JP6683335B1 - 含有判定支援システム及び含有判定支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料に含まれている可能性の高い混合物の同定を効率的に支援することが可能な含有判定支援システムを提供する【解決手段】含有判定支援システムは、特徴マススペクトルデータを既知の化合物ごとに記録している。また、今回試料マススペクトルデータから対応今回試料マススペクトルを抽出して、該対応今回試料マススペクトルから高強度マススペクトルを検出する。そして、特徴マススペクトルと、高強度マススペクトルとを用いて、判定対象既知化合物のマススペクトルと今回の試料のマススペクトルとの合致度を出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、ユーザによる、試料に既知の化合物が含有されているか否かの判定を支援する含有判定支援システム及び含有判定支援方法に関する。
従来、化合物の試料を同定できる検索装置が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1の検索装置によれば、試料を熱分解GC/MS分析して得られたクロマトグラムから、当該化合物の種類を同定することができる。
特開2000−35422号公報
特許文献1の検索装置は、試料を熱分解GC/MS分析して得られたクロマトグラム中の各ピークの検出データを合算した当該試料の合算マススペクトルと、同様にして得られた既知の試料の合算マススペクトルとの合致割合に基づいて当該試料に含まれる化合物を同定している。
このように、特許文献1の検索装置は、試料を熱分解GC/MS分析することにより得られたクロマトグラム中のピークから、検索対象の化合物の存在を示すピークを容易に見つけ出せることが前提となっている。
しかしながら、試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合試料を熱分解GC/MS分析して得られたクロマトグラム中のピークから、該化合物の存在を示すピークを見つけることは容易ではないか、あるは見つけ出すことができない場合がある。なぜならば、判定対象となる化合物以外の様々な化合物の存在を示す多くのピークが検出されたり、該化合物の存在を示すピークの大きさが相対的に極小さかったりするので、該化合物以外の様々な化合物のピークに埋没してしまうためである。
例えば図1の上方に示す試料に含有されているか否かの判定を行いたい既知の化合物の標準試料を熱分解GC/MS分析して得られたトータルイオンクロマトグラムTIC1中のピークは、保持指標(RI)が898、1749、2488のところで検出される。一方で、図1の下方に示す、試料を同様に分析して得られたトータルイオンクロマトグラムTIC2においては、例えばRIが898の周辺のピークは相対的に小さいため該当するピークを見つけ出すことは困難である。
トータルイオンクロマトグラムから、判定対象となる化合物の存在を示すピークを見つけ出すことができなければ、判定対象となる化合物が今回の試料に含まれていたとしても、今回の試料の合算マススペクトルには、判定対象となる化合物の存在を示すマススペクトルが含まれていないこととなり、結果として、今回の試料の合算マススペクトルと、既知の試料の合算マススペクトルとの合致割合は低くなる。
そのためユーザは、今回の試料に判定対象となる化合物が含まれていないために当該合致割合が低いのか、判定対象となる化合物の存在を示すピークが夾雑物のピークに埋没してしまい見つけ出すことができなかったために当該合致割合が低いのかを判断することができない。
このように、特許文献1の検索装置を用いても、試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として試料に含まれている場合、対象の化合物が含有されているか否かの判定を行うことが困難である。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、多様な化合物が夾雑物として試料に含まれている場合においても、ユーザによる該既知の化合物が該試料に含有されているか否かの判定を支援することが可能な含有判定支援システムを提供することにある。
本発明による含有判定支援システム及び支援方法は、システムにあらかじめ記録されている既知の化合物を熱分解して得られた熱分解生成物の混合物を各熱分解生成物に分離して質量分析(いわゆる「熱分解GC/MS分析」であり、「反応熱分解GC/MS分析」を含む。以下同じ。)して検出されたマススペクトルと今回の試料を同様に分析して検出されたマススペクトルとの合致度を、目的とする既知の化合物が今回の試料に含有されている可能性の高さを示す指標として出力することにより、ユーザによる該既知の化合物が該試料に含有されているか否かの判定を支援するシステム及び方法であり、その構成は以下のとおりである。
本発明による含有判定支援システムは、
ユーザによる、今回の試料に既知の化合物が含有されているか否かの判定を支援するシステムにおいて、
前記既知の化合物の標準試料を熱分解GC/MS分析して検出された、所定時間ごとのマススペクトルの時系列データである既知化合物マススペクトルデータに含まれるマススペクトルのうち、標準試料の特徴的なマススペクトルである複数の特徴マススペクトルと、該特徴マススペクトルそれぞれが検出された時間である特徴保持時間(RT)又は該時間を所定の手法により指標化した特徴保持指標(RI)と、該特徴マススペクトルそれぞれに含まれる特徴的なイオンである特徴イオンのm/z値とを含む情報である特徴マススペクトルデータを該既知の化合物ごとに記録している記録部と、
前記既知化合物マススペクトルデータと同じ方法で収集した、前記今回の試料の前記所定時間ごとのマススペクトルの時系列データと、各マススペクトルが検出された時間又は該時間を前記所定の手法により指標化した情報とを含む情報である今回試料マススペクトルデータを取得する第1取得部と、
前記今回の試料に含有されているか否かの判定対象となる判定対象既知化合物を特定する情報に基づいて該判定対象既知化合物を認識する認識部と、
前記記録部から、前記認識された判定対象既知化合物にかかる前記特徴マススペクトルごとの前記特徴イオンそれぞれのm/z値と前記特徴RT又は前記特徴RIとを取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された前記特徴RT又は前記特徴RIに基づいて、前記今回試料マススペクトルデータから、該特徴RT又は該特徴RIそれぞれに対応するRT又はRIを含む所定の期間に検出されたマススペクトルである複数の対応今回試料マススペクトルを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された複数の対応今回試料マススペクトルから、各対応今回試料マススペクトルに含まれるスペクトルのうち前記第2取得部により取得された前記特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マスクロマトグラムに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度が所定程度高く、かつ該対応今回試料マススペクトルが対応する前記特徴マススペクトルとの類似度が所定程度高い対応今回試料マススペクトルである高強度マススペクトルを前記所定の期間それぞれについて検出する検出部と、
前記判定対象既知化合物にかかる前記複数の特徴マススペクトルと、前記検出部により前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトルとを用いて、該判定対象既知化合物のマススペクトルと前記今回の試料のマススペクトルとの合致度を出力する合致度出力部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録部には、既知の化合物の標準試料を熱分解GC/MS分析して検出された、所定時間ごとのマススペクトルの時系列データである既知化合物マススペクトルデータに含まれるマススペクトルのうち、標準試料の特徴的なマススペクトルである複数の特徴マススペクトルと、該特徴マススペクトルそれぞれが検出された時間である特徴保持時間(RT)又は該時間を所定の手法により指標化した特徴保持指標(RI)と、該特徴マススペクトルそれぞれに含まれる特徴的なイオンである特徴イオンのm/z値とを含む情報である特徴マススペクトルデータが既知の化合物ごとに記憶されている。
熱分解炉を用いて、例えば600℃程度(反応熱分解GC/MS分析する場合は例えば350℃〜400℃程度)の所定の高温にて既知の化合物の標準試料を熱分解すると、元の既知の化合物の熱分解生成物として多数の化合物が得られる。そして、これらの熱分解生成物として多数の化合物には、当該既知の化合物の標準試料を熱分解した際に得られる特徴的な複数の化合物が含まれている。
このようにして得られた多数の化合物を例えば分離カラムにより分離し、当該分離された各化合物を質量分析計により所定時間ごとにイオン化して検出するとともに各イオンのm/z値及びイオン強度を測定(熱分解GC/MS分析)すると、各化合物が検出された時間を示す情報と、各化合物に対応するマススペクトルとが得られる。
本発明においては、このようにして得られたマススペクトルから、既知化合物の標準試料を熱分解して得られた熱分解生成物の混合物を各熱分解生成物に分離して質量分析をするいわゆる熱分解GC/MS分析した際に得られる特徴的な複数の化合物のマススペクトルを抜き出したものそれぞれが当該既知化合物の特徴マススペクトルとして記録部に記録されている。
また、各マススペクトルには各イオンのm/z値及びイオン強度の情報が含まれているところであるが、これらのイオンには、当該マススペクトルに特徴的な複数のイオンが含まれている。
本発明においては、各特徴マススペクトルに含まれる特徴的なイオンのm/z値が特徴マススペクトルデータの一部として記録部に記録されている。
そして第1取得部により、前記既知化合物マススペクトルデータと同じ方法で収集された、今回の試料の所定時間ごとのマススペクトルの時系列データと、各マススペクトルが検出された時間又は当該時間を前記所定の手法により指標化した情報とを含む情報である今回試料マススペクトルデータが取得される。
なおある熱分解生成物に対応する特徴マススペクトルのRT又はRIと、それと同一の熱分解生成物に対応する今回の試料にかかるマススペクトルのRT又はRIとの間に若干のずれが生じることが起こりうる。
本発明によれば認識部により、今回の試料に含有されているか否かの判定対象となる前記既知の化合物である判定対象既知化合物を特定する情報に基づいて判定対象既知化合物が認識されて、第2取得部により、前記記録部から、前記認識された判定対象既知化合物にかかる前記特徴マススペクトルごとの前記特徴イオンそれぞれのm/z値と前記特徴RT又は前記特徴RIとが取得される。
そして、抽出部によって、第2取得部により取得された特徴RT又は特徴RIに基づいて、前記今回試料マススペクトルデータから、該特徴RT又は該特徴RIそれぞれに対応するRT又はRIを含む所定の期間に取得されたマススペクトルである複数の対応今回試料マススペクトルが抽出される。
これにより、特徴RTに対応するRT又は特徴RIに対応するRIを基準として、所定の幅を持たせた期間に取得されたマススペクトルが対応今回試料マススペクトルとして今回試料マススペクトルデータから抽出されるので、ある熱分解生成物に対応する特徴マススペクトルのRT又はRIと、それと同一の熱分解生成物に対応する今回の試料にかかるマススペクトルのRT又はRIとの間に若干のずれが生じた場合であっても、特徴マススペクトルに対応するマススペクトルが対応今回試料マススペクトルとして今回試料マススペクトルデータから抽出される確実性が高まる。
そして検出部により、当該複数の対応今回試料マススペクトルから、各対応今回試料マススペクトルに含まれるスペクトルのうち前記第2取得部により取得された前記特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マスクロマトグラムに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度が所定程度高く、かつ該対応今回試料マススペクトルが対応する前記特徴マススペクトルとの類似度が所定程度高い対応今回試料マススペクトルである高強度マススペクトルが前記所定の期間それぞれについて検出される。
これにより、トータルイオン強度ではなく判定対象既知化合物の個別の特徴イオンに着目して、対応今回試料マススペクトルから高強度マススペクトルが選択的に検出されるので、今回の試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合でも、判定対象化合物を熱分解したときに得られる各特徴的な熱分解生成物の存在を示す特徴的なマススペクトルとの類似度が高い高強度マススペクトルが前記所定の期間それぞれについて検出される確実性が高まる。
そして合致度出力部により、前記判定対象既知化合物にかかる前記複数の特徴マススペクトルと、前記検出部により前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトルとを用いて、該判定対象既知化合物のマススペクトルと前記今回の試料のマススペクトルとの合致度が出力される。
これにより、該判定対象既知化合物が今回の試料に含有されている可能性の高さが合致度として出力される。そのため、ユーザに判定対象既知化合物が今回の試料に含有されている可能性の高さを直感的に知らせることができるので、判定対象化合物が今回の試料に含有されているか否かのユーザによる判定を効果的に支援することができる。
このように、本発明の含有判定支援システムによれば、試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合においても、ユーザによる該既知の化合物が該試料に含有されているか否かの判定を効果的に支援することができる。
本発明による含有判定支援システムにおいて、
前記記録部は、前記複数の特徴マススペクトルを同一m/z値のイオンごとに合算したマススペクトルである合算既知試料マススペクトルを含む情報である合算既知試料マススペクトルデータを該既知の化合物ごとに記録しており、
前記検出部により前記所定の期間それぞれについて検出された前記高強度マススペクトルを同一m/z値のイオンごとに合算したマススペクトルである合算今回試料マススペクトルを取得する第3取得部を備え、
前記合致度出力部は、前記合致度として前記判定対象既知化合物にかかる前記合算既知試料マススペクトルと、前記合算今回試料マススペクトルとの合致度を出力するように構成されていることが好ましい。
判定対象化合物を熱分解したときに得られる各特徴的な熱分解生成物の存在を示す特徴的なマススペクトルとの類似度が高い高強度マススペクトルが前記所定の期間すべてについて検出されたことが分かったとしても、必ずしも判定対象化合物が今回の試料に含まれているとは限らない場合がある。
例えば試料に含まれる判定対象化合物以外の複数の化合物を熱分解したときに得られる熱分解生成物の一部が組み合わさって、判定対象化合物を熱分解したときに得られる各特徴的な熱分解生成物の全部と偶然に一致することがまれに起こりうるためである。
なお、このように特徴的な熱分解生成物が偶然一致しただけの場合に、特徴的な熱分解生成物の量のバランスまでもが一致することは非常にまれである。そのため、特徴的な熱分解生成物の量のバランスが一致するか否かも考慮して判定対象既知化合物が今回の試料に含有されている可能性の高さが出力されることが望ましい。
本発明においては、上述の過程を経て得られた複数の特徴マススペクトルが同一m/z値のイオンごとに合算したマススペクトルである合算既知試料マススペクトルを含む情報である合算既知試料マススペクトルデータが既知の化合物ごとに記録部に記録されている。
また、第3取得部によって、前記検出部により前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトルを同一m/z値のイオンごとに合算したマススペクトルである合算今回試料マススペクトルが取得される。
合算既知試料マススペクトルは特徴マススペクトルが同一m/z値ごとに合算された情報であり、また合算今回試料マススペクトルでは高強度マススペクトルが同一m/z値ごとに合算された情報である。そして、合算既知試料マススペクトル及び合算今回試料マススペクトルでは、試料を熱分解することにより検出される量が多い熱分解生成物に対応するマススペクトルのイオン強度は強く、検出される量が少ない熱分解生成物に対応するマススペクトルのイオン強度は弱くなる。
このように合算既知試料マススペクトルと、合算今回試料マススペクトルとの両方には、特徴的な熱分解生成物の量のバランスに関する情報が含まれている。
そして合致度出力部により、前記合致度として、前記判定対象既知化合物にかかる前記合算既知試料マススペクトルと、前記合算今回試料マススペクトルとの合致度が出力される。
これにより、個々の高強度マススペクトルの有無のみならず、標準試料と今回の試料との熱分解生成物の量のバランスの一致度合いまでもが考慮されて、該判定対象既知化合物が今回の試料に含有されている可能性の高さが合致度として出力される。そのため、当該出力結果の信頼性が高まり、既知の化合物が今回の試料に含有されているか否かのユーザによる判定を効果的に支援することができる。
このように、本発明の含有判定支援システムによれば、試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合においても、ユーザによる該既知の化合物が該試料に含有されているか否かの信頼性の高い判定を効果的に支援することができる。
本発明による含有判定支援システムにおいて、
前記検出部は、前記類似度を前記特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて取得することが好ましい。
本発明によれば、検出部により高強度マススペクトルそれぞれと該高強度マススペクトルが対応する前記特徴マススペクトルとの類似度が取得される際に、特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて類似度が取得される。
これにより、特徴イオンに的を絞って高強度マススペクトルそれぞれと特徴マススペクトルとの類似度を出力する処理が行われるので、検出部による当該類似度の出力が効率的に行われる。
このように、本発明の含有判定支援システムによれば、試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合においても、ユーザによる該既知の化合物が該試料に含有されているか否かの判定を効果的かつ効率的に支援することができる。
本発明による含有判定支援システムにおいて、
前記合算既知試料マススペクトルデータは、前記合算既知試料マススペクトルに含まれる特徴的なイオンである合算特徴イオンのm/z値を含み、
前記合致度出力部は、前記合致度を前記合算特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて取得して出力することが好ましい。
本発明によれば、合算既知試料マススペクトルデータには、前記合算既知試料マススペクトルに含まれる特徴的なイオンである合算特徴イオンのm/z値が含まれており、合致度出力部により、前記合致度が前記合算特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて取得されて出力される。
これにより、合算特徴イオンに的を絞って合算既知試料マススペクトルと合算今回試料マススペクトルとの合致度を出力する処理が行われるので、合致度出力部による当該合致度の出力が効率的に行われる。
このように、本発明の含有判定支援システムによれば、試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合においても、ユーザによる該既知の化合物が該試料に含有されているか否かの判定を効果的かつ効率的に支援することができる。
従来技術に用いられる既知化合物及び今回の試料のトータルイオンクロマトグラムを示す図 本実施形態の含有判定支援システムの全体構成の一例を示す構成図 本実施形態の含有判定支援システムの全体の処理の一例を示すフロー図 本実施形態の含有判定支援システムにおける特徴マススペクトルの内容を示すイメージ図 本実施形態の含有判定支援システムにおける合算既知試料マススペクトルの内容を示すイメージ図 本実施形態の含有判定支援システムの検出処理の一例を示すフロー図 本実施形態の含有判定支援システムにおける対応今回試料マススペクトルの内容を示すイメージ図 本実施形態の含有判定支援システムにおける処理の内容を示すイメージ図 本実施形態の含有判定支援システムにおける処理の内容を示すイメージ図 本実施形態の含有判定支援システムにおける合算今回試料マススペクトルの内容を示すイメージ図 本実施形態の含有判定支援システムにおける合致度の出力方法を示すイメージ図
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、マススペクトルのRIを用いて含有判定の支援を行う実施形態について説明するが、マススペクトルのRIに替えてマススペクトルのRTを用いて含有判定が行われてもよい。本実施形態の含有判定支援システム1は、図2に示すとおり記録部10、制御部30、出力部50、入力部70を備えたコンピュータである。
記録部10は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成されており、特徴マススペクトルデータベース(DB)11、合算既知試料マススペクトルDB13、及び制御部30の処理結果を記憶する。
特徴マススペクトルDB11は、複数の特徴マススペクトル113と、特徴マススペクトル113それぞれの特徴RI115と、特徴マススペクトル113それぞれに含まれる特徴的なイオンである特徴イオンのm/z値とを含む情報である特徴マススペクトルデータ110を既知の化合物ごとに格納している。
特徴的なイオンとは、例えば各特徴マススペクトル113において他のイオンに比してイオン強度の高いイオンである。あるいは例えば特徴的なイオンは、他の特徴マススペクトル113に含まれていない若しくは含まれている可能性の低いイオンであってもよい。
特徴マススペクトル113は、既知の化合物の標準試料を熱分解GC/MS分析して検出された、所定時間ごとのマススペクトルの時系列データである既知化合物マススペクトルデータ100に含まれるマススペクトルのうち、特徴的なマススペクトルである。
特徴的なマススペクトルとは、例えば当該既知の化合物の標準試料を熱分解した際に、他の化合物を熱分解した際に比して得られる量が多い熱分解生成物が示すマススペクトルである。あるいは例えば特徴的なマススペクトルは、当該既知化合物マススペクトルデータ100を用いてトータルイオンクロマトグラムを描画した際に他のピークに比して高いピークを示すこととなるマススペクトルであってもよい。
特徴RI115は、特徴マススペクトル113それぞれが検出された時間を所定の手法により指標化した情報である。
特徴マススペクトルデータ110は、さらに各特徴マススペクトル113が対応する既知の化合物の名称を示す情報117を含んでいてもよい。
合算既知試料マススペクトルDB13は、合算既知試料マススペクトルデータ130を既知の化合物ごとに格納している。
合算既知試料マススペクトルデータ130は、特徴マススペクトル113を同一m/z値のイオンごとに合算したマススペクトルである合算既知試料マススペクトル131を含む情報である。合算既知試料マススペクトルデータ130は、さらに各合算既知試料マススペクトル131が対応する既知の試料の名称を示す情報133及び、合算既知試料マススペクトル131に含まれる特徴的なイオンである合算特徴イオンのm/z値を含んでいてもよい。
合算特徴イオンとは、例えば各合算既知試料マススペクトル131において他のイオンに比してイオン強度の高いイオンである。あるいは例えば合算特徴イオンは、他の合算既知試料マススペクトル131に含まれていない若しくは含まれている可能性の低いイオンであってもよい。
なお、同名の既知の化合物の標準試料を熱分解GC/MS分析して検出された特徴マススペクトルデータ110及び当該特徴マススペクトルデータ110に基づく合算既知試料マススペクトルデータ130であっても、例えば測定温度(例えば400℃で測定したか、600℃で測定したかなど)あるいは入手元(A社より入手した標準試料であるか、B社より入手した標準試料であるかなど)など、条件の異なる場合には、別の既知の化合物の標準試料に関する特徴マススペクトルデータ110及び合算既知試料マススペクトルデータ130として記録部10に記録されうる。
既知化合物マススペクトル101と、特徴マススペクトル113と、合算既知試料マススペクトル131とには、当該マススペクトルに含まれる各ピークが検出された一つ以上のm/z値を示す値及び各ピークのイオン強度を示す値が含まれている。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、メモリ、及びI/O(Input/Output)デバイスなどにより構成されている。制御部30は、一のプロセッサにより構成されてもよく、相互通信可能な複数のプロセッサにより構成されてもよい。
制御部30は、所定のプログラムを読み込んで実行することにより、後述の演算処理を実行する第1取得部31、認識部32、第2取得部33、抽出部35、検出部37、第3取得部39、合致度出力部41として機能する。
第1取得部31は、今回試料マススペクトルデータ200を取得する。
含有判定支援システム1とガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)3とは、例えば有線又は無線ネットワークを用いて通信可能に接続されている。当該ネットワークは例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)又はインターネット通信網である。第1取得部31は、GC/MS3から当該ネットワークを介して、ユーザの操作に応じて又は自動的に今回試料マススペクトルデータ200を取得する。
今回試料マススペクトルデータ200は、既知化合物マススペクトルデータと同じ方法で収集した、今回の試料の所定時間ごとのマススペクトルの時系列データと、各マススペクトルが検出された時間を特徴マススペクトル113それぞれが検出された時間を指標化する際に用いた手法と同様の手法により指標化した情報(RI)とを含む情報である。当該マススペクトルには、当該マススペクトルに含まれる各ピークが検出された一つ以上のm/z値を示す値及び各ピークのイオン強度を示す値が含まれている。
認識部32は、今回の試料に含有されているか否かの判定対象となる前記既知の化合物である判定対象既知化合物を特定する情報に基づいて該判定対象既知化合物を認識する。
第2取得部33は、記録部10から、認識部32により認識された判定対象既知化合物にかかる特徴マススペクトル113ごとの特徴イオンそれぞれのm/z値と特徴RI115とを取得する。
抽出部35は、第2取得部33により取得された特徴RI115に基づいて、今回試料マススペクトルデータ200から、該特徴RI115それぞれに対応するRIを含む所定の期間に検出されたマススペクトルである複数の対応今回試料マススペクトル201を抽出する。
検出部37は、抽出部35により抽出された複数の対応今回試料マススペクトル201から、各対応今回試料マススペクトル201に含まれるスペクトルのうち前記第2取得部33により取得された前記特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マスクロマトグラムに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度が所定程度高く、かつ該対応今回試料マススペクトルが対応する前記特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高い対応今回試料マススペクトル201である高強度マススペクトル214を前記所定の期間それぞれについて検出する。
また検出部37は、類似度を前記特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて取得するように構成されていてもよい。
第3取得部39は、前記所定の期間それぞれについて検出部37により検出された高強度マススペクトル214を同一m/z値のイオンごとに合算して、当該合算後のマススペクトルを合算今回試料マススペクトル215として取得する。
合致度出力部41は、前記判定対象既知化合物にかかる前記複数の特徴マススペクトル113と、前記検出部37により前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトル214とを用いて、該判定対象既知化合物のマススペクトルと前記今回の試料のマススペクトルとの合致度を出力する。
より具体的には合致度出力部41は、判定対象既知化合物にかかる合算既知試料マススペクトル131と、合算今回試料マススペクトル215との合致度を出力する。
なお合致度出力部41は、合算既知試料マススペクトルデータ130が合算特徴イオンのm/z値を含んでいる場合には、合致度として判定対象既知化合物にかかる合算既知試料マススペクトル131と合算今回試料マススペクトル215との合致度を、合算特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて取得して出力するように構成されていてもよい。
出力部50は、含有判定支援システム1がユーザに出力する情報を表示する機構であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイである。あるいは出力部50は、これに替えて又は加えて、含有判定支援システム1がユーザに出力する情報を印刷する機構であり、例えばプリンターである。
入力部70は、ユーザによる含有判定支援システム1に対する操作の入力を受け付ける部分であり、たとえばキーボード、マウス、タッチパッド又はタッチパネルその他のポインティングデバイスである。
次に、図3〜図9を用いて、本実施形態の含有判定支援システムの処理内容の一例について説明する。
<特徴マススペクトルデータ及び合算既知試料マススペクトルデータの準備>
本実施例の含有判定支援システム1においては、今回の試料に既知の化合物が含有されているか否かの判定を支援するに先立って、特徴マススペクトルデータ110及び合算既知試料マススペクトルデータ130の準備が行われる。
特徴マススペクトルデータ110及び合算既知試料マススペクトルデータ130例えば以下のような流れで準備される。
既知の化合物の標準試料が熱分解GC/MS分析され、図4Aに示すような所定時間ごとのマススペクトルの時系列データである既知化合物マススペクトルデータ100が取得される。そして、既知化合物マススペクトルデータ100に含まれるマススペクトルであって該既知の化合物を熱分解することにより得られるマススペクトルのうち、特徴的なマススペクトルである複数の特徴マススペクトル113を特定するとともに、当該特徴マススペクトル113それぞれが検出された時間を所定の手法により指標化した情報である特徴RI115が取得される。
そして、特徴マススペクトル113(例えば113a、113b、113c。)それぞれに含まれる特徴的なイオンである特徴イオンが選択される。
このようにして得られた特徴マススペクトル113と、該特徴マススペクトル113それぞれの特徴RI115及び選択された特徴イオンのm/z値とに基づいて、当該既知の化合物の特徴マススペクトルデータ110が作成される。
また、上記のようにして得られた特徴マススペクトル113が図4Bに示すように同一m/z値のイオンごとに合算されて合算既知試料マススペクトル131が取得される。なお、当該合算の際には、各特徴マススペクトル113の実イオン強度を反映して正規化した後に合算される。
次に、当該合算既知試料マススペクトル131から、合算特徴イオンが特定される。本実施例においては、図4Bに示すように、m/z値が51、78、91、104、117、130、194、207、312のイオンが当該既知の化合物の合算特徴イオンとして特定されている。なお、合算特徴イオンは、特徴マススペクトル113(113a〜113c)の特徴イオンとは必ずしも一致しない。
そして、当該合算既知試料マススペクトル131、各合算既知試料マススペクトル131が対応する既知の試料の名称を示す情報133及び合算特徴イオンのm/z値に基づいて、当該既知の化合物の合算既知試料マススペクトルデータ130が作成される。
このような処理が、今回の試料に含有されているか否かの判定の対象となりうる既知の化合物ごとに行われ、処理の結果として得られた既知の化合物の特徴マススペクトルデータ110は特徴マススペクトルDB11に格納され、既知の化合物の合算既知試料マススペクトルデータ130は合算既知試料マススペクトルDB13に格納されて、特徴マススペクトルデータ110及び合算既知試料マススペクトルデータ130の準備は完了する。
含有判定支援システム1は、上記の準備が完了した状態で、ユーザによる今回の試料に既知の化合物が含有されているか否かの判定を支援する下記の一連の処理を実行する。含有判定支援システム1は、例えばユーザによる既知の化合物が該今回の試料に含有されているか否かの判定を開始する操作を入力部70が受け付けた際に下記の一連の処理を開始する。
<第1取得処理>
含有判定支援システム1は、まず第1取得処理を実行する(図3/S100)。処理を開始すると第1取得部31は、既知化合物マススペクトルデータ100と同じ方法で収集した、今回の試料の所定時間ごとのマススペクトルの時系列データと、各マススペクトルが検出された時間を前記所定の手法により指標化した情報とを含む情報である今回試料マススペクトルデータ200を取得して、取得した今回試料マススペクトルデータ200を必要に応じて記録部10に記録して処理を終了する。
<認識処理>
認識部32は、例えば第1取得処理が終了したときに自動的に認識処理を開始する(図3/S200)。認識部32は、例えばユーザによる判定対象既知化合物を特定する情報の入力を受け付けて、当該入力された情報に基づいて判定対象既知化合物を認識して処理を終了する。
なお、ユーザによる判定対象既知化合物を特定する情報の入力が無い場合又は認識部32がユーザによる判定対象既知化合物を特定する情報の入力を受け付けるように構成されていない場合は、認識部32は例えば記録部10に特徴マススペクトルデータ110及び合算既知試料マススペクトルデータ130が記録されているすべての既知の化合物それぞれが判定対象既知化合物であると認識するように構成される。
そして、含有判定支援システム1は、当該認識した判定対象既知化合物ごとに下記の一連の処理を繰り返して(図3/L1)実行する。
<第2取得処理>
第2取得部33は、例えば認識処理が終了したときに第2取得処理を自動的に開始する(図3/S300)。処理を開始すると第2取得部33は、記録部10から、今回の処理対象の判定対象既知化合物にかかる特徴マススペクトル113ごとの特徴イオンそれぞれのm/z値と特徴RI115とを取得して処理を終了する。
以下において、今回の処理対象の判定対象既知化合物の特徴マススペクトル113が3つであり、各特徴マススペクトル113を第1特徴マススペクトル113a、第2特徴マススペクトル113b及び第3特徴マススペクトル113cとした場合について説明する。
第2取得部33は、判定対象既知化合物の各特徴マススペクトル113の特徴イオンのm/z値と特徴RI115とを取得する。
本実施例においては、図4Aに示すとおり第1特徴マススペクトル113aの特徴イオンのm/z値は51、78、103、104であり、RIは898である。第2特徴マススペクトル113bの特徴イオンのm/z値は91、104、130、193、208であり、RIは1749である。第3特徴マススペクトル113cの特徴イオンのm/z値は91、117、194、207、312であり、RIは2488である。第2取得部33は、これらの値を取得して処理を終了する。
<抽出処理>
抽出部35は、例えば第2取得処理が終了した時に抽出処理を自動的に開始する(図3/S400)。処理を開始すると抽出部35は、第2取得部33により取得された特徴RI115に基づいて、今回試料マススペクトルデータ200から、該特徴RI115それぞれに対応するRIを含む所定の期間に検出されたマススペクトルである複数の対応今回試料マススペクトル201を抽出して処理を終了する。
所定の期間とは、例えば第2取得部33により取得された各RIの前後一定値(例えば±50、±10%など。)の期間である。すなわち各RIの±50を所定の期間とするのであれば、例えば第1特徴マススペクトル113aに対応する所定の期間はRIが848〜948となる期間であり、第2特徴マススペクトル113bに対応する所定の期間はRIが1699〜1799となる期間であり、第3特徴マススペクトル113cに対応する所定の期間はRIが2438〜2538となる期間である。
本実施例においては、RIが848〜948となる期間の対応今回試料マススペクトル201として、図6に示すようにRIが898の対応今回試料マススペクトル201aとRIが910の対応今回試料マススペクトル201bとを含むマススペクトルが、対応今回試料マススペクトル201として抽出されている。
<検出処理>
検出部37は、例えば抽出処理が終了した時に検出処理を自動的に開始する(図3/S500)。処理を開始すると検出部37は、まず抽出部35により抽出された対応今回試料マススペクトル201を取得する(図5/S510)。
なお検出部37は、S512〜S522の処理を前記所定の期間それぞれについて繰り返して(図5/L2)実行する。
次に検出部37は、第2取得部33により取得された特徴マススペクトル113のうち、今回の処理対象の対応今回試料マススペクトル201が対応する特徴マススペクトル113の特徴イオンのm/z値を認識(図5/S512)して、今回の処理対象の対応今回試料マススペクトル201に含まれるスペクトルのうち該認識された特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マススペクトルに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度を算出する(図5/S514)。
本実施例においては、今回の処理対象の対応今回試料マススペクトル201が対応する特徴マススペクトル113が第1特徴マススペクトル113aであれば、検出部37は第1特徴マススペクトル113aの特徴イオンのm/z値が51、78、103、104であると認識する。そして検出部37は、今回の処理対象の対応今回試料マススペクトル201に含まれるスペクトルのうちm/z値が51、78、103、104のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マススペクトルに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度を算出する。
その後に検出部37は、上記で算出したイオン強度が所定程度高く、かつ対応今回試料マススペクトル201が対応する特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高い対応今回試料マススペクトル201である高強度マススペクトル214を検出する(図5/S516)。
すなわちここで検出部37は、上記で算出したイオン強度が所定程度高いか否かの判断と、対応今回試料マススペクトル201が対応する特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高いか否かの判断とを行う。検出部37によるこれらの判断には種々の手法を採用しうるところである。まず、上記で算出したイオン強度が所定程度高いか否かの判断手法の例について説明する。
図7Aの上の図は、特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいて描いたマスクロマトグラムであり、2つのピークが含まれる状態を示している。図7Aの上の図に示す通り、各ピークは複数のマススペクトルにより構成されている。
このような場合に例えば検出部37は、各ピークを構成するマススペクトルのうちいずれかのm/z値におけるピークの頂点を構成するマススペクトルのイオン強度があらかじめ定められた所定値以上であるか否かにより上記で算出したイオン強度が所定程度高いか否かの判断を行う。この場合、イオン強度が所定値以上であると判断されたマススペクトルを含むピークを構成するマススペクトルが、特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高いか否かの判断の対象となる。あるいはさらに検出部37は、イオン強度が所定値以上であると判断されたマススペクトルを含むピークを構成するマススペクトルのうち、ピークの頂点を構成するマススペクトルのイオン強度の何%(例えば80%など)以上であるマススペクトルを選択して、当該選択されたマススペクトルのみを特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高いか否かの判断の対象とするように構成されていてもよい。
あるいは例えば検出部37は、各ピークのいずれかのm/z値におけるピーク面積が所定値以上であるか否かにより、該ピークを構成するマススペクトルのイオン強度が所定程度高いか否かの判断を行うように構成されていてもよい。この場合、ピーク面積が所定値以上であるピークを構成するマススペクトルが、特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高いか否かの判断の対象となる。
本実施例においては、図7Aに示す通り、検出部37は、今回の処理対象の所定の期間である、RIが848〜948である期間に検出された対応今回試料マススペクトル201の、特徴イオンのm/z値(51、78、103、104)のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいて描いたマスクロマトグラムから、RIが898であるマススペクトルが頂点を構成するピークに含まれるマススペクトルと、RIが910であるマススペクトルが頂点を構成するピークに含まれるマススペクトルとを、特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高いか否かの判断の対象として選び出している。
さらに検出部37は、例えば上記のようにして選び出したマススペクトルと特徴マススペクトル113との類似度を算出するための下準備として、当該選び出したマススペクトルをピークごとに足し合わせて該ピークごとの積算マススペクトル213を取得する。なお、当該足し合わせの際には、各マススペクトルの実イオン強度を反映して正規化した後に足し合わされる。
本実施例においては、2つのピークが存在するため、左のピークに含まれるマススペクトルが足し合わされて一方のピークに含まれるマススペクトルが足し合わされて図7A下方左側の積算マススペクトル213aとして取得され、他のピークに含まれるマススペクトルが足し合わされて右側の積算マススペクトル213bとして取得されている。また検出部37は、各積算マススペクトル213が対応するピークの頂点を構成しているマススペクトルのRIを示す情報(203a、203b)を保持している。なお、本実施例においては後の処理のために、積算マススペクトル213(213a、213b)は特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを抽出した状態を示している。
また、図7Aにおいては説明の都合上、特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出した場合のマススペクトルを用いてマスクロマトグラム210を描いて説明しているが、上記処理においてマスクロマトグラムを描くことは必須ではない。
続いて、検出部37による対応今回試料マススペクトル201が対応する特徴マススペクトル113との類似度が所定程度高いか否かの判断手法の例について説明する。例えば検出部37は、各積算マススペクトル213が対応するピークの頂点を構成しているマススペクトルのRIを示す情報に基づいて、各積算マススペクトル213との類似度の算出対象となる特徴マススペクトル113を特徴マススペクトルDB11から取得してこれらの類似度を算出し、当該類似度があらかじめ定められた所定値以上であるか否かにより当該判定を行うように構成される。
そして検出部37は、対応する特徴マススペクトル113との類似度があらかじめ定められた所定値以上である各積算マススペクトル213を高強度マススペクトル214として検出する。
なお検出部37は、一つの特徴マススペクトル113に対して検出されたマススペクトルが複数存在するか否かを判定し、検出されたマススペクトルが複数存在する場合(図5/S518:Yes)には、対応する特徴マススペクトル113との類似度が最も高い積算マススペクトル213を高強度マススペクトル214として検出する(図5/S520)。
また検出されたマススペクトルが一つである場合(図5/S518:No)には、検出部37は、当該検出されたマススペクトルを高強度マススペクトル214として検出する(図5/S522)。
検出部37が類似度を取得する手法としては様々な手法を採用しうるが、本実施例において検出部37は、例えば類似度を以下のように算出する。
積算マススペクトル213が2つであり、これらの積算マススペクトル213が対応する特徴マススペクトル113が上記の第1特徴マススペクトル113aである場合について説明する。
この場合に検出部37は、類似度の算定に用いるm/z値が51、78、103、104の4つであると認識し、まず第1特徴マススペクトル113a及び一方の積算マススペクトル213aを、これらのm/z値のそれぞれにおけるイオン強度をパーセントで表した値を各座標に持つ4次元の2つのベクトルとして、これら2つのベクトルが成す角度のcosθの2乗を計算することにより得られる値を第1特徴マススペクトル113aと一方の積算マススペクトル213aとの類似度として算出する。
すなわち例えば検出部37は、第1特徴マススペクトル113aのベクトルを以下の式(1)で表す。
また検出部37は、一方の積算マススペクトル213aのベクトルを以下の式(2)で表す。
そして検出部37は、第1特徴マススペクトル113aと一方の積算マススペクトル213aとの類似度218aを以下の式(3)により求める。
ここで、Mは、類似度である。
続いて検出部37は、第1特徴マススペクトル113aと他方の積算マススペクトル213bとについても同様に類似度218bを算出する。
その後に検出部37は、第1特徴マススペクトル113aと一方の積算マススペクトル213aとの類似度218aと、第1特徴マススペクトル113aと他方の積算マススペクトル213bとの類似度218bとのどちらの値が高い類似度を示しているかにより、いずれが最も類似度の高い積算マススペクトル213であるかを判定する。
上記の算出手法による類似度の算出結果は、2つのマススペクトルが完全に一致した場合には、例えば百分率で表すと100%となるので、より100%に近い類似度が算出された積算マススペクトル213が、最も第1特徴マススペクトル113aとの類似度が高い積算マススペクトル213として判定される。本実施例においては、図7Bに示すように第1特徴マススペクトル113aと一方の積算マススペクトル213aとの類似度218aが99%であり、第1特徴マススペクトル113aと他の積算マススペクトル213bとの類似度218bが49%であるため、一方の積算マススペクトル213aが高強度マススペクトル214として検出される。
なお例えば検出部37は、特徴マススペクトル113のベクトルと各積算マススペクトル213のベクトルとが成す角度のcosθを計算することにより、類似度を算出してもよい。
あるいは検出部37は、例えば特徴マススペクトル113の各ピークのイオン強度をパーセントで表した値を用いて得られる近似曲線と、各積算マススペクトル213の各ピークのイオン強度をパーセントで表した値を用いて得られる近似曲線との類似度を算出することにより類似度を求めることとしてもよい。
そして検出部37は、すべての所定の期間について上記のように高強度マススペクトル214を検出し終えた際にL2のループを抜けて処理を終了する。
<第3取得処理>
第3取得部39は、例えば検出処理が終了した時に第3取得処理を自動的に開始する(図3/S600)。処理を開始すると第3取得部39は、検出部37により前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトル214(214a、214c、214d)を図8に示すように同一m/z値のイオンごとに合算して、当該合算したマススペクトルを合算今回試料マススペクトル215として取得して処理を終了する。
図8においては、RIが848〜948である期間について検出された高強度マススペクトル214aと、RIが1699〜1799である期間について検出された高強度マススペクトル214cと、RIが2438〜2538である期間について検出された高強度マススペクトル214dとが合算された合算今回試料マススペクトル215が取得されたことを示している。
なお、当該合算の際には、各高強度マススペクトル214の実イオン強度を反映して正規化した後に合算される。
<合致度出力処理>
合致度出力部41は、例えば第3取得処理が終了した時に合致度出力処理を自動的に開始する(図3/S700)。処理を開始すると合致度出力部41は、図9に示すように判定対象既知化合物にかかる合算既知試料マススペクトル131と、第3取得部39が取得した合算今回試料マススペクトル215との合致度220を出力して処理を終了する。
すなわち合致度出力部41は、記録部10を参照して合算既知試料マススペクトルDB13から判定対象既知化合物にかかる合算既知試料マススペクトル131、合算特徴イオンのm/z値及び該合算既知試料マススペクトル131が対応する既知の試料の名称を示す情報133を取得する。
そして合致度出力部41は、該取得した合算既知試料マススペクトル131と第3取得部39が第3取得処理にて取得した合算今回試料マススペクトル215との合致度220を出力部50に出力する。
例えば合致度出力部41は、図9に示すように、合算既知試料マススペクトル131、合算特徴イオンのm/z値及び該合算既知試料マススペクトル131が対応する既知の試料の名称を示す情報133及び合算今回試料マススペクトル215を合致度220と共に出力部50に出力する。なお、本実施例においては合算既知試料マススペクトル131と合算今回試料マススペクトル215とは、ともに合算特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを抽出した状態を示している。
合致度を算出する手法としては様々な手法を採用しうるが、本実施例において合致度出力部41は、例えば合致度を以下のように算出する。
すなわち例えば合致度出力部41は、取得した合算特徴イオンのm/z値が9つであれば、まず合算既知試料マススペクトル131及び合算今回試料マススペクトル215をこれらのm/z値のそれぞれにおけるイオン強度をパーセントで表した値を各座標に持つ9次元の2つのベクトルとして、これら2つのベクトルが成す角度のcosθの2乗を計算することにより得られる値を合算既知試料マススペクトル131と、合算今回試料マススペクトル215との合致度として算出する。
この場合例えば合致度出力部41は、合算既知試料マススペクトル131を以下の式(4)で表す。
また合致度出力部41は、合算今回試料マススペクトル215を以下の式(5)で表す。
そして合致度出力部41は、合算既知試料マススペクトル131と合算今回試料マススペクトル215との合致度を以下の式(6)により求める。
ここで、Nは、合致度である。
合致度出力部41は、このようにして算出した合算既知試料マススペクトル131と合算今回試料マススペクトル215との合致度を、該合算既知試料マススペクトル131が対応する既知の試料の名称を示す情報133とともに出力部50を介して表示または印刷することにより出力して処理を終了する。
あるいは合致度出力部41は、上記の式(6)に替えて以下のように計算することにより、当該合致度を算出してもよい。
すなわち例えば合致度出力部41は、合算既知試料マススペクトル131に関する、合算特徴イオンのm/z値のそれぞれにおけるイオン強度をパーセントで表した値の平均値を以下の式(7)で表す。
そして合致度出力部41は、合算今回試料マススペクトル215に関する、合致度特徴イオンのm/z値のそれぞれにおけるイオン強度をパーセントで表した値の平均値を以下の式(8)で表す。
そして合致度出力部41は、合算既知試料マススペクトル131と合算今回試料マススペクトル215との合致度を以下の式(9)により求める。
ここで、Uは合算既知試料マススペクトル131及び合算今回試料マススペクトル215に関する、合算特徴イオンのm/z値のそれぞれにおけるイオン強度をパーセントで表した値を元uとして持つ集合であり、
Ru,iは、合算既知試料マススペクトル131に関する、合算特徴イオンのm/z値のそれぞれにおけるイオン強度をパーセントで表した値であり、
Ru,jは、合算今回試料マススペクトル215に関する、合算特徴イオンのm/z値のそれぞれにおけるイオン強度をパーセントで表した値であり、
N2は、合致度である。
あるいは例えば合致度出力部41は、合致度の算定に用いる各m/z値におけるイオン強度の、当該合致度の算出における重要度をあらかじめ機械学習により学習しておき、該重要度を考慮して各m/z値におけるイオン強度の値に重みづけをして当該合致度を算出するように構成されていてもよい。
以上が、ユーザによる既知の化合物が試料に含有されているか否かの判定を支援する一連の処理である。
上記述べてきたように、本発明によれば、トータルイオン強度ではなく判定対象既知化合物の個別の特徴イオンに着目して、対応今回試料マススペクトルから高強度マススペクトルが選択的に抽出されるので、今回の試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合でも、判定対象化合物を熱分解したときに得られる各特徴的な熱分解生成物の存在を示す特徴的なマススペクトルとの類似度が高い高強度マススペクトルが所定の期間それぞれについて検出される確実性が高まる。
また、判定対象化合物が今回の試料に含有されている可能性の高さが合致度として出力される。そのため、ユーザに判定対象既知化合物が今回の試料に含有されている可能性の高さを直感的に知らせることができるので、判定対象化合物が今回の試料に含有されているか否かのユーザによる判定を効果的に支援することができる。
このように、本発明の含有判定支援システムによれば、試料に含有されているか否かの判定対象となる化合物以外の多様な化合物が夾雑物として含まれている場合においても、ユーザによる該既知の化合物が該試料に含有されているか否かの判定を効果的に支援することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、第1取得部31は、USBメモリやCD−ROMなどの外部記憶媒体を介して今回試料マススペクトルデータ200を取得することとしてもよい。
あるいは例えば、含有判定支援システム1とガスクロマトグラフ質量分析計3とは、同一のコンピュータにより構成されていてもよい。この場合に第1取得部31は、当該同一のコンピュータの記憶装置から今回試料マススペクトルデータ200を取得する。
あるいは例えば合致度出力部41は、検出部37により前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトル214とそれぞれに対応する特徴マススペクトルとの類似度の相加平均又は相乗平均を合致度として出力するように構成されてもよい。この場合、合算既知試料マススペクトルDB13及び第3取得部39は省略される。
あるいは例えば合致度出力部41は、合算今回試料マススペクトル215との合致度が所定程度高い合算既知試料マススペクトル131が複数存在する場合は、たとえば当該複数の合算既知試料マススペクトル131それぞれが対応する既知の試料の名称を示す情報133及びそれぞれの合致度220を一覧表形式で出力部50に出力するように構成されてもよい。
あるいは例えば検出部37は、合致度出力部41が合致度を算出する手法として説明した手法と同様の手法により類似度を求めるように構成されていてもよく、また合致度出力部41は、検出部37が類似度を算出する手法として説明した手法と同様の手法により合致度を求めるように構成されていてもよい。
あるいは例えば、上記においては、検出部37が検出処理において積算マススペクトル213を取得して、特徴マススペクトル113との類似度が最も高い積算マススペクトル213を高強度マススペクトル214として検出する構成について説明したがこれに限定されない。
すなわち例えば検出部37は、各対応今回試料マススペクトル201に含まれるスペクトルのうち第2取得部33により取得された特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マスクロマトグラムに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度が所定程度高い対応今回試料マススペクトル201を取得して、該対応今回試料マススペクトル201が対応する特徴マススペクトル113との類似度が最も高い対応今回試料マススペクトル201を高強度マススペクトル214として所定の期間それぞれについて検出するように構成されていてもよい。
あるいは記録部10は既知化合物マススペクトルデータに含まれるマススペクトルのうち、標準試料の特徴的なマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マスクロマトグラムに含まれるピークを構成するマススペクトルを足し合わせた積算特徴マススペクトルを特徴マススペクトルとして記録していてもよい。
1…含有判定支援システム、10…記録部、11…特徴マススペクトルDB、13…合算既知試料マススペクトルDB、30…制御部、31…第1取得部、32…認識部、33…第2取得部、35…抽出部、37…検出部、39…第3取得部、41…合致度出力部。

Claims (5)

  1. ユーザによる、今回の試料に既知の化合物が含有されているか否かの判定を支援するシステムにおいて、
    前記既知の化合物の標準試料を熱分解GC/MS分析して検出された、所定時間ごとのマススペクトルの時系列データである既知化合物マススペクトルデータに含まれるマススペクトルのうち、標準試料の特徴的なマススペクトルである複数の特徴マススペクトルと、該特徴マススペクトルそれぞれが検出された時間である特徴保持時間(RT)又は該時間を所定の手法により指標化した特徴保持指標(RI)と、該特徴マススペクトルそれぞれに含まれる特徴的なイオンである特徴イオンのm/z値とを含む情報である特徴マススペクトルデータを該既知の化合物ごとに記録している記録部と、
    前記既知化合物マススペクトルデータと同じ方法で収集した、前記今回の試料の前記所定時間ごとのマススペクトルの時系列データと、各マススペクトルが検出された時間又は該時間を前記所定の手法により指標化した情報とを含む情報である今回試料マススペクトルデータを取得する第1取得部と、
    前記今回の試料に含有されているか否かの判定対象となる判定対象既知化合物を特定する情報に基づいて該判定対象既知化合物を認識する認識部と、
    前記記録部から、前記認識された判定対象既知化合物にかかる前記特徴マススペクトルごとの前記特徴イオンそれぞれのm/z値と前記特徴RT又は前記特徴RIとを取得する第2取得部と、
    前記第2取得部により取得された前記特徴RT又は前記特徴RIに基づいて、前記今回試料マススペクトルデータから、該特徴RT又は該特徴RIそれぞれに対応するRT又はRIを含む所定の期間に検出されたマススペクトルである複数の対応今回試料マススペクトルを抽出する抽出部と、
    前記抽出部により抽出された複数の対応今回試料マススペクトルから、各対応今回試料マススペクトルに含まれるスペクトルのうち前記第2取得部により取得された前記特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マスクロマトグラムに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度が所定程度高く、かつ該対応今回試料マススペクトルが対応する前記特徴マススペクトルとの類似度が所定程度高い対応今回試料マススペクトルである高強度マススペクトルを前記所定の期間それぞれについて検出する検出部と、
    前記判定対象既知化合物にかかる前記複数の特徴マススペクトルと、前記検出部により前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトルとを用いて、該判定対象既知化合物のマススペクトルと前記今回の試料のマススペクトルとの合致度を出力する合致度出力部とを備えることを特徴とする含有判定支援システム。
  2. 請求項1に記載の含有判定支援システムにおいて、
    前記記録部は、前記複数の特徴マススペクトルを同一m/z値のイオンごとに合算したマススペクトルである合算既知試料マススペクトルを含む情報である合算既知試料マススペクトルデータを該既知の化合物ごとに記録しており、
    前記検出部により前記所定の期間それぞれについて検出された前記高強度マススペクトルを同一m/z値のイオンごとに合算したマススペクトルである合算今回試料マススペクトルを取得する第3取得部を備え、
    前記合致度出力部は、前記合致度として前記判定対象既知化合物にかかる前記合算既知試料マススペクトルと、前記合算今回試料マススペクトルとの合致度を出力するように構成されていることを特徴とする含有判定支援システム。
  3. 請求項2に記載の含有判定支援システムにおいて、
    前記検出部は、前記類似度を前記特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて取得することを特徴とする含有判定支援システム。
  4. 請求項2又は3に記載の含有判定支援システムにおいて、
    前記合算既知試料マススペクトルデータは、前記合算既知試料マススペクトルに含まれる特徴的なイオンである合算特徴イオンのm/z値を含み、
    前記合致度出力部は、前記合致度を前記合算特徴イオンのm/z値のスペクトルのみを用いて取得して出力することを特徴とする含有判定支援システム。
  5. 既知の化合物の標準試料を熱分解GC/MS分析して検出された、所定時間ごとのマススペクトルの時系列データである既知化合物マススペクトルデータに含まれるマススペクトルのうち、標準試料の特徴的なマススペクトルである複数の特徴マススペクトルと、該特徴マススペクトルそれぞれが検出された時間である特徴保持時間(RT)又は該時間を所定の手法により指標化した特徴保持指標(RI)と、該特徴マススペクトルそれぞれに含まれる特徴的なイオンである特徴イオンのm/z値とを含む情報である特徴マススペクトルデータを該既知の化合物ごとに記録している記録部を備えるコンピュータが実行する、ユーザによる、今回の試料に前記既知の化合物が含有されているか否かの判定を支援する方法であって、
    前記既知化合物マススペクトルデータと同じ方法で収集した、前記今回の試料の前記所定時間ごとのマススペクトルの時系列データと、各マススペクトルが検出された時間又は該時間を前記所定の手法により指標化した情報とを含む情報である今回試料マススペクトルデータを取得する第1取得処理と、
    前記今回の試料に含有されているか否かの判定対象となる判定対象既知化合物を特定する情報に基づいて該判定対象既知化合物を認識する認識処理と、
    前記記録部から、前記認識された判定対象既知化合物にかかる前記特徴マススペクトルごとの前記特徴イオンそれぞれのm/z値と前記特徴RT又は前記特徴RIとを取得する第2取得処理と、
    前記第2取得処理において取得された前記特徴RT又は前記特徴RIに基づいて、前記今回試料マススペクトルデータから、該特徴RT又は該特徴RIそれぞれに対応するRT又はRIを含む所定の期間に検出されたマススペクトルである複数の対応今回試料マススペクトルを抽出する抽出処理と、
    前記抽出処理において抽出された複数の対応今回試料マススペクトルから、各対応今回試料マススペクトルに含まれるスペクトルのうち前記第2取得処理において取得された前記特徴イオンのm/z値のスペクトルを抽出したマススペクトルに基づいてマスクロマトグラムを描いた場合の該マスクロマトグラムに含まれるピークを構成するマススペクトルのイオン強度が所定程度高く、かつ該対応今回試料マススペクトルが対応する前記特徴マススペクトルとの類似度が所定程度高い対応今回試料マススペクトルである高強度マススペクトルを前記所定の期間それぞれについて検出する検出処理と、
    前記判定対象既知化合物にかかる前記複数の特徴マススペクトルと、前記検出処理において前記所定の期間それぞれについて検出された高強度マススペクトルとを用いて、該判定対象既知化合物のマススペクトルと前記今回の試料のマススペクトルとの合致度を出力する合致度出力処理とを含むことを特徴とする含有判定支援方法。
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