間部52bは、スライド筒52の筒壁の長手方向中間部分であり、当該中間部52bに空気孔Hを開口している。
前記基部52aの内面には、案内溝54内に形成された係止用突部56が設けられている。この係合用突部56は、案内溝54から突出しないように案内溝54の深さよりも低い背を有する。
第2ストッパ38Bと係合用突部56とは第2位置決め手段A2を形成する。第2位置決め手段A2は、図4に示すようにスライド筒52が最も前方へ進出した状態でのスライド筒52の位置(第2ポジションという)を決める。
他方、スライド筒52の筒軸方向の内端面53B(図示例では後端面)と第1ストッパ38Aとは第1位置決め手段A1を形成する。第1位置決め手段A1は、スライド筒52が最も後退した状態でのスライド筒52の位置(第1ポジションという)を決める。
これら第1位置決め手段A1及び第2位置決め手段A2により、スライド筒52の進退の範囲を容易に設定することができる。
なお、スライド筒52が最も後退した第1ポジションにあるときにおいて、スライド筒52の前端面(先端面53A)は、図3に示すように射出筒34の先端36と筒軸方向の同じ位置にあるか、或いは当該先端36よりも内側にあるものとする。これにより、霧吐出モードを容易に実現できる。
また係合用突部56の後側には第2傾斜面Sbを形成している。第2ストッパ38Bが係合用突部56を乗り越えることが可能に形成するためである。これにより前記射出筒34に対してスライド筒52が更に組み付け易くなる。
次に泡を吐出する時には、図4に示すようにスライド筒52を最も前進した第1状態まで引き出す。そうすると、空気孔Hがスライド筒52の先部52c内の空間Bに連通する。この状態でトリガー13を引くと、射出孔44から吐出される霧状の液体がスライド筒52の先部52cの内周面に衝突するとともに、前記空気孔Hを介して外気が導入して、発泡し、泡状の液体がスライド筒52の前方へ放出される。
8…装着部材 8a…装着筒部 8b…内向きフランジ
10…保持部材 10a…保持筒部 10b…案内筒部 10c…支持突片
10d…枢着部 12…カバー部材 13…トリガー 14…ストッパ部材
16…流路切替え用アダプタ 16a…第1筒状部材 16b…第2筒状部材
17…仕切り壁部 17a…通液孔
18…倒立時用吸込口 19…正立時用吸込口 20…連通口 22…共通流路
24…作動部材 26…ピストンガイド 26a…縦筒部 26b…弁座
26c…垂下板部 27…連絡孔 28…筒状ピストン
30…ステム 32…ヘッド 32a…連結筒部
34…射出筒 34a…筒体 34b…インサート部
34c…スピン部材 36…先端
38A…第1ストッパ 38B…第2ストッパ
40…嵌合筒部 42…オリフィス板 44…射出孔
50…発泡手段 52…スライド筒 52a…基部 52b…中間部 52c…先部
53B…基端面(後端面) 53A…先端面(前端面)
54…案内溝 56…係合用突部 58…挿入口
60…指掛け用突部
100…容器体 102…口頸部
A1…第1位置決め手段 A2…第2位置決め手段 B…先部内の空間
C…スプリング f…当接リブ g…間隙 H…空気孔
P…パッキン Sa…固定側の傾斜面 Sb…可動側の傾斜面
V1…第1逆止弁 V2…第2逆止弁
V3…倒立時用補助逆止弁 V4…正立時用補助逆止弁
Claims (5)
- 外方へ突出する射出筒(34)の先端(36)に、液体を霧状に吐出可能な射出孔(44)が開口されており、容器体の口頸部へ装着することが可能である吐出器本体(2)と、
前記射出筒(34)の外周面へ筒軸方向(X)への進退が可能に嵌合されたスライド筒(52)を含み、かつこのスライド筒(52)が射出筒(34)の先端(36)よりも前記筒軸方向(X)外方へ突出できるように形成した発泡手段(50)と、
を具備し、
スライド筒(52)が筒軸方向(X)外方へ最も進んだ第2ポジションで射出孔(44)から吐出される液体がスライド筒(52)に当たって発泡し、かつスライド筒(52)が筒軸方向(X)内方へ最も退いた第1ポジションで射出筒(34)から吐出される液体がスライド筒(52)に衝突せずに霧状のままで外方へ放出されるように構成された泡・霧切替式吐出器であって、
前記スライド筒(52)は、その筒軸方向(X)の内外両側部分である基部(52a)及び先部(52c)の間に空気孔(H)を開口する中間部(52b)を有し、
前記スライド筒(52)は、前記基部(52a)と先部(52c)と中間部(52b)とからなる単一の筒壁として、かつ少なくとも前記基部(52a)が常に射出筒(34)の外周面に嵌合されているように形成されており、
前記第2ポジションで前記射出孔(44)から吐出された液体が前記先部(52c)に当たるとともにこの先部内の空間(B)が前記空気孔(H)に連通しているように、前記第1ポジションを定める第1位置決め手段(A1)及び前記第2ポジションを定める第2位置決め手段(A2)を設けたことを特徴とする、泡・霧切替式吐出器。 - 前記第2位置決め手段(A2)は、前記射出筒(34)の先端(36)寄りの外周面から突設された第2ストッパ(38B)と、前記スライド筒(52)の基部(52a)内面に付設された、第2ストッパとの係合用突部(56)とからなることを特徴とする請求項1記載の泡・霧切替式吐出器。
- 前記スライド筒(52)の内面に先部(52c)から基部(52a)に亘って前記第2ストッパ(38B)を案内するための案内溝(54)が延びており、
案内溝(54)は、前記スライド筒(52)の筒軸方向(X)内方の基端面(53B)に開口された第2ストッパ(38B)用の挿入口(58)を有しており、
当該基部(52a)の内面には、案内溝(54)内に位置させて前記係合用突部(56)が設けられており、
前記挿入口(58)から挿入された第2ストッパ(38B)が係合用突部(56)を乗り越えて前記先部(52c)の案内溝(54)部分内へ移動可能に形成したことを特徴とする請求項2記載の泡・霧切替式吐出器。 - 第1位置決め手段(A1)は、スライド筒(52)が第1ポジションにあるときに、当該スライド筒(52)の先端面(53A)が射出筒(34)の先端(36)と筒軸方向(X)の同一位置或いは当該先端より内側の位置に在るように形成されており、
前記発泡手段(50)は、前記先部(52c)外周面に付設された指掛け用突部(60)を有することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の泡・霧切替式吐出器。 - 前記第1位置決め手段(A1)は、前記スライド筒(52)の筒軸方向内側の基端面(53B)と、射出筒(34)の外周面に付設された第1ストッパ(38A)とを相互に当接可能に配置させてなることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載の泡・霧切替式吐出器。
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